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第5章成長を促進する2つ目のアクセル

目次

就活生の素朴な疑問

厳しい寒さから解放され、少しずつ暖かな日が増えてきたと思っていたら、もう3月も半ばである。僕は久しぶりにマスターの店を訪れた。

会社の繁忙期で慌ただしかったこともあるが、僕自身、マスターから教わったことを実践する時間が必要だという思いもあった。

ただ知るだけでなく、それを体験することで新たな気づきや学びが得られることも、マスターと知り合ってから覚えたことなのだ。

どれだけ成長できたかは分からないが、少しでも成長した自分でカフェを訪れたいという気持ちもあった。

「マスター、しばらくぶりです」「こんにちは、山田さん。前にご一緒された伊藤さんもお変わりなく?」 数カ月ぶりだというのに、マスターは相変わらず律儀に覚えてくれている。

「はい、あのあとも壁にはぶつかっているようですが、マスターのメンタリングで教えていただいたことを思い出して、自分のアクセルになる言葉を心の中でつぶやきながら、頑張っているって言ってました」

「そうですか。それはうれしいですね」 ニコニコしながら、マスターは僕の連れに目を向けた。

白いワイシャツに青のストライプネクタイ、黒い無地のリクルートスーツに身を包んだ青年がすかさず挨拶をする。

「初めまして。私は早慶大学 3年の、高橋と申します。本日は山田先輩への OB訪問でこちらに伺いました」 まるでこのカフェが、僕の職場みたいになっているが、まぁいいとしよう。そうなのだ。

今日カフェを訪れたのは、マスターにメンタリングを受けるというよりは、自分がメンタリングをする側としてなのだ。

「大学の部活の後輩なんですよ。待ち合わせ場所にこちらを使わせていただきました」「そうだったのですね。ごゆっくり」 今日はいつものカウンターではなくテーブル席に座り、二人はホットコーヒーを注文した。

「山田先輩、あらためてよろしくお願いします。今日はたくさん勉強させてください」「うん、よろしくね。縁があってこうして会っているんだし、ざっくばらんに話そう」

テーブル席を選んだのには、そんな狙いもあった。

「ありがとうございます。では早速、質問させていただいていいでしょうか?」「はい、どうぞ」 初めは彼も緊張している様子だったが、僕の会社の仕事内容や人事制度など、一通りの質問を終えて、少し緊張がほぐれてきたようだ。

さらに、マスターから教わったことを交えながら話をして、彼も今後の仕事や日々の自分との向き合い方について、大変勉強になると喜んでいた。

「ところで高橋くんは、何の職種が希望なの?」「僕は、今のところ営業が希望なんです。ですが、正直分からないことがあるんですよね。先輩、教えてもらってもいいですか?」

「うん、どうした?」「先輩は、何のために仕事をしているんでしょうか?」 思わぬ質問が飛んできてビックリしてしまった。

うーん、そういえば、自分は何のために仕事をやっているんだっけ? あらためて聞かれると戸惑ってしまう。ぼんやりしていて、ちゃんと答えるのが難しそうだ。

何のために働くのか

突然の無茶振りで失礼だと思いながら、これはマスターにしかお願いできないと思い、こう答えた。

「ちょっと、マスターに聞いてみようか。僕もメンタリングをしてもらっていて大変お世話になっているんだよ」「はい、ぜひ伺いたいです」 結局、僕たちはテーブル席からいつものカウンターに移動し、マスターに同じことを尋ねてみた。

カップを拭いていたマスターは、突然の質問にも関わらず、笑顔で OKしてくれた。

高橋くんは目をキラキラと輝かせてマスターの返答を待っている。

「では、こんな話をしましょうか。これは私がとても尊敬する恩師から教えていただいた話なのですが、高橋さん、読んでいただけますか?」 そういってマスターはまた 1枚の紙を出した。

高橋くんが少し高い声で読み始める。

「古代ギリシアの時代に 3人の石工職人がいました。毎日大量の汗を流しながら、ひたすら石を切り、同じ給料で働いています。そこに一人の旅人が現れ、石工職人たちに質問をしました。

『あなたは、何のために石を切っているのですか?』」 1人目の職人 お金をもらうために決まっているだろ。

2人目の職人 将来、腕の立つ職人になるために仕事してるんだ。

3人目の職人 これから何百年も町のみんなが訪れることができる立派な教会の土台になる石を切っているのさ。この仕事ができてとてもうれしいよ。

高橋くんは、その意味するところを感じ取ったようだ。

なんか同じ給料で同じ仕事をしているのに、まるで違う仕事をしているくらい、働く意味が 3人とも全然違いますね」 高橋くんは、素直な感想を言っているようだ。

実際に社会人として働いている僕は、何人目の職人なんだろうか?「お二人ともこの文章を読んで、何かしら感じるところがあったと思います。

ここではあえてこの文章の議論はせずに、次のテーマに入っていきたいと思います」 そう言ってマスターはもう 1枚の図を差し出した。

マスターの投げかけって、1つのテーマで急いで結論を出さずに、より深く考えたり、気づきが得られるように次のテーマが用意されていて、結果的に全体が捉えられる視点に気づかされたり、自己内省が深められるようになっているんだよなぁ、と感心しながら耳を傾けた。

「これは、皆さんが仕事に、どんな見返りや報酬を期待しているのかを知るためのシートになります。成長で言い換えると、〝なぜ成長したいか?〟の動機を知ることでもあります。さて、まず4つのゾーン A B CDにはどんな言葉が入ると思いますか?」

期待する見返り

「うーん、難しいな」 僕が唸ると、「じゃあ Aゾーンからいきましょう、自分や家族のための目に見える報酬ですね」 と高橋くんがテキパキと仕切ってくれた。若くてもなかなか優秀そうだ。

「そうだね、いっぺんに全部考えようとすると混乱するから、1つずついこう」 ここは見栄を張って〝大きな子供〟を出さずに、素直に高橋くんの仕切りに従おう。

「これは、分かりやすいですね。給料とか役職とかでしょうか?」 高橋くんがチラッとマスターの顔を見ると、「はい、その通りですね」 マスターがうなずいた。

「Bゾーンは、自分や家族の目に見えない報酬。うーん、やりがいとかかな」 高橋くんが少し自信なさげに言った。

「そうだね、多分自己成長とかもそうだね。目には見えないけれど、お金だけで仕事はしてないよね」 僕も少しずつ理解してきた。

「次が問題ですね、 Cゾーンの他者の、目に見えるものって何なんでしょう? 会社で自分以外といったら、取引先とか、顧客とですかね?」

「なるほど、高橋くんいいね。それと同僚とか、部下とかかな」

「その人たちが目に見える何かを手に入れることで、自分にとっての報酬や喜びになるものって何ですかね? 僕はまだ仕事してないので、イメージするのが難しいです」

「じゃあ、そこは社会人の僕が答えなくちゃね(笑)。部下が昇級や昇格したらうれしいかな。それと顧客企業がうちのサービスを使って業績が上がっても、やっぱり『やったぞ!』って思うね」

「山田さん、いいですね」 マスターはにこやかに僕たちの会話を聞いてくれている。

「では、いよいよ最後の Dゾーンの他者の目に見えないものですね。これはさっきのゾーンと同じように部下の成長とかでしょうか?」「高橋くん、勘がいいね。

昔は自分の成長しか関心がなかったけれど、さすがに今は部下が成長してくれるのも素直に喜べるようになってきた気がするよ。そういう点では僕も少しは成長したのかな(笑)」

僕がそう言うと、マスターがさらに補足をしてくれた。

「はい、 Dゾーンはおっしゃる通り、部下や仲間の成長であったり、顧客や社会の発展や幸せといったかなり大きな概念のものなどがありますね。そして、それらを書いたのがこちらになります」 と、4つのゾーンに入る言葉が書かれた図を見せてくれた。

「ここでまた、お二人にやっていただきたいことがあります」「はい、なんでもやります。いやー、楽しいですね。大学の授業はこんなに楽しくないのに、ここでの学びはワクワクしますね」 屈託なく高橋くんが笑顔で答えた。

やっていただきたいのは、お二人の仕事に対するこの4つのゾーンの動機の大きさを矢印の太さや長さで表してほしいのです」「動機の大きさですか? 報酬に対する期待値みたいなものでしょうか?」 僕が尋ねると、マスターはニコッと笑って説明を続けた。

「はい、おっしゃる通りです。あまり深刻に考え過ぎずに、この記入例を参考に、それぞれのゾーンにどのぐらい重きを置いているかを矢印の太さや長さで表現してみてください。大体のイメージで結構ですので」

「分かりました。でも少し恥ずかしいような気がしますね。自分の欲をさらけ出すようで」 お金や見返りを期待するような話は人前ではするものではないという教育を受けてきたせいか、少々戸惑ってしまったのだが、マスターはそんな僕を促すように言った。

「どのゾーンが大きいのが正しいということではないですし、昇給や昇格も当然大事です。素直に、直感的に書いてみてください。あっ、それと高橋さんは、就職はこれからなので、バイトやインターンのときの経験や、今後を想像して書いてみてください」

動機矢印の強さ

「さて、矢印は書けましたか?」 どれくらい時間が経ったのか、しばらく本業をこなしたマスターが、また僕と高橋くんの前に戻ってきた。

「はい、なんとか。自分の心の中への問いかけをしているようで、難しかったですが」 マスターのところに来ると、普段はほとんどしない内省を本当に真剣にやっているなと思った。

まず高橋くんが、自分の矢印を書き込んだものをマスターに見せた。

「僕は、給料はもちろん大事だと思いますが、意外とやりがいや自己成長が大きいですかね」「あれ、でも高橋くん、そんなに矢印が伸びていないね?」

素朴な疑問を感じて僕は質問した。

「そうですかね? 僕は、自分と自分の家族がまぁ平凡に幸せに暮らせたらいいかなって思っているんです。

そのためのお金は必要ですし、やりがいや成長もあったらいいなと思って」 マスターがうなずきながら続けた。

「一概には言えませんが、最近の若い方は、全体的に小さくまとまっている傾向があるかもしれませんね。絶対大金持ちになってやるとか、世界に挑戦したいとかではなく」 高橋くんが応じる。

「そうですね、そこまでハングリー精神は強くなく、学生の海外留学も減少傾向らしいです。

仕事だけでなくプライベートの充実や社会貢献とかへの関心もそこそこ高いかもしれません。もちろん若者全てではないと思いますけど」

「そうか、僕たちが学生の頃はもう少しギラギラしてたかも」「まあ、世代の傾向分析はこれぐらいにして、あくまで個人の動機にフォーカスしましょうか。

すみません、私が言い始めたんですけどね(笑)。山田さんはいかがですか?」

「そうですね、まず給与や昇格には執着がありますね。これから結婚するので、家族をしっかり養いたいですし。それと自己成長ややりがいは僕にとって、とても重要ですね。これが無い仕事や人生は意味がないと思っています」

「なるほど、それで Aと Bの矢印が太くて長いのですね」

高橋くんが納得して言った。

「Cについては、チームのリーダーとして部下ができてから、彼らが頑張ってくれていることに対して、少しでも経済的にも豊かになってもらいたいと思うことが増えてきています。

まだ Aと Bに比較したら小さいですけどね。

そして Dについても顧客企業がうちと取引したことを感謝してくれたときに、この仕事をして良かったと思えるようになってきました。もっと若いときは、顧客の満足より自分の営業成績を優先していたなと思います。

でも、サンプルに書かれているような世の中の幸せや発展のような社会貢献的な気持ちが強いかと言われれば、正直に言ってそこまで余裕がないかなと思います」「別に無理に Cや Dの動機を持ちましょうという話ではないですから」 マスターが少し申し訳なさそうに言った。

「お二人とも、素直な気持ちを教えていただきありがとうございます。この図からどんな傾向が分かるかを表したのが次の図になります」 マスターがいつも通りサッと次の図をテーブルの上に置いた。

モチベーション傾向

「この5つのパターンは、あくまで強く強調して表現したらこう表現できますということです。その前提で見ていただけますか?」

「なるほど Aゾーンが強いのが、『物質的成長重視型』か。若いときやハングリー精神が強い人にありがちですね。そうだ、さっきの 1人目の石工もこのタイプですね」 高橋くんは、本当に飲み込みが早い。

「Bゾーンは『自己実現重視型』ですか。このタイプの人は僕の周りにも多い気がします。2人目の石工はまさにこのタイプですね。それと、いろいろと自己成長すれば、結果的に Aゾーンの収入も上がるんじゃないですかね」

「この4つのゾーンは因果関係もありそうですね」

「Cゾーンは『親分型』。以前の上司がこのタイプに近かったと思います。『俺がチームや部下を絶対に守ってやる』とか『みんなの給料が上がるために』のようなニュアンスの会話が結構ありましたし、達成祝いとかでよく飲みにも連れて行ってくれました。

僕も最近はその気持ちが少し分かるようになってきました。

ただ、ここの部分だけが強すぎると、会社の方針より、チームのことが優先されてしまうリスクもあったかもしれません」「やりすぎも良くないんですね」 高橋くんが、なるほどという顔でうなずく。

「Dゾーンは『社会貢献型』。

仕事を通じて何らかの社会貢献にはなっているでしょうけど、社員一人ひとりが意識しているかどうかは分かりませんね。

ついつい自分や会社の利益を優先してしまいがちですね。最近の大企業のいろいろな不祥事も、このマインドが薄れているから起きている気がします。

先ほどの 3人目の石工はこのタイプですね。ボランティアを積極的にする人もこのゾーンのマインドが強い人ですね」

「あぁ、僕の友達に、今海外協力のボランティアをしていて、将来は NPOに入りたいという人がいます。

現地の人の笑顔が最高にうれしいって言っていました。他者愛が強いということでしょうか。僕はまだまだの部分ですね」

高橋くんがまた、誰かを想像しながら納得した顔をしている。

「お二人にしっかり解説いただいたので、私から説明する必要がなくなりました。ありがとうございます(笑)。

高橋さん、ここまでのお話で、高橋さんが山田さんに投げた〝なぜ仕事をするのか?〟という疑問に対して何か気づきはありましたでしょうか?」 急に質問を振られて、少しキョトンとした高橋くんが、考えながら話し始めた。

「はい、まず一つ気づいたことがあります。それは〝なぜ仕事をするのか?〟という問いに対して、誰かから答えを教えてもらうべきものではないということです。その答えは、実は自分の中にあることが今日のお話の中で分かりました。

そして、その自分の中の答えにアクセスする方法やヒントをマスターからいただけたと感じています」 高橋くんの気づきのレベルが高いことに僕は驚いた。

「その上で、現在の僕が働く動機を内省することができました。僕はまだ経験や苦労が少ないことや、性格からくることもあるのでしょうが、他者に対する想いや行動が動機になっていない未熟さがあることも分かりました。

多分、今後就職をして、壁や試練に立ち向かうことを体験することで、先ほどの各ゾーンにおける矢印の大きさやバランスも変化、進化していくんだろうと思っています」「高橋くん、若いのにすごいな。

僕が学生のときは、そんな立派な気づきはできなかったと思うよ。女の子のこととか遊びに夢中だったし(笑)。もっと早く、マスターの話を聞いていたら違っていたかもな」

「そうですね、高橋さんの理解や気づきは素晴らしいですね。この図や考え方に正解はありません。いろいろな意味を含んでいますし、人それぞれ感じることや気づきがあるものだと思います」

動機をどう捉えるか

「ちなみに、動機に関して、私の気づきや意味を箇条書きにしてみたのがこちらです。しつこいようですが、これもあくまで正解とかではなく私の私見です」

マスターは先ほどの手帳の別のページを開いて見せてくれた。

「この図に、こんなにいろいろな視点や意味があるんですね。本当に深いですね」 僕は、あらためてマスターの教えのすごさを噛み締めた。

「マスター、ありがとうございます。仕事をする意味を深めるために、真剣に仕事をする勇気が湧いてきました。

自分の時間を売って、お金に換えるだけが仕事ではないことが分かって、就職することにワクワクしてきました。

もちろん、辛いこともあるでしょうが、以前は、もっと仕事に対して悲観的で怖くもあったんですが、大分変わった気がします」 高橋くんが明るい顔で言った。

「少しでもお役に立てたのであれば良かったです。仕事って、心持ち一つで私たちを大きく成長させてくれる大事なものだと私は思います」

相変わらず、押し付けないけれど、みんなをポジティブで主体的にさせるマスターのメンタリングに感心してしまう。

「ところで、マスターの矢印はどんなですか?」 僕は抑え切れない興味から、我慢しきれずに聞いてしまった。

「私も若いときはお二人のような形だったと思います。ただ今はこんな形かと思います」 そういってマスターが紙に書いてくれた。

「Aが小さくて、 B、 C、 Dと段々大きくなっていますね」「はい、昔から、あまり物質的欲求は強くなかったんです。

もちろん、今よりは強かったとは思いますけれども。現在は、次の世代の人たちの成長のお手伝いができたらいいなと思っています。

その方たちが成長すれば、社会もより良くなっていくと信じて、私ができることには魂を込めて取り組んでいるつもりです」

「なるほどですね。マスターのお話の深さや説得力は、お人柄とかコーチングスキルとかだけのことでなく、信念や動機の正しさや強さからくるものなのですね」

「お恥ずかしいです。普段あまりしたことがない話ですし」 静かに微笑むマスターを、僕はますます好きになった。

マスターは、僕の笑顔に応えたあと、高橋くんに顔を向けた。

「あまり、具体的ではなかったですが、こんな話で良かったですか?」「はい、もちろんです。とても勉強になりました。おかげでより前向きに仕事に向き合えると思います。本当にありがとうございます。山田先輩、今日こちらに連れてきていただき、感謝しています」

そう言って一礼し、高橋くんは先に帰っていった。後ろ姿が、今日初めて会ったときより一回り大きくなったように見えるのは気のせいだろうか。

高橋くんが帰ったあと、何杯目かのコーヒーを飲みながら、今日の話を思い返していると、マスターがカウンターの向こうから僕に向かってこうつぶいた。

「さあ、山田さん、いよいよクライマックスですね」「え、どういうことですか?」「私が山田さんにお伝えしたかった、成長の原理原則を、今日で全てお話することができたってことです」 そう言ってマスターは、初めてこの店に来たときに見せてくれた『成長の地図』をテーブルの上に置いた。

「山田さんなら、もうこの地図が何を意味するのか、全て理解できていると思います」「マスターにそう言っていただけるとうれしいですが、マスターの教えをしっかり理解できているか心配ではあります」 最終試験のようで、緊張している自分がいた。

「えーと、まずこの地図の中心はアイスバーグの成長を表していて、意識や習慣、スキルの3つの層の大きさとバランスとが自己成長なんですよね。

そして、左の逆向きの矢印が、〝悩みブレーキ〟と〝大きな子供ブレーキ〟で、ほとんどの人が、アクセルと同時に2つのブレーキを踏んでしまい、自分の成長の可能性を阻害してしまうんですよね」「はい、山田さん、さすがですね」 ここまでは、仮免試験を通ったみたいなものだ。

「そして、右の2つの矢印は……。あれっ、この2つのアクセルの名前は教えていただきましたっけ? すみません、忘れてしまったかもしれません」 もともと記憶力に自信のない僕は、大事なことを忘れてしまったと、大きく落ち込んだ。

「いえいえ、実はその2つのアクセルのことは、お友達の伊藤さん、後輩の高橋さんの前でも出てきてはいましたが、名前まではお話ししていませんのでご安心ください(笑)」「いやー、忘れたんじゃなくて、ホッとしました。

実はマスターとお話ができた日は、あとで気づきや学びを手帳に書いて、いつも見直していたので、それでも忘れたとしたらやばいなと焦りました。マスター、この2つの矢印の名前を教えてください」

「もったいぶってお話ししなかったわけではなかったんですけれども(笑)。まず、1つ目のミッション、ビジョンの矢印は〝自分理念・自分軸アクセル〟と名付けています」

「なるほど、自分理念や自分軸をしっかり持っていれば、その理念の方向に向かって進めるし、その方向から逸れそうになったときに、自分軸がブレなく、軌道修正してくれるんですね」

「はい、私はそう信じています。もう1つの矢印が〝正しく強い動機アクセル〟です。まさに本日、高橋さんの質問『なぜ仕事をするのか?』で考えていただいたものですね。人は、その動機の正しさや強さによって成長スピードが上がると私は思います」

「うーん、これで〝アイスバーグの成長〟〝2つのブレーキ〟〝2つのアクセル〟という5つの要素がきれいにコンプリートされたわけですね。

何と言ったらいいのか、言葉が見つかりませんが、今すごく感動してます。目からうろこって、まさにこのことだと思うし、原理原則や本質って、こんなにシンプルで分かりやすく図になってしまうものなんですね。

今まで散々悩んでいたことが嘘のような、無駄足だったような。もっと早く知りたかったです」

僕は上手にまとめることができず、とりとめもなく感想を伝えた。

「はい、学びや気づきは本当に人それぞれですし、正解もありませんから、山田さんなりに感じていただき、今後の人生の成長の糧にしていただけたら幸いです」 マスターは常に、謙虚で恩着せがましくない。

僕のような若造にはもっと偉そうな態度でもいいと思うんだけど。

「マスター、本当にありがとうございました。マスターからの成長に関する学びは本当に僕にとってかけがえのないものとなりました。常に自分の指針として活用させていただきます。最後に1つだけ質問させていただいていいでしょうか?」

「はい、別にこれで最後ではありませんが、どうぞ(笑)」 この茶目っ気も相変わらずで、ますますファンになってしまう。

マスターの動機と目的

「マスターが、若い人たちの成長のサポートをしたいというお話は、仕事の動機矢印のときに聞きましたが、なぜ、そのような動機をお持ちになったのか教えていただけますか?」「そうですね、私が Dゾーンの中で特に次の世代の人たちの成長の応援をしたい理由は、いろいろな経験が積み重なってではありますが、大きく2つあります」 少し真剣な表情で話を続ける。

「まず1つ目は、以前会社の役員をしていたときに得たことです。そこでは毎年たくさんの社員を採用していたんですが、社員が増えれば増えるほど、その社員や家族の人生に対しての責任感も増していきました。

一緒に大きな志に向かって挑戦していくほど、彼らに本当に物心両面で成長して幸せになってほしいと思いました。

それに、この社会がより良くなっていくには、正しく大きなアイスバーグを持った人たちが増えていく必要があると思ったのです

そんなに大きな会社の役員だったのに、なぜ今カフェのマスターをやっているんだろう? 素晴らしいマスターの想いを聞かせてもらっているときに不謹慎ながら、一瞬そんなことを考えてしまったけれど、それでもマスターの他者に対する愛情の深さは十二分に感じた。

「その時代に、たくさんの社員の成長を考えて、今回山田さんにお伝えした話の骨格をつくって研修もしていたんですよ」 なるほど、そういう経験があったから、こんなに深い内省ツールができたんだ。

「2つ目は、私の父親からの学びです。私の父は、第二次世界大戦の終戦時に満州で捕虜になり、シベリアに抑留されていました。

想像を絶する過酷な環境で過ごすことを強いられ、 2年間を経て帰還しました。その体験からとても愛情深い人で、事業を発展させて地域に貢献し、多くの方々から尊敬もされていました。

そんな父のことを私も尊敬していたのですが、あまり親孝行的なことはできておりませんでした。

父の晩年、私は受けた愛情に対して、何か報いることをしたいと話したのです。すると父から『それは私に返す必要はない、次の世代の人たちに返してください』と言われました。それが私の理念や軸の1つになっています」

「そうだったんですか……。素晴らしいお話ですね」 目頭が熱くなる。気の利いた感想も言えない自分に腹立たしさと情けなさを感じる。

マスターに、そんなすごい人格者のお父さんがいたことにも納得だった。

「ですから私の話は、父親をはじめとした多くの先人や先輩、ロールモデルの人たちから学んだものなのです。それらを1つにまとめただけですので、私は伝道者みたいなものですね」

マスターの話は表面上のテクニックや、経験のない評論家的な話なんかじゃない。

本質的で心に響くのは、愛情や信念を持った先代たちからバトンタッチされた想いが入っているからなんだと再認識した。

マスターが他のテーブルを片付けている間、僕はマスターと初めて会った日から今日までを振り返っていた。

三叉路理論、結果は選択できないが行動は選択できる、関心の輪と影響の輪などの言葉やアイスバーグの図、強く正しい動機の図などを思い返したり、大きな子供が自分の中にもいることに気づかされたことなどを思い浮かべたりしていた。

部下の悩みも友達の課題も彼女の問題も後輩の相談にも乗ってくれたマスター。彼の背景に先代から受け継いだ意思のバトンが隠されていただなんて……。

「ふ ー」僕は深い息を吐いた。

これは初めてこのカフェに来たときについた深いため息ではなく、とても心地の良い、安心した気持ちから出た深い息だった。

もっとマスターのことが知りたいし、もっとたくさんのことを学びたい。それに、マスターの謎の経歴のことも。

いったんこのレッスンがコンプリートしてしまって寂しいけど、ちょくちょく寄らせてもらおう。戻ったマスターに僕は元気良く言った。

「マスター、また、来てもいいですか?」「もちろんです。うちはカフェですから。予約もいりませんよ(笑)。

今回の学びの上にたくさんの体験を重ね、さらに成長した山田さんのお話をお聞きするのを楽しみにしています。あっ、ごめんなさい、団体のお客様が入ってこられたので」

「はい、大丈夫です。ありがとうございました。また、来ますね」

結局またマスターの謎の部分は聞けなかったけれど、店も混んできたので、またの機会にしようと思い、素早く会計を済ませて、外に出た。風が暖かい。パステルカラーの洋服が目に飛びこんでくる。大通りの桜並木には、蕾がちらほら目につき始めた。

こんな細かい変化に、去年までは気づくことすらなかった。でも、今年は桜が成長し、自分も少しずつ変化しているように思えている。今日会った高橋くんにも変化を感じた。

部下たちも成長して、毎日わずかだけど、それを感じられるようになった自分が少しうれしかった。マスターと出会って 1年足らずで思わぬ成長をさせてもらったなと思う。

「なぜ、成長できないんだろう」と悩んでいたときもあったけれど、今思えば、成長するというのは、とてもシンプルなことなのだ。

成長の原理原則を理解して、〝2つのブレーキ〟と〝2つのアクセル〟をうまく操作し、〝アイスバーグの成長〟を目指す。

それはなんともワクワクとする作業ではないか。僕はジャケットのポケットから 1枚の紙を取り出した。初めてカフェを訪れたとき、マスターが僕にくれた『成長の地図』だ。

ずっと持って眺めていたから、少しくたびれてきたけれど、これを見るたびに、体の中からパワーが湧いてくる気がするのだ。

これからもいろいろなことがあるだろうが、今の僕には、この地図がある。人生という長い航海にも前向きに乗り出していきたいと思う。

「よし、これからも成長するぞ!」 思い切り深呼吸をすると、沈丁花のいい香りがした。新しい生命が生まれ、新しい風が吹く、いつのまにかそんな躍動感のあふれる季節になっていた。

エピローグ

カフェのドアが、キィっと軽くきしむ音をあげた。

「いらっしゃいませ。おや、お久しぶりですね」 入って来た男性にマスターは、人懐っこい笑顔を向けた。

「お元気でしたか?」「えぇ、おかげさまで。マスターも元気そうですね。今日はちょっと近くまできたものだから」 そう言って、男性はカウンター席に腰掛け、コーヒーを注文した。

サイフォンをセットしながら、マスターが尋ねる。

「最近はいかがですか? 相変わらずお忙しいのですか?」「実は、今、本を書いていましてね」「ほぉ、ご自分の本を?」「ええ、『成長』について書いた本なんです」 男性は、少しはにかみながら答える。

「それはいいですね! いつもおっしゃっていることをまとめられたのですね?」「そうです。多くの人が無意識のうちに、自分にブレーキをかけながら生きている。それに気づいて、ブレーキを踏まない方法を知ったら、もっと楽に生きられると思うんですよね。それをどうしても伝えたくて」

「分かります。私も同意見ですよ」 マスターが、ニコニコしながら相づちを打つと、男性はさらに話を続けた。

「ものごとの捉え方次第でその後の行動は随分変わります。でも、どう考えるかを決めているのは自分なんですよね。自分で自分の成長を阻害しない、成長を促すような考え方をしてほしいと思いましてね」

「おっしゃる通り。同じ事象でもいろいろな捉え方、考え方ができるものですが、そのことに気がついていない人は多いですからね」

すると、男性は持っていたカバンに中から 1枚の紙を取り出し、カウンターに置いた。

「おや、これは?」「マスターってお客さんと話すときにいろいろな図を使っていますよね? 私もそうなんです」 と、男性は笑い、取り出した図の話を続けた。

「これは、視点や視野、視座を表した図です。大抵の人は無意識のうちにものごとを同じ場所から捉え、判断しようとします。そして、その場所で壁に当たって悩んだり苦しんだりするんです。

でも、ものの捉え方や考え方は、高さ、広さ、長さ、深さなど、様々に類別できますし、そのレベルにも差があります。そのことを理解してもらいたくてこの図を作りました」

「ものごとをどこから見るのか、どの範囲で見るのか、長期的な視点を持ったり、より深く考えたりする大切さが、この図を見ると直感的に理解できますね」「そう言っていただけるとうれしいです。

しかし、一方的に『こういう考え方がある』と言っても、人はなかなか腹落ちできないものです。

そのために、著書の中にもたくさんの図やワークシートを入れました。自分で考え、体験しながら、自分の中にあるブレーキの存在などにも気づいてほしいと思っています」

「読みながら、自分事として考え、実際に書いて学んでいくスタイルの本ですか。それは面白い!」 マスターは、心底楽しそうに笑った。

「それで、本のタイトルはもう決められたんですか? 吉田さん」「マスターが私の名前を覚えていてくれたなんて、うれしいですね! 本は『成長マインドセット』と名付けました」

「それは素敵なタイトルですね。マインドセットというのは、確か信念や価値観、判断基準という意味でしたよね。吉田さんの本のタイトルにぴったりだと思います」

「ありがとうございます。読んでいただいた方たちが、より強く正しいマインドセットを持てたら、人生がより素晴らしいものになり、そういう人が増えれば社会もより良くなると思うんですよ」

「素晴らしいですね。ところで、この本はどんな方を対象に書かれたんです?」「本の中では、一人の男性を主人公にしていますが、『成長』の原理原則は、誰にでも当てはまると思っています。

例えば自分のスキルを磨きたい、会社で活躍したい、社内の人間関係を円滑にしたいというビジネスマンはもちろんですが、会社の経営者やチームリーダーにとっても社員や部下の気持ちを知り、より成長をサポートするのに役立つと思っています」

「それに、ビジネスだけではないですよね。親御さんや学校の先生が子どもたちの正しい成長を考える上でも参考になったり、ご夫婦やカップルがお互いをよく知り、良い関係を築いたりと、読む人によって様々な気づきが得られそうですね」 マスターは目を細め、うれしそうに男性を見る。

「一人で読むだけでなく、会社でのワークショップや学校やサークルでのディスカッションにも使っていただけたらより効果的だと思っています」

「たくさんの方に吉田さんの本を読んでもらえるといいですね」「はい、私にはベストセラーを書きたいとか、みんなから褒められたいといった願望はほとんどないんです。ただ、この本を通して一人でも多くの人の役に立てたら、すごくうれしいと思っています」

「ははは、その考え方もあなたらしいですね」「今日は久しぶりにマスターとお話しできて楽しかったです。

コーヒーごちそうさまでした。また遊びに来ますね」「はい、いつでもお待ちしています。次は私も何か新しい図を用意しておきましょう」「それは楽しみです」 男性がドアを開けて出て行くと、外からほのかな沈丁花の香りが運ばれてきた。

本書を手にとり、最後まで読んでくださり、ありがとうございました。

プロローグでも少しご紹介したように、私は以前の経験から『成長』の本質、原理原則を知ることがとても大切だと考えてきました。

セミナーやワークショップをいろいろなところで開いていますが、ほとんどの方が会場に入って来られたときよりも、明るく晴れやかな顔で帰っていかれます。

その姿を見るたびに、知られているようで知られていない、『成長』の原理原則を、なんとかして多くの人に伝えたいと考えるようになり、今回、その想いがようやく形になりました。

皆さんお一人おひとりが、いろいろな感情を抱きながら、本書を読み進められたと思います。

感じ方も気づきのポイントも人それぞれ。

同じである必要はありませんが、何か一つでもご自分の人生を良い方向に導くヒントを得たと感じてもらえたら本望です。

そして、成長の本質、原理原則を知り始めた皆さんは、これから実践を通して、少しずつご自分のアイスバーグを大きくされていくと思いますが、「知っていることとできることは違う」と言われるように、実践していく上で壁に当たったり、難しかったりすることもあります。

そこで、本書の最後に、実践される際の3つのアドバイスをさせていただきます。

まず、1つ目は『アイスバーグの分割』です。

成長するためにはアイスバーグを大きくすることが重要なのですが、ご自分のアイスバーグ全体を大きくしよう意識しすぎると、具体的な行動がイメージしづらくなることが多いようです。

その場合は『アイスバーグを小さく分割』することをお勧めします。

小さく分割するというのは、例えば今任されている業務を1つのアイスバーグとして捉えるということです。

あなたが営業の仕事をされているとしたら、明日行く営業を1つのアイスバーグとして考えてみます。

その営業先に対してのあなたの想いの強さはどうか? そこに対しての行動やふるまいは? スキルに対してしっかり準備をしたのか? を考え、継続的にその営業先に行く際に、前回の訪問より自分のアイスバーグが少しでも大きくなったかを考えたり、できればノートに書いたりしてみてください。

この方法は毎日のあなたの仕事において、どんなものにも応用が利きます。

2つ目は『主体的体験学の積み重ね』です。学んだことは、実践をしなければ身にはつきません。

別な言い方をすれば「インプット」したものは「アウトプトット」してはじめて価値が出ます。

今の社会は膨大な情報に溢れており、得てして多くの情報や知識を、読んだだけ、知っただけで満足して、完全に使いこなせるまでに至っていないのではないでしょうか。

情報や知識の「量」に満足するのではなく、より本質的で重要なものにフォーカスできる能力を高めると同時に、得た知識はできるだけ早く実践することが大切です。

そして、その実践は『主体的』でなければなりません。

外部からのオーダーやルールではなく、自らの主体的行動選択による『体験』の場合のみ、あなたの正しい軸が形成されます。

そして、それを継続的に積み重ねていくことであなたのアイスバーグは大きく成長していくのです。

3つ目のアドバイスは『アイスバーグの定期点検』です。

前述した「知っていることとできることは違う」の要因は「身についているか」です。確実に自分のものにするためには、できるようになるまで「継続」する必要があります。

これをするかどうかで、アイスバーグの大きさも変わってきます。私は本の読み方には2つあると思っています。

「広い知識吸収乱読型(キュレーション型)」と「自分軸形成型(バイブル型)」です。

前者の読み方も必要だと思いますが、本書に関しては後者をお勧めします。

そして、ご自分のアイスバーグを定期点検するために、本書を繰り返し活用していただきたいのです。

例えば半年後に本書を再度読み返してみてください。

そして、前回自分が書き込んだアイスバーグの図や文章などと今回のものを見比べてみてください。

一度目に読んだときには気づかなかったことや、浅くしか理解や腹落ちができなかったことが、半年の体験を経て少しだけ深く自分の中に浸透していることが分かるでしょう。

そして、以前より『成長』している自分を確認できると思います。

車や住宅にも定期点検が必要なように、それより耐用年数が長い人生も定期点検をしたほうが、皆さんの QOL(クオリティー・オブ・ライフ)は必ず高くなります。

そして、 3年後、 5年後の定期点検では、きっと「一度目に読んだときには、何であんな小さなことで悩んでいたんだろう?」と感じるほど、成長した自分に会えるはずです。

拙著をバイブルに例えるのは大変おこがましいですが、皆さんのアイスバーグを大きくするために、寄り添い、サポートできる 1冊になれたらこれ以上の幸せはありません。

あなたの人生の『経営者』『オーナー』はあなた一人です。

その権利を他の誰にも委ねることなく、無駄なブレーキを踏まずに、あなた自身であなたの人生を素晴らしいものにしていきましょう! 2018年4月吉田行宏

【著者略歴】吉田行宏(よしだ・ゆきひろ)株式会社アイランドクレア代表取締役株式会社 LIFE PEPPER代表取締役株式会社 POL取締役元株式会社ガリバーインターナショナル(現株式会社 IDOM)専務取締役。

創業 4年でガリバーを全国展開させ同社を株式公開に導く。

10年で 1000億円の売り上げを達成した日本でも数少ないハイパーグロースカンパニー。

FC事業・経営戦略・マーケティング・人事・教育・ IT・財務等の担当役員を歴任。

2012年に退任するまでの 18年間、一貫して人事・評価制度の構築、運営及び社員・幹部育成、教育を行い、独自の研修や育成理論を構築する。

ガリバー退任後は、若手経営者の育成支援と、共同での新規事業創造のため、株式会社アイランドクレアを設立。

現在 25社以上の企業の役員、戦略顧問、出資支援を行っている。

成長マインドセット心のブレーキの外し方平成 30年 4月 11日 初版発行著 者 吉田行宏発行者 小早川幸一郎発 行 株式会社クロスメディア・パブリッシング 〒 151-0051 東京都渋谷区千駄ヶ谷 4-20-3東栄神宮外苑ビル http:// www. cm-publishing. co. jp (本の内容に関するお問合せ先) TEL 03-5413-3140 FAX 03-5413-3141発 売 株式会社インプレス 〒 101-0051 東京都千代田区神田神保町一丁目 105番地カバーデザイン 金澤浩二( cmD)イラスト 曽根愛 © Yukihiro Yoshida 2018本電子書籍は平成 30年 4月 11日発行の第 1版の底本に基づいて制作しました。

 

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