
●知識を力に変える
知識には二つの種類がある。一つは一般的知識であり、もう一つは専門的知識である。
一般的知識がどんなに豊かであっても、また、どんな広い分野にいきわたっていても、富の蓄積にはあまり役に立たない。
※ひろく浅くでは富まない。専門的知識が必要。
大学では、あらゆる分野での一般的知識を教えているが、そこで教えている教授たちは、それほど富を持っているとは言えない。教授は知識を教えるプロではあっても、その知識を体系化し、活用する専門家ではないからだ。
知識は、富を得るという明確な目標に向けて体系化し、活用しなければ、富の蓄積には結びつかないのだ。
※習得した知識をどのように体系化して、活用し、富の蓄積に結びつけるかを考えなければいけない。
この事実を十分に理解しないで、知識は力だと信じている人が大勢いる。知識が力になり得るのは、知識が、目標に向けた行動プランの中で活用されたときだけである。知識のみを与えて、その活用方法を教えないのは、教育制度の欠陥かもしれない。
※知識を実際の行動プランに落とし込めたときに初めて使える力になる。
ヘンリー・フォードは正規の教育をあまり受けなかったので、多くの人々は彼を「知識のない人間」と決めつけていたが、これは大きな誤りである。
このような認識を持っている人は、教育という言葉の本当の意味を知らないのだ。
教育(エデュケーション)という言葉は、ラテン語の「EDUCO」から転化したものである。人間の内部にもともと備わっている才能を引き出すという意味だ。
※つまり、教育は人間の才能を引き出すために使用するもの。
教育のある人というのは、必ずしも豊かな知識を持っている人のことを言うのではない。
真に教育のある人というのは、自らの心に備わっているさまざまな脳力を自由に使いこなし、周りの人たちの権利を侵害することなく、自らの目標を達成していく人のことを言うのである。
●「無知」だからこそ未来をつくる
第一次大戦中のこと、シカゴのある新聞がその論説の中で、ヘンリー・フォードを無知な平和主義者だと論評したことがある。フォードはそれに反発し、名誉棄損でその新聞社を訴えた。
新聞社側の弁護士は、フォードがいかに無知な人間であるかを陪審員たちに証明するため、彼を証人台に立たせ、質問攻めにした。
フォードは自動車の製造に関しては専門知識を持っていたが、その弁護士の質問にはほとんど答えることができなかった。フォードへの質問は、次のようなものであった。
「ベネディクト・アーノルドとはどんな人でしたか?」とか、「一七七六年の独立戦争当時、英国がアメリカに送り込んだ兵隊の数は何人でしたか?」といった類のものだった。
後者の質問に対してフォードは、「私はイギリスが送り込んできた兵隊の数は正確には知りませんが、多分、イギリスに帰った兵隊の数よりもはるかに多かったでしょう」と答えた。
法廷内に笑いの渦が起こった。フォードはこのような質問攻めに疲れてきた。そこで、弁護士があまりにも意地悪な質問を発したとき、彼は弁護士を指さしてこう言い返した。
「そのような質問をするなら、私はあなたに言っておきたいことがあります。私のデスクの上にはたくさんのボタンがあります。その中の正しいボタンを押しさえすれば、私が必要としている知識を持った部下がすぐ来てくれます。私がどうしてあなたに答えるために、一般的知識を全部詰め込んでおく必要があるのでしょうか?」
これは非常に論理的な反論だった。この反論によって、弁護士は沈黙せざるを得なかったのである。裁判官も傍聴人も誰一人として、フォードを無知で無学な人間だとは思わなかった。それどころか、たいへん教育のある人物であることを認めたのであった。
必要なときに、どうすれば正しい知識を得られるかを知り、その知識を体系化して計画を立て、それに基づいて行動できる人が無知であるはずはない。
ヘンリー・フォードはマスターマインド・グループ(頭脳協力集団)をつくり、必要なときにいつでも専門知識を得られるようにしておいたのである。
※マスターマインドグループを作成する。
そのことが彼をアメリカ最大の富豪に仕立て上げたのである。彼自身がどれだけの知識を持っていたかどうかは、この場合は重要な問題ではない。大切なことは、知識をどれだけ活かして使ったか、ということである。
※知識をどれだけ活かして使っているかが重要。
●必要な知識は手に入れることができる
願望を富などに転換する前に、あなたはサービスや商品についての職業上の専門知識を必要とするようになるだろう。しかし、それらのものは全部身につける必要はない。
マスターマインドの助けを借りれば、その弱点は完全にカバーすることができる。大きな富を形成するには、力が必要である。
※信用できるマスターマインドの助けを借りる。ただ信用できる人でなければならない。
それには、専門知識を持った人材を高度に組織化することによってその力を活用することができる。つまり、富を蓄積する人自身がすべての知識を持つ必要はないわけだ。
※知識を借りる。
このことは、十分な教育を受けていない人にとっても、十分な専門知識を持っていない人にとっても、大きな希望になることだろう。
富を蓄積する目的に向かってマスターマインドのもつ知識をうまく活用することができれば、優れた専門知識を持った人に対してもひけをとることはない。
トーマス・エジソンは、一生のうちに三カ月しか学校に通っていなかった。
だからといって、彼は決して教育のない人間ではなかったし、惨めな人生を歩んだ人間ではなかった。
ヘンリー・フォードも小学校程度の学歴しかなかった。それでも偉大な成功を収めたのである。
専門知識がないことで悩むことはいっさいない!あなたも必要な専門知識を持った人々の協力を得ることによって大成功を収めることができるのだ。
●知識を得る方法を知ろう
まず最初に、自分がどんな専門知識を必要としているかを決めることが大切である。あなたの人生の目的や願望の大きさによって、必要な専門知識が決まることだろう。
それが決まれば、次にその知識をどこで、どうやって手に入れるかを考えればよい。その参考例を述べよう。
- ⒜自分の体験や自分の受けた教育
- ⒝マスターマインド、つまり身近にいる協力者の体験など
- ⒞大学の公開講座
- ⒟図書館(本は文明の最大の利器として活用すべきである)
- ⒠特別講座(夜間講座とか通信講座)
知識が手に入ったら、次に現実的なプランによってその知識を体系化し、活用するための計画を立てる。
※知識を現実的なプランとして知識を体系化し、活用するための計画を立てる。
知識というのは、何らかの目的に向かって応用されなければ価値を持たないものだ。成功する人々は、自分の人生の目的、仕事、職業のために常に知識を求めてやまないものである。
成功しない人がよく犯す間違いは、学校を卒業すると、それで知識の吸収が終わるのだと思い込むことだ。
学校教育というのは、どうすれば人生に役立つ知識を得ることができるかという、勉強の仕方を教えているにすぎないのである。
※学校は勉強の仕方を教えてくれるもので、知識を体系化し、活用する計画、プランを教えてくれるものではない。
●一括前払いの効用
通信教育は高い評価を受けている。通信教育の受講料はそれほど高額でないため、たいてい一括前払いになっている。
前金で払ってしまうと、最後まで受講しなければ損になるため、途中で放棄する人は少なくなるわけだ。
通信教育は、特に緊張感を持たずに受けることができるし、講座の内容が優れているため、継続して勉強する習慣の形成に役立っている。
私も昔、通信教育で勉強したことがあった。広告宣伝のコースだったが、半分も進まないうちに途中で放棄してしまった。しかし、学校はその後も請求書を送りつけてきた。それはかなり強硬なものであった。
それで私は、どうしても支払わなければならないものなら(法的には支払い義務がある)、最後までやり遂げてその分だけでも取り戻そうと決心した。
そのとき、この支払い制度は学校側にとってまことに都合のいいものだと思ったが、後でこの制度の本当の意義を再認識したものである。
このような強制的な支払い義務があるために、いやいやながら、とにかくコースを修了することができたのだ。
●専門知識への道
人間の不思議なクセの一つは、無料のものには価値がないと考えることだ。したがって、無料の学校や無料の図書館は、「無料」というだけで軽視されている。
しかし、学校を卒業してからもなお勉強を続けたいと思っている人も多い。それがまた、社会人向けの授業やセミナーに参加する人が多くなっている要因でもある。
余暇を返上してまで勉強しようという意欲のある人間こそ、指導者として期待できることを経営者たちは経験上知っているのだ。
ところで、人間にはいかんともしがたい弱点がある。それは、「大志の欠如」という弱点である。
寸暇を惜しんで勉強しようとするビジネスマンやビジネスウーマンが、いつまでも下積みで呻吟しているはずはない。彼らの努力は必ず報われるはずである。障害物が取り除かれ、昇進の機会が与えられるものだ。
昇進を願うビジネスマンのために、また心に大志を持っている人々のために、社会に出てからの専門知識の吸収は、極めて有効なのである。
スチュアート・オースティン・ワイヤーは建築技師として働いていた。
しかし、たまたま大恐慌に遭遇したため、建築技師としての仕事がなくなり、収入の見通しが立たなくなってしまった。
彼は職業を変えることにした。そこで彼はもう一度学校に入りなおし、法律の専門知識を身につけることにした。企業の法律顧問を目指したわけである。
彼は、学校を修了し弁護士試験にも合格し、望みどおりに法律顧問になることができた。そして高収入を得たのである。
こんな話をすると、「私は家族を養わなければならないので、今さら勉強する暇はない」とか、「年をとりすぎているので……」と言う人がいるかもしれない。
そういう人たちのために、ワイヤーの話をもう少し続けよう。そのとき、ワイヤーは四〇歳を過ぎていたのだ。しかも結婚もしていた。そして彼は、彼が必要としている専門的な知識を最も集中的に教えてくれる講座を選択した。そのため、普通の学生なら四年かかるところを、彼は二年で修了したのである。
この話から、知識を身につけるためには、どのような努力をしなければならないかをわかってもらえると思う。
●失業によって得たアイデア
ここでもう一つの実例を紹介しよう。ある食品店で働いていたセールスパーソンが突然失業してしまった。
途方に暮れた彼は、しかし、気を取りなおし、かつて勉強したことのある会計学の知識を活かそうと思い、特別講習を受けた。そのコースで彼は、最新の会計学を学び、やがて独立して会計事務所を開いた。
そして、かつて自分が働いていた食品店を皮切りに、一〇〇余りの小さな会社と契約を結び、低料金で記帳の仕事を始めた。この仕事は大当たりした。
まもなくバスを改造した車の中に、臨時の会計事務所を構えることにした。車の中に、最新の計算機やタイプライターを持ち込んだ。このアイデアも当たった。今では、多くの従業員を雇う身分になっている。
このように仕事を発展させることができたのも、彼には簿記に関する専門知識を効果的に活かして使う想像力があったからである。
のちに彼は、以前にもらっていた給与の一〇倍もの所得税を支払うまでに成功したのである。
これは、専門知識とアイデアを効果的に混ぜ合わせた良い例であろう。このように、大成功の出発点は、アイデアなのだ。
その最初のアイディアが、次の大きな収入をもたらすアイデアを生み出したのである。もう一人、今述べた男性より、もっと大きな富を得た者の実例を紹介しよう。彼は卸売り業者向けの利益計算がたやすくできる新式帳簿を考案した。
しかし、彼の悩みは、この新しいアイデアをどうやって収入に転換したらよいのかわからないことであった。
いろいろと考えに考えをめぐらせたあげく、彼はある有能な女性タイピストの力を借りて、魅力的な小冊子を作ることにした。
そしてその小冊子の中で、彼は自分が考案した新しいシステムをわかりやすく解説したのである。
美しくタイプされ、きれいに製本されたその小冊子は、それ自身がセールスパーソンの役割を果たすことになった。この小冊子によって、彼の独創的なビジネスは世間に広まり、注文が殺到したというわけだ。
●理想的な仕事をするプラン
個人を売り込むために、人柄や実力、経歴などを上手に説明する書類を作ることのできるスペシャリストが求められている。
このようなスペシャリストを求めている人たちはアメリカ全土に何千人もいるのだ。次に述べるアイデアは、必要から生じたものである。
たくましい想像力を持った婦人が考え出した新商売である。彼女は、多くの人々が自分をいかに高く売り込むかということに悩んでいることに目を付けたのであった。
※自分を高く売り込めるか→集客・販売サポート。資料作り。LP作り。
それで、自分を売り込むために何らかの資料があればきっと役に立つだろうと考えたのである。それで手始めに、ある若者のための資料を作った。
それが大成功を収めたことで、意を強くしたのである。その若者とは彼女の息子であった。息子は大学を卒業したものの、まだ、就職口が見つかっていなかった。
悩んでいる息子を見て、このエネルギッシュな母親は、息子の売り込み資料を作ろうと決心したのである。
そうしてできあがったのが、五〇ページにおよぶ「カタログ」だった。それは、今までに見たことのないような素晴らしい出来栄えだった。
その「カタログ」の中には、息子の天性の才能、性格、学歴、特技など、彼に関するすべての情報が漏れなくまとめられていた。
それに、息子がどのような職業を求めているのか、希望する地位、収入なども書かれており、その職業に就いたらどのように才能を発揮するかということが、絵を見るようなわかりやすさで述べられていた。
実は、この「カタログ」を作るのに数週間もかかったのである。彼女は息子を図書館に通わせ、「カタログ」作りに必要な情報を集めさせた。また、就職を希望する会社を訪問させた。
息子が就きたいと考えているポストで、どのような仕事ができるかという情報を集めるためであった。
こうしてできあがった「カタログ」は、先方の会社にとっても非常に役立つものになった。会社に必要な情報もぎっしり詰まっていたからである。
●いきなり上昇気流に乗るのも悪くはない
あなた方の中には、こんな疑問を持つ人がいるかもしれない。
「たった一つの仕事を得るために、どうしてそんな面倒なことをしなければならないのですか?」その答えはこうだ。
「何かを成し遂げるためには、面倒なことなど何もない!その証拠には、この母親が準備した『カタログ』のおかげで、息子はたった一回の面接で就職が決まっている。しかも望みどおりの給料で決まっているではないか」ここで重要なことは、彼は下積みからスタートしなくてすんだということである。
彼は最初から副支配人の地位を獲得し、しかも給料は支配人並みであった。
「どうしてそんな面倒なことを?」という疑問に、もう一つ答えることにしよう。もし平社員からスタートしたなら、その地位を得るまでに一〇年を要したことだろう。
したがってそのカタログは、一〇年間の歳月を縮小させたことになる。平社員からスタートし、堅実な努力によって次第に昇進していくという考え方は、それなりに健全な考え方のように思えるかもしれない。
※就職活動の面接へのカタログを作る。
しかし、その考え方には問題がある。
その一つは、平社員からスタートするほとんどの人々は、現実にチャンスをつかむどころか、チャンスをつかみ得る高さまで上がっていくことが非常に困難なことなのだ。
そのため、彼らはスタートラインに立ったまま一生を過ごすことになりかねない。また、低い地位からでは見通しが暗いものだ。そのため、ヤル気、意欲を失ってしまうこともある。そしてついに「大志」を見失ってしまうのである。
私たちはそれを「型にはめられた人間」と呼んでいる。
毎日の決まりきった仕事に追われ、あくせくし、それが習性になっている人間のことを指すのである。
そして、毎日のマンネリ化した生活にどっぷりつかってしまい、ついにはそこから脱出しようとする意欲さえなくしてしまう人間になってしまうのである。
だから、たとえ一段でも二段でも上に上がることは重要であり、意義深いことなのである。一段でも高い地位にいれば、周囲がよりはっきり見えてくるものだ。
人々が昇進するためにどのような努力をしているのかを観察することもできるし、他人よりも早く機会を見つけることもできる。
また、その機会を躊躇なく活用することができるからである。
●不満を成功に結びつける
これに関連した好例が、ダン・ハルピンの場合だろう。
彼は大学時代、一九三〇年に全国チャンピオンとなった、あの有名なノートルダム・フットボールチームのマネジャーをしていた。
当時の監督はヌート・ロックンだった。彼が大学を卒業したときというのは、非常に時期が悪かった。大恐慌の真っ最中だったのである。
彼は投資銀行や映画会社を回ったが、どこにも就職することはできなかった。やっと見つけた仕事は、補聴器のコミッションセールスだった。
このような仕事は、誰にでもできる仕事だということは、当のハルピンも十分承知していた。しかし、その仕事がハルピンに機会を与えてくれたのであった。
彼はこの仕事に不満を持っていたものの、かれこれ二年間はその仕事を続けてきた。そして、自分でこの不満を解決しようと決意したのである。
もしハルピンがそういう決意をしなかったなら、彼は一生そのまま過ごしていたに違いない。
彼は今の立場から脱出するために、アシスタント・セールスマネジャーになろうと決意した。まもなく、その目標を達成することができた。
そのことで彼は、他のセールスパーソンに頭一つだけ、抜きん出ることができたのである。そのわずかに高くなった地位によって、彼は今までに見ることのできなかった大きな機会を見ることができた。
一段高くなることによって、機会のほうから彼に近づいてきたのだと言えよう。
ハルピンが上げていた素晴らしい販売記録が、ライバル会社であるディクトグラフ社の会長、A・M・アンドリュースの目に留まったのである。
アンドリュース会長は、ディクトグラフ社の競争相手のハルピンにひどく興味を持っていた。そこである日、ハルピンを招待した。
その席で会長は、彼をディクトグラフ社のアクースチコン補聴器部門のセールスマネジャーとしてスカウトしたのである。
アンドリュース会長はハルピンの実力を試すために、彼をフロリダへ三カ月間送り出した。ハルピンは一人で新しい仕事に取り組まなければならなかった。
失敗するのも成功するのも彼次第であった。だが、彼はへこたれはしなかった。彼はそこで成功したのである。
ヌート・ロックン監督がいつも口にしていた「世界は勝利者を望んでいる。敗者に用はない」という言葉を思い出し、懸命に仕事に打ち込んだのだ。
※世界は勝利者を望んでいる、敗者に用はない。
やがてハルピンは本社に呼び戻され、副社長に抜擢されたのである。
普通の人なら、この地位に到達するには、あらゆる努力を重ねても一〇年はかかりそうなほどの誇り高い地位なのだ。彼はそれを半年やそこいらで手に入れたのである。
この話で私が強調しておきたいことは、もし望むなら、高い地位に就くことも、低い地位にとどまっていることも、自分でコントロールできるということである。
●金以上の価値
この物語でもう一つ言っておきたいことは、成功と失敗はその人の習慣によって左右されるということだ。
ノートルダム・フットボールチームを世界で最も有名なチームにした偉大な監督の哲学が、ハルピンに大きな影響を与えたことは疑う余地もない。
監督が常に口にしていた「勝ちたい」という気持ちが、ハルピンに影響を与えたのである。成功を収めたヒーローを崇拝するのは良いことだ。
仕事のうえでどういう人と付き合うかということは、自らの成功を左右するものだ。
私は、事業の成否はヤル気一つで決まるものと信じているが、私の息子のブレイアがダン・ハルピンの会社に就職したときに、そのことをはっきりと証明したのである。
※事業の成否はやる気一つで決まるもの。
そのとき、ハルピンがブレイアに提示した給料は、他のライバル会社の半分でしかなかった。だが、私はブレイアに、そこに就職するように説得し、納得させた。
自分の地位は自分でつかむ!という気概に満ちた人物のそばにいることは、金額では計れない大きな資産となることを私は知っていたからである。
低い地位というものは、誰にとっても退屈で、面白くなく、収入も低いものだ。だからこそ、今まで「低い地位に甘んじてはならない」と、時間をかけて述べてきたのである。
●専門知識を使ってアイデアを活かす
息子のために「人間カタログ」を作り出した母親は、全国から数多くの注文を受けた。もっと多くの収入を得ようとする人たちからの注文が殺到しているのだ。
だがそのカタログは、単に今までと同じ働きでより多くの収入を得るのが目的ではない。求職者と雇用者の両方がともに無駄を省き、利益を得られるようにするのが目的なのである。
もし、あなた自身がもっと有利に売り出したいと考えているなら、次のことを心に留めておくとよいだろう。優れたアイデアは無限の価値を持っている、ということだ。
想像力を発揮して素晴らしいアイデアを得ることは、大学で何年間も勉強して医師や弁護士になった人よりも、何倍ものあるいはそれ以上の収入を得ることができるのだ。
素晴らしいアイデア、これほど価値のあるものはない!どんなアイデアでも、その背後に専門知識が必要である。
運悪く、まだ富を築くことのできない人にとっては、想像力を発揮して絞り出したアイデアよりも、専門知識のほうがより簡単に身につけることができるだろう。
だからこそ、他人の専門知識を活かして使う想像力を持っている人が、世の中から求められているのである。何よりも重要な脳力とは想像力のことである。
あらゆる専門知識を効果的に組み合わせ、富を得るための計画を作りあげていくのにそれは必要不可欠のものだからである。
もし、あなたが想像力を持っているなら(持っていない人間などいないが……)、今までの話の中から貴重なヒントをつかんだはずである。重要なのは、あなた自身の想像力なのだ。
専門知識はもちろん重要だが、必要なら、街の隅っこからでも拾い集めることだってできるものだ。
エッセンス⑤
▼知識を持っているだけでは役に立たない。明確な願望や目標を達成するために活用してこそ役に立つのだ。
▼教育は、経験と人々との交流から得られるものだ。ヘンリー・フォードは「無学」であったからこそ富を築くことができたのである。
▼知識を得るのはたやすい。この章で示した五つの知識源を参考にするとよい。
▼品物ではなく、サービスやアイデアを高く売ることもできる。六〇歳を過ぎてからでも、この方法で成功した人もいる。
▼この章で述べたことを実行すれば、他人より一〇年先んじることができる。
▼知識は豊かさへと続く道であるが、その道を進む決心がなければ豊かにはなれない。

コメント