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第5章一丸となって「戦えるチーム」の作り方

第5章一丸となって「戦えるチーム」の作り方

01強いチーム作りの「設計図」⦿BSC(バランスト・スコアカード)が、強いチーム作りの「設計図」になる⦿設計図をうまく活かす02チームの「ビジョン」を、みんなで考える⦿ビジョンは浸透していますか?⦿多様な人材を束ねるもの⦿ビジョンが1人ひとりの主体性を引き出す03「ビジョン」を浸透させる(ほとんどのビジョンは形骸化する)⦿実践できていないと意味がない⦿「視覚」に訴える⦿「聴覚」に訴える⦿「仕組み」で浸透させる04チームの「挑戦」を決める(時間軸を決めると、エネルギーが集中する)⦿「期限を切る効果」を実感した出来事⦿「できるかどうか」で考えない。

「やりたいかどうか」で考える05ムリなく結果を出せる「仕組み」を作る⦿スキルに頼らず、誰もができる「型化」とは?⦿プロセス・行動の「型化」⦿ムリをしない方法を考えるのが、上司の役割06行動を変えたいなら、「評価指標」を変えよ⦿「評価指標」を変える効果07最初は、「会話の量」にこだわる(内容は薄くてもいい)⦿会話のない組織が、うまくいくはずがない理由⦿受注率が13%上がったコールセンターの話⦿従業員満足度の高い職場に〝必ずあるもの〟08お互いの「考え方」を知る機会を作る⦿〝混乱期〟は、「会話の質」にこだわる⦿たった1日で「会話の質」を高める方法091人ひとりを主役にする⦿あなたの「参謀」を育てる⦿1人ひとりにチームの役割を付与する10感謝の総量を増やす仕掛け⦿「感謝の機会」を最大化させる

01強いチーム作りの「設計図」設計図がないと、頑丈な家を建てることはできない。

チーム作りも一緒。

強いチーム作りには設計図が必要なのだ。

そして、その設計図はすでにある。

⦿BSC(バランスト・スコアカード)が、強いチーム作りの「設計図」になる一枚岩のチームを作るのはなかなか難しいものです。

でも、運任せでは、強いチームは作れません。

最短距離で、強いチームを作るためには「設計図」を持っておくことが大事なのです。

ぜひ、紹介したいフレームワークがあります。

BSC(バランスト・スコアカード)です。

ハーバード・ビジネス・スクールのロバート・S・キャプラン教授とデビッド・ノートン(コンサルタント会社社長)が提唱した有名なマネジメント手法なのですが、これは本当にオススメ。

私もこれにずいぶんと救われました。

現場で使うには、少しアレンジを加える必要はありますが、このフレームワークを使うと、そのまま強いチーム作りの設計図になるのです。

例えば、業績が悪い時、あなたなら、どんなことを考えますか?スキル不足、顧客満足の問題、戦略が悪いなど、色々な角度で考えることでしょう。

でも、要素がつながっていないため、課題を特定しにくいのではないでしょうか。

このバラバラになっている要素をつながりで考えるのが、BSCなのです。

このBSCでは、「5つの要素」のつながりで課題を整理します。

①ビジョン(チームで目指す世界。

「○○を通じて、○○を○○にする」等)②財務の視点(営業組織なら「収益目標」、事務部門なら「生産性」等)③顧客の視点(どんな価値を提供するか?どんな行動をとるのか?内勤部門なら、顧客を「社内の関係部門」に置き換えてもOK)④業務プロセスの視点(戦略・戦術。

1人当たりの仕事量、評価、組織体制等)⑤学習と成長の視点(スキル、情報共有、モチベーション、チームワーク等)①を実現するには②が必要で、②を実現するには③が必要。

③を実現するには④が必要で、④を実現するには⑤が必要、と一気通貫して整理するフレームワークです。

【営業組織のケース】業績が悪いのは、スキルやモチベーションの問題(学習と成長の視点)ではなく、業務プロセスに問題があるため提案数が不足してしまっていることに原因がある、と診断した例。

【内勤部門のケース】少しアレンジをすると、内勤部門でも使えます。

残業削減が進まないのは業務プロセスの「評価」と「業務負荷」の問題であり、意識やスキルの問題ではないことを診断した例。

⦿設計図をうまく活かすいかがでしょう。

このようにBSCで整理すると、つながりで捉えることができるので、課題の優先順位をつけやすくなります。

これを知らないと、「とりあえず勉強会だ」「まずは対話を増やそう」といった打ち手から考えてしまい、労多くして成果を得られない、ということになりかねません。

よくあるヌケモレのケースを紹介すると、こんな感じです。

・スキルアップに向けた勉強会をしつつも、そもそも勝てる戦略になっていない・戦略は見事だけど、1人あたりの業務量が多すぎるため徹底ができていない・頑張っても〝そこ〟は評価には含まれないので、推進が弱くなるこのように、大事な点が抜け落ちているケースは少なくありません。

そうならないためにも「設計図」を作っておくのです。

ただ、補足しておくと、BSCを本格的にやる必要はありません。

従来のBSCは、これらの「5つの要素」ごとに、いくつかの項目を設定し、「数字」で精緻に管理するという、いわゆる「定量マネジメント」をガチガチに行うというもの。

経営の視点では、ここまでやるべきですが、我々は「現場のマネジメント」です。

そこまで〝ガチガチ〟に数字で管理する必要はないと考えてください。

現場で、あまりに多くの指標を走らせると、現場を疲弊させてしまいます。

いわゆる、「KPI地獄」です(KPIとは、定量的な重要業績評価指標のこと)。

現場で導入する場合は、まずはこんな感じでOK。

・「ビジョン」「業績・生産性の達成」に向けて、どんな「顧客接点」を作るか?・そして、そのためにどんな「業務プロセス」「学習と成長」が必要か?ここの具体的な打ち手を決めておくだけで十分です。

これだけでもずいぶんと「やるべきこと」「あるべき姿」が鮮明になるものです。

ここからは、視点ごとに、どんなことをすればよいのかを紹介していきましょう。

Point運任せで強いチームは作れない。

「強いチームを作るための設計図」を持っておこう!

【チームビジョンの観点】02チームの「ビジョン」を、みんなで考える部下のエネルギーが「自分だけ」に向かっていると、チームは不完全燃焼を起こす。

ビジョンを〝考えるプロセス〟が、チームのエネルギーを1つの方向に導く磁石となる。

⦿ビジョンは浸透していますか?「ビジョンなんてなくてもいいのでは…」、もしくは「会社に理念があるので、チームには必要ないだろう」と思っていませんか?実は、私が最初にリーダーになった時には、そう思っていました。

目の前の目標を達成すれば問題はない。

むしろ、好業績を出せばチームは良くなる、そんな勘違いをしていました。

しかし、部下からこう言われたのです。

「目標達成するのは当たり前だと思うのです。

もちろん頑張ります。

ただ、この先の未来がイメージできないのです。

何のために頑張っているのかが見えないと、むなしくなります」誰もが会社の理念を知っているけれども、浸透はしていないことを知った瞬間でした。

理念を知っているだけでは、意味がありません。

自分のものにしないといけないのです。

あなたのチームはどうでしょうか。

必要なのは、理念を暗記することではなく、「自分のこととして考えるプロセス」です。

その手法として、自分たちのチームビジョンを作るという方法はオススメです。

⦿多様な人材を束ねるもの今、多様な価値観を持った人材が職場に集まっています。

売上をここまで目指す、といったことだけでは、人は頑張れなくなっています。

・スキルを学ぶために、ここで頑張っている(自分の未来のため)。

・私生活を大事にしたい。

ムリをしてまで頑張りたくはない。

・自分の会社を立ち上げている。

今は二足のわらじ(最近、増えています)。

・副業をしているので、体力を残しておかないと。

といった人材もいるでしょう。

つまり、今はエネルギーの配分の仕方を各々が決められる環境になっているということ。

リーダーの務めは、このエネルギーを「あるべき方向」に「最大限まで使ってもらう」ことであり、だからこそ必要となるのが、チームビジョンの作成なのです。

⦿ビジョンが1人ひとりの主体性を引き出す私の研修を受けた、ある求人広告会社の千葉県を担当するリーダーの例です。

彼が受けたのは「チェンジリーダーシップ研修」という研修で、これはチームのビジョンを掲げ、1人ひとりの主体性を高めていくためのポイントを学ぶものなのですが、彼も昔の私と同様、当初は短期業績に目を奪われていました。

でも、この研修でビジョンの大切さを知り、メンバーと一緒にそれを考えたのです。

彼らが掲げたビジョンは、「採用を通じて、千葉県を幸せにする」でした。

それは、「千葉の人は満員電車に揺られ東京で働く。

しかも帰宅するのが遅くなるため、家族と食事をとれない人もいる」といった自らの経験を投影したものだったのです。

先に結論を話しましょう。

このような効果が生まれました。

①主体性が高まった(「私たちも手伝います」と派遣スタッフから申し出も!)。

②目標に本気になれなかった中堅の方が、久しぶりに目標を達成した。

③営業ツールが変わった。

お客様にもビジョンを伝え始めたことで共感を得られた(「千葉県で、この3カ月で100人以上の中途入社の方が決まりました。

お互いが幸せになることをコンセプトに、千葉県でのマッチングを増やすために全力で頑張ります」といったフレーズを入れた)。

④結果として売上が向上し、関東全体で表彰された(会社から要望された目標より高い自主目標を掲げて挑戦していた)。

まず、お客様は誰なのか、その人たちの「不満・不便・不安」をみんなで想像します。

その上で、「やってあげたい」ことを全員で話し合います。

そして、言葉に置き換えます。

言葉が大事なのではなく、みんなで考えるという、そのプロセスが大事なのです。

「千葉を元気にする」と言われても我々にはピンときません。

でも、彼らには、その思いは深く宿っているのです。

Pointビジョンは覚えるものではない。

自分のこととして考える機会を作ろう!

【チームビジョンの観点】03「ビジョン」を浸透させる(ほとんどのビジョンは形骸化する)日常の忙しさの中で、ビジョンは必ず形骸化する。

ビジョンを浸透させるためには、壁にポスターを貼るだけでは足りない。

ルーティーン化させることが浸透の鍵である。

⦿実践できていないと意味がないせっかく考えたビジョンやチャレンジが形骸化してしまうことはよくあることです。

もちろん、ビジョンをなんとなく知っていたり、よどみなく音読したりすることはできるかもしれません。

でも、実践できていないと意味はありません。

決めたビジョンや挑戦は、浸透させねばならないのです。

そのために、まずこう考えてみてください。

1週間40時間働いているならば、40時間の間はずっと伝え続ける、と。

もちろん、言い続けるわけにも、BGMのように流し続けるわけにもいきません。

そこで、こう考えてみてください。

「視覚」で訴え、「聴覚」でも訴え、さらに「仕組み」で浸透させる、と。

こうすると、ずっと伝え続けることができます。

⦿「視覚」に訴えるいわゆる、見せる方法です。

例えば、事務所にポスターを掲げる、もしくはパソコンの壁紙を作成する、メールの署名に挿入する、といったことです。

トレーナーやブルゾンを作り、オフィス内でそれを着るといった方法もあります。

最近私が感動したのは、先ほどの「採用を通じて、千葉県を幸せにする」と言っていた課長の職場。

千葉県の企業が1人の社員を採用するごとに、ティッシュで作ったふわふわの薔薇を職場に飾っていました。

100名を超えた時、職場が花でいっぱいになっていたのです(この薔薇は、派遣スタッフの方が自主的に作成されたものでした)。

⦿「聴覚」に訴えるいわゆる、言葉で伝える方法です。

毎回の会議、朝礼で話すときに必ず「そのビジョンに触れる」といった地味な方法です。

まずは、リーダーが言い続けることが鍵。

リーダーが言わなくなったら終わりです。

例えば、ソフトバンクのトップ、孫正義さんが実践していることは参考になります。

ユーチューブの動画でいくつかのスピーチを見てみてください。

10年以上、「情報革命で人々を幸せにする」と念仏のように言っています。

実際、同社の社員、またOB・OGでこの言葉を知らない人はいません。

一度ではなく、意図的に繰り返し、言い続けることが大事なのです。

もちろん、みんなで唱和してもいいのですが、「気持ちが入っていない唱和」になるくらいならやめたほうがマシです。

形式的な儀式ほど、職場を内向きにするものはありません。

⦿「仕組み」で浸透させるいわゆる、ルーティーンに組み込む方法です。

例えば、毎回の会議、朝礼でビジョン進捗のコーナーを設ける会社もあります。

ある会社では、「お客様の期待を超える」ことをビジョンに決めた部署がありました。

その部署では、毎週のミーティングで「期待を超えたかどうかコーナー」を設けています。

先週を振り返り、期待を超えていないと思われる行動、超えたと思われる行動を各々が発表するのです。

例えば、期待を超えていないと思われることは、こんな感じで共有します。

「資料送ってよ、と言われたので、データをメールで送りました。

でも、資料の用途を確認しておけば、人数を確認し、必要な部数を郵送で送って差し上げるといったこともできたかもしれません」これに対し、上司は「いいね!よい気づきだ」とほめます。

実はこの職場は、3年前まで離職者が相次いでいました。

しかし、このような取り組みをすることでチームの結束が高まり、お客様からほめられることが増え、なんとこの2年は1人も辞めていないそうです。

こんなちょっとしたことの継続が、ビジョンの浸透に一役買うのです。

ぜひ、ルーティーンに組み込んでみてください。

Pointビジョンを形骸化させないために、「視覚」「聴覚」「仕組み」で確実に浸透させよう!

【チームビジョンの観点、収益の視点、顧客の視点】04チームの「挑戦」を決める(時間軸を決めると、エネルギーが集中する)期限を決めることでやるべきことは鮮明になる。

収益の目標、またはお客様への価値向上の観点でやるべき挑戦を決めれば、さらにチームのエネルギーが高まる!⦿「期限を切る効果」を実感した出来事ビジョンを決めたら、時間軸を入れた「挑戦」も決めてみてください。

例えば、1年、半年など短期スパンでの挑戦がオススメです。

長くても2年でしょう。

自分がそのチームのリーダーを担当していると思う期間で考えたほうが、リアリティーが出ます。

私が「期限を切る効果」を実感した出来事がありました。

これも、求人事業の営業組織のリーダーだった時のことでした。

運良くベテランばかりが揃っていたこともあり、売上を上げるのは、彼らにとっては造作のないことで、この力を集約して新しいサービスモデルを作りたいと考えていました。

すでに、「採用を通じて、お客様の事業成長に寄与する」ことをビジョンに掲げていたのですが、「思いの強度」にはバラツキがあり、改善する必要を感じていました。

なので、私の〝挑戦案〟をメンバーに提案することにしたのです。

「この1年で勝負をつけたい。

全員が、売上を上げるだけでなく、お客様の収益を増やす提案をする。

そして、その成果発表会を〝全従業員の前〟で行う」と。

最初は激しい抵抗もありましたが、みんなで話し合う中で、「挑戦する」ことに決まりました。

もし、ビジョンを決めていなかったら紛糾したと思います。

ここからは、営業も内勤も目の色が変わりました。

さらにコミットメントを高めるためには評価との連動も重要です。

上司に相談して、評価を変える快諾を得ました。

「自分たちの売上だけでなく、お客様の収益を伸ばした成果を加点の要素にしてほしい」と。

評価項目にも反映されたことで、いっそう本気度が向上しました。

1年後、発表会を行ったのですが、素晴らしい成果であふれていました。

中には、年商400億円のお客様が、採用を通じて事業を伸ばし、なんと8カ月で36億円も売上が向上した例もありました。

⦿「できるかどうか」で考えない。

「やりたいかどうか」で考える特に会社からこれをやれと言われたわけではありません。

会社の理念は理解していましたので、それを自分たちのこととしてチームのビジョンを考え、時間軸を入れて挑戦を決めただけなのです。

組織も人もそうですが、「できるかどうか」で考えると、絶対に成長はしません。

さらに言うと、「できる目標」、難易度の低い目標では仕事は面白くありません。

やはり、みんなで「理想」を目指すから、面白くなるのです。

少なくとも、リーダーは、「できるかどうか」で考えるのは、最後の最後。

まずは、リーダーが「これに挑戦したい」と提案してみましょう。

すると、メンバーから様々な意見が出てきます。

その話し合うプロセスも大事。

これがないと、「やらされ感」しか生まれません。

そして、メンバーと「挑戦」を考えてください。

反対意見が出てきたら、こう尋ねてみるといいでしょう。

「もし、これをするリスクがないなら、やってみたいと思う?」「では、リスクを洗い出してみない?」と。

実は、リスクがほとんどないことに気づきます。

もし、うまくいかなくても「自分たちがつらい思いをする」くらいです。

あとは、ちょっと面倒が増えるくらい。

会社にリスクもなければ、自分たちの評価にもリスクはなく、その一方でお客様のニーズには合っていたりもするわけです。

挑戦は、どんなことでもOK。

10年後にメンバーと再会した時、「あの時の経験が、今でも活きています」と言ってもらえる、そんな1年にすることを常に考えてみてください。

そのためには、「挑戦」が必要なのです。

Pointエネルギーを集中させるために、期限を決め、難易度の高いチームの挑戦を決めよう!

【業務プロセスの視点】05ムリなく結果を出せる「仕組み」を作るスキルが足りない、技能が足りない、理由を挙げればキリがない。

スキルがなくても結果を出せる仕組みを持つ。

これこそが、今のリーダーに求められる力である。

⦿スキルに頼らず、誰もができる「型化」とは?「型化」という考え方をご存知でしょうか?熟練した技能がなくても、誰もが結果を出せる「手法」を作ることを指します。

ちょっと、わかりにくいですね。

シンボリックなケースを紹介しましょう。

あるテレビ番組での出来事。

高級中華料理店の赤坂璃宮。

そのシェフが何十年とかけて会得する技術があります。

それをテレビ局のアナウンサーが、レシピを見ながら作るという番組がありました。

なんと、ゲストたちはどちらも美味しいと絶賛。

結局、見分けがつかなかったのです。

このように、スキルを会得せずとも誰もが結果を出せる方法が「型化」です。

営業なら、「これ」と「これ」を「こう」すれば、誰もが結果を出せる、というものですし、会計処理なら、数字を入力するだけで、書類がアウトプットできる、そんなものです。

AIの導入はまさにこの型化の1つであり、人の努力やスキルを「無」にする、これこそが「型化」の究極のゴールでしょう。

まず、AIを持ち出さずとも、現場でできる「型化」をしておきましょう。

⦿プロセス・行動の「型化」マニュアルを作ることもオススメです。

この通りにすれば結果を出せる、そんな「虎の巻」。

ハイパフォーマー(好業績者)の行動を誰もができるマニュアルに落とし込みます。

取材をしてみると、思った以上にハイパフォーマーと、それ以外の人の仕事の進め方は違うものです。

次の方法でやってみてください。

①ハイパフォーマーの「プロセス」を確認する②プロセスごとの「行動」を確認する③その「プロセス」と「行動」を誰もができるように整理してみるこれだけです。

例えば、商談の型化なら、こんな感じになります(右の図を参照)。

曖昧さを払拭するほどに、努力すべき点が明確になります。

もちろん、営業だけではなく、あらゆる職種でも「プロセス」「行動」の整理はできます。

ぜひ、トライしてみてください。

⦿ムリをしない方法を考えるのが、上司の役割マニュアルを作っても徹底が不十分になっては意味がありません。

不徹底になる理由の1つが、「時間がない」といったものです。

調べてみるとオーバーワークになっていることも少なくないのです。

1人あたりの適正な業務量を決めておくといいでしょう。

もし、それを超えるようなら、増員をするか、チームでの割り振りを変えるか、もしくはほかの方法(本部で集約、外注など)も検討するべきでしょう。

今は、とにかく頑張れ、気合いで乗り越えよ、という時代ではありません。

頑張らなくてもできる体制を作る、これこそが上司の役割です。

ぜひ、ムラ、ムダ、ムリは大胆に省いていきましょう。

Pointスキルがなくとも、頑張らず、時間をかけず、成果を出せる方法を考えよう!

【業務プロセスの視点】06行動を変えたいなら、「評価指標」を変えよ多くの会社員は、驚くほど「評価指標」に合わせる。

評価に反映されないと、いくら言っても徹底は不十分になるが、評価を変えれば3カ月で行動は変わる。

⦿「評価指標」を変える効果「評価を変えずして、行動は変わらない」、これは私の確信です。

そう簡単に人は行動を変えません。

慣れ親しんだ方法を手放すのはイヤなものです。

でも、評価の指標を変えると、その瞬間から人は行動を変えます。

新しい行動を要望する際は、まず評価と連動させるようにしてみてください。

もちろん、人事制度を変えるのは難しいでしょう。

でも、制度を変えられなくても、「運用」で変えられないかどうか、を考えてみてください。

ここまで言うのには理由があります。

会社員は、「評価」で動くからです。

誤解をしないでいただきたいのですが、それが悪いと言いたいわけではありません。

「評価=会社から期待されること」なので、それでいいのです。

ただ、評価とならないことを「頑張れ」と言っているため、徹底されないことが多いもの。

残業だってそうです。

いっこうになくならない理由として、残業手当の存在は無視できません。

残業すれば時間あたりの単価は25%アップするわけで、言うなれば、残業することをむしろ評価する結果となっているわけです。

そりゃ、やめないでしょう。

なので、運用で変えてしまうのです。

「残業を月30時間以上したら、成果が出ていなくても強制的に休ませる(結果的に評価に影響してしまう)」とした職場もありますし、営業の表彰対象から外すという会社も増えています。

中には、早く帰った人のほうが、インセンティブ(報奨金)が高くなるようにしている会社もあります。

その結果、これらの会社では、「どうやったら早く帰れるのか」と自主的に考えるようになっています。

評価の対象にすれば、3カ月で行動は変わります。

Pointまず、「評価を変えられないか」を検討してみよう!

【学習・成長の視点】07最初は、「会話の量」にこだわる(内容は薄くてもいい)チームのメンバー同士が気軽に話せる状況でないと、当然チームは機能しない。

まずは、気軽に話せる関係性を作るのが第一歩。

⦿会話のない組織が、うまくいくはずがない理由あまり雑談がない、またはプライベートの会話が減っているチームは少なくありません。

その要因としては、余裕がなくなっていることが挙げられます。

1人当たりの仕事量が増加し、残業規制もある状況ですので、仕方のないことかもしれません。

ただ、特にチームができたばかりの頃は、「会話量」が極めて重要なのです。

チームの発達段階を論じた「タックマンモデル」は、参考になります(図参照)。

まず、着目すべきは第1ステップの「形成期」。

この段階ではよそよそしさがあり、それを取り除くことが鍵となります。

でも、難しい取り組みは不要。

お互いが会話をする時間を持つだけでOKです。

または一緒にランチを食べる、そんな程度のことでも十分に効果があります。

⦿受注率が13%上がったコールセンターの話コールセンター事業などを手がける、もしもしホットライン(現・りらいあコミュニケーションズ)での実験を紹介しましょう。

調査をしたのは日立中央研究所。

昼食を同年代の様々なメンバーと組み合わせて(4名単位)とるようにしたところ、なんと受注率が13%も上がったと言うのです。

これは、風通しが良くなり、様々な情報(ナレッジ)がスムーズに広まるようになったからだと言います。

組織は「見えない、ゆるやかな派閥」で分断されており、ここをつなげるだけでずいぶんと風通しが良くなり、生産性向上に寄与したとの結果を得たのです。

つまり、決まった人との会話では意味はなく、派閥を超えての会話が大事ということ。

ランチを有効活用するほか、ミーティング前の5分を雑談の機会にすることで、話しやすい関係を作り、従業員満足度を高めた会社もあります。

どんな方法でもOK。

ぜひ、あなたらしい方法で、会話の量を増やす機会を作ってみてください。

⦿従業員満足度の高い職場に〝必ずあるもの〟まだほかにも方法はあります。

従業員満足度が高い会社に共通するもの、それが面談。

大事なのは回数です。

最低でも月に2~3回の頻度で面談を行います。

人が辞めない奇跡の介護施設と言われる「合掌苑」(東京都町田市)も、月に複数回の頻度で上司が面談をしますし、私のクライアントでもあるWebアプリの大手企業でも、週に1回の面談を実施されています(リンクアンドモチベーション社の従業員満足度サーベイで、偏差値が約80という驚愕の会社です)。

「面談」は、10分程度でも問題ありませんし、話す内容は「何か困ったことある?」といったようなことでもOK。

その私のクライアントのある

上司は、こう言います。

「時には、話すことがないので、仕方なく近況報告をし合うこともある」と。

チームができたばかりの頃、または一体感を持たせたい時は、会話の「量」を増やすことにトライしてみてください。

話しやすい雰囲気を作るのが第一歩です。

Point会話をすることの優先順位を上げ、全員の「会話量」を増やす機会を作ろう!

【学習・成長の視点】08お互いの「考え方」を知る機会を作る第2ステップは、お互いの「内面」を知ること。

半日か、1日を使って研修をするのもオススメ。

意外とお互いが何を考えているのかは把握できていないものである。

⦿〝混乱期〟は、「会話の質」にこだわるチームが思った以上に混乱してしまうこともあるでしょう。

小さな派閥ができたり、時にはちょっとした対立が生まれたりすることも。

でも、焦らないで大丈夫です。

混乱期に入っただけですから(左の図参照)。

この時、会話の量だけでは、乗り切れません。

「会話の質」にこだわることです。

会話の質とは、お互いが「何に喜びを感じる」のか、また、「何に不満を感じる」のか。

「どんなことが得意」で、今後は「何をやりたい」のか。

そんな、1人ひとりの「考え方」にお互いが関心を持つことを指します。

実は、白状しますと、私も過去に頭を抱えた局面がありました。

でも、それは「混乱期」にすぎないとわかっていたので、やるべきことは見えていました。

その時の方法を紹介しましょう。

⦿たった1日で「会話の質」を高める方法お互いを知るために、1日もしくは半日を使って研修をしてみるのがオススメです。

意外と日常の会話では、お互いのことを表面的にしか把握できていないものです。

私の場合は、強み診断ツールの「ストレングス・ファインダー」を使いました。

私たちは無料版を使って簡易的に本人の強みを出したのですが、ストレングス・ファインダーでなくてもいいですし、このようなサーベイがなくてもできます。

さて、ここでわかった強みは、本当に多種多様。

時には対立するのもうなずけました。

ある人は「情報を蓄積すること」が得意、ある人は「新しい工夫をすること」が得意、ある人は「チームで協業すること」が得意である、といった強みが出てきました。

情報を蓄積したい人に、「知識を蓄えるのはいいから、もっと早く動いてよ」なんて発言したとしたら、その人の考え方そのものを否定してしまうことになります。

その人の「発言の背景」や「価値観」を知れば、相手への理解力が俄然高まります。

そして、その研修で聞くことは、次の4つのこと。

①今の仕事の満足度は?②何があれば、満点?③どんな時に喜びを感じる?(今までで、喜びを感じたことは?)④モチベーションが高い時、または回復した時、発揮していた強みは?人数によっては、1~2時間でもできますので、ぜひトライしてみてください。

私も研修講師として、この手法を様々な企業に提供しているのですが、毎度のことながら、思った以上にお互いのことを知らなかったと驚きの声があがります。

もちろん、時間をかければ、次第にお互いのことを知ることはできるのですが、事業のスピードがますます速くなる今、時間をかけないで、お互いのことを深く知る工夫も必要になってきています。

Pointチームの混乱は成長痛。

まずは、次の成長に向け、お互いのことを知る時間を設けよう!

【学習・成長の視点】091人ひとりを主役にするリーダーは1人で頑張ってはならない。

主役はリーダーではない。

できるリーダーは、「明確な役割」を与えることで、1人ひとりの力を引き出すことを考える。

⦿あなたの「参謀」を育てるあなたには、「参謀」はいるでしょうか?参謀とは、あなたの「協力者」であり、「代行」もしてくれるような部下のことです。

いないなら、今のうちに育てておくことをお勧めします。

まず参謀の効果を紹介しましょう。

あなたが、何か新しいチャレンジをしようとした時、おそらく反対が起こります。

いわゆる、「2対6対2」の法則です。

2割が「賛成」、6割が「意見なし」、2割が「反対」、多くの場合こうなると考えてください。

この時、まず6割を動かすことから始めます。

6割が動けば、2割も動かざるを得なくなるからです。

その時、あなたが言うより、参謀が「やるしかない」と言ってくれたほうが、形勢は早く逆転できます。

私も、何度も参謀によって救われました。

先ほどの「1年後に成果発表会をしよう」と私が提案した時もそうでした。

この時も、みんなの反応は、「2対6対2」。

反対の2割の抵抗はかなり強く、膠着した場面がありました。

そこで、私の代弁をしてくれた人がいたのです。

「俺はやるべきだと思っています。

今は大丈夫だけど、3年後を考えたら、今以上のお客様との関係性を作ることは必要だろうし。

やりませんか?」これで、決まりでした。

「あなたが参謀だ」と言う必要はありませんが(言ってもいいです)、同じ目線で考えることができ、相談ができる、そんな信頼できる人が参謀です。

こんな人がいるとずいぶんと助かるものです。

もしいないなら、まずは育てるしかありません。

半年、1年かけて、情報を共有しながら、相談をしてみてください。

次第に目線が合ってくるでしょう。

⦿1人ひとりにチームの役割を付与する参謀だけが頑張っても、バランスが悪いものです。

主役と脇役のようにしてはいけません。

1人ひとりに、役割を担ってもらってください。

役割は、チームにおける存在価値を発揮するきっかけになります。

「高橋さんの取り組みによって、改善提案数が5%上がりました」と、みんなの前でほめたらどうでしょう。

やる気が高まらないはずがありません。

チームにおける主な役割としては、次のようなものがあります。

【チームメンバーの役割】・考える役割(新しいやり方を考える人)・作る役割(ツールや資料を作る人)・会議を仕切る役割(会議を進める人)・広報する役割(盛り上げる人)・労う役割(慰労会等を企画する人)・学びの役割(役立つ情報を共有する人)例えば、チームを良くするために、キャンペーンを考える係でもいいでしょうし、汎用の企画書を作成する係でもいいでしょう。

会議の司会を任せる職場もあります(司会を上司がやらないほうが主体性が向上します)。

キャンペーンの広報係でもいいでしょう。

達成会の幹事でもいいでしょう。

日経新聞や日経流通新聞(現・日経MJ)から、仕事に役立つ情報を共有してもらう係を決めたこともありました(これは、勉強の習慣にもなります)。

もちろん、1人が複数の役割を兼務するのもいいでしょうし、複数のメンバーで1つの役割を順番に担当してもらってもいいでしょう。

いずれにしても、まず役割を決めた上で、1人ひとりに役割を付与してみてください。

自分たちがチームを動かしているのだ、と思える、そんな主体性を醸成することができること間違いなしです。

Pointチームへの愛着を持ってもらうためにも、1人残らずチームの役割を付与しよう!

【学習・成長の視点】10感謝の総量を増やす仕掛け上司から感謝されると嬉しいものである。

さらに、同僚からの感謝、お客様からの感謝の声があれば、ここのチームメンバーで良かったと思うだろう。

⦿「感謝の機会」を最大化させる感謝されると、誰もがやる気が高まるものです。

心理学者のアダム・グラントらが行った感謝に関する研究でもこう言っています。

責任者から感謝の言葉と活動のフィードバックを受けると、生産性は向上する、と。

だとするなら、感謝の言葉をもらえる機会を最大化させる方法を考えてみてはいかがでしょう。

ここでは、もっと感謝を増やす方法を紹介します。

上司だけではなく、3つの方向から感謝の気持ちが耳に届くようにしてみてください。

1つ目は、上司であるあなたからの感謝。

あなたから「頑張ってくれてありがとう」「助かったよ。

ありがとう」と伝えます。

最低でも、1週間に1回もしくは2週間に1回は伝えましょう。

ほかにも、●半期に1回、その期に活躍した社員へ贈る、職場での「MVP賞」「優秀賞」等の表彰●毎週、SNSやメールで配信(トピックスと頑張った人の仕事ぶりを伝える)●朝礼で、必ず感謝の言葉を添えるといったように、感謝の気持ちを伝える「ルーティーン」を持つことも効果的です。

2つ目は同僚からの感謝。

同僚からの感謝の言葉は、上司のそれとは異なり、チームに受け入れられていることを実感できる効果があります。

この感覚を「組織への適合感」といい、チームへのエンゲージメント(絆)を高めると言われます。

ただ、仕掛けは必要です。

●職場で表彰をする(例:みんなが選んだベストプレイヤー)●お互いが感謝の気持ちをカードに示すサンクスカード(手書きのカードを渡すザ・リッツ・カールトン東京や日本航空、色々な場所に設置されるボックスにメッセージカードを投函する東京ディズニーリゾート等は有名)●メンバーの誕生日に、ケーキで祝う(感謝を添えて)といった方法があります。

3つ目はエンドユーザー(お客様)からの感謝。

お客様のアンケートで得られた声、ネットでの口コミ、また実際に得たお客様の声をメンバーで共有します。

自分たちの自信につながり、行動が強化される効果があります。

社会に対して役に立てているかの関心が強くなってきている今、強化しておきたい切り口です。

●お客様の評価を集める(アンケート、電話、上司の訪問等)●そのお客様の声をSNSやメールで配信●頂戴したコメントを壁に掲示お客様に喜んでもらえていることを実感する機会は、意外と少ないものです。

ぜひ、計画的に声を集め、共有することをされてみてください。

自信になります。

これらの3つの方向で最大の感謝を得られる仕組みを作ってみてください。

リーダーは、その機会を作るプロデューサーなのです。

Point感謝する機会は、「思いつき」ではなく、計画的に「仕込んで」おこう!

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