MENU

第5章ウケるトークの作り方

第5章ウケるトークの作り方

ウケない理由の克服「話を上手くまとめるために」前章では、トークネタの探し方として、ネタ探しの便利なツール「アニキとタケシがカコ住食」を使うことをオススメしました。そして、そのネタを「ウケる」ものにするために、「笑い」の原則である「緊張(フリ)」と「緩和(オチ)」を意識すること、そして聞き手に「共感」してもらうこと──これらを大切な要素として挙げました。こうやってトークネタを探したら、次はそのネタをウケるトーク用に加工してやる必要があります。ネタ探しは、それぞれの経験や知識の差で、いろんなネタを持ってこれると思いますが、そのネタをより面白くできるかどうかは、うまく加工できるかどうかにかかっています!せっかく面白いネタを見つけても、それを上手くまとめるチカラがないと、意味がありません。ネタの原石を磨いて、キラリと輝くウケるトークに仕上げていきましょう!そこでここでは、ウケるトークの作り方を、例題を挙げながら、1つ1つ丁寧に説明していきます。これを活用すると、仮に同じネタ元だったとしても、加工の仕方次第で全く違う視点の話にすることができます。ネタを「5W1H1D」にまとめる「5W1H」という言葉を聞いたことがありませんか?学校の授業で習った人も多いと思います。5W1Hとは、話を正確に伝えるための要素として用いられていて、「いつ?(When)」「どこで?(Where)」「だれが?(Who)」「何を?(What)」「なぜ?(Why)」「どのように?(How)」の6つの問いの頭文字からできています。これはニュースの基本であり、新聞記事などはこの原則に基づいて書かれています。また、仕事上の報告や企画に求められる要素としても有名です。ただし、聞き手に話を正確に伝えるために、これだけでは1つ足りないものがあります。それは「どうした?(Do)」という結論の部分です。そこでこの本では、この5W1Hに「どうした?(Do)」を加え、「5W1H1D」でネタをまとめることをオススメします。これにより、自分の頭の中も整理され、聞き手へ正確に情報を伝えることができます。【いつ?When】そのネタはいつの出来事か?年月、時期、時間、タイミングなどを詳しく話す。「学生のころ」よりも「中学2年生の夏休み」と言った方がより具体的になる。【どこで?Where】そこはどういう場所なのか?場所、位置、距離、舞台などを詳しく話す。「マンションで」よりも「高さ38階の超高層マンションで」と特徴や雰囲気をとらえて話す。【だれが?Who】発言、行動したのはだれなのか?人物を詳しく話す。「男が」よりも「サラリーマン風の男が」とか、「女が」よりも「今にも泣き出しそうな女が」と特徴や雰囲気を詳しく描く。【何を?What】何をしたのか?何が起こったのか?出来事などを詳しく話す。「叩かれた」よりも「頬っぺたをビンタされた」の方が、そのときの状況がより細かく伝わる。【なぜ?Why】何のためにそれはされたのか?目的や理由を明確にする。「頬っぺたをビンタされた」だけよりも「浮気がバレて頬っぺたをビンタされた」の方が、その理由が分かり疑問が解ける。【どのように?How】いかにして?手段や方法を明確にする。「いたずらをしかけた」だけよりも「落とし穴のいたずらをしかけた」の方が、より具体的になる。【どうした?Do】どうなった?結論を述べる。話をまとめる際は、どの順番からでも結構です。順序に決まりはありません。ただし一般的には、「いつ?どこで?だれが?何を?どのように?どうした?なぜ?」という順序が多いようです。それでは、具体例を考えてみましょう。まず、ネタを「アニキとタケシがカコ住食」で探します。例えば「コ」の「恋人」から選んだとします。「この前、彼女と家電量販店に行ったとき、こんなことあったな~」という風にネタが浮かんだら、それを5W

1H1Dで整理します。いつ?(When)つい最近どこで?(Where)家電量販店でだれが?(Who)彼女が何を?(What)テレビに映るコブクロの熱唱を聞いてどのように?(How)「声量(セイリョウ)」と「性欲(セイヨク)」をどうした?(Do)言い間違えたなぜ?(Why)言葉が似ていたから整理すると、「つい最近、家電量販店で、彼女が、テレビに映るコブクロの熱唱を聞いて、声量と性欲を言い間違えた」となります。この場合、「言葉が似ていたから(なぜ?)」は、言うまでもないので、省いていいでしょう。こうして5W1H1Dで整理した文章を元に、トークとして仕上げていきます。

ネタに自分の気持ちを入れる5W1H1Dでトークの骨格を作ったら、その中に自分の気持ちを入れる作業を行います。どんなに面白い状況や体験を話しても、それに対して自分はどう思ったのか?どう感じたのか?といった気持ちが入っていなければ、聞き手は「共感」することができません。前章でも話しましたが、聞き手が共感しない話は、すなわち「ウケない話」ということになります。さらに、自分の気持ちを入れるということは、トークの方向性を決めるためにも、とても大事なことです。話し手が、どこを面白いと感じたか?それによって、トークの中身はだいぶ変わってきます。例えば、あなたがトークのネタとして「○○選手が大会史上最年長で優勝!」という「ニュース」を選んだとします。これを5W1H1Dでまとめただけでは、話を正確に伝えることはできても、あなたの気持ちが入っていないため、ウケるトークにはなりません。そこで、あなたはこの「ニュース」に対して、どんな感情を持ったのかを教えてあげる必要があります。「最年長で優勝なんてすごい!」と思ったのか?「ほかの若い選手、もっと頑張れよ!」と思ったのか?この2つの気持ちの違いだけでも、話の内容は全然違うものになります。つまり、あなたの気持ち次第で、同じネタから複数のトークが生まれる可能性があるんです!ここでの「彼女の言い間違い」の話の場合は、「彼女が声量と性欲を間違え、自分も恥ずかしかった」という方向でトークを作ってみましょう。ネタを起承転結に沿って肉付けする5W1H1Dで骨格を作り、自分の気持ちを入れたなら、今度はそれを「起承転結」に沿って肉付けしていきます。起承転結とは、物事の展開や構成を表す言葉で、ストーリーや文章をその構造から大きく4つに分けたものです。起承転結の1つ1つを説明すると、次のようになります。〔起〕話の導入部。これから話を聞いてもらう上で、必要な情報を紹介する。〔承〕「起」で紹介した情報をさらに深める。「起」と「転」をつなぐ役割。〔転〕話の山場となる部分。予想外の展開を示すことで、聞き手の関心や興味を引く。〔結〕話のオチ。「転」を受けて最終的にどうなったのか?話を締めくくる。起承転結のうち、「起承転」が緊張状態を表す「フリ」に当たり、「結」がその緊張が緩和した状態「オチ」になります。文章や物語、歌詞など、その多くが起承転結の構造で成り立っています。4コマ漫画の構成は、分かりやすい起承転結になっているので、機会があればぜひチェックしてみてください。また、童謡でも起承転結は見られます。「どんぐりころころ」の歌詞で分析してみましょう。〔起〕どんぐりころころどんぶりこ〔承〕お池にはまってさぁ大変〔転〕どじょうが出てきてこんにちは〔結〕ぼっちゃん一緒に遊びましょうこれを分析してみると、まず「起」「承」で、どんぐりの情報や状況を話しています。ここでは、ころころと転がったどんぐりが、池にはまって大変だという状況を説明しています。しかし、「転」では話がガラリと変わってきます。急に池からどじょうが「こんにちは」と出てきます。一見、「起」「承」とは何ら関係のない話のように思えますが、「結」の「ぼっちゃん一緒に遊びましょう」でその関係性が明らかになります。つまり、どじょうは、池にはまったどんぐりを助けるために登場したのではなく、一緒に遊びたいからやってきたというわけなんです。こうやって分析してみると、この歌詞のどじょうは、かなり空気の読めない奴ですね。溺れているどんぐりを前に「一緒に遊ぼうよ」なんて、のん気なことを言ってるんですから。さて、この起承転結に、先ほどの「彼女の言い間違い」の話を当てはめていくと、次のようになります。〔起〕彼女と一緒に家電量販店に行った。〔承〕テレビ売り場にはたくさんのテレビが置いてあった。〔転〕コブクロが映っている画面を見ている彼女。

〔結〕彼女、声量と性欲を間違え「すごい性欲だね!」と発言。これも分析してみましょう。まず「起」で、これから話を聞いてもらう上で、必要な情報として「彼女」と「家電量販店」というキーワードが登場します。これによって、聞き手は、「この話は彼女が関係していて、しかも家電量販店が舞台なんだな」ということが分かります。次に、「承」では「起」と「転」をつなぐために「テレビ売り場」というワードを出します。すると、聞き手は、「家電量販店のテレビ売り場に行ったんだな」と思います。さらに想像をしやすくするために、「売り場にはたくさんのテレビが置いてあった」と、より深い情報を紹介します。そして、「転」です。ここで、一見「彼女」や「家電」とは関係のない、歌手の「コブクロ」を登場させます。これにより、聞き手は、「コブクロがテレビに映っていたのが、どうしたの?」という疑問が生まれます。その疑問に対して、予想を裏切るオチを持ってくるのが「結」です。ここで、「すごい声量だね!」と彼女が言ったなら、笑いは生まれず普通の話になります。が、それを言い間違えて、「すごい性欲だね!」と言ってしまうことで、「起承転」の緊張状態を緩和させることができる──つまり「オチ」るのです。この例の言い間違いは、特に「性欲」というワードもよりウケるポイントになっています。家電量販店という性と結びつかない場所で、さらにコブクロが美しい声で熱唱している。そんな中での「性欲」発言です。一瞬にして、緊張は緩んでしまうわけです。これを見ても、「起承転」の「フリ」がどれだけ大事かということが、分かると思います。「オチ」の「結」だけあっても話はウケませんし、「起」と「結」だけでも説明不足です。オチに十分なフリがあってこそ、笑いは生まれるんです!

ネタを補足説明する起承転結で肉付けしたものを、さらに面白くするためには、ネタを加工してやる必要があります。ここでは、「補足説明」「脚色」「削除」のやり方をそれぞれ紹介していきましょう。まず「補足説明」についてですが、これは、話を聞き手にスムーズに理解させるために、必要な情報を付け加えてあげるというものです。また、「補足説明」を行うことで、「フリ」が強くなります。先ほどの「彼女」の話に、「補足説明」を入れていきましょう。まず、「起」=「彼女と一緒に家電量販店に行った」と、「承」=「テレビ売り場にはたくさんのテレビが置いてあった」をスムーズにつなぐために、なぜ家電量販店に行ったのか?なぜテレビ売り場を見たのか?を補足してあげましょう。この場合、「起」=「彼女がテレビを買い換えたいと言うから、一緒に家電量販店に行った」という風に目的を入れてあげると、「承」へ展開しやすくなります。その「起」を受けて、「承」=「テレビ売り場にはたくさんのテレビが並んでいて、画面ではコブクロのライブ映像が流れていた」という風に、テレビ売り場のより詳しい説明をしてあげるわけです。「彼女の言い間違い」の話を補足説明すると、次のようになります。〔起〕彼女がテレビを買い換えたいと言うから、一緒に家電量販店に行った。〔承〕テレビ売り場にはたくさんのテレビが並んでいて、画面ではコブクロのライブ映像が流れていた。〔転〕コブクロが映っている画面を見ている彼女。〔結〕彼女、声量と性欲を間違え「すごい性欲だね!」と発言。より面白く脚色する次に、話をより面白くするために「脚色」をしてやりましょう。前にも話しましたが、面白くするための多少の創作はOKです。ただ「脚色」は、あくまで「事実ありき」で盛る行為です。第2章の悪い例の解説でも述べましたが、面白く思われたいからといって、全くのウソを話してはいけません。ウソの話は、どうしても細かい部分にリアルさがないため、すぐにバレてしまいます。そして面白いかどうか以前に「ウソつき」のレッテルを貼られ、信用をなくしてしまいます。ここでは、「転」=「コブクロが映っている画面を見ている彼女」という文章を、「熱唱しているコブクロの背の高い方を見ている彼女」と「脚色」してみます。実際は、コブクロのお2人を見ていたのかもしれませんが、「結」のために、より面白い方に脚色してあげる方がいいでしょう。この場合、コブクロの黒田さんと名前を出すよりも、あえて「背の高い方」と表現した方が、より聞き手に想像しやすいと言えます。さらに、「転」の「見ている」を「見とれている」に変えましょう。ただ「見ている」よりも、うっとりと「見とれている」と表現した方が、オチも効いてきます。言い間違いが下ネタを連想させるだけに、「そんな目で見ていたのかよ!」とツッコミを入れることもできるからです。あと、ここでは彼女の言い間違いを彼氏だけが聞いたことになっていますが、店員も一緒に聞いていたことにする、という手もあります。その方が面白くなるのなら、脚色してしまってOKです。彼女には悪いですが、笑いに魂を売ってしまいましょう!この話を脚色したら、次のようになります。〔起〕彼女がテレビを買い換えたいと言うから、一緒に家電量販店に行った。〔承〕テレビ売り場にはたくさんのテレビが並んでいて、画面ではコブクロのライブ映像が流れていた。〔転〕熱唱しているコブクロの背の高い方に、見とれている彼女。〔結〕彼女、声量と性欲を間違え、「コブクロの背の高い方、すごい性欲だね!」と発言。近くにいた店員もビックリ!思わず彼女を二度見!

不要な部分を削除する続いて、不要な部分を「削除」します。この話の場合、不要な部分はそんなにありませんが、ここでもし話の本筋と関係のない情報があれば、思い切って削除してやります。例えば、「職業が看護師の」とか「芸能人のだれだれに似ている」とか、話の内容と関係ない彼女の詳細な情報はここでは不要です。インパクトのある余計な情報を入れてしまうと、そちらの方が気になって、トークに集中してもらえない場合もあります。もし彼女の情報を入れるなら、「結」のオチから考えて、「天然な」とか「間抜けな」とかの情報を入れてやるくらいでいいでしょう。そのほかに削除する部分を強いて挙げるなら「声量と性欲を間違え」という部分でしょうか。これは、トークの後のコメントとして、自分目線で言ってあげる方がいいかもしれないですね。余分な情報を削除したら、次のようになります。〔起〕彼女がテレビを買い換えたいと言うから、一緒に家電量販店に行った。〔承〕テレビ売り場にはたくさんのテレビが並んでいて、画面ではコブクロのライブ映像が流れていた。〔転〕熱唱しているコブクロの背の高い方に、見とれている彼女。〔結〕彼女、「コブクロの背の高い方、すごい性欲だね!」と発言。近くにいた店員もビックリ!思わず彼女を二度見!!削除した「声量」と「性欲」の言い間違いは、「結」の後に自分の感想(コメント)という形で、フォローしてあげましょう。例えば、「それを言うなら声量だろ!性欲のことは知らねぇよ!」といった感じでしょうか。

というわけで、ここではウケるトークの作り方を紹介してきました。まず、探してきたネタを「5W1H1D」に当てはめて整理して、そこに「自分の気持ち」を入れましょう。そうやってトークの方向性を決めたら、「起承転結」にまとめていきます。そして、そのまとめたものを、さらに「補足説明」「脚色」「削除」することで、よりウケるトークへと加工していくんです。最初のうちは、難しい作業と感じるかもしれませんが、面白い体験をしたときなどは、携帯電話のメモ機能やノートなどを使って、「起承転結」レベルまでまとめておくと後が楽です。

 

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次