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第4章 組織・チームの成長ステツプ

目次

41 . マニュアルだけではチームは育たず

●マニュアルを生きたものにするためには

マニュアルを活用することにより、より良い品質の商品やサービスの提供ができるようになりま す。

また、効率的に仕事がまわり、業務の拡大がしやすくなります。

しかし、業務分担を決め、役割に応じた仕事をスタツフに落とし込んでも、実際の運用に活 かすことができなければ、マニュアルは「単なる紙」になってしまいます。

マニュアルを「生きたもの」にするためには、 ● 「人」を基準でつくる ●効率のみにこだわるのではなく、業務の流れを忠実に落とし込む●ヒューマンエラーや疲労について考慮する ●マニュアルを利用することの目的、メリットを伝える などを考えなければなりません。

マニュアルは、最小限の労力で最大限の効果を引き出すツールです。

そのため、効率化がマニュ アルをつくることの最優先の目的となってしまいますが、行き過ぎた効率化に人はついてこられ なくなる場合があります。

特に、作業や行動のみをベースに作成したものについてはこのパター ンが多く見られます。

まずは、「人」基準で考えることが必要です。

さらに, マニュアルの目的、メリッ トを確実に伝えることがマニュアルを「生きたもの」にしていくのです。

マニュアルの導入という「ハード」では対応できないところを、マニュアルの運用という「ソフト」 でヵバーしていきましょう。

この両輪をきちんと動かすことにより、チームや組織が加速して動 き出すのです。

2 1+1が5にも6にもなるマネジメント

● 組織の足し算は掛け算になる

人と人が仕事をすると、お互いの力が相乗効果を生んで、足し算ではなく掛け算となる。

こ のような話を、あなたは聞いたことはありませんか? 仕事をする人が仕事の役割を本当に理解し、全体の目標がわかれば、人は自分が持っている 以上の力を出そうとするのです。

この具体的な例が陸上競技の駅伝です。

駅伝で有名なものにお正月に開催される「箱根駅伝」があります。

大学のチームが東京か ら箱根までの往復距離を、1本の欅(たすき)をつないで速さを競う競技です。

出場できる 大学はスポーツのエリート校です。

出場できる選手も陸上競技では一流選手ばかりです。

そんな彼らですら、自分の限界ぎりぎりで欅をつなぐのです。

そんな中で、自分の限界を超え、ふらふらになりながらゴールする姿がテレビに映し出される ことがあります。

一流の選手なのになぜこんな状況に陥ってしまうのだろうか? きっと、これは 責任感です。

大学、テームメンバー、応援してくれている人のことを考えて立ち止まることは許 されないのでしょう。

そして、無意識の中にそのことを理解している選手がいるのです。

私も数年前から走り始め、先日、走っている仲間の人たちと駅伝の大会に参加しました。

私 はお世辞にも速いわけではありませんが、4人でチームをつくり、チームとしての目標を持ち参 加しました。

私より速いメンバーが私の穴を埋めてくれます。

そして、日標タイムをはじき出 して挑戦しました。

ここで感じたことは、 ●チームにどうやって貢献できるか? ●そのためには何をやればいいのか?このことを真剣に考えましたc 4人の役割は明確でした。

一番速い人が長い距離を走り貯金をつくります。

そして、2番手 の人が少し貯金をつくって、残りのメンバーが貯金をなるべく守るという戦法です。

このように、自分の役割がはっきりしていると人はがんばれるのです。

そして、他人の迷惑に ならないように、自分の力以上にがんばるのです。

私も普段ではなかなか出せないようなタイムで欅をつなぐことができました。

これが一人で走 る競技だったら、「まあいいか」と辛くなったらペースを落としてしまうかもしれません。

しかし、 仲間のため、メンバーのためを思ってがんばり続けることができるのです。

これは他のメンバーも同じです。

なぜかというと、メンバーのため、がんばって走っている姿が自 然と目に飛び込んでいるからです。

つまり、他人のがんばりが目に見えているから、自分もがん ばれるのです。

そして、メンバーそれぞれの持つているタイムより全員ががんばることで、合計タ イムがかなりいいタイムとなったのです。

例えが少し長くなりましたが、会社組織もこれと同じことが言えます。

組織の目標が明 確で、進むべきゴールが見えている。

そして、メンパーの役割がかっちりと決まって いれば、1+1が2ではなく、5にも6にもなるのです。

しかしこのことは、メンバー一人一人が自覚を持って、他人のことを気遣いながら仕事をするこ とができるときに生まれるのです。

これに対し、誰か一人がサボリ始めると、悪い影響はすぐに 伝染します。

これは、「チームで手抜き」ということです。

管理職は、上からの指示や命令を部下に伝えて、 徹底させることが仕事です。

ここで、メンバー全員に「みんなで力を合わせて仕事をやってくれ」 と言います。

しかし、この状況だと「誰」と言われていないので、メンバーも「誰かがやってく れるだろう」と思っています。

こうなると「誰もやらない状況」となります。

「誰かがやるだろう」 は「誰もやらない」のと同じです。

これは、社会的手抜きとも言われています。

この状況を打破するのは、次のことがポイントとなります。

●それぞれに担当を決める ●責任を明確にする この2点を押さえれば、手を抜くことはないでしよう。

それよりも「自分が手抜きをする」と他人にも迷惑がかかる状況となると、きっちりこな すようになるでしよう。

チームプレーで甘えが出ると、1+1が2ではなく0・5となってしまいます。

ここが本当は2で はなく3や4にならなくてはいけないのです。

こうならないためにも、リーダーは状況を把握して、 的確に指示を出しましよう。

このようなことを踏まえて、重要な点を考えてみると、 ●全体の日標 ●個人の役割●一人ひとりの自覚 ということになるのです。

このことを本気で考えないと、組織の相乗効果は決して生まれないでしょう。

そして、もう一 度言います。

日標は見える形にしてください。

人は見えるものに反応します。

抽象的な目標 だといまひとつ理解できないでしょう。

だから、ここが工夫のしどころです。

売上を棒グラフに するなどしている場合があります。

これは、結果を見せる一つの工夫です。

また、スローガンを 掲げている会社もあります。

これも一つの工夫です。

日に見える工夫をしましよう。

それから、個人の役割の明確化です。

ここで業務フローやマニュアルで業務を標準 化し、組織全体の目標に適進できるようにしましよう。

また、個人の役割がきっちりし ていると一人ひとりの自覚が生まれやすくなります。

なぜかというと、全体像から個人の役割 が見えるからです。

そして、責任感が芽生えるからなのです。

いかがでしょうか?

3 自分の足りないところを「補充」する

● いつも頭を抱えるあの課長が、なぜ人気なのか?

経営企画部のA課長は、いつも頭を抱えています。

「いや―、企画書を書いているけど、ワードで表の貼り付けができない・・・」 「今度、外資系企業と打ち合わせがあるんだけど、実は英語が苦手なんだよな。

・。

」 といつもこんな調子です。

パソコンも英語もダメで、自分で悪戦苦闘している様が課でもよく見られます。

しかし、A課長は部下に信頼が厚いのです。

なぜでしょうか? 世間で「スーパー上司」と言われている人がいます。

何でもバリバリこなし、リーダーシップを発揮して部下を引っ張つていくタイプの人です。

しかし、このような上司ばかりが上司ではあ りません。

むしろ、このような人はまれではないでしようか。

むしろ、A課長のような人が大多数でしょう。

プロ野球の監督は、以前はプロの選手です。

しかし、監督になる人は、ビッチャーもキャッチャー も内野手も外野手も経験しているのでしょうか? おそらく、そのような監督はなかなかいませ ん。

実際の仕事もこれと同じことがいえるでしよう。

さて、A課長の人気の秘密はなんでしょうか?・おそらく、A課長は自分の力を知っています。

さらに、自分のできることもわかっているのでしょう。

さらに、自分の弱点もわかっているのです。

だから、自分の力に限界があること、自分ではできないことがいろいろあること、 自分ができる仕事の範囲などが明確にわかっているのでしよう。

だから、部下にお 願いして,自分の足りないところを「補充」してもらつているのです。

A課長は、お願いした仕事が終わると、「助かった、ありがとう」と常に部下に感謝の気持ちを忘れてはいません。

部下としても、このように気を遣ってもらえれば、上司との信頼関係 が築けます。

人には「限界」があります。

ムダな努力で時間を浪費するのであれば、部下の力を借りて、 最大限の力をチームで発揮しましょう。

4 ティーチングで基礎を習得させる

● ゆとり教育の弊害

学校教育で、受験競争、偏差値での割り振りに危惧を感じた政府が「ゆとり教育」という ものを導入し、久しい時間が経過しました。

その「ゆとり教育」の世代が世の中に、「新入社 員」として登場してきています。

私は自社、他社の区別なしに多くの若手社員と接する機会があります。

そこで、共通して 感じたことがあるのです。

それは、彼らの日本語力の低下です。

彼らは自分流に単語、表現を使っ て話すので、こちらとしては意味がまったくわからないのです。

親や学校といった周りの大人た ちは、少子化、ゆとり教育のせいか、子どもたちを大切に扱うのです。

彼らの稚拙な表現や自 分流にアレンジした言葉でも、周りの大人たちは彼らの真意を理解しようとしているのです。

その結果、彼らは「わかってもらおう」と努力することをしなくなりました。

実際に彼らに対し、「何を言っているのかわからない。

どういうことか」と尋ねると、「もうい いです」と答えが返ってきたりしましす。

この言葉を聞くたび、彼らの将来について漠然とし た不安を覚えたのでした。

ここ数年、若手社員から「社内のコミュニケーションは、いつも表面的で、誰も私のことをわかつ てくれません」と不満が出ています。

これは、業種、業態を問わずです。

しかし、よく聞く と彼らは、自分をわかってもらうための努力をしていません。

「わかってくれない」と文句を言 うほうがまだましかもしれません。

ひどいとふてくされ、不満を態度で示します。

努力というプロセスや苦労を経て、結果に到達することの大切さや楽しさがわかっていないの です。

ですから、諦めも早くなります。

営業を任せても、 「やっぱり無理です」 「できるわけありません」と途中で諦めてしまうのです。

営業は、無理な場面があっても、そこからが本当に営業です。

交渉ごとなので粘り強く攻め ていくのが本当の姿です。

しかし、彼らはその手前で諦めてしまうのです。

大人に大事に育て られ、挫折や苦しい経験が乏しい彼らは「挫折」は恥と感じていて、競争に負けることを失敗 ととらえています。

このため、挫折や失敗を極端に嫌い、恐れているのです。

こういった彼らの 傾向は、チャレンジ精神の乏しさ、つまらない世代ととらえられています。

彼らを受け入れる社会も変わりました。

終身雇用という言葉は「死語」になり、転職情報 がWebで簡単に手に入る時代です。

条件さえ合えば、メール一つで転職活動も可能な時代です。

現在の年収以上のものを求めるのも難しい時代ではないのかしれません。

つまり、よくも悪くも 「便利な時代」になったのです。

しかし、経済は成熟期を迎えています。

日本は、国際競争 力も低下しています。

このような環境の中で企業競争に勝ち抜かなくてはならないのです。

今、ビジネスコーチングが流行っています。

コーチングの手法はとてもすばらしいものだと感じ

ますが、コレは自覚した大人が使うものです。

私は、今の新人の世代にはティーチングからガチツと叩き込まなければ使い物にならないと感 じています。

ここで、「テイーチイング」と「コーチング」の違いをおさらいしておきましょう。

●ティーチィング← 教えることが中心¨指示、命令型の育成方法 ●コーチング  ← 気づきを与えること¨質問・対話型の育成方法 以上がポイントとなるところです。

これにより、対象となる人も変わってきます。

コーチングが機能するのは、ティーチングによる基礎の習得が完了してからになります。

つまり、コーチングを機能させたいのであれば、「ある程度の知識や経験がある人」でないと いけません。

知識や経験が少なく、指示待ち体質の人は、まずは「ティーチング」で 基礎を徹底的に習得させましよう。

どちらの手法が優れているか、ということではなく、対応する順番とバランスが大切でしょう。

新入社員はコーチングよりもティーチングの手法が合っていると考えられます。

このように、世代によつて該当する手法を変えて対応しなければならないのです。

そして、 世代特性を考慮して人物の長所を引き出せば、高い相乗効果が得られるのです。

5 2人〜5人までのマネジメント

● 責任の境界線

2人以上のチームになると、役割を持って業務を分担しないといけません。

2人で重複する 仕事をしていても、ムダとなるからです。

同じようなことを2人で行うより、専門的な業務は、 どちらかの担当としたほうが仕事がスムーズに流れていきます。

しかし、現実はなかなか厳しいものです。

ムダを省いてとった措置が、かえって業務の流れを 複雑化してしまったり、適材と思って仕事の割り振りを実施したら、実は得意ではなかったりと、 理想と現実のギャップはとても大きいのです。

さらに、少数で業務をまわしているとなると、多くの場合は個人のパフォーマンスによつて売り 上げがつくられています。

このようなときは、業務の明確な区分がなくても仕事はまわります。

むしろ、ルールをつくらないほうが「働きやすい」という意見も出がちです。

数人のときは、これでもなんとなく仕事がまわっているのです。

しかし、3人、4人となった 場合には、業務の重複も日に見えてわかります。

ここで、ルールと責任の境界線が必要 となってきますが、必要と感じたときには準備が運い傾向があります。

準備が遅いと いうことは、会社はいい状態ではないでしょう。

そして、責任の所在で争いが起こる可能性が高 いのですノ。

人数が少ない場合は、逃げようがありません。

しかし、人数が増えてくると、他人のせいに することが容易になるのです。

特に、ルールと責任が曖昧な状況だと・・・。

このことを防止するためにも、組織図と担当業務は、早い段階で作成しましょう。

そうする ことにより、各人の責任の所在の明確化と担当業務の範囲が自覚されます。

これをはっきりさ せることは、会社が窮地に立たされたときの意思統一の基礎になるのです。

そのために、状況が いいときから準備をする必要があります。

5  5 〜“―― のマネジメント

● トイレ掃除に見る責任感

チームのメンバーが5人から10人ぐらいになると、組織としてのマネジメントをきっちりしない とすぐに崩壊します。

これは、個人のパフォーマンスのばらつきによるバランスの悪さが主な原因 です。

そのため、メンバーに「誰かがやるからいいだろう」的な発想が生まれたら赤信号です。

これが如実に出た例があります。

それは「トイレ掃除に見る責任感」です。

最近、最寄り駅のトイレに次のような看板がありました。

「いつもきれいに使つてくれて、あ りがとう」。

当たり前のことですが、「確かにそうだな」とうなずいてしまいました。

このトイレは、お客さんの使い方も悪く、確かにみんながきれいに使っているという感じではあ りませんでした。

それは、誰かが最初にマナーを破ったことで、悪い利用がエスカレートしていつたのです。

このことは、会社のトイレにも当てはまります。

私の会社でも同じことが発生しました。

まだ人数も少なく、5〜6人のころは、誰が使うか 一目瞭然という状態です。

その頃は、みんなとてもきれいに使っていました。

しかし、ある程度 の人数になると、そうは行きません。

人数が10人前後になってきたら、トイレのゴミ箱が散ら かり始めたのです。

毎日、管理業者の人が掃除してくれているにも関わらず。

・・。

きっと、「誰が散らかしているかわからないからいいや」「紙が散らかつていても、管理業者の 人が掃除をしてくれるから、まあいいか」という意識が多くのスタツフに生まれているのでしょう。

5〜6人のときは、個人が特定される状況です。

しかし、10 人前後になると不特定となり、 とたんに責任という文字が薄らいでくるのでしょう。

そして、悪い方向は、気がついたときに元を断たないと、すぐに増殖してしまいます。

「元」 を断つのは、気がついた「あなた」です。

上司に報告することや、部下が行動するのを待っているのでは遅すぎます。

「まずい」と感 じた人が行動を起こす責任があるのです。

特に、あなたがリーダーという多くのスタツフを引っ張る立場の人なら、なおさらです。

あな たの行動の裏には「影響力」が生まれています。

ですから、率先して自分で行動しましよう。

そして、その背中を社員に見せて、伝えていくのです。

こうなると社員も逃げられません。

トイレ掃除を例にしましたが、いくらマニュアルで手順や役割をしつかり決めても、それを実 践するには各人の責任感が重要なのです。

● 能力の差が出てきます

同じ業務をこなす人が出てくると、個人の能力の差が出てきます。

数人であれば、みんなが同じことを同じようにやつていれば問題ない状態でした。

しかし、人 数が増えて役割、分担、そして責任と、各人の業務がばらばらとなって、それぞれの仕事がそ れなりに各人に任される状況となるのです。

この段階では、自分のポジションをこなせばいいと考えがちです。

しかし、組織がもう少し大きくなると、「あいつがやってくれるからいいや」と いう意識が芽生えます。

また、実際に能力の差が見えてきます。

ここでいう能力とは、主に仕事をこなすスピードや仕事を熟知するスピードです。

とりあえず、 仕事をものにするスピードが劣る人物は、最初は、能力がないと見られがちです。

あなたは、「20対60対20 の法則」をご存知ですか? これは、私が20代半ばで金融の融資の仕 事をしていたときに、一番の取引先の社長から聞いた言葉です。

それは、20%の優秀な営業マン が売り上げを引っ張つていて、残りの60 %の営業マンが「そこそこ」の数字を挙げている。

そして、 残りの20 %の営業マンが会社にぶら下がっているとのことです。

この社長いわく「20%をカットし ても60 %から脱落者が出るから、割合は変わらない」とのことです。

実際に、その会社を長く 担当しましたが、社長の話は当たっていました。

このことは、いろいろな場面に当てはまります。

私がかつて勤めていた会社でも同じことが起こっ ていました。

成績上位者は、何をやっても、まあまあの数字をつくり出してきます。

その他の人は頑張って、何とか目標をクリアしたり、しなかつたりでした。

そして、成績下位者は、いつ もメンバーが同じで、数字は毎回といっていいほど上がっていませんでした。

そのときの割合が20 %、60 %、20 %でした。

この状況を見て、以前に聞いた社長の話は「本 当だ」と感じました。

やはり、ある程度の人数で、無意識のうちに力関係が配分されていくの でしょうか。

また、業務が分担され起こる現象なので、この対策としては人事異動や適材適所 を会社が真剣に考えないと、今後の発展にはつながりません。

仮に、成績下位者を「解雇」しても、自然発生的に次の予備軍が生まれてきます。

それで は意味がありません。

さらに、「解雇」という手段は、残っている社員のモチベーションにも影響 します。

「会社が彼らをクビにした。

いつ、我々も対象になるかもしれない。

‥」と本来がんばっ てもらわなければならないスタッフにも悪影響が出るのです。

この影響を抑えるためにも、個人個人の社員の能力を真剣に考え、将来の方向性も見据え た人事異動を実行しましょう。

7 10人以上のマネジメント

● 1 0人は微妙なチーム?

スタッフが10人ぐらいのチームには、どのような状態が多く見られるでしようか? 例えば、会社をチームとして考えると、起業して順調に伸びている会社の場合は、そろそろ 混乱が生じるケースが見受けられます。

創業時のように、「誰が何をやっているのかが一日でわか る」状況を卒業した会社は、混沌とした動きが出てきます。

「人手が足りない―」「よし採用 だ!」このように採用活動を始めると、次は新人を教える人がいないことに気がつきます。

また、このような採用の方法をとると、人物へのフオーカスよりも担当する業務に対する適性 が優先となります。

さらに、募集で集まる人たちも「社長の人物」「会社の将来性」という ものよりも、「給料はいくらか?」「ボーナスはあるか?」「休みがとりやすいか?」など、働 く条件で会社を選ぼうとする人たちが集まってきます。

働く条件で会社を選ぶ人たちは、創業したての頃に合流したメンバーとは明らかに異なりま す。

みなさんお気づきだと思いますが、創業したての頃に合流したメンバーは「社長を手本に1」 「社長が目標―」の人たちです。

しかし、「人手が足りない」という理由で採用した人たちは、「雇用条件」の優劣 で会社を選んでいます。

転職が当たり前となった今日では、「もっと条件のいいところを探そう―」などといって、すぐ に辞めてしまうケースも見受けられます。

この人たちは雇用条件を基準に会社を選んでいるの で、条件がいいところが見つかったら、あつさり移ってしまう人たちです。

さらに、業務に追われて人手を確保しているので、仕事を教えるポジションの人がいません。

とりあえず、その場しのぎの人材確保なので、マネジメントや教育ということはまるで考えてい ません。

というより、余裕がないというのが本音でしょう。

そのような現場では、人材の使い方 が手薄になり、新しく入った社員は訳がわからずただ立っているという状況でしょう。

そうする と、会社の混乱に巻き込まれ、被害者意識が芽生えて、離職していくケースが増えていきます。

なぜ、このようなケースに陥ってしまうのでしょうか? 一言でいうと、「社長の目が届かなくなる」のです。

社長以下のリーダーの中で、マネジメント できる人材がいれば問題の傷口が大きく広がらないのかもしれません。

しかし、仮にマネジメン トできる人材がいても、仕事で忙殺されていたらいないのと同じことです。

今までは、社長の目の届く範囲で業務が動いていました。

意思決定もその場の判断で事が足 りていました。

しかし、スタッフの数が増えて、それができなくなる人数が「10人」くらいの人 数です。

この人数だとマネジメントの手法も考えないといけませんが、まだ、個人のパフォーマン スで動かせる部分も多くあります。

ですから、どつちつかずの会社が多いのも事実です。

しかし、 先を考えないとこれからの発展もないのです。

この時期が会社発展の正念場となります。

「就業規則」というルール

会社が大きくなると、いろいろな人が入社してきます。

ここで、働き方に誤解を生じさせてしまっては、余計なトラブルも発生してしまいます。

社員一人ひとりがいろいろな個性を持つのは いいことですが、ビジネス上、勝手な解釈がまかり通るようでは、仕事になりません。

組織・チームのマネジメントは、10 人の組織も50人、100人の組織も基本は同じです。

とい うのは、現場で監督できる人数というのは限りがあります。

ですから、組織を考える際には、 組織をユニツト単位で考えていくのです。

それを、組織のピラミッドに当てはめるだけの話です。

ここを、無視して一人のマネージャーに多くの部下をつけると、最終的には、公平な取り扱い はできないし、人事評価などでは、正当な評価が不可能となっていくのです。

基本をきちんと押さえ、よく考えたルールを適用し、組織の形を守って、会社運営を考えな いと、うまくまわるものもまわらなくなってしまうのです。

10 人以上の組織だと、法律で「働くルールを作成し、行政に届け出ないといけません」と法 律で決まっています。

具体的には、就業規則を作成し、従業員の代表者から意見を求め、所 轄の労働基準監督署に提出しなければならないのです。

なぜ10 人を越えると法律の義務が発生するのでしょうか? これは前述のとおり、10 人という のは微妙な人数だからです。

労働条件で入社した人もいれば、社長の身内も社員として働いて いるのです。

しかし、そろそろ組織的な動きを検討しないと、会社としての発展が難しいとう すうす気がつく頃かもしれません。

よって、会社組織が法的に「ルールをつくりなさい」という状況なのです。

就業規則を用い 労働基準法を始めとする会社と社員の働くルールを決めなければなりません。

でも、絶対に決 めなければならないことは、そんなに多くはないのです。

例えば、仕事の始まりと終わりの時間、休日、休憩時間、給料の決め方や支給日など、当 たり前のことばかりなのです。

しかし実際は、法律の決め事だけでは、会社は動きません。

そ こで、会社がうまく回るためのルールを就業規則に盛り込むのです。

そして、その就業規則を社員に知らせ、守ってもらい、会社の業務がスムーズに動くようにす るのです。

「就業規則があるのは知っているが、実際に目を通したことがない。

… 」というスタッフは多 いでしょう。

就業規則は、各種業務マニュアルをつくる上で基準となる会社のルールでもあるので、これを 機会にチェックしてみてはいかがでしょう。

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