書類やファイルなどの「モノ」を電子化された「情報」へ
この章を読みはじめる前に、ぜひ確認していただきたいことがふたつあります。まずは、パソコンのデスクトップにアイコンがいくつ並んでいるか数えてみてください。
以前、ある講演で130名の方に「デスクトップにアイコンはいくつありますか?」と聞いてみたところ、10個未満という方はわずか3名でした。ほとんどの方が10個以上、中には30個、40個という方もいらっしゃいました。
みなさんは、いかがでしょうか?次に、あるファイルを見つけるために開いたフォルダの階層の数を数えてみてください。
たとえば、「2016年4月15日にC社に納品した金型の設計図」を見つけるためには、「図面」←「設計図」←「C社」←「2016年」←「4月」と5つのフォルダを開かなければならないかもしれません。
もしデスクトップ上に30も40もアイコンが並んでいたり、探しているファイルにたどり着くのに4つも5つもフォルダを開かなければならないとしたら、あなたの情報管理の仕方にはかなりの無駄があるといえます。
机の上がそもそもモノを置く場所ではないのと同じように、パソコンのデスクトップも本来は作業をするスペースであり、アイコンを何十個も並べておく場所ではありません。
画面に余計な情報があると、必要な情報を探すのに手間がかかり、作業効率は著しく低下します。
また、必要なファイルがフォルダの階層の奥深くにあれば、いちいち「あのファイルはどのフォルダだっけ……」と考えながらフォルダを開いたり閉じたりしなければならず、必要なデータにたどり着くまでに時間がかかります。
こうした情報探しの無駄を省き、欲しい情報を3秒で手に入れるようにするのが「情報の徹底3S」の目的です。
わが社で「情報の徹底3S」が始まったきっかけが、検査成績図面の管理方法に関する試行錯誤だったことは、先にお話ししたとおりです。
以前は、何万件もの検査成績図面を書類やファイルなどの「モノ」として管理していました。
「モノの徹底3S」を進める過程で、必要な図面を無駄なく探せるようにはなっていましたが、「モノ」はいくら整理・整頓を徹底しても保管するために一定のスペースを必要としますし、量が多くなれば必要な図面にたどり着くまでの時間は長くなります。
実際、検査成績図面はシリアルナンバー順に300枚ほどを一綴りにまとめ、棚に並べてきちっと管理されていましたが、その数があまりにも膨大なため、保管には事務所内の8畳ほどのスペースを割いていましたし、必要な図面にたどり着くまでにはその図面が綴られている冊子を探し、それを一枚一枚めくる作業時間がかかっていました。
そこで思いついたのが、図面を「モノ」としてではなく、電子化された「情報」として整理・整頓。清掃することです。
すべての図面を電子化した「情報」として管理できれば、保管する物理的なスペースも必要なくなりますし、パソコンの検索機能をうまく使えば必要な図面を数秒で探すことができるのではないかと考えたのです。
とはいえ、ただやみくもに紙の書類や図面を電子化して、パソコンに保管していくだけでは、「情報の3S」にはなりません。
何のルールもなく書類や図面を電子化した結果、冒頭に述べたようにデスクトツプに何十個ものファイルやフォルダがランダムに並んだり、必要なファイルがフォルダの階層の奥深くに入り込んだりしてしまっては、「欲しい情報を3秒で手に入れる」という目的を果たすことはできません。
「モノと場所の3S」と同じように、「情報の3S」にも適切な方法。手順があるのです。
情報の「整理」―無駄な書類は、電子化する前に破棄
「モノの3S」と同様に、「情報の3S」も「無駄な情報を捨てること(=整理)」から始めなければなりません。
実をいえば、わが社はこの「情報の3S」の最初のステップで一度失敗をしています。
当初、紙の書類を電子化するにあたって、特に詳細なルールを設けることなく、「これは必要だ」と思うものを次々に電子化していきました。
その作業には専任のパートスタッフ4名、大学生のアルバイト3名を採用して、1年以上かけて行ないました。
そうやつて時間と手間とお金をかけて電子化したものの、数年後に振り返ってみたら、最初の段階で電子化した情報のうち、その後検索して閲覧したものは全体の1%程度のみ。残りの99%が無駄な情報だったのです。
正直、ショックでした。
それからは情報の整理の方針を変更し、過去の書類に関しては「お客様から注文をいただき、そのときに使用した書類を電子化する」というルールを決めました。
また、わが社の失敗を踏まえて、私がほかの会社の「情報の3S」の指導に入らせていただく際には、次のような手順。ルールで紙の書類の電子化を進めています。
①まずは社内に保管されている書類を全文書一覧にまとめて、自分たちの会社にはどのような書類があって、どのくらいの頻度で使用しているのか、探すのにどのくらいの時間がかかっているのか、現状を把握する
②保管されている書類のうち、「1年以上使っていない書類」「原本と重複している書類」「あつたら便利と思うくらいの資料」は不要な書類として廃棄する
③残った書類は、受注時にそのつど電子化する紙の書類を電子化する前に、必要のない書類は必ず破棄してください。
たしかに電子化すれば、物理的なスペースはほとんどとりません。
しかし、余計な情報があれば、パソコンの処理速度は遅くなるし、検索したときにゴミ情報まで一緒に表示されてしまい、必要な情報にたどり着くまでに余計な時間がかかります。
そもそも紙の書類を電子化するのにもかなりの手間がかかるので、無駄な書類はあらかじめ除いておいたほうが効率的に電子化の作業もできます。
また、紙の書類だけではなく、もともとパソコン内に入っている各種ファイルもこのルール(「1年以上使っていない書類」「原本と重複している書類」「あったら便利と思うくらいの資料」は不要な書類として廃棄する)に基づいて、必要な情報と不要な情報に分類します。
ただ、どうしても迷うファイルに関しては、モノでいうところの「休品」「半死品」のような扱いで、必要な情報(=モノでいう「生品」)とは分けて、別のハードディスクなどにバツクアツプをとっておくといいでしょう。
電子化された情報ならば、保管するのに必要な物理的なスペースは外付けハードディスクー台くらいなので、モノに比べて保管が容易にできるというメリットはあります。
「情報の3S」も最初の整理のステップでは、一つひとつの情報の必要性を人間が判断しなければならないため手間がかかります。しかし、ここでの手間を惜しんではいけません。
まずは必要な情報と不要な情報を分類して、無駄な情報を確実に破棄することが、のちにお話しするスムーズな情報検索のベースになります。
情報の整理は一朝一夕にできるものではなく、一段一段階段を上つていくような時間と根気が必要なのです。
たいていの書類は電子化できる
書類の電子化を進めるとき、きっと多くの方が悩むのが「どの情報を電子化して、どの情報は紙のまま残しておくのか」だと思います。
それまで紙の書類ベースで業務を進めてきた会社にとつては、いきなり大部分の書類を電子化することには強い抵抗を感じるはずです。
「これは、紙で残しておいたほうがいいんじゃないか」と思うものもたくさんあるでしょう。しかし、私の経験上、「たいていの書類は電子化しても問題はない」と断言できます。
大事なのは、紙の書類そのものではなく、そこに書かれている″情報″です。その情報をスキャニングしてサーバに保存したら、紙の書類は出汁を取ったあとの昆布のようなもの。さつさと処分してしまいましよう。
紙の書類として残しておかなければならないのは、請求書、契約書、領収書など商法で一定期間保管が義務付けられている書類くらいです。
それ以外の書類は電子化しても、何ら業務に問題は発生しません。
わが社の場合でいえば、見積書、設計図、検査成績図面など金型づくりに使う書類は、製作過程では紙に印刷してお客様やサプライヤー、社内の製作現場に回しますが、金型が完成してお客様に納品した翌日にはすべてスキャニングしてサーバに保存。
紙の書類はシュレツダーにかけて、廃棄してしまいます。
紙の書類をデータ化して保存したあと、元になった書類を大事に保管しておこうとする方もいますが、それはまったくの無駄だし、二重管理になって業務に余計な混乱を招きかねません。
また、あっち(紙の書類)を見たり、こっち(サーバ内のデータ)を見たりしているうちに、結局、慣れ親しんだ紙の書類ベースの仕事の仕方に戻ってしまう可能性もあります。
ですから、紙の書類を電子化するのと同時に、電子化し終わった書類をすぐに廃棄するようなワークフローを作っておけば、書類の整理は日常の業務の中でスムーズにできると思います。
情報の「整頓」―すべての情報にタグ付けして、検索可能に
次に情報の「整頓」です。電子化した情報をパソコン内でどのように管理すれば、効率的に必要な情報を取り出せるようになるでしようか。
たぶん、ほとんどの方は「フォルダ管理」を行なっているのではないでしょうか。
たとえば、「図面」「写真」「営業資料」など情報の種類ごと、もしくは「A社」「B社」「C社」など取引先ごとにフォルダを作成して、それぞれの情報(ファイル)を該当するフォルダに分類していくのが一般的なフォルダ管理の方法です。
フォルダによって適切に分類されていれば、情報の所在地は明確になります。必要な情報を手に入れたいときも、分類されたフォルダを開くことでたどり着くことができます。
その意味では、フォルダによる分類管理も、情報の整頓といえなくはありません。ただ、フォルダ管理による情報の整頓には限界があります。
たとえば、管理すべき情報の量が膨大になり、種類も多岐にわたるようになると、当然フォルダの数も多くなり、階層も深くなります。
その結果、必要な情報にたどり着くまでに、第1階層のフォルダ、第2階層のフォルダ、第3階層のフォルダ……と何階層ものフォルダを開かなければならない状態になります。
さらに階層構造が複雑になり、その構造をまだ理解できていない新入社員などは、あっちのフォルダを開き、こっちのフォルダを開き……とフォルダの迷路に入り込んで、必要な情報にたどり着くまでに無駄な時間を費やすことになってしまいます。
また、分類できないファイルが出てきた場合、とりあえずのフォルダを作って入れておくことが多いかと思いますが、「とりあえずフォルダ」が増えていけば、やがて収拾がつかなくなることは明白です。
ちなみに、ファイルをフォルダ分けする際、どこのフォルダに入れればいいのか迷うことを「コウモリ問題」といいます(コウモリが獣と鳥の両方の性質を持っているため、どちらに分類すればいいのか迷うことに由来した言葉だそうです)。
管理する情報が多様になればなるほど、「コウモリ問題」は常に付きまとってくるはずです。
フォルダによる情報管理には、本質的にこうしたさまざまな問題を含んでおり、それゆえ「フォルダ管理は20世紀の遺物」といわれているのです。
では、必要な情報をすぐに取り出せるようにするには、どのような管理方法がいいのでしょうか。
情報の整頓の鍵になるのは「検索」と「タグ付け」です。
経済学者の野口悠紀雄先生は、その著書『「超」整理法』(中公新書)の中で「分類するな、検索せよ―」とおっしゃっています。
わが社が独自に開発した文書管理システム「デジタルドルフインズ」も、この野口先生の考えをシステムの中で活かしています。
従来のフォルダ管理は、まさに「分類」です。フォルダによる分類管理に限界があることは、先述したとおりです。
「必要な情報をすぐに取り出せる」ようにするには、部門を越えてあらゆる情報が一元管理化、共有化されて、その全社的なデータベースから「検索」によって必要な情報を探し出す仕組みのほうが合理的です。
検索であれば、キーワードを入力すれば、数秒で欲しい情報を手に入れることができます。もちろん、それぞれの情報をそのまま大きなフォルダに入れてしまえば、膨大な情報がフォルダ内で混然一体となり、保存したファイルを見つけることが困難になります。
そこでファイルを保存する際、検索のために必要なキーワードを入力します。これが「タグ付け」です。
タグを付けることで、蓄積されたデータの中からダイレクトに必要な情報を引っ張ってくることができるのです。多くの人は「情報は分類しなければならない」と思い込んでいます。
たしかに紙の書類はきちっと分類していなければ、欲しい情報にスムーズにたどり着くことはできません。
物理的な「モノ」の世界では、「定位置」「定量」「定方向」「表示」「標識」を徹底することで、どこに何があるのかをきちっと把握しておくことが重要でした。
しかしパソコン内のデジタル空間であれば、必ずしも分類は必要ありません。
電子化された「情報」の世界では、人間の側がどこに何があるのかわからなくても、パソコンが自動的に検索して、こちらが欲しい情報を探してくれます。
ただし、探してもらうための目印は必要です。それがタグ(検索キーワード)なのです。
すべての情報にタグを付けて、検索可能な状態にすること。これが情報の整頓の基本的な考え方です。
わが社では、情報の整頓の目標を「必要な情報を誰でも3秒以内で取り出せること」と定めて、まずは「デジタルドルフインズ」の前身となる文書管理システムを開発しました。
この文書管理システムによつて、各種の図面、見積書や納品書などの営業書類、社員がそれぞれに管理していた名刺やセミナー資料などが電子化されて、一元管理されるようになりました。
その後、松下電器産業がわが社の工場に見学にいらしたとき、「このシステムを世に出したら、多くの企業の役に立つのではないか」といわれたことをきっかけに商品化に向けて動き出し、2003年に「デジタルドルフインズ」としてリリースしました。
「デジタルドルフインズ」では、ファイルをパソコンに保存するときに一般的に行なわれているフォルダによる階層管理は行なわず、すべてのデータを大きなデータベースに入れるように保存していきます。
保存する際には、部署ごとに設定された書類管理ルールに従って、検索時に必要なキーワードが入力できるようになっています。
また、職場に散在する情報は、文書、図面、写真、動画、Eメール、Webページなど多岐にわたっています。
これらをデジタル化してまとめて保存ができるよう、ありとあらゆる電子データを管理できるように設計されているのも、「デジタルドルフインズ」の特徴です。
ほかにも、「情報の3S」の定義にもある「誰でも」を実現するため、銀行のATMのような直感的に使えるユニバーサルデザインにこだわりました。
年齢やパソコン経験を問わず、誰でも簡単に使えること。
「全社員参加型のシステム」であってこそ、はじめて3S活動のツールとして活用できると考えて設計しました。
必要な情報を誤って削除してしまっても復旧できるようにバックアップを備えて、「誰」が「いつ」情報にアクセスしたかという履歴もリアルタイムで残せる仕組みになっています。
関係者以外が触れられないよう、パスワードでの管理を行なうなど、セキュリティも高く保たれています。
さらに、原則全社員がすべての情報にアクセスできるようになつていますが、人事など個人情報には「マル秘機能」を使って、権限を持たないユーザーが閲覧できないようにしています。
「デジタルドルフインズ」には、私が情報の「徹底3S」のために必要だと考えたさまざまな機能を搭載しています。
さらに、全国140社を超えるユーザーの要望に応えて日々進化しています。
こうした使い勝手のよい検索能力を備えた文書管理システムがあってこそ、膨大な情報の整頓を実現することができるのです。
タグを体系化し、検索の精度を高める
情報の整頓では、検索の精度を高めることが何よりも重要です。キーワードを入力して検索をかけたとき、検索結果として何十個ものファイルが一覧表示されてしまつたら、そこからさらに必要なファイルを探し出す手間と時間がかかってしまいます。
そんな状態では情報の整頓ができているとは言えません。
理想は、2、3個のキーワードを入力して検索すれば、数個のファイルまで絞り込まれ、あとはその一覧から一日で必要な情報が選択できる状態です。
それを実現するには、社内でタグ付けに関するルールを作り、体系的に管理することが重要です。
わが社では、金型図面に関してはIS09001の文書管理規定に基づいて、「取引先名」「シリアル番号」「機種名(納品先で金型を使用する機種の名前)」「品名」「型番」をタグ項目としています。
お客様から「先月、納品してもらつた金型なんだけど……」と問い合わせがあったときには、金型に記載されている「シリアル番号」を聞いて「デジタルドルフインズ」に入力すれば、その金型に関する図面をすぐに探し出すことができます。
もしシリアル番号がわからなくても、「製作図面」「○○鉄工所(取引先名)」と入力して検索をかければ、○○鉄工所に納品した金型の製作図面の一覧が表示されますし、機種名、品名、型番を入力すればそこからさらに絞り込みをかけられるので、必要な図面をピンポイントで確実に探し出せます。
契約書、請求書などの一般的な書類については、「書類名」「取引先名」「日付」をタグ付けしておけば、たいていの書類は問題なく探し出せます。
「2016年1月鋼業と交わした契約書」を探すときには、「契約書(書類名)」「○○鋼業(取引先名)」「201601(日付)」と入力すれば、該当する契約書が画面上に表示されます。
ちなみに、「デジタルドルフインズ」では、あらかじめ設定をしておくことで、タグ項目ごとにフアインダーが出てきて、その中からキーワードを選ぶ方法を採ることができます。
いうなれば、電子的なハンコみたいなものです。タグ項目の数や内容も部署(グループ)ごとにカスタマイズすることができます。
わが社の場合では、「IT事業部」「金型事業部」「総務」「経理」などのグループが登録されていて、。
「金型事業部」の「書類名」のタグには「部品構成表」「部品図面」「検査成績表」「組立図」「図面一式」。
「経理グループ」の「書類名」のタグには「見積書」「注文書」「納品書」「請求書」「銀行照合表」というキーワードの分類があらかじめ登録されています。
なお、ここまでは「デジタルドルフインズ」のような文書管理システムを使用する前提で情報の整頓の方法についてお話をしてきましたが、本書を読んでいる方の全員が文書管理システムを使っているわけではないと思います。
もし文書管理システムを使わないとしたら、ファイルの「タイトル」から検索するしか手段はありません。
そのため、タイトルにタグ付けをするように「日付」「書類の種類」「取引先名」「担当者名」などの情報を入れて、いろいろな角度から検索できるようにします。
たとえば、こんなタイトルでしょうか。
「20160314 見積書 ○×機械 古芝」そのうえでファイルを会社共有のクラウドフォルダなどに入れておけば、誰でも、どこでもファイルを閲覧することができて、文書管理システムを使用するのと似たような環境を作ることができます。
ただ、この方法だと、どうしてもタイトルが冗長になり、見にくくなるというデメリットもあります。やはり情報の整頓には、文書管理システムの使用をおすすめします。
情報の「清掃」――情報の精度を高めて、ナレッジデータベースを構築する
最後に、情報の「清掃」です。使わない情報、不要な情報がパソコン内に溜まっていくことで、検索したときにゴミ情報が引っかかってしまい、検索の精度が落ちてしまいます。
「情報の3S」を継続するために、わが社では月に1回、1時間は「PC整理デー」として、全社員で情報の総点検をして不要な情報の清掃に取り組んでいます。
各々の社員が定期的に情報の清掃を行なうことで、パソコン内に保存されている情報がブラッシュアップされて、「パソコン内には、会社にとって本当に必要な情報しか入っていない」状態を作ることができます。
いうなれば、ナレッジデータベースを構築することができるのです。
仕事をするために不可欠な情報だけが集積されたナレッジデータベースが構築できて、しかも精度の高い検索によって、そのデータベースからそのときどきに必要な情報を数秒で取り出せるようになれば仕事の仕方は劇的に変わります。
第一に「お客様から問い合わせがあったときの対応スピードが速く」なります。
紙の書類で情報を管理していたときは、
①「お客様から金型に関する問い合わせが入る」一
②「いったん電話を切ってから、ファイルのある書類棚まで移動する」↑
③「該当のファイルを探して、そのファイルの中からさらにお客様の金型に関する書類を見つけ出す」↑
④「必要な書類が見つかつたら、お客様に電話を折り返して、問い合わせに関する返答をする」という流れで対応をしていました。
しかし、「デジタルドルフインズ」を導入してからは、
①「お客様から金型に関する問い合わせが入る」↑
②「電話をつないだまま、自分のデスクのパソコンで書類を検索」↑
③「すぐに必要な書類が見つかり、つないだままの電話で即時回答」という迅速な対応が可能になりました。
時間にして、だいたい6分の1程度に短縮できたのではないでしょうか。
さらに、スマートフオンやタブレツトなどのモバイルツールでも情報を閲覧することができるので、外出中に問い合わせがあったときにも、会社に戻ったり、会社に連絡して誰かに書類や図面を探してもらう手間をかけずに、問い合わせを受けたその場ですぐに対応できます。
お待たせすることなく迅速な対応ができれば、お客様は満足し、さらなる信頼を寄せてくれるようになります。
また、担当者がどうしてもほかの用件で手が離せないときには、内容によつては「誰でも対応」できるようになります。
たとえば、取引先A社から「今年の○月に納品してもらつた金型の件で……」と問い合わせがあったとき、以前であれば担当者しか対応できませんでした。
しかし、会社にとって必要な情報を全社員が共有・活用できるナレッジデータベースが構築できていれば、誰でも「A社」「○月」「金型図面」「見積書」などと検索して必要な情報を手に入れることができて、お客様からの問い合わせにスムーズに対応できるようになります。
さらに「経験の共有化」も可能です。どれだけ価値ある情報も、個人のパソコンに保存されているだけでは、その情報は個人に属することになり、活用できる範囲は限られます。
しかし、情報がサーバのデータベースに保存されて全社的に共有されていれば、活用できる範囲が広がり、さまざまな価値を生んでくれます。
たとえば、わが社ではこれまで全国50社の企業に対して「徹底3S」のコンサルティングを実施してきましたが、それぞれの企業が抱えていた課題やその課題を解決するために提供したソリューションをデータベースに保存しています。
そうすることで、新規の企業のコンサルティングやサポートにあたるとき、担当者が「今回の条件は、前の○○社のケースに似ているな」「この案件には、以前の○○社の成功事例が活かせるので、特にその点には留意しよう」などと、過去の個々の社員の経験を会社全体の共有の財産として活かすことができます。
会社に蓄積された膨大な情報を整理・整頓・清掃して、情報を有効活用できる環境を作ること。個人の能力の限界が組織の限界にならないよう、組織にとって重要な情報は社員全員で共有・活用すること。
過去に蓄積された膨大な情報を、未来の仕事のための財産にすること。「情報の3S」を徹底すれば、こうしたことが実現できるのです。
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