★ちょっとしたコツで全然違う!りえのとっておきのワザ朗読を始めて、ある程度上達してくると、「もっとうまくなりたい!」という気持ちが生まれてきます。同時に「ここが難しい」「ここが自分の弱点だな」などと、新たな壁にぶつかったりもします。そこでこの章では「ここにちょっと気をつけるだけで、ビックリするほど上手に聞こえる」という朗読のウラワザを集めてみました。どれも簡単にできることばかりですが、その効果は抜群なので、ぜひ試してみてください。「この件に関してはぁ()、再考の余地があると思うのですがぁ()」「そういうつもりはなかったのにぃ()、思わぬ得をしたのでぇ()」話し方のクセで、「は」「に」「が」「を」「て(で)」など、助詞(の音)が上がってしまう人は、結構多いものです。助詞を上げる話し方は、本人は気づかなくても、相手にいい印象を与えません。せっかくのいい話も価値が下がってしまいます。これがクセになっている人は、朗読でも助詞を上げて読んでしまいがちです。意識して助詞は下げるようにしましょう。この助詞を下げるために、簡単にできるいい方法があります。手の動作を使って声の上げ下げをコントロールするのです。たとえば、歌手の平井堅さんや平原綾香さんは、歌うときにこれを使っています。「高い音」を出すときは手を上げて、「低い音」を出すときは手を下げるなど、手の動きを非常に効果的に使っています。どうしても助詞を上げるクセが抜けない人は、助詞のたびに、手を下げて読んでみてはいかがでしょうか。全部の言葉に抑揚をつける必要はなく、「強調する部分」と「捨ててもいい部分」のメリハリが大切と述べました。「捨ててもいい部分やセンテンス」は慣れると見定めがつくようになりますが、一定のパターンもあります。たとえば同じ言葉や文章が繰り返される場合、くどくなるので、2回目以降は、1回目の強調を同じように強調する必要はありません。最初のうちはとくに、一音一音をはっきり、丁寧に発音するように心がけましょう。「ありがとうございました。」ならば、と、最後の「た」の音まで気を抜かずに、しっかり発音するのです。句点(。)まで感じる気持ちで発音すると、なおいいでしょう。少しゆっくりになっても大丈夫です。一音一音、はっきり丁寧な音にして気持ちを込めると、相手に伝わる力が倍増します。また、一音一音を確認しながら大事に読むことで、早口になってしまうのを防ぐこともできます。「読んでいるうちに、ついつい早口になってしまう」という人は少なくないのですが、早口で読み上げてしまうと、内容が上滑りして相手には伝わりません。
「これではスローすぎるのでは?」というぐらいで、ちょうどいいのです。文章には「読点(、)」がついていますが、音に出して読む場合、必ずしも読点どおりにしないほうがいい場合もあります。毎回、読点で息継ぎをして間をあけてしまうと、文章が間延びしてしまい、相手に伝わらないことがあるのです。その場合は、読点で文章を切っても息継ぎをせず、そのまま次のセンテンスに入ります。ほんのちょっとの間ですが、こういう細かいことが「聞きやすさ」「聞きにくさ」を左右するものです。これはプロのスキルになりますが、「ここぞ」というときに、息継ぎをせずに「ワンブレス」で読み上げるのです。これをやると、「粘りが出る」「迫力のある」話し方や読み方ができます。プロの歌手もこのワザを使います。サビの部分などを「ワンブレス」で歌い上げると、ワッと盛り上がるし、カリスマ性が出ます。「ワンブレス」が可能なのは、腹式呼吸あってこそです。腹式呼吸はたくさん息が吸えるので、次の息継ぎまでの時間が稼げます。ですから、一呼吸でたくさんの言葉を話せる(読める)のです。逆に、胸式呼吸だと、浅くしか息が吸えないため、すぐに苦しくなって息を吸い、少し話してまた息を吸う、の繰り返しになります。すると、朗読も「ぶつ切り」になってしまい、非常に聞きづらくなります。ここぞというときのワンブレスができるように、朗読の基本「腹式呼吸」トレーニングをしっかり行ってくださいね。朗読において体を安定させて行うのは、とても大事なことです。視覚からの情報は、受け取る側の感情と連動してくるので(ノンバーバル・コミュニケーション)、ゆらゆら体を動かしながら話すと「自信がないのかな?」など聞き手は不安になってしまいます。手のジェスチャーや、体の向きを左右前後の観客全員に伝えるために動かすことはありますが、それは自然な動きなのでOKです。それ以外は、基本的に体は安定させ、動かしません。これも呼吸が関係します。胸式呼吸で話すと、上半身がゆらゆらして、しっかり下半身で体を支えられなくなります。意味のない体の動きが出てきます。これに対して腹式呼吸で話す人は、下半身がどっしりとしてお腹で体を支えているので、意味のない動きは出てきません。腹式呼吸をして、しっかり体を安定させて読むように心がけてみてくださいね。
一文を読み終えるごとには、口を閉じることを意識してみるのもポイントです。何でもないことのようですが、これをするとしないとでは大違いです。まわりの誰かに、「半開きで終わるパターン」と「口をきちんと結ぶパターン」の2パターンで話してもらってみてください。それを聞き比べてみると、違いがよくわかるはずです。口を開けた状態で一文を読み終わると、だらしない感じで聞こえます。その反面、読み終わりできちんと口を閉じると、音だけでなく空気までスパッと切れて終わります。そして、見た目も口を閉じているほうが、上品で知的な印象をもたらします。「口を閉じてまた開く」という動作によって、適度なポーズが生まれますから、次の文章が際立つという効果も生まれます。朗読を行うときは「口角を上げる」ことを意識しましょう。口角を上げることによって、自然と感じのいい、やさしい雰囲気の声が出せます。たとえば、口角を上げて「こんにちは」と発音してみてください。すると「こ、ん、に、ち、は」の一つひとつの音が、はっきりと発音できるはずです。口角を上げることで口腔が緊張し、舌が少し上向きになるからです。これが聞き手にとっては明るく、聞き取りやすい印象を与えます。人が聞いて「いいな」「心地いいな」と思う声の周波数は「3000ヘルツ」といわれますが、なんと口角が上がった状態で話すと、自然と3000ヘルツになるのです。アナウンサーの声、電車内アナウンス、新幹線内アナウンス、電話時報の声、電話で応対するオペレーターさんの声、これらはほぼ3000ヘルツです。みなさん口角を上げて話しています。声も見た目も、印象がよくなりますよね。
朗読をするときは「のど」を潤して、いい状態に保っておくのも大事なことです。のどを潤す飲み物として、最適なものは「水」だと思います。これは自分の経験から、水でのどを潤した直後がいちばんいい声が出るからです。コーヒーやお茶類は、カフェインが体から水分を排出する作用があるので、のども乾燥します。のどや声がガラガラになってしまうので、読んだり話したりする前は、私は飲みません。カフェインが含まれていない飲み物をおすすめします。どうしてもコーヒーや紅茶を飲みたい場合は、ミルクを入れて飲むのがおすすめです。ミルクの脂肪分がのどを保護してくれるからです。
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