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第4章変幻自在の雑談相手と状況によって会話を自在に操る

23タイプを見極め、即座に好かれる人にはそれぞれ、「好きな雑談のやり方」がある

SCENEデパートで販売員をしているあなた。

キャリアも長くなってきたので、得意なタイプの人と、苦手なタイプの人が明確にいることがわかってきました。

問題は、苦手な人とどう接するか……なかなかその解決策がわかりません。

どうすればいい?「基本の型」を徹底したうえで、さらに接し方を変えるのが超一流冒頭のケースのように、「得意なタイプ」は大丈夫だけれど、「苦手なタイプ」とはどうしてもコミュニケーションがうまく取れない……という方も多いと思います。

そこでこの最後の章では、「雑談の究極系」ともいえる相手のタイプやTPOを見極め、そのうえで適したコミュニケーションを取る方法をお伝えしていきましょう。

対人で重要なのは、第一印象。

前作では「人の第一印象は2秒で判断される」とお伝えしました。

この第一印象とは、「好きか嫌いか」その直感的な判断です。

出会い頭で「好ましくない」という判断をされてしまうと、その時点で大きなマイナスポイントを背負ってしまいます。

そこで、最初の印象をよくするための要素として紹介したのが「声」「表情」「服装」でした。

・普段よりも1~2トーン高い、より具体的には「ファ」~「ソ」の高さの声・前歯が4本から6本見える程度の、笑顔・しわやよごれのない服、カカトのすり減っていない靴、清潔感のある髪型と爪大きくこの3点に気をつけるだけで他人からの印象は抜群によくなります。

ただし、これらの声、表情、見た目といった要素は「どんな人間でも身につけておくべき基本の型」。

本物の雑談力を身につけるには、この基本の型の上に、相手によって接し方を変えることが重要です。

では、どう相手を知り、どうコミュニケーションを変えればよいのでしょうか?ここで効果的なのが、「サーチミー」というコミュニケーション診断ツールです。

これは、「コミュニケーションの取り方」からその人の性格の傾向を整理した診断ツールです。

この傾向を知ることで、人のコミュニケーション上の強みと弱みを客観的に知ることができます。

人間の性格は大きく分けて、次の5つのパターンに分類することができます。

①CP(criticalparent=思い通りにしたがる「ボス」タイプ)②NP(nurturingparent=やさしい「おっとり」タイプ)③A(adult=冷静な「理系」タイプ)④FC(freechild=天真爛漫な「盛り上げ」タイプ)⑤AC(adaptedchild=相手に合わせる「おとなしい」タイプ)①のCPの人はコストパフォーマンスや合理性を強く求める、親分肌の「ボス」タイプ。

一方②のNPタイプの人は感情のやりとりを大事にする「おっとり」タイプ。

③のAはいわゆる「理系」タイプで、データやロジックを重視するタイプ。

④のFCは、明るく楽しいことが大好きな「盛り上げ」タイプ。

⑤のACタイプは、多くを語らず、相手に合わせる「おとなしい」タイプです。

どれがいい・悪いではなく、そういう特性があるということです。

どれか一つの特徴が飛び抜けている人もいれば、いくつかの要素をあわせ持った人もいます。

次のURLは、その診断ができるサイトで、5分ほどで診断することができます(自分の診断はもちろん、他人の診断もできるようになっています)。

サイト:searchMehttps://searchme.jp/ただ、現実のコミュニケーションではこのような細かな診断ができない場合もありますので、より簡単にタイプを見分けるのに、こんな方法もあります。

それは、「今日のランチ(夕飯)は洋食がいいですか?和食がいいですか?」という質問に対して、どう答えるか。

これでだいたいのタイプがわかるのです。

CP(ボスタイプ)…「和食」「洋食」と極めてハッキリ答えるNP(おっとりタイプ)…「洋食(和食)ですかねぇ……」と控えめに答えるA(理系タイプ)…「ハンバーグが好きです」など、具体的な料理名を挙げるFC(盛り上げタイプ)…「和食!」「洋食!」とハッキリ答えるが、その時々の気分で答えが違う(CPとの違いは、声の高さや表情の豊かさなどで判断できる)AC(おとなしいタイプ)…「どっちも好きです」のように、ハッキリ答えない

あくまでも目安ではありますが、私の経験上、「結構当たる」診断方法です(もちろん「洋食」と「和食」だけでなく、どんなものに置き換えても構いません)。

人のコミュニケーションの傾向を知ることがなぜ必要か。

それは、知ることで対応方法を変えていくことができるからです。

たとえば、CP(ボス)タイプはリーダーシップを発揮することに向いています。

雑談でも会話をリードしていくのが得意です。

非常に合理的な面が強いので、「筋の通っていない話」「質問に明確に答えない」「メリットがない話」といったことを嫌がります。

このタイプは経営者や組織の中で出世していく人に非常に多く、雑談するほうとしては緊張感を強いられるのです。

私自身、かなり泣かされてきました。

ただし、攻略方法がわかると、対応はそこまで難しくありません。

好かれやすくなり、あっという間に距離を縮める方法があるのです。

このタイプ別攻略は前作でもお伝えしたのですが、今回はより実践的なアクションに結びつけながら、各タイプの攻略方法について見ていきたいと思います。

23タイプを見極め、即座に好かれる「超・実践編」で紹介したこと基本型の上に、相手や状況によって雑談のやり方を変えられたとき、初めて「超一流」となる1服装、表情、声はまず誰もが身につけるべき「基本の型」2そのうえで相手のタイプを把握する→大きく分けると、CP、NP、A、FC、ACの5タイプ→簡易的な診断法としては、「AとBではどちらがいいですか?」などの質問にどう答えるかで傾向がわかる

24ボスタイプ(CP)に出会ったときの対応YESかNOの質問には、YESかNOで答える

SCENE「君は何を言っているのか意味がわからない」「話が長い!」と会社で注意されてしまうあなた。

上司は典型的な「CP(ボスタイプ)」です。

このように怒られることは何とか減らしたい……何かコツはないのでしょうか。

結論から答えないとCP(ボスタイプ)の人はイライラする会話のやりとりの中で合理性を求める人は、質問にはハッキリ答えてほしいと考えているものです。

たとえば上司から「昨日の部長の話は理解できた?」と質問されたとき。

本来、この質問に答えるのであれば答え方は2つ・「はい、理解できました」または・「いいえ、理解できませんでした」しかありません。

ところがそうではなく、「ええ、昨日の部長のお話ですが〝営業力アップ〟と一言でいっても、それは随分いろいろなスキルを鍛えなければならないのですね。

営業では様々なタイプのお客様と接するわけですから、様々なタイプに対応できるような、いわば〝対人対応のスキル〟が必要になってきます。

このスキルがないといくら優秀な営業であっても、話を聞いてもらうまでいくことができません。

私も正直自分が苦手なタイプのお客様と接することを避けようとしてしまう傾向があります。

それから、当然商品の魅力を伝えなければならないわけですから、〝トークスキル〟も必要です。

これらのスキルを鍛えることが欠かせないわけです、といったような内容のお話をされていました」……このように、まずはYESかNOで答えるべきところで、すぐに結論を言わず、それどころか思いつくままに言葉を並べてしまうことがよくあるのです。

これでは、いったい部長の話が何であったのか、また、どんなことが理解できたのかがわかりません。

「聞かれた質問に答えないで、関係ないことをツラツラとしゃべってしまう」という状態なので、特に「質問には明確に答えてほしい」と考えるCP(ボスタイプ)の人をイライラさせてしまいます。

このような返答は、自分の中で考えがまとまっていないときに起きてしまう現象です。

「できたのか/できていないのか」「やったのか/やれていないのか」、YESかNOかを聞かれた質問に対しては、まずは「はい」か「いいえ」か答える癖をつけましょう。

しかし、ただYESかNOか答えるだけではいけません。

さらに、もう一段階レベルを上げた返答としては、「はい」か「いいえ」のあとに、「はい」なら何を理解できたのか、「いいえ」なら、何が理解できなかったのか、そのポイントを相手に伝えることです。

たとえば、先の例で「部長の話は理解できましたか?」という質問に対しては、まずはYESかNOかを答えます。

「はい。

〝営業力向上のために必要なスキル〟があることがわかりました。

具体的には2つで、1つ目は〝対人対応のスキル〟、2つ目は〝トークスキル〟です。

〝対人対応のスキル〟は様々なタイプのお客様に対応できるようになるスキルです。

〝トークスキル〟は商品の魅力を伝えるためのスキルです」と、明確な返答ができなければなりません。

CP(ボスタイプ)の人は、このように要領を得たやりとりが好きなので、この習慣をつくるだけでも「おっ、見どころのあるやつだ」と認めてくれるのです。

論理力もつき、考え方の整理にもつながるので、様々な場面で役立ってきます。

たかが答え方、されど答え方。

人間はそうしたところに注目しているのだということを忘れてはいけません。

なお、CP(ボスタイプ)の人に対しては、会話のテンポは速めを意識。

自分が主張するときは「根拠」や「理由」も明確にして話しましょう。

24ボスタイプ(CP)に出会ったときの対応「超・実践編」で紹介したこと二択で聞かれたときにはハッキリと答える1まずは、YESかNOか結論を伝える2そのあとで、自分の見解や詳細な情報を補足する

25優柔不断な人(NP・AC)への対応ハッキリと答えてくれない人には状況や相手の考えを整理する

SCENE雑談も深まり、いよいよ本題の商談に入ろうという場面。

相手の本音を突き止めようと探りを入れると「いいですよね……」「ええ、いいと思います」などと言われるものの、決定打がありません。

これでは本題での落としどころを掴めません。

そんなハッキリしない相手に、いったいどうしたらいいでしょうか?本音を言わない人とどう接するべきか商談で、商品などを紹介すると、「ああ、なるほど!これはいいですねー」「うん、これは便利そうだ」などと好感触を得ることができるのですが、一向に「買う」という決断をしてくれない人がいます。

ダイレクトに「ご希望はございますか?」と伺っても「うーん、前例がないですからね。

なかなか難しいですね。

値段も、もちろん安いに越したことはないですが、だからといって安かろう悪かろうでは困るし、納期もいくら早くしてほしいといっても雑なものが出てきても困ってしまいますからね……」と、ノラリクラリ……延々とこんな要領を得ない話が続きます。

しかし、これは本心をごまかしたり、逃げているわけではなく、本人はいたってまじめなのです。

実はこんな優柔不断な態度の根底には、自分でも本心がわかっていない、という場合が多々あります。

つまり、状況や自分の考えの整理ができておらず、優先順位がついていないのです。

これではいくらこちらが質問をしても的を射た答えは返ってきません。

むしろ、意見を求められたり、選択を迫られるとこんなタイプは困ってしまうのです。

これは、NP(おっとりタイプ)・AC(おとなしいタイプ)に顕著な傾向です(この2タイプは非常に似ており、両者の違いとしては、NPは時間をかけてではありますが、自分の意見を言う一方、ACは意見や結論を出すのが苦手です)。

そんなときには、こちらが状況や相手の考えを整理して、それを示していかなければなりません。

そして、決して相手の決断を急かさないことがポイントです。

ややゆっくりめのテンポで、相手に合わせてやりとりを進めます。

少しでも「早く決めてください!」というこちらの本音を出そうものなら、「い、いや、ちょっと待ってください」と心を閉じてしまいかねません。

常にこちらが相手の本心に向かって伴走していくイメージです。

「もしかして、こういう感じではいかがでしょうか?」「たとえば、これではいかがでしょうか?」と具体例を挙げながら一歩一歩進んでください。

そうしたやりとりを積み上げていくことで、相手のあいまいだった本心が徐々に特定され最終的に「いいですね!」と言ってくれるのです。

本音ではない「いいですね!」に要注意ただし、注意点が一つ。

そのような好反応も、「本心かどうか」を冷静に見極めないとなりません。

というのも、その場の空気に飲まれて、または空気を読んでいい反応をしていることがあるからです。

つまり、好反応でも、本心ではない場合があるのです。

見極めるポイントとしては、うなずきや笑いの量、ボリューム、表情など、非言語的な表現が多いか少ないかで判断しましょう。

相手がいい感情を出しながら「いいですね!」と言ってくれているときは、本心。

感情が隠れている状態では、まだまだ納得がいっていない可能性が高いでしょう。

25優柔不断な人(NP・AC)への対応「超・実践編」で紹介したこと答えを急かさず、一つひとつ状況を整理して確認していく1「もしかして、こういう感じでは?」「たとえば、これは?」と、やさしく具体的に提案する2話すテンポはゆっくりめ3本心からの言動かどうか表情や声色を見極める

26話の腰を折ってくる人(A)と出会ったら緻密な「理系」タイプには、根気強く付き合うのが一番の近道

SCENE雑談をしていると、質問のポイントが「えっ、そこですか!?」と、本筋とはズレた点を聞いてくる人がいます。

こちらからするとまるで重箱のスミをつついてくるような内容です。

何とかして本筋に話を戻したいのですが、細かい点が気になって仕方ないようです。

こんなときどうすればいい?A(理系タイプ)の人には「アバウトさ」が通用しない世の中には、緻密に物事を進めたいと考えている人がいます。

このタイプの人は、会話の中で大筋の流れではなく、枝葉の部分が気になってしょうがない、という場合が多いのです。

たとえば、「今、〝日本人のコミュニケーションの調査結果〟のお話が出ましたが、これはいつ・どこが行った調査なのでしょうか?」「〝調査で高スコアの人々〟とおっしゃいましたが、具体的に何点以上が〝高スコア〟といえるのでしょうか?」などといった具合で、「だいたいこんな感じ」というアバウトさが通用しないのです。

これは、意地悪をしようと思って出てくるのではありません。

本心から「気になって仕方がない」という状態で、この疑問が解決されない限り、他に何を聞いても頭に入ってこないのです。

ですから、このような質問が出てくる人と出会った場合の解決策としては、一つずつ丁寧にフォローし、疑問に答えるようにします。

そして、できるだけ詳細な情報についても説明する他ありません。

一つひとつ納得させていかないと、前へ進めないのです。

このタイプの人は、『5つのタイプの傾向と言動の好き嫌い』の診断でいうとAが強い「理系」タイプです。

特徴としては、・言葉や表情の感情表現が乏しい・淡々としていてリアクションが少ない・冷静な話し方で、細かい質問が多いといったものがあります。

前述のとおり、気になるポイントがあると、そのあとの話が入ってこないタイプですので、話の途中・途中で折にふれて「何か気になるポイントはありませんか?」と、確認しながら話していくと進めやすくなります。

気になる細かいポイントを説明→話の本筋に戻るを繰り返して雑談を進めていきましょう。

プラン通り話が進まず、もしかしたらイラッとすることもあるかもしれませんが、そうしたら負けです。

決して焦らず、パズルのピースを埋めていくように会話を進めましょう。

それが、もっともよい結果をもたらしてくれます。

26話の腰を折ってくる人(A)と出会ったら「超・実践編」で紹介したことパズルのピースを埋めていくように会話を進める1一気に話を進めず、「気になるところはございませんか?」と確認するポイントをつくる2主張の根拠や裏づけを明確に示す

27相手がおしゃべり好き(FC)の場合の雑談話が脱線したときはあえて泳がせてみるのも手

SCENE打ち合わせのとき、盛り上がるのはいいのですが、盛り上がりすぎて会話が本筋とまったく違うほうにいってしまうことがあります。

本当に話したいことになかなかたどり着けず……何かいい対処法はないでしょうか。

FC(盛り上げタイプ)の人とは純粋に会話を楽しめばいい雑談をしていると、相手が乗ってくる瞬間があります。

・自分が話しているとき、割って入るように相手が話し始めた・目に力が入り、楽しそう・声が大きくなる・前のめりになる・言葉の数が急に増えるといった変化です。

これらの傾向が見られたら、相手は話に食いついていると見て間違いないでしょう。

そうなったら、基本的にはそのまま乗っかって、好きなように話してもらうのが正しい対処法です。

ただし、問題点が一つ。

それは、相手が自分のしたい話に夢中になるので、気づくとどんどん脱線していってしまうことです。

これは、特にFC(盛り上げタイプ)の方に見られる特徴です。

楽しさのあまり、話があちこち飛んでいってしまいます。

そうなってしまった場合は、リアクションやあいづち、合いの手を入れて、楽しんで付き合いながら、しかし、どこかで本筋に戻れるようにキーワードを用意しておいてください。

会話がどこでずれていったか、本当は何の話をしたかったのか忘れないよう、分岐点をメモするか、頭に入れておきます。

それさえ意識できていれば、あとは自分も会話を楽しみましょう。

基本的に、雑談が盛り上がるのはとても喜ばしいことなのです。

A「その知人に連れられて、先週の日曜に初めて競馬場に行きまして……」B「東京ですか?中山ですか?」A「(お、目つきが変わったな……)中山でした」B「中山ですか、日曜だと、カペラステークスでも見に行かれました?」A「ええっ!?そうですそうです!え、お詳しいんですね?」B「実はここだけの話、競馬が趣味で大学時代に競馬サークルを立ち上げたくらいでして(笑)」A「ええっ、そうなんですか!意外です(笑)。

きっかけはあったんですか?」B「僕が競馬を見たのは18のときが初めてだったんだけど、馬ってねぇ、実際に見るととっても毛並みがきれいなんですよ。

足もスラッと長くてね……」と、思ってもみなかった方向に広がっても、それはそれでいいのです。

気持ちよく話し続けてもらうために、質問の方向性を変えないように注意してください。

たとえば、この例でいえば、「中山競馬場って駅から遠くて驚きました」とか、「私もパチンコをしたのは18のときでした」とか、流れを断ち切るようなことは言わずに、相手のしたそうな話に合わせた質問や感想を伝えます。

もしも戻るタイミングを完全に失ったとしても、話を続けているうちにまた別の角度から話題を戻すこともできます。

人間は、自分の興味のあることに同調してもらえると嬉しいものです。

共感を示すことで、互いの距離はグッと縮まり、有利なものになるでしょう。

27相手がおしゃべり好き(FC)の場合の雑談「超・実践編」で紹介したこと興味があることを話すのは楽しいので、そこに同調するだけで距離を縮めることができる→戻れるタイミングがあれば戻れるよう、分岐点を覚えておく(メモしておくとよい)

28一対多数の雑談のルール複数人数相手の雑談ではキーマンとタイプの見極めが重要

SCENEとある食品メーカーで働いているあなた。

ある日、アクシデントが起きた先輩の代打で大手チェーンの本部に提案に行くと、そこには3名の担当者が。

一対一の商談が多かったので、この事態は想定外。

さぁ、どうする?複数の雑談で気をつけたい3つのポイント本書では、「一対一」の雑談を多く取り上げていますが、仕事での打ち合わせや商談などでは、複数人数を相手に話すことも多くあります。

その際、どんな話題を選べばいいのか、全員に平等に話しかけるべきなのか……。

ここでは、複数人で行う雑談の具体的なポイントを紹介しましょう。

1全員に通じる話題を選ぶ複数での雑談の基本は、「全員に通じる話題」を提供するのが鉄則です。

雑談は相手に気持ちよくなってもらうためにするもの。

相手が何人いても、その本質に変わりはありません。

例によって天気などのあたりさわりのない話題から始めて、全員の共通項だと確実にわかっている話題を展開します。

相手の会社の近況や、その業界についてなどの話題などでしょうか。

よくあるのは、担当者とはすでに面識があるが、そこに初めて会う方が加わっている──といったケースですが、このような場合も趣味の話など、初めて会う人がわからない話題には踏み込むべきではありません。

ただし、例外もあります。

今の例でいうと、「いつもの担当者」が部長で、「初めて会う方」が平社員といった、立場に大きな開きがあるときです。

この場合は、部長相手に趣味の話をしても問題ありません。

2話題はキーマンに、目線は平等にもう一つのポイントは話す「時間の配分」です。

たとえば、AさんとBさんと自分、3人で話しているケースを考えてみましょう。

Aさんが部長、Bさんはその部下です。

このように、役職に明確な差がある場合、鍵をにぎるキーマンはA部長です。

このときは、A部長を中心に話題をふり、ほぼAさんに話すようにして構いません。

ただし、目線はBさんにも向けて話すようにしてください。

割合としては、7:3。

A部長のほうを中心に話しながら、Bさんも会話の輪から外れないように、時折目線を合わせます。

相手側の人数が3人、4人、というときも同様で、キーマンを中心に4:2:2とか5:3:2とか割合を決めて話してみるようにしましょう。

これが、複数人数相手の雑談の基本ルールです。

3話したい人、そうでない人を見極めるしかしながら、現実というのはもっと複雑です。

たとえば、2人の「部長」という肩書きを持つ人と打ち合わせることになった場合。

立場は対等、どちらも重要人物です。

このような場合、話す配分はどのように決めるのが正解でしょうか?少し考えてみてください。

この質問をすると、多くの方は、「5:5」。

半分ずつの割合で話すのが正解だろうと答えます。

しかし、これは正しくありません。

この問題の正解は、「相手のタイプをふまえたうえで配分を決める」ことです。

A部長は口数が多く、主張が強いタイプ。

一方のB部長は、口数の少ないタイプ。

こういったときは、8:2の割合で、主にA部長に話してもらうようにします。

この配分くらいが、A部長、B部長、ともに快適なバランスなのです。

というのも、自分からよく話すタイプにとっては、「自分の話を十分できる」ことが快適なのであり、5:5では、どうしても「話し足りない」印象がしてしまいます。

一方、口数の少ない人の場合、そんなに話さなくても問題ない。

むしろ、話しすぎると居心地が悪くなる、という人もいるのです。

話を多めにふるべき人と、そうでない人の見分け方は次の通りです。

<話を多めにふったほうがいいタイプ>威圧的な話し方・腕を組んで話を聞いている・・・CP(ボス)タイプニコニコしていてノリがいい・・・FC(盛り上げ)タイプ<そこまで話をふらなくても気にしないタイプ>レスポンスは遅いが、表情は柔和・・・NP(おっとり)タイプ理性的に見える・反応が薄い・会話に乗ってこない・・・A(理系)タイプレスポンスが遅く、答えがなかなか出てこない。

また、目を合わせない・・・AC(おとなしい)タイプこのような傾向の違いをふまえて会話の配分が変えられるようになれば、ほぼ敵なしと言えるでしょう。

ただし、キーマンというのは、微妙な力関係で変わる場合があります。

役職者が秘書や若い社員の意見を参考にしている(=実は、秘書や若手社員のほうがキーマン)ということも多々あるのです。

これは相手の会社の社風、役職者の性格やバックグラウンド、視線や表情、声色などを観察してみてください。

だんだん、「これは、キーマンが若手のパターンだな」などとわかってきます。

28一対多数の雑談のルール「超・実践編」で紹介したこと複数人の雑談のポイントは、1キーマンは誰か見極める(肩書きや席次が目安)2共通の話題をふりつつも、ある程度キーマンに合わせてよい3ただし、視線だけは他の人にも向ける(割合は7:3)4相手の肩書きが同じ場合は、タイプによって話す配分を決める

おわりにここまでお読みいただき、ありがとうございました。

私はこれまで、様々なテーマの本をつくってきましたが、この雑談力は、格別な思いのあるテーマです。

前のめりにがむしゃらに働いていたとき、挫折に見舞われたとき、思わぬピンチが訪れたとき、ここぞというチャンスが訪れたとき、どんな場面でも、雑談は人生を切り開く武器として、救ってきてくれました。

もちろん、雑談だけで人生のすべてがうまくいくわけではないでしょう。

しかし確かなことは、雑談があることで物事がスムーズに運ぶ、仕事がやりやすくなる、問題が解決される、人間関係の幅や質が変わる、といったことが数限りなくあるということです。

雑談とは、すべての人間関係、すべての仕事の始まりです。

人間同士のつながりがある限り、雑談のない人生というのはありえません。

今回、幸いにも続編ということでこの本を出すことができました。

前作を出したことによって得ることができた新たな知見、また、読んでくださった方の声を聞きながら、どうすればより良くなるか、どうすればみなさんの悩みを解決できるかと、前作以上に時間をかけ、知恵を絞ってまいりました。

前作をお読みになってくださった方も、また、今回初めて雑談というテーマにふれた方も、「知らなかった」「おもしろい」「やってみよう」と、何か得るものが一つでもあったのであれば、著者としてただただ嬉しく思います。

この難しいテーマをつくるにあたり、再三の練り直し、ブラッシュアップに付き合ってくださったパンネーションズ上原千友さんをはじめとする社内のスタッフ、また文響社のスタッフのみなさんには心から感謝を申し上げます。

何より、雑談というテーマに関心を持ってくださり、読んでくださった読者のみなさまに、御礼と、今後のますますのご活躍を願っております。

2016年10月安田正

たとえ話のトレーニング問題解答例Q1「今日の天気は、ハワイの青空と比べてみると◯◯みたいなものですね」→「(豆腐をつくる)にがりみたいな色ですね」Q2「このパスタ最高!これに比べたら、今まで僕が食べてきたものなんて◯◯だ!」→「レトルト食品みたいなものですよ!」Q3「ちょっと、言い方がきつくないかなぁ?もう少し◯◯みたいな言い方をしたほうがいいんじゃないかな?」※◯◯には、共通の知人や、有名人などの名前

「階層をそろえる」トレーニング問題解答例Q1「我が社の強み」について、次の情報を階層をそろえて整理してみてください。

「我が社の強みは、〝成長性〟と〝堅実性〟の2点です。

まず、1点目の成長性については、様々な分野のスペシャリストが集まっているという人材面と、また、市場が拡大し続けているという経済背景が挙げられます。

2点目の堅実性については、我が社にはムダな在庫を削減するシステムを独自に開発していること、そして、金融機関から借り入れを受けていない無借金経営ということがあります」

Q2「人とうまく関わるコツ」について次の情報を階層をそろえて整理してください。

「人とうまく関わるには、2つの要素が重要です。

一つは、〝思いやり〟。

もう一つは、〝柔軟性〟です。

まず思いやりとは具体的に、表情から感情を読み取ること、そして、相手が誰であれ丁寧な言葉づかいを徹底する、ということです。

2つ目の柔軟性とは、違う価値観を認める姿勢を忘れないということ。

そして、自分の話ではなく、相手に話を合わせるという姿勢です」

巻末特典解説動画を用意しました。

雑談のリアルなやりとりや空気感をお伝えできればと思い本書の内容をフォローする解説動画をご用意しました。

下記より、無料でご覧いただけます。

ぜひ、あなたの雑談力アップのためにご活用くださいませ。

http://www.pannations.co.jp/zatsudanryoku/tokutendouga/

安田正(やすだ・ただし)株式会社パンネーションズ・コンサルティング・グループ代表取締役。

早稲田大学理工学術院非常勤講師。

1990年より法人向け英語研修を始め、現在は英語の他、ロジカル・コミュニケーション、プレゼンテーション、対人対応コーチング、交渉などのビジネスコミュニケーションの領域で講師、コンサルタントとして活躍している。

大手企業を中心に1700社に研修を行い、一般社員の他に役職者1000人以上の指導実績を持つ。

また、東京大学、早稲田大学、京都大学、一橋大学などでも教鞭をとる。

本書のテーマ「雑談」は、ビジネスや人間関係の最初の入口であり、信頼関係を築く重要な武器になるが、その効果は広く認知されていない。

その状況を憂い、実用性、再現性のあるスキルとして確立させたのが「超一流の雑談力」である。

その他の著書に『英語は「インド式」で学べ!』(ダイヤモンド社)『一流役員が実践している仕事の哲学』(クロスメディア・パブリッシング)『一流役員が実践してきた入社1年目からできる人になる43の考え方』(ワニブックス)『1億稼ぐ話し方』(フォレスト出版)『ロジカル・コミュニケーション®』『ロジカル・ライティング』『会話の上手さで人生は決まる』(以上日本実業出版社)など多数。

超一流の雑談力「超・実践編」電子版発行2016年10月25日著者安田正装丁大場君人イラスト白井匠編集下松幸樹発行者山本周嗣発行所株式会社文響社〒105-0001東京都港区虎ノ門1-11-1ホームページhttp://bunkyosha.com/お問い合わせinfo@bunkyosha.com©2016byTadashiYasuda

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