29意外と使い方が難しい「がんばれ」
◆「がんばれ」は、言い方とタイミングに気を遣う
人を励ます言葉として、最もよく使われがちな「がんばれ」。それが、使い方次第で励ますどころか、逆効果になるケースもあります。
例えば、人は誰しも心の中で、「自分はがんばっている」と思っています。
そこへ人から「がんばれ」と言われると、「まだがんばりが足りないのか……」「もっとがんばれというのか……」と、価値観を押しつけられたように感じてしまうのです。
気力がみなぎり、ガンガン突き進んでいるうちは、「がんばれ」のひと言で、奮起し、がんばることができるでしょう。
しかし、そうでない時は「がんばれ」という言葉は重く感じられ、いっそう落ち込んでしまいます。
つまり、ひどく落ち込んでいる人に「がんばれ」を言う場合、追い詰められたような心境にさせてしまうので注意が必要なのです。
そこで、「がんばれ」という言葉を、どのタイミングでどんな風に使えばいいのか、ケース別にご紹介しましょう。
◆「がんばれ」が効果的になる
使い分け人を励ます時に最も大切なのは、共感と寄り添いです。そこで効果的な使い方になるのが、「がんばってるね。あまり無理しすぎないでね」という言い方です。
この言葉をもらうと、相手は「がんばってる自分」を認められた気持ちになり、さらに「もう少しがんばってみよう」という気になります。
大切なことは、まず、相手のがんばりを100パーセント認めること。そして、自ら前進しようという気にさせる、これが本当に人を励ますということになります。
◆がんばっていない人には「がんばれ」をストレートに言わないこと
では、あまりがんばっていない人に対しては、どうすればいいのでしょうか?がんばることが好きでない人は、人から「がんばってるね」と言われると、「そんなにがんばっていないのに……嫌味かな」と思いがちです。
そこで、そういう人に対して効果的なのが、たとえ話や周りの人ががんばっているエピソードをさりげなく話すことです。
「同期の田中くん、任されたプロジェクトをやる気満々でがんばっているね」「同業者の若狭さん、最近新しい事業を開発して意欲的だね」こんな風に言葉がけすると、本人も「がんばらなきゃ」となり、自分で動き出すきっかけとなります。
◆がんばりたくてがんばっている人には、この2つを伝えよう
今現在、自分で何かの目標を持ち、自発的にがんばっている人に対しては、次の言い方が効果的です。
「楽しそうだね。あなたのことを待ってる人がたくさんいるね。あなたのがんばりのおかげで、また幸せな人が増えるんだね」この場合は、①相手のやっていることに共感をし、さらに②将来の展望、などを入れて話していますので相手はより前向きな気持ちになります。
このように、がんばりすぎて疲れている人には「ちょっと力を抜こうよ」と話す。
がんばっていない人にはがんばりたくなるように話す。
がんばりたくてがんばっている人には、その向こうにある未来を話す。
相手の感情にフォーカスできる会話上手な人は、相手に合わせて「がんばる」を使い分けているのです。
日頃の観察力がものをいうのです。
【100%好かれる話し方のコツ28】「がんばれ」を言う時は、相手をよく見てタイミングと言い方に注意する
30人を叱る時は、相手への「敬意」を忘れずに
◆叱る相手に、なぜ「敬意」が必要なのか?
人を叱る時や悪いことを指摘する時は、どうしたらいいのでしょうか?「相手の存在を尊重する」言いにくいことを言う時も、この原則は変わりません。むしろ、意識的に敬意を伝えるべきです。
というのも、叱責や指摘は、どうしても「目上から目下へ物申す」になりがちで、努めて意識しないと敬意が置き去りになってしまうからです。
高圧的な物言いで、力ずくで相手を動かすことは現実的には可能でしょう。
しかし、それは「強制」であり、強制では相手が自分で考え、いい方向に向けて行動を起こすことはありません。
相手が部下であれ後輩であれ子どもであれ、こちらが敬意を込めて接してこそ、本当の意味で一人前に育ち、自由に羽ばたいていけるのです。
叱るというのは、相手の間違いを指摘するということですから、どうしても感情的になりがちです。
そこに敬意を込めるのは一見難しいように思えるかもしれません。しかしコツをつかめば難しくありません。さっそく見ていきましょう。
◆叱る際に絶対言ってはいけないNGワード
まず言ってはいけない言葉は次の2つです。
「君はダメだ」「君のやっていることには意味がない」「君はダメだ」は、相手の人格を否定してしまっていますし、「君のやっていることには意味がない」は、相手から行動の「意味」を奪ってしまっています。
人はどんなことであれ、自分が見出した「意味」に従って行動するものです。行動の意味を奪うということは、相手の存在を否定するということ。これをしてしまうと、相手の自己肯定感はズタズタになり、何もできなくなってしまいます。
◆あなたの「叱る」に「労い」はあるか?
では、敬意を込めて叱るコツとは何でしょうか。
ポイントは、まず、がんばって物事に取り組んでいた相手を労うこと、そして相手の意図に理解を示すことです。「望ましくない事態になっているけれど、君のがんばりや意図は、私には通じているよ」と示すことです。
そしてもう1つ、「自分が相手に対してどれだけ敬意と期待を抱いているか」という視点を盛り込むことです。
「君ともあろう者が、こんなミスをするなんて」「どうしたんだよ、君らしくない失敗だな」というニュアンスをしっかり伝える。
こうした言い方は叱責であるとともに、敬意の1つの形とも言えるのです。
そして、最後に「大丈夫、君ならできるとわかっているから」と、あらためて期待を伝える。
そうすれば、相手は叱られても自信を失うことも萎縮することもなく、「よし、次こそは期待に応えるぞ」と奮起します。
最近は、「パワハラ」「モラハラ」というコンプライアンス観が普及したこともあり、部下をどう叱ったらいいのかと悩む上司が増えています。
しかし、どんな時代でも相手の将来を考え、敬意を込めた叱り方のできる人は、必ず人から慕われます。
〔話し方例〕「部長、申し訳ありません。◯△社からの受注の件ですが、先方の担当者と見解の相違があったことがわかり、予定通り進められなくなってしまい……、今期の売上に計上できなくなってしまいました」「そうか。がんばって進めているなと思っていたけど、君ともあろうものが、そんな詰めの甘いことをするなんてな……。でも大丈夫。
君なら大きな取引にできるってわかってるから、交渉を続けて」
【100%好かれる話し方のコツ29】叱る時こそ、相手への敬意と労いを忘れずに
31目上の人に生意気と思われる話し方、かわいがられる話し方
◆言い訳をした瞬間に、すべて悪印象に変わる
大人になっても、周りの人から至らない点を指摘されることはあります。
ケースとして一番多いのは上司からの叱責だと思いますが、プライベートでも、周りの人から苦言を呈されることはあります。
当然ですが、叱られることが好きな人なんていません。誰もが少なからず傷つきますし、気まずい思いもします。
だからこそ、叱られた時に、どんな態度を取るのか、言葉を発するかで、周りの印象も評価も大きく変わってきます。まず「すねる」「いじける」「ふてくされる」。これらは絶対に避けたい態度です。言い訳を並べるのも、よくありません。
自分に非がある時は、理解してほしい気持ちをグッとこらえて、まずは、ひたすら謝ることに徹したほうがいいのです。
◆叱った人を応援団に変える、このひと言
そして、最も重要なのは、叱られた後にどうするか、です。
人に何かを指摘するというのは、相手のためを思ってすることです。
「何も言わないほうがラクなのに、労力を払って指摘してくれた」そう考えると本来、叱られるというのは大変ありがたいことなのです。
つまり、感謝こそすれ、すねる、いじける、ふてくされるという態度にはならないはずです。したがって、成長する人は、叱った人に対して次のようなことを伝えます。
「私のせいで佐藤課長に言いづらいことを言わせてしまいました。申し訳ありませんでした。大変勉強になりました、ありがとうございます」ポイントは「謝罪」と同時に「感謝」を伝えることです。
さらに、ダメ押しとして次の言葉をつけ加えたら、相手はあなたの応援団に変わります。
「今度からはできるように精進いたします。ただ、忘れやすいたちなので万一同じことをやりましたら、その時も遠慮なくご指摘ください」意識は言葉を変え、言葉は行動を変えていく。
単に、その場で発する言葉だけではなく、その言葉に影響されて起こした行動や成長ぶりによって、あなたの印象は大きく変わります。
【100%好かれる話し方のコツ30】できる人は、叱られた後「謝罪」と「感謝」を伝える
32悪口は、言わない、聞かない、関わらない
◆悪口が止まらない人には「別の話を振る」
]生きている以上、私たちは色んな人に出会います。その中でも厄介なのが、「悪口好きな人や批判が趣味のような人」です。
おそらくあなたも、こういう人に頭を悩まされた経験はあると思います。そうした人の話は、少しの間ならつき合えても、長時間続くと、さすがにうんざりしてきます。そんな時は、さりげなく席を変えるのです。
「トイレに行く」などの口実でいったん席を離れ、戻ってきた時には、別の人の隣に座るのです。ところが、二人きりで話しているなどどうしても、その場から離れづらいケースがあります。
その時は、愚痴や悪口を言うことを「あきらめさせる」のも1つの方法です。愚痴や悪口を言う人は、その話題で盛り上がることに快感を覚えます。
自分が発したネガティブ発言に、周囲が呼応すればするほどエスカレートしていく。その意気を削いでしまえば、自然と収まっていきます。そのために、あえて「別の話題を振る」というのが、最も効果的です。
「話が噛み合わない感じ」を、演出すればいいのです。
その場では愚痴や悪口から話をそらすことが目的ですから、天気や食べ物、芸能ニュースなど、他愛のない話題でかまいません。
これを繰り返していると、相手は、あなたのことを「愚痴や悪口に乗ってくれない、つまらない人」と認識するようになります。
そうすると、愚痴や悪口が早めに収まるだけでなく、その後、あなたには愚痴や悪口を言わなくなっていきます。
さらに、「別の話題を振る」ということ自体は小さなコツですが、結果的に、ネガティブ発言ばかりの人を遠ざけることができ、日常的な快適度が増します。
◆「全肯定」のために、波長の合わない人とはつき合わない
こういうと、第1章02でお話しした「全肯定」と矛盾するのではないか、と思われそうですが矛盾はしません。これも「全肯定」です。
自分が苦手と思う相手や空間にも、当然ながら人格や言い分があります。それがあなたの人格や言い分とそぐわないから、「苦手だな」と思うのです。よくいう「波長が合わない人」というのは、こういう人のことを指します。
このような波長の合っていない人と無理に親しくしようとしたら、あなたはどうなるでしょうか。自分を押し殺して相手に合わせることで、自分自身を否定することになります。
そうなのです。
波長の合わない人とつき合うのは、「全肯定」どころか自分自身を否定することにつながってしまうのです。自分を押し殺してまで苦手な相手と話すくらいなら、あえて距離を置くことで、互いを尊重したほうがいいのです。
【100%好かれる話し方のコツ31】愚痴や悪口ばかり言う嫌な相手とはつき合わない、話をしない
33苦手な人をかわす3つの方法
◆嫌いだけど、関係性が切れない相手との接し方
「悪口はできる限り、言わない、聞かない、関わらない」これが理想ですが、いつも素晴らしい仲間に恵まれた環境に身を置けるわけではありません。
高圧的に部下を支配しようとする上司、敵愾心むき出しのライバル、生意気な部下、町内会やPTA、コミュニティやママ友など、顔を合わすのも嫌な人たち。
どんなに嫌いでも、そこに居なければならないケースは少なからずあります。そんな時は、「逃げる」というのは立派な選択肢です。
例えば、異動願いを出したり転職活動を始めたり、町内会やPTAと距離を置くことが必要でしょう。
◆嫌いな上司は、あだ名をつけて笑い話に変える
しかし、その選択肢を取る前にできることがあります。1つめは、「その状況を笑い話に変えてしまうこと」です。
嫌いな相手に「あだ名」をつけるなどして、仲のいい人とだけで通じる「隠語」を考えておく、というイメージでしょうか。
例えば、いつもガミガミ言う上司を「滝」と名づけます。
そして昼休みなどに、同僚と一緒になって「いや~、今日も滝は午前中からすごかった。おかげでいい滝行になったよ(笑)」などと笑ってしまえば、少しは気持ちが軽くなるのではないでしょうか。
苦手な人に「ドラえもん」のジャイアン、「スーパーマリオ」のクッパなど、ゲームやマンガのボスキャラを、あだ名としてつけるというのもアリです。
「今日のジャイアンは相変わらずわがままだったね(笑)」「昨日のクッパは、少し戦闘能力が落ちてて早めに帰っちゃったよ(笑)」もちろん、これをしたからといって、状況が好転するわけではありません。
しかし、暗い気持ちを抱えたまま人と接すると、あなた自身も愚痴っぽくなってしまいます。愚痴っぽい人のところに、集まってくる人なんていません。
嫌いな人のためにあなたが愚痴っぽくなり、結果的にあなたから人が遠ざかってしまったら本末転倒なのではないでしょうか。
このように考えると、嫌な人のことを笑い話に変え、その人から受けるダメージを最小限に抑えるというのは、小手先の技のようでも、有意義だといえます。
ただ、あくまで自分の心を軽くすることが目的なので、言いすぎて悪口大会につながらないよう注意してください。
◆高圧的な物言いをする人には「反応しない練習」
また、必要以上に高圧的に支配しようとする人も結構います。そういう人から身を守るには、その人の言葉を、まともに受けないことが大切です。
そこで必要なのが、「どう話すか」よりも、「いかに話さないか」です。つまり「反応しないこと」が、最大の防御になります。
特に高圧的なタイプの人は、支配したい相手の反応を見たくて、過剰に高圧的に接してくるところがあります。そういう人に対して、何か言い返そうとするとまさに相手の思うツボ。それ見たことかとばかりに、かさにかかって攻めかかってきます。
そこで相手にひどいことを言われた時はあえて「反応しない」という選択をするわけですが、これがなかなか難しい。
そこでコツをお教えしましょう。
それは心の中で、「はあ、あなたはそう思うんですね」「へー、そんな考え方もあるんですね」と唱えることです。
つまり、「私は、そうは思わないんです」と、相手と自分との間に、ガッチリと強固なラインを引いてしまうのです。
こうして「反応しない練習」を重ねると、やがて相手は、あなたの反応の薄さにあきらめるかもしれません。
◆悪口を言う人を絶対に変えようとしてはいけない
どんなにいい空間に身を置こうと心がけたとしても、年に数回は飲み会などで不平不満、悪口で盛り上がる人たちが目の前に現れます。
その時は、どう時間を過ごすのがベストでしょうか?「具合が悪い」と言って、中座してしまうことです。
ただこうした場に少しでも居合わせた際に、注意してほしいことがあります。
それは、「絶対にその人たちをその場で変えようとしない」こと。「ねえ、せっかくだから楽しい話をしようよ」「いい言葉がいい人生をつくるんだよ」などと言わないこと。1000本の矢があなたに向かって飛んできます。
また、「そうなんだ、ひどいね」という同調もやめましょう。あなたも巻き込まれてしまいます。
悪口を言う人、特にそれが頻繁な人は心がどこか渇いているのです。
自分の中の心の穴を埋めていくために、誰かの悪口を題材にして自分を満足させようとしてしまうのです。
残念ながら、今の世の中はまだまだそんな場所が大多数です。
殴る蹴るといった暴力は罪になりますが、人の心を傷つける言葉の暴力はよほどのことでない限り罪にはなりません。
大切なのは、「周りが言ってもあなたは言わない」こと。
せっかく大切な時間を使ってその場にいる以上、気づきを増やして自分のブレない軸を作ってくださいね。
【100%好かれる話し方のコツ32】嫌いな相手には「あだ名をつける」「反応しない」で対応する
34いい会話は「安心」から生まれる
◆人のパフォーマンスは、リラックスしている時に上がる
人はリラックスした状態のほうが、パフォーマンスが上がるようになっています。
「安心」からいい会話が始まるのです。
緊張して、パフォーマンスが下がる相手とは極力話をしない。
これくらいのスタンスでいきましょう。
今の時点で波長の合わない人と無理につき合って、自分自身を傷つけてしまったり、自信をなくしてしまうようなことはやめてください。
好きな人と話す時間を増やし、会話力を磨いてから苦手な人とも話をしてみる。それくらいの心持ちでちょうどいいのです。
◆難易度の高い人と話すのは、自分の武器を磨いてからでいい
どんなに話すのが苦手だという人でも、心から信頼している友人や家族には、無意識に流暢に話をしているものです。
嫌な人とのコミュニケーションを無理に改善しようと躍起になるのではなく、一緒にいてリラックスできる人、自分を否定しない人たちとの環境に身を置くようにしてください。
すると、自分に肯定的な人だったら、何も気負わず話したいように話せるものだな、と気づくはずです。
つまり、話しやすい人とたくさん話すように意識して、できる限り相手もあなた自身も「話しやすい空間」を作っていくことが、〈話すのが苦手〉というメンタルブロックを外すことにつながるのです。
こうして好きな人と話す時間を意識的に増やしていけば、必然的に苦手な人に使う時間が少なくなります。
「難しい人を攻略するためにも話し方を磨かなければ……」「誰とでも平等にいいコミュニケーションを取らなければ……」その考え方はいったんどこかに捨ててください。
その上でどうしても話さないといけない相手だったら、とにかく「拡張話法」で相手の話を広げてあげてください。
たとえ沈黙が訪れても、あなたばかりが責任を背負う必要はないのです。
【100%好かれる話し方のコツ33】難易度の高い人と無理に話さない
35運のいい人たちが使っている口ぐせ
◆自分の言葉を一番聞いているのは自分自身
以前、同業の伝え人の仕事をしている友人から聞いた話ですが、日本人の一番好きな言葉をご存知ですか?それは「感謝」の言葉だそうです。
「ありがとう」「おかげさま」「感謝しています」これらの言葉は、あなた自身の気持ちがさほど込もっていなかったとしても、口ぐせにしておいて損はありません。コミュニケーションの上手な人は、折に触れ、感謝の言葉を口にしています。
ビールを持ってきてくれた店員さんに「ありがとう」タクシーの運転手さんに「ありがとう」コンビニのお兄さんに「ありがとう」職場の人や家族、友人にも「ありがとう」自分の言葉を一番聞くのは自分自身。
そして自分の言葉を聞く時、心は無意識状態ですから、奥底にその言葉がストレートに入っていきます。
ですから、「いい言葉を口にする、口ぐせにする」ということは、精神衛生上、ものすごくプラスの効果があるのです。
◆ほめ言葉を素直に受け取れる人、謙遜してしまう人
さて、本題はここからです。
あなたはほめられたとき、どういうリアクションをしていますか?「すごいね!」「綺麗だね」人から言われた時、おそらくほとんどの人が、「いやいや、そんなことはありませんよ」と、謙遜しているのではないでしょうか?しかし、ほめた相手としては、あまりに謙遜されると、それ以上ほめることができなくなってしまいます。
特に、誠心誠意ほめてくれる人なら、なおさらのこと。その時は、素直に、「わあ、嬉しいなあ」「そう?ありがとう」と言って相手の気持ちを受け取りましょう。
自分が感謝の言葉を口にすることも大切なのですが、相手の気持ちを感謝して受け取るということも同じくらい大事なことなのです。ほめられるということは、言葉という形で、プレゼントをもらうようなもの。
もしプレゼントが目に見えるものだったら、あなたは相手に「ありがとう」と言って受け取りますよね。
同じように、ほめ言葉も積極的に受け取りましょう。ほめ言葉を受け取り、感謝を伝える。
コミュニケーション上手な人が何気なく使っている、感謝の言葉とほめ言葉の受け取り方をぜひ観察してみてくださいね。
【100%好かれる話し方のコツ34】感謝の言葉を口ぐせにして、ほめ言葉は積極的に受け取る
36「言葉の意味」ではなく「その奥にある感情」にフォーカスする
◆言葉だけ拾ってもコミュニケーションにはならない
今でこそ、こうして本を書き、たくさんの人の前で講演したり、コーチングやコンサルティングをしたりしている私ですが、完璧にコミュニケーション上手に変わったわけではありません。
「三つ子の魂百まで」とよく言いますが、時折、コミュニケーション下手の自分が顔を覗かせます。
先日も、こんなことがありました。
相手はずっと私のところに通ってくれているコンサルティングのクライアントさんでした。
そのクライアントさんとは10年来のご縁で、事業の立ち上げの頃から、私のところに来てくれています。
ある課題をクリアし、今後どのように事業展開していくかについて、私のセミナールームでセッションをしていました。
内容は経営方針ということで、かなりロジカルに話を詰め、そのクライアントさんに必要なことを伝えていたつもりでした……。
クライアントさんが言葉少なめになっていったので、いったんセッションを中断し、テラスでお茶を飲みながら休憩していたところ、クライアントさんがあまりに浮かぬ顔をしていたので理由を聞いてみました。
すると、思わぬひと言を言われました。
「永松さん、最近、言葉だけを拾うようになりましたね」一瞬、何を言われているのかわかりませんでした。
クライアントさんはこう続けました。
「以前は私の感情に向き合ってくれていたように感じていました。今は言葉上の理解しかしてくれていないような気がします」ハッとしました。
経営というロジカルな部分にフォーカスしすぎるあまり、クライアントさんの「感情」というものをスルーしてしまっていたのです。
◆言葉通り受け取ると、関係性が壊れることもある
クライアントさんと書いたその人は、女性の経営者でした。
私のところに来始めた頃は、普通のOLでしたが、その後起業し、ずば抜けた経営センスで今や全国で大活躍している女性起業家。
私も彼女から学ぶことがたくさんある方です。
「男女問わず、人というものは自分を理解してほしい生き物」人にはいつも伝えているものの、私はこの時すっかりこのことを忘れ、昔の自分に戻っていました。
すぐに結論を出そうとしてしまい、それ以外のことはあまり重要視しない。
良くなるためには、最短で結果の出る方法を考える、というドライな自分がいました。
ただ、これまで何度もお伝えしてきた通り、大切なのは、「言葉の意味」ではなく「その奥にある感情」です。
今風に言えば、空気を読むことの大切さをあらためて彼女の言葉が思い出させてくれました。
◆「感情にフォーカスする」とは、こういうこと
さて、私の失敗談をお伝えしましたが、あなたはいかがでしょうか?言葉だけを拾わず、その奥にある相手の感情にフォーカスできていますか?夫婦、恋人、友人、職場の人間関係……。
私たちの人生は、色んな人との関係性の上で成り立っています。
例えば仕事が忙しい時に、奥さん(もしくは恋人)から、「今は私のことなんか気にしなくていいから、仕事に集中して」と言われたとします。
その時に「そうか。ありがとう。じゃあ遠慮なく」と相手の言葉通りに仕事に没頭して連絡の一本もしなかったら、おそらくバトルが始まります。
ある日、突然怒りを爆発させた相手に対してあなたは、「なんでそんなに不機嫌なんだよ!君だって今は仕事に集中してって言ったじゃないか!」と怒り始めます。
これが相手の「言葉だけを理解した」状態です。
奥さんや恋人からすれば、「だからといって、あまりにも忘れすぎじゃない?一本の連絡もできないほど忙しいの?私の気持ちをまったく理解してくれてないじゃない!」となるのです。
こうして関係のズレが始まる。ここからはご想像にお任せします。
「相手がこう言ったから」という言葉だけでコミュニケーションを展開していくと、思ってもみない現実を引き寄せてしまうことがあります。
真に大切なのは「言葉」だけでなく、その奥にある「感情」にフォーカスすることです。
【100%好かれる話し方のコツ35】相手の「言葉」を額面通り受け取らず、本当の「感情」に気づいてあげる
37話し方が100%うまくなる究極のスキル、教えます
◆「相手の立場に立つ」も練習次第で身につく
「相手の気持ちを考えて話をしよう」よく言われる言葉です。
この本でも何度も伝えてきました。
相手の立場を考える話し方ができるかどうかで、あなたの人間性が決まります。
とはいっても、なかなか相手の立場に立って話すのは難しいことです。
そこで私が密かにやっているある練習法をお伝えしましょう。
テレビで謝罪会見が放映されている時、あるいは誰かが重大なミスを犯して大変な時、自分にこんな質問をするのです。
「もし自分がこの人の立場だったらどうするだろう?もしこの人が目の前にいたらどんな声をかけるだろう?」この練習を繰り返すと、自然に物事を自分軸からだけでなく、相手軸から見ることができるようになります。
私たちは普段から、どうしても自分軸で動いてしまいがちです。
しかし、この意識を少し抑え気味にして、相手軸で話をするようにすると、あなたのファンはどんどん増えていきます。
そうすることで、あなたの視野、話し方の世界はどんどん広がっていきます。
◆話し方の究極のスキル「幸せでありますように」
また、今後、あなたが誰かと何かを話す時は、「(相手の方が)幸せでありますように」と祈りながら話すようにしてみてください。
そうすることで、不思議なことですが話の内容は関係なく、あなたの好意は必ず相手に伝わります。
そして、愚痴や不平不満などのマイナストークが自然となくなっていきます。人には誰しも、話す相手の心を感じ取るセンサーのようなものがあります。
テクニックだけで人間関係がうまくいくほど、人間というものは簡単ではありません。不思議なことですが、うまいとか下手とかは関係なく、話し手の心というのは必ず相手に伝わります。
そして、この違いは「フォーユー」なのか「フォーミー」なのか、で変わってくるのです。
相手のことを思って話していくと、必ず言葉がポンポン出てくるようになります。
そしていつの間にか悩んでいた相手が元気になり、あなたのことを必要とするようになります。するとあなたの周りにたくさんの人が集まるようになり、いつの間にかあなたは充電器のような存在になります。
最初は、うまくいかないこともあるでしょう。
しかし相手のことだけ思って話しているうちに、相手が本当に大事にしていることだけを感じ取り、言葉に落としていけるようになります。
「(相手が)幸せでありますように」この思いに勝る話し方のスキルは存在しません。
ぜひ使ってみてください。
【100%好かれる話し方のコツ36】「幸せでありますように」と祈りながら話すと、すべてうまくいく
【おわりに】
会話がうまくなると、人間関係が劇的に良くなる理由
執筆業を始めて10年。これまで出版した本は30冊あまり。様々なジャンルの本を書かせていただきましたが、話し方について書くのは、今回がはじめてでした。
大好きな書くお仕事。
「今回はどんな人が読んでくれるかな」とワクワクしながら書き始めたものの、これまでと違うノウハウ寄りのテーマに力んでしまい、なかなか筆が進みませんでした。
しかし、ある時、気づいたのです。
話し方は、「心のあり方によって決まる」ということに。
話し方、コミュニケーションはとても奥の深い分野です。
スキルの分野だけでも、数多くの講師や先生がいます。
その中で私がお伝えできること。
それは、「話し方」と「考え方」の融合でした。
話し方は、すべて心から生み出されています。
仮に、あなたが日頃発する言葉をロケット、心を発射台だとすると、ロケット一発一発の性能を磨くより、発射台を良い方向に向けるほうが、ずっとずっと重要です。
「話し方は心の姿勢」つまり、「話し方のスキルを上げること」=「心を磨く」ことなのです。
話し方は、日頃の心のあり方が形になったもの。
ここに気づいてからは、一気に筆が進み始めました。
これから先、本書を読んで話し方を磨いていくと、あなたにきっと不思議なことが起こります。
それは何か?あなたの周りから話しづらい人、苦手な人、嫌いな人がいなくなります。
なぜか?あなたの心が変わり話し方が変わると、人間関係が大きく変わるからです。
心が変わり話し方が変わると、あなたの周りにはあなたの心の姿勢と似た人が集まってきて、大好きな人たちと毎日楽しくすごせるようになります。
あなたの心はさらに磨かれ、話すのがもっとうまくなっていきます。
すると、どうでしょう、今まで苦手だと思っていた人、嫌で嫌で仕方のなかった人たちが周りから消えていくのです。
より正確に申し上げると、話し方が上達したことによってあなた自身が苦手な人、嫌いな人と上手にコミュニケーションが図れるようになるのです。
その結果、苦手な人、嫌いな人が周りからいなくなるのです。
今回ささやかではありますが、3つのプレゼントを準備させていただきました。
1つめは『人は話し方が9割』の特別音声です。
ダウンロードして、通勤中などお時間がおありの際にお聞きください。
2つめのプレゼント。
それは、本書でカットした原稿部分です。
今回も少し書きすぎてしまい、カットした原稿が出てしまいました。
内容的にはどれも捨てがたいものでしたので、ぜひそちらもお役立ていただけると嬉しいです。
そして3つめ。
話し方とは、「口ぐせ」であり、「習慣」そのものです。
いかにすればいい習慣を身につけることができるのか?私たちが出した結論は、「本書のイラストを、読者さんがダウンロードして、いつでも見てもらえることにしよう」でした。
そこで、本書の図解ページを巻末特典にてプレゼントさせていただきます。
ぜひ携帯にダウンロードしたり、紙にプリントアウトして目につくところに貼ってください。
口ぐせにしたいキーワードを無意識に目にすることで、自然と話し方は変わります。
私は、出版という仕事が大好きです。
理由は一作一作に、新しいチームでの挑戦とストーリーがあるからです。
今回の企画も、とても素敵な仲間たちと進めることができました。
まずはじめに、粘り強くつき合ってくださったすばる舎の上江洲安成編集長へ。
上江洲編集長とは今回が初めての企画でしたが、上江洲さんの洞察力、そして人を受け入れてくれる大きな器に助けられて、ここまでたどり着くことができました。
次にすばる舎の営業の原口大輔さんへ。
原口さん、今回の企画のご縁ときっかけを作ってくださり、ありがとうございました。
原口さんと再びお仕事をさせていただけたこと、とても嬉しかったです。
営業の方が企画から一緒に組み立ててくださる新しい出版のスタイルと、現場を知っているからこその率直なご意見、本当に参考になりました。
ありがとうございました。
ここからも末長くよろしくお願いいたします。
そして、私の出版ディレクターであり相談役であるOCHI企画の越智秀樹社長。
今回も本当にありがとうございました。
越智さんがいてくれるだけで、安心して書き進めることができます。
出版だけでなく、色々な面でここからもよろしくお願いいたします。
また、私の一番近くにいて、いつも変わらぬ姿勢で共に歩いてくれる(株)人財育成JAPANのファミリーたち、永松茂久プロジェクトメンバー、永松塾のみんな、本当にありがとう。
みんなの応援のお陰でこの本が産まれたよ。
出版をするたびに、今さらながら、素敵なファミリーたちに囲まれることができている幸せを感じることができます。
みんなでこれからも楽しく旅をしていこうね。
最後に、この本を手にしてくれたあなたへ。
本書を通してあなたとご縁ができたことに心から感謝します。
いつかどこかであなたと「話し方が9割」をネタに、楽しくお話しできることを心待ちにしています。
ここから先、あなたのコミュニケーションライフが、さらに華やかなものになりますように。
あなたの未来は、話し方が9割!
最近我が家に仲間入りしたトイプードル、「とら」と「さくら」のじゃれあう横で、夏仕様の涼しい色を織りなす東京タワーを眺めながら。
感謝。
永松茂久
永松茂久ながまつ・しげひさ株式会社人財育成JAPAN代表取締役。
永松塾主宰。
知覧「ホタル館富屋食堂」特任館長。
大分県中津市生まれ。
「一流の人材を集めるのではなく、今いる人間を一流にする」というコンセプトのユニークな人材育成法には定評があり、全国で数多くの講演、セミナーを実施。
「人のあり方」を伝えるニューリーダーとして、多くの若者から圧倒的な支持を得ており、講演の累積動員数は延べ40万人にのぼる。
経営、講演だけではなく、執筆、人材育成、出版スタジオ主宰、イベント主催、映像編集、経営コンサルティング、ブランディングプロデュース、自身のセオリーを伝える『永松塾』の主宰など、数々の事業を展開する実業家である。
また、鹿児島県南九州市にある、知覧「ホタル館富屋食堂」の特任館長をつとめ、「知覧フォーユー研修さくらまつり」など、自身が提唱する「フォーユー精神」を培う研修を行っている。
2019年4月、東京に自社のセミナールームである「麻布『翔』ルーム」をオープン。
同時に、自身の実業・出版・講演の経験をベースに、ここから飛び立つ人たちのコーチングプログラム「NEXT」をスタート。
著書には、『影響力』『言葉は現実化する』『人生に迷ったら知覧に行け』『男の条件』『心の壁の壊し方』(いずれも、きずな出版)、『いい男論』(クロスメディア・パブリッシング)、『黙っていても人がついてくるリーダーの条件』(KADOKAWA/中経出版)、『感動の条件』(KKロングセラーズ)、『図解言葉は現実化する』『図解うまくいく人だけがやっている38の習慣』(いずれも、PHP研究所)、『人生に迷う君に送る24の手紙』(プレジデント社)など多数あり、累計発行部数は100万部を突破している。
詳しくは永松茂久ウェブサイトにてhttps://nagamatsushigehisa.com/
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