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第4章人によって接し方はさまざま

目次

1四つのタイプ

ここまでご紹介したアクノレッジメントは、どんな人に対してもある程度汎用的に使うことのできるものだと思います。

これはこっちの人には「効く」けれど、あっちの人には「効かない」、ということはあまりないと、経験からは判断しています。

もちろんアクノレッジメントは、切れの良いものを一発出せば、それで一か月何もしなくても良いというものではなく、日々の関わりの中での積み重ねが大事であることは、いうまでもありませんが。

ただもう少し細かく見ていくと、人の「タイプ」によって受け取ることのできるアクノレッジメントには若干差があるようです。

つまりあるタイプの人は、ある種のアクノレッジメントを非常に心地よいと感じるけれども、別のタイプの人にとってはそうでもなく、それどころか、不快とさえ感じてしまうことがあるのです。

ですからアクノレッジしようという時には、ある程度は相手のタイプを見極めて接したいし、少なくとも抵抗を引き出してしまうようなアプローチはしたくないわけです。

人は厳密に見れば百人百様、十人十色なわけですが、どうも傾向としていくつかのタイプに分かれるらしいとは、昔からよくいわれてきました。

古代ギリシアの時代に、すでにヒポクラテスが人には四つのタイプがあると断じていましたし、二〇〇〇年にアメリカで発刊されたある学術誌は、DNAには人の気質を司る遺伝子が数タイプ存在する可能性がある、とのリサーチ論文を掲載しました。

コーチングでは思考のパターンと外界との関わり方にもとづいて、人のタイプを大きく四つに分けています。

人や物事を支配していくコントローラー・タイプ、人や物事を促進していくプロモーター・タイプ、全体を支持していくサポーター・タイプ、分析や戦略を立てていくアナライザー・タイプの四つです。

この項ではそれぞれのタイプがどのような特徴を持つのかをまずご紹介したいと思います。

コントローラーは行動的、野心的で、自分が思ったとおりに物事を進めることを好みます。

過程よりも結果重視で、リスクを恐れず目標達成に邁進します。決断力があり、物のいい方は単刀直入。

ペースが速く、また自分のスピードに相手を合わせようとします。弱みを人に見せることは滅多になく、またやさしい感情を見せることは不得手です。

他人から指示されることが何よりも嫌いで、人をコントロールしようとします。その一方で義理人情にはとても厚く、人から頼りにされると断れないようなところもあります。

もっとわかりやすく、典型的なコントローラーを描写すると……こちらの話が少しでも長くなると、多少のいらつきが顔に表れ、あいづちが早くなり、先を急がせようとします。

こちらから質問したことには、とても短く無駄は極力省いて答えようとします。さらにくわしい説明を求めようとしても、なかなか必要最低限のことしか話しません。

その一方で質問によってではなく、自分から話し始めた時には、気がすむまで話すような饒舌さがあります。

お世辞をいったり、お愛想笑いをするようなことはあまりなく、人を寄せ付けないようなピリッとした表情をしていることが多いタイプです。

どうでしょう。周囲でコントローラー傾向が強いなと思う人がいますか。

次にプロモーターです。

プロモーターは自分のオリジナルなアイデアを大切にし、人と活気あることをするのを好むタイプです。事を仕切るのが好きで、また、得意でもあります。

自発的でエネルギッシュ、好奇心も強く、楽しさこそ人生と思っています。多くの人に好かれます。

新しい仕事を始めるのは得意ですが、中長期的な計画を立てたり計画どおりに行動するのは苦手です。人との関わりでは、感情表現は豊かで、話す時に身振り手振りが大きいのが特徴です。

典型的なプロモーターは……よく話します。話の展開が非常に早く、一つのことを話していたかと思うと、次の話題に移っていたりします。

身振り手振りが大きく、擬音語や擬態語、「ぐっとくるような」「ば~んといこう!」といった表現をよく使います。

自分の気持ちを表現するような言葉をよく使い、表情がとても豊かです。じっとしていることはあまりなく、しょっちゅういろいろな人に話しかけたり、歩き回っていたりします。

飲み会の席等では仕切り屋になって話の中心にいることが多いタイプです。

このタイプの人に覚えはありますか。

サポーターは人を援助することを好み、協力関係を大事にするタイプです。

周囲の人の気持ちに敏感で、気配りに長けています。一般的に人が好きです。自分自身の感情は抑えがちで、ノーということを避ける傾向があります。

自分の側からの提案や要求も控えめになりがちです。また、人から認めてもらいたいという欲求も強いのが特徴です。

典型的なサポーターは……いわゆる「いい人」で、こちらのいうことに対して頻繁にあいづちを打ち耳を傾けてくれます。

こちらから質問を投げかけても、突拍子もないことをいったり、防衛をかけて答えを最小限に収めようとしたりはしません。こちらの意図にあった「正しい」答えを返そうとします。

話の前に「一度聞いたことがあるかもしれませんが」といった前置きが付くことが多いのと、話した後にうなずくなどして、こちらの期待に添った解答をできたかどうか確かめるのが特徴です。

いっしょにいると、こちらが快適に過ごせるようにとても気を遣ってくれます。

アナライザーは行動の前に多くの情報を集め、分析し、計画を立てるタイプです。

物事を客観的にとらえるのが得意で、堅実な仕事ぶりを発揮します。完全主義的なところがあり、ミスを嫌います。一方で変化には弱く、行動は慎重です。

人との関わりも慎重で、感情はあまり外側には出しません。助言者やコメンテーターという「傍観者」になりがちです。

典型的なアナライザーは……話をする時は慎重に言葉を選んでいきます。

プロモーターのように考える前に口が動いているというようなことはなく、考えをまとめ、整理し、それからアウトプットします。ゆえに、質問をされると、即答せずに、多少反応時間が長くなります。

「そうですねえ」「ええっと」など、間を取る言葉が多くなります。

感情表現は「うれしい!」のように直接的ではなく「あの時はけっこううれしいって思いましたね」のように客体視した表現を多く使います。

じっくり考えていることが多いので、表情はクールで、時に醒めていると見られることもあります。

以上の四つのタイプなのですが、例えばこの人はコントローラーといった時に、その人がコントローラー的な要素しか持たないということはありません。

当然他のタイプの要素も併せ持っています。

ただ、まんべんなく四つのタイプの特質を持っているかというとそうではなく、比較的傾向の強いタイプというのが、どうも人によって一つないし二つあるようです。

次に自分がどのタイプに属しているのかを判断するための簡単なチェックテストを用意しました。部下や家族など、身近な人のことを思い浮かべて診断してみるのもよいかもしれません。

なお、このチェックテストは、コーチ・トゥエンティワンが運営するテストサイトTest.jp(http://test.jp/)に掲載されているタイプ診断のテスト項目から一部抜粋しました。

それに続いては、それぞれのタイプはどのようにアクノレッジするのがより効果的かを見ていきたいと思います。

2コントローラーに対するアクノレッジメント

次の会話例を見てください。

上司:‥最近すごく営業がんばってるって評判だぞ。

部下:‥ありがとうございます。

上司:‥君はプレゼンの才能ももともとあるしな。

部下:‥はあ。

上司:‥君の後輩も君がいれば安心だろ。

部下:‥そうでもないですよ。

上司:‥いや、君がいればほとんどのコンペはいけると思ってるよ。

部下:‥そうでもないですけど。

上司:‥まっ、これからもがんばってくれな。期待してるぞ。

上司には、部下にたくさんほめ言葉を伝えることによって、部下をアクノレッジし、そのモチベーションを高めようという意図があります。

しかし、こうした過剰のほめ言葉は、コントローラーにはなかなか通用しません。コントローラー傾向が強い人の基本は、何よりもまず、「コントロールされたくない」です。

ですから、過剰で、少しお世辞のように聞こえてしまうような表現を使うとコントローラーは、ほめて乗せて自分をどこかに誘導しようとしているのではないか、つまりコントロールしているのではないか、との読みが働いてしまいます。

それゆえに、ほめすぎはコントローラーに対してはあまり機能するアクノレッジメントではありません。

では、どうすれば効果的にコントローラーをアクノレッジすることができるでしょうか。

まずはその人自身ではなく、その人のチームのメンバーの仕事ぶりや、チームの雰囲気などについてアクノレッジすることです。

「君のチームの田中君は最近ずいぶん成長してきたな」「君のチームは目標に対する意識が他のチームよりもずっと強いな」──こうしたアクノレッジメントは、コントローラーの中に生起する「自分がコントロールされたら」、という不安をすり抜けます。

特にコントローラーがチームリーダーのようなポジションにある時は、自分のリーダーとしての力量を認められたいという想いがとても強いですから、機能しやすいアクノレッジメントとなります。

オーナー経営者、特に創業者は、私の経験からですが、半分ぐらいがコントローラーだと思います。

こうした経営者に対して「社長は本当にリーダーシップがありますねえ!」などといおうものなら、即座に「お前なんかにいわれたくない」みたいな顔をされてしまいます。

しかし、「社員の方が本当に生き生きしてますね。御社に入ってきた時、何人もの人が僕のほうを見て、本当に自然に挨拶をしてくれました。とても歓迎された感じがして、すごく良かったですね」「よく会社の中の整理が行き届いてますね」などといったアクノレッジメントであれば、いくらぶつけても相手の抵抗を引き出しません。

部下の出身校のことをほめても良いし、担当しているお客さんのことについてアクノレッジしても良いし、家族のことに言及しても良いでしょう。

その人自身ではなく、その「外側」にアクノレッジの矛先を向ける、これがまず一つの方法です。

次に、もしその人自身の成果や結果に対して承認を与えるのであれば、その人がここまで行くぞと決めているその目標を達成した瞬間に、大げさではなく本当にニュートラルに「よくやったな」などの言葉によってアクノレッジするのが効果的です。

もともと目標達成意欲の強いコントローラーに対して、道半ばで「すごいな~」などというと、「この人わかってないな。それが自分の最終目標じゃないんだから」といったような反発を招いてしまうことがよくあります。

達成した瞬間にタイムリーに、自然に──これがいちばん受け取ってもらえる承認です。そして最後にもう一つ。

単刀直入に「きついこと」を伝えるのは、コントローラーには驚くほどアクノレッジメントとして機能します。

オーナー社長さんをコーチングのクライアントとして獲得したい時には、よくこの手を使います。初対面で一〇分ぐらい話した後に、おもむろにこういいます。

「社長は本当に話を聞きませんね」「社長の前では自分のことを自由にはとても話せませんね」。いう側ももちろん清水の舞台から飛び降りる覚悟で、心臓をばくばくさせながらいい放ちます。

もちろんベースにはサポートしたい、社長の力になりたい、そうした気持ちを込めていうわけですが。そうすると多くの場合、次の瞬間に違う空気が二人の間に流れ始めるのがわかります。

社長は身を乗り出し、「おい、面白いこというな。もう少し話を聞かせてくれよ」などといい、明らかに信頼を買ったのがわかります。

ある時、こうした「きついこと」をいった後にとても良い関係になった経営者に、どうしてこうしたセリフが関係構築のきっかけになるのかと改めて聞いてみました。

彼はこう答えました。

「コントローラーは結局あんまり人のことを信頼してないんですよ。常に状況をコントロールしていたいから、言葉は悪いけど、人の裏切りとかにすごく敏感になる。

そんなコントローラーに対して、いいにくさを乗り越え、──いや、自覚してますからね、こっちはけっこう怖い顔してるわけで──それを乗り越えて正直にネガティブなことを伝えてくれる。そうすると思うわけです。ああそこまで自分のことを考えてくれてるんだなと」どうでしょう。

周りに顔の怖い、一見近寄りがたい雰囲気を持った人はいますか。そうした人にこそ、思い切って正直に「きついこと」を伝えてみたらどうでしょうか。もちろん「あなたをサポートしたい」という顔で。

3プロモーターに対するアクノレッジメント

コントローラーと違い、とにかくほめられればほめられただけ木に登ってしまうのがプロモーターです。

プロモーターはほめられても、この人は何を考えているんだろうと裏読みすることはあまりありません。

他のタイプの人が、それはお世辞だろうと、ちょっと抵抗感を持ってしまうようなほめ言葉でも、プロモーターにはほとんど問題ありません。

たいていのほめ言葉はプロモーターは受け取ることができます。プロモーターにとってのエネルギー源は、何といっても周りから自分に向けられた「関心」です。言葉は何でも良いわけです。スポットライトが当たればそれでOKなわけですから。

極端にいえば「いい背中だねえ」と背中をほめられても「そう?」と笑顔になってしまうのがプロモーターです。

企業研修で参加者に、四つのタイプそれぞれに分かれてディスカッションをしてもらうことがあります。テーマは、自分はどういう時にモチベーションが上がるのか、そして下がるのか、です。

プロモーターチームにこのテーマについて発表してもらった後、私のほうから、プロモーターはこういうと喜びますよね、といくつかポイントを伝えます。

「プロモーターを動機付けるには、毎日一つでいいから、感嘆符をつけてほめることですね。理由なんてなくていいんです。とにかく投資をするようにほめておく。月曜日、すごい!火曜日、天才!水曜日、最高!木曜日、君しかいないよ!金曜日、君だけだ!週末もメールを送って、全部君に任せるからね、自由にやっていいからね。これでプロモーターのモチベーションはまず下がらないでしょう」

別に誰かのことについて名指しで「天才!」といったわけではなく、プロモーターは一般的にこうだという話をしているにもかかわらず、プロモーターチームは全員が自分のことをいわれたかのように相好を崩します。そのくらいこうした表現に「弱い」わけです。

一方、その間アナライザーは「一体どこが良いんだ、そんなことの」とでもいいたげなクールな表情を変えません。何回もいいますが、プロモーターはとにかくほめましょう。

関心を向けて、たとえほめるところが見つからなくても、とりあえず背中をほめておくのです。ということは、逆にいうと、プロモーターは否定されることに弱いタイプです。

理想化された自己イメージをきっちり持っている人が多いので、特に自分で「これはいける!」と思っているようなアイデアを否定されたりすると、それをバネに発奮するというよりは、内向化して行動が停滞してしまうことが多いのです。

だからなるべく否定的なメッセージは投げかけないほうがいいでしょう。

相手のやり方の中にどこか一つでも受け取れる部分を見つけて、それをさらにうまく生かすには、こうしたら良いのではないかというような提案に常にしていきます。

それがプロモーターにアドバイスする時の鉄則です。企業研修の後、フォロー研修に向けての課題として、マネジャーによくいいます。

「だまされたと思って、一週間で良いので、プロモーターの部下を何でもいいですからほめてみてください」一週間後、驚いたようにマネジャーが報告してくれます。

「プロモーターってほめると本当に変わりますね」。ぜひみなさんもだまされたと思って、試してみてください。

4サポーターに対するアクノレッジメント

次の文章は、弊社の企業研修用のテキストからの抜粋です。

「サポーターに対するコーチング──やっていることを認めてあげる。:‥このタイプは自分が注いだ愛情に対して、無意識のうちに相手に代償を求める傾向にあります。

相手がそれを評価してくれないと、逆に怒りに転化し、激しく攻撃してくることがあります」サポーターは周囲からの期待に応えようと、こつこつ努力するタイプですが、その努力を認めてほしい!という強いメッセージは出しません。

が、実は相手がその努力を評価してくれているのかどうか、虎視眈々としていて、もし相手がその努力を軽く扱ったりすると、大変なことになります。

歴史上で見ても、コントローラー傾向の強い武将が、サポーター傾向の強い側近や家来をちゃんとアクノレッジしなかったために、ある日いきなり反旗を翻されて歴史が覆ったという例は、洋の東西を問わずあまたあります。

日本でその典型中の典型といえば、織田信長と明智光秀、つまり本能寺の変です。歴史小説などを通して窺い知れる仮説ではありますが、信長はスーパーコントローラーでしょう。

光秀はアナライザー傾向もあると思いますが、サポーター的な性格が強いといえるでしょう。信長は光秀を呼び出し命じます。

「さえずれ」と。物を申せという意味ですね。そして、光秀が話している側から、自分が理解してしまうと「もうよい、下がれ!」と切ってしまうのです。

信長は光秀こそが自分の後継者だとは認めているものの、そのことは口にしません。光秀が戦功を挙げたりすると、それに対して領土を分け与えて報いたいと思ってはいても、しばらく何もせずにほうっておきます。

そして四~五か月経ったところで、ある日いきなりぽんと領土を与えたりします。その間、光秀はやはり悶々とするわけです。

「自分よりもお館様は、(たぶんプロモーターの)羽柴秀吉を重視しているのではないか」と。それが積もりに積もって、最終的に「本能寺の変」となったのではないでしょうか。

もちろん勝手な私の推察ではありますが。

大手再就職支援企業の部長さんからお伺いしたのですが、ある日いきなり辞表を提出するのは、圧倒的にサポーターが多いそうです。

ためてためて、これ以上ためきれなくなって、ある日ぷつっと切れてしまうのです。

コントローラーにはそういうことはあまりないそうです。不平や不満があれば、日頃わりとあけすけに口にしているからです。

信長のみならず、サポーターの側近からある日突然辞めたいという話を切り出され、何が悪かったんだと途方に暮れてしまう経営者をこれまで何人も見てきました。

とにかくサポーターには「ためさせない」ことです。サポーターに仕事を振ったら、どんな小さなことでもアクノレッジします。

「助かるよ」「ありがとう」と。人の期待に応えたい、協力したいと思っているサポーターには、なるべく相手の影響を言葉にしてあげましょう。

「~してくれて、感謝してるよ。ありがとう。うれしいよ。本当に役に立っているよ」といったメッセージをとにかく頻繁に伝えておくのです。

サポーターは、自分に向けられるアクノレッジメントが少なくなると、他のタイプ以上に内側のざわつきは大きくなりますから。

部下に「本能寺の変」を企んでいる人はいませんか。

5アナライザーに対するアクノレッジメント

みなさんの周りに、ああ、確かにこの人アナライザーだなと思う人はいませんか。いたとしたら、その人にこれまで試してうまくいったアクノレッジメントとはどういうものだったでしょう。

いろいろ試してはみたけれどうまくいかないんだという人も多いかもしれません。アナライザーをアクノレッジするのは、他のタイプ以上に観察が必要です。

アナライザーは、プロモーターをアクノレッジするように、「ばくっ」とほめてもほとんど効果はありません。

「何のためにそういうことをいうんですか?」という顔をされるのが関の山です。

もしほめるという形でアナライザーをアクノレッジするのであれば、具体的にどの部分が良かったのかを明示しないと、相手はほめられたとはあまり思いません。

プロモーターにとって必要なのは「スポットライト」ですが、アナライザーにとって必要なのは自分の「専門性に対する認知」です。

だからちょっと難しいと感じるのかもしれません。例えば営業で、部下といっしょにプレゼンテーションに行ったとします。

その時の部下のプレゼンテーションがとても良かったとしたら、もし部下がプロモーターであれば、「今日はすごかったなあ!この天才!」とほめれば部下はぐっとモチベーションが高まります。

部下がアナライザーの場合、こうしたほめ方をすると、「自分のプレゼンテーションについてこの人は本当に理解しているんだろうか?」と逆に疑いを持たれたりします。

だからどこが良かったのか、なぜ良かったのかをなるべく具体的に伝えたいものです。

「今日のプレゼンテーション良かったね。特に他社での事例について紹介した件が視覚に訴えかけていて、聞いていてとてもわかりやすかったよ。パワーポイントの使い方もスピード感があってよかったしね」。

ここまで伝えるとアナライザーは「ああ、わかってもらえてるな」と認められた実感が湧きます。アナライザーに対するアクノレッジメントでもう一つポイントとなるのが、相手のスピード感を尊重することです。

自分のペースを大事にしてくれたということが、アナライザーにとってはとても大きなアクノレッジメントになります。

例えば、ある百貨店で課長を対象にコーチングの研修を行った時のことです。フォロー研修の中である課長さんがこんなことをいっていました。

「部下でアナライザータイプの人間がいて、今までは面談をしてもあんまり話してくれなかったんですよね。こっちが質問しても、ん~、って考えることが多いから、待ちきれなくなって、ついこっちがこういうことだろって結論を出してしまう。

でも今回は面談にあたって、研修で教えていただいた、『アナライザーには考える間を与えるほうが良い』というのを実践してみたんですよ。

具体的にいうと、あらかじめ面談の前に、こういうことについて聞きたいというポイントを、メールに書いて送っておいたんです。

そうしたら、当日A4の紙にいっぱい、彼なりの考えを書いて持ってきてくれて、口頭でも今までにないくらいたくさん話してくれたんですよね」

アナライザーは、どうせ話すなら自分の考えをなるべく正確に、整理して話したいと思う傾向があります。だから多少アウトプットに時間がかかります。

この「時間」を尊重してもらえると、アナライザーは「大事にされてるな」と思うわけです。相手のペースに配慮を与え、時に専門性に対してきちんと認知を与える。一見クールなアナライザーの気持ちをつかむために欠かせないアクノレッジメントです。

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