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第4章つけこまれない、マウントされない、言いたいことが言える、ポーカートークのつくり方

超簡単なのに超効果的動じていない人に見える会話術

第3章では、緊張を悟られない動じない声「ポーカーボイス」の身につけ方を紹介しました。本章では、ポーカーボイスといっしょに使うと効果的な「ポーカートーク」をご紹介します。ポーカートークとは、緊張感の高い場面でも動じていないように見せる会話のテクニックです。本書の読者は、控えめすぎたり遠慮しすぎたりしてしまう、相手との距離感がつかめない、近づくのが怖いなどの理由で、コミュニケーションにブレーキをかけすぎてしまっている人が多いのではないでしょうか。すると、せっかくポーカーボイスを身につけても、どのような言葉を使って、どんな順番で話せばいいかわからないと、せっかくの良い声が十分に生きません。逆に考えれば、言葉の使い方や話す順番、つまり「型」を知って使うようにしさえすれば、どう伝えればいいかと悩む負荷が減り、話すストレスを大きく軽減できるようになります。ここでは、HSPや、内向的な性格の傾向がある方々から私が非常によく相談を受ける三つのテーマ「扱いづらい人への対処法」「落ち着いて説明できる方法」「ピンチのときに役立つ会話術」に厳選して、そこでどのような言葉をどのように使えば、動じずに言いたいことが言えるかをお伝えします。頻度が高くストレスの度合いも強い、この三つのテーマに対応する型を身につけておくと、日常のコミュニケーションへの苦手意識がかなり軽減されるはずです。そうすると、気持ちに余裕ができてラクになることで自信も生まれ、ほかのコミュニケーションにも良い影響を与えます。また、この二つのテーマは、ここで例示している相手やシチュエーション以外にも応用して使えます。ご近所、PTA、家族、親戚、習い事の仲間などなど相手は誰でも同じです。さまざまな場面への汎用性があるので、自分に当てはまる状況を想像してみてください。扱いづらい人への対処法❶ハラスメント・嫌味・悪意のある問いかけ相手から嫌味を言われたり、からかわれたり、悪意のある問いかけをされた際に、どんなふうに言葉を返せばよいか、迷ったあげく黙ってしまったり、ムキになって言い返してしまったせいで、逆にボコボコにやられてしまったり……ということは、それほどめずらしい話ではありません。その都度、相手の「攻撃」にまともに反応してしまって落ち込んだり、何も言えずに押し黙ってストレスをため込んだりしてしまいがちです。このような人間関係は悪循環に陥りがちなのですが、解決は十分に期待できます。では、「攻撃」を仕掛けてくる人には、どう対応すればよいか見ていきましょう。相手にとって一番いやなのは、自分が仕掛けた攻撃が効かないこと。攻撃が効かない相手だと思わせることで、やりづらい人、相手にしても仕方がない人だとわからせると、攻撃を仕掛けてこなくなります。次の三つのステップを踏んでみてください。迎撃STEP①「オウム返し作戦」嫌味だと感じた言葉をそのままオウム返しする作戦です。私の生徒である40代のDさん(女性)から次のような相談を受けました。上司が飲み会の席で、「仕事ばかりしていると、ダンナとうまくいかなくなるぞ」と何度もしつこく言ってきた、と。Dさんは、結婚後も残業もいとわず忙しい毎日を過ごしてきました。自分がきちんと仕事をしないと、お客様に迷惑をかけてしまうという責任感の強さから、使命感をもって仕事をし、夫もDさんのその姿勢を認めていました。にもかかわらず、「仕事ばかりをしていたら、子どもができなくなるぞ」とも言われていたとのこと。今なら、セクハラとして確実に問題になる話ですが、Dさんが言われた当時は、なかなか強く言い返せない時代でした。過去のことなので、いまさらどうにもならないとDさんは思っています。それでも、当時、嫌な気持ちになったにもかかわらず、何も言い返せずに黙り込んでしまった自分がとても弱々しく自信がないように思えて、それ以来、自分のことが本当に嫌いになってしまったのだそうです。過去のこの出来事がずっと心に引っかかっていて、言い返せない弱い自分というセルフイメージが強く形成されてしまいました。では、上司に言われたとき、どのように対応したらよかったのでしょうか。ここでおすすめするのが「オウム返し作戦」です。「仕事ばかりしていると、ダンナとうまくいかなくなるんですかー」と言われた言葉を何も考えず、ただそのまま返すだけです。責めたりとがめだてしたりするような口調ではなく、最後の「か~~」を伸ばしながら意識して柔らかく発音し、イメージとしては「そうなんだ~~」といった雰囲気で返してみてください。そのとき、頭の中に、「なんでそんなことを言われないといけないの!」とか、「あなたにそんなこと言われる筋合いなんかない!」など、怒りや悲しみの感情が湧きでてくるかもしれません。その感情を脇に置いて、次にこんな作戦を実行しましょう。

第5章で、動じないメンタル、「ポーカーメンタル」のつくり方はご説明いたします。迎撃STEP②「どうして、そう思うんですか~~作戦」迎撃STEP①のあと、「どうしてそう思うんですか~~」と質問してみましょう。そうすると、相手はそんなことを尋ねられるとは予想していないので、面食らいながらも、何かしら即席の理由らしきことを言ってくるでしょう。例えば、「家をほったらかして、ダンナの面倒をみないと、家によりつかなくなるぞ」といった感じです。まずは、相手の言ったことに対して機械的にオウム返しをしながら、さらに質問を重ねます。「家をほったらかしてダンナの面倒をみないと、ダンナが家によりつかなくなるって、どうしてそう思うんですか~~」と返してみましょう。ここでも語尾を伸ばすように軽さを演出しながら言うのがポイントです。親がわが子の成長を実感するとともに、子どもの好奇心に手を焼くようになるのが「なぜなぜ期」です。心理学用語では「質問期」とも呼ばれます。なんでもかんでも「なんで?」「なんで?」「なんで?」と質問されると、お父さん・お母さんも、最初は丁寧に質問に答えますが、だんだんとしんどくなってきます。この場合と同じように、「どうしてそう思うんですか~~?」「なんでそう思うんですか~~?」と繰り返されると、明確な根拠があるわけではないので、相手は答えに窮してくるはずです。迎撃STEP③「相談&ありがとう作戦」何度か質問を繰り返すと、相手の攻撃力はみるみる落ちてきます。同時に、あなたは心に受けるダメージが軽くなっていくのを実感できるはずです。そのうえで、「そうなんですね~~、そんなとき、どうしたらいいですかね~~」と聞いてみましょう。すると相手は、何かとアドバイスをしてくるでしょう。そうしたら、また「そうなんですね~~。どうしてそう思うんですか~~?」と繰り返しましょう。すると、相手はだんだんと話すこと自体が面倒になってくるはずです。そんな様子が見えてきたら、最後にこう締めくくってみてください。「そーなんですね~~。ありがとうございます」「そーなんですね~~。勉強になります」ここでのポイントは、「私のところは、そんなことありません」「なんでそんなこと言われないといけないんですか」「ほっといてください」などと言わないということ。ポイントオウム返しどうしてそう思うんですか?相談&ありがとう攻撃

真っ向から反論しても、それを押しつぶそうとして、さらなる追加攻撃を加えてくるだけだからです。悪意のある言葉を放つ人には、自分がそれほどひどいことを言っているという自覚がないことが少なくありません。軽い冗談、軽い嫌味や皮肉といった気持ちで発言しているか、もしくは何も考えずに無神経に言葉を発しているかのどちらかです。そんな発言に対してまともに言い返しても、自分の心がますます乱れるだけで、何のメリットもありません。柔らかい言葉を使いながら毒を自然に中和させていく返し方を覚えたほうが賢明です。要は、同じ土俵に立たないということです。❷何かを頼まなければならない場面苦手な部下や後輩など、自分よりも立場が下の人に何かを頼まなければならない場面で、反発や口答えを受けてイラッとしたり心が乱れたりすることはありませんか?例えば……。仕事を頼んだら、「無理です」「今、できません」「どうして私に頼むんですか?ほかの人に言ってください」などの言葉が返ってくる。実際に管理職の生徒さんからは、そんなときにイラッとしたり、言葉に詰まってうまく話せなくなり、どう返していいかわからなくなるとよく相談されます。さらに自分に威厳がないから、自信がなさそうに見えるから、反発されているのではと、自信喪失に陥ってしまうとのことです。解決策を考える前に、そもそも、そういった場面で心が乱れてしまう原因について、考えてみたことがあるでしょうか?過去に自分に「これはやらない!」と禁止したり、我慢してきた行為を、他人が平気でやっているのを見ると、イライラした感情が飛び出してきます。会社に入ったときから、自分は上司の言うことには絶対服従して、一生懸命頑張ってきた。それなのに、なぜ彼(彼女)は平気で私に「できない」と言ってくるのか。「私は我慢してやってきたのに、なぜ我慢できないのか?」という怒りです。こうした心の仕組みを理解しておくと、なぜ心が揺れるのかを、ある程度客観的に理解することができます。理由がわかれば、少し冷静になれるのではないでしょうか。そのうえで、どのような言葉で対処したらいいかお伝えします。迎撃STEP①「オウム返し作戦」ここでもオウム返し作戦を使いましょう。余裕のあるゆっくりとした口調で、「そっかー。できないか~~」「そっかー、ほかの人に仕事を振ったほうがいいか~~」とオウム返しで伝えてみましょう。ここでも言葉の最後を少し伸ばし気味にして、柔らかい雰囲気を出すことがポイントです。どのような場面であれ、決してイラッとした表情を見せないことです。怒りが先に立つと、どうしても言葉に詰まってしまったり、震えた声になってしまい「どうしてできないんだ!」などと、語気が強くなってしまったりします。それから、ここでは、相手の言い方をとがめることはしないようにしましょう。感情的になっていることを相手に悟られるだけでなく、「キレている」と思われてしまいます。「今忙しいのに仕事を振ってきて、断ったらキレられた」と周りに言いふらされて二次被害となる可能性もあるので、この場はサラッと流しましょう。迎撃STEP②「気持ち→理由→気持ち→リクエスト作戦」「そっかー。できないか~~。困ったな~~。ここはお願いしたいんだけど。私は○○○○で手いっぱいで、他にもヘルプを頼んでいるんだ。助けてくれたらほんとにうれしいんだけど。なんとかお願いできないかな~~」と、伝えてみましょう。ポイントここでのポイントは、「気持ち→理由→気持ち→リクエスト」の順番で話すことです。①気持ちを伝える「困ったなー」②理由付けを入れる「私は手いっぱいで大変」「他の人にもお願いしている」

③気持ちを伝える「助けてくれたらうれしいんだけど」④明確なリクエスト「なんとかお願いできないかな」この伝え方は、一見、へりくだった弱腰な言い方に感じる方もいるかもしれませんが、心理学のテクニックを使った交渉術です。ここまで試してみて、それでも相手が聞いてくれなければ、本当に相手にも事情がある可能性が高いでしょう。そのときは、理由をきちんと聞きます。それが、あなたが納得できるものであれば、その仕事をほかの人に頼むか、あるいは「どの程度なら引き受けてくれるか」と相談してみるのもいいでしょう。できる仕事の量や、内容を相手に選択させるようにもっていきましょう。このポーカートークを使うことで、ドギマギやイライラなどの自分の感情のコントロールをしながら、効果的に人を動かせるようになります。気持ちよく仕事をしてくれるのが理想ではありますが、そうでなくても、最終的に少しでも相手に仕事をさせるように仕向けることができれば成功です。自分を傷つけずに(さらに、相手も傷つけません)言いたいことが言えるようになり、フレキシブルに対応できる対話力が身についていきます。次第に、ビクビクしたりカッとしたりすることなく、臨機応変に対応できるようになります。落ち着いて説明できる方法❶「説明」シーンの基本ポイント次に苦手な人が多い、人に何かを説明するというシチュエーションを取り上げます。プレゼンとまではいかなくても、日常で相手に何かを説明する機会は意外とありますよね。あらゆる「説明」のシーンで土台となる大切なポイントは二つ。①相手に自分に対して注意を向けてもらうこと。②相手にとってわかりやすい説明をすること。この二つが大切なポイントになってきます。ここで説明が苦手な人が、ついやってしまいがちなミスがあります。自分が話したいことばかりにフォーカスしてしまい、相手が聞きたいと思っていることや理解の度合いに意識が向いていない、ということです。緊張しやすい人、HSPや内向的な傾向の人にとって、説明はいやなものです。相手にじっと見られながら、わかりやすく話さないといけない。聞き返されない声で話さないといけないなど、どうしても自分に強い注意が向いてしまうからです。しかし、相手が聞く姿勢になるポイントや、相手が理解して話を聞いてくれるポイントがつかめるようになると、頭の中も整理されて、すっきりとわかりやすい説明ができるようになります。STEP①結論や要点を先に話す相手に何かをリクエストするとき、指示・指導するときなど、相手に動いてもらいたい場合に、気が弱い人は回りくどい言い方になる傾向があります。これを避けるための話す順番は、①何をしてほしいかを伝える②その理由や具体的な内容を説明するがベストです。この流れで伝えましょう。相手に何かしら迷惑をかける場合は、代案も入れて伝えましょう。【NG例】おはようございます。昨晩、上の子が熱を出してしまって、下の子にもそれがうつったようで、夫は出張中で面倒見てくれる人がいなくて、でも今日中の仕事がまだ残っているのですが、すみません。今日は欠席させていただいてよろしいでしょうか。【OK例】①課長、本日、有給休暇を取りたいのですが。(結論)②というのも子どもが二人とも熱を出して、面倒を見てもらえる人が誰もいないのです。(理由)③今日中の仕事は、家でします。夕方報告します。(代案)「結論を最初に言いましょう」とは、よく言われることですが、こういうお願いの場面でうまく説明するポイントは、①の結論から、②の理由につなげるときに、間をあけないで話すということです。相手に何かを頼むときに、自分のお願いしたいことを言ったあと、「間」があると、無用なドキドキを感じながら話さなければならなくなってしまいます。この例で言うと、

【NG例】課長、本日、有給休暇を取りたいのですが。(結論)(間)というのも、子どもが二人とも熱を出して、面倒を見てもらえる人が誰もいないのです。という話し方はしないということです。変な「間」ができてしまうと、何か言い訳っぽい雰囲気を醸し出してしまうのです。それよりも、【OK例】課長、本日、有給休暇を取りたいのですが。というのもとここまで一息で話して、その後に、……(間)……子どもが二人とも熱を出して、面倒を見てもらえる人が誰もいないのです。と要望をつなげることで、緊張しやすくビクビクしがちな人が苦手な、相手に対して押しが利く話し方が自然とできるようになります。次に、相手に何かを要望するときの説明です。要望を伝えたり、相手に注意を促すときに、ビクビクしながら話すと、「……ですが、……ですが」と歯切れの悪い話し方になります。シンプルに、そして後味が悪くならないように、スパッと短く言葉を切って伝えてみましょう。【NG例】昨日までに頼んでおいた資料がまだいただけていないのですが……。遅れるときはできれば早めに言っていただければと思うのですが……。こちらとしても言っていただけますと対応も考えるのですが……。【OK例】提出が遅れるときは前日午前中までにメールをいただけますか?どうしたらいいか指示させていただきます。よろしくお願いします。STEP②数値化して話す次の例も相手に用件をお願いする場面です。ここで大切なのは、きちんと数字を使ってお願いしていることです。NG例のように、数字を曖昧に使って話をすると、相手の印象に残りません。「できるだけ早く」→「13時半までに」「きちんと」→「2度読み返して」など、数字を使って表現してみましょう。「できるだけ早く」「きちんと」などの表現を使うと、人によってそれぞれ時間や程度の感覚は異なるため、指示した内容を曲解されてしまう恐れがあるからです。【NG例】①さっき総務部から連絡があって、社内アンケートを実施するみたいで、それの回収が今日の14時くらいに取りに来るみたいで、今日中に中身をまとめて明日の朝礼の配布資料に出したいとのことです。②内容は正確に回答してほしいとのことなので、きちんと回答してくださいとのことです。③アンケートを私まで、できるだけ早く提出してもらえますか?【OK例】①総務部からの社内アンケートを13時半までに私まで提出してください。②総務部が明日10月1日の朝礼で使うとのことです。③記入した内容は間違いがないか2度読み返してください。④14時に取りに来るそうなので、確認のため30分前にいただけるとありがたいです。STEP③説明にメリハリをつけ、自分ごととして聞かせる伝えたい内容をただ抑揚なく話すだけでは価値は伝わりません。聞き流されてしまうと、せっかくの重要な価値を持った情報をスルーされてしまいかねません。声でメリハリをつけるには、①重要な箇所で音量を上げる

②声のトーンを高くする、低くする③間をあけるなどのテクニックを使いますが、ここでは、聞き手の注意を引くトークテクニックをお伝えします。これからご紹介する一文を入れるだけで、「価値のある情報を自分たちに投げかけてくれているのだ」と聞き手も集中して聞いてくれるようになります。【NG例】今年発売する新しい商品について説明します。【OK例】それではこれから、まだ一般ユーザーには発表していない新しい商品について、今日お越しいただいた皆さまにだけご紹介させていただきます。「まだ一般ユーザーには発表していない」「皆様にだけ」という言葉を使うことで、聞き手は「先行者利益を享受できるかもしれない!」という期待感を持ってくれます。【NG例】今回、自治会で改正される規約は三つあります。一つ目が……。二つ目が……。三つ目が……。【OK例】今回自治会で改正される規約は三つあります。すべて今後の住民の皆さまにとって関わりの深い、自治会費と、幹事の選出についての規約になります。お疲れかと思いますが、集中してお聞きください。ここでは、「あなたに関係があることです」と伝わる、当事者意識を持ってもらう言葉をチョイスしています。人は自分が得をする、もしくは損をするかもしれないことに関しては、非常に敏感に話を聞こうとします。ここでは、もしかしたらお金で損をする話が出てくるかもしれない、幹事を任されて手間がかかることになるかもしれない、など、きちんと聞かないと、自分が損をする可能性を考えるので、聞き逃さないように集中しようという気になります。【NG例】本日はセミナーにご参加いただき、ありがとうございます。本日お話しする内容は……。【OK例】まずお伝えしたいことがあります。本日のセミナーにお越しになられた方はラッキーです。というのも、今日のセミナーは、いつもお話ししている内容に加えて、最新の事例を10個も聞ける特別な回となっています。最後までご参加いただき、アンケートに答えていただいた方には、さらに10個の最新事例集をプレゼントします。こちらは先ほどの例とは逆に、お得になることを事前に伝えて、聞き手の集中力や、参加者意識を高める話し方をしています。❷説明の型をマスターするみなさんは、普段から相手に伝わりやすい「言葉の組み立て方」を意識して話していますか?同じ内容でも、話の順番、つまり組み立て方しだいで、うまく相手に伝えたいことが、きちんと伝わったり、逆に伝わらなかったりしてしまうものです。私が前職の保険会社の本部で働いていたとき、お客さまである代理店とのやりとりで、「伝え方」にとても苦労し、試行錯誤を繰り返しながら研究しました。私は主に代理店の指導をする仕事をしていたのですが、保険の新商品の説明や、販売にあたっての注意点を伝えるときに、伝え方がヘタだったせいで上司に何度も注意されました。また、交通事故の示談交渉サービスの担当になり、加害者の代理人として被害者対応に当たったときにも説明がわかりにくいと何度も指摘されました。ときには「担当を変えてほしい」「上司を出せ」などと言われたこともあります。思いがけない質問をされたり支払額に不満を言われたりして、自分の伝え方のまずさを痛感することも日常茶飯事でした。人事や総務、システムの仕事などが長く、本部の建物の中で、いわゆる身内と言える人と話すのは慣れていたのですが、身内以外の人と接すると、どういう空気感で話したらいいかわからない。でも、素人感を醸し出して、慣れていない担当者という雰囲気は出したくない。信頼される人に見られたい。いろいろな考えが頭をめぐり、パニックになっていたのです。その後、時間がかかりましたが、試行錯誤と研究を繰り返しているうちに、あるときコツをつかみ、そこからは一気に緊張感を悟られずに話せるようになりま

した。そのコツが、次に紹介する「相手が理解しやすい話し方が自動的にできる」話の組み立て方です。相手に確実に伝わる二つの最強の方法みなさんに紹介したい方法とは、「PREP法」と「TNKフリートーク法」です。「PREP法」は話の組み立てをする際、わかりやすく表現するためのものとして、聞いたことがある方もいるかもしれません。これを私がアレンジした「CPREP法」もあわせてご説明します。METHOD①PREP法PREPとは、①Point(伝えたいことの結論)②Reason(そう考える理由や、それを支える根拠)③Example(①、②の主張や理由を補強する事例や具体例)④Point(①~③を論じた上でもう一度念押しで結論を伝える)という構成で話す手法です。頭文字を取ってPREP法と呼ばれています。「私の趣味は?」というテーマに沿って、PREP法で話してみると、次のようになります。①Point(結論)私の趣味はテニスです。②Reason(理由)というのも、言葉を発しなくてもラリーをするだけで相手の人とコミュニケーションが取れて、つながり合えている感覚になれるからです。③Example(事例、具体例)先日も2日間友人たちとテニス合宿をしました。朝から晩まで練習と試合をして、勝ったり負けたりもありましたが、夜は夜でバーベキューをしたりと、1日中遊べました。今後につながる仕事仲間も増えて、新しいプロジェクトも始まりそうです。④Point(結論)私にとってテニスは、遊びでもあり、楽しく仕事ができる仕事仲間と出会える最高の趣味でもあります。このような組み立て法を知っているだけで、聞き手にとってもわかりやすい話し方になるだけでなく、話す前に話の骨組みをつくって、そこに言葉を当てはめていくことに専念できるので、自分自身も焦らずに話せるようになると思いませんか?METHODCPREP法上記の例では趣味の話なので、あまり感じられないかもしれませんが、このPREP法は便利で使いやすい反面、仕事の場などで使うと、「私はAと思います。理由は○○○○です。具体例を述べると△△△△。だから私はAと主張します」と、過剰にビジネスライクで自分の主張を押し付けている雰囲気を出してしまうのが欠点です。日常の会話でも、この通りに話すと他人行儀と思われかねません。そこで私がおすすめしているのは、CPREP法です。自分が言いたいことを伝えつつも、相手の気持ちや、相手の視点を大切にした話し方です。ポイントは話し出す一言目に、聞き手の気持ちに寄り添うクッション(Cushion)となる言葉を付け加えることです。例えば、交渉の場で、お互いの意見を出し尽くしたもののなかなかゴールが見えないときや、お互い牽制し合って本音が言えないときなどに、まず一言目に「これが絶対の正解とは限らないんだけど」と前置きしてから、自分の意見を言ってみるという方法です。話がまとまらないときは、どこかお互い相手の主張を飲み込みたくなくて、膠着状態になっていることがよくあります。そんなときに、こういう一言目で話が始まると、聞き手としても相手に正解を押し付けられている感覚が薄れ、冷静に一つの意見として話を聞いてみようかなという姿勢になります。この一言のクッションを入れることで、「あなたにとっては受け入れられない意見かもしれないけど」「膠着状態になっていて、真の正解が見つからないかもしれないけど」という、相手の気持ちや視点を汲んだコミュニケーションになります。自分の考えや意見が言えなくなってしまう人は、最初から間違いのない完璧な意見を言わないと、笑われたりバカにされたり、怒られたりするのではないかという恐怖感が先に立ち、結局何も言わなくなってしまう傾向にあります。CPREP法はPREP法に一言添えてみるという、たったそれだけのことですが、効果は大きいのです。〈相手の考えを引き出したいときのクッションの例〉必ずしもこれが絶対の正解とは限りませんが……いろんな意見や視点があるとは思いますが……

もしかして違う意見もあるかもしれませんが……〈効果〉相手の考えや本音を引き出したり、情報を聞き出すことができるあくまでたたき台(ドラフト)の意見として話しているので、これが否定されたとしても傷つかないMETHOD②TNKフリートーク法次は「TNKフリートーク法」です。どのような順番で話をするかというと、①最初に話にタイトル(タイトルのT)をつける②次に伝えたいことがいくつ(数を示すナンバーのN)あるか伝える③キーワード(K)を伝える④①~③の中身を説明してあげるフリートークという方法です。最初に、伝えたい内容にタイトルをつけることで、ゴールまでの道のりが最短距離で示されるので、話を聞く人は理解しやすくなります。同じく「私の趣味は?」というテーマで話してみますと、次のような感じになります。①タイトルを宣言私には趣味があります。②数を宣言三つあります。③キーワードを宣言一つ目はテニス。二つ目は旅行。三つ目は映画鑑賞です。④①~③までを伝えた理由や具体例を教えてあげるように伝えるテニスは勝った負けたの楽しさと、終わった後のビールが最高です。旅行は温泉と神社巡りが好きで、毎月1回は行きます。最近は熱海に行きました。映画はミュージカルが好きで、『グレイテスト・ショーマン』は最高でした。複数のことを伝えたいときに、TNKフリートーク法でタイトルと数字を先に宣言し、その後にキーワード、フリートークで詳細を伝えるとわかりやすくなります。METHOD③CPREP+TNK組み合わせこの二つの方法を、ビジネスに沿った内容を取り入れて説明していきます。私が以前、パソコンを買いに行った際、店員さんが新人で慣れていないせいか、専門用語が詳しくない私に対して商品説明をする際、汗をかきかき、こんな話し方をされていました。「このパソコンは、HDDも1TBあります。1TBあれば動画もたくさん保存できます。CPUがcorei9の最新型です。処理はめちゃくちゃ速いです。保証やサポートは3年あります。通常1年ですが、今日お買い上げいただいたら3年つきます。そうそう、メモリは12GBあります。ワード、エクセル、パワーポイントなどが、もともと入っています。もうすぐお正月ですね。年賀状ソフトもついてますよ。あっ!さっきのメモリですが、今これくらいあるなら、申し分がありません」と、覚えたての知識を一気にまくし立てるように並べたてて話してきました。一生懸命さは伝わってきました。しかしパソコン知識に乏しい私にとっては、申し訳ないですが呪文に聞こえてしまいました。これを、「TNKフリートーク法」で話してみましょう。まず、「TNKフリートーク法」で全体像を示し、その後、パートごとに、PREP法の「理由」と「具体例」を付け加えます。①タイトルこのパソコンのおすすめポイントについてお伝えします。

②数おすすめポイントは三つあります。③キーワード性能、アフターフォロー、ソフトです。④フリートークというのも、最新のCPU、メモリを使っているので段違いに処理速度は速いです。今このパソコンより高速で処理できるものは他にありません。使っていてわからないところなどは、メールでもお電話でもいつでもサポートしています。ソフトもワード、エクセル、パワーポイントほか10種類が標準装備されています。どうでしょうか。すっきりとわかりやすくなりますし、もし自分がこの店員だとして、お客さまに説明をする立場になったら、こちらのほうが話す言葉の量が減り、話す負荷が下がると感じるのではないでしょうか。「TNKフリートーク法」と「CPREP法」を組み合わせると次のようになります。①クッションこれは一つの案として聞いていただきたいのですが、→押し付け感を緩和しています。②結論今現在、このパソコンが一番と言えます。→結論はシンプルに伝えます。③タイトル→数→キーワード→理由と具体例を伝えるフリートークタイトルおすすめポイントは数を宣言三つあります。キーワード機能面、アフターフォロー、ソフトです。フリートーク機能面では処理速度が今出ている中では一番速いです。お客様のご趣味である動画の編集がサクサクできます。遅いとイライラしてしまいます。アフターフォローが3年と長く、操作で不明なところはいつでも聞けます。ソフトも充実していて、ワード、エクセル、パワーポイントほか10種類入っています。④結論以上、いろいろとご検討いただければと思いますが、今一番おすすめなのはこちらです。ご購入されますか。→最後にもう一度伝えたいことで締めるピンチのときに役立つ会話術❶すぐに言葉にできないときの応急処置法相手からの問いかけに対して、伝えたい気持ちが溢れて来て、とっさに何を言ったらいいかわからなくなることはありませんか?そんな状態になったときに言うべきことをひねり出して、正解を出そうと脳内検索をすると、見つからなくて余計に焦ってしまい、どうしようどうしようと頭が混乱してしまいます。そんなときは素直に、頭の中が整理できていないということをまずは認めるのが大切です。何を伝えたらいいか、どうやって伝えたらいいかは、一旦、棚上げしてください。その上で、今この瞬間に自分が感じていることを素直に言葉にしてみることです。例えば、上手に伝えられる自信がないのであれば、「うまく伝えられる自信がないのですが、聞いていただいてもいいですか?先日……」何かしら物事を頼みたいけれど、適当な言葉が見つからないときは、「本当に頼みづらいので、ずっと悩んでいたのですが、聞くだけ聞いていただいてもいいですか?実は……」

雑談が続かなくて気まずい雰囲気になったときは、「雑談って、沈黙が続くと、なんとなく気まずいなーと考えちゃって、一生懸命話題を探しても出てこないですよね……」何かしらのトラブルがあって、それを報告しないといけないとき、とっさに言葉が出てこなければ、「頭が混乱していて、何から伝えていいかわからないのですが」相手の言動や、態度に対して、改善を求めたいときは、「ひょっとしたら、お気を悪くされるかもしれませんが、一つだけお伝えしてもいいですか?」このように、心の中に浮かんでくる、自分が抱いている感情を言葉に置き換えて、それを口に出してみましょう。完璧主義の人ほど、論理的に正しい順序で、頭から最後まで首尾一貫した話をしないといけないと思い込んでいます。確かにそういった場面もあるでしょう。しかし、特に日常の何気ない会話の中で、言いよどんでしまったり、言葉にするのがなんとなく難しいなというときは、まずは心の状態を言葉にして、ボールを投げてみましょう。話が思ったよりもスムーズに流れ出して、いつものあなたらしく話すことができるはずです。❷ミスを繰り返し、上司に叱られたとき仕事でミスをした際のポイントは、言葉と動きで、謝罪と反省と改善の意思があることを表現することです。ミスをしたときには、心が下向きになっているもの。そのときに、落ち込んだ気持ちのまま、「すみません。ミスしてしまいました。どうしたらいいですか?」と報告するのはやめましょう。実際に反省をしていたとしても、相手からは「問題から逃げている人」と受け止められてしまいます。ポイント伝える順番は次のようになります。①謝罪最初に直接的な謝罪の言葉を伝える。【例】申し訳ありません。②客観的な事実を提示どのような状況かを伝える。どのような影響があるかを伝える。考えられる原因を伝える。【例】配送のミスをしてしまいました。先方に予定通りに荷物が届かないようです。到着日の記載誤りがあったと考えられます。③改善策を伝える今後同じミスが起きないように改善策を伝える。【例】以後同じミスが起きないように、記載した日付を3回見直し、指差し確認してから発送するようにします。この順序を意識して話してみましょう。ミスを報告するのは気が重いものです。だれでも気が滅入ってしまいます。しかし、このようなときこそ、評価を上げるチャンスです。ここでポーカートークをスムーズにしてくれるお守りアイテムを用意しましょう。クリップボード・シールド作戦私のおすすめは、クリップボードと紙とペンです。クリップボードの大きさはB5かA4サイズがいいでしょう。そこに白紙の紙を挟んで、ペンを持ち、報告に行きます。うまく状況が説明できないときは、紙に状況と改善点をメモ書きしておきます。そして、上司からのフィードバックやアドバイスもすべてメモを取る。手ぶらで報告に行き、ただ上司からの言葉に対してうなずいて聞いているだけよりも、積極的に自分のミスに関わり、「二度とミスをしないぞ!」という気概を上司は受け取ってくれます。最後に、フィードバックされたことをメモにまとめて、その内容が間違いないかを上司に確認しましょう。

クリップボードをおすすめする理由はもう一つあります。相手とあなたの間にあるクリップボードは、怖い上司からあなたを守る盾になるのです。相手からの厳しい言葉に対しても、クリップボードを手に持って話を聞き、それをメモするという動作をとることで、厳しい言葉も少しだけ和らいだ形でこちらに到達するのです。私自身も会社員時代に、厳しい上司に報告や連絡や相談をする際には、いつも活用していました。一度上司から「ミスはよくないが、司くんはミスしたときも逃げずに、一生懸命にメモを取って二度と同じミスをしないようにしようという空気を醸し出している」と言われたことがあります。誰でも完璧ではありません。誰にでもミスをすることはあります。そのときにどんな言動をとるかで上司からの印象も人間関係も変わりますし、あなたの評価も違ってくるでしょう。クリップボードはミスの報告に限らず、普段の連絡や報告などにもぜひ活用してみてください。❸つけ込まれない姿勢と目線実践の場面で、より効果を発揮させるために、ちょっと気を付けておきたいのが姿勢です。身体と意識はつながっているということは、医学的にも認められています。仕事で上司から叱られて落ち込んでいるときや明日朝礼で話をしないといけないと考えているときと、良いことやうれしいことがあったときの視線や表情、身体の中の感覚などには、明らかな違いが生じます。試しに、無表情でうつむき加減にして、肩を落としてうなだれながら、楽しいことを思い浮かべてみてください。難しいはずです。つまり、まずは自分を安心させられる姿勢をつくらないと、メンタルだけ安定させるのは難しいのです。動じやすい人の姿勢には特徴があります。それは肋骨が下がって重心がかかと側に乗り、両肩が内側に巻き込まれたような姿勢です。いわゆる猫背の状態です。姿勢が猫背傾向の人は、もともと優しい心の持ち主。ただ、他人からは、頼りない、信用できない、自信なげな人に感じられてしまいます。相手に気遣いができる優しい心根を持っていたとしても、姿勢一つで負の評価をされてしまうのはもったいないことです。またこの悪い姿勢をとることで、相手から見えるあなたの姿は、〝丸腰の子羊状態〟に見えます。世の中いい人ばかりではありません。悪意を持ってあなたに近づいてくることがあります。いじめやパワハラをするのは、もちろん相手が100%悪いのですが、それらを引き寄せてしまう姿勢をとり続けると、ますます相手の態度は増長してしまいます。また、この姿勢をとり続けていると「どうせ無理」「私なんか価値がない」といった気持ちを抱え込むことになり、表現する意欲も芽生えません。その姿勢から、「あきらめ感傾向」「依存的傾向」が強くなっていきます。しかし、姿勢は変えられますし、それでメンタルにも変化を与えられます。心の中ではビビっていても、私には確固たる強い意志があるとアピールできる姿勢をつくることで、いじめやパワハラを受けにくい体質に変わった事例があります。Eさん(女性)は、同僚や先輩から、自分の担当でない仕事を平気で振られたり、早出当番を無理に引き受けさせられたりしていたそうです。また上司はハキハキと威勢のいい言葉で話す人で、悪気はないにしても、ミスを指摘されると恐怖の感情が出てきてしまう。そんな悩みを抱えていました。Eさんは、相手からのそういった圧迫に対して、断固言い返せるようになりたい、上司と対等に話ができるようになりたいと、ボイストレーニングのレッスンを受けに来られました。声のトレーニングで、ぼそぼそと気弱だった声は、弱気を感じさせない芯のある声に変化しました。同時に、悪意のある相手につけ込まれない、心無い言葉を投げかけられてもビビらない姿勢も身につけていただきました。結果、仕事の無茶ぶりや、相手からの無理な要望が明らかに減っていったとのこと。いかにこれまで、相手につけこまれやすい声や話し方、姿勢をしていたか痛感しましたとおっしゃっていました。では、心がニュートラルになってビビらなくなる姿勢をご紹介していきます。ポイントは鎖骨と肋骨の位置を10センチ引き上げるイメージを持つこと。さらに、姿勢を変えるのと同じくらい大切なことがあります。それは目線の高さです。「目線」や「目の動き」は、自分のストレスをコントロールします。ストレスを感じたり緊張したりすると、目線が定まらなくなって、キョロキョロしてしまいますよね。「目線」や「目の動き」をコントロールできるようになると、緊張感やビクビクが軽減されるだけでなく相手に与える印象にも変化をもたらすことができます。目線が下がらない状態をキープすることで、あなたを見ている人の無意識に、自信や、確信、積極性、前向きさ、好感といった印象を持つように働きかけることができるのです。相手からの要求や依頼に対して、ノーと言うのが苦手な人は、先ほどお伝えした肋骨を引き上げた姿勢で、絶対に目線を下げないと決めて断ってみてください。相手を不快な気持ちにさせることなく、爽やかにノーと言えます。それだけでも、日々のストレスが軽減し、人間関係で悩む時間が減り、毎日が快適になります。

私の生徒のFさん(男性)は、自分の考えや気持ちを伝えるのが怖くて、相手の言いなり状態の人生を長年送ってきました。周りの人も彼が何も反論してこないことを知っていたので、彼にはいつも嫌な仕事や、無理なことを頼むようになっていたと言います。それがたとえ、不当な要求や依頼であっても、「いや」ということをイメージしただけで恐怖感が頭をもたげ、Fさんは次第に自己嫌悪に陥り、ストレスで眠れなくなってしまいました。彼に「肋骨を上げた姿勢」と「目線を下げない」の練習を毎日していただくと、3週間目から見える景色と気持ちに大きな変化を感じるようになったそうです。今ではにっこりと笑顔を浮かべ、自信の溢れる穏やかで爽やかな表情で話せるようになりました。姿勢が安定し、目線が上を向いている彼の印象が定着したため、周りの人たちにはそれが自信に映り、自分を見る目が変わるのが自分自身でも実感できたとのこと。そして1カ月後には、不当な要求や依頼をしてくる人がほとんどいなくなったのです。また、怖いと思っていた上司も、実は情が厚く、自分のことにしっかりと目をかけてくれていると感じられるようになったと言います。聞けば、上司はいつも周りの言いなりになっているFさんを心配していて、なんとか一人前にしてあげたいと、叱咤激励のつもりで熱い言葉を投げかけていたということも、話をする中でわかりました。声や伝え方も大切です。それに加えて、姿勢と目線にも注意を払ってみてください。❹相手とラクに話せる位置関係おそらく本書の読者の方は、対面で人と話すのが得意という方は少ないかもしれませんね。私もそうです。これは立って話をするときも、座って話をするときもそうです。セミナーで学校形式で座って受講者の視線が自分に集中するのも苦手です。マンツーマンでコンサルティングをするときも、正面に座られてしまうと、居心地が悪くなります。この居心地が悪い感覚を取り除くために取っている対策が位置関係の設定です。METHOD①Lポジション(カウンセリングポジション)相手とコミュニケーションを取る際の位置関係には様々な種類がありますが、相手との位置関係を90度にするものをカウンセリングポジションと言います。例えば、四角いテーブルに座って話をするときに、自分から見て、角を挟んで右もしくは左の辺の席に相手を座らせるポジションです。カウンセリングポジションには、緊張やプレッシャーを軽減させる効果があります。相手から見て側面に座るため、緊張やプレッシャーを感じたときは、自然に正面を向いて相手から視線を逸らすことができるので、心理的な圧迫感を軽減できます。これは相手にとっても同様で、お互いにリラックスできたり、考えを整理することがやりやすくなります。相手との関係性に緊張をもたらしにくく、安心感や信頼感の構築がラクにできます。また、相手の顔をはっきりと見るためには、一旦首を動かして相手に向き合う動作が必要になります。この行為によって、きちんとあなたのことを見ていますよというサインを送ることになるので、相手を承認し、相手からも承認されているという気持ちをお互い抱きやすいメリットがあります。私は、コンサルティングをするときに、このカウンセリングポジションを使っていますが、会社員時代も上司や先輩に報告や連絡をするときは、対面からの報告は避けて、90度で座るようにしていました。どうしても相手から見られているという意識が働きすぎて、ギクシャクドギマギしてしまうからです。さらに、もう一つおすすめの方法があります。それが、Iポジションです。METHOD②IポジションIポジションとは、相手の真横に並んで同じ方向を向く位置関係をとるポジションです。このポジションのメリットは、相手の視線を気にせずにすむこと。さらにメモ用紙に用件などを書いて、お互い横に並んで、そのメモに意識を集中させながら報告すると、よりリラックスして説明ができるようになります。外資系の法律顧問会社に勤めるGさんは、部下の評価面談を苦手にしていました。というのも、評価書を部下に見せて、どこが良かったか、改善点はどこかなどを伝えるときに、「なぜ○○○○さんと比べて、私の評価は低いのか?」「この項目はもっと評価されてもいいはずだ」などと不満を漏らす部下に対し、感情が先にドギマギしてしまい、うまく説明できず困っていました。そこで、相手の言い分を聞くときはLポジションで聞き、部下と一緒に今後評価を伸ばしていくにはどうしたらいいかアイデアを出し合うときはIポジションをとり、二人でホワイトボードに向かって座ってアイデアを書き出していく協同作業をするようにしました。そうしたところ、今後の部下の成長、会社の発展につながる、とても前向きなセッションを行えるようになったのです。何より、部下との一体感を感じてセッションの時間を持てたことが初めての体験で、非常にうれしかったと話していらっしゃいました。これは部下に対してだけではなく、上司に何か提案するときにも使えるテクニックです。試してみてください。

 

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