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第4章 礼節のない人にはどう対処すればいいか

 

目次

世の中には平気で嘘をつく利己的な人がいる

世の中にはいろいろな人がいます。

嘘をつけない正直な人も多いですが、反対に平気で嘘を口にする人もいます。

そのような人に出会ったとき、どのように対処すればいいのでしょうか。

平気で嘘をつく人は周りの人を振り回します。

相手の年齢や関係性にもよりますが、プライベートであれば、わざわざそのような人に時間を割く必要はないので、距離をとるようにすればいいでしょう。

しかし、仕事においては距離を置くのが難しいこともあります。

仕事において困るのは自己保身の嘘をつく人です。

怒られたくない、責められたくないという防衛本能が働くことで嘘をついてしまうのです。

罪悪感がありながらもつい……というケースと、明らかに虚偽であるにもかかわらず、まるでそれが真実だと本人も思い込んでいるようなケースです。

平気で嘘をつく人とは、正直でいることをあきらめたような人です。

誰かに罪をかぶせることも平気なので、極力距離をとって、接触するときは十分に警戒することをおすすめします。

相手を無視したり、嘘つきだと周囲に吹聴したりしてはいけません。

それは、あなた自身の価値を下げることになるからです。

振り回されるのではなく、たとえば言った、言わないでもめることのないように、メールなど書面に残せるように工夫したり、仕事の進捗状況を他の誰かと共有しておけば、万が一のときの証拠や証人になります。

たとえば、というような感じです。

「あなたが信用できないから」というスタンスではなく、あくまで「仕事をきちんと遂行したいので」というニュアンスで伝えることがコツです。

まっすぐ仕事に向き合いたいにもかかわらず、自分に過失のないことでトラブルに巻き込まれて、傷つかないように気をつけてください。

礼節に欠ける嘘をつく人だと見抜けず、翻弄されることもあるかもしれませんが、その経験を無駄に終わらせることなく「転んでもただでは起きない」の精神で振り回されないための工夫を凝らしていきましょう。

いつでも慎重に、冷静に対処することが大切です。

わざと無視をする人に出会ったら

ニュースなどでいじめに関する報道を見るたびに心を痛めます。

学校のみならず、大人の社会でもこのようなことがあるのは残念極まりないことですね。

身体的な暴力同様に、「無視をする」ということも人を著しく傷つけます。

ましてや集団でとなると、それはもう誰かを死に追いやってしまうほどの深い傷になることは、過去の悲しい事例からも明らかです。

私も職場で意地悪で有名な先輩に狙いをつけられ、無視され続けたことがあります。

とてもイヤな気持ちにはなりましたが、実は学生時代にもクラスメイト10名弱のグループから無視をされたことがあります。

そのときは絶望的な気持ちになりながらも、「相手は深く考えずにそのような行動をしている。

遊びのような感覚だ。

そしてその目的は、私にダメージを与えることで優越感に浸ることだ」と気づくことができました。

そこで私は、仲のよかった友達にサッと見切りをつけて、他の居場所を探すことでその状況を乗り越えることができたのです。

その経験から、職場の意地悪な先輩にも比較的冷静に対処することができました。

相手の望みは、「こちらにダメージを与えて優越感に浸ること」です。

動じたら負け。

相手がどうであろうが、こちらはいつも通りにあいさつをして、いつも通りに報告してお客さまの前でも笑顔です。

極力いつも通りに振る舞うことで、周囲の人も「誰が正しい行動をしているのか」がわかってきます。

それに居心地の悪さを感じたのか、いつの間にか嫌がらせもなくなりました。

もちろん、今でこそこのように冷静に語ることができますが、当時はいつも重苦しさとやりにくさ、つらさを感じていました。

ですから、今は当時の私と同じ思いをしている人に軽々しいことは言えません。

かわすことができるなら、動じることなくかわしてください。

しかし、一番大切なのはあなたの体と心を守ることです。

つらさに耐えきれず押しつぶされそうなのであれば、やれることをやって逃げてください。

自らの鬱憤を晴らすために誰かを傷つけるような人の犠牲になる必要はありません。

そして、もしもあなたの周りで無視をされて苦しんでいる人がいたら、あいさつだけでもいいので、声をかけてあげましょう。

「リーダーのやり方に従わないと、次は自分がターゲットにされてしまう……」。

そんな恐怖があるなかでは、無理強いできることではないかもしれません。

しかし、一人ひとりが「人としてどうあるべきか」を考えることができたなら、職場や学校で起こる悲しい事件は確実に減ると思います。

約束を守らない人にはどう対処する?

約束を守らない傾向がある人は、責任感や想像力、共感する力が弱いようです。

約束に備えた相手の計画や準備が無駄になる、あるいは相手が楽しみにしていたことがかなわなくなる……。

そうした気持ちにまで考えが及びません。

プライベートでは時間を共にする相手を選べますが、仕事ではそうもいかないことがあります。

そんなときの、私なりの対処法をお伝えしましょう。

私は「約束を守らない人」と「約束を守れない人」は分けて考えるべきものだと思っています。

どちらも行動の結果は同じですが、過程における相手への気持ちや扱いが少し異なります。

たとえば、手帳への記入もれや端末への入力もれというような「うっかりミス」による約束不履行が頻繁にある人は、「約束を守らない」ではなく「守れない」のでしょう。

適宜こちらから約束内容についての念押しをするなどの工夫をします。

問題なのは「約束を守らない人」。

これは、そもそも心のどこかに「守らなくてもいい」という考えがあるのではないかと想像します。

本人も表面的には約束を遂行しようと思っているのでしょうが、どこかでその約束を軽く見ているのか、相手の存在を軽視しているのか……。

反対に、約束を大切に想いつつも「甘え」が出てしまっているのか、その心のうちはわかりません。

約束を守ってもらえないとは、「自分の存在が大切に想われていない」ということでもあります。

同じ職場などで距離をとるのが難しいという状況なら、約束不履行による被害を最小限にすることだけを考えましょう。

事前の確認、進捗状況の把握、約束不履行時の取り決めに意識を向けておけば、精神的なストレスは軽減されます。

もし度がすぎる約束不履行があったときには、関係に亀裂が入らない程度の罰則を設けることを考えてもいいでしょう。

「約束を守れない人」なのか、「約束を守らない人」なのか。

パターンを見きわめることで対処方法は変わります。

少しでもストレスを軽減し、心が沈まないようにしてください。

威圧的な態度をとる人、威圧的な言い方をする人

大きな声を出す、イライラしてものに当たる、にらむ、舌打ちをする、イヤミな言い方をする、立場を利用して目下の人にえらそうにする……。

威圧的な態度や言い方の例は枚挙にいとまがありません。

身体的な被害はないとしても恐怖を感じて委縮してしまう人も多いでしょう。

ここでは、接客の経験と威圧的な先輩に苦慮した体験をもとに、このような人に出会ってしまったときのヒントをお伝えできればと思います。

客室乗務員として接客をしていると、お客さまのなかにはごく一部、そのようなふるまいをする人がいました。

どんなことがあっても安全性と快適性を保つことが仕事ですから取り乱しはしませんでしたが、こちらも感情のある人間です。

理不尽だと感じる場面での威圧的な態度や言い方には、心がすり減るような気持ちになりました。

しかし、このような経験もまた仕事のうちだと腹をくくることで、お客さまからそのような態度をとられたとしても比較的冷静に対処でき、いつまでも引きずることはほとんどありませんでした。

「仕事」という意識があれば覚悟が生まれます。

けっして喜ばしい経験ではありませんが、必要な経験であるとさえ言えます。

また、威圧的なお客さま対応を経験することで、ルールに快く協力してくださる方や、目下である乗務員に対してもぞんざいな扱いをしないお客さまに対して、一層の感謝と尊敬の念を抱けるようにもなりました。

ところが、威圧的なのが上司や先輩などの身内であると、ストレスはお客さまの比ではありません。

私の周りにはたくさんの素晴らしい上司や先輩がいましたが、なかには気分次第で威圧的な態度をとる方もいて、私たち新人はとても疲弊しました。

機嫌を逆なでしないように努めたり、あまりにもひどい態度のときは力を合わせて歯向かったりもしました(笑)。

それでも収まらず、どうすれば解決するだろうと年上の知人に相談すると、こう言われました。

「そんな人にエネルギーを使うな。

そんな態度をとるのはかわいそうな人だから」それを聞いた当時の私は、「かわいそうなのはイヤな目にあっている私たちのほうじゃないの?先輩は好き勝手にふるまってストレス発散してるのに……」と思ったものです。

しかし、今ならその言葉に完全に同意します。

満たされている人は、人にそのような態度をとりません。

満たされない気持ちを抱えている人が、威圧という武器を使って誰かをコントロールしたり、優位にいると感じたりすることで自分の存在価値を確認しているのでしょう。

そのような人に出会ったとき、まずは冷静になることが求められます。

お客さまのために使うエネルギーを、たった一人の威圧的な態度をとる人のために消耗してしまうことはありません。

威圧的な言葉や態度によって、一時的には相手がしたがってくれるように見えます。

しかし、それは「怖いから」「面倒だから」という理由にすぎません。

誰かの上に立つとしても目下の相手への礼儀礼節を欠かさない人、このような人にこそ「ついていきたい」と心から感じるものです。

ただし、もしかすると気づかないうちにこちらにも失礼がある、もしくは反省すべき点がある可能性もあります。

そのときはしっかり自分の言動を振り返り、わずかでも非があれば先に素直に謝罪しましょう。

「行儀が悪い人」に伝わる言い方

「行儀がよい」「行儀が悪い」という言葉は、食事中や公共の場所でのふるまいについて多く使われます。

そのような場では時間や空間を他人と共有すること

になるので、それなりの行儀を心がける必要があります。

自分のことは自身で気をつけるとしても、同伴者の行儀が悪かったとき、あなたならどうしますか?一緒にいるのが部下や後輩、子どもなどのときには、周りに不快感をもたれるような言動があればきちんと教えるのはそう難しいことではないでしょう。

口うるさい人だと疎ましく思われるとしても、周囲の人に対する配慮や社会性は若いうちにぜひ身につけておいてほしいことです。

ただ、一緒にいる「行儀の悪い人」が上司や先輩だったときはどうすればいいでしょう。

難易度が上がります。

上の人にもの申すのは、相手に恥をかかせることにもなりかねません。

このようなときでも臆することなく指摘し合うには信頼関係が大切です。

上司は部下に躊躇なく指摘でき、部下が上司にもの申すときも快く耳を傾けてもらえる。

日ごろから相手に敬意を表し、信頼関係を深めていればそのような関係をつくることも可能です。

まだそのような関係性がない相手の場合でも、場所や伝え方に気をつけることで、やんわりたしなめることができるかもしれません。

たとえば、「○○しないほうがいいですよ」「そうではなくて、これが正解ですよ」という直接的な言い方を避け、というようなクッション言葉を使うことで少し柔らかい言い方になります。

このクッション言葉、「そんなまどろっこしいことを言いたくない!」「面倒くさい!」という声を時折聞きます。

たしかに面倒ですが、このひと手間が大切なのです。

なぜなら、「あなたにもの申すことに、私は心をくだいていますよ」と感じてもらうことが目的でもあるからです。

クッション言葉を添えることで、「あなたにはそれくらい価値があります」「それくらい大切な人です」という意を伝えられるわけです。

また、会食の席で相手の声が大きくにぎやかになりすぎたときなどは、自分は声のトーンを落とす、言葉を少なくしてほほえむ、うなずくというようにするとトーンダウンを促すことができます。

それでもうまくいかないときには、最後の手段として私ならその人の行儀の悪さをフォローする形で、周囲に配慮を見せると思います。

お店であれば周りにいる他のお客さまや店員さんに、公共の場所であれば周囲にいる人に対して、目線、会釈、「にぎやかですみませんでした」という言葉を通じて「ご迷惑をかけました」という気持ちを伝えるのです。

ちょっとした行動、ほんのひと言ではありますが、それがあるとないとでは大違いです。

自分ではなく同伴者のふるまいなのに、そんなフォローまでする必要があるのかと疑問ももつ人もいるかもしれませんが、どこであっても誰が相手であっても礼節を忘れずにいたいものです。

知識をひけらかすと礼節を失う

ここまで、礼節のない人への対処法について話してきましたが、礼儀作法やマナーに詳しくなると、ついやってしまいがちなことをお伝えします。

それは、重箱の隅をつつくような、細かい作法や形にこだわりすぎてしまうということです。

相手のふるまいが目に余る場合は別として、誰も不快にならないような小さなことであれば見逃してあげることもまた相手への優しさです。

美しい形、正しいとされる礼儀作法の土台となるものは、相手への心づかいや敬意です。

それを、「正しい知識はこうなのよ!」「そんなことも知らないの?」と知識を振りかざして優越感に浸ることは、本来の礼儀作法の考え方から遠ざかってしまいます。

行儀がいいこと、礼儀作法のマナーに詳しいことは素晴らしいことですが、人前で恥をかかせたり、いわゆるマウントをとったりするような言動は控えましょう。

 

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