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少ないお金を大金に変える錬金術

少ないお金を大金に変える錬金術

中小企業にはお金がない。だいたいが大金を動かしていない。そこで、この少ないお金を

いかに大金並みに使うかということが、経営上、必須条件となってくる。この章では、そう

した経営のコツ、経営手法についてお話ししよう。

その前にぜひとも触れておかねばならないことは、ほとんどの中小企業は、少ないお金を

さらに少なくして経営しているという事実である。そのいい例が、身分不相応の土地など不

動産を持つのに一所懸命になっていることだ。中小企業の経営者には「広い土地を持ちたい」

「立派な工場、店を持ちたい」と思われている方が多い。いまだに高度成長時代の夢から覚め

ていないのだ。

「一億総中産階級」になったとも言える日本人は、誰でもが土地を持ちたがっている。中小

企業の経営者も同じである。私には不思議で仕方がない。私は多くの経営者の方々のお手伝

いをさせていただいているが、土地などの不動産がらみでいろいろな問題を抱えて、苦しん

でいる方がたくさんおられる。バブル経済の崩壊後はもちろんだが、バブルがはじける前か

ら、土地が経営者の命取りとなった例は数え切れないほどある。

たしかに土地は、個人にしても企業経営者にしても、まるでないよりは、信用上、あった

ほうがいいだろう。しかし、自分の実力を顧みずに、無理してまでやたらと土地を持つとい

う経営は賛成できない。

銀行から多額の借金をしてまで持った土地を、実際に何十年持ち続けられるか、冷静に考

えてみることが必要だ。おそらく二〇〇年後の子孫たちは、会社の持っていた土地や自分の

持っていた土地を持っていないだろう。まして土地価格が大幅に値下がりし、「土地神話」が

崩れてしまった昨今では、いままでのような土地に対する執着は考え直さなければならない。

日々の経営活動でも、つねに資金不足で頭を悩ませている中小企業にしてみれば、土地を

持てば、その少ないお金を土地に固定化してしまうことになる。土地というものは、そう簡

単に売れるものではないのだ。

もともとお金のない中小企業が、お金(資金)を固定化してしまうということは、大変に危

険なことである。現在は、貸し地、貸し工場も、その気になればいくらでも見つかる。さら

に、地価の高い日本にどうしても工場を建てなければならないのか。アメリカとか、東南ア

ジアなど近くの外国ではいけないのか、慎重に考えることが大切な時代になっている。

企業に限らず個人でも、お金のない貧乏人がふとしたことから大金を手にすると、分不相

応の土地を買い、ミエで立派な邸宅を建てがちだ。そのうえ新品の家具や電気製品を取り揃

え、高級車を乗り回し、冷蔵庫には食べ物をどっさりとため込む。さらに、友人や知人に大

盤振る舞いしたり、金を貸してやるなど、得意満面でカッコよく暮らす。成金人の悲しさ、

と言ってしまえばそれまでだが、周りの人は誰も、彼に忠告するどころか、腹の中ではあざ

笑っている。こんな事例をよく見かける。

実は中小企業でもこれと五十歩百歩、私は同じような例をイヤというほど見ている。爪に

火を灯すようにして努力を重ね、やっと年商一〇億円にまでなったとたん、なんとかブーム

であれよあれよという間に年商が二〇億、三〇億、五〇億、いや、わずか数年で一〇〇億円、

一五〇億円になったら、本当に財務のわかる経営者は別にして、まずたいていの経営者は、

これが自社の実力と錯覚し、経営の方針を誤る。

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