第4章▼▼▼コミュニケーション編
22段取りが良い人は希望を伝え、。
23段取りが良い人は他人の予定を押さえ、。
24段取りが良い人はこまめに止まり、。
25段取りが良い人は甘え、。
26段取りが良い人は社内の人と円滑に仕事をし、。
27段取りが良い人は話が短く、。
28段取りが良い人は会議の前に準備をし、。
29段取りが良い人は利他的、。
段取りが良い人は希望を伝え、段取りが悪い人は言いなりになる。
優先順位は、自分の仕事の段取りをととのえるだけでなく、いろいろなシーンで使えます。
巧みに用いると、仕事がスイスイはかどります。
例えば、客先訪問の日時を決めるとき。
お客様の都合を優先するのがマナーだからといって、「こちらはいつでもいいです」と丸投げするのは考えもの。
でも、お互いに遠慮し合っていたら、やりとりの回数は増える一方なので一発で決めたいものです。
このようなケースでは、こちらから3つほどの候補日時を提示して選んでもらう方法があります。
このときは1日(月)15時〜16時、3日(水)14時~15時、4日(木)13時~14時のように、日付順に候補日を並べるのが定番かもしれません。
ただ、3日間のうち、どれでもいいわけではなく、「できれば最後に挙げた4日にしてほしいな」と願うなら、日付順にせず、希望順に並べるべきです。
例をご覧ください。
第1希望〇月4日(木曜日)13時~14時第2希望〇月3日(水曜日)14時~15時第3希望〇月1日(月曜日)15時~16時仕事をいただく側が、第1希望などと書くのは失礼だという意見もあるでしょうが、日付順にするか、希望順にするか、並べ方を入れ替えただけなので、迷惑をかけるわけではありません。
心配ならば、クッション言葉の「勝手を申しますが」「こちらの都合で恐縮ですが」の前置きをすれば気持ちが伝わることでしょう。
箇条書きでなく丁寧な文章にしたいなら、それとなく希望する順に書いてみてください。
「こちらの都合で勝手ながら、〇月4日(木曜日)13時~14時はいかがでしょうか。
難しい場合には、〇月3日(水曜日)14時~15時でも結構です。
2日間ともご都合が悪ければ、〇月1日(月曜日)15時~16時も調整可能ですので遠慮なくお知らせください」。
こうすれば、読み手は「そうか。
4日が希望らしい」と察するでしょう。
第1希望の日はほかにも数件のアポイントが入っており、1日にまとめて要領良く動けるのなら、時間とお金の節約になります。
お客様はこちらの事情を知らなくても、3日間とも空いていたら、第1希望を指定してくれるでしょう。
言わないで損をするくらいなら、少しの勇気を持って言ってみるが勝ちです。
ちなみに、成績の良い営業職の方を見ていると、何でもかんでもお客様の言いなりにはなりません。
与える印象は感じが良いのに、言うべきことはビシッと伝え、いつの間にか主導権を握っているかのようです。
彼らは、はじめてのお客様には、次のような質問を投げかけることがあります。
「ご連絡するときは電話がよろしいですか、それともメールにしましょうか」。
そして相手がメールを希望したとしても、万が一の場合に備えて「至急の場合はお電話をかけても問題ありませんか」と尋ねます。
「はい」と了解を取ったら「職場かご自宅、もしくは携帯電話のうち、どちらにかけたらよろしいでしょうか」などと選択肢を挙げて、希望する連絡手段に順位をつけます。
さらに時間帯の希望も把握します。
このように段取りが良い人は、何かと順位をつけるので、いざとなってから「どうしよう」と困ることなく、いついかなるときも最適な選択ができるわけです。
一方、段取りが悪い営業職は、何事も後手に回りやすく、そのうち取引先やお客様に主導権を握られてしまいます。
先方の都合で呼び出されたり、こまごまとした対応に追われたりして他人に振り回されていては、忙しいのに成果がいまひとつという結果になりかねないのです。
順位をつけると、どれにしようかと都度迷うことなく、瞬時に正しい選択ができるようになります。
効率化とスピードアップが叶い、段取りが良くなるので、ぜひお試しください。
段取りが良い人は、自分の優先順位を相手に伝え、相手の優先順位も確認する!
段取りが良い人は他人の予定を押さえ、段取りが悪い人は自分の予定を押さえる。
自分のスケジュールは完璧に管理しているつもり。
そうです。
読者の皆さんなら、スケジュール帳に書くのは当たり前のことかもしれません。
では質問。
上司や同僚、取引先やお客様の予定はバッチリ把握していますか?段取りが悪い人は、自分の予定しか押さえていません。
なぜなら仕事には次の工程があることに考えが及ばず、納期に間に合わせればいいと思っているからです。
そうなると、例えば上司にハンコをもらいたいときはどうでしょう。
上司がいつも席にいるとは限りませんから、「あれっ?席にいない。
今日は外出したまま席に戻らないなんて知らなかった。
どうしよう~」と冷や汗をかくことに。
このように自分のスケジュールだけで動くと、相手の協力を得ることが難しく、段取りは悪くなる一方です。
段取りが良い人は、相手にも予定や都合があることをわかっています。
そのため職場の人の予定は、共有スケジューラーなどでチェックすることを欠かしません。
社外の人に仕事をお願いするときは、「ご都合はいかがですか。
ご不在の日やお休みの予定はありますか」などと、具体的な予定をさりげなく確認します。
そして相手の予定をスケジュール帳に記録します。
相手に不在の日があれば、当日は仕事を頼めないので、遅くとも前日までにお願いごとを済ませようと、前倒しで計画します。
そうやって日頃から周りをよく見ていれば、グッドタイミングを推し量れるようになります。
相手に時間と気持ちの余裕があるのを見計らって連絡を入れたり仕事を頼んだりすると、相手も快く受け入れてくれるので、お互いの仕事がはかどり、段取りが良くなります。
30歳くらいのとき、総務部にいた私は、社内のデスクで仕事をする日がほとんどでした。
外出したり、ましてや出張することは滅多にありません。
一方、上司は席にいないことが多く、各地に出張して多忙を極めていました。
部下たるもの、留守番役として上司の予定を把握しておかなければならないのに、実はスケジュールを知らぬまま仕事をしていた時期があります。
上司宛にかかってきた電話を受けると、どこに行っているのか、いつまで不在なのかを答えられないことがあったのです。
出張中だよ、と同僚に教えてもらっても、私は何かあると上司にじゃんじゃんメールを送りつけて、「ほかの部署に提出する書類の締め切りは今日なので、至急見てください」と頼んだり、「メールを読んでくれましたか?」と携帯電話に催促の留守電を残したりしていました。
今となっては、自分がされたらつくづく嫌だな、と深く反省しています。
また、あなたがどなたかに仕事をお願いしたり、発注したりすることもあるでしょう。
そのとき指示やお願いをしたままでは、相手の進捗状況が確認できず、締め切りや納期になって仕事があがってこないだとか、相手が忘れていたという結果につながりかねません。
こちらがきちんと段取りを組んでいても、相手によっては納期を守ってくれなかったり、期待と違う仕事をしてきて、やり直しや修正が必要になったりして時間を取られてしまいます。
何より責任はあなたが取ることになるのです。
そのようなリスクを回避するには、ちょこちょこと相手と連絡を取り、進捗状況を確認することです。
ただ、相手が目上の人ですと、なかなか言い出せないということもあるでしょうから、次のようにさりげなく尋ねるのはいかがでしょうか。
「先日は〇〇の件を快く引き受けてくださりありがとうございました。
私どもの依頼がご負担になっているのではないかと案じております。
進捗を含めて状況をお伺いできれば幸いです」「〇月〇日までにと、こちらの都合でお願いをしておりますが、その後の進み具合はいかがでしょうか。
私どもでお手伝いできることがありましたら、遠慮なくお申しつけください」このように思いやりをベースに連絡を入れれば、きっと返事をもらえることでしょう。
仕事は指示する側と指示を受ける側、発注する側と受注する側に分かれますが、上下関係でなく、ビジネスパートナーとして力を合わせるのだという気持ちでいてください。
そのときは自分だけでなく、相手の予定も押さえると段取り上手になれるでしょう。
段取りが良い人は、相手の予定を確認した上でスケジュールを組む!
段取りが良い人はこまめに止まり、段取りが悪い人は突っ走る。
仕事は指示にはじまり、報告に終わります。
ただし、終わってから報告するだけでは、うまくいかない仕事もあります。
「この書類を1部コピーして」だとか「悪いけどコーヒーを買ってきてくれる?」という軽いお願いごとを引き受けたなら、「コピーしました」「買ってきました」の終了報告だけで十分。
一方、数時間から数日間かかる仕事ならば、途中で報告や確認をするのが段取りが良い人のやり方です。
作業工程のいくつかのポイントで、指示をした上司や相手に進行中の書類などを見せて、イメージと合っているか、このまま進めていいのかを確認しましょう。
作業工程のいくつかのポイントとは、仕事をはじめて2割くらい進んだタイミングで1回目の確認を取るといいでしょう。
5割済んだところで中間報告せよ、と教える人もいますが、段取りのためには2割をおすすめします。
もしやり直しになったら、早ければ早いほど労力と時間がムダにならないからです。
「ここまで進みましたが、いかがでしょうか」と確認し、「その調子で進めてよ」とGOサインをもらったら、安心して作業を再開しましょう。
2回目は5割くらい、3回目は7~8割くらい済んだ時点で、というようにこまめに確認を取るとうまくいきます。
進捗具合に限らず、すぐに報告したり確認を取るべきこともあります。
それは、計画どおりに進まなくなったとき、状況が変わったとき、自分では判断できないときです。
とくにミスをしたり、悪い話があったりしたら、真っ先に報告してください。
傷口が浅いうちになんとかするほうがラクだからです。
このように段取りが良い人は仕事を引き受けるとき、途中で何度か確認を取りながら進めます。
ですから誤解があれば気づくのが早く、手戻りややり直しがありません。
指示した人との意思疎通は万全で、たとえ口頭でわかりにくい指示を受けても、文字や図で見える化してお互いの認識に間違いやズレがないことを確認してから先へと進めます。
その結果、一発でOKが出て、最短最速で期待どおりの仕事を仕上げることができるのです。
一方、段取りが悪い人は確認を取らずに、一人で黙々と作業を進めます。
自分の理解は正しいんだと思い込み、できるだけ早く仕上げようと突っ走ります。
わからないことがあってもいちいち聞かず、自己判断で切り抜けようとします。
その結果、「できました~」と上司や相手に仕事を提出すると、「頼んだことと違うよ」だとか「イメージと合っていないんだけど」などと一蹴されて、やり直しを命じられてしまうのです。
その仕事に費やした時間がムダとなり、丸ごとやり直せば2倍の時間を使うことになります。
そんなとき、口先では謝るものの、内心では「指示の仕方が悪いんだよ」と相手のせいにし、上司や相手にしてみれば「理解が悪い奴だな」「わからなければ途中で確認すればいいのに」と感じ、人間関係までギクシャクしそうです。
私はこれまで、マンガ家の先生たちと仕事をする機会が何度かありました。
出版社からマンガ版のビジネス書の制作や機内誌の連載を頼まれたからです。
進め方は、こちらがネタや解説文を編集部に送ると、しばらくしてネームと呼ばれる紙面が送られてきます。
ネームはマンガのストーリーに仕立ててありますが、絵は下書きのようなおおまかなもの。
人の顔は目も口もない、のっぺらぼうのようです。
それをこちらで確認して「このまま進めてください」と返事をしてから、マンガ家の先生は本格的に絵を作り込んでいきます。
イラストやマンガを描くのは繊細な作業なので、仕上げてから修正するとなると大変な労力がかかるとのこと。
やはりこまめに確認を取ってから次の工程に移るのが段取り上手なやり方ですね。
基本的に1回目の確認はネーム、2回目の確認は完成したもの、3回目の確認は本を印刷する前、そのほか編集者の方は必要に応じて確認を取ってくれるので、短時間でスムーズに仕事が進んでいます。
あなたも作業工程のいくつかのポイントで上司や相手に確認を取りましょう。
こまめにすり合わせると、やり直しや手戻りがなくなります。
よってムダなく手早く効率的に仕事が進むので、段取り上手になれますよ。
段取りが良い人は、間違った方向へ行かないように確認を取りながら進める!
段取りが良い人は甘え、段取りが悪い人は自立する。
「一人で仕事を抱え込んでしまい、なかなか早帰りできません」という悩みを相談されることがあります。
あなたはいかがでしょうか?次のリストのうち、いくつ当てはまるかチェックしてみてください。
□お先に失礼します、が言いづらい□頼まれたら断れない性格だ□相手の顔色をうかがうことが多い□忙しそうな人には話しかけないようにしている□会議のとき、必要数より余分に資料をコピーする□反対意見を言うのが苦手だ6つのうち3つ以上当てはまったら、抱え込み症候群の可能性があります。
相手を気づかうあまり、仕事を抱え込んではいませんか?何でもかんでも一人でやろうとすると、段取りが悪い人になってしまいます。
協力を求めることも段取りのうちと心得てください。
保険会社で人事部や総務部にいた頃、季節ごとに集中して行う業務がありました。
研修の準備や人事異動に伴う諸手続き、年末調整の書類チェックなどです。
皆さんも経験があるでしょうが、量の多い作業を全部一人でこなそうとしたら非効率。
時間がいくらあっても足りず、猫の手も借りたくなります。
それならば猫の手、そうです。
猫はいなくてもチームのメンバーに手伝ってもらえばいいのです。
とくにみんなでやれば早く終わる仕事には、単純作業や定型的な事務処理、会場の設営やイベントの準備などがあります。
もしあなたがそのような仕事の主担当になったなら、どんどんメンバーに手伝ってもらいましょう。
人を巻き込むのは効率化のためだけではありません。
各職場で属人化が問題になっています。
自分は自分、人は人。
縦割りで同僚が何をやっているのかわからない。
このような状態では担当者が不在だったり、異動や退職があったりしたときにチームは回らなくなりますし、休みも取りにくくなってしまうでしょう。
属人化の反対語は標準化です。
自分の担当業務は抱え込まず、誰がやっても同じレベルの仕事ができるようにしておきましょう。
協力してもらうには、相手の負担を軽くするのがコツです。
わかりやすく流れを説明したり、簡易版のマニュアルを作っておくこと。
もしわからないことがあったら、すぐに質問してもらうのも大切なことです。
以前いた職場で甘え上手な後輩がいました。
彼女は上司や年上の先輩社員たちに臆することなく、頼みたいことをハッキリ伝えるのです。
当時みんなを巻き込むのが苦手だった私は、後輩社員の勇敢な姿に惚れ惚れしていたのを覚えています。
このように若手社員が、はるか年上の方に仕事をお願いするのも任務のうちです。
またリーダーや管理職になると、人を巻き込んで動かす力が求められます。
ですから、あなたが今の仕事に慣れたら、その仕事を手放すことを次の目標にしてみてください。
人を育て、その人が早期戦力化したなら組織にとってありがたいこと。
あなたの評価もアップしますし、ほかの仕事にチャレンジできますよ。
お願いするときは、対等な関係でビジネスライクに伝えましょう。
モジモジと遠慮しすぎては相手が優位に立ち、自分は劣位になってしまいます。
一緒に働く人は友達でなくビジネスパートナーであり、目的は協力して結果を出すことです。
ただし、相手の都合を聞かず、一方的に指示や命令をすると、上から物申す印象を与え、協力してもらえないかもしれません。
不遜な態度を取るとチームワークを乱すので、マナーをもって接しましょう。
敬語を使う、働き方や給料の違いを理解するといった気づかいをして、正々堂々と甘え上手になってください。
段取りが良い人は、自分の不得意なことや誰でもできることを他の人に振る!
段取りが良い人は社内の人と円滑に仕事をし、段取りが悪い人は行き当たりばったり。
社外の仕事と社内の仕事が同時にあったら、基本的には社外の仕事を優先しましょう、と10項でお伝えしました。
では、社内の仕事が複数あったときはどうしましょう。
もし職場にいる人たちから次々と指示が飛んできたら、指示の内容にもよりますが、誰の指示かによって決める方法もあります。
そのとき優先すべきなのは上位者の指示です。
組織では、管理したり、監督したりする地位にある人がいます。
組織によって名称は異なりますが、トップに社長、次に役員がいて、部長や課長、係長などと続くのが一般的でしょう。
通常、指示は上位者から下位者へ出されるものなので、担当者と役職者の2名から指示があれば、役職のついた人から受けた指示を優先する。
もし役職者同士、部長と課長の2名から指示があれば、役職が上、つまり部長の指示を優先するのが、ひとつの目安となります。
さらに社長から頼まれたことがあれば、社長の指示が最優先です。
とはいえ気をつけてほしいことがあります。
組織は大きくなればなるほど部署や拠点が増えたりして指示系統が複雑になりますが、あなたが報告・連絡・相談する相手は基本的に直属上司ということです。
ある日役員からメールが届いて、「〇〇の案件を君にお願いしたい」と仕事を頼まれたとしましょう。
役員はどうやらあなたの評判を聞きつけて、いても立ってもいられず大事な仕事を任せたくなり、抜擢したもようです。
そのとき、受信したメールのCCに直属上司(ここでは課長としましょう)のアドレスが入っていれば問題ありませんが、課長が知らないまま役員とあなたの2人だけで話が進んでしまったら問題です。
すぐさま「役員の〇〇さんから、このようなメールが届きました」と課長に報告するのは部下の義務なのです。
直属上司を通さずに独断で進めたら、「なんで私に教えてくれなかったのか」と立腹されるのは目に見えていますね。
上司のプライドは丸つぶれですし、恥をかかせてしまいます。
上司をカチンとさせると、あなたが損をしますから、そうならないよう直属上司の存在を常に意識してください。
大事なことは上司の耳に入れ、報告・連絡・相談を励行すれば間違いありません。
また、職制による指示命令系統もあります。
総合職と一般職・業務職が仕事をするときは、総合職から一般職・業務職に指示が出て、正規社員と非正規社員が仕事をするときは、正規社員から非正規社員に指示が出ます。
組織では年齢や社歴に関係なく、役割分担として指示を出したり受けたりすることがあります。
縦のラインだけでなく横のつながりについても考えてみます。
自分の部署の仕事と、ほかの部署から頼まれた仕事が同時にあったら、どちらを優先すべきでしょうか。
組織にはライン部門または直接部門と呼ばれるものと、スタッフ部門または間接部門と呼ばれるものがあります。
ライン部門または直接部門は売り上げに直結する生産や営業、購買などを指し、スタッフ部門または間接部門は、それを補佐する管理部門の人事や総務、経理などを指します。
社内の部署に優劣はありませんが、やはり現場や第一線で、お客様と接する社員の仕事がはかどるよう、管理部門はサポートやフォローに回りたいものです。
直接関わらなくてもエンドユーザーの存在を常に意識しましょう。
段取りが悪い人は、仕事が増えたら嫌なので、担当業務を縦割りでとらえています。
ほかの部署から頼まれごとがあれば、「ウチの部署の仕事はここまでです」と突っ返したりします。
ESなくしてCSなしという言葉をぜひ念頭に置いてください。
ESとは従業員満足度(EmployeeSatisfactionの略)、CSとは顧客満足度(CustomerSatisfactionの略)で、従業員が自分の仕事に満足し、ほかの従業員を内部顧客のように大切にしてこそ、お客様にご満足いただけるサービスを提供できるという考え方です。
売り上げが落ちると、「営業部門が悪い、いや開発部門が悪い」と互いに主張したり喧嘩したりする、本社と支店で対立構造がある、学閥や派閥があるなど、ときどき聞きますが、時間と労力のムダづかいはせず、そのエネルギーを正しく使いましょう。
段取りが良い人は、社内のコミュニケーションを大事にする!
段取りが良い人は話が短く、段取りが悪い人は話が長い。
仕事で話をするときは、伝えたいことをコンパクトにまとめましょう。
事前に伝えたいことをメモすると万全ですが、いつでもどこでも準備できるとは限らないので、やり方をご紹介します。
大事なのは、結論を先に話すことです。
PREP(プレップ)法をご存じでしょうか。
これは文章を簡潔に説得力のあるものにする構成方法で、4つの英単語の頭文字を組み合わせた言葉です。
最初のPはPointで「結論」を伝えます。
次のRはReasonで「理由」を述べます。
3つ目のEには2つ意味があって、Evidence「証拠」とExample「実例」です。
どちらかを入れます。
最後はもう一度PでPoint「結論」を念押ししてください。
上司に報告するときの話し方を例にします。
「A社のプレゼンで当社が勝ちました。
勝因は課題解決力だそうです。
担当の〇〇様から届いたメールをご覧ください。
これよりA社の仕事に着手します」このように結論を先にすると、短い時間で大事なことを伝えられてムダがありません。
だから聞き手を満足させます。
そうはいってもPREP法をすぐにマスターするのは難しいという方もいますので、もっと簡単にできるワザをお伝えします。
それは、前置き言葉として、「結論から申しますと」を口癖にすることです。
こう切り出せば、結論から入る以外ありえませんね。
ほかにおすすめするのは、「〇〇についてお伝えしたいのですが、〇分ほどよろしいですか?」という声掛けです。
〇〇には、案件やテーマ、要点などを入れます。
そうすると話すことの大枠を相手に伝えられます。
「〇分ほど」は時間の目安です。
話は短ければ3分、長くても5分くらいにまとめてみてください。
このように相手の都合を聞いてから詳細を話すと好印象を持たれますし、せっかちな相手でも5分なら耳を貸してくれるのではないでしょうか。
電話をかけるときも、「〇〇についてお伝えしたいのですが、〇分ほどよろしいですか?」のフレーズをぜひ試してください。
私の友人は長電話しないよう、3分間を計る砂時計をデスクに置いているのだとか。
あなたもぜひ時間内に伝えるトレーニングをしてください。
段取りが悪い人は、いつでも話が長引きます。
そういえば、私が研修講師をするときに「自己紹介を一人1分間でお願いします」とか、「3分間で意見を発表してください」と参加者の皆さんにお願いすることがあるのですが、時間内にきっちり話す人とオーバーする人がいます。
時間内に話せる人は、結論を先にし、余った時間で補足をします。
その一方で制限時間をオーバーする人は、思いつくままに時系列で話してしまうため、結論が最後になります。
「それで」「あとは」「それから」といった言葉を頻発するのも特徴です。
きっと日頃の仕事現場でもそうなのでしょう。
このような話し方をしていると、自分の時間を失うし、聞き手の時間も奪ってしまいます。
物語風に話そうとしたり、同じ話を繰り返す人は気をつけましょう。
話が長くなると、相手に言っていることが正確に伝わらず、仕事のミスややり直しが発生することもあります。
さらに余計な時間を費やしてしまいます。
また、報告・連絡・相談をするとき主観や感想は原則として要りません。
上司に頼まれた仕事を提出するときは、「終わりました」「確認お願いします」などで十分。
「難しかったです」「思いのほか時間がかかってしまいまして」などの発言は極力控えて、もし質問されたら答えましょう。
最後に難しいカタカナ言葉を連発する人も要注意。
「プライオリティを考えてからフィックスしましょう」だとか「エビデンスをもとにアジェンダを作ってください」などは、意味を知らない人には伝わりません。
どなたでも理解できるよう、平易な言い方を心がけてください。
段取りが良い人は、短い時間で必要事項を的確に伝える!
段取りが良い人は会議の前に準備をし、段取りが悪い人はなんとなく会議に出る。
会議の時間が長くて、なんとか短くならないかなと問題意識を持つ人が多いようです。
では、そもそもなぜ会議をするのでしょう。
会議とはその名のとおり、人が一堂に会して議論をすることです。
多様性のある人が集まり、互いの意見を交わして結論を導くのは価値のあることですが、職場によっては今もなお生産性の低い会議が行われています。
段取りが悪い人が集まると、次のような会議をしがちです。
結論が出ずにダラダラと時間ばかり過ぎる会議や、特定の人だけが話してほかの人は聞くだけのお説教風会議、書類を読みあげるだけの朗読会のような会議、議題がないのに日程ありきで集まり雑談に終わる定例会議などです。
もしもこれらの生産性の低い会議をし、週に何時間も費やしているとしたら、もったいないことです。
やはり会議も計画や準備をするとうまくいきます。
段取りの良い人は、会議の開催通知を出すとき、はじまりの時間と終わりの時間をハッキリさせます。
長くても1時間にし、会議室は1時間分しか予約しません。
そしてあらかじめ1時間以内に収まるように進行表を作ります。
これは、この会議で何を決めたいのかといったゴールを明確にし、いくつかの議題と、発表者に割り当てる時間を計画したものです。
進行表があれば、当日はそれに沿って進めればOK。
時間の延長や話の脱線を防ぐ効果があります。
会議中は新入社員がタイムキーパーを務めて、たとえ部長が話していようとも予定時間をオーバーしたらベルを鳴らす職場もあるとか。
臆することなくベルを鳴らすだなんて、将来が楽しみですねぇ(笑)。
なお、議題をグループに分けると、「連絡」「報告」「審議」の3つがあります。
このうち会議にかけるべきなのは「審議」です。
話し合って結論を出すのが会議の目的ですから、「審議」にできるだけ時間を割いてください。
時間が足りなくなって多数決をするよりも、意見交換に時間を割くことを心がけましょう。
「連絡」や「報告」は、朝礼で伝えたりメールで送るなど一方通行にしてもいいのです。
また、会議で配る資料作りには時間をかけすぎないでください。
できるだけ紙1枚に収まるようコンパクトにまとめましょう。
社内会議ならパワーポイントを使って装飾に凝ったり、投影してアニメーションつきでプレゼンする必要はないですね。
見かけよりも本質を重視してください。
その資料は前日までに参加者へ送り、読んでおいてもらったり、あらかじめ意見をまとめておいてもらうと、会議の時間を有効に使えます。
遠慮せずに宿題を出しましょう。
経営の神様と呼ばれる松下幸之助さん(現パナソニック創業者)は、著書『道をひらく』(PHP研究所)で、朗らかに語り合い、談笑のうちにスムーズに会議を進めようと説いています。
そうはいっても会議に出ると緊張する方もいるので、出席するのが楽しくなるヒントをお伝えします。
まずは人の話を聞く姿勢です。
メンバーの意見は途中で遮らず、最後まで聞きましょう。
どんな意見であれ受容することが大切です。
ディベートのように勝ち負けを決めたり、相手を論破してはなりません。
大切なのは、どんな意見だろうと肯定的に受け取る姿勢。
だからメンバーの発言に対しては、「はい」「なるほど」「良い意見ですね」とまずは受け入れます。
それから、自分の意見を付け加えたり、便乗したいときには「さらに私の意見を加えると〜」とつなげます。
逆に異論を唱えるときは「ただ私はこのように考えます」などと、おだやかに話してください。
前者の話法を「YESAND法」、後者を「YESBUT法」と言います。
ときどき感情のスイッチが入ってしまい、顔を真っ赤にしながら自己主張を通そうとする人や、気に入らない意見やほかの参加者を攻撃する人がいます。
そんなことをすると場を乱す行為となるので、レッドカードで退場を命じられるかもしれませんね。
準備をしてから建設的に話し合い、短い時間で、みんなが納得する結論を出しましょう。
段取りが良い人は、会議を1時間以内に終わらせる!
段取りが良い人は利他的、段取りが悪い人は打算的。
仕事には効率化していいことと、効率化してはならないことがあります。
それを見極めないまま、何でもかんでも時間を短縮させようとすると、きっとうまくいきません。
例えばお客様の話を途中で遮り、「そろそろ話を終わらせてくれませんか。
5、4、3、2、1」とカウントダウンをはじめたら、お客様はどんな気持ちになるでしょう。
ご高齢の方の行動を急かしたらどうでしょう。
プロとして、というよりも人として失格ですね。
そもそも私たちは何のために働くのでしょうか。
お金のため、生活のため、これらは現実問題として外せませんが、仕事を通して人の役に立ったり、社会貢献することができたなら、こんなに幸せなことはありません。
段取りが悪い人は、損得勘定で動くことがあります。
日頃から生産性やスピードアップを目指すあまり、初心を忘れて何事も数字ありきになってしまったかのようです。
そうなると得になる人は大事にし、何ら得にならない人にはそっけない態度を取ることがあります。
社内では目上の人に可愛がられようと振る舞いますが、目下の人には威張ります。
取引先やお客様には、会社の規模や個人の資産や年収などで順位をつけ、大切にする人とそうでもない人を区別します。
このように損得勘定で動くと、いつか自分も軽く扱われてしまい、ろくなことはありません。
例えば、効率を重視するあまり数字ばかり追うと、相手の信頼を損なうことになりかねません。
さらに人として信用されなくなり、いざというとき誰からも協力してもらえず、原因がわからないまま段取りがどんどん悪くなっていきます。
段取りが良い人は、効率化することと効率化してはならないことをハッキリ区別しています。
パソコンや書類を扱う作業は、できるだけ時間を短くしようとしますが、相手が人なら、ときにたっぷり時間をかけるのを厭いません。
たとえ対価がなくても、自分の時間をプレゼントするつもりで話を聞いたり、気持ちに寄り添ったり、力を貸したりします。
そうすると人として感謝され、信頼されて味方が増えます。
困ったときには協力してもらえるので仕事がはかどり、段取りがどんどん良くなっていきます。
私ごとですが、昨年父が他界しました。
反抗期が長くて苦労をかけましたが、社会人になってから親の苦労がようやくわかり、親孝行したいと思うようになりました。
晩年は長患いをしたので幾分覚悟をしたものの、最後の入院先で先生から「あと2週間くらいでしょう」と家族に余命宣告があったときは、突然のことで耳を疑いました。
ただ幸い仕事は段取り良く進めていたので、毎日病院に通うことができました。
弟は会社員ですが、仕事をセーブして毎日昼間から病室に来ました。
ある日、病室で弱っていく父を、母と悲しい気持ちで見つめていたとき、一人の看護師さんが入ってきて、父にひげ剃りをしてくれました。
看護師さんは父の顔をまじまじと見て「やっぱりいい男だな~」と独り言をつぶやき、私たち家族を笑わせてくれました。
忘れていましたが、そのひげ剃りは数年前の父の日にプレゼントしたものでした。
父はメモ魔だったので、テープライターに「〇年6月○日マリコプレゼント」と入力してペタッと貼ってあったからです。
看護師さんは、ひげ剃りに詰まった汚れが気になるので、と病室の洗面台で掃除をはじめました。
「お忙しいので結構ですよ」と言っても、一所懸命に掃除を続けてくれました。
もう、そのひげ剃りを使うことはないとわかっているのに。
看護師さんにとって、ひげ剃りを洗うのは本来業務(07項参照)ではありません。
というよりムダかもしれません。
それなのに一緒に時間を過ごしてくれ、どんなに心強く励まされたことでしょう。
何より真のプロのあり方を教えてもらった気がします。
仕事をして誰かに褒められたい、評価されたいと願うのは当然です。
でも、それは自分のためです。
そうではなく相手のために今、何ができるのかを考えて行動しましょう。
私も時間は自分のために使うだけでなく、相手にプレゼントできる人に、いつかなれたらと思います。
段取りが良い人は、人に優しい!
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