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第3章決断—「決断経験」で大きく成長する

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第3章決断—「決断経験」で大きく成長する

抜擢後の人材は「決断経験」で大きく成長する

何より「決断スピード」にこだわるべき理由「決断サイクル」を回せば質が上がるワークショップで「決断経験」を言語化する研修を「育成サポートツール」として活用週1の「振り返り面談」で内省を強化経営視点で決断すると爆発的に伸びる仕事の飽きは「決断欲求」のサイン抜擢と決断経験はセットでコラムSNSやブログを活用して内省する

第3章決断—「決断経験」で大きく成長する

何より「決断スピード」にこだわるべき理由決断には、スピードが求められます。

ビジネスにおいては、熟慮して決断を下すよりも、とにかく短時間で決断を下すことが求められるケースが多々あります。

A案にしようかB案にしようか迷っているうちに、ライバル社ではもうすでに同じようなプロジェクトが先に進んでいることだってあります。

だからといって判断をサイコロで決めるわけにはいきません。

さまざまな情報を取捨選択して、最良の決断を下す必要があります。

いい決断は、決断経験を重ねることで生まれます。

抜擢したメンバーにはとにかく早く決断するよう促しましょう。

一つの決断に時間をかけている間に、もっと多くの決断ができ、間違っていた場合の修正もできたかもしれません。

まずは決断して、次の決断につなげていくことを優先します。

慣れていない人ほど、最初は慎重に決断しがちです。

しかしそこで悩む時間にあまり意味はありません。

熟慮を重ねたからといって、いい決断ができるわけではありません。

悩むくらいなら、間違えてもいいので決断を早くすることが大事です。

たとえ間違えた決断をおこなったとしても、それを次の決断に活かせばいい。

スピードにこだわることは、おのずと決断経験の量にこだわることにつながるのです。

より多くの決断経験を積むために、スピーディーに決断する。

このことを意識するだけで、決断スピードと数はすぐに上がります。

決断スピードを上げることは「ライバル社に先を越されないようにするため」といったビジネス上の理由からだけではありません。

成長の観点で言えば、「少しでも早く大きく成長するため」です。

意識的に決断のスピードを速めて数を増やしていくと、より早く成長を感じることができるでしょう。

抜擢したメンバーが早く決断したときは、すかさず「スピード」をほめましょう。

「すぐに決めて動いたのはいいですね」たとえその決断が間違えていたとしても「軌道修正が早くできてよかった」とか、「間違いにこの段階で気づけたのは大きかった」などと、決断の早さがもたらしたポジ

ティブな点を強調してプラス評価をするのです。

最初は決断に躊躇していたメンバーも、このように何度も早さを評価されると、スピードをだんだんと上げて決断することをおそれなくなります。

「決断サイクル」を回せば質が上がる決断の量を増やせと言ったけれど、質はどうなの?急いで適当に決断して、本当に成長するのだろうか?このような疑問を持たれた方もいると思います。

たしかに、どんな決断にも価値はあるものの、一度でプラス1しか成長しない決断もあれば、1回でプラス10成長する決断があるのも事実です。

仮に、成長というモノサシで決断の質をはかるとしましょう。

より大きな成長につながる決断とは、どのようなものでしょうか。

そして、決断の質を上げていくにはどうすればいいのでしょうか。

ここで紹介したいのが「決断サイクル」という考え方です。

人が育つ「自走サイクル」は、抜擢、決断、失敗、学習のサイクルを回すことで成果・成長を促すというものでしたが、決断の内部にも小さなサイクルがあります。

そのサイクルとは、「決断→認識→内省」です。

一回の抜擢につき決断も一回とは限らず、抜擢によっては何十回、何百回と決断が求められることがあります。

その決断ごとに、決断のサイクルが回ります。

その回数が増えるほど、決断は良質になっていくのです。

ここで初出となる「認識」「内省」について説明しましょう。

認識とは、決断したことを本人が認識することです。

大きな決断を迫られたときは、「これから自分は大事な決断をおこなう」と認識できますが、そうでない決断は気づかずに過ごしてしまうことも多いでしょう。

決断の価値に気づいていない人であればなおさらです。

決断のサイクルを回すためにもまずは、「自分は今こういう決断をおこなったのだ」と認識することがとても大切です。

同じことをしても、「自分はこの1時間で何も決断していない」という人と、「この1時間だけで10回決断している」と認識する人とでは、このあと続く「内省」の機会をどれだけ持てるかというところで差が出ます。

決断をおこない、それを認識したら、その決断がどうだったかを自分で振り返ります。

この決断の振り返りが「内省」です。

決断は迅速だったか、成果につながる決断だったか、この決断で周囲にどのような変化があったか。

次の決断をより良質なものとするためにも内省は欠かせません。

そして「内省」することで、経験は経験値(学び)として自分の中に蓄積されていきます。

振り返ることで「決断→認識→内省」の「決断サイクル」を回していくイメージです。

おのずと、決断回数は増えていきます。

「決断サイクル」の回し方については次節で説明します。

ワークショップで「決断経験」を言語化する「決断することがあなたの仕事です」こう伝えると、「今まで自分で決断したことがないので、正直、自信がありません」と戸惑いや不安を口にするメンバーがいます。

性格的に慎重な人や自己評価の低い人に多く見られる傾向です。

また、新入社員など、社会人経験の浅い若手のほうが「決断経験がないから不安」と考えがちです。

このような場合には、決断経験のワークショップをおこなうのがおすすめです。

私の開催するワークショップでは、これまでの決断経験を2分間で書き出してもらうというワークがありますので、ご紹介します。

1.学生時代の決断経験を書き出す(1分間)このワークではまず、社会人になる前、学生時代までの自分の人生における決断経験をあげてもらいます。

いろいろなことが思い浮かぶでしょう。

実際のワークショップでも、学校の部活やサークル、アルバイト、旅行、進学、習い事などの場面で何かを決断した経験について、ほとんどの人がスラスラと書きます。

2.社会人になってからの決断経験を書き出す(1分間)ところが、次に「社会人になってからの決断経験を書いてください」というお題を出すと、マネジャーの皆さんは、なかなかその経験が思い浮かばないのです。

上司に何か提案をしたとか、仕事に役立つ勉強を始めたとか、そういったものが次々と出てくるのかと思いきや、何があっただろうかと考え込んでしまい、ペンを止めてしまう人もいます。

学生時代の決断経験がスラスラと出てくるのに対し、社会人の決断経験は思い浮かべるのもひと苦労……。

なぜでしょうか?これには2つの理由があります。

一つは、決断経験が足りていないこと。

たしかに社会人になって受け身で仕事をすることが増えて、自ら決断する機会がガクンと減ってしまったという人。

もう一つは、決断経験を認識できていないだけ。

結構さまざまな決断をおこなっているのに、自分で「決断経験をした」と認識していないから、「財産」として残らずに流れてしまっている人。

90%以上の人が後者の「決断経験を認識できていないだけ」です。

会社組織にいると、主体性をもって何かを決断したと言い切れないため、決断したことを決断として認識していないのです。

このお客様にこういった提案をしました。

これも素晴らしい決断経験なのですが、どうも気後れしてしまい、決断経験として書き出すことをためらってしまう人が多いようです。

決断した人=ハンコを押した人(決裁した人)だと誤解していて、「一般社員の私が決断することなどない」と思い込んでいる人もいます。

稟議を承認することだけが決断ではありません。

それを稟議にかけてもらおうと問題提起をしたり、何らかの提案をしたりしたことも決断経験なのです。

せっかくの決断経験を「財産」として自分の中に蓄積できていないのは、実にもったいないことです。

このワークショップの目的は「決断経験の言語化」です。

言語化することで、「思いのほか自分は経験を積んできている」と自信が芽生えるはず。

と同時に、「もっと決断経験を増やしていこう」と今後の課題も見えてきます。

先ほど「決断→認識→内省」の「決断サイクル」を回すことで決断回数が増えるとお伝えしましたが、ワークショップでこのサイクルを回してしまおうということです。

社会人になってからの自分の決断経験に気づくこと。

そして、日々の決断経験を意識し、認識すること。

これこそが「決断サイクル」を回す第一歩です。

「認識」することで、おのずと「決断回数」も増えていくでしょう。

研修を「育成サポートツール」として活用日本の大企業の多くは、社員研修をおこなっています。

サイバーエージェントでも、社員研修を実施していますし、私自身、それは意味のあるものだと思っています。

ただ、私には、「社員研修を大事にしすぎている会社が多いのではないか」と感じられます。

大企業の人事担当者の中には、「研修で人を育てる」と考えている方も少なくないようです。

「社員が研修漬けになっている」という会社もいまだにあります。

スポーツ選手は、研修だけでは育ちません。

技術や戦術、本番での心構えなどを教えてもらう機会は必要ですが、実際に選手の成長・強化につながるのは日々の練習や実戦経験です。

それと同じように、私たちの成長に不可欠なのは実戦経験です。

実戦経験とは、まさしくこの章で述べている「決断経験」です。

決断経験を多く重ねた人ほど、早く成長していきます。

なぜ研修だけで人が育たないのか。

その理由は「決断」と関係があります。

研修には「決断」の機会がないからです。

決断し失敗して責任を取らされることもなければ、数値化できるような成果も求められません(レポートの提出くらいです)。

研修に出席した社員が「会社に言われて参加している」というような受け身状態だったとしても、人事担当者も上司も責めを受けることはありません。

自社で研修をおこなっている会社もあり、そのことは素晴らしいと思いますが、「研修=育成」ではなく、研修はあくまで育成をサポートするものと思ったほうがいいでしょう。

とはいえ、私は研修そのものを否定するつもりはありません。

活用の仕方次第で、研修は人材育成のサポートツールになり得るからです。

先ほど「決断サイクル」で、「決断」と同じく「認識」と「内省」も大事であることはお伝えしましたが、これらをおこなう助けになるのが、研修です。

・自分の決断経験を可視化・言語化し、他人と共有する・同じ段階で悩み苦しむ仲間と一緒に、問題や解決方法を探っていくこうしたことによって、「認識」と「内省」が深まります。

このように、「決断サイクル」を回すために研修を活用することは、大きな意味があります。

以前、サイバーエージェントの新任マネジャー研修で、マネジャーの重要な仕事である「成果を出す」ことに関する2つの問いを投げて、グループワークをしてもらったことが

あります。

■成果を出す人は何がすごいか?1.成果を出している管理職の名前をあげる2.その人は何がすごいのか3.その人は普段、何をしているか■自分の成果を出す方法は?1.やっていることをリストアップする2.リストのうち、自分しかやっていないことは3.リストのうち、メンバーとやっていることは成果を出す方法というものはついついその人の中だけに埋没しがちで、シェアされることも少ないため、選択肢として増やしてもらおうというのが狙いです。

とりわけ、マネジャーになりたての頃は、「自分のやり方をメンバーに要求しがち」という罠があります。

しかしこれもワークを通じて複数の成果を出す方法を知ることで、万一自分のやり方でうまくいかなかったときにも、すぐに軌道修正して試すことができます。

実際に、このワークはアンケートでも好評でした。

しかしこの研修も、研修を受けた本人が現場で活用しないと意味がありません。

大切なのは、研修で得た学びを実践すること。

失敗しようが成功しようが関係ありません。

失敗したら、違うやり方に変えればいいだけのことです。

研修が次の決断経験につながることではじめて、学びと成長が生まれるのです。

週1の「振り返り面談」で内省を強化次の決断をより良質なものとするためにも内省は欠かせないものだと書きましたが、メンバー一人で内省するのは難しいかもしれません。

そこで推奨したいのが、週1回の「決断の振り返り面談」です。

定期的にメンバーと面談やミーティングを設けて、決断経験をしっかり積み上げているかを一緒に確認するというもの。

メンバーの「内省」をサポートするだけでなく、面談がメンバーからの報連相の場にもなるため、抜擢した側であるマネジャー(やメンターやトレーナー)にもメリットがあります。

「決断の振り返り面談」のやり方は次のとおりです。

金曜日(週末)に、「決断経験の振り返りリスト」を用いて「今週は具体的にどのような決断をおこなったのか」をメンバーが自分で書き出します。

そして、週明け月曜日の朝などに、そのリストを元に面談をおこないます。

例えば、ある販促プランの立案から実行まで、入社3年目のAさんを責任者として抜擢したとします。

はじめての仕事で不安だと言うAさんに対し、上司のあなたは報連相として「週報を書いて報告してください」と言ったとします。

するとAさんは、何曜日にどんな出来事があったかしか書きません。

「水曜日営業部とミーティング。

議題は新商品の販促について」そこで「『決断経験の振り返りリスト』に書き出してください」と伝えます。

すると、書く内容に変化が生じます。

「水曜日営業部とミーティング。

議題は新商品の販促について。

実際に必要な販促物の数を来週の月曜までに調べて報告する(ことを決断した)。

販促物の納期と、優先的に納品すべき先はないか、営業部のBさんに確認をお願いした(お願いするという決断)。

議事録を作成して各部署にメールをし(これも決断経験)、次回ミーティングの議題について営業部に提案した(これも決断経験)」面談では、このリストを元にAさんに話をしてもらいます。

上司「水曜日はいくつ決断しましたか?」Aさん「そうですね……(リストを読み上げる)」と、こんな具合に、水曜日のミーティングだけで4つの大きな決断をおこなったことがわかります。

さらに、「この決断経験でAさんが得た気づきは何ですか?」と上司が尋ねます。

するとAさん、「決断経験を意識したことで、『次に自分が何をすればいいのか』を常

に考えて行動するようになりました」と話しました。

これこそが内省です。

このように自身の決断経験を振り返ることには、とても大きな学びがあります。

「経験から学ぶ」ことについては、経験学習の理論を構築した組織心理学の権威であるコルブは、経験学習は次のようなサイクルで回していくものだと説明しています。

まずは「具体的な経験」から始まり、「抽象的な思考」で経験の意味を問う中で「内省的検討」をし、最終的に「積極的な行動」に出る決定をする。

(書籍『最強の経験学習』より)決断経験を意識的におこなうことで気づきと学びを得て、さらに次の決断に活かすことができる。

決断経験の量をおのずと増やすことができるだけでなく、「この1週間でたくさんの経験と学びを得た」と自身の成長も実感できる、まさしく一石三鳥です。

余談ですが、動画撮影のためにサイバーエージェントの役員にインタビューをしたところ、毎日だったり毎週だったり、全員が何らかの形で定期的に振り返りをおこなっていることがわかりました。

思い立ったときではなく定期的に良いことと悪いことを反省し、次につなげているのです。

これを365日あるいは52週おこなっているかどうかで、1年後に大きな差になることは容易に想像がつきます。

成果を上げる人たちに共通する習慣が「振り返り」なのです。

ぜひ「決断経験の言語化」をおこない、決断の重要性と価値を肌で感じてもらいましょう。

同時に、日々の成長を上司と部下とで共有しましょう。

経営視点で決断すると爆発的に伸びる大企業の役員の方で、たまにこういうことをおっしゃる方がいます。

「実は私は昔、海外の支社長をやっていたことがあるんです。

事実上の左遷でしたけどね……」自嘲気味でありながらも、こんなことを言えるのは、苦しい立場から這い上がってきた自信の表れなのでしょう。

私はこのような話を複数の方から聞くうちに、こう思うようになりました。

「左遷された人は急成長しやすい」これは決して、「左遷が必要だ」と言いたいのではありません。

海外の支社長や地方の支社長への就任は、本社の目も届きにくく、一国一城の主になるようなものです。

そこではこれまで経験したことのない、経営視点の決断に迫られます。

それこそまさに、その人の市場価値を高めるような良質な決断経験です。

その良質な決断経験がほぼ毎日続き、質・量ともに決断経験が増えることで、爆発的に成長していくのです。

その人が本当の意味で「左遷された」かどうかはわかりませんが、本人にとって不本意な配属だった場合は、会社に対する反骨心もあるでしょう。

ただ、その場合も反骨心そのものはきっかけの一つに過ぎず、成長に直接つながっているのは決断経験です。

日本企業の海外支社は、赴任者が一人だけという一人支社長になることも珍しくありません。

そうなると、事務所の備品管理から勤怠管理、現地スタッフの採用など、すべて自分一人でやらなければなりません。

不慣れで不便なことばかりでしょうが、その分自分の責任で一つひとつ決断していかないといけません。

サイバーエージェントで、若手に子会社社長を任せるケースが多いのも、経営視点の良質な決断経験をたくさん積んでもらいたいという思いがあるからです。

子会社の立ち上げから始めると、お金の流れや人の動き、事業の意味など、全体を見た上で決断する機会に恵まれます。

決断経験の質・量ともに変わることで、加速度的な成長を遂げる。

経営者視点で得られるものは、新しいビジネス経験にとどまらないのです。

仕事の飽きは「決断欲求」のサイン決断経験がいくら市場価値を上げて個人の成長を促すといっても、同じ決断を何回も繰り返しているとそのうち飽きがきます。

そうなると注意が必要です。

その人の決断による成長も頭打ちになってしまうからです。

例えば商品開発グループのあるメンバーが、毎月いくつかの企画の提案をしているとします。

最初のうちは、何とか企画を通してもらおうと一生懸命アイデアを練っていましたが、そのうちどのような企画が通りやすいかがわかってきて、それほど頭を捻らずとも企画が通るようになってきました。

企画を通すコツのようなものをつかんだのです。

効率の面で言えば、一見それはいいことのように思えます。

成果も上げやすくなるでしょう。

しかし一方で、マンネリになりかねない側面もあります。

マンネリの中では、イノベーションも起こりにくく、画期的な商品やサービスやビジネスモデルの変更など、大きな決断が生まれてこない可能性もあります。

以前のような刺激も感じなくなると、その人はどうなるでしょうか。

意識の高い人であれば、こう思ってもおかしくありません。

「自分はもっと大きな仕事がしたい」「この会社では成長が感じられないから、転職したい」これはもはや、決断欲求が高まっているにもかかわらず、新しい決断ができていない状態です。

成長実感を得たい昨今の若手は、自分がより刺激的な決断のできる環境へ移っていくことでしょう。

今の決断に飽きている状態で新しく決断しても、それはもはや決断とは呼べません。

どちらかというと、ルーティンのほうが近いかもしれません。

マネジャーはこうした同じ決断ばかりさせられている人材がいないかをチェックして、その人にどんどん決断させる必要があります。

また、メンバー自身の決断欲求が高まっている、あるいは満たされない、決断に飽きがきていると感じたら、次の振り返りワークをおこなってみましょう。

ポイントは「次により大きな決断をおこなうとしたら、どのようなことをすればいいか」を考えることです。

この振り返りワークを重ねることで、「より大きな決断をおこなおう」という発想が生まれ、このことが急成長につながります。

チームへの影響度をより高めるには、より高い目標達成を実現するには、より多くの人を動かすような決断をおこなうには……。

こうしたことを考えていくうちに、自然と目線が一段上がり、より大きな責任をもって次の決断ができるようになるのです。

週1の「決断の振り返り面談」に、必要に応じてこうした質問を入れていくのもいいでしょう。

大切なのは、「メンバー自身の成長実感があるか」を定期的に確認することです。

抜擢と決断経験はセットでこの章では決断について述べています。

まとめとして、どうすればマネジャーやメンバーに新しい決断経験をしてもらえるかについても述べておきましょう。

意識の高いメンバーであれば、環境を変えてみたり、新しいチャレンジを始めてみたりして、自ら新しい決断の機会をつくることができます。

しかし最初からそれができるのはごく一部の限られた人だけです。

大多数の人は、会社やマネジャーのほうから新しい決断の機会を与える必要があります。

ではどうすれば、決断の機会を与えられるのか。

ここで話は抜擢に戻ります。

新しい決断をおこなうためには、どんどん新しい抜擢をおこなわなければいけません。

抜擢されるほど決断することが増え、その人の決断欲求は満たされていきます。

つまり抜擢した時点で、決断がセットでついてくるというわけです。

決断に飽きて辞められてしまう前に、どんどん抜擢して決断欲求を満たしてあげる必要があります。

この章では、決断経験を振り返ることが大切だとお伝えしました。

メンバーの決断経験を振り返った上で、「次の挑戦」は何か、考えてみましょう。

このとき、「決断経験の内省掘り下げワーク」が効果を発揮します。

「決断経験の振り返りリスト」に次の質問を加えるのです。

「(リストに書き出したことを)決断していなかったら、どうなっていただろう」メンバー自身に書いてもらうのがベストですが、メンバーへの「次の挑戦は何か」という視点でマネジャーが考えてみるのもありです。

例えば、あるプロジェクトリーダーに抜擢したAさんが、「決断していなかったら部署間の意見調整が進まず、プロジェクトは頓挫しただろう」と「決断経験の内省掘り下げワーク」に書いてきたとします。

そこでマネジャーは気づきます。

「部署間の意見調整をおこない、プロジェクトを一歩前に進めるという決断経験はできている。

次に挑戦すべきことは、プロジェクトの方針を立てることと、自分で立てた方針でプロジェクトを実行に移し、成果を上げることだ。

となると、Aさんへの次の抜擢は『プロジェクトの立案から任せること』だ」このように、「決断経験の内省掘り下げワーク」をおこなうことで、メンバーの成長と課題がよりクリアになってくるというわけです。

また、前節で書いたような「同じ決断をおこなっていないか」「決断を装ったルーティンになっていないか」もチェックできま

す。

決断経験はメンバーの急成長を促します。

メンバーの急成長についていくためには、マネジャーが次の抜擢をおこなって、決断経験をどんどんバージョンアップさせていく必要があるのです。

決断経験がたまってくると、成長を実感でき、自信にもなります。

自信がある状態であれば、より大きな挑戦にも積極的に手をあげやすく、より成功もしやすくなっているはずです。

そこで、今よりもスケールアップした「抜擢」をおこなうのです。

コラムSNSやブログを活用して内省する第3章でお伝えしたとおり、内省とは決断の振り返りです。

決断して、それを認識したら、その決断がどうだったかを自分で振り返ります。

決断は迅速だったか、成果につながる決断だったか、決断したことで周囲にどのような変化があったか。

次の決断をより良質なものとするためにも内省は欠かせないものとお伝えしました。

面談のほかに、内省するためのツールとしておすすめなのが、SNSやブログです。

私もアメーバブログにアウトプットしています。

サイバーエージェントの人たち以外でも、スタートアップ企業の社長でSNSやブログを書いている人は多いです。

例えば、私は2020年の年始に、昨年を振り返って内省し、今年の抱負を「才能開花を実践する。

2020年に注力すること」というタイトルで、ブログに書きました。

https://ameblo.jp/dekitan/entry12564960154.htmlこれはまさしく、内省の言語化です。

誰かが読むことを前提に書くので、客観的かつわかりやすく内省したことを言語化しようとします。

伝える文章を書くことで、思考が整理されるのも、ブログの良い点です。

特に年始の内省は、過去の振り返りだけではなく、未来への「宣言」にもつながる、次の自分への「セルフ抜擢」にもなるのでおすすめです。

ブログには「才能開花のポイントは、抜擢・配置・決断経験」と書きました。

こうして書くことで、自分の頭の中にも常に「抜擢・配置・決断経験」という言葉が残ります。

社内の人間からも「才能開花の実践が今年のキーワードなんですね」などと言われると、もう後に引けません。

決断経験という貴重なアウトプットを、他の誰かと共有するというのは、当の本人はもちろん、読む人にとってもメリットがあります。

なぜなら、ブログを読んだ人も、間接的に「決断経験」を追体験できるからです。

社外ではなく、社内イントラネットなどの社内媒体を通じての発信というやり方もあるでしょう。

書く人と読む人、双方にメリットのある内省ブログ、上手に活用してみるのも一つのアイデアです。

 

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