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第3章困難な場面に対応する魅力と説得力を増す上級テクニック9選

14魅力的な話し方とは標準語ではなく生まれ育った地方の言葉で話す

SCENE人と会う機会が多いので、話し方を改善したいと思ったあなた。

元アナウンサーが教える「話し方教室」に通っています。

しかし、習っていることを実践している割に、あまり仕事や人間関係に変化がない気が……何が間違っているのでしょうか?アナウンサーのように話しても雑談はうまくいかないみなさんは、「話し方のプロフェッショナル」と聞くと、どんな職業を思い浮かべるでしょうか。

しゃべりのプロ……そういうと、「アナウンサー」という職業が浮かんでくるのではないかと思います。

ところが、アナウンサーの話し方というのは、実はかなり特殊です。

アナウンサーとはその名のとおり、「アナウンス」をするのが仕事。

原稿を読み、その情報が間違いないように、誰もが聞き取れるように発音する、ということを主眼においてトレーニングされている「正しいニュートラルな標準語」です。

これは悪い言い方をすれば、「機械的」。

美しくきれいであるがゆえに、無機的な話し方なのです。

一方、日常会話で必要なのは、正しい標準語ではなく、その人の人柄が伝わるような「魅力的な話し方」です。

魅力が伝わることで、自分のことを好きになってもらえて、距離を縮めることができます。

その際、特に重要なのが「かわいげ」。

ちょっと抜けていたり、隙があったりするところに、かわいげは生まれます。

そのかわいげに、人は人間的な魅力・愛らしさを感じるのです。

つまり、雑談に必要な「魅力的な話し方」と、アナウンサーの「正しい話し方」とは、真逆と言っていいくらい方向性が違います。

地方出身者のイントネーションや方言は武器になる雑談に求められる話し方は、正しさではなく、かわいげである。

そんな前提をもとに、もっとも簡単にかわいげを出す方法は何かといえば……それは、方言です。

地方出身の方は、進学したり、就職したりするタイミングで方言をあらため、標準語に矯正することも多いと思います。

ですが、基本的に方言は隠しきらず、むしろ「ちょっと出したほうがいい」というのが私の意見です。

具体的には、使う単語自体は標準語に合わせて、しかし、言葉のイントネーションなどは自分の地方のものを残しておきます。

私もプレゼンや研修で人前で話をしますが、意識的に仙台のイントネーションを残しています。

会社を経営しており、講師という仕事もしているので、「威圧感」を感じさせたり、警戒させたりしてしまう可能性があるので、親しみやすいという意味で仙台なまりを残したままにしているのです。

ふいに出る方言は「本音」の印象を与えるもう一つ、効果的な方言の出しどころがあります。

それは、相手の言葉に大いに納得したときや、自分の感情が高ぶったときなど、「ここぞ」という勝負どころです。

実際、意図的ではなく、感情的になるとついつい方言が出てしまう方もいると思います。

そんなときはすぐにその方言の意味を説明すればいいのです。

私も時折あります。

B「どうぞ、召し上がってください」A「いただきます。

…………うんめぇー!失礼しました!あまりにおいしくて、つい仙台の方言が出てしまいました(笑)」このように言われて悪い気分になる人などいません。

それどころか、人間味を感じさせ、距離がグッと近づきます。

なぜなら、方言には「本心を言っている」ように感じさせる力があるからです。

そもそも、多くの日本人は地方出身者です。

方言やアクセントは、私たちの人生のバックグラウンドなのです。

無理して矯正したり、捨てたりする必要はありません。

ちなみに「標準語」=「東京の言葉」ではありません。

〝片付ける〟を〝カタす〟と言うように、江戸なまりがあったり、東京弁があったりします。

ですから、ぜひ自分が生まれ育った場所の言葉を大切にして武器として使ってほしいと思います。

14魅力的な話し方とは「超・実践編」で紹介したこと雑談に必要な話し方とは、「正しさ」ではなく「かわいげ」である1方言のイントネーションを残すのが有効2標準語は無機質になりがちなので、表情と声の高さで補完を

15話の説得力を増すにはたとえ話で相手の共感をつかんで離さない

SCENEとある中小企業で働くあなた。

今までは最年少でしたが、この春、数年ぶりに新卒社員が入社しました。

その指導係に選ばれ、仕事のやり方を丁寧に教えているつもり……。

ところが、新卒の彼は「わかりました」という返事の割に、ケアレスミスが多い。

いったい、どう注意したらいいの?たとえ話を交えることで腑に落ちる話に後輩指導の場面に限らず、「説明したいことがあるが、相手が理解しているか不安」ということは多々あるかと思います。

冒頭のケースのように「ケアレスミスが多いので注意してほしい」と相手に伝えたいとき。

「ケアレスミスに注意して」とストレートに伝えても、共感できないので腑に落ちない。

そのため、何度同じことを伝えても効果はないでしょう。

そこで、共感を引き出すためにぜひ使っていただきたいのが「たとえ話」です。

人間は基本的に、「興味があること」、「過去に経験したこと」以外に対して、情報感度が高くありません。

自分の経験を超えたことは理解できないのです。

ですから、「今話していることは、あなたにとって大事なことである」ということを、相手が共感できるたとえ話を使って理解してもらいます。

部下の指導の場面でA「B君は、車を運転する?」B「はい、ドライブは好きなんで、まぁまぁ運転しますね」A「運転してるときってさ、普段生活してるときと比べて緊張する?」B「そうですね、かなり気をつけてると思います」A「具体的にはどんな点に気をつけてる?」B「ええと……出会い頭で車や人が飛び出して来ないか、とか最近は都心でも自転車に乗っている人も多いのでヒヤヒヤすることもありますよ」A「まわりの人に気を配ったり、四方に神経をとがらすよね。

B君、その感覚がね、大事なんだよ。

仕事のときも車の運転と同じもんだと思って、もう少しだけ自分のまわりのことに神経をとがらせてみたらケアレスミスが減ると思うんだけど、どうかな?」このように、相手の体験にもとづいて話してあげると、単に「ケアレスミスをなくしてほしい」と言うよりも、腹落ちの度合いが違ってきます。

コツは、「共通点」を連想することでは、より具体的な手法を見ていきましょう。

前作では、たとえ話のトレーニング方法として「謎かけ」をお伝えしました。

「AとかけましてBと解く、その心は……」というものです。

例:業績のいい会社とかけて、湘南のサーファーと解く。

その心は「波に乗っている」……つまり、それぞれまったく違うものから、共通の要素を抽出する練習です。

この「共通点を探す」という作業がたとえ話には欠かせません。

もっとシンプルな練習方法としては、「連想ゲーム」もいいでしょう。

「バナナ」と言ったら「すべる」。

「すべる」と言ったら「スケート」。

「スケート」と言ったら……と、これを瞬時に会話の中で行えるようになると、たとえの幅は無限です。

たとえ話に適したテーマ選びのポイントただし、たとえると言っても、何にたとえてもいいわけではありません。

相手に伝わることが大前提です。

そのポイントは3つ。

1身近なものでたとえる→その人がすでに経験していること、その人の身近で起きていることでたとえる例:ウェブ系の仕事をしている人にウェブ関係のたとえ・子どもがいる人に子育てのたとえ2メジャーなものでたとえる→100人中100人が知っているようなテーマを選ぶ例:東京オリンピックのたとえ・季節のたとえ3タイムリーなものでたとえる→最近話題になっているテーマを選ぶ例:AI・ポケモンGO・イギリスEU脱退このあたりを心がけてみてください。

3つテーマを持っていればどんな場面でも応用が利く

具体的に、私がよく使うテーマを挙げてみます。

テーマ1:食べ物や料理テーマ2:健康テーマ3:会社の同僚や共通の知人・有名人これらは非常に汎用性が高く、共感を得やすいテーマです。

試しに、料理と飲み物をたとえるときのパターンを挙げてみましょう。

「どの世界でも、料理と飲み物はセットであり、ふさわしい相性がある」→日本酒と日本料理、ワインとイタリアン(フレンチ)、中華料理と烏龍茶、コーラとハンバーガーなどは鉄板の組み合わせ。

反対に、イタリアンと日本酒は合わない。

言いたいこと=適材適所であり、ふさわしい組み合わせがある。

↓具体的なフレーズ「たとえてみると、食べ物と飲み物のふさわしい組み合わせのようなもので、日本酒と和食、ワインとイタリアン、のようにそれぞれ合う・合わないがありますよね」……と、このようにして、言いたいことをうまく代弁してくれるような「たとえ」をつくります。

他にも、例を出してみましょう。

豆腐…麻婆豆腐でも、湯豆腐でも、肉豆腐でも、いろんな料理に対応できる=応用が利く/誰にでも愛される/料理人次第で工夫ができる筋トレ…適度な負荷をかけたあとは、「超回復」で休ませるとより強い筋肉になる=よく休むことも大事/メリハリの大切さ/限界を少しずつ超えていくことで成長するイチロー…自分で決めた「マイルール」を守り、徹底している。

=ルーティンの大切さ/繰り返しから生まれる自信/一流こそ基本を大事にする

このように、無限に等しいたとえを生み出すことができます。

自分だったらどんな「たとえ」を持つことができるか、苦手な方は、まず3つのテーマをピックアップしてみてください。

3つだけでも、様々な角度で味つけをすることでどんな話がきても応用できるようになります。

なお、1つのテーマに対しては、だいたい10回くらい練習するとものになってくるでしょう。

というのも、たとえば「イチローはバッターボックスに立つとき、必ず袖をふれている」という話をしたとします。

このとき、「どうして袖をさわるんですか?」「いつ頃からさわるようになったんですか?」「他にはどんなルーティンがあるんですか?」などといった予期せぬ質問に出合ったりするので、そんなときに「そうか、ここは知っておいたほうがいい情報なんだな」と、フォローすべき情報がわかるのです。

「友人や知人」をたとえにする場合の注意点ちなみに、「私がよく使うテーマ」として3つ目に挙げた「会社の同僚や共通の知人・有名人」は、より共感の深いたとえです。

お互いによく知っている人を挙げるので、話に対する集中力が自然と高まります。

このような形で使います。

転職を考えているBさんを引き止める、同僚AA「Bさん、せっかくここまでがんばってきたのに、今あきらめちゃうのは、惜しいと思うなぁ」B「……そうなのかなぁ」A「Yさん、知ってるでしょ?」B「ああYさん、また転職したらしいよね」A「そうそう。

Yさん、頭もよくて何でもできる人なんだけど、悪い言い方をすると器用貧乏というか、こらえ性がないというか……会社に本当の実力を認めてもらえる前に辞めちゃうところがあるでしょ」B「まぁ確かにそうかもしれないね……」A「Bさんも、スキルがどんどん高まってきてるんだから、実力をつけて、一つ二つ結果が出てから次に移ったほうが、きっと条件もよくなると思うんだよねぇ」などと、このような形になります。

ただし、たとえに出した人を批判するようなトーンになりやすく、「あなたのことをこんな言い方をしていたよ」と、すぐ本人のもとに届いてしまうものです。

ですから、本人に聞かれてもいい程度の表現、ニュアンスに止めておくのが前提です。

なお、この会話例にもある「惜しいなぁ」というフレーズは、人を説得するときなどによく効きますので、頭の片隅に入れておいてください。

15話の説得力を増すには「超・実践編」で紹介したことたとえを探すときの3つのポイント…身近なもの/メジャーなもの/タイムリーなもの→より具体的には、「料理や飲み物」「健康」「共通の知人」など→自分ができそうなテーマを3つ選ぶ

16たとえ話の練習方法誰でもたとえ話をつくりやすいのは「対比」の型

SCENE話し上手の人は、たとえ話がうまい……という法則を発見したあなた。

自分もやってみようと思うのですが、しかし、その場でパッと言葉が出てきません。

何かいいトレーニング方法はないものでしょうか?物事の本質を見抜き、他のものに置き換える前項、たとえ話の重要性についてお伝えしましたが、ここではより実践的にたとえ話をするための「型」についてお話しします。

たとえ話と一口に言っても、いろいろとやり方があって、前項の冒頭で紹介した「質問をして相手に考えさせるパターン」や、「そうか!つまり、◯◯みたいなものですね」と相手の話を要約してたとえるパターンなどがありますが、これらは実はかなり上級テクニックです。

そこで、もっとも簡単でトライしやすいのが、「対比」によるたとえです。

たとえば、「あなたと私では、月とスッポンのようなものですよ」のように、「AとBの間にはこれだけ差がある」ということを表現したいとき。

相手が共感できる対比ができるとより雑談の空気がよくなります。

一つトレーニングをしてみましょう。

Q今、目の前にしている雑談の相手は、業界で「やり手」と言われる大物。

この立場の違いを利用して、逆に距離を縮めたいあなた。

自分と相手との差をうまく表現し、場をなごやかな空気にするにはどんな表現をすればいいでしょうか?次の例文の◯◯と××を埋めてみましょう。

例文:「いやいや、Bさんと私では◯◯と××ですよ!」さてこの問題。

考え方としては、「最上級」のものと「自分」を比べるということです。

ここでは仮に、相手が「富士山」だとしましょう。

例文:「いやいや、Bさんと私では、富士山と××ですよ!」この場合、××を何にたとえるか、少し考えてみてください。

単純に富士山と対比させると考えると、「Bさんと私では富士山と高尾山(自分が住んでいる地域の山)ですよ!」と言ってみたり、または低い山を想定して「富士山と近所の公園の砂山ですよ!」などと答えたくなるかもしれません。

ですが、必ずしも、同じ「山」でたとえる必要はないのです。

この場合、「高さ」や「強さ」が話の本質なわけですから、例文:「いやいや、Bさんと私では、富士山とマッチ棒みたいなものですよ!」こんなひねりのある答えのほうが、ダイナミックさもユーモアもあるので場がなごやかになると思います。

なお、この「富士山」と「マッチ棒」でいうと、どちらから先に考えるべきでしょうか?これは、ケースバイケースだとは思いますが、オチである「マッチ棒」のほうから考えたほうがやりやすいと個人的に感じます。

「頼りない」「弱々しい」ビジュアルのものってなんだろう……という連想から「マッチ棒」を思い浮かべ、ではその対極にある「強い」「大きい」ものは何かと考えたほうがいいたとえが出やすいでしょう。

この対比の練習は、物事のどのエッセンスを、他のものに置き換えるかという非常にいい言語トレーニングになります。

たとえ話は、奥深いテクニックです。

ものにできるまで、ぜひ何度も練習をしてみてください。

トレーニング問題Q1今日の天気は薄曇りでどんより。

「快晴」の日をハワイの青空とするならば、このどんより天気を何にたとえますか?「今日の天気は、ハワイの青空と比べてみると◯◯みたいなものですね」Q2イタリアンでごちそうしてもらったパスタが、とんでもなくおいしかった!この感動を伝えるために、「今日食べたパスタ」と「今まで自分が食べてきたもの」を何にたとえますか?「このパスタ最高!これに比べたら、今まで僕が食べてきたものなんて◯◯だ!」Q3言い方がきつめな部下に対して、他の社員からあなたのもとにクレームが。

「相手のことを思いやる大切さ」を教えてあげたい場合、どんなたとえ話をするといいでしょうか?具体的な言い回しを考えてみてください。

解答例は、巻末参照。

16たとえ話の練習法「超・実践編」で紹介したことたとえるときの型はまずは「対比」が練習しやすい1最上級のものと、下級のものとを比較する型2この際、下級のものから決めたほうがうまく決まりやすい3比較のトレーニングになれてきたら、「質問して相手に考えさせる」「相手の話を〝つまり◯◯みたいなものですね〟と要約」といった技術にもトライ

17対ネガティブ不満やグチにうまく対応し、課題を引き出す

SCENE印刷会社で営業をしているあなた。

2か月前に、先輩から引き継ぎになった取引先の担当者との関係で悩んでいます。

というのも、相手がとてもグチっぽい!すぐに会社への不満を口に出す担当者に、どのように対処するのが正しいでしょうか?どこまで共感し、どこからスルーすべきか人間は仲が深まってくると、ついグチや不満を言いたくなってしまうものです。

中には関係が深まる前からそういう方もいますが……しかし、基本的には会話の中でグチや不満が出てくるというのは、ある程度自分を信頼してくれている証拠だと思って、嬉しく思うべきことです。

不満やグチには相手の本音、そして、相手が感じている「課題」が多分に含まれています。

うまく対処ができると、信頼関係をつくるチャンスになりますし、一方で対応を間違えると泥沼にはまってしまう可能性もある、非常に対処の難しい問題です。

たとえば、取引先の部長と話していて、軽いグチが出てきたとしましょう。

「近ごろ、部下の努力が足りていない気がするんだよねえ」このとき、どう反応するのが正解でしょうか?まず、鉄則のスタンスとしては相手が批判している対象を批判しない。

つまり、「努力が足りない……それはけしからん社員ですね」などと、一緒になって責めてはいけないということです。

やり方としては大きく分けて2パターンあり、①「相手の不満に寄り添い、もう少し深堀りする」②「不満の内容に理解を示しつつも、深入りしない」という2つのパターンです。

①「相手の不満に寄り添い、もう少し深堀りする」場合B「近ごろ、部下の努力が足りていない気がするんだよねえ」A「え、そうなんですか?Bさんがそうおっしゃるなんて、よほど何かあるんでしょうね」このように、相手の話をまずは聞くスタンスをつくります。

この際、相手と、相手の不満の矛先、どちらも批判しない物言いを徹底しましょう。

「◯◯さんがそんなことをおっしゃるなんて、よっぽどなんですね」「あ~、私も後輩に同じことを思ったことがありますよ(笑)。

何かあったんですか?」「なんと!◯◯さんにそう言わせるということは……気になりますね」このように、不満を口にしている相手のことをフォローするような言い方がよいでしょう。

②「不満の内容に理解を示しつつも、深入りしない」場合B「近ごろ、部下の努力が足りていない気がするんだよねえ」A「え、そうなんですか?Bさんがそうおっしゃるなんて、よほど何かあるんでしょうね」B「いや、実はね……。

何かにつけて〝できない理由〟ばかり並べて、動き出しが遅い、口だけは達者。

そんなのが最近多くて手を焼いているんですよ」A「(これ以上聞くと危ないかもしれない……)なんと、そんな状況ではご苦労が絶えませんね、お察しいたします……。

そういえば、日経新聞の特集でも〝ゆとり世代〟の特集を組んでいましたよ。

ゆとり世代向けの研修があるそうで……」このように、「これ以上深入りしてもいいことにならなそう」、「泥沼に入ってしまいそうだ」というときには、話題を別の軸にスライドさせてください。

また、理解を示すといっても、強い共感は危険です。

×「それは大変ですね……。

そいえばうちの会社でも……」×「ああ、わかります。

私のまわりにも……」このような共感は、負の連鎖を呼んでしまい、「不満合戦」が始まってしまいます。

そうなると、百害あって一利なし。

やはり、最終的には発展的なところ、健康的な話題に落とし込むのが一流の雑談です。

適度に相手に理解を示し、「よき理解者である」という印象をつくることができれば、それ以上は踏み込む必要はありません。

17対ネガティブ「超・実践編」で紹介したことグチや不満は対処方法次第で、さらなる信頼を掴むチャンス1相手のグチや不満に同調はしない、自分も一緒になって批判しない2基本スタンスは、「①まずは相手に寄り添い、話を聞いてみる」3ただし、「②深入りは厳禁」。

話題を別の方向にずらす

18断りたいけどどうすれば!ワンランク上の誠意が伝わる断り方は「かわいげ」

SCENE取引先との会食に参加したあなた。

お酒がもともと苦手で、しかも、明日は朝が早いときています。

できることなら飲みたくない、しかし、取引先にはお酒をすすめられてしまった……。

どうすればよいでしょうか?「かわいげ」が断るときの最大のポイント雑談において、「断り方」は難しい問題です。

この例のように、仕事上のお酒のお付き合いでは、相手の会社の文化などもあり、気軽に断れない場面もあります。

「一杯くらい」と「エイヤ」で飲んでしまうのも一つの手ですが、相手がイヤな気持ちにならずに済むのであれば、穏便にお断りしたいところです。

かなりの高等テクニックで、なおかつ必ず使えるとは限らないのですが、私が使っている断り方をご紹介します。

どうしても飲めない日本酒を「どうぞ」とすすめられたら、私はこのように答えます。

「いやぁ~すみません……実は今、宮城の「○○」というお酒にはまっていまして、他の日本酒にどうしても手が伸びないんです。

その代わり、ラベルの写真を撮らせていただけますか?さすがに◯◯もそのうち飽きてくると思いますので、次回までの楽しみにさせていただきます」このように、別の肯定的な何かを出して、そちらに話を転がしていくのです。

他にも、都合のつかない食事に急に誘われたときは、「お食事も魅力的ですが、今日は××さんのお話にやられてしまいまして……それだけでお腹いっぱいになってしまいました。

大変残念なのですが、ぜひ次の機会にお願いします!」このような具合です。

ポイントは、断るものを決して下げずに、それも魅力的なんだけど、もっと魅力的なものがあってもう満足しきってしまった──というニュアンスを出すことです。

このような断り方をするときには、「かわいげ」が必要になってきます。

口調や表情で、「いやぁ~(本当はそうしたいのだけれど)どうしてもすみません」という雰囲気を全力で演出します。

というのも、断る理由など、相手にとってはどうでもいいことが多く、要するに相手の提案を断るだけの誠意を見せるということが重要なのです。

多くの人はどうやって断ろうかと、その理由に悩んでいますが、重要なのは、「断るための理由」ではないのです。

ぜひ、「かわいげ」にもっと注目し、自身の魅力を高める方法を考えてみてください。

18断りたいけどどうすれば!「超・実践編」で紹介したこと断る理由を考えるのではなく、誠意を伝える方法を考える1「本当はそうしたいのは山々」だという気持ちを表情で演出する2嘘でもいいので、「できない理由」を伝える3断る代わりに代替案を出す

19相手の言っていることがとんちんかんだ!考え直してほしいときのフレーズ「ふと思いついてしまったのですが……」

SCENE新進気鋭のPR会社で働いているあなた。

現在、とある会社のプロモーションを計画しています。

ウェブを使ったプロモーション方法を提案するのですが、クライアントからは「そうじゃなくて、こんな方法はどうか」と逆提案されます。

でも……それは明らかによくない!絶対反対!……こんなときはどうすれば?別のアイデアを伝え、再考を促す方法本題に突入したあと、スッと話が決まってしまうこともあれば、中には残念ながら難航することもあります。

特に、自分がふった話に対しての反応がよくないものだったり、相手から出てくる提案や意見が明らかによくない……ということもあるでしょう。

このような場合、最終的には受け入れざるをえないこともありますが、私はこのように言うようにしています。

「素晴らしいですね。

ただ、ふと思い浮かんでしまったのですが……一方で△△のような考えもあるのではないでしょうか」このように、「話を聞いていたらアイデアがふと思い浮かんできてしまった」というトーンで、自分の持っていた案、自分の考えなどを伝えます。

「いや、そうではなく、こうしたほうがいいと思います」「いや、そのやり方では炎上してしまいます」などと、正論をぶつけてはいけないのです。

効果がないどころか好感度は下がるし、いいことは一つもありません。

ポイントは、「せっかくご意見をいただいたのに、ふとこんなアイデアが急に浮かんでしまってすみません……」といった感じの困り顔で伝えることです。

そうやって、相手の考えを否定せず、自然な流れで相手に再考を促してください。

故事成語を補助的に使う相手に再考を促すための補助テクニックとして、古事成語を使う方法があります。

たとえば、「二度あることは三度ある」「三度目の正直」「重箱の隅をつつく」「微に入り細を穿つ」「善は急げ」「せいては事を仕損じる」など、世の中にはどんなシチュエーションにも対応できる教訓(=ことわざ)があります。

このようなことわざを、場合によって使い分け、反論の「説得材料」として添えるのです。

B「例のプロジェクトに入ってもらったC君だけどね、結果も芳しくないようだし、プロジェクトからは外して通常業務に専念させたほうがいいかと思ってるんだけど。

どうだろう?」A「社長のおっしゃるとおり、まだ結果は出ていませんが、精力的によくがんばってくれています。

〝石の上にも三年〟と言いますし、あと数か月は様子を見てもらえないでしょうか」このように故事成語を入れると、相手を責めるニュアンスを隠す形で再考を促すことができます。

そのうえ、自分の意見というより第三者的・客観的意見という印象があり、より説得力が増すのです。

相手の意見と対立したときには、少々技が必要になります。

そんなときには、ふと思いついて「軽く提案」し、故事成語で「客観的意見で説得」を試してみてください。

19相手の言っていることがとんちんかんだ!「超・実践編」で紹介したことたとえ相手が間違っていても、真っ向から反論してはいけない1「ふと思いついてしまいました」と、提案をしてみる2故事成語を引き合いに説得を試みる

20心の距離を縮める方法「さぞかし~でしょうね」+「◯◯しましょうか?」で心配りを伝える

SCENE「気がきかないねぇ」とよく上司から言われ、気がきかないという自覚もあるあなた。

思いやりがないわけではないのですが、どう表現すればいいのかわからず、いつも悩んでしまいます。

どんなコミュニケーションをとれば、心配りが伝わるのでしょうか。

出会い頭の一言が印象を変える雑談で重要なのは、人に喜んでもらうこと。

そして、人に喜んでもらうために意識してほしいのは「心配り」を伝えることです。

相手に興味を持って、観察する。

そして、気になる点があれば口に出して伝える。

大切なのは、どんどん言葉にして伝えることです。

日常生活から意識して口に出す習慣を身につけなければ、心配りを自然に伝えることはできません。

では、どんなときに心配りを発揮できるかといえば、「出会い頭での一言」が非常に効果的です。

さっそく、一つ練習をしてみましょう。

Q真夏のある日、会社を訪ねてきた人が汗だく!こんなとき、どんな一言をかけると心配りを伝えることができるでしょうか?夏場にはるばる訪ねてきた人が汗だくになっている……こんなときには「共感」と「提案」、この2つを示すとよい心配りになります。

たとえば、このような形です。

共感「さぞかし暑かったでしょうねぇ……」提案「部屋の温度を下げましょうか?」このように、「暑くて大変でしたねぇ」という気持ちをおもんぱかる共感の言葉と、部屋の温度を下げる、という具体的なアクションの提案。

この2つを同時に言葉にできて、初めてよい心配りだと言えます。

突然の雨に降られてずぶ濡れになってしまった人がいたら、共感「ずいぶん降られてしまいましたね……さぞかしお身体が冷えたでしょう」提案「拭くものをお持ちしましょうか?」なおこのとき注意が必要なのは、汗だくの人に会ったとき、「暑くないですか?」、雨で濡れている人を見て「雨に濡れてしまいましたか?」などと聞くのは野暮だということです。

一目見ればわかることを確認するのではなく、「冷房を強くしましょうか?」「冷たいお茶で一息つきましょうか」といった具体的なアクションを提案するようにしてください。

やわらかい言葉は大切ACジャパンのテレビCMで、〝セトモノとセトモノとぶつかりっこするとすぐこわれちゃうどっちかやわらかければだいじょうぶ〟という相田みつをさんの詩をテーマにしたものがあります。

こんな内容です。

交差点で男性2人の肩がすれ違いざまにぶつかり、不満そうな顔で片方の男性が振り返ります。

しかし、もう一方の男性がやわらかい表情ですぐに会釈して謝意を示したことで、不満そうな表情の男性もすぐに表情をふっとゆるめて会釈を返すのです。

「やわらかいこころをもちましょう」と名づけられたこのCM、ご覧になったことがある方も多いと思います。

このような心配りこそが、人間関係の本質です。

日本人は心配りが足りない、または、シャイなために思ったことを瞬間的に出せない……そのために、うまくいくものもうまくいっていない。

そんなことが多いのです。

たとえば混雑した場所などで人にぶつかったとき、すぐにやわらかい言葉と表情で謝るようにするだけで空気が変わります。

夏まっさかりの日に、道で立ち尽くしているおばあさんがいたら、「今日は暑いけど大丈夫ですか?」と声をかける。

エレベーターに駆け込んできて、扉にぶつかってから入ってきた人がいたら、「大丈夫でしたか?」と声をかける。

それだけで、相手も救われますし、自分自身も変わっていくのです。

きっとみなさんは、困っている人を見たときに、心配りの気持ちが胸の内に生まれていると思います。

それを、言葉にして相手にちゃんと伝える。

ただそれだけで、人生が大きく変わることもあるのです。

人生の質を高めるうえでも、雑談の力を磨くうえでも、非常に重要なことです。

20心の距離を縮める方法「超・実践編」で紹介したこと心配り、特に出会い頭の一言は非常に重要1最初の一言は、「共感」と「提案」をセットにする2「共感」とは、相手の状況や気持ちを察し、共有する一言3「提案」とは、自分が行う具体的なアクションを提示すること→この2つがセットで初めて「心配り」となる

21相手の話が飛び飛びでよくわからない!図で整理しながら話を聞くと聞き漏れがない

SCENEあなたの得意先は、「お話し好き」。

いつもベラベラと一方的に話しています。

その話がおもしろければいいのですが……どうにもとっ散らかっていて、わかりづらいことが多い。

「あなたの話はわかりづらい」とは言えず……どうすればいいでしょうか。

もしも相手が、「ノープラン雑談」の使い手だったら世の中にはたくさんの人がいますので、中には「何を言っているのかわからない人」がいます。

話があちこちに飛んだり、何の話をしているのかわからない、何を言いたいのかわからない、そんな状況に出合ったことのある方も多いことでしょう。

仕事の絡まない雑談ならよいのですが、問題は、雑談が深まってきて、本題に関連するような話に進展してきたとき。

このときに、相手の話がどうしても理解できない……さりとて、正直に「意味がわかりません」とは言えない……そのような場面、非常に困ってしまうと思います。

ここでは、そんなときの対処法について見ていきましょう。

まず前提として、相当気をつけて話を聞いているが、よく理解できない……という場合、問題は聞き手ではなく、話し手のほうにある、ということです。

つまり、「ノープラン雑談」であり、話す前にプランを描いていないために、・話がダラダラと続く・話があちこち飛ぶ・話の展開が見えない・結論が出てこないなどの問題が起きてしまいます。

たとえば、上司が新人や若手社員たちにこのような話をしたとしましょう。

〝社会人になって5年目くらいになるとおおよそキャリアの方向性が決まってきます。

たとえば営業であればマーケティングを自分の営業の軸にしようとか、企画書作成を自分の強みにしようとかといったことが決まるということです。

その前にはもちろん基礎固めの時期があり、ビジネスの基本となるマナー、報・連・相の仕方、ビジネス文書の基本などをしっかり身につけることです。

5年かかって身につけていては時間がかかりすぎになってしまいます。

スピードが何より求められるこの時代ですから、入社して1年のうちにおおよそ身につけなければならないでしょう。

そして、5年くらいたって方向性が決まり、専門性を高め、10年目くらいには管理職として部下指導をしながら、ビジョンを示し、組織の中心となっていく時期です。

このようにそれぞれの時期にテーマを持ち、それを意識しながら仕事をすることがキャリアプランなのです〟この話……言わんとしていることは何とかわかるかもしれませんが、残念ながら「頭に残らない話し方」といえるでしょう。

お伝えしているように、日本人は話しベタ。

一定以上のポジションにいる方でも、このように話す方は少なくありません。

何の話を、何のためにしているのか。

その全体像を伝えることなく話しているので、散漫になっています。

これでは、聞き手も「いったい話のどこが重要なのか」が理解できません。

場合によっては、重大な勘違いも生まれてきてしまいます。

しかしながら……聞き手は相手の話し方をコントロールできません。

何とか聞きながら情報を整理し、相手の伝えたいことを汲み取らなければいけない。

こういうときは、相手の話のポイントを「図解」するのが一番の方法です。

キーワードを拾いながら、相手が何を伝えようとしているのか把握します。

では、どのようにすれば話を図解化できるでしょうか?今一度、前出のグレー背景の話を見てみてください。

図をつくるには、まずは「話のポイント」を見つけることです。

この話のテーマは、「キャリアプラン」について。

社会人は、何年目に何を身につけるべきか、ということが語られていますから、「時間」を軸に、そのポイントは1年、5年、10年となるでしょう。

こうして話のポイント(この場合は年次ごと)に整理してみます。

すると、下のような図ができます。

この図を埋めながら話を聞き、相手の話で不足しているところ、またわからないところは質問するようにしましょう。

質問する際は、「とても興味深いお話ですね。

私の理解が間違いのないように、今のお話を確認させていただいてもよいでしょうか?」などと断り、図を示しながら確認するとよいでしょう。

「ちょっと確認させてください」「よくわからないので質問があります」と、言葉だけのやりとりでは「失礼なやつ」と捉えられかねませんが、図があることでクッションとなるのです。

ちなみにですが、先ほどの話を整理すると、このようになります。

〝私たちがキャリアをつくるうえで、それぞれの時期にテーマを持ち、そのテーマを意識しながら仕事をすることが大切です。

具体的に、1年目、5年目、10年目の年次ごとに区切ってキャリアプランについてお話しします。

まず1年目は「基礎固め」の時期。

具体例としては「マナー」「報・連・相」「ビジネス文書」などの基本的なスキルを身につけます。

次に5年目ですが「専門性を高める」必要があります。

具体例としては「マーケティング」「企画書作成」などになります。

これを自分の強みとしていくのです。

そして、10年目には「管理職としての部下指導」をする必要があります。

具体例としては、「ビジョンを示す」「組織の中心となる」などのことをします。

このようにプランを立てて実行してみると、効果的にキャリアが築けるようになります〟このように、「図で整理する技術」は、自分が話すときにも有効です。

何のテーマを、どんな軸で展開するか。

これを整理して話すのと話さないのとでは、驚くほどその結果は変わってきます。

ぜひ、練習をなさってみてください。

21相手の話が飛び飛びでよくわからない!「超・実践編」で紹介したこと相手の言いたいことを理解するには話の「ポイント」を図でまとめる1話を大きく分けて、ポイントはいくつか考える2ポイントを分けたら、その下に情報を入れて図にしてみる3お互いに図を見ながら話の内容を確認する

22脱・出たとこ勝負情報の階層を意識して、伝えたいポイントを絞る

SCENE面接、プレゼン、重要な商談……etc、ここぞという場面に限って緊張し、頭がまっしろになってしまうあなた。

パニックになるのが怖くて、話すのがどんどん苦手になってしまいました。

この状況から脱するためには、何が必要なのでしょうか?伝えたいポイントを整理しておけば、パニックになっても大丈夫雑談も、時と場合によっては緊張したり、気持ちが焦って、「何を話せばいいかわからない」「パニックになって頭がまっしろになる」といったことが起きるかもしれません。

ここでは、相手が誰だとしても、また、緊張しても伝わる話をするためのよいトレーニング方法をお伝えします。

もっとも重要なのは「話のポイントは何か」を日頃から意識して話すことです。

お伝えしているように、人間は聞くのがヘタ。

集中力はもって2~3分です。

ですから、伝えたいことを全部話そうとすれば、時間が足りません。

そこで、何にポイントを絞るか、優先順位をつける必要があります。

つまり、本当に重要で伝えたいことと、そうでもない瑣末な情報とを分けます。

この分ける作業を行うときに役立つのが「情報の階層化」です。

具体的に見てみましょう。

Qあなたの持つ「強み」について、30秒でアピールしてください。

就職活動の面接などでやったことがあるかもしれませんが、自分の強みをアピールする一文を考えてみましょう。

ありがちなのは、こんな例です。

A「私の強みは、約束を守ることや、任された仕事をやり通すことです。

あとは責任感もあるほうだと思うので、始めたことを途中で投げ出したりしません。

それから、まわりの人とコミュニケーションをまめに取るようにしているので社交性もあり、笑顔がいいねと言われることもよくあります」……と、このように話すとどうでしょう。

思いついたようにポンポンと単語が飛び込んできているので、途中で何を言っているのかよくわからなくなると思います。

そこで、「情報の階層」を意識して整理してみましょう。

先ほどの表現がわかりにくいのは、異なる「階層」の言葉をごちゃ混ぜにして話をしているからです。

階層とは、その情報が意味する大きさのことです。

「約束を守る」「任された仕事をやり通す」「まわりの人とコミュニケーションをまめに取る」「笑顔(で人と接する)」は、それぞれ具体的なアクションを示す情報(第一階層)であるのに対して、「社交性」や「責任感」はもっと大きな概念(第二階層)です。

つまり、「社交性」や「責任感」は別の階層の言葉。

具体的なことがらをまとめるキーワードなのです。

そこで、階層を整理したうえで話をまとめてみましょう。

すると、このような話し方になります。

A「私の強みは、大きく分けて、〝責任感〟と〝社交性〟の2つがあります。

まず責任感については、今まで、どんな仕事もやり通すことを信念に、一度も投げ出すことはありませんでした。

また、社交性についても、意識的にコミュニケーションを取ることを心がけ、チャームポイントは笑顔です」……と、このように階層を整えてあげるだけで、話がわかりやすくなります。

これはどのような話題でも同じです。

階層を整理するためには図を使って行うと、とてもわかりやすくなります。

この方法は、一語一句話すことを暗記するのではなく、伝えるべきことだけに絞っています。

そのため、仮に人前で話しているとき頭がまっしろになっても、この図を見る、思い出すことで、話すべきことに立ち戻ることができるのです。

少しトレーニングが必要ですので、試しに次に練習問題を出してみます。

ぜひ、考えてみてください。

Q1「我が社の強み」について、次の情報を階層をそろえて整理してみてください。

Q2「人とうまく関わるコツ」について次の情報を階層をそろえて整理してください。

解答例は、巻末参照。

22脱・出たとこ勝負「超・実践編」で紹介したこと情報の階層を明確に分けることで話が整理される1同じ階層同士で並べる2階層を意識するためには図にしてみるとわかりやすい

雑談ゼミ3雑談力の差は、文化や人種の差ではないアメリカ人は、日本人に比べてコミュニケーションが上手だとされています。

これは実際に接してみて、本当によくわかります。

ある調査結果によると、日本人は1日あたり、家庭や職場で誰かと会話をしている時間が3時間31分だそうです。

一方、アメリカ人は6時間57分。

約2倍の差があります。

欧米人は日本人に比べてコミュニケーションに「照れ」がない人が多いですが、日常生活で倍の実践経験を積んでいるのです。

こうした結果を見て思うのは、日本人とアメリカ人のコミュニケーション能力の差は、文化や人種などの問題ではなく、単なる量の差によって起こる現象ではないかということです。

もちろん、文化的な要素などがあってこそ生まれる量の差ではあるのですが、事実、国際社会で活躍している日本人もたくさんいるわけで、「日本人だからどうにもならない」ということはないと思います。

ですから、雑談力を磨くには、とにかく実践あるのみなのです。

次の項目は、前作で「雑談力を高めるトレーニング」として紹介した日常での練習法です。

ここで、あらためて紹介をしましょう。

レベル1:エレベーターで乗り合わせた人に「何階ですか?」と聞くレベル2:お会計のときに店員さんと一言話す→「おいしかったです」ではなく、「お財布のひもが許せば毎日でも食べに来たいくらいですよ」など、店員さんに喜んでもらえる一言をレベル3:混んだ居酒屋で店員さんをスマートに呼ぶ→大きすぎず、小さすぎず、ちょうどいいボリュームで声を通すレベル4:知人のいない飲み会やパーティーに参加するレベル5:社内の苦手な人・嫌いな人と雑談をするレベル6:インプットしたことを人に話す・社内スピーチを行う→インプットした内容は、最低でも3回は話さないとものにならないレベル7:「謎かけ」を練習する→15でも紹介した「たとえ話」のトレーニングにも◎レベル8:結婚式などのフォーマルな会で挨拶やスピーチを行うこのように、日常で練習できる機会は、実はたくさんあるのです。

その機会を存分に活かすか、みすみすと逃してしまうか。

これによって、コミュニケーション能力は伸びも衰えもするのです。

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