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第3章商品発掘とその価値の伝え方

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第3章商品発掘とその価値の伝え方

商品探しは直感が大事

輸入ビジネスは、第2章で触れたように、日本独自の価格に対する窮屈さとは無縁です。さらに、しがらみや業界特有の慣習に縛られることもなく、あなたが自由に、メーカーとしてビジネスの仕組みをつくっていくことができます。

しかもBtoBですので、国内では輸入卸の立場となり、それによって少人数で運営でき、リスクも最小ですむのです。輸入ビジネスであなたに力を入れていただきたいこと、仕事の中心となることは、貿易業務でもなければ交渉術でも英会話でもありません。

市場調査とかマーケティングでもありません。あなたの仕事は、海外で商品を発掘すること。そしてその良さを日本でわかりやすく伝えて広めることです。他のことは、すべてアウトソーシングにしてしまってもいいぐらいです。

「誰でも参入が可能なこと、そしてたくさんの利点があることはわかりました。でも、私には海外へ行って売れる商品を見つける自信がありません」といった声も聞かれます。

どうやって商品を見つけるのか。この質問はセミナーでもとても多いので、しっかりお答えしていきましょう。

「これから何が売れるのか」を考えて商品を仕入れるという人もいます。時代を読んだり、直感を活かしたり……。ですが、私たちの輸入ビジネスでは、それを必要としません。

何が売れるかは、やってみなくてはわかりません。そもそも、私たちが決めることではなく、日本のお客様が決めることです。

第2章でも説明しましたが、輸入ビジネスには、2つの考え方があります。

  • 1つは、未来の世界へ行き、未知の商品を仕入れる。
  • もう1つは、過去の世界へ行き、既存の商品を今より安く仕入れる。

とくに未来の展示会へ行くときは、余計な先入観は不要です。未知の商品を前にして「売れるか売れないか」など即断できる人は、いるはずがないのですから。

自分として「これは新しい」「日本にはない」「いったいどう使えばいいのか」といった興味を持った商品なら、何でもいいのです。現実に私たちが想像のできないような商品が、展示会には並んでいます。

極論すれば、今もどこかで若き日のビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズのような人物が、とんでもない未知の製品づくりをしているかもしれません。

「今これが売れているから輸入しよう」では遅すぎます。

このやり方では、利益を積み重ねて長期にわたってビジネスにするのは困難です。大手企業などでは会議や稟議にかける以上、「わからないもの」を輸入するわけにはいきません。そこで「売れているもの」や「売れそうなもの」をデータや調査で明らかにして輸入しようとします。

しかし、時間をかけすぎると、せっかく輸入したときには熾烈な価格競争にさらされて、利益はとても薄くなってしまう可能性があります。

これは薄利多売ができるだけのパワーがある、大資本だけに可能なやり方です。私たちは100万円からはじめようというのですから、そもそもやり方が違います。売れるかどうかはわからない。

それでも、小回りが利くことを最大の武器とします。即断即決。会議も稟議も調査も不要です。過去へ行くときは、既存の商品との比較で、性能、品質、価格を見ていきます。

ただし、あなたがご自身でよく知っているもの(現在、仕入れている商品)で見つけることが大事です。そうでなければ、本当にいいものかどうかはわからないからです。商品を発掘すること、それを売ることができるのはあなたしかいません。

「そんないいものが、もう残っているわけがない」などと言う人もいます。ですが、商品は星の数ほどあるのです。世界各国で日々、新しい商品が生み出されています。いくらネット時代だからといって、私たちがこの場でそのすべてを把握することは不可能です。

なぜなら、メーカーも、「真似されたくない」と情報をストレートには出しません。そもそも中小零細企業では発信力自体が大きくない場合もあるからです。

まして英語圏以外の国や地域で売られている商品は、あなたが英語でネット検索しても見つからないでしょう。私たちが日本にいて知ることができるのは、すでに世界的に話題になっていたり、他の企業が日本で販売しようとしている商品だけです。

逆の場合を考えてみてください。日本でよく売れている商品のすべてが、世界中で売られているわけではなく、日本人しか知らないものもたくさんあります。

海外からきた旅行者はそういうものを発見して楽しみます。ガイドブックにも載っていない穴場は、日本にきて、日本に詳しい人から教えてもらわないとわからないでしょう。私たちも海外の展示会では、それと同じように行くたびに新しい発見があるのです。

2自分の興味のある「好きな」ものを選べ!

私は、商品発掘のコツとしていつも強調していることがあります。それは、「海外の展示会へ行き、その展示されている商品の中から何を選ぶかは、あなた自身の興味・関心のあるものにしてください」ということです。

「これは売れそうだな」と自分でなんとなく感じたり、「絶対売れますよ」とメーカーの人たちが自信満々に売り込んできたり、誰かが「これ、いいよね」と言ったりする声を耳にする中にあっても、最終的に選択するのはあなたの興味・関心の延長にある商品にして欲しいのです。

「絶対に売れるものを見つけたい、失敗したくない」とプレッシャーを感じていると、自分の考えとは違う商品を選んでしまう危険性があります。

それどころか「自分では選べない!決められない!」となってしまう場合もあるのです。売れる商品がわかれば苦労はありません。商売の醍醐味は、それがわからない点にあるのです。

もちろん、ヒットすれば「私には売れるとわかっていました」と鼻高々で言っても構いません。ですが、それは結果論です。

そもそも超能力者でもないのですから、事前にわかるわけがないでしょう。これが売れるだろうか、こっちが売れるだろうか、やってみなければわからない。だからこそおもしろいのです。

言い方を変えましょう。自分とまったく無関係な、未知の分野の商品は避けなければいけませんが、あなたが簡単に想像できてしまうような商品も避けましょう。自分で想像したとおりの商品があれば、それはすでに日本のどこかで売っている普通の商品です。

しかし、欧州の展示会へ行くと、日本の私たちの想像を超えた商品が並んでいます。

今の私たちには想像もできない商品なので、それが売れるかどうか、誰にもわかりません。商品を眺めることで、はじめて気づくことがあります。この気づきが重要です。

最初から目利きである必要はありませんし、目利きのふりをするのも危険です。

「これは売れるね。これはダメだね」と簡単に言いきるのはとても危ういことで、「売れるかどうかわからない」が正解です。

以前から興味・関心のある分野なら、商品のどこが新しく、どこがユニークで、どんな条件であれば「欲しい」と感じるのかは、わかるはずです。

「他の人はいざ知らず、自分はこれが欲しい」と思えるかどうか。そこがきっかけとなります。腕時計に興味があるなら、時計関係の商品に自然とアンテナが働くはずです。ファッションでも、服なのか、カバンなのか、靴なのか。どういうものに自分自身が日頃から興味・関心を持っているかを、あらかじめ確認しておいてください。

「何に興味があるのか?」と悩むことはありません。とても簡単な方法があります。それは百貨店や量販店などを歩いて、ウインドーショッピングをするのです。自分の関心がどこにあるか、どういう商品に心を惹かれるか、明らかになります。

同時に日本で、どのような商品が手に入るのかを確認できますので、海外へ行っても「これはすでにある」と判断ができるようになります。専門分野・得意分野から選ぶのもいいでしょう。

Fさんは、もともと長く酒屋さんをしていました。

輸入ビジネスをはじめようと考え、日用品主体の展示会へ行きましたが、ピンとくる商品に出会えませんでした。そこで、有機、オーガニックなど先端的な農業技術によって生まれた食品を扱っている展示会に参加してみたのです。

すると心の中で思わず、こう叫びました。

「これはすごい!すばらしいチーズやワインの宝庫だ。日本では見たことがない!」Fさんは大喜びです。自分の得意分野が活かせるので、商品探しに夢中になっていきました。

あなたの本業に近いもの、知識や経験を活かせる展示会へ行くほうがいいでしょう。自分の専門に近い分野で商品を探し、日本でこれを売る段階では、それを「わかりやすく」説明します。

ビジネスとして広く普及させたいのなら、専門的な解説ではなく、わかりやすいアピールポイントを発見することも大切です。

専門的な知識によって発掘した専門的に優れた商品でも、わかりやすく伝えられなければ、売れません。売る相手は専門家ではないのですから。

理解できた知識のある人しか買わないのなら、ビジネスとしては規模が大きくなりません(もちろん、それでいいというケースも稀にありますが)。

例えば、フランスからチーズやワインを輸入するときに、その製法などの専門的な話は背景としてはあってもいいのですが、消費者の心を動かすのは、味であるとかオーガニック、健康志向などわかりやすいポイントです。

「少々高いけど、健康にいいんだって」と興味を持った買い手が、さらに深く興味を持ったときに専門性が必要となってきます。

ただ自分の専門分野、得意なこと、造詣が深い分野から選択する際に注意しなければいけないことがあります。それは、儲からなくても続けてしまうことです。

自分の興味がある分野だけにのめり込みやすいのです。それはいけません。必ず撤退ラインを事前にきちんと決めて、取り組んでください。いくら好きなものでも、売れないものはビジネスになりません。

最初は、自分の趣味で好きな商品を見つけ、それを日本の展示会で、買い手の人たちに納得してもらえるか、どんな反応をしてくれるのかを見ていきながら学ぶのです。

3商品は簡単なものを選べ!

●規制の少ない分野がオススメ

興味・関心のある分野でも、はじめての輸入ビジネスでは、規制の少ない分野を選びましょう。

法的に輸入ができないものは当然ダメですが、輸入できるとされていても手続きに大変な労力が必要なものは、できるだけ避けるのが賢明です。例えば健康分野でも、医薬品にからんでくると法規制によって簡単には輸入できません。

食品関係でも、法規制がからんできて、検疫その他、輸入にかなり手間がかかる場合があります。基本的に食べ物は、生ものを避けるべきです。

動植物も検疫が必要なものは避けておくのが無難です。化粧品、電波を発生する装置なども予備知識のない場合は、避けて欲しい分野です。

日本輸入ビジネス機構(JAIBO)のホームページでは「輸入禁止品目」の一覧が入手できます(https://jaibo.jp)。

また税関のホームページでは、輸入禁止品目の他、関税や輸入手続きについてもさまざまな情報が載っています(https://www.customs.go.jp/)。

輸入が禁止されているもの以下のものについては、関税法でその輸入が禁止されています(関税法第69条の11)。これらの禁止されているものを輸入した場合には、関税法等で処罰されることとなります(関税法の罰条)。

1.麻薬、向精神薬、大麻、あへん、けしがら、覚せい剤、あへん吸煙具2.指定薬物(医療等の用途に供するために輸入するものを除く)3.けん銃、小銃、機関銃、砲、これらの銃砲弾及びけん銃部品4.爆発物5.火薬類6.化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律第2条第3項に規定する特定物質7.感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第6条第20項に規定する一種病原体等及び同条第21項に規定する二種病原体等8.貨幣、紙幣、銀行券、印紙、郵便切手又は有価証券の偽造品、変造品、模造品及び偽造カード(生カードを含む)9.公安又は風俗を害すべき書籍、図画、彫刻物その他の物品10.児童ポルノ11.特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、著作隣接権、回路配置利用権又は育成者権を侵害する物品12.不正競争防止法第2条第1項第1号から第3号まで又は第10号から第12号までに掲げる行為を組成する物品(注)上記の他に医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律、植物防疫法、家畜伝染病予防法などにおいても輸入が禁止されているものがあります。

また、違法ではないと称して販売されているハーブやアロマオイル、バスソルトなどの商品の中には、「麻薬」や「指定薬物」にあたり、輸入が禁止されているものがありますので、ご注意ください。

●小さくて、軽くて、価値の高いものがオススメ

これから商品を発掘するとき、狙い目は、CLV(Compact,Light,Value)。つまり小さくて、軽くて、価値の高いもの。いわゆる価格差がつけやすいものです。

商品の大きさ・重さは、輸送コストに大きく関係してきます。海外からの輸入品は、航空貨物か貨物船で運ばれます。このときに輸送費用をできるだけ少なくできるように、コンテナ単位を目指しましょう。コンテナを満載にすることによって、1個あたりの運賃は劇的に安くなります。

例えば、フランスから本を1冊届けてもらおうとすれば、本の価格以上に高額な輸送費がかかるかもしれません。だいたい1冊あたり1万円ぐらいでしょう。

ですが、3万3000冊輸入するとどうなるか。1冊あたりの輸送費は3円ぐらいまで下がります。ほぼ無料のようなものです。これは、日本国内でのビジネスではありえない現象です。

国内では大きさ、数と距離の掛け算で決まってきますから、たくさん仕入れるとそれだけ輸送費もかかります。

一方、輸入ビジネスは、一定のロットにまとめることで、1個あたりの輸送費を限りなくゼロに近づけることができてしまいます。1つ乗せても、3万個乗せてもコンテナ1個の運賃は同じなのです。容量いっぱいまで積めれば、輸送費は最小となり、利益は最大となります。

つまり、コンテナにたくさん個数を入れられる商品ほど、1個あたりの輸送コストがゼロ円に近くなっていきます。

売り上げが大きくなり、大量に輸入できるようになれば、1個あたりの輸送費がどんどん減るので、それだけ利益が増えることになるのです。

軽い商品は、運賃以上に取り扱いが楽なので、あなたがサンプルを持ち帰るときにも便利です。いい商品でも「重い」というだけで、かなり商機は減ってしまいます。

小さくて軽い商品なら、あなたがご自身のスーツケースに何十個も入れて輸入することもできます(もちろんちゃんと税関で申告します)。

例えば相手のメーカーが香港にあるのなら、週末の旅行を兼ねてぶらっと飛行機で行き、メーカーを訪ねて注文していた品を直接受け取って、文字通り「買いつけ」て帰国することも可能です。

商品は、仕入れ価格に関係なく、日本市場で高く売れるもの、高く見えるものを選ぶべきです。とくに、小さくて軽い商品を探すにあたっては、価値はとても重要になります。どうしても小さい商品は安っぽく見えてしまうことがあるからです。

ところが、宝飾関係などでは、小さいのが当たり前でしょうし、価値ある宝石などを使っていれば、小さくて軽くても、高く売れるものです。

そうした商品を念頭に置くのです。

例えば「どう見てもこれは、日本の百貨店なら1万円以下では売っていない商品だけど、ここでは1000円で買える」といった商品を中心に探してみるのです。

●流行を狙う商品選びは難しい

これから流行りそうなものに特化して、スピーディーに輸入するというやり方も考えられますが、はじめて輸入ビジネスに取り組む人にはオススメできません。確かに外国で流行しているものは、日本でも売れる可能性があります。

「こんなものが流行っているんだ、おもしろい!」と思って輸入したくなるかもしれません。実際、ブームになったものを見ていくと、アメリアかドイツで流行したものが多いことがわかります。

例えば「ビリー・ザ・ブートキャンプ」は、ある通販会社が最初に輸入したのですが、アメリカで流行していたものを日本に持ち帰り、一大ブームになったのです。

爆発的に売れることで、短時間で財をなす可能性もありますが、すべてがヒットするとは言えないのも事実。私たちはヒット商品の話ばかり聞きますから、その陰で消えていった商品のことはほとんど知りません。

なぜか日本ではヒットしなかったものもかなり多く、「現地で流行っている」だけでは、手を出しにくいのです。チャレンジするのであれば、外れたときのリスクも考慮してください。

例えば、いきなり大量発注したりしなければ、損失は最小限ですみます。まずはサンプルだけにして、日本市場の反応を見てから徐々に拡大すれば、リスクを減らすことができるでしょう。

4常に市場を意識しろ!

私たちがどれだけその商品に惚れ込んでも、売れなければビジネスになりません。売れるか売れないか。それは市場が決めるのです。海外で手に入れたサンプルを国内の展示会に展示することで、市場にお披露目できます。

日本中から優れたバイヤー、力のある販売業者などがやってきて、それを見てくれます。その結果、売れる商品が決まっていきます。日々、「お店に並ぶ商品」や「買いにくるお客様」と接しているプロたちは、シビアで、確かな目を持っています。

私たちが「これが売れる」と決めつけるのではなく、そのプロたちに「これは売れる」と思ってもらわなければなりません。私たちは、そのために現地に飛んで海外メーカーの人たちと話をし、サンプルを取り寄せているのです。

「これは日本にはない!少なくとも私は欲しい!」と思う商品に出会えたとしても、すぐに大量発注してはいけません。あくまでサンプリングにとどめてください。

サンプリングした商品を、誰にでもわかりやすく欲しくなるようにアピールすることも、あなたの大切な仕事です。

海外メーカーが主張している商品の優れた点が、そのまま日本市場で通用すればいいのですが、日本市場に存在していない未知の商品であればあるほど、それでは通用しない可能性が高くなります。

例えば「砂時計」。

あなたは、どういう場面で砂時計をご覧になりますか?サウナですか?欧州へ行くと、日本ではあまり見ることのない砂時計をかなりたくさん見ることがあります。

紅茶を楽しむ文化があり、蒸らす時間を計るために、さまざまな砂時計が日常的に使われているのです。海外のメーカーはそれを常識として出展しています。

でも日本では、砂時計を使用するシーンもメリットもピンとこない可能性があります。商品を気に入ったとして、日本でどのように売るか。あなたは何かしら工夫をしなければならないでしょう。

5商品にどんないい部分があるかを見つける方法

商品にどんないい部分があるかを見つける方法はいくつかありますので、紹介しましょう。

●新しさはあるか?新奇性です。

商品に本当の意味での新しさがあるか。あなたが認識不足で知らないだけで「新しい!」と思っているのではなく、正真正銘の新しさを見つけてください。サンダルが穴だらけ。と言えばクロックスですね。今は誰もが知っています。

ですが、クロックスが日本にやってくるまで、穴のあいたサンダルはありませんでした。このように、日本にあふれている商品でも、どこかに新奇性があれば、そこをウリにできます。

日本の「ものづくり」は伝統が長いこともあって、洗練されてムダのない、ある意味遊び心の少ない商品が多いので、海外へ行くとびっくりするような商品を見つけることができます。

●珍しさはあるか?希少性です。

他にないもの。しかも、そもそも量が限られているもの。そこに私たちは魅力を感じます。「限定」とか「これだけ」と言われると、ついサイフが緩むものです。

希少性には、珍しい原材料が使われているといったことだけではなく、職人が少ないので年に何個しかつくれない、といったものもあります。

もし稀少な商品なら、価格をさらに高くつけることも可能でしょう。コレクターにとって集めたくなるような希少性も重要です。

●独自性はあるか?他にはないもの。

これは強いですよね。オリジナリティ、ユニークさ。特許などに守られていて誰も類似品を出せない商品などです。これを日本に初上陸させることができれば、それだけでもあなたのビジネスにはとても大きなチャンスとなります。

●信頼性はあるか?

海外の未知のメーカーがつくる未知の商品で、もっとも心配されるのは信頼性、つまり信用度です。「そのメーカー、大丈夫?」とか「その商品、大丈夫?」と誰もが思うでしょうから、それを払拭できる材料が欲しいのです。

例えば海外の現地では何万個も売れている、あるいは100年前から使われているといった実績は信頼の根拠になります。

加えて、王室御用達であるとか、さまざまな受賞歴、客観性の高い評価機関によるお墨つきなどがあると、伝わりやすいでしょう。

これといったものがない場合は、顧客満足度を調べたり、リピーター率を調べるなどしてデータで補うのもいい方法です。メーカー側に相談して、そのようなデータが出せるかどうか確認してみてください。

●時代を感じさせるか?

今を感じる商品であるかどうか。今こそ求められている商品であれば、それだけでアピールできます。現地ではすでにピークをすぎていたとしても、日本では歓迎されることもあります。

さらに「1周回って」、日本では以前に類似品があったのに忘れ去られているようなレガシーな商品も可能性があります。

親の時代にはよく使われていたものが、子の世代では手に入らないこともあるでしょう。ですが、子の世代にとってはそれが新鮮で魅力に感じることもあるのです。

例えば日本の国内で最近ラジカセがかなり人気になっていて、カセットテープとラジカセを欲しいと思っている若者も増えています。このような時代のニーズに合致しているかをチェックしてみてください。

●役に立つか?

今の日本で役に立つ商品なら、それだけで売れそうですよね。百均をはじめアイデア家電、アイデアキッチン用品など、さまざまな役立つ商品であふれている日本ですが、まだまだ世界には役立つ商品が、日々生み出されています。それをいち早く見つけてくることができれば、スムーズに販売に辿り着けるでしょう。

●物語はあるか?

人はストーリーで感動し、ストーリーに心が動き行動へとつながります。アップル社の製品とスティーブ・ジョブズの物語は切っても切れない関係があり、そこに人々は魅力を感じてきました。ウォルト・ディズニーに対するあなたの気持ちも、同様でしょう。

そこまで知られていなくても、商品に物語があれば、それはとても優れたウリになります。商品が誕生するまでのストーリー、それを製造しているメーカーの生い立ち、創業者たちの物語、あるいは利用者の物語でもかまいません。

その商品によって人生が変わったとか、何か大きな悩みが解決した話があるなら、それもきっと商品の魅力として多くの人に伝わるはずです。

6価値は伝えなければわからない

輸入ビジネスであなたにしっかりと力を入れていただきたいのは、商品の発掘とそれを日本でしっかり広めることです。「商品の価値を理解して広めるのは私だ!」くらいの気持ちになれれば、どの商品を扱うか、絞り込めるはずです。このときに注意したいのは、「完璧な商品(製品)」を求めないことです。

ヒット商品を見ればわかるように、売れる商品は、完璧さで売れているわけではありません。どんな商品もメリットだけということはありません。メリットもあればデメリットもあります。

そして、メリットが今の自分たちにとって魅力的なときに売れるのです。iPhoneが最初に紹介されたときのことを覚えている人はいますか?あれのどこが完璧だったでしょうか。当時は日本の携帯電話のほうが優れていました。

電話機能からおサイフ機能、さらにネット通信の機能などすばらしい完成度でした。ですから、「あれは携帯電話じゃない。機能も劣っている」と言った人もかなりいたのです。

でも、売れたのはiPhoneであり、今なお残っているのもiPhoneです。日本の完璧な携帯電話はガラパゴス化して消えていったのです。

「ものづくり」を伝統とする日本で生まれ育っていれば、完璧さ、最高の品質を求める気持ちはわかります。ただ、どんなものでも、最初から完璧だったわけではありません。「こんなものダメだ、使えない」と言われたものが、やがて「最高だ、これしかない」になっていくのです。

そのプロセスに関わることができるのも、輸入ビジネスの醍醐味です。デメリットを凌駕するメリット、つまりその商品の魅力をしっかりと伝えることで、あなたが発掘した商品は、日本でも売れていくでしょう。

ですから、「自分にはわかる魅力」を大事にして欲しいのです。この章の最初に「得意分野を活かして商品を探してください」と申し上げました。さらに「興味・関心のある商品から発掘していってください」とお願いしました。

それは、あなたが日本でその商品を売るときに、得意分野の知識、興味や関心から得た情報や独自の視点などが役立つからです。どれほどいい商品でも、他人の言葉で訴えては響きません。

この商品の良さを最初に認めて、それを信じているあなたがご自身の言葉で伝えることではじめて響くのです。訴求力などと言いますが、商品にはそもそも訴求力があります。あるはずなのです。

それを引き出せないと、いくら性能が良くても、品質が良くても売れません。商品発掘時に意識していただいた商品の特性を思い出してください。

新奇性、希少性、独自性、信頼性、時代背景、有用性、物語。

この中のいくつかを前面に出して伝えていきましょう。

BtoBのビジネスだからこそ、こうしたことをしっかりやることが大事になります。あなたが営業する相手は、小売店の店長であったり、百貨店や大手小売店のバイヤーであったり、全国規模の経営をしている企業であったりするのです。

その人たちはあなた以上に「売れる商品」を探しています。この人たちに響かない商品は、売れません。彼らも日夜いい商品を探しているのですから、その人たちに向けてきちんと価値を伝えるのです。

「どうやって売ればいいのかわからない」と困らせる商品ではいけません。実は、おもしろい現象が起きることもあります。

あなたが海外メーカーの主張しているメリットとは違う『商品の「ここがいい」』を発見することがあるように、販売店の人たちが新たな「ここがいい」を発見してくれることがあるのです。

まさに商品の再発掘と言うべきでしょう。これは、輸入ビジネスならではの、楽しみの1つです。

商品発掘時に押さえておきたい3つの「ない」

商品の発掘について、最後に3点、輸入ビジネス特有の考えをお伝えしておきます。一般の常識とはちょっと違う点もありますので注意してください。

①商品にフォーカスしすぎない

商品にだけフォーカスして選んではいけません。矛盾するようですが、ここは線引きをきちんとしていきましょう。

自分が惚れ込むほどの商品を見つけたとして、まして自分の得意分野だったり興味の対象だったりしたとき、「どうしても私が日本に紹介したい!この商品でビジネスがしたい!」と思うかもしれません。

そんなときであっても、そのメーカーがどんな相手なのかも併せて見極めましょう。なぜなら取引しにくい相手に、泥沼のような交渉に引きずり込まれてしまうことがあるからです。

気に入った商品をどうしても輸入したいという気持ちはわかりますが、相手にその気がない場合や条件が厳しい場合には、自分のビジネスにはならない、ときっぱり諦めてください。

誤解を恐れずに言いましょう。商品よりも人で選ぶことです。商品に惚れるやり方は、BtoCのやり方ではうまくいくかもしれまん。

しかしBtoBでは必ずしもそうとは言えないのです。BtoB取引においては、一過性の取引ではなく、継続させていくことが大事です。長期にわたって関係が続けられるメーカーを選ぶことが大切なのです。

商品だけにはこだわらず、そのメーカーのコンセプトや人柄を見て交渉をしていくのが結果的にはベストです。今展示会で見た1つの商品は確かに重要ですが、それだけではビジネスパートナーとしてふさわしい相手なのかはわかりません。

メーカーの姿勢、バックグラウンド、過去の商品など総合的に見ていき、長いつき合いを目指してください。人に惚れて、会社に惚れたほうが、商品に惚れるより現実的に長い目で見ると成功しているのです。

「これがいい!」と商品に惚れ込んで相手の姿勢を見ずに取引を開始して、あとあと取引条件で揉めたり、不良品率が高くてビジネスにならなかったり、思わぬ落とし穴にハマってしまうということもあるのです。

良好な人間関係に基づいて契約をしていくと、例えば取引条件や不良品問題などについても、相手は誠意を尽くして対応してくれます。

前回、不良品で迷惑をかけたからと、次の発注時に値引きをしてくれるなど、お互いにパートナーとしていい関係を保とうとするのです。

こうした関係性が生まれることで、あなたの輸入ビジネスはより多くの利益を生み、多くの人に喜ばれるビジネスに発展します。商品には寿命がありますし、さまざまな事情から製造や販売ができなくなる場合もあります。

でも、人間関係はお互いに生きている限り続きます。ここがもっとも重要なポイントなのです。ちなみに、輸入ビジネスでは、基本的に返品なしの完全買取となっています。

というのも、もしあなたが返品しようとする場合には、再び送料に加えて通関などの手続きが生じてしまうからです。メーカーサイドからすれば、返品は輸入になります。

そこまで手を煩わせることなく、不良品があれば日本で廃棄処分し、そのことをメーカーに伝えて善処してもらうように依頼するのが実務的な処理の方法になります。こうした事態を乗りきるためにも、人との関係性を重視して欲しいのです。

②包装があって当然と思わない

海外のメーカーは、製品を包装なしの裸状態のまま出荷する場合があります。日本の市場では、それはありえません。メーカー出荷時にきちんとした包装がされているのが前提ですよね。ところが、海外のメーカーにおいては、包装はほとんど考えられていません。

できあがった製品を、簡易な梱包で出荷することも多いのです。まして日本のように、ギフトボックスに入れる発想などほとんどありません。

ですから、何も指示をしないで輸入すると、1個10万円もするような高級品ですら、裸状態で送られてきてしまうことがあるのです。

もし、日本に到着後、私たちが日本市場に対応できるような包装をすると、大変な労力とコストがかかってしまいます。とても少人数ではやれませんし、せっかくの粗利も半減です。

海外メーカーと取引をするときは、商品のパッケージ、荷姿まで確認すること。アメリカではいいパッケージを用意しているメーカーも多いのですが、欧州では必ずしもそうではありません。

一方で、デザイン重視のメーカーは、パッケージを含めて美しくデザインしている場合もあるので、この点についてはしっかり確認をしてください。

③値引き交渉からはじめない

交渉と言えば値引き、と考える人が多いのも日本の特徴です。「1ついくら?じゃ、100個なら?」とすぐ値引きの条件を確認しはじめるのでしょうが、輸入ビジネスでは避けなければなりません。

それよりも交渉の最初は、商品の確認です。販売時に不都合のない商品であることをきちんと細部まで詰めていきましょう。値引き交渉は最後の最後です。

あなたは、海外で値引き交渉をしたらどうなるかおわかりですか?価格の交渉をはじめたら、相手はてっきり「即決するんだ」と思うのです。この場で決めるなら、という前提で話をしています。

「いくらですか?」「10ドルです」「5ドルになりませんか?」そして相手は熟考の末、「じゃあ、今回は5ドルにしましょう」と言ったとしたら、その場で契約するのが世界の常識なのです。

「いや、わかりました、持ち帰って検討します」と日本的に対応すれば、「なんだ、買う気もないのに価格交渉か」と相手は不快感を持ちます。

信頼関係に基づいたパートナーとして長期にわたって仕事をしたいと考えているわけですから、最初からこんなことではうまくいくわけがありません。

価格は最後。

それよりも商品の性能、品質、荷姿、メンテナンスなど、それ以外の細部をきっちり確認するのが先です。そもそも、最初はサンプルしか買わないのですから、価格について仮定の話をしても意味がないでしょう。

そして日本で売れるようになれば、はじめてメーカーも「たくさん買ってくれるなら割引きする」と考えるようになるのです。

また、こちらが商品について細部まで確認し、熱意を持って相手に「日本の展示会に出したい」と言えば、「じゃあ、今回はこのサンプルを無償でお送りしますよ」と言ってくれることもあります。

メーカーとしては、自分たちが日本へ行って展示会に出展するコストを考えれば、サンプル提供ぐらいは大した出費ではないと考えるかもしれないのです。

彼らからすれば、これまで日本の展示会には、出展したとしても国や地域単位のブースにサンプルだけの展示が多かったはずです。

ですから、自社のサンプルだけできちんと独立したブースがあって日本人担当者が常駐してくれるのは、うれしいに違いありません。

私の経験では、「よかった、自分たちではどうにもならなかった」と喜んでくれるメーカーがほとんどでした。日本の展示会に海外メーカーの社長がやってきてくれることもあります。

そうなると数あるブースの中で、外国人の担当者のいるブースは少ないですから、それだけでも目立ちます。いかにもそのメーカーの日本の代理店という感じも出せます。値引きについては、最後の最後。

「日本の小売店などから高いと言われている」といったことや「日本では似たような商品がこの価格で売られている」といったことを伝え、交渉するべきでしょう。

お互いの立場を理解してこそのパートナーです。こちらから日本の流通や市場のことをフィードバックしていくことで、理解をしてもらうのです。

実績を上げる、熱心に販売活動をしてくれる、といった実績の積み重ねによって、海外メーカーもあなたのことをパートナーとしてより一層信頼してくれるでしょう。

価格だけの交渉などより、パートナーとしての協力を仰ぐほうが、将来にわたっていい関係が保てます。

輸入ビジネスの実践者たち③一度の展示会で210万円の商談成立。

着々とファンを増やし販路を拡大中◎polestar(ポーラスター)代表岡村糸玖子さん(https://www.escorajapan.com/)ポーラスター(静岡県磐田市)の代表・岡村糸玖子さんは、会社員をやめて輸入ビジネスで起業しました。

問屋を通さずに小売店に直接販売することで、高い収益を保っています。

──いつから輸入ビジネスをスタートされたのでしょう?2017年にパリで開かれた世界のランジェリーが集まる展示会へ行き、そこで発掘したドイツとオーストリアのものを輸入したときからです。

ドイツのESCORA(エスコラ)の正規輸入代理店となり、日本で紹介しています。

──思いきった独立ですが、きっかけは?それまで、イタリアの洋服を販売員として売る仕事や、事務・経理の仕事をしていましたが、以前から欧州のランジェリーを扱いたいと興味は持っていました。

いつかやるでは実現できないので、思いきってやることにしました。

──不安はありませんでしたか?英語など外国語ができないことは心配していました。

また、BtoBの企業向けの営業はしたことがなかったので、少し不安でした。

──実際にはじめてみて、その不安は克服できたのでしょうか?言葉は通訳を依頼することで、なんとかカバーできました。

メールもはじめは翻訳の専門家に依頼していたのですが、何度かやりとりをするとパターンがわかってきて、今は自分でやっています。インターネットの翻訳なども活用しています。今のところ問題なくやれています。

営業面については販路開拓関係のセミナーに参加するなどして勉強しながら、「国際アパレルEXPO」などの国内展示会に何度か出展して、販路を広げています。

──ご苦労された点はありますか?相手が外国メーカーなので、意思疎通では難しいと思うことはあります。

お客様からオーダーがあったのに、勝手にキャンセルされたことがありました。その商品の製造を取りやめた、と言うのです。これでは信頼を失いますので、苦労しました。製造をやめる商品については、事前に教えてくれるように頼んで、最近はだいぶ改善されてきました。

──現在の展開は?2018年の秋冬に210万円ぐらいの引き合いがあり、そこから販路を広げていきました。

今は、委託先を含めてランジェリーショップ、洋服のセレクトショップなど11の小売店さんに納品させていただいています。たくさん買っていただいたお店には、こちらから積極的に営業活動を継続しており、リピートも増えてきました。また、地元で販売会も開催しています。今後は、ESCORA(エスコラ)ランジェリーのファンを増やしながら成長していくのが理想です。

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