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第3章初心者でも必ずできる「基本」と「秘訣」を完全公開!

★魚住式朗読トレーニング、「3つのステップ」は?魚住式朗読トレーニングは、次の3ステップに分かれます。いきなり「❸朗読」をするのではなく、「❶黙読」「❷音読」というステップを踏んでから「❸朗読」に入ります。なぜこのステップが必要なのかというと、最初に内容を理解してから「どう伝えるか」というプランを練るからです。そのプランの立て方も、「各自ご自由に……」というものではなく、魚住式のメソッドがあります。このやり方をなぞるだけで、誰でも相手の心に響かせる朗読が可能となるのです。私は仕事で渡された原稿も、必ずこの3ステップの作業を行ってから、本番にのぞみます。よほどの事情(生放送で急に事件が起こって原稿が差し替わったなど)がなければ、渡された原稿をそのままで読むことはありません。短い時間でもサッと黙読し、軽く声に出して読み、意味をつかんでからニュースを読みます。さあ、それではステップごとに紹介していきましょう!朗読する前に、まず行ってほしいのが黙読です。ここでは題材として偉大なる経営者・松下幸之助氏の『松下幸之助「一日一話」』(PHP総合研究所編、PHP文庫)から、「師は無数に存在する」を取り上げます。私自身が小さいながらも会社を経営しているので、この本を常に傍らに置いて、自分を戒め、また時々、自分の練習として朗読もしています。みなさんに自信をもっておすすめできる「朗読用に最適の原稿」です。

朗読するにあたって、その前に原稿をどう黙読すればいいのか。黙読は内容を理解するために行うもので、次の3つのポイントがあります。何が書かれているのか、何をいいたい文章なのか、筆者の意図をくみ取りながら読みます。全体の情景を把握する「マクロの視点」と、言葉一つひとつの意味を考えるといった「ミクロの視点」の両方を意識しましょう。私の場合は、そこに描かれている内容を脳内に映像で思い浮かべて、想像力を駆使して読み進めていきます。段落ごと(改行ごと)、あるいは一文ごとのもつ意味、役割を考えていきます。文章は、段落ごと、一文ごとに「導入」「問題提起」「具体例」「補足」「結論」などの意味、役割をもっています。たとえば、今回の例文であれば、次のようになります。

「この段落(文章)では何が書かれているのか」をざっと把握すればOKです。たとえば私の場合は「あらゆるものから貪欲に学ぶ気持ちを大事にすること」「常に成長しつづける大切さ」などに気づきました。ちなみにこの作業を続けていると、驚くほど国語力がつきますよ!次に「この原稿を読んだ自分が、相手に何を伝えたいのか」を考えます。とはいえ、難しく考える必要はありません。自分がその文章の中で、著者に共感したこと、気づいたこと、感動したことなどを考えてください。「ステップ1黙読」で内容を把握したら、次は音に出して読んでいきます。この作業では「書き込み」をしていきます。手元にボールペンかマーカーをご用意ください。ボールペンは赤や青など、色つきのものをおすすめします。これには5段階あるので、順に説明していきます。黙読はできても、原稿を実際に声に出して読んでみると、すんなり読めないことは多いものです。主に次のような箇所をチェックしてみましょう。・読めない漢字・はじめて知る言葉・苦手な発音・読みづらくて引っかかる、嚙んでしまう箇所・切り方によって意味が変わってしまう箇所とくにどこで切るか、どこで息を吸うか(ブレスするか)は重要です。たとえば、次の文を見てください。「大きい黒い眼のかわいい女の子」

この文章は「どの箇所で切る、または息継ぎをするか」で文章の意味が変わってきます。文章の意味を考えて、間違った情報にならないよう、切りどころを正確にしてから読む必要があります。決して自分の呼吸のテンポ(リズム)で好きなように切ったり、息継ぎしたりしないように気をつけてください。次は、「強調したい部分」をマークしていきます。どんな文章でも「聞き手に絶対伝えたい大切な言葉や文章」と「もしも相手が聞き取れなかったとしても大丈夫な、重要度の低い言葉や文章」で構成されているものです。300文字の短い文章であっても、すべてを強調して力強く読み上げたのでは、聞き手は疲れてしまい、かえって伝わりません。「強調したい部分」はエネルギーを高くしてしっかり強調し、「聞き流してもらってもいい部分」はエネルギーを落として、さらっと読むのがコツです。そして、強調するコツと記号は、私の場合、次の6種類があります。「強調したい部分」は、少し高めの声にします。高い声はエネルギーをもっているので、言葉を際立たせる効果があります。でも、じつはこれ、みなさんが普通に会話するときにも使っているテクニックなのです。「強調したい言葉」は、自然と音が高くなるもの。朗読の場合は、ただ高くするだけでなく、前後を少し低めにすることで、さらにその言葉を強調します。さらにこのとき、練習では「手の振り」をつけると、やりやすくなります。声を高くしたいときは手を上げ、低くしたいときは手を下げるなど、軽く手を上下して、音の高低をコントロールするのです。ぜひ試してみてくださいね。「強調したい部分」をゆっくり、はっきりと発音します。念を押すような感じです。これによって聞き手は「ここの部分が重要なのだな」と認識します。これも「ややゆっくり」と「かなりゆっくり」では違いがあり、「かなりゆっくり」のほうが、強調度合いが高まります。どのぐらい強調したいかによって「ゆっくり度」に強弱をつけるのもいいでしょう。「強調したい部分」の音量を上げ、大きく、強く発音します。これも「やや強く」なのか、「かなり強く」なのか、どのぐらい強調したいかによって調整します。「やや強く」より「かなり強く」のほうが、強調度合いは高くなります。「強調したい部分」の直前に、一瞬「ポーズ」をとる(間をおく)テクニックです。一瞬の沈黙があると、聞き手は「何かな?何か起こったのかな?」と注意を引かれます。それが次の言葉や文章への期待感となります。このポーズも、どのぐらい時間をとるかによって強調の度合いが変わってきます。たとえば、短く一呼吸とるより、2~3秒とるほうが強調の度合いは強くなります。

「ここぞ」とばかり、最大級の注意を引きたい場面では、思いきってしっかりポーズをとってみましょう。ポーズをとるといっても、最初は勇気がいると思いますが、実際にやってみると、かなりの手ごたえが感じられるはずです。「強調したい部分」に声色をつけます。その部分だけ、気持ちをぐっと込めるのです。たとえば明るく楽しい場面なら「高い声」でニコニコしながら読み、暗く重い場面では「低い声」でトーンを抑えめに読みます。また、読点(、)があっても、あえて続けて読んだほうが伝わりやすい場合は、「」の記号を入れます。読点があるが、区切りをつけずに続けて読むようにするのです。今回の朗読用原稿なら、私の場合は次のようになりました。

この書き込みに合わせて音読していくのです。記号は、これでなくても構いません。自分のわかりやすいものでいいと思います。「プロミネンス」(大事な言葉や文章を強調する)の習慣をつけようちなみに、この「大事な言葉や文章を強調する」ことを「プロミネンス」といいます。少々乱暴な言い方をすれば、適切なプロミネンスを行い、大事な言葉や文章さえ相手に聞き取ってもらえれば(記憶に残れば)、言いたいことが正確に伝わり、理解してもらえるのです。極端な話、それ以外は、ぼーっと聞き流してもらっても大丈夫なのです。じつは英語を話すとき、このプロミネンスがオーバーなほどされています。なので、英語のリスニング(聞き取り)では、強調されている単語だけ聞き取れれば、だいたいの意味が理解できることが多いです。しかし日本語はあまり抑揚をつけないで話すので、あらためてプロミネンスする習慣をつけると、言いたいことが正確に伝わりやすい話し方になります。「プロミネンス」とは、いってみれば必要なものを「拾う」作業と、必要でないものを「捨てる、流す」作業です。声に出して読みつつ、ボールペンで「強調したい箇所」に印をつけていきます。「この作業は黙読で行ってもいいのでは?」と思うかもしれません。しかし、黙読では難しいものです。実際に音に出さないとわからないことが多々あります。私は「強調したい箇所」を□で囲むようにしており、例文でも□で囲んでいます。ただしこれは、あくまで私の「強調したい部分」の印です。これと同じである必要はなく、みなさんなりの「強調したい部分」で結構です。正解はありません。ただイメージとして「強調したい部分の分量」はこのぐらいが適切だということをチェックしておいてください。あまり多いと聞いている人は疲れてしまいますし、少なすぎてもメリハリが足りず、全体がベタッとした感じになってしまいます。そして、こうやって「どこが重要なのか」「どこを強調したいのか」を考えて読むことで、より文章の理解が深まっていくと思います。「音読の秘訣2」で「強調したい部分」をピックアップしたら、今度はその記号通りに声に出して読んでいきます。それが「抑揚」です。抑揚は「大事な言葉やセンテンスを強調すること」なのです。また、抑揚は「メリハリをつけること」でもあります。私の知り合いのロックミュージシャンの方が、こんなことをおっしゃっていました。「1曲の中で歌詞全部を全力で歌うのではなく、ポイントだけしっかり発音して音量を上げて歌うほうが、お客さんに伝わりやすい」ロックというと、1曲まるごと力強く歌い上げるというイメージがあったのですが、歌を楽しんでもらうためには、声量にメリハリをつけているということでした。さすがプロ!たしかにすべての歌詞をパワー全開の大声で歌ってしまうと、逆に一本調子になり、お客さんがその大声の刺激に慣れてきて飽きてしまうでしょう。

朗読もこれと同じだと思うのです。すべての文を強調するよりもメリハリ(=抑揚)をつけたほうが、相手を疲れさせません。なにより聞き手が理解しやすく、それどころか「もっとあなたの話を聞きたい!」と思わせることができます。抑揚をつけて読んでみると、最初はなんだかわざとらしくなってしまうかもしれません。でも、練習は「大げさ」なぐらいでいいのです。抑揚のスキルが身につくと、話し方にも自然と抑揚がつくようになり、相手に伝わりやすくなっていることを実感できるはずです。そしてもうひとつ、音読ではとても大切な「行替え」について説明しておきます。この行替え、アナウンサーやナレーターであれば、ほぼ全員が行っているといってもいいほど大切です。日本語では印刷の都合上、「ひとつの単語や文節」が、行の最後と次の行の頭に分かれてしまうことがありますよね。たとえば、次の例をご覧ください。「感じる」という単語が「感じ」と「る」に分かれてしまっています。これは黙読するときは気にならないかもしれませんが、実際に音読してみると大違い。視線が迷ってしまい、必ずといっていいほど「嚙んで」しまうのです。この「視線の迷い」は思った以上に難物。黙読をするとき、頭の中ではスムーズに読めてしまうので、気づきにくいのです。これを避けるために行うのが「行替え」です。この場合は次のように、「感じ」のあとに「る」を書き加え、「感じる」とし、次の行頭の「る」を消しておきます。そのあと、声に出して読んでみて、視線が迷ったり、読んでつまずかないことを確認します。「より豊かに」「合言葉に」の「に」などの助詞が分かれている場合も、行替えを行ったほうがいいので、おすすめします。そのあと、声に出して読んでみて、視線が迷ったり、読んでつまずかないことを確認してみてください。第5~6章で紹介する例文でもこの作業を行っているので、参照してみてくださいね。音読の最終段階では、「読み方のプラン」を立てます。いままでの項目を踏まえ、全体を「どう読むか」を考えます。明るい内容であれば、明るくハキハキと、重い内容であればしっとりと重厚感を出すイメージで。段落ごとに内容が切り替わっている場合は、トーンを変えることもあります。たとえば、暗い話が続いたあとで、明るい話に切り替わるときは、グッとトーンを上げていきます。逆もあります。いずれの場合も、段落ごとにしっかり間をとることが大切です。トーン、間をおくといったこともメモしておくといいですね。「読み方のプラン」を立てることで、メリハリがついて、聞き手にとって非常に聞きやすく、引き込まれる朗読ができます。「プランを立てるなんて難しそうだ」「国語力がないとできないのでは?」と不安になる人もいるかもしれませんが、大丈夫です。テストではないので「正解」はありません。「何が間違っている」という話ではないので、みなさんがやりやすいように、自由に考えてくださっていいのです。そして、これも続けるうちにコツがつかめてきて、メキメキ上達していきます。その結果、「国語力」「読解力」がついてくるのです。とにかく、最初は気負わずにチャレンジしてみてくださいね。さあ、いよいよ朗読です!「ステップ2音読」で立てたプランにしたがって読んでいきますが、ここで用意していただきたいものがあります。それは、録音のできるデバイス(電子機器)です。スマホでも、ICレコーダーでも、何でもOKです。それで、ぜひ自分の朗読を録音して聞いてみてください。「え~、自分の声を聞くなんてイヤです」「下手くそで、とても聞けたものではない」録音をすすめると、みなさん、いっせいにこうおっしゃいます。でも、そこをがんばってほしいのです。なぜなら、録音をすることが、朗読の上達のための最短ルートだからです。これがいちばん早いのです。というよりも、「録音なくして上達なし」といっていいほど大切なことです。上手な朗読のためには、自分の声を客観的に聞くことが欠かせないのです。たとえば、「ダイエットを始めよう!」と思い立ち、現在の自分の贅肉がたくさんついた裸を鏡で見るのは、恥ずかしいことかもしれません。でも毎日見ていると、余計な肉がそぎ落とされ、理想のプロポーションに近づいていくのがわかります。また、体重計に乗って現実を把握したほうが、食事内容の見直しなど具体的な目標ができ、体重計で成果を見ることができます。それと同じことが、朗読にも起こるのです。★朗読を録音して、聞き返すとにかく朗読を録音して、聞き返す、この反復です。もちろん最初は「こんなに下手なのか」「ひどい声だ」などと思ってしまうかもしれません。私だってそうでした。自分の朗読スキルにも声にも幻滅したものです。でも、続けていくうちに、自分がぐんぐん上達してくるのがわかります。そうなると、本当に朗読は楽しいものになってきます。どうぞ、恐れずに「録音→再生」を続けてくださいね。朗読用の原稿は、何がおすすめ?朗読で使う原稿は、どのようなものがいいのでしょうか。本書では第5章後半以降、例としておすすめの朗読用の文章を挙げていますが、別にこれにこだわらなくても、好きな文章で結構です。好きな小説や、お気に入りの作家のエッセイでもいいし、童話や新聞のコラムでもいいでしょう。できれば名作といわれるもの、多くの人に読まれているものなど、「プロの文章」「世の中の評価が定まった文章」をおすすめします。それは文章、構成がきちんとしているからです。文章が上手でなかったり、構成ができていなかったりすると、朗読するのは難しくなります。また第1章で述べた「朗読のメリット」が得られません。また、原稿は古典的な文章で書かれているものよりも、「現在の話し言葉」に近い文章をおすすめします。内容も理解しやすいし、そのままスピーチやプレゼンなどの「話し方」に活かせるからです。慣れるまでは、「話し言葉で書かれているもの」「誰でもわかりやすい内容」かつ「300字くらい」にまとめられたものを選びましょう。これを1分程度で読みます。スピーチやプレゼンのときも、もし原稿をつくるなら「300~400字で1分」を目安に作成してください。これは、聞いている人がいちばん理解しやすいスピードといわれています。慣れてきたら、もっと長いものに取り組んでみてくださいね。

 

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