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第3章いじり上手の心得

ツッコミ力を身に付ける前章では、良い人間関係を築く術を学びました。この章から、いよいよ「いじり・いじられ術」について理解していきましょう。「いじられ術」については、第5章以降で紹介しますので、ここでは、「いじり術」が上手くなるための心得や注意点を述べていきます。まず、本書で説明する「いじり・いじられ術」は、それぞれ、お笑いの世界で言う「ツッコミ」と「ボケ」に分けることができることを覚えておいてください。この場合、「いじり術」がツッコミで、「いじられ術」がボケになります。ボケとは、わざと間違ったり、おかしな言動をしたりすることを言います。一方、ツッコミとは、変なことを言う人に対して、その間違いを素早く指摘し訂正する役割を持っています。要するに、常識的な立場に立って、話をする人がツッコミです。ただし、ツッコミ上手な人は、相手がボケなくてもツッコみます。それは、自分がおかしいと思ったところを独特の切り口でツッコんでいくからです。いじり上手になるためには、この方法を学びたいところです。相手がボケているときはもちろん、ボケていなくてもツッコミを入れて笑いを取れるのがベストです。相手をいじるという行為は、相手が無意識にしている変な言動に対してツッコミを入れてあげる、というものです。そのため、いじり上手な人はツッコミ上手とも言えます。それでは、ツッコミ力を高めるために必要なことは何でしょうか?ここでは、主に3つの条件について述べたいと思います。

①常識的なものの見方ができるツッコミは、ボケの通訳とも言われています。視聴者やお客さんへ、そのボケのどこがおかしかったのかを伝えてあげなければいけません。ということは、何が正しくて、何が間違いかを分かっていないとダメなんです。そのために、いろんなことに興味を持ちましょう。たくさんの本を読んだり、ニュースを観たりして、自分で考えるクセを付けてください。②相手がボケやすい環境を作れる一時期、番組の企画などで「無茶ブリ」というボケにくい環境を作り、わざとスベらせる方法が流行りましたが、一般的にツッコミ上手な人は、ボケやすい環境作りが上手いです。それは、ツッコミ上手な人は、ボケも想定できるからでしょう。ここで、こういう前フリをすれば、相手はこういうボケをやってくる──それが想像できる人は、ツッコミが上手い人だと言えます。③独特の観察眼を持っているツッコミ上手な人は、他の人が気付かないような点にも、おかしさを見つけて、ツッコミを入れられるような独自の観察眼を持っています。常日頃、周りを良く見て、いろんな人を観察しておくことも必要です。さらに、これは人に限ったことだけではありません。大事な資料や、会議の流れという空気に対しても、おかしなところがないか、そこにツッコミを入れる気持ちで観察しましょう。いじりは「いじめ」ではないたまに「いじり」という言葉を、マイナスな言葉としてとらえる人がいます。きっと、心無いいじられ方をされたり、信頼関係の無い人にいじられたりした経験がある人は、そういうイメージを持つのでしょう。ただ本来、バラエティ番組などで使う「いじり」とは、いじられた相手も「おいしく」することです。ここで言う「おいしい」という意味は、注目を集めて目立つ存在にすることを言います。決して、嫌な思いや不快な気持ちをさせる悪意のあるものではありません。いじりはいじめではないんです!そこで、いじり上手の心得として、相手をリサーチすることをおすすめします。相手のことを何も知らずにいじるのではなく、相手のことをよく観察して、相手を理解してからいじる──それが、いじり上手な人がやることです。芸人さんが素人いじりをする際、初対面とは思えないほど特徴をとらえていじることができるのは、瞬時によく観察しているからです。もちろん、私たちはそんな瞬間的な観察で、よく知りもしない人をいじることは難しいでしょう。だからこそ常日頃から、声をかけたいと思っている人のことを、よく観察して、その相手の趣味嗜好や変化などをリサーチするようにしてみてください。「そのネイル、かわいいね。自分でやってるの?」「部長、最近痩せましたよね!身体鍛えてるんですか?」「あれ?携帯の機種変えたの?俺も変えようと思ってるんだ」などなど、どんな些細なことでも良いんです。相手の細かい変化に注目して、いじってあげてください。もし、相手の変化を見つけたとき、その瞬間に話しかけられなくても、問題はありません。自分なりにメモを取っておいて、相手の趣味嗜好や変化を書いておきましょう。ただし注意しないといけないのが、もしそのメモをだれかに見られた場合、内容が行き過ぎていると、ストーカーと疑われる恐れがあることです。くれぐれも、変なことは書かないように気を付けましょう。いじり上手は聞き上手いじり上手な人は、相手の話をよく聞いています。そのため、相手の発言からいじれる言葉を拾うことができるんです。相手の話を聞くときに、ただ素直に黙って聞いていれば良いというわけではありません。黙っていると、話し手は本当に聞いているのか不安になるものです。そこで、話を聞く際には、適度な相づちとリアクションを心掛けましょう。相づちを打つときのコツですが、バラエティ番組のMCがよくやる手法として、話し手の言葉を繰り返すというものがあります。例えば、【バラエティ番組にて】話し手僕ら若手はロケの仕事が多いんですよ。MCそう、若手はロケが多いよね。話し手この前、ロケで真冬の海に入ったんですよ。MCへぇ!真冬の海に?話し手パンツ一丁になって震えながら入ったんですよ。僕、頑張ったんですよ!MCうん、うん、それは頑張った!話し手なのに、ロケのスタッフがひどいんですよ!MCスタッフがひどい?どうしたの?話し手撮影OKの声が聞こえないなぁ~と思って浜の方を見たら、みんなでおしるこ食べてたんです。MCえ~?君が真冬の海で頑張ってるのに、スタッフはおしるこ食べてたの?それはひどいね~。

このように、話し手の言葉を、強調して繰り返してあげるだけで、話し手はどんどん乗ってきます。また、相づちのもう1つの方法として、ストーリーに沿った質問をしてあげるというのも効果的です。この例では、「スタッフがひどいんですよ!」という言葉を受けて、MCは「スタッフがひどい?どうしたの?」と質問をしています。一見、当たり前のような返しですが、これがもし「そうなんだ~」程度の返しだとしたら、話し手は、次の言葉に乗り切れていなかったかもしれません。聞き手としては、「あなたの話に興味があるから質問するんだ」という姿勢を見せて、話し手を上手く流れに乗せるために、質問の相づちを打ってあげることも大事です。さらに、ここではリアクションも取っています。「真冬の海に入った」という言葉を受けて、「へぇ!」と驚いたり、「スタッフがおしるこを食べていた」という話を受けて、「え~?」という非難のリアクションを取ったりすることで、話し手は共感してくれたあなたに対して好意を持ち、話すことが気持ち良くなっていきます。いじるときは笑顔+ツッコミ先ほども述べましたが、いじり上手になるためには、ツッコミ上手になる必要があります。芸人さんでもツッコミの上手い人は、ゲストをおいしくいじって、笑いを取っていきます。常識的な立場から相手をよく観察して、おかしいと思う言動にさまざまなパターンでツッコミを入れていくさまは、まさにいじりの天才と言えます。ただ、私たちがビジネスの場で相手をいじる際、芸人さんの通りにすべてやれば良いかと言うと、そうでもありません。まず、私たちがいじる際に、欠かせないのは笑顔です。芸人さんの場合、ツッコミは真顔や迷惑そうな顔をして行う場合があります。テレビなどを観ていると、むしろそっちの方が多いかもしれません。しかし、ビジネスの場では、そこまで本気でツッコミを入れることはほとんどありません。そんなにしつこくボケてくる人もいないでしょう。そこで、私たちがいじる際には、相手がわざとボケたにしろ、ボケてはいないけれどツッコミどころを見つけたにしろ、基本は笑顔でツッコみましょう。笑顔でツッコんであげることで、ちゃんと相手に好意を持っていると伝えることができます。あと、芸人さんがよくやるツッコミのパターンの1つである、頭などを叩く行為もしない方が良いでしょう。叩くのが上手い芸人さんの中には、音がするだけで痛くないとか言われる人もいますが、素人の私たちは、言葉にこだわっていじっていくのが得策です。とにかく、いじるときは、好意的な笑顔でツッコミを入れることを心掛けてください。

 

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