「感動ヴォイス」の基本はバイブレーション
「こんなによく通る声が出るようになるなんて……自分でもびっくりです!」感動ヴォイスのレッスンを受けてくださった方からは、こんな感想をいただきます。よく通るいい声のポイントは「響き」。この響きが出せるようになると、たった1分でその場の空気をつかみ、聞き手の心を揺さぶることができるようになります。欧米では政治家やエグゼクティブには、専門のヴォイストレーナーがついているほど「声」は重要視されています。なぜなら「声が武器になる」ことを知っているからです。前述しましたが、声は空気の振動、バイブレーションです。声が響くというのは、発声者の豊かな呼吸によって、空気が揺さぶられているということです。つまり、よく響く声とは、呼吸によって空気をよく震わせるための強いエネルギーがあるということ。このエネルギーに圧されて、人は心を揺さぶられます。逆に、弱々しい声から生み出される声のバイブレーションは小さく、聞く人はエネルギーを感じません。そのせいで聞く人の胸に迫ってこず、感動が起きないのです。ですから、聞く人の心を揺さぶるいい声になるためには、まずは大きなバイブレーションを起こせる声になることが大前提です。私は、声は自己発電できるエンジンだと思っています。感動ヴォイスが習慣化できれば、話をするたびに豊かな呼吸を行い、使うべき筋肉を使い、必要のない部分はリラックスさせて大きなバイブレーションを起こすことができる。まさにエンジンそのもの。そのために、私のレッスンでは、まずは大きなバイブレーションが起きる「響く声」を出せるようになっていただきます。全身に響かせるからバイブレーションが起こるでは、どうしたら声で大きなバイブレーションを起こせるようになるのでしょうか?端的に言うと、あなたの体の使い方を「赤ちゃんの状態」に戻せばいいのです。赤ちゃんのように心も体もリラックスすることで、おのずと響く声が出るようになります。そうすることで発した声が、声帯付近だけでなく全身に響くようになるのです。たとえば、弦楽器を思い浮かべてみてください。弦の振動を楽器全体に響かせることで、遠くまで届く、深く美しい音色を出すことができますよね。ですが、ミュート(消音器)を使って弦の振動が楽器全体に伝わらないようにすると、音が出にくくなり、小さくなって遠くまで届かなくなります。これと同じで、声のバイブレーションを起こすためには、全身を使って声を響かせる必要があるのです。そもそも、声は声帯だけで出すわけではありません。全身で出しています。ごく簡単に説明すると、私たちは次の4段階で声を発しています。❶「」「」、「」❷吐く息で「声帯」を振動させる❸声帯の振動が、「喉・口・鼻の空間」に響いて声になる❹声に「舌・唇・歯」などで変化を加えて言葉にする「発声」というと、声帯や喉ばかりを気にする方が多いのですが、実は「」内の器官はすべて使っています。「はじめに」で、「声にはその日の体調も、精神状態も、すべて反映される」とお伝えしたのは、声がこれらの器官の状態を反映するからなのです。さらに、発声に関係しているのは、ここに挙げた部位だけではありません。たとえば、目の周りの表情筋も、発声の元になる呼吸と密接につながっています。ちょっと実験してみましょう。あなたもやってみてください。まず、吸って吐く、通常通りの呼吸をしながら、目をだんだん大きく見開いていきます。そして、ゆっくりと元に戻してください。目を見開いたとき、戻したとき、それぞれ呼吸はどうなっていますか。吸っていますか?吐いていますか?目を見開いたときは「吸う」、戻していくときは「吐く」になったはずです。その逆は難しくてなかなかできません。これは、表情筋と肺の下にある横隔膜がつながっているからです。つまりは、表情を変えるだけで呼吸の深さも変わり、出る声がまったく違ってくるということです。これらの器官をすべて柔軟に使えるようになることで、よく響く声、感動ヴォイスが出るようになります。
そのためには、赤ちゃんのように全身の筋肉をほどよくリラックスさせ、バイブレーションの源となる豊かな呼吸ができるように、姿勢を整える必要があります。感動ヴォイスの基本ステップとなる「ヴォイササイズ」(声のエクササイズ)は、次の3段階です。STEP1筋肉をゆるませるSTEP2姿勢を整えるSTEP3呼吸を整えて声を出すこれらができるようになると、感動ヴォイスがラクに出るようになります。それぞれのエクササイズには動画を用意していますので、参考にしながらトレーニングしてみてください。では、さっそくやってみましょう。
昨今はパソコンで仕事をするのが当たり前になり、肩こりや首こり、腰痛は深刻な現代病でもあります。長時間同じ姿勢を続けていると、その形で筋肉が固まってしまい、血行が阻害されるだけではなく、声まで出づらくなっていきます。また、「失敗できない」など、日ごろからプレッシャーや緊張感が強い方、緊張している時間が長い方、不安を感じやすい方は、首をすくめるクセがあります。首をすくめるということは肩が上がっているということ。つまり肩の筋肉に力が入っている状態です。いつもがんばっている肩回りの筋肉をリラックスさせてあげることで、声がスムーズに出やすくなります。さて、肩回りがほぐれたら、次は肩甲骨回りのエクササイズを紹介しましょう。こちらも肩同様、パソコン作業などで同じ姿勢を続けていると硬くなり、動きが悪くなりがちです。肩甲骨が硬くて動きが悪くなると、肺は小さくなったり大きくなったり、豊かに動くことができません。そうなると呼吸が浅くなり、声は小さくなります。しっかりと肩甲骨をゆるませてあげることで、豊かな呼吸を取り戻すとともに、よく響く声まで取り戻すことができます。
さて、ここまでのエクササイズで体や顔回りの筋肉はほぐれましたか?感動ヴォイスの基本レッスンは、こうやって「全身の筋肉をゆるめる」ことです。まずは筋肉をゆっくりほぐして、声が響きやすい体をつくっていきます。ここで、声の響きの要になる「共鳴」について触れておきたいと思います。ちょっと話はそれますが、私が今でも記憶に残っている音に、数年前に行ったメキシコのカンクンという都市にある、セノーテという洞窟の泉での音があります。セノーテは、中でダイビングやシュノーケリングができるほど大きな洞窟でした。青く神秘的なセノーテの美しい風景も強く記憶に残っていますが、洞窟の天井から泉に落ちていく「ピシャ!ピシャ!」という、洞窟内に響きわたる大きく美しい水の音色は昨日のことのように耳に残っていて、ふとした瞬間に思い出されて懐かしく感じます。通常、水が落ちる音はそんなに響くものではなく、本当に小さな音でしかありません。ですが、大きな洞窟になればなるほどその音が大きくなって、周りに響きわたります。洞窟とは、地中にある一定の大きさの空間のことをいいますが、まさにこの空間があるから、空間の中で音が反響して共鳴し、響きになるのです。たとえば、教会などに行くと賛美歌の美しい音色が教会内に響きわたりますが、これもやはり、教会の天井は高くつくられていて空間があるから音が響くのですね。これは、人間の体も同じです。いうなれば体は楽器、声は音。人間の体の中にも空間があり、そこに声を共鳴させ響かせることで、外に出る声は美しく豊かに響くのです。共鳴を起こす空間を共鳴部と呼びますが、人間の体の中には主に3つの共鳴部があります。咽頭腔→口腔→鼻腔→いずれも「腔」という漢字を書くとおり、この部分が十分に開いて空間があることが、共鳴を起こし声が響く大前提になります。この3つの部分の共鳴を、自分の体で確認することができます。やってみましょう。❶咽頭腔ゆで卵を横に倒して口に入れているようなイメージをしながら、口の中に丸い空間を作り、「おー」と低い声で発声してみましょう。胸のあたりに振動を感じるはずです。咽頭腔が開いているので、深い声になっていると思います。❷口腔舌の奥(舌根)を下げ、口蓋垂という喉の中央の垂れ下がった突起部分が上がった状態で、あくびをするイメージで「あー」と発声してみてください。あくびの声はよく響きますが、これは口腔が開き、共鳴している状態だから響くのです。❸鼻腔口を閉じて、後頭部に響かせるイメージで「ん~」とハミングします。このときに鼻を触ってみてください。振動しているはずです。それが、鼻腔が共鳴しているということです。
この姿勢で声を出すと、自然と深い呼吸ができるので、吐く息の量が安定し、今までより力強い声が出るようになります。また、口角を上げることで口内の響きがアップし、声の一音一音が明瞭になります。先日、受講者の中に「『話し方がだらしない』って言われるんです」とおっしゃる方がいました。よく見ると、その方は常に片足重心立ち。また、非常に猫背で首がやや横に倒れています。そして、口の端が下向きになり、への字に曲がっていました。そこで基本の姿勢をやってもらい、「では、その状態で少し話をしてみてください」と伝えたところ、「え、少し話をって、何を話せばいいですか?なんでもいいのでしょうか」とおっしゃった次の瞬間、「えっ!私、話し方変わりましたね!」と驚かれていました。これまでは声に力がなく、一音一音が不明瞭で聞き取りづらかったのですが、この姿勢をしたとたんに、クリアで力強い声が自然と出るようになりました。こんなふうに、正しい姿勢で立つと、おのずとだらしない話し方ができなくなります。「自分も同じかも……」と感じた方は特に、もちろんそれ以外の方も、鏡を見ながらこの基本姿勢を自分でチェックしてみてください。
こちらのPOINT!で、「口を縦に大きく開けながら、目も大きく見開いて吸うと、たくさんの空気を吸い込めます」とお伝えしました。実際に自分の体でやってみると、たくさん空気を吸い込めるということを実感していただけます。まずは、吸って吐いての呼吸を通常通りしたまま、徐々に口を大きく開けていきます。そして、これ以上開かないなというところまで開けたら、今度は徐々に口を元に戻していきます。2~3回これを繰り返し、次のことを確認してみてください。口を徐々に開けていったとき、呼吸はどうなっていますか。吸っていますか?吐いていますか?では、口を徐々に元に戻していったときはどうでしょうか。吸っていますか?吐いていますか?今度は、先ほどと同じく、吸って吐いての呼吸を通常通りしたまま、徐々に目を大きく見開いていきます(口は閉じたままでかまいません)。そして、これ以上開かないというところまで開けたら、今度は徐々に目を元の状態に戻していきます。2~3回これを繰り返し、次のことを確認してみてください。目を徐々に見開いていったとき、呼吸はどうなっていますか。吸っていますか?吐いていますか?では、目を徐々に元に戻していったときはどうでしょうか。吸っていますか?吐いていますか?私たちは口を大きく開けていくときに空気を吸い、口を元に戻すときには吐いていますね。目も同じで、目を大きく見開いていくときには空気を吸い、目を元に戻すときには吐いています。開けるときに吐いて、閉じるときに吸う、というような逆の呼吸は難しいのです。なぜこのような呼吸になるのかというと、顔の筋肉の動きと横隔膜がつながって連動しているからです。横隔膜は肺のすぐ下にある筋肉です。肺は自分で大きくなったり小さくなったりできません。周りの筋肉が動かしています。その周りの筋肉のひとつが横隔膜です。顔の筋肉が動くと、横隔膜は下がります。口を大きく開けたり、目を見開いたりすると、横隔膜が下がるということです。横隔膜が下がると、肺は大きく膨らまないといけません。中に空気を取り込まないと膨らむことができないため、空気を吸うことになります。顔の筋肉が元に戻ると、横隔膜も元に戻り、上がります。横隔膜が上がると、肺は小さくしぼむことになります。中に空気が入っていると小さくなることができないので、中にある空気を吐き出すことになります。つまり、表情が豊かな人は、呼吸が深いということです。声の豊かさと呼吸はつながっているので、表情が豊かな人はよく響く声が出やすいのです。さて、ここまでが感動ヴォイスの基本トレーニングです。このトレーニングを行うことで、普段の呼吸も豊かになり、響きのある通る声が無理なく出せるようになっていきます。声のお悩み別トレーニングここからは、声にまつわる悩み別のトレーニング方法を見ていきましょう。声の個性を構成する要素は、「大きさ」「音質」「高低」「速度」「間」の5つになります。あなたの声に対する悩みは、次のどれに当てはまりますか?❶「」❷「」❸「」、❹「」に問題があると考えられます。これ以外にも、❺滑舌が悪い❻舌足らずなど、代表的な声にまつわる悩みへの対処法もあわせて紹介します。「自分はここに問題がありそうだ」というところのトレーニングを重点的に行いましょう。そうすることで、より聞き取りやすく、相手に届きやすい魅力的な声が出せるようになります。声が小さくてよく聞き返される人は「呼吸」を改善声が小さいあなたは、呼吸が浅いことが原因です。改善するためには、呼吸を豊かにすることがもっとも重要になります。まずは、先ほどお伝えした「基本の呼吸トレーニング」(こちら)を実践して、豊かな呼吸法を身につけてください。そのうえで、声を大きくする簡単なコツをお教えします。発声練習をするときに、「目線を遠くにやること」です。
あなたの口から出た声のバイブレーションは、目線の先、「見ているところに」飛んでいきます。ですから、目線を遠くにやりながら練習をするといいんです。日ごろから長時間パソコンやスマホと向き合っている方が多いと思いますが、目からパソコンやスマホ画面までの距離が近い環境で作業やコミュニケーションをしていると、声のバイブレーションを遠くに飛ばす必要がないので、自然と声は小さく、呼吸は浅くなります。たとえば、私がいつもお願いしている美容師さん。現場で実際にハサミをふるう施術者でありながら、美容院の経営者でもある彼は、食事をするために入ったお店では絶対に自分で注文しないそうです。「自分が声をかけても、お店の人に振り向いてもらえなくて。だから一緒にいる人にいつも注文してもらってるんだ」そう。「ああ、お仕事柄かもしれませんね」と私は言いました。美容師さんは、常にお客様との距離が近い中で話をし、声を出しています。声を届かせる目標地点がごく近くにいるため、レストランのように遠くの方に声を届ける呼吸の大きさ、筋肉の動かし方が習慣化されておらず、普通に声を出しても届かないのです。こういう声の特徴のある人を、私は「空間距離が近い人」と呼んでいます。「会議室で提案をしても、部屋の端まで声が届かなくて、なんだかあんまり話を聞いてもらえないんだよね……」というあなたは、まさに空間距離が近い人です。そういう方は、たいてい呼吸が浅くて、声を出すための筋肉の動きが弱い傾向があります。こんなふうに発声や呼吸の仕方は、普段の生活環境や仕事環境で形成されます。ですから、目線が近くばかりに行きがちな生活や仕事をしている方は、窓の外の遠くの景色を見て、ゆっくりと深く呼吸をしてください。そして、窓の外の遠くにある建物などの目標物を決めて、その目標物の頭を越える意識で「あ」と気持ちよく声を投げてみてください。「距離」の感覚を変えるだけで、自然と喉がゆるみ、大きな声が出やすくなります。声がモゴモゴとこもる人は「口元の筋肉」を改善つい先日、カフェで仕事をしていたときのこと。目の前に突然、スッと顔を出してきた方がいて、「え!」ととても驚きました。次の瞬間、知り合いだということがわかったので、「ああ~、びっくりした~」と笑い話になったのですが、その方いわく、「さっきから声かけていたんだけど……」とのこと。いやあ、気づきませんでした。この方は普段、対面で話をしているときも、なんとなく独り言を言っているような印象のある方で、私に伝えたいのか、自分で自分につぶやいているのかが、少しわかりにくいところがありました。そうなると会話がしづらいですよね。こういう方は、たいていモゴモゴこもる話し方をする人です。口元をあまり動かさずにモゴモゴ話す方は、口の中だけで話す、省エネルギー的な声の出し方をします。声のバイブレーションがほとんど外に出ていかないため、相手に声が届きません。これは、普段から口元の筋肉を使っておらず、口元の筋肉の動きがよくないため、発音に必要な口の形をつくれないせいです。モゴモゴさんの口元を見ていると、どうも口元の動きがぎこちない方が多いのは、筋肉が硬くなっているからです。そのため動かそうと思ってもうまく動かすことができません。しかし、硬いところに筋肉をつけようとしてがんばってしまうと、さらに筋肉をこわばらせて硬くしてしまうだけ。ですから、モゴモゴさんはまずはこの章で紹介した基本エクササイズをしっかり身につけ、口元をゆるめてから筋力をつけていくといいでしょう。声が低すぎて通らない人は「舌の硬さ」を改善「声が低すぎて通らないんです」という悩み相談を受けることがよくあります。女性からだけではなく、男性からも同じような相談をいただきます。確かにそうおっしゃる方の声は低い傾向があります。しかし、「声が通らないのは低いからだ」というのは、ご本人の思い込みであることも多いです。声の高低は生まれながらの骨格によって決まるなど、それは各人の「個性」です。個性は磨けば光る。実は、声が通らない理由は他にある場合がほとんどです。私が見てきた限り、真の理由は心理的な面にあり、そのため声が通らないケースが多いです。たとえば、「私はよく聞き返される。私の声はよくない声だ」という思い込みから自信をなくし、話をすること、声を出すことに消極的になる。そうすると、あまり口を開けずに話をするようになります。相手に対してオープンになれない心理が、心を見せない=口の中を見せない、という行動に表れ、口の開きが小さくなるのです。そして、心の緊張が筋肉を緊張させ、舌をも硬くさせます。舌は筋肉です。舌と声帯は近い位置にあり、舌が硬いと声帯も硬くなっている可能性が高いです。そして、声帯が硬いと声が出づらくこもりがちになります。
たまたま低めの声をもつ方が、自分の声や話し方に何かしらで自信をなくし、声が通りづらい状態になった場合、その本人は「声が低いから通らないんだ」と誤解してしまうのです。こういった場合は、口元をゆるめてしっかりと開けて、舌の緊張をとって柔らかく保つことが解決策になります。バスケットボールの神様と呼ばれたマイケル・ジョーダン。彼が試合をしている最中に、「あかんべー」をしているかのように舌を出してプレーしていたのをご存じでしょうか。一見、ふざけているように見えるかもしれませんが、舌出しプレーは「勝つため」の戦略のひとつといえます。プロバスケットボールの試合ともなると、当然ながら大きなプレッシャーがかかっている中でプレーをすることになります。大きなプレッシャーから、過度に緊張してしまうと、筋肉が硬直して体が思うように動かなくなり、プレーに支障をきたします。また、頭の中もフリーズしてしまい、冷静に考えながらプレーすることが難しくなります。そのネガティブな緊張状態を回避して、もてる力を100%発揮するために、舌を出してプレーすることは理にかなっています。舌の硬さは、実は全身の硬さ、力みにつながります。簡単に自分の体で確認することができるので、やってみましょう。まず立ちます。それから舌を縮めるように固めて、あごにも力を入れて、前屈をしてみましょう。どこまで曲がりますか?次に、マイケル・ジョーダンになって前屈をしてみましょう。あかんベーをするように舌の力を抜いて、舌を出した状態で前屈をします。どこまで曲がりましたか?舌を固めていたときと比べて、舌を出したときのほうが深く前屈ができたのではないでしょうか。声が通らないという方だけではなく、緊張しやすいという方もこれをやってみてください。体全体の力みが消え、気持ちもゆるみ、ラクになると思います。早口で聞き取れない人は「間」を改善話す速度には、環境要因、メンタル要因なども関係していますが、頭の回転が非常にいいため、早口になってしまう方が多くいます。次々に話す内容が頭に浮かび、口から言葉が飛び出していくのですね。あるいは、イライラしていると、心身のリズムが速くなるので、人はたいてい早口になります。しかし、聞き取りやすい速度というのは、1分間に350字程度だとされています。NHKのアナウンサーがニュースを読む速度が、だいたいこれくらいの速さです。それ以上速くなると聞き手にとっては聞き取りづらく、だんだんイライラしてくることもあります。うまく聞き取れないため、説得力もありません。この早口の人の話には、「間がない」という特徴があります。聞き手は、間のタイミングで聞いた話を咀嚼し、ひとつひとつ理解しながら話の内容をすべて理解しようとします。ですから、間がないとすべてを理解しようがないのです。そういうわけで、早口なあなたは間を意識するトレーニングをやってみましょう。しっかりと間を取るクセをつけることで、相手が聞き取りやすい声を出すことを目指します。Let’stry次の文章を声を出して読み進めます。(間)と書いてあるところでしっかり1秒の間を空け、そこで息を吸ってから続きを読み進めてください。笑顔で豊かな(間)声を出しましょう(間)。その声を聞いた人も(間)笑顔で豊かな(間)気持ちになれるから(間)。声の力で(間)大きな幸せを(間)つくっていきます!間が取れないと呼吸も浅くなり、声に響きがなくなります。しっかりと間を取ることで、響きのある聞き取りやすい声が出るようになります。滑舌が悪い人は「声を出す口の形」を改善「何を言っているのか聞き取りづらい」と言われる人の中には、滑舌が悪い方も多くいます。滑舌の悪さは、「その音を出すための口の形」が作れていないことが原因です。滑舌を改善したいときは、口の形を明確に作れるような練習をする必要があります。日本語は、母音と子音で成り立っています。母音とは「あいうえお」。それ以外の音はすべて、子音と母音から成り立っています。母音の5つの音を明確に発音できるようになると、一気に滑舌はよくなります。早口言葉もラクラク言えるようになる、次のトレーニングにチャレンジしてみましょう。改善されるまで、できるだけ毎日行うのがおすすめです。Let’stry次の3つのセリフを声に出して順番に言います。
❶「綾母上謝」❷「」これは❶のセリフから、母音だけを抜き出したものです。❸「」最後に、また❶同じセリフを言います。❶のときと比べて、発音が明瞭になっていることがわかると思います。舌足らずの人は「舌の筋力」を改善私が大学院に通っていたときは、自分よりも遥かに若い20代前半の大学院の同級生たちと一緒に研究をしていました。そのときに「あれ?」と気づいたことがあります。舌の筋力が弱い学生が多いのです。彼、彼女たちの口元を見ていると、話をするとき、声を出すときに、歯のすき間から少し舌が出ている学生がちらほらいます。話し方はとってもキュート。舌足らずの甘い声で、「えっと~、私は~、はい、そうなんです~」と音声は少し間延びしてシャープさがありません。おそらく小さいころから硬いものを食べる機会が少なくて、あまり噛むということをしてこなかったのかなと思います。あまり噛まず、舌を使わない生活をしていると、舌の筋肉が弱くなります。舌足らずの声はかわいらしい印象になりますが、ビジネスの面では、強さや厳しさが必要なときにふさわしい声が出せず、信頼感を得ることが難しくなる場合もあります。そうならないためにも、次のトレーニングで舌に筋肉をつけましょう。Let’stry舌を思い切り前に突き出し、10カウントした後、力を抜く。これを3回繰り返す。ぜひ試してみてください。「音読」で感動ヴォイスを定着させるお疲れさまでした!感動ヴォイスの基本エクササイズはここまでです。しっかりトレーニングをすると、普段から体がほぐれた状態で、豊かな呼吸ができるようになります。「なんだか体がラクになって、温まってきた」「顔がほぐれたせいか、頭痛がやわらいできた」「呼吸が深くなって、頭がクリアになった」こんな感想を抱いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。このように、常にリラックスした状態で豊かな呼吸で声が出せるようになると、「オギャ!」と生まれたときの、あなた本来の声が出るようになります。この声は、成長過程で失った、あなたの本当の声です。ですが、失ったものであっても、基本さえしっかり身につければ、何歳からでも本当の声を取り戻すことができます。この声を定着させ、あなたの「当たり前」にしていただくためにおすすめしたいのが、「音読」です。読むものはなんでもかまいません。本でも、新聞でも、どんなものでもいいのです。音読しながら、あなたが改善したいポイントのトレーニングを重点的に行ってください。うれしいことに、声を出して読むと、出さないときと比べて、呼吸をする際の空気の使用量が約3~5倍に膨れ上がり、体内への酸素の取り入れ量が増えます。さらに、声のバイブレーション効果で内臓がマッサージされて血流がよくなるので、心身が否応なしに活性化します。私はアナウンサーの仕事を始めるずっと前から、よく音読を楽しんでいました。読むものは手元にあるものならなんでも。本だったり、新聞だったり、雑誌だったり、言葉が書いてあるものはなんでも音読していました。音読をしていると気分が高揚して、読むことが止まらなくなります。頭の中では「そろそろやめよう。もういいか」と思うのに、なかなかやめられない。外出する前につい音読を始めてしまい、出かけるギリギリの時間まで読むのがやめられず、予定の電車に乗り遅れないようにしょっちゅう駅までの道を走っていました。まるで、マラソンランナーが長時間走り続けていると、気分が高揚していき、とにかくずっと走りたくなるランナーズハイのような状態です。このランナーズハイには、脳内の神経伝達物質であるエンドルフィンが関係しているのではないかといわれています。エンドルフィンは、高揚感や満足感を高めてくれる物質です。「もしかすると、音読にも何かしらの脳内神経伝達物質が関係しているのではないかしら?」私はずっとそう思ってきました。そして近年、面白いことが明らかになりました。
お坊さんが読経を行っているときに、脳内でセロトニンという神経伝達物質がシャワーのごとくたくさん出ていることが確認されたのです。セロトニンは心を安定させ、安心感を与えてくれる物質で、うつ病の方の脳内では少なくなっていることがわかっています。つまり、メンタルヘルスを保つにはセロトニンが重要な物質というわけです。私は、音読にも同じような効果があるのではないかと思っています。音読する。たったこれだけであなたの本当の声が定着し、心の健康にもいいのですから、ぜひ積極的に行ってほしいと思います。
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