第3章「この人と頑張りたい」と思われるリーダーになる
01プレイングリーダーは、モードのスイッチを切り替える⦿「ハンバーグを焼きながら、サラダを作る」レベルではない⦿リーダーモードでは、「私心」を出さない⦿でも、そんなことをしていたら自分の時間がなくなる…02プレイヤーとしては優秀だった人の落とし穴⦿えっ、成長したくないの?⦿異なる価値観を理解するために03夜間・休日に、部下にメールを送らない⦿2000年代とは常識が変わった⦿任せ上手は、「相手の価値観」に配慮する⦿どうしても夜のうちに送っておきたい時は?04意識すべきは、「信用」と「信頼」の違い⦿「信用」と「信頼」は、まったく違う⦿信頼は、ミスをした時のひとことで決まる05効果的な〝ほめどころ〟を知る⦿ただ、ほめるだけでは意味がない⦿ほめるスキルは、できる上司の必修科目06最高のリーダーは「会社のため」と言わない⦿グローバルの幹部が「どうしても伝えたかった」こととは?⦿常に、「They」の視点で語る07リーダーになったら、まず「使命」を探そう⦿誰もが「They」を語れるようになる方法⦿「経験アプローチ」とは?⦿「Theyの〝不〟アプローチ」とは?08「仕事を面白くする方法」を伝える⦿「面白い」のではなく、「面白くする」のが正解⦿世界一、キレイな羽田空港09いい人より、「格好いい人」であることが大事⦿いい人だけど、刺激を受けない上司⦿「ボス充」は武器になる10部下の「希望」に火をつける⦿「希望がない職場」と「ある職場」の決定的な違い⦿モチベーションがトップクラスの会社が行う面談とは?11キチンと部下の「罪悪感」を取り除く⦿「目的の正しさ」を伝えておく⦿「手段を正しく」しておく
01プレイングリーダーは、モードのスイッチを切り替えるプレイヤーとリーダーを同時にやるのは、思っているよりも簡単ではない。
時間がない、ということ以上に「自分のことを犠牲にできるかどうか」が問題なのだ。
このジレンマを乗り越えた時、本物になれる。
⦿「ハンバーグを焼きながら、サラダを作る」レベルではないプレイングリーダーは、部下との会話に十分な時間をさけない、といった悩みがあるのではないでしょうか。
これは、プレイング業務とリーダー業務が「対立」の関係にあるからです。
喩えとしては適切ではないかもしれませんが、ワーキングマザーが仕事モードで家事や育児をできないように、リーダーもプレイングモードでは部下のマネジメントはできません。
どちらもが中途半端になってしまうでしょう。
「美味しい夕食を作るために、ハンバーグを焼きながらサラダを作る」といったいわゆる「補完」の関係ではないのです。
うまくやるコツは、部下と接する時(機会)、その瞬間にリーダーモードにスイッチを完全に切り替えることなのです。
⦿リーダーモードでは、「私心」を出さないでは、リーダーモードとは何か。
プレイヤーが、自らの業績ミッションのために邁進するとするならば、その逆。
リーダーは、自分のことは完全に横に置きます。
チームのため、部下のため、サービスのため、を起点に考えるのです。
そして、1つのルールがあります。
「リーダーモードは、常に、プレイングモードを凌駕する」つまり、常にリーダーモードを優先するということ。
そう、ここが重要なのです。
例えば、あなたが営業職だとしましょう。
部下からどうしても商談に同行してほしい、と相談があるならば、必要とあれば、自分の企画書作成や営業活動を横に置くわけです。
喩えるなら、子供が風邪をひいて熱を出しているなら、病院へ連れて行くために仕事の調整をつけるのと同じように、部下のモチベーションが下がっているなら、リーダーは自分のやりたいことを横に置いても、面談を持つことをしなければなりません。
自分の業務を優先すべきかどうか迷った時は、「緊急度」と「重要度」で考えるとわかりやすくなります。
緊急度とは、〝今〟それをしておかないと、いけないことかどうか。
重要度とは、それをしておかないと、とりかえしのつかないことかどうか。
これらが高い場合は、周囲に迷惑をかけるので、部下より、こちらを優先しないといけません。
それ以外のことは、部下を優先する、それが正解です。
⦿でも、そんなことをしていたら自分の時間がなくなる…リーダーは自分のことは差し置くべきだと申しました。
そうなると、自分の業務をする時間がなくなってしまいます。
結局行き着くのはここ。
「任せる」ことなのです。
どんどん、任せないと、時間はなくなります。
あなたの業務を見直して、あなたがやらなくてもよい仕事はありませんか。
業者さんとの打ち合わせなら、部下と2人で出席しなくてもいいかもしれません。
日々、行っている新人との面談。
メンター制を導入すれば、あなたの部下がお姉さん、お兄さん役として新人の面倒をみてくれるかもしれません。
小さなことですが、朝礼や会議の司会をリーダーがやるのは、あまりいい手ではありません。
そこは部下に仕切ってもらったほうが、部下の主体性も高まるでしょう。
くどいようですが、もう一度。
リーダーは自分のことは差し置くべきと申しました。
でも、深夜残業をしている場合ではありません。
業務を可能な限り、手離れさせなければならないのです。
ぜひ、勇気をもって任せていきましょう。
Point部下の前では、自分のことは横に置いておくと決めよう。
02プレイヤーとしては優秀だった人の落とし穴プレイヤーとして活躍していた人は、「頑張るのが当たり前」「成長するのが当たり前」と考えがちだ。
でもこれでは、リーダーは務まらない。
「成長しなくていい」と考える部下もいる。
たとえ理解はできなくても、受けとめる。
これが基本の姿勢である。
⦿えっ、成長したくないの?プレイヤーとして活躍した人ほど、リーダーになった時、注意が必要です。
頑張ってきた人ほど、「当たり前」の基準が1つしかないからです。
かくいう私もその傾向があったので、苦労しました。
営業だけはなぜかできたものですから、「トップセールスになりたい」と考えるのが普通だと思っていたのです。
「コレができたら、どこでも通用する営業になれるよ」「トップセールスになるためにも、ビジネス書を読んだほうがいいよ」「トップになるのは、努力ではなく、〝正しいやり方〟が大事なんだよ」といったような持論を力説していました。
ある部署にリーダーとして配属された時のことです。
1人の部下からこう言われました。
「私は、成長とかは、いらないです。
ただ、責任は果たします」と。
頭が真っ白になりました。
「えー、もったいないこと言うなよ」その言葉をネガティブにとってしまった私がひねり出した言葉でした。
「つい、ダメ出しをする」。
これが、基準が1つしかない上司がする反応です。
⦿異なる価値観を理解するためにまず、持論を語る前に、相手の価値観に関心を持つ。
そんな当たり前のことを、できるプレイヤーほど見落としがちです。
まず、こう考えてみてください。
自分はこう思う。
でも、きっと、相手は違う。
まず、どんなことを考えているのか聞いてみよう。
理解できなくてもいい。
ただ、受けとめることはできる、と。
先ほどの「成長したくない部下」も、よくよく話を聞くとこういうことでした。
最初に入社した会社がいわゆる〝ブラック企業〟だったようで、お客様の事情を無視して商品を売りつける、そんな会社だったようなのです。
ほとんどの同期は退職したといいます。
でも、彼は、その会社でも辞めずに頑張ろうと、もがきました。
そして、たどりついたのが、「心を無にして、責任だけを果たす」という方法だったのです。
これが、彼のベースとなってしまっていたのです。
私は、この考えに賛成はできませんし、歓迎もしません。
でも、受けとめる。
いや、受けとめるしかないのです。
その人の価値観は、そうそう変わりません。
大事なことは、その背景を知ることです。
こんな時、私が上司としてできることは、2つ。
1つは、彼に、積極的に仕事を任せながら、彼らしく結果を出してもらうこと。
でも、こうも考えます。
彼が上司になった時、この考えでは、やっていけなくなるだろう、と。
だから、もう1つは、会話を重ねながら、ほかの視点もあることを少しずつ伝えていくことです。
まとめます。
まず、否定はしない。
いかなる価値観も、まずは受けとめる。
これが基本。
プレイヤーとして活躍した人ほど、要注意です。
Pointいかなる価値観も否定せず、受けとめることから始めよう。
03夜間・休日に、部下にメールを送らない今、この瞬間に部下に伝えておきたい。
忘れてしまいそうだし、明日には別の仕事があるので、夜のうちにメールを送っておこう──。
多くのリーダーがやりがちだが、これはNG。
任せ上手を目指すなら、「夜のメールは部下にはプレッシャーかも」と相手を思いやる想像力が必要。
⦿2000年代とは常識が変わったかつては、夜や休日のうちに部下へメールをしても、何の問題もありませんでした。
でも、今は違います。
人事部も容認できない、重大な問題行動になっています。
仕事を任せた部下のことが気になっても、夜や休日にメールをしてはダメなのです。
これも時代の常識が変わったことが大きく影響しています。
1つは時間外労働にあたる、といったコンプライアンスの観点から。
もう1つは、部下が必要以上にプレッシャーを感じてしまう、といったリスクマネジメントの観点から。
部下がメンタルダウンしたり、そこまでいかずとも、離職をしてしまったりすると本末転倒です。
「なんて、ひ弱な!」と思われた方もいるかもしれません。
そうじゃないんです。
ビジネスのルールが「厳格」になった、それだけのこと。
ウチの会社はそこまでではない、と思われたとしたら、その考えは危険です。
会社がそうであったとしても、新人の離職率に影響が出る可能性は高いのです。
だって、転職エージェントに行けば、好条件の仕事をいくらでも紹介してもらえる時代です。
「ウチの会社は、大丈夫でしょ…」は、通用しません。
⦿任せ上手は、「相手の価値観」に配慮するとはいえ、努力だけで常識を変えることは、なかなか簡単ではありません。
そこで、こう想像してみてください。
「異国・異文化で育った部下に仕事を任せるとしたら、どうするか」、と。
常識が異なるため、「自分と違って当然」と思うためのリセット術です。
私にも外国人の部下がいましたが、職場がいくら忙しくても、6時になるとピタッと帰りました。
また、大手メーカーに入社したスペイン人の知人(新人)は、有給休暇を取らない理由がまったく理解できないと言います。
友人の会社に勤めるアメリカ人の女性は、「飲み会が家族同伴でないのは困る」と言っていました。
「常識は1つではない」と思えてきませんか?仕事をドンドン任せていくためにも、この感覚、つまり「自分とは違って当たり前」をスタンダードにしなければなりません。
⦿どうしても夜のうちに送っておきたい時は?さて、話を戻しましょう。
夜のメールも同じ。
それを非常識と捉える人もけっこういるのではないか、部下にプレッシャーを与えてしまわないか、といったように想像する力も必要です。
また、部下には夜、休日はゆっくりと過ごしてもらう配慮が不可欠でしょう。
どうしても、今この瞬間に送っておきたいなら、タイマー設定しておけば、翌朝に届きます。
この感覚を持てるかが大事なのです。
まとめます。
部下に仕事を任せたとしても、無自覚に、夜や休日にメールを送ることはやめておきましょう。
それがプレッシャーとなり離職やメンタルダウンを誘発したり、また「この上司の下ではやってられない」と不信の温床になる可能性もあります。
「自分とは違う。
そして相手を尊重する」この感覚を持つことは、任せ上手になる基本です。
Point任せていくためには、自分のこと以上に、相手への配慮を大事にしよう。
04意識すべきは、「信用」と「信頼」の違い部下がうまくやった時、その成果を讃えることは誰もがする。
でも、これだけでは、部下の心をつかめない。
部下が失敗した時、それでも受けとめてくれるリーダーを部下は待っている。
⦿「信用」と「信頼」は、まったく違うイチを言えば「5」も「10」もやってくれる。
そんな部下がサポートしてくれたら…と思ったことはありませんか。
不可能なことではありません。
逆の立場で考えてみてください。
「この上司のためなら」と思えた上司はいなかったでしょうか。
いわゆる、尊敬できる上司です。
約7割の人が、尊敬できる上司に出会った経験があるそうですから(2018年、エン・ジャパンのアンケート調査)、可能性は十分にあります。
つまり、そんな上司になればいいわけです。
そのためには、まず「信用」と「信頼」の違いを知ることが出発点です。
【信用とは】言ったことは必ずやってくれる。
わからないことをきっちりと教えてくれる。
いわゆる、〝きっちりとしている〟こと。
【信頼とは】どんなことがあっても、「自分の味方」になってくれる。
たとえミスをしても、うまくいかなくても、信じてくれる。
いわゆる、〝認めてくれ、大事にしてくれている〟こと。
あなたが目指すのは、もちろん「信頼」です。
解説しましょう。
⦿信頼は、ミスをした時のひとことで決まる先ほどの調査には続きがあります。
尊敬できる上司の「どんな点」を尊敬しているかについても質問しているのですが、その回答にヒントがあります。
若手もベテランも1位は一緒。
仕事ができる、ではないのです。
1位は、「人柄が信頼できる」。
(なんと、6割も!)。
そこに掲載されている、部下の声を私なりに要約すると、こんな感じです。
・ミスをした時、真っ先にフォローしてくれた。
・叱った後で、「お客様も大切だが、部下を守ることが私の仕事だ」と気遣ってくれた。
・素晴らしいと常に認めてくれた。
認めてくれるからこそ、結果を出したいと思った。
・上司の給料が高いのは、部下がミスした時に謝る仕事もあるから。
私を給料泥棒にしないためにも、いっぱいミスしなさい、と言ってくれた。
・矢面に立ち、かばいながら部下の強みを引き出してくださった。
いかがでしょう。
つまり、ミスをしようが、それでも部下を大事にしてくれる上司。
そこが我々が目指すベストポジションです。
私も、思い出すことがあります。
一プレイヤーだった時、営業目標をギリギリで達成できなかったことがありました。
かなり、落ち込みました。
その直後、上司から電話がかかってきたのです。
「蕎麦でも食べに行かない?」と。
叱られるのかと思いきや、蕎麦を2人で食べながら、こう言われたのです。
「よく頑張った。
悔しいだろうけど、いい勉強だ。
今の調子で頑張れ」と。
その瞬間、「この上司のために頑張りたい」と思いました。
最近、結果が出ていない部下、少しモチベーションが下がっている部下、あまり目立っていない部下、同期に先を越された部下…。
こうした気になる部下がいれば、声をかけてみてはどうでしょう。
上司から認められる効果は上司が想像しているより絶大です。
きっとあなたのために頑張ってくれるはずです。
Pointミスをした部下、元気のない部下にこそ、声をかけてみよう!
05効果的な〝ほめどころ〟を知る「よくやった」「おめでとう」「ありがとう」だけでは、「ほめ上手」とは言い難い。
ほめることで部下の「やる気」を高める上司こそが、「本当のほめ上手」なのだ。
リーダーになったら、まず「ほめどころ」を覚えておきたい。
⦿ただ、ほめるだけでは意味がない「あなたは、この1週間で部下をほめたことがありますか?」と私の研修で聞くと、9割の人が「ある」と答えます。
でも、「何をほめましたか?」と聞くと、・手伝ってくれたことに対して・お願いしたことをやってくれたことに対して・目標を達成したことに対してといったように、「結果」または「努力」に対して、ほめていることが多いのです。
実は、このほめ方では、それほどモチベーションは上がりません。
行動に変化をもたらすぐらいに、モチベーションを高めるのは、「能力」や「内面」をほめた時なのです。
ほめる対象で子供のモチベーションはどう変わるのか、そんなほめどころの違いが与える効果を研究した調査結果があります。
(※①)ゲーム中、おはじきを他人に分け与えた子供に対して、以下の2通りのほめ方をした時、どちらの子供がたくさんのおはじきを分けたでしょうか。
A:「他の人に分けてあげたのは、ホント素晴らしい」とほめられた子供。
これを「外的帰属」といい、出来事や結果をほめる方法。
B:「分けてあげたんだね。
その思いやりが、ホント素晴らしい」とほめられた子供。
これを「自己帰属」といい、その人の能力や考え方をほめる方法。
結果は、B。
「自己帰属」でほめられた子供のほうが分けたおはじきの数が多く、また2週間後もほめられたことの影響は維持されていたというのです。
⦿ほめるスキルは、できる上司の必修科目これは、「ポジティブポライトネス」というものを知ると、整理がつきます。
ポジティブポライトネスとは、他人から認められたい、好意を持たれたいという欲求。
想像してみてください。
仕事の現場は当然成果を求められますので、部下がポジティブポライトネスを満たせる機会は少ないと思いませんか。
だからなのです。
結果を厳しく求められる職場だからこそ、部下の内面をほめると効果てきめん。
冒頭のケースを使って、「自己帰属」でほめてみるとこんな感じになります。
・手伝ってくれて、ありがとうね。
いつも、優しいね。
助かるよ。
・彼がお願いしたことをやってくれたんだね。
思いやりが嬉しいよ。
ありがとう。
・目標達成、おめでとう。
本当に頼りになるよ。
ありがとう。
どうでしょう。
上司から、こんなほめ方をされたら、「もっと、頑張ってみようかな」と思いませんか?参考までに、面白い調査結果をご紹介しておきます。
どんなほめ言葉をよく使うかやどんなほめ言葉の好感度が高いかを、性別・年代別に調べたものです。
(※②)それぞれ人気度の上位5項目は以下の通り。
《10〜20代男性》「優しい」「明るい」「」「」「」《10〜20代女性》「優しい」「明るい」「」「」「」《50〜60代男性》「優しい」「明るい」「」「」「」《50〜60代女性》「優しい」「明るい」「」「」「」多少の違いはありますが、ほぼ同様の結果です。
ほめる言葉が出てこない時に、参考にしてみてください。
ほめるスキルは、できる上司の必修科目。
なかでも、「結果」や「努力」だけでなく、「能力」や「内面」をほめることはぜひ覚えておきたいポイント。
そうすれば、「この上司は認めてくれている。
もっと頑張りたいな」と思ってもらえることでしょう。
※①Grusec,Kuczynski,Simutis,&Rushton,1978※②林宇萍・林伸一「ほめる」使用頻度と「ほめられる」好感度(2):10代・20代の同性・異性間の差異(2005年)/同(4):50‐60代の同性・異性間の差異及び他の世代との比較(2008年)Pointほめる時は、結果や努力だけでなく、部下の内面をほめよう。
06最高のリーダーは「会社のため」と言わない三流のリーダーは、「業務の指示・確認」と「ご機嫌取り」しかせず、二流のリーダーは、「目標を達成しよう」「シェアNo.1へ!」と会社の幸せを熱弁する。
では、一流のリーダーは、何を熱弁するのか?⦿グローバルの幹部が「どうしても伝えたかった」こととは?そもそも、なぜ毎日通勤電車に揺られ、ヘトヘトになりながら出勤してまで頑張らないといけないのでしょうか。
「生活のため」。
これは当然です。
でも、これでは、「イヤなことを仕方なくやっている」と言っているのと一緒です。
いかなる仕事でも、誰しも、「やりがいを感じたい」と思っています。
新たな視点から「やりがい」に気づけることは、「この人と頑張りたい」と思わせるリーダーの重要なスキルなのです。
ある大手企業で見たシーンを紹介しましょう。
私が若手社員への研修講師をしていた時のこと。
たまたま来日されていたその会社のグローバルの幹部が、突然来られたのです。
わざわざ研修会場に来られる幹部は、なかなかいません。
これには、受講者の方はもちろん、私も驚きました。
どうしても、ひとこと伝えたいとのことでした。
その幹部は、教室の前でゆっくりと、わかりやすい英語でこう話されました。
「リーダーに重要なことは、頑張ることを強いることではありません。
何をなすべきなのか、どうしてやらねばならないのかを考え、部下に伝えることです。
そしてやるからには、ムダに頑張るのではなくスマートにやってください」わざわざ、そのことを言いに来られたのでした。
では、なぜ、わざわざこのひとことを言いに来られたのだと思いますか?⦿常に、「They」の視点で語る実はこれこそリーダーの基本行動なのですが、多くのリーダーが何をなすべきか、なぜやらねばならないかを言わないままに、部下をいたずらに頑張らせようとしています。
リーダーが語るべきなのは、社内でNo.1になるとか、目標を達成しよう、といったことではありません。
社会やお客様のために何をなすのか、ということなのです。
私は、これを「They(社会の〝誰か〟、またはお客様等)」の視点と呼んでいます。
部下は、たとえ定型業務であっても、「この仕事が誰かの役に立っているはずだ」と感じたいと思い、新たなやりがいを求めているのです。
別の事例を紹介しましょう。
これも、私が講師をする研修でのこと。
ある人材サービスの会社で活躍する20代の女性リーダーは、こうおっしゃいました。
「私は高卒なので、かつて仕事を探す際、やはり不利を感じていました。
でも、学歴にかかわらず、実力のある人はいます。
学歴や何かしらの条件でチャンスが少ない人の門戸を広げたいと考えています。
例えば、サイバーエージェントといった人気企業で、中卒の人が活躍している、そんな世界があっても、いいのではないかと思っています。
これは、我々のような人材サービスを介さないと、難しいでしょう。
我々は、そんなチャンスクリエイターでもあるのです」いかがでしょう。
まさに「They」の視点で、リアルな思いを語られています。
このようにTheyの視点で捉えると、部下も「やりがい」を持てます。
「やりがい」に気づかせてくれるリーダーは、部下にとっては救世主のようなもの。
「この上司と出会えてよかった」と思える瞬間です。
では、どうすれば、そんな「They」の視点を持てるのでしょうか?その方法を次項で紹介します。
Pointまず、「お客様、もしくは社会のために頑張る」と言えるようにしておこう。
07リーダーになったら、まず「使命」を探そう「放っておけない」こと、それが使命。
名リーダーには、必ずこれがある。
でも、いきなり使命なんて持てるものではない。
必要なのは考える時間を持つこと。
これこそ、さなぎから羽化するがごとく、プレイヤーがリーダーになる瞬間でもある。
⦿誰もが「They」を語れるようになる方法「They」の視点で思い入れを持てるようになるには、2つのアプローチがあります。
私が研修でレクチャーしている方法を紹介しましょう。
これで見つからない人は、20人中1人の確率。
95%の確率で見つかる方法です。
1つは、あなたの〝経験〟から考える「経験アプローチ」。
2つ目は、Theyの「不(不安、不便、不満)」を探す、または思い出す「Theyの〝不〟アプローチ」です。
では、具体的な方法を紹介しましょう。
⦿「経験アプローチ」とは?1つ目の「経験アプローチ」は、先ほどの「高卒の女性」のアプローチがまさにそれ。
本人の経験をベースに考えます。
この「経験アプローチ」にも2つのやり方があります。
《悲しみアプローチ》過去の自分みたいに悔しい(または悲しい)思いをしている人がいるはず。
もう、誰にもそんな思いをさせるわけにはいかない。
だから、今の目の前の業務に真剣に取り組まねばならない、というアプローチ。
《反省アプローチ》ある出来事をきっかけに、この仕事の〝かけがえのなさ〟に気づかされた。
もっと魂を込めてやらねばならない、と強く反省した。
だから、目の前の業務に真剣に取り組まねばならない、というアプローチ。
先ほどの「高卒の女性」のアプローチは、前者の「悲しみアプローチ」になります。
つらい経験を自己開示するため、勇気はいりますが、部下の気持ちをわしづかみにする効果があります。
後者の「反省アプローチ」は、親、友人、もしくは知っている誰かが「何気ない仕事に使命感をもって真摯に向き合っている姿」を見て、仕事の本質に気づかされた、というアプローチです。
これも、心を打つ効果があります。
⦿「Theyの〝不〟アプローチ」とは?もし、このアプローチでも難しいようなら、2つ目の「Theyの〝不〟アプローチ」でトライしてみてください。
これはThey(社会)の「不(不安、不便、不満)」を探す、または思い出すアプローチです。
《「不」を探すアプローチ》街に出たり、取材する等を通じて、「不」を知るアプローチ。
例えば、TSUTAYAの創業者、増田宗昭氏もこの方法をとっていると語っています。
常識破りのビジネスを次々と生み出す増田氏ですが、思いつきではなく、「人は、どうなったら幸せを感じるのか」と、街を歩き回りながら考える中で、事業アイデアに自分の思いが宿ると言います。
《「不」を思い出すアプローチ》あなたのエンドユーザーの〝リアルな光景〟を思い出すアプローチ。
私の研修を受けた銀行のATMを開発するプログラマーもそうでした。
彼が思い出したエンドユーザーは、1人のお婆さん。
ATMの操作に手間取り、行列が出来てしまっていたそうです。
お婆さんが、申し訳なさそうに頭を下げて去っていく光景を思い出したと言います。
それが、誰もが安心して使えるATM開発をやらねばならない、と考えるきっかけになりました。
さて、あなたは、どのアプローチで、使命を見出せそうでしょうか。
いずれにも共通しているのは、「空想」ではなく、「リアル」な経験。
あなたが使命を部下に語れば、単調な業務でも「やりがい」を持てる大きな一歩になるでしょう。
ここはリーダーとして絶対に必要なステップ。
ぜひトライしてください。
Pointリーダーになったら、「放っておけない使命」を考えよう!
08「仕事を面白くする方法」を伝える仕事が単調でつまらない、と思っている部下だと、本気では頑張ってくれない。
でも、ほとんどの仕事は単調なものである。
あなたの会社もそうかもしれない。
だとするなら、仕事を面白くする方法を教えねばならない。
⦿「面白い」のではなく、「面白くする」のが正解「仕事自体が面白い」ことを前提にするのは、現実問題として厳しいでしょう。
「仕事は面白くする」ものです。
面白さを教えるのではなく、面白くする方法を教えるのが、上司の役目。
例えば、営業のテレアポもそうでしょう。
1日に何十件と電話をかけ続けるわけです。
伝票処理もそうです。
来る日も来る日も、伝票チェックをし続けます。
プログラマーもそうでしょう。
常にコードの入力をする日々が続きます。
これら多くの定型業務は、いずれAIにとって代わられるかもしれません。
そうなったら、人間が従事する職種は変わることでしょう。
でも、「仕事を面白くするチカラ」は永遠です。
変化の激しい時こそ、必要な力です。
では、リーダーは、どうやって仕事を面白くする方法を教えればいいのでしょう。
オススメの方法があります。
あなたの「仕事の流儀」を伝えるのです。
譲れないこだわりです。
部下に「流儀」を伝えておけば、「仕事を面白くする」方法を伝えることにもつながります。
まず、この空白を埋められるようにしておいてください。
《あなたの「仕事の流儀」》仕事をやる上で、大切なことは、である。
ちょっと、唐突すぎましたね。
参考例を紹介します。
NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』という番組では、各界の第一人者たちが自らの「流儀」を語っています。
・〝当たり前〟を否定すること(IT技術者及川卓也氏)・圧倒的な結果を残すこと(プロ野球選手イチロー氏)・100−1=0と考えること(ホテル総料理長田中健一郎氏)リーダーの「流儀」が伝われば、部下の意識は変わります。
⦿世界一、キレイな羽田空港羽田空港は、複数回にわたって「世界一キレイな空港」として表彰されています。
(※①)その立役者の1人が、現場の清掃リーダー、新津春子さんです。
例えば、トイレの床が〝くすんで〟いた時のこと。
くすみは落とすのが難しいものです。
でも、新津さんはあきらめません。
どうしたと思いますか?なんと、薬品を混合し、専用器具を作り、なんとか落とせないかと考え始めたのです。
そして、その試行錯誤が効を奏し、床が真っ白に。
それだけではありません。
通りすがりのビジネスパーソンに対しても、元気いっぱいに「おはようございます!」と声をかけます。
でも、なぜそこまで頑張るのでしょう。
ここに新津さんの「仕事の流儀」があります。
「自分の家だと思ってやること(だから少しでも気持ちよくお出迎えしたい)」上司から、こう言われたことで開眼したそうです。
「あなたは掃除の技術はあるが、心がない」と。
そこから、考え方、器具の扱い方、ふるまい、すべてが変わったと言います。
今、新津さんは、リーダーとして、多くの部下に「流儀」を伝えていらっしゃいます。
そうやって、職場の意識が変わり、世界一キレイな空港になったのです。
職場ではもちろん、数字の会話、業務確認の会話も大事です。
でも、本当に伝えておかねばならないのは、「仕事を面白くする方法」なのです。
※①英国スカイトラックス社の評価Point仕事の流儀を語れば、
「単純作業」すらも「エンターテイメント」にできる
09いい人より、「格好いい人」であることが大事上司に「格好よさ」は絶対に必要である。
野暮ったい、古めかしい上司ではダメなのだ。
「身なりを整える」のはもちろん、「刺激を与えてくれる存在」にならねばならない。
ここに高度なスキルは不要。
「リーダーとしての習慣」として取り入れているかどうかである。
⦿いい人だけど、刺激を受けない上司「サラリーマンの唯一絶対のリスクは上司です。
上司がアカンかったら、ビジネス人生の半分以上がダメになる」(※①)こう語るのは、東京都初の民間人校長としても著名な藤原和博氏。
これは、本当にそうだと思います。
私が見てきた限り、「一丁あがり」感のある上司の下では、部下は育ちません。
「一丁あがり」とは、過去の経験と実績が拠り所になっており、能力や感性をアップデート(更新)しようとしない、そんな上司。
ひとことでいうと、好奇心が薄い人。
「いい人だけど、あまり勉強にならないな。
職場を変えたほうがいいかも…」こうやって、いわゆる上位校出身者や向上心のある優秀な部下から辞めていきます。
常に好奇心を持ってインプット(学習)する人に、部下は刺激を受けます。
でも、自分では、「一丁あがり」になっているかどうかなかなか気づけないもの。
誰かが指摘してくれるものでもありません。
そこで、ちょっとチェックをしておきませんか?もし、次のうち2つ以上のがつかなかったら、赤信号です。
□日経新聞を読み、時にはトピックを部下に伝えている。
□業界新聞もしくは業界雑誌に目を通すことで、仕事に必要な業界知識を収集し、最新の事例を部下に伝えている。
□ビジネス書を月に1~2冊は読み、時にその内容を部下に伝えている。
□社内のうまくいっている事例があれば、話を聞き、その情報を部下に伝えている。
□社外のうまくいっている情報を仕入れ、部下に伝えるようにしている。
いかがでしょう。
これは部下を持った上司の最低限のインプットだと考えてください。
もし、がつかないようなら、部下はあなたを刺激不足と感じているかもしれません。
⦿「ボス充」は武器になる今、ワーク・ファミリー・エンリッチメントという考え方が注目されています。
ワーク・ライフ・バランスは「仕事とプライベートのバランスを適正に保つ」という考え方ですが、ワーク・ファミリー・エンリッチメントは「充実したプライベートは仕事に」「充実した仕事はプライベートに」と双方が良い影響を与え合うという考え方。
プライベートのことを職場ではあまり話題にしない、という上司は少なくありませんが、今の時代においては賢い選択ではありません。
人と組織の在り方を研究するリクルートマネジメントソリューションズは断言しています。
「生活を楽しみ、社外活動が充実しているマネジャーは、会社や社会にいい影響を与え、メンバーから信頼されています」と。
またそのように、ボスが充実している状況を〝ボス充〟と呼んでいます。
同社の「ボス充実態調査(2017)」でも面白い結果が出ています。
社外活動が充実している上司のほうが、若い部下から魅力的に映っており、20代だと約4割が魅力に感じると言います。
さらに、上司に社外活動での学びを、職場でも共有してほしいという部下は6割にも上ると言います。
家族との出来事、趣味、ボランティア、勉強…すべてに精通する必要はありませんが、少しでも、プライベートの一端を自己開示することもリーダーとして効果的です。
例えば、私が懇意にさせていただいているリーダーは、数百人の部下を率いる多忙な生活をしながらも、年に数回、世界各国に渡航されます。
海外の価値観に触れることで、常に感性をアップデートさせるためだそうです。
きっと、あなたにも趣味があるでしょう。
それを語るだけでも充分。
おおげさに考えずとも、まずはプライベートを自己開示する、それだけでも部下はあなたに「ボス充」を感じることでしょう。
逆に、「忙しくて本も読めない」とか「家に居場所がない」「休日はごろごろ」といった言葉は、不用意に口にしないようにしたいものです。
※①文化放送「TheNewsMastersTOKYOPodcast」よりPoint好奇心にあふれ、充実した生活を送っている上司でいよう!
10部下の「希望」に火をつけるそれほど高い収入がなくても、生活するのに困らないのが今の日本。
そこそこ責任を果たせば問題ない、と考える若者も少なくない。
では、彼らの心に火をつけるには何が必要なのか?今の時代、上司が知るべきポイントである。
⦿「希望がない職場」と「ある職場」の決定的な違い「希望学」という学問をご存知でしょうか。
東京大学社会科学研究所の「希望を持つための要素」を研究する学問です。
その研究成果にこんな報告があります。
(※①)「20代や30代の若者の間で、自分の将来の生活や仕事に希望があると答える割合は趨勢的に低下している」「一方で現在の生活に満足している若者の割合は高水準を維持しており、その意味で若者の間で不幸感が蔓延しているという証拠はない」実は、私が担当する研修の受講者でも、「希望がある」と回答する人は2~3割。
たしかに、少ないように感じます。
でも、実は会社によって、その比率は変わります。
ある銀行では、20人中0人。
希望がない職場と言っても過言ではないでしょう。
あるIT企業では、なんと8割が「ある」と回答。
まさに希望に満ちた職場です。
では、いったいこの差は何によって生まれるのでしょうか。
取材をすると、1つのことが見えてきました。
上司の関わり方です。
上司が、部下の「未来」に関心を持っているかどうか。
具体的には、面談の機会を設け、「将来の夢」、「やってみたいこと、なりたいもの」を話し合う機会があるかどうか。
そして、希望に焦点を当ててくれる上司の下で働く部下は、定型業務であっても、そこに自分の未来を投影し、モチベーションを高く保てているのです。
例えば、クレーム対応の仕事。
決して、ワクワクするような仕事ではありません。
でも、その職場の部下を取材すると、こう返ってきます。
「いつかはリーダーになりたい。
その時、ここでの苦労が必ず活きると感じている」「将来、事業を起こしたいと考えている。
これくらいできないと経営者にはなれない」先述の希望学でも、こう論じています。
希望を持てるか持てないかは、体験による刺激からだと。
その刺激こそが、上司との「将来を語る機会」なのです。
⦿モチベーションがトップクラスの会社が行う面談とは?私のクライアントに、リンクアンドモチベーション社のモチベーションサーベイの偏差値がトップクラスの会社があります(なんとモチベーション調査の偏差値が約80)。
超高収益の急成長企業で、今では就活学生にも人気の企業です。
その会社では、1週間に1回、必ず面談をしています。
業務のことだけではなく、「会って会話をする」ことが大事、との位置づけの面談。
その会社の方々と話していて、驚いたことがあります。
Webエンジニアの方が多く、どちらかと言うと専門職志向のはず。
それでも、6~7割が、「事業部門の責任者になりたい」とおっしゃるのです。
聞くと、面談で色々とやってみたいことが見つかったと言うのです。
面談の話題は、「やってみたいことある?」といったもの。
見つからない部下には、質問でうまく引き出します。
「しいて言えば、収入を上げたい…くらいでしょうか」と言う部下には、なぜ収入に関心があるのか、「なぜ?なぜ?」と尋問にならないよう、ソフトに深くヒアリングします。
すると、「収入は、付属的なもので、世の中を便利にするコンテンツを開発したい」と気づいたりもします。
よく、「ウチの部下には希望がない」と嘆く上司がいます。
でもそうじゃないんです。
「未来を語る面談の機会がない」のではないでしょうか。
もちろん、希望はスグには出てこないかもしれませんが、繰り返しやることが大事。
その過程が、部下が将来を考えるきっかけになります。
希望を得た時、部下の目の色は変わります。
きっと10年後、「あの人のおかげで、今の自分がある」と思ってもらえることでしょう。
※①「希望学の10年を振り返って」(玄田有史、『学際』2016年1月)Point希望は「ある」ものではなく、「気づく」もの。
「未来を語る面談」をルーチンにしよう!
11キチンと部下の「罪悪感」を取り除く本当に世の中のためになる仕事なのか?このやり方で問題はないのだろうか?若者は、そんなジレンマを感じやすい。
心の持ちようは説教したところで、解消しない。
「正しい目的」「正しいやり方」、この2つの要素を〝実感〟した時、部下は本気になる。
⦿「目的の正しさ」を伝えておく「この仕事は、本当に、世の中のためになっているのだろうか…?」そんなジレンマがあると、部下は思いきり頑張れません。
中には、売上を上げることに抵抗がある、なんて若手社員もいます。
まず、早々にジレンマは解消しておかねばなりません。
例えば、あなたなら次の問いにどう答えますか?あなたは、消費者金融の広告代理店の営業課長です。
テレビや新聞、ネットを通して、消費者金融を宣伝するのがミッション。
すると、ある部下がこう言います。
「消費者金融の利用者を増やすのは、不幸になる人を増やしているような気がして…」さて、あなたはどう答えますか?ムリに説得してしまうと、「マジか…この人、合わないな」と思われるだけ。
まず、「自分の視点ではなく、利用者の視点で考える」ことに気づかせねばなりません。
消費者金融がないと困る人はどんな人なのか?また、その人は、どこに住んで、どんな食事をして、どんな生活を送っているのか?消費者金融のおかげで、その人はどう救われたのか?その実例をあなたの口からリアルに語るのです。
これはなにも消費者金融だけの話ではありません。
ゲーム開発、酒造メーカー、たばこ製造、アパレル、レストラン、銀行、証券会社…細かく見ると、ほとんどの業種で〝若手がひっかかる〟ポイントはあります。
だからこそ、上司の口から、利用者のリアルな視点をしっかりと伝えねばならないのです。
⦿「手段を正しく」しておくもう1つ大切なのは、「手段の正しさ」。
モラルに反する方法では頑張れません。
典型例は、「たしかに商品はいい、でも、販売手段が怪しい」というケースです。
また聞きますね。
お付き合いください。
あなたは、大手携帯キャリアの「ネット回線」の販売代理店の営業課長だとします。
販売しているのは、紛れもなく大手の優良なサービス。
でも、セールストークのマニュアルに、こう書いてあるのです。
「マンションの管理会社に許可を得て、お住まいの皆様にご案内しております」と。
でも、実際はそんな許可はとっていません。
さて、どう対応しますか?答えは簡単です。
「正しいやり方」に直して、結果を出す、それこそが正解です。
そうでないと、社員は本気で頑張れないでしょう。
親や友人から「その会社、辞めたほうがいい」と忠告されるかもしれません。
このような例は、セールストークに限ったことではありません。
自社製品を3つも4つも自分で購入して目標を達成、なんてこともそうでしょうし、取引業者に無理強いをするなんてことも、その典型でしょう。
もし、あなたの会社がそういう体質になってしまっているとしたら、提案があります。
あなたの部門からでも改善してみてはいかがでしょう。
白状します。
ずいぶんと昔の話です。
私が着任した部署で、「お願い営業」の習慣がベテランの一部に残っていました。
「実は、ちょっと数字が足りないのです…」とお客様にお願いする営業なのですが、無用な貸し借りが発生しやすく、癒着の温床にもつながる危険な方法だと判断しました。
だから、やめました。
そして、彼らの知恵を借り、自分たちで新しい「正しい方法」を考えることにしたのです。
自分たちで考えたやり方のほうが愛着が出るものです。
「正しいやり方」から逃げては強い組織は作れない、今なお、その確信は揺るぎません。
Point自分の言葉で「正しい目的」を伝え、誰よりも「正しいやり方」にこだわる人になろう!
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