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第3章 絶対的自己肯定感を高める5つのステップ―ゆるがない人間関係のベースをつくるために必要なこと

第3章絶対的自己肯定感を高める5つのステップ~ゆるがない人間関係のベースをつくるために必要なこと~

「絶対的自己肯定感」と「社会的自己肯定感」自己肯定感を高める5ステップステップ1◉ありのままの自分を認めるステップ2◉ありのままの自分を受け入れる◉ネガティブを認めることで、安心して〝次のアクション〟を起こせるステップ3◉ありのままの自分を大切にするステップ4◉自分の価値を感じる◉絶対ルール!結果と自分は切り離すこと!ステップ5◉自分を信頼する「自己効力感」まで持てれば、未来を確信できる双方向で納得できるコミュニケーション術「I’mOK.You’reOK」こうすれば〝相手を許容する力〟は自然と身につく◇第3章ポイント

「絶対的自己肯定感」と「社会的自己肯定感」自己肯定感は、2つの部分からなっていると考えると理解しやすいでしょう。

土台となるのが、「自分の存在そのものを認める自己肯定感」です。

もうひとつは、その上に積み上げる、「他者評価や相対的評価からなる自己肯定感」です。

ここでは、前者を「絶対的自己肯定感」、後者を「社会的自己肯定感」と呼ぶことにします。

前者は、「自分には他人に自慢できるところや、他人よりも優れたところがあるからと、自分を肯定する感覚ではなく、自分のダメなところや弱いところ、悪いところも含めて、自分が存在していること自体をまるごと肯定する、存在レベルの自己肯定感」で、さらに、「この自己肯定感は身近な人間(たとえば親)にかけがえのない存在としてまるごと愛され、その苦しみを共感され、ありのまま受け入れられる共感的な人間関係の中でこそふくらんでくるものである」と、自己肯定感研究の第一人者である高垣忠一郎氏は述べています。

(『生きることと自己肯定感』〈新日本出版社〉より)この感覚は子どもの頃、親や養育者から自分の全存在をまるごと受容してもらうことで、自らの個性や自分らしさに目を向けられ、それを受け止め、受容することで育まれます。

それに対して、後者の「社会的自己肯定感」は、仕事の成果や社会や他者からの相対的な評価、自ら努力することで得られる達成感や成功体験を自分で肯定的に受け止めることで育まれるものです。

これは環境や状況などに左右されます。

◉絶対的自己肯定感が土台!自己肯定感が高い状態では、この2つのバランスが取れています。

しかし、これまで25年間で多くの人と関わらせていただく中で、その大部分が土台となる「絶対的自己肯定感」を十分に持てていないことで、様々な問題を抱えていらっしゃいました。

存在そのものを認める「絶対的自己肯定感」が低いと、どうしても自分の付属物である能力や成果で自己価値を保とうとして頑張ります。

すると、成果が出ているうちはいいのですが、うまくいかず結果に結びつかなかったり、失敗をしてしまうと自信を失い、とたんに自己評価を下げてしまうのです。

それが様々な悩みをつくり出します。

「社会的自己肯定感」は、他者評価や結果などが拠り所になっているので、外的要因によって左右されやすく、それだけで自己を保とうとしても状況が変わると、自分を支える術を簡単に失ってしまいます。

「絶対的自己肯定感」は、外的要因や他者評価がどうであっても、自分の存在そのものの価値は揺らがないという感覚が持てるので、何があってもその土台は崩れません。

本来、「社会的自己肯定感」は、「絶対的自己肯定感」が持てると、自らの努力や成果、結果とともに、他者からの評価も、健全に自己価値として受け止め、真の自信として積み上げていけます。

自己肯定感が低いと感じている場合、どちらの自己肯定感が低い傾向にあるのかを知ることで、本人が直面している問題の本質が見えてきます。

土台に「絶対的自己肯定感」がないと能力や成果、結果などの自分に付属しているものをかき集めて自己価値を支えようとしてしまいます。

「社会的自己肯定感」だけで、これまで自分を支えていた人は、「絶対的自己肯定感」をバランス良く高めていけると真の自信を持てるようになります。

すると、なかなか社会的な成果が出ないときや、失敗やうまくいかないことで落ち込んでしまうときでも、そこで過度に自己否定せずに自己価値を保つことができるので、何か困難があっても、それに打ち勝ち、乗り越えていけるのです。

「絶対的自己肯定感」は子どものときの、親や養育者から自分の全存在を受容し肯定してもらうことで育まれますが、実際は、そこを子どものときに十分育まれずに大人になった人がほとんどです。

では、そこが低いままきてしまった人は、どう立て直していけばいいのでしょうか。

大人になったらもう手遅れということではなく、「自己肯定感を高めるステップ」を踏めば、誰もがいつからでも低かった自己肯定感を立て直すことができるのです。

これから、多くの人に実践していただいて、実際に効果があった「自己肯定感を高めるための基本ステップ」をご紹介していきます。

自己肯定感を高める5ステップ自己肯定感の土台である「絶対的自己肯定感」は、「何ができるか」「何を持っているか」「人と比べて優れているか」というような「能力や才能」など、自分に付属しているものや獲得するものによって左右されるものではありません。

誰もが生きているだけでかけがえのない存在であること、条件を付加しないで、自分の存在そのものをOKする感覚なのです。

本来は、子どものときに、親や身近な養育者から愛情を受け、自分の全存在を無条件に受け入れてもらえているという経験の中で育まれていきます。

しかし、様々な理由で、その感覚をしっかり持てないまま、大人になってしまった人が多いのです。

大人になった私たちが、この土台を自ら育んでいくには、誰よりも自分の理解者になり、自分を認識して自己受容し、自らを承認していくことが必要です。

そこで、自己肯定感を高める5つのステップをご紹介していきます。

ステップ1ありのままの自分を認めるステップ2ありのままの自分を受け入れるステップ3ありのままの自分を大切にするステップ4自分の価値を感じるステップ5自分を信頼するこの1から3までのステップを踏むと、「絶対的自己肯定感」が高まっていきます。

すると、自分を好意的に感じられるようになり、この3までのステップを繰り返し自分のものにしていくと、自分に価値を感じられます。

さらに様々な経験を重ねていく中で自己信頼が高まっていきます。

それが自分の自信となる「社会的自己肯定感」につなげていけるのです。

ステップ1◉ありのままの自分を認める今の自分を直視して、自分をあるがまま見てあげましょう。

「自分のありのままを認める」とは、自分の良いところだけでなく、嫌だと思うところや弱点、短所がある自分であっても、過去に失敗をしたり、まだまだ満足できない自分であっても、そんな自分のあり方すべてを含めた、まるごとの自分を認めることです。

様々な気質や要素を持っている自分を、「いい、悪い」で判断せずにそのまま認めていきます。

以前、私の研修を受けたDさんは、自分の短所は「部屋をそうじできないこと」だと思っていました。

そこで、部屋が汚くそうじができない自分を認めてしまうと、「そうじをする自分」をあきらめてしまうことになるのではないかと強い抵抗感を持ちました。

しかし、「そうじをする」という次のステップに進むにも、いったん、「そうじができていない」という自分の現状を認めることが非常に重要です。

たとえ、今は望む状態でなくても、現状を見ないふりせずに、これが今の状況なのだと認めます。

現状が理想とかけ離れた状態であっても、今の完璧でない自分をそのまま認識します。

そこで、「そんな自分が嫌」と感じている自分がいることに気づいたら、「そう思ってしまうのも、無理もないよね」と共感してあげます。

すると、安心してありのままの自分を認めてあげられます。

人間関係で、自己肯定感の土台となる、自分のあるがままを認められると、相手のそのままを認められるようになります。

ステップ2◉ありのままの自分を受け入れるステップ1で、あるがままの自分の現状をそのまま認められたら、その自分をまるごとOKしてあげましょう。

「自分を受け入れる」とき、「受け入れる」という感覚に抵抗を感じる方がいますが、自分が持っている気質や個性、自分が置かれている状況や、自分のあり方や境遇などをそのままを自分のものとして受け止めてみましょう。

それは、自分のネガティブに思える部分も、そうなった状況や経緯など、自分を取り巻くすべてを理解しようとすることも含まれます。

ここで、あるがままの自分を「これが自分」と許容することで、自分が持つ自分らしさや個性を受け止められるようになります。

このように、世界で唯一無二の「自分の存在そのもの」を受け入れられると、自己肯定感の確固たる土台を持てるのです。

そして、「自分は自分」と思えるようになるのです。

ステップ1で自分の短所は「部屋をそうじできないこと」と思っていたDさんは、その現状を直視し、「自分はそうじができていない」ということを認めました。

次にこのステップ2で「ありのままの自分を受け入れる」にはどうしたらいいでしょう。

この場合、認めたくない現状を「受け入れる」ときに重要となるのが、その状況をつくり出している理由を自分が理解してあげることです。

そこで、自分が見ようとしていなかった「そうじができない状況」をつくり出している理由に目を向けてみるのです。

すると、自分で納得することができます。

Dさんの場合は、残業続きの毎日で、一人暮らしの部屋に帰ると、ベッドに倒れ込んで、気づくと朝、という日もあったといいます。

そうじができない自分はダメだと責めていたけれど、そうじができない状況になっているのは、あまりにも疲れていたからで、そうじをするよりも休みたいという気持ちが勝ってしまう日が多かったからだと気づきました。

この理由を自分で理解してあげることが、今の状況を受け入れることなのです。

たとえ、できないところがあっても、そこを責めたり、否定しないで、「それも自分なのだ」と引き受けてみましょう。

人間関係では、自分が受け入れられると、他者のことも許容しやすくなります。

すると、自分を受け入れられていないと感じることで取っていた、他者に対する保身的な行動が少なくなり、目の前の相手と安心して関わることができるので、それが他者との関係にも良い影響を与えていくのです。

◉ネガティブを認めることで、安心して〝次のアクション〟を起こせるネガティブな部分を持っている自分や、満足できない自分を受け入れることに抵抗を感じる人は少なくありません。

そう感じてしまう人は、そんな自分を受け入れることは「今の自分に妥協して、成長を止めてしまうのではないか」、「自分をあきらめて、開き直ることなのではないか」と考えてしまうので、そのままの自分を認めることに抵抗を感じてしまいます。

ここでお伝えしている「自分を受け入れる(自己受容)」とは、自分のネガティブな部分に目をつぶって、その部分をないことにすることではありません。

自分の現状をありのまま認識することなのです。

それができて、その部分をどうにかしたいと思えれば、そのために何ができるかを考え、自分を成長させる次のアクションにつなげていくことができます。

すると、次のアクションは、「〇〇したい」という健全な意欲を原動力に、安心して内発的動機から動き出せるようになるのです。

一方、現状を受け入れられずに、ネガティブな部分がある自分を責め、「このままではダメだ」と、「自己否定感」からの行動は、常に「不安や恐れ」が頭を離れません。

すると、その不安を払拭するために自らを叱咤激励し、負荷をかけた行動で、成果を出し続けようとするのです。

そこで成果が出て一瞬は満足できても、その原動力は、「自己否定感」なので、再び「まだ足りない」、「まだまだダメだ」という感覚が頭をもたげるのです。

それが、絶えず新たな獲得目標をつくらずにはいられなくなります。

そうなると、永遠に自己価値を証明するために、頑張り続けなければならなくなるのです。

ステップ3◉ありのままの自分を大切にする「ありのままの自分を大切にする」とは、心身ともに、自分を心地良くすることや自分の健康にも意識を向けることはもちろん、自分の感情や気持ちを理解して、どんなときも自分の一番の味方になり、自分に愛情を注いであげることも含まれます。

ステップ2で、「部屋をそうじできないこと」を短所と思っていたDさんは、「そうじができない状況」をつくり出していた理由を見つけて、その自分を理解してあげました。

そこで、このステップ3では、あまりにも疲れていたから、「そうじをするより休みたかったのだ」という気持ちを受け止めて、そうじより休息を自分に与えてあげます。

部屋が乱雑なのは気になるけれど、寝たいだけ寝ることを許可したり、体の疲れを取るために、マッサージに行ったり、十分休ませてあげると、次第に心と体が元気になります。

すると、Dさんもあんなにできなかったそうじが、誰に言われたわけでもないのに、なぜか自然に「部屋をきれいにしたい」という意欲がわいてきたのです。

自己肯定感を高める上で、感情を切り離して考えることはできません。

「感情を理解する」ことは、「自分を理解する」ことです。

それが、自分を大切にすることになります。

自分の中にわき上がるさまざまな感情がどんな理由でできているのかを理解してあげると、感情に飲み込まれ、振り回されることがなくなります。

たとえ嫌な気分になっても、その気分をつくる感情に、いい悪いという区別はありません。

どんな感情もあなたにとって意味があって生まれていると理解して、その感情を受け止めてあげることが重要なのです。

この1から3のステップは、日常の様々な場面や状況で自分と向き合い、何度も繰り返し実践すると、「絶対的自己肯定感」の土台がつくられていきます。

すると、少しずつ自分が自分であることへの安心感が生まれ、心から自分を受容し、承認できるようになり、自分を好意的に受け止められるようになるのです。

他者との関係においては、自分を理解して大切にできると、相手のことを理解し、大切にしようと思えます。

相手からも大切にされ、理解されている感覚になるのです。

人は自分を理解してくれようとする人を信頼します。

このように、まず自分を理解できると、他者を理解しようとする気持ちが生まれ、それが他者との信頼のベースとなり、人間関係を良好にしていくのです。

ステップ4◉自分の価値を感じるステップ1から3を繰り返し実践していくと、自分をより承認できるようになり、それが自己評価を高めます。

ここまでで自己肯定感はすでに高まっています。

さらに、様々な経験を重ねていく中で、自分に対しての自信につなげていけるのです。

自分の価値というものは、自分ではなかなか感じにくいものかもしれませんが、ここでは「自己評価」と「他者評価」の2つの側面から見てみましょう。

自分の行為や言動、努力や成果に対して、「自分は良くやった」と自分で認められると自己評価につながります。

それが他者からである場合は、他者評価になります。

「絶対的自己肯定感」が持てると、他者からの評価も肯定的に受け止め、健全に自己価値として積み上げていけます。

そこで、「社会的自己肯定感」を高めていけるのです。

さらに、何かチャレンジをしたときに、たとえ思い通りの結果が得られなくても、その結果を受け止め、その結果から何を学べるか、その経験を次にどう生かしていくかを考えていくプロセスが自己価値となり、成長につなげていけるのです。

ステップ3で「部屋をそうじできないこと」を短所だと思っていたDさんが、そうじができない理由を理解し、そうじをするより、まず疲れた体を休めることで、心と体が元気になりました。

そして、そうじへの意欲が生まれました。

そこで、ステップ4では、そうじをするより休みたいという気持ちを受け止めて、休むことができた自分や、体の疲れを取るためにマッサージに行けた自分を「良くできた」と認めてあげるのです。

また、「そうじへの意欲がわいた」、「1カ所でもそうじができた」としたら、それも「良くやれた」と評価してあげます。

自分にしかわからない小さなことや、小さなステップであっても、そこを見逃さずに認めることで、自己評価につなげて、自己価値を感じられるようになるのです。

他者との関係においては、自分を評価し、自己価値を感じられていると、他者との優位性によって自己価値を決める必要がなくなるため、保身的行動を取らずに、安心して相手を評価し、相手の価値を認めることができます。

すると、安心して相手と関係が築けるのです。

◉絶対ルール!結果と自分は切り離すこと!人生に失敗や間違いはつきものです。

完璧な人などいません。

しかし、そうわかっていても、物事がうまくいかず、失敗したときには自己価値が危うくなります。

「失敗した出来事=ダメな自分」と捉えてしまうと、その状態で自己価値を保ち続けるのは難しくなります。

また、ミスや失敗を他者から指摘されて、自分が責められた感覚になるのは、「結果(行為)」と「自分」を同一視してしまっているからです。

そんなときに、過剰に自己否定せずに、自分の価値を保つためには、自分の「結果(行為)」と「自分そのもの」を切り離して考えることが必要です。

どんな結果であっても、結果(行為)と自分を切り離して考えられると、結果が自分そのものの存在価値を揺るがすものにはなりません。

それができると、ミスをしても、そのミスに対して、どうすればいいのかを考えればいいので、そこで「自分の人格まで否定された」と考える必要はなくなります。

たとえば、職場の会議で、あなたの意見が誰かに反論されても、相手はあなたを攻撃したわけではなく、あなたの意見に対して、単純に反対意見を述べただけです。

そこで、相手は自分の「行為や結果」について指摘しただけで、自分を否定してはいないと理解できれば、あなたは、相手に安心して意見を伝えられるのです。

これが、「行為」と「自分」を切り離して考えるということです。

ステップ5◉自分を信頼する「信用」には担保や信用するための根拠が必要となりますが、「自分を信頼する」とは、自分を無条件に信じられることです。

ステップ1から3で、「絶対的自己肯定感」の土台ができて、ステップ4の自分の価値を感じられるようになると、外的状況がどうであっても、そのままの自分を信頼できるようになります。

これが確固たる自信をつくります。

ステップ4で「部屋をそうじできないこと」を短所だと思っていたDさんは、自分に対して、できたことを「良くできた」「良くやれた」と自己評価して、自己価値につなげていけました。

ステップ5では、今後、そうじができない状況に陥っても、「自分なりにその状況に対処できる、自分ならなんとかできる」と自分を信頼できるようになります。

対人関係においては、自分を信頼できると、同じように他者を信頼することができます。

すると、他者からも信頼されていると感じられるようになり、他者との関係はさらに良くなるのです。

「自己効力感」まで持てれば、未来を確信できる自己肯定感が高まり、自分への絶対的な信頼感が持てると、これからやろうとしていることに対して「自分がやることはうまくいくはずだ」、「自分ならできるはずだ」と未来の自分を信じることができます。

それを「自己効力感」と言います。

この感覚が持てると、自分の可能性や能力を信じることができます。

どんなことも自分ならできると確信を持って取り組むことができるので、たとえ大変な状況に直面しても「自分なら乗り越えていける」と信じて、困難に打ち勝つことができるのです。

自己効力感は、カナダの心理学者であるアルバート・バンデューラ博士によって、定義されました。

博士は著書(『激動社会の中の自己効力金子書房)の中で、「自己効力感を持てると、人は逆境にあっても、それがよい方向へ物事を変化させていけると信じられ、自分の能力に対して楽観的で肯定的な見方ができる」さらに、「困難な仕事を、避けるべき脅威としてではなく、習得すべき挑戦と受け止めて進んでいくことができる」と述べています。

この「自己効力感」が持てると、いろいろなことにチャレンジをしようとする意欲と、自ら人生を切り拓いていく力が持てるようになるのです。

双方向で納得できるコミュニケーション術「I’mOK.You’reOK」アメリカの精神科医エリック・バーンが「交流分析」の中で提唱した「I’mOK.You’reOK」という考え方があります。

これは、自分と他者の違いを受け入れ、お互いの存在価値を認めていくことで、自分らしく、個性を自由に表現して、他者と健康的に関わるための土台となります。

この姿勢が持てる人と一緒にいると、安心して助け合い、思いやりを自然に発揮できる環境がつくれます。

仕事面でも協働体制が取れます。

この「I’mOK.You’reOK」の考え方を持てると、お互いを尊重して「自己肯定感」を高め合える関係になれます。

それが、円滑なコミュニケーションにつなげていけるのです。

コミュニケーションの自己表現には、3種類あるといわれます。

自分も相手も尊重する「I’mOK.You’reOK」のアサーティブ(主張的)。

自分は尊重するが相手は尊重しない「I’mOK.You’renotOK」のアグレッシブ(攻撃的)。

自分は尊重せず、相手は尊重する「I’mnotOK.You’reOK」のノンアサーティブ(非主張的)です。

これらの自己表現には、自己肯定感が大きく関わっています。

自己主張が強く、相手の言い分や気持ちを無視や軽視して、相手を思い通りに動かそうとする「アグレッシブな人」は、堂々としているように見えます。

しかし、必要以上にいばっていたり、強がっている態度は決して、自己肯定感が高いとは言えません。

根底には自信のなさが隠れています。

自分の考えを表現しないで、一見相手に譲っているように見える「ノンアサーティブな人」は、自分からコミュニケーションを取ることを放棄しています。

自信がなく、自己肯定感は低いと言えるでしょう。

このどちらも保身的で他者と公平な関係は持てず、どちらかが不満やストレスをためやすい状況をつくります。

そこで、率直に自己を表現し、同じように相手の考えも尊重できる「アサーティブな人」を目指すには、自己肯定感が重要なのです。

自己肯定感が高いと、たとえ自分と相手の意見が食い違っても、すぐさま折れて相手に譲ったり、相手が自分の考えに同意するかしないかで不安にはなりません。

その考えの違いを理解しながら、意見を出し合えます。

このように自己肯定感が持てると、お互いが相手を尊重しながら、歩み寄ることができるので、双方にとって納得いく形を目指していけるのです。

こうすれば〝相手を許容する力〟は自然と身につく職場や家族であっても、誰もが違う考え方や感じ方を持っています。

10人いたら、10人の違った見方や考え方が存在しますが、その多様性を認められると、お互いの違いを尊重できます。

多様性を理解できると、コミュニケーションをするときに、自分のものの見方だけで相手を判断しなくなり、自分と違う考えや振る舞いをする人に対しても許容する幅が広がります。

私は研修でみなさんに、「あなたは、職場の人たちのどういう行為が我慢できないですか?」と質問します。

参加者に自分が「一番我慢できない人」を考えてもらい、手を挙げてもらうのですが、たとえば数人の参加者でも、それぞれにまんべんなく手が挙がります。

たとえば、「仕事中に私用電話をする人」、「仕事中に席を立ったまま長時間戻ってこない人」、「不機嫌をまき散らしながら仕事をする人」、「仕事中に私語が多い人」、「会社をよく休む人」「自分から電話を取らない人」、など。

その中で、「一番許容できる人」についても聞きますが、誰かにとって一番我慢できない人が、誰かにとって一番許容できる人になることはよくあります。

全員が同じものになることはまずありません。

そこで、それぞれの考え方、ものの見方、価値観などの違いが浮き彫りになります。

ここには、どの考えが正しくて、どの考えが間違っているということはありません。

誰もが自分のものさしやルールを持ち、それが正しいと思っているからです。

これが、他者を理解する上で非常に重要です。

会社だけに限らず、家族や小さなコミュニティであっても、その中でお互いの共通認識やルールが必要なときに、「言わなくても誰もが自分と同じようにわかっているはず」という考えは通用しません。

そこでコミュニケーションを怠れば、個々が自分のルールで判断してしまうので、当然共通ルールから外れた行動をする人も出てきます。

双方向のコミュニケーションでは個々が様々なバックグラウンドや経験から持っている、考え方や価値観の違いがあるという多様性を理解した上で、お互いが伝え合い、確認し合うことが不可欠なのです。

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