第3章 タバコをやめて、頭もよくなる!「Dr.苫米地式3ヶ月禁煙プログラム」
なぜ、タバコをやめると、頭もよくなるのか?
禁煙するための最大のポイントは、脳内で分泌されるドーパミンをいかに自分でコントロールするかです。
タバコ依存症の人は、脳のレベルでいえばドーパミン依存症です。
しかも、依存しているドーパミンをタバコを吸うことでしか出せなくなってしまっているために、タバコを片時も手放せなくなってしまっているのです。
仮にタバコをやめようとしても、イライラしたり、落ち着きがなくなったりと典型的なドーパミン不足の症状に悩まされ、結局はタバコを吸ってしまうという悪循環に陥っています。
しかし、すでにお話ししたように脳や神経には可逆性があります。
3ヶ月間タバコを吸うことをやめれば、脳はタバコ依存から脱して再びもとの状態に戻り、自らドーパミンを分泌するようになります。
そうすれば、タバコを吸わなくても、イライラしたり、落ち着きがなくなったりすることもありません。
前章で解説した方法を実践していただければ、あなたは十中八九禁煙することができるはずです。禁煙さえできれば、あなたとしては満足かもしれません。
しかし、「はじめに」でもお話ししたように、本書が目指すゴールは禁煙だけではなく、あなたに「タバコをやめてもらい」しかも「頭もよくなってもらう」ことなのです。
そこで本章では、前章の方法論を応用しつつ、さらに考えを一歩進めて、「せっかく脳内のドーパミンコントロールをするなら、IQが一気に上がるレベルまでコントロールしてみては?」というコンセプトで、禁煙&IQアップのための3ヶ月プログラムを構築しました。
禁煙することを通じて、あなたはきっと自分の行動を支配しているドーパミンの存在に気付くことができたはずです。
このドーパミンの分泌を自分の意志でコントロールすることによって、高い次元のIQを身につけるのです。
これから紹介する「タバコをやめて、頭もよくなる3ヶ月プログラム」の大原則は、まずはしっかりとタバコ依存の状態から脱してもらうことです。
タバコ喫煙者のみなさんは、強いタバコ依存状態にあります。
依存には「身体的依存」と「精神的依存」の2種類があり、それぞれ別々に対処していかなければなりません。なぜならば、両者は同じ依存でも、原因がまったく異なっているからです。
禁煙をするとき、あなたをもっとも苦しめるのは身体的依存です。特にタバコをやめた最初の2~3週間はかなり苦しいと思います。
なぜなら、脳はタバコを吸うことでドーパミンを出すことに慣れてしまっており、タバコを吸わなければドーパミンが分泌されず、ドーパミン不足に陥るからです。きっとイライラしたり、思考力が下がったりするはずです。
この身体的依存状態に対して、「気合」や「意志の力」などの精神力で立ち向かっても、とうてい敵いません。
なぜなら、身体(脳)がドーパミンを欲しているのは厳然たる事実であり、それを我慢することは、お腹が空いている人、喉が渇いている人にご飯や水をあげないのと同じことだからです。想像してみてください。
真夏の猛暑日あなたは喉がカラカラで、いまにも脱水症状になりそうな状態だとします。しかし、誰も水を飲ませてくれず、「気合で我慢しろ」と無茶なことを言ってくる……もちろん我慢なんてできないですよね? 身体的依存とは、そういうことなのです。
これまで禁煙を試みたものの結局失敗してしまった人の多くは、きっと精神的依存からやっつけようとしていたのではないでしょうか。
しかし、繰り返してお話しているように、すでにあなたの脳はタバコによってしかドーパミンを分泌できない状態になっており、物理的なドーパミン不足に精神力で打ち勝とうとするのはあまりにも無謀だし、ほとんどの場合は打ち勝つことは不可能です。
正しく無理なく禁煙するには、何よりもまず、この身体的依存に対処すべきなのです。
方法は簡単で、あなたは「タバコが吸いたい」と思っているかもしれませんが、脳が欲しているのはドーパミンであり、タバコ以外の方法でドーパミンが出るように刺激を与えてあげることです。
第2章でお話ししたように、ドーパミンを出すための方法はタバコ以外にもいろいろあります。身体的依存への対処をしてから、精神的依存にも対処します。
精神的依存には「単に口寂しい」「タバコが会話をするきっかけ」「タバコが集中するきっかけ」など、人それぞれに依存の理由があるかと思います。
前段階でしっかりとドーパミン不足(身体的依存)への対処をしておけば、精神的依存の解消はスムーズに行えます。
タバコへの依存が徐々に弱くなってきたら、次に外界からの刺激に頼らず、自分の脳だけで大量のドーパミンを流す方法をお教えします。
その方法とは「瞑想」です。瞑想をやれば、どんどん脳内でドーパミンが出て、タバコは一切必要なくなります。
しかも脳内で大量のドーパミンが分泌されれば、脳の運動である思考活動が活性化してIQが上がります。
本章では、インド密教の瞑想法をアレンジして、いまみなさんが吸っているタバコを使ったオリジナルの瞑想法をご紹介します。
これまであなたの身体を害してきたタバコを、頭がよくなるために有効活用するのです。勝負は3ヶ月間です。
3ヶ月間集中してこのプログラムに取り組めば、確実にタバコをやめることができ、かつ頭がよくなります。
3ヶ月後には、きっと別人のようになっているあなた自身を発見することでしょう。
1ヶ月目●その1体的依存をずらす
無理なくタバコをやめるためには、まずは身体的依存から対処します。
タバコ依存の人の脳は、ニコチンを摂取しないとドーパミンが分泌されないようになってしまっています。
我慢してタバコをやめようとしても、脳内でドーパミンが分泌されず、ドーパミン不足の症状に悩まされることになります。
再三お話しているように、あなたの意識が「タバコを吸いたい」と思うことは、脳のレベルでは「ドーパミンが欲しい」ということです。
そこで、タバコ以外の方法でドーパミンが分泌されるように外界から刺激を与えてやり、とりあえず脳の欲求を満たしてあげます。タバコへの身体的依存をほかのものの依存にずらしてしまうのです。
脳でドーパミンを出すための外界からの刺激については、第2章の「禁煙法その3 身体的依存をずらす」の項で詳しく解説しています。
たとえば、イライラ、不安感、焦りなどのドーパミン不足の症状を感じたら、
- ●チョコレートなどの糖分を摂取する。
- ●コーヒー[カフェイン]を摂取する。
- ●身体を動かす。
- ●葉巻を吸う。
などをして、別経路からドーパミンが分泌するように脳に働きかけます。
タバコ以外の方法でニコチンを摂取して、ドーパミン不足を解消させる禁煙グッズとして、現在ニコチンパッドやゼロスタイルなども販売されています。
これらの商品は、ニコチン不足(つまりはドーパミン不足)の症状をやわらげるうえに、タールが含まれていないので肺がんのリスクを抑えることができます。
一見いいこと尽くめのように感じるかもしれませんが、しかし私はこれらの商品に対しては注意が必要だと思っています。
シガースモーカーとしてタバコの葉由来の天然ニコチンを定期的に摂取している(そして、かつてはみなさんと同じタバコ喫煙者であった)私の感覚では、タバコの強烈な身体的依存症の正体は実は天然のニコチン以外の物質ではないかと考えています。
その物質が何であるかはまだ解明されていませんが、もしかしたらタバコに含まれている人工ニコチンが強烈な依存性の原因である可能性もあります。
ニコチンパッドやゼロスタイルにも人工ニコチンが使用されている可能性があります。微量なので気にする必要はないかもしれませんが、念には念を入れたほうが確実です。
もし外界から何らかの刺激を人体に与える場合は、最低限自然界に存在している天然成分の物質にしてください。
科学的に抽出した人工薬物などは、さまざまな不純物が混入している危険性があるため、摂取することでタバコ以上の強い身体的依存性やそのほかさまざまな身体的障害を引き起こすリスクがあります。
禁煙を開始してはじめの1ヶ月は、きっと毎日のように「タバコが吸いたいなぁ」と思うはずです。
また、イライラしたり、集中力が低下したり、情報的に不安定になることもあるかもしれません。
そんなときは「いま、俺はドーパミンが不足しているんだな」と認識してあげて、ほかの方法でドーパミンが分泌されるように脳に働きかけてください。
そうすれば、タバコへの欲求も収まりますし、気持ちを落ち着かせることもできると思います。とにかく最初の1ヶ月目は、ドーパミン不足の症状をしっかりと防いで上げることがポイントです。
しばらくタバコを吸わない生活を続けていれば、徐々にですが脳がタバコに頼らずにドーパミンを出せる状態に戻ってきます。
1ヶ月目●その2 喫煙習慣を別の行動に変える
フレームの組み替えさて、タバコ以外の方法で、脳内でドーパミンを出すようにすれば、徐々に身体的依存から離れることができます。と同時に、精神的依存からも離れるように、脳に働きかけます。
精神的依存とは、たとえば、
- ●タバコをくわえていないと、口寂しく感じる。
- ●仕事をはじめる前に一服しないと集中できない。
- ●重要な取引の前には一服して、気持ちを落ち着かせたくなる。
などです。
これらの行動にもドーパミンが関連していますが、一方で単なる習慣としてタバコを吸っている場合も多いのではないでしょうか。
習慣でタバコを吸っている人は、タバコを吸うことがほかの何らかの行動と結びつき、フレームを形成しているはずです。
フレームについては、第2章の「禁煙法その1●フレームの中断」「禁煙法その2●フレームの組み替え」の項で詳しくお話しました。
タバコをやめてチョコレートを食べたり、コーヒーを飲んだりして、脳内でドーパミンが分泌されるように働きかけているのに、それでもなお「タバコを吸いたい」と感じるのであれば、身体的依存よりも精神的依存が強くなっている状態にあるといえます。
精神的依存を脱する方法は、次の通りです。口寂しさを解消するなら、おすすめは電子タバコです。
電子タバコで吸うのはただの水蒸気なので、脳内のドーパミン分泌に作用することもなければ、身体に害を与えることもありません。口にくわえて、煙の代わりに水蒸気を吸って吐いて出すだけの製品です。
おもちゃのようなものですが、口寂しさという精神的依存を紛らわすには最適です。常時何かを口にくわえて、煙を吸い込んでいないと落ち着かない人は、ぜひ電子タバコを試してみてください。
また、習慣から脱するには「フレームの中断」「フレームの組み替え」が有効です。
たとえば、「出社する」→「机にカバンを置く」→「喫煙所に行く」→「タバコを吸う」→「集中力を高めて、仕事モードになる」→「机に戻って仕事をする」というフレームが習慣化している人は、
- 1●無意識で行っている自分の行動のフレームを意識化する。
- 2●「喫煙所に行く」、「タバコを吸う」の部分の行動を別の行動にかえて、しばらくの間それを繰り返す。
ということを行ってください。
たとえば、「出社する」→「机にカバンを置く」→「コーヒーを一杯飲む」→「集中力を高めて、仕事モードになる」→「机に戻って仕事をする」というようなフレームにします。
はじめは違和感があるかもしれませんが、徐々にフレームが組み替わり、出社してすぐにタバコを吸う習慣がなくなります。
「タバコを吸う」と入れ替える行動については何でもいいのですが、どうせ何かをやるならばドーパミン不足も補えれば一石二鳥なので、糖分を取ったり、コーヒーを飲んだりがいいかもしれません。
緊張をほぐすため、集中力を高めるため、リラックスするため、などタバコを吸うことが何かの意識状態(アンカー)を引き出すための“儀式(トリガー)”になっている人は、普通にしていたらその生活スタイルを変えることは困難です。
なぜなら、「タバコを吸う→緊張がほぐれる」、「タバコを吸う→集中する」という一連の行動は無意識で行っているからです。
習慣とは精神的に依存している状態なので、身体的依存と同じように、ひとまず何か代替するものを与えてあげなければなりません。その方法がフレームの入れ替えなのです。
フレームの入れ替えを行えば、タバコを吸う習慣から脱することができます。
2ヶ月目 プラスの自己催眠をアファメーションによって強化する
2ヶ月目に入ったら、徐々にタバコによる身体的依存状態は軽くなり、脳は元の状態に戻りつつあるはずです。きっと「タバコを吸いたい」と感じる回数も少なくなってきているのではないでしょうか。
それでも、完全に身体的依存を脱したわけではないので、ときどき「タバコを吸いたい」と感じるかもしれません。
そんなときは、1ヶ月目と同じように、別の方法でドーパミンが分泌されるように脳に働きかけてドーパミン不足の状態にならないようにしてください。
さて、プログラムも2ヶ月目になり身体的依存が軽くなってきたら、脳と心をさらに禁煙の方向に強く向かわせます。
方法は、第2章の「禁煙法●その6」で解説した「プラスの自己催眠」です。タバコをやめることで実現するだろう理想の未来をイメージして、その未来に対して臨場感を高めます。
プラスの自己催眠をするとき、アファメーションをやるとより効果的です。先述したようにアファメーションとは、言葉などを使って理想的な自己イメージをつくりあげる方法です。
朝起きたときや、お風呂に入っているときに、「タバコをやめて、こんな幸せな日々が続いている」「タバコをやめて、日々の生産性がどんどん上がっている」という言葉を自分に語りかけて、タバコをやめた未来への臨場感をさらに強めていきます。
プラスの自己催眠やアファメーションは毎日行ってください。毎日繰り返し行うことで、タバコのない未来に自分が向かっていくように自分を“洗脳”するのです。
2ヶ月目が終わるころには、身体的依存もかなり軽くなり、精神的にもタバコを吸おうなんて気持ちはまったく起こらなくなります。
むしろアファメーションの効果によって、タバコをやめた理想の未来があなたにとってのコンフォート・ゾーンとなり、その未来を実現するために脳が活性化している極めて健全な状態になっているはずです。
脳はもともと備えていた機能を取り戻しつつあります。
この状態になれば、タバコの束縛から自由になったといっていいでしょう。
3ヶ月目●その1 抽象思考をする
3ヶ月目は脳の機能をさらに活性化させます。タバコの身体的・精神的依存状態から脱したら、次は外的刺激に頼らずに脳内で大量にドーパミンを出すためのステップ。
IQアップのステップに移ります。
脳のレベルでは、身体を使った物理的な運動も、脳内で情報をやり取りする思考も、本質的には同じ行為です。ドーパミンは運動を促進させる物質です。
つまり脳が通常必要としているよりもたくさんの量のドーパミンを分泌させることで、脳の運動である思考を活性化させることができるのです。
情報的運動である思考が促進されると、いままで解けなかったような問題が解けたり、斬新なアイディアが浮かんできたりします。
外界からの刺激に頼ることなく、脳内で自由にドーパミンのコントロールができるようになれば、脳が分泌できるドーパミン量には上限がなく、どれだけでもIQを上げることができます。
言うなれば、脳を徹底的に「ドーパミンジャンキー」にしていくのです。ドーパミンジャンキーになるための方法のひとつは、抽象度の高い思考をすることです。
「抽象度」についてはすでにさまざまな本の中で解説をしていますが、禁煙するためにはじめて私の本を手に取ってくれた読者もいるかと思いますので、簡単に復習しましょう。
抽象度とは、情報空間(私たちの脳や心に存在するさまざまな概念が作っている空間)における視点の高さのことです。
抽象度の高い思考ができるようになれば、より多くの情報にアクセスすることができるようになります。
たとえば、あなたが住んでいる場所を例にすると、あなたが住んでいる「○○町」という概念は、「○○県」→「日本」→「アジア」→「地球」という順番に抽象度を高めていくことができます。
「○○町」しか認識できない人(抽象度の低い人)には、日本全体やアジア全体のことを認識することはできません。
しかし、「地球人である自分」まで抽象度を高めることができれば、自分が住んでいる町だけではなく、日本のこと、アジアのことも認識できるし、さらにはヨーロッパやアメリカ、アフリカなど自分が住んでいない場所の情報にもアクセスできるようになるのです。
なぜなら「地球」という情報には、あなたが住んでいる「○○町」はもちろん、「○○県」や「△△県」などの日本内の各県、「日本」「中国」「韓国」などの各国々、さらには「アジア」「ヨーロッパ」「アメリカ」「アフリカ」などの各地域といった抽象度の低い情報をすべて含んでいるからです。
抽象度を上げてものを見ると、自分が知らない情報、見えない情報も認識できるようになれます。
抽象度を高めるトレーニングとして、「目の前に見えるものをひとつ上の抽象度で見ていく」ことがあります。
たとえば、あなたの目の前にペットボトルがあったとします。通常であれば、あなたは「ペットボトルがある」と認識するだけです。それをひとつ上の抽象度で「容器」「プラスチック」として見ます。
また本があったとしたら、「本」ではなく、「紙」や「情報媒体」として認識します。これが「ひとつ上の抽象度で見る」ということです。
いま、きっとあなたはこの本を真剣に読んでいることと思います。いったん本から目を上げて、机やテーブルの上、部屋の中を見渡してください。
きっといろいろなものがあふれていると思います。そのひとつひとつに対して、ひとつ上の抽象度で認識してみてください。すると、徐々に抽象度を高めることができます。
さて、それに慣れたら、次に何の関係もなさそうな2つのものを持ってきて、その共通点を探します。
たとえば、「Tシャツ」と「皿」で考えてみましょう。「Tシャツ」は「布」「衣類」「身体に身につけるもの」「引っ張ると破れる」などの概念があります。一方「皿」には「陶器」「食事をのせる」「強い力を加えると割る」などの概念があります。
一見まったく関係がなさそうに見えますが、よく考えると両者には「水で洗うもの」という共通点が考えられると思います。
なんだか連想ゲームのようですが、共通点というのは「Tシャツ」「皿」という視点よりも高い抽象度で対象を認識しないと見つけることはできません。
つまり、共通点を探すという行為自体が、抽象度を高めるトレーニングになるのです。
抽象度を高めるトレーニングとして、もうひとつ「時間と空間を超えた視点で認識する」という方法もあります。
別の言い方をすれば「物事を立体的に見る」ということです。
たとえば、みなさんが毎日使っているだろうパソコンを例にお話します。私たちは日ごろ物事を二次元的な平面世界としてしか認識をしていません。
パソコンについて言えば、多くの人は「これはパソコンだな」「パソコンを使えば、インターネットやメールができるんだな」「明日の会議の書類を作るためには必要だな」程度のことしか考えません。
しかし、それでは抽象度は低いままです。抽象度を高めるには、物事を時間と空間を超えた立体的な視点で認識することが重要です。
たとえば、
- ●このパソコンが組み立てられたのはどこの工場なのか。
- ●どんな人がこのパソコンを組み立てたのか。
- ●工場からどのような経路で販売店に運ばれたか。
- ●販売店ではどのようなディスプレイで展示されていたのか。
- ●1年前はこのパソコンはどんな状態だったのか。
- ●このパソコンは誰が、どのような経路で開発したのか。
- ●そもそもパソコンという機械は、どのような歴史をたどって進化しているのか。
- ●パソコンをはじめて発見した人は誰なのか。
などです。
パソコンに関わるそれらの情報を個別に認識したら、いったん目をつぶってください。そして、パッと目をあけてパソコンを見た瞬間に、さきほど個別に認識した情報を同時に認識するようにしてください。
1回ではできないと思いますので、何度か繰り返すことが必要です。
何度もやっていると抽象度が上がって、目の前のパソコンが「単なるモノ」ではなく、「さまざまな情報を内在させた情報空間の存在」になります。
それが「時間と空間を超えた視点で認識する」「立体的に見る」ということです。
この方法を、パソコンだけではなく、身の回りすべてのもので試してみてください。
モノだけじゃなく、人や自然も立体的に見ることができます。
たとえば、Aさんという人と会ったときには、
- ●彼のご両親はどんな人なのかな。兄弟はいるのかな。
- ●彼は子供のときどんな子供だったのかな。
- ●どんな学生時代を送ったのだろう。
- ●いまはどこで暮らしているんだろう。
- ●昨日はどこで何をしていたんだろう。
と考えます。
このような時間と空間を超えた視点を持つことでも、抽象度を高めるトレーニングになりますので、ぜひ実践してください。
3ヶ月目●その2 瞑想[タバコ曼荼羅]をする
脳内で大量のドーパミンを分泌させるためには、瞑想も効果的です。人は瞑想状態に入ると、前頭前野に大量のドーパミンが流れてIQが上がります。
ですので、この3ヶ月のプログラムの最終段階では、ぜひ瞑想にもチャレンジしていただければと思います。
本書では、インド密教の曼荼羅瞑想をアレンジして、タバコの葉を使ったオリジナルの瞑想法をお教えします。
私が独自に考案した方法なので、「タバコ曼荼羅」と名付けましょう。曼荼羅瞑想とは、米の粒や砂で曼荼羅を描きながら行う瞑想法です。
曼荼羅を見たことがある人はご存知かと思いますが、曼荼羅には無数の仏の姿が描かれています。
ひとりひとりの仏にはちゃんと意味があり、仏たちの存在感を、臨場感を持ってリアルにイメージしながらマンダラを描いて行くことで仏の教えをリアルに感じ、悟りの世界へと近づいていくのです。
これが曼荼羅瞑想です。
タバコ曼荼羅では、仏をイメージする代わりに、自分が実現したい理想のゴールをイメージするようにします。
ひとつひとつのゴールを、臨場感を持ってイメージしたうえで、それぞれのゴールを統合して、ひとつ上の抽象度でより大きなゴールとしてイメージすれば、思考の抽象度が一気に上昇して脳内で大量のドーパミンが流れます。
では、具体的な手順を解説しましょう。
1●タバコを解きほぐし、目の前のテーブルに葉を集めておく。
瞑想をする前の準備です。
テーブルや机に紙を敷いて、その上でタバコ数本を解きほぐしたておきます。
中の葉は、ひとまず1ヶ所に集めておきます。
2●逆腹式呼吸を繰り返し、リラックス状態を作る。
次に意識を瞑想状態に持っていきます。
まずは逆腹式呼吸です。
息を吸うときおなかをへこませ、息を吐くときにおなかをふくらませて、身体の筋肉を緩め、リラックス状態を作ります。
息を吐くときに身体を意識的にゆるめるのがコツです。
3●気持ちのいい体感を思い出し、記憶の中で再体験する。
過去の記憶から、気持ちのいい体験をひとつ思い出してください。
たとえば、「おいしいご飯を食べて、気持ちよかった」「彼女とエッチをして、気持ちよかった」「運動をして、気持
ちよかった」「ヨガをやって、気持ちよかった」「映画を見て、気持ちよかった」などです。
「気持ちのいい体感」が重要なので、気持ちよさを味わうきっかけとなった体験は何でも結構です。
より強い気持ちのいい体感が理想です(ただし、タバコや人工的な薬物によって引き出された気持ちのいい体感はダメです)。
気持ちのいい体感の記憶を思い出すことができたら、その記憶をイメージの中で再体験してください。
ただ思い出すだけではなく、できるだけディテールをリアルに再現して、イメージの中で再び体感することが大切です。
4●気持ちのいい体感を、尾てい骨の裏側に移動させる。
気持ちのいい体感を、尾てい骨の裏側に移動します。
尾てい骨の裏側、仙骨の先から肛門の少し手前あたりに「ムーラーダーラ・チャクラ」と呼ばれるチャクラがあります。
東洋医学でいえば「会陰」と呼ばれる場所です。
イメージの中で、気持ちのいい体感のみをムーラーダーラ・チャクラへ移動させます。
体感をムーラーダーラ・チャクラに移動させると、その場所が徐々にあたたかくなってきます。
もしくは、ビリビリとしびれる感じがあるかもしれません。
それはムーラーダーラ・チャクラにエネルギーが集まっている証拠です。
5●あたたかいエネルギーを身体の中で上げ下げして、少しずつ頭に向かって移動させる。
ムーラーダーラ・チャクラのエネルギーを維持したまま、息をゆっくりと吸います。
このとき、呼吸にあわせて、あたたかい感覚を身体の少し上に上げます。
そのときに少しエネルギーを強めます。
一気に強めるのではなく、一割増しぐらいの感覚で強めてください。
次に息を吐きながら、あたたかい感覚を元の場所に戻します。
強めたエネルギーは弱めないように注意してください。
再び息を吸いながら、あたたかい感覚を身体の上へ上げて、少し強めます。
先ほどよりも少し上の方まで上げます。
次に息を吐きながら、あたたかい感覚を下ろします。
この体感の上げ下げを繰り返しながら、あたたかい感覚の位置を徐々に頭に近づけ、強めていきます。
6●あたたかい体感を額にぶつけて、光の球を作り、額から身体の外に出す。
あたたかい体感が額まで上がるようになったら、最後に額にぶつけます。
額にぶつかったら目を閉じて、頭の内側から額を見るようなイメージを作ってください。
額の内側では、あたたかい体感を維持したまま、明るい光を作ります。
明るい光ができたら、額から外に出します。
7●明るい光を外に出し、光の球を作る。
ここまで体内を上下運動させていたあたたかい体感を明るい光として身体の外に出したら、光の球を作り、回転させたり、上下左右に伸ばしたり、自分の身体のまわりをぐるぐる回転させたりします。
また、光の球を動かしながら、気持ちのいい体感やエネルギーを強めて、光の強さをどんどん強くします。
額のあたりが気持ちよくなったり、ジンジンしてくるまで、光の球を動かします。
できれば、目を瞑っていても眩しく感じるくらいまで、光の球を明るくします。
額の中心には「アジナ・チャクラ」と呼ばれるチャクラがあり、光の球が大きく明るくなるほどに、アジナ・チャクラが活性化します。
ここを活性化させることで、脳内ではドーパミンが流れ、IQが上がります。
さて、ここまでが意識を瞑想状態に持っていく基礎的な方法です。
この段階でも、かなりの量のドーパミンが脳の前頭前野に流れて、IQが上がっています。
ドーパミンが大量に分泌された状態を維持しながら、さらに曼荼羅瞑想をやることで、ドーパミンの量はさらに増えていきます。
8●タバコ曼荼羅瞑想額の光の球が大きく明るくなってきたときに、テーブルの上タバコの葉を8等分にわけます。
と同時に、あなたが理想とする人生のゴールを8つ思い浮かべてください。
8つのゴールとは、たとえば「キャリア(仕事)」「職業」「教育(能力開発)」「健康」「家族」「趣味」「コミュニティ(社会)への貢献」「精神性」などのカテゴリーに分けるといいでしょう。
それぞれのゴールについて、「私はこうなりたい」と理想の未来像をイメージします。
8つのゴールがイメージできたら、テーブルの上のタバコの葉の8つの塊と8つのゴールをそれぞれ結び付けていきます。
8つに分けたタバコの葉(タバコ曼荼羅)をひとつひとつ眺めながら、それぞれの葉の山に結び付けられた理想の未来像をできるだけリアルにイメージします。
イメージするときに、ディテールを細かくして、かつ体感を使うことで、臨場感を強めることができます。
個々のゴールのイメージの臨場感が強まり、リアリティを持って立ち上がってくれるようになったら、次に8つに分けたタバコの葉を俯瞰的に眺めます。
そして、それぞれのゴールのイメージの関連性や共通性を探しながら、たとえば「健康な自分」と「仕事で成功している自分」を結びつけたりして、8つのゴールを徐々に統合して、ひとつ上の抽象度の高いゴールとしてイメージします。
それぞれのゴールは独立して存在しているのではなく、8つのゴールすべてが関係し合いながら、光り輝きエネルギーに満ちあふれた理想的な未来を形作っていくイメージです。
すべてのゴールが結びつき、より大きな(抽象度の高い)ゴールがリアリティにイメージできたら、タバコ曼荼羅は完成です。
タバコ曼荼羅の手順
完成した曼荼羅は、大きく息を吐いて吹き飛ばしてください。
もしくはトイレに行って、流してしまってもいいでしょう。
これで曼荼羅瞑想は終了です。
きっとあなたの中には強力なエネルギーがみなぎり、大きな幸福感に包まれている感覚が覚えられるのではないでしょうか。
繰り返し曼荼羅瞑想をやって慣れてきたら、タバコの葉を8つではなく、もっと細かく分けていただいて結構です。
細かく分ければ分けるほど、結びつけるゴールの数は多くなります。
ゴールの数が多ければ多いほど、高度な抽象思考能力が必要となりますが、その分ドーパミンも大量に流れます。
ただ、最初からたくさんのゴールを並列的にイメージするのは難しいので、はじめての方は8つのゴールから試してください。
瞑想を行うと、脳内で大量のドーパミンが分泌されます。
その量は、タバコを吸うことで出していたときとは比べものにならないほどたくさんの量です。
大量のドーパミンが分泌されれば、ドーパミンを抑制するためにセロトニンも大量に出ます。
そのため、瞑想を行ったあとは、すごくさわやかだし、すがすがしいし、リラックスした感覚を味わうことができます。
しかも、体内が強いエネルギーによって満たされているように感じて、ちょっとむずがゆいビリビリしたような気持ちよさもあります。
このような快感は、ドーパミンが大量に分泌される瞑想特有のもので、タバコでは絶対に味わうことができません。
タバコは脳にニコチンという物理的な刺激を与えることでドーパミンを分泌させ、その結果として快感を味わいます(タバコに限らず、チョコレートもカフェインも葉巻も物理的な刺激です)。
瞑想特有の快感は、物理的な刺激ではなく、脳を最大限に活性化させて抽象度の高い空間に強い臨場感を感じるからこそ味わうことができる快感です。
いわば、「情報的な快感」といってもいいでしょう。
情報的な快感は、物理的な制約を一切受けないため、どれだけでも大きく強くすることができます。
この情報的快感をいちど味わうと、タバコを吸いたいなんて気持ちは一切起こらなくなります。
どんなドラッグよりも気持ちいいので、ドラッグをやりたいとも思いません。
瞑想は、脳内で大量のドーパミンが流れるので、とにかく気持ちいいのです。
脳の運動である思考も活性化します。
しかも、何度繰り返しても、身体にはまったく害はありません。
繰り返しタバコ曼荼羅を行うことで、脳は何度も大量にドーパミン&セロトニンが流れる状態を経験し、強いプライミングが形成されます。
プライミングが形成されることで、次に瞑想をしたときには、さらに大量のドーパミン&セロトニンが流れるようになり、完全なドーパミンジャンキーになります。
常に大量のドーパミンが流れるような脳になれば、常に思考は活性化して、高いIQを維持することができます。
つまり「頭がよくなる」ということです。
この3ヶ月プログラムを終えたあなたにとって、もはやタバコは無用の存在です。
無用なものは捨ててしまっても構わないのですが、せっかくですからこのプログラムが終了したあともタバコ曼荼羅瞑想を行って、さらに脳のトレーニングをしてみてはいかがでしょうか。
あなたにとって有害で何の価値もなかったタバコが、タバコ曼荼羅瞑想を行うための道具として、少しはあなたの人生に貢献してくれるわけです。
おわりに
自分の人生を自分で選択するために本書は、一応「禁煙本」にカテゴライズされることでしょう。
しかし、私が本書を執筆したのは、みなさんにタバコをやめさせるためではありません。
「タバコを吸う」という日常的な行為の裏側には、さまざまな真実(国やタバコ会社にとっては不都合な真実)が隠され、一方でウソの情報が世の中に蔓延しています。
さらに、ほとんどの喫煙者の方は身体的、精神的依存を仕掛けられて、タバコに束縛され、「タバコを吸う」という選択肢以外は選べないような悲惨な状況に陥っています。
言うなれば、タバコによって自由な人生を奪われている奴隷状態です。
本書の真の目的は、喫煙者のみなさんをそんな不自由な状態から解放して、いったんニュートラルな状態に戻してあげること。
そして、自由になったうえで自らの人生を自分で選択していただくために、タバコや禁煙習慣について私が知る限りの情報を提供すること。
この2点に尽きます。
私が本書でやろうとしたことは、カルト宗教から信者を脱洗脳させることにも似ています。
ご存知のように、私はオウム真理教の信者の脱洗脳プログラムに関わっっていました。
信者の脱洗脳を行う際、私がこだわっていたことは「一度、どんな宗教にも依存しない、無宗教の状態に戻すこと」です。
洗脳を解いて無宗教の状態にしてから、本人の意志でそのまま無宗教でいるのか、ほかの宗教に入信しなおすのか、選んでもらう。
この自己選択が何よりも大切なのです。
アメリカやヨーロッパでは、プロテスタントの牧師がカルト教団の信者たちを更生させようという社会活動をしています。
彼らは自分たちの宗教(キリスト教)を信じ、カルト教団の信者たちをカルト教団からやめさせるために努力をしているわけで、その善意は私も認めます。
しかし、そうした活動は、結局はプロテスタントの布教活動と同じであり、客観的に見れば、別の方向の洗脳なのです。
牧師の立場からすれば「無宗教にするよりも、キリスト教に改宗したほうが、はるかにその人のためになる」と主張するかもしれませんが、やはりそれはプロテスタントを信じる立場の人間の主張であり、本当の意味での脱洗脳ではありません。
きびしく言うならば、Aという宗教からBという宗教に改宗させているだけで、宗教そのものをやめさせているわけではないので、別方向の洗脳だといえます。
脱洗脳とは、いったん何らかの宗教に入る前の状態、無宗教の状態に戻すことです。
そのうえで個人の自由な選択として、無宗教のままで生きていくのか、もし宗教に入信するのならば、キリスト教にするのか、イスラム教にするのか、仏教にするのかを考えてもらえばいいのです。
タバコについても同じことです。
いま社会的に拡大している禁煙キャンペーンも、逆方向の洗脳です。
タバコの害悪を羅列して、タバコや喫煙者を徹底的に悪者に仕立て上げる禁煙キャンペーンを私は否定的に見ています。
ですから、私はむやみに「タバコをやめろ」「タバコは危険だ」とは主張しません。
また本書の中で、ドーパミン不足を補うために、葉巻やチョコレートやカフェインなどタバコ以外のもので依存状態を
形成する方法(依存をずらす方法)を教えています。
こうした方法は、あくまでもタバコから脱洗脳のプロセスのひとつとして利用しているだけで、脱洗脳そのものではありません。
本書の最大の目的は、タバコ依存症から脱して外的刺激を与えなくても平気でいられる状態にすること、です、言うなれば、あなたの心と身体を何ものにも依存しない、何ものにも束縛されない状態に戻すことが、私の狙いなのです。
タバコを吸わなくても平気でいられる状態になったうえで、その後のことを「どうしようかな?」と悩めばいいのです。
タバコの代わりに葉巻を吸ってもいいですし、チョコレートやカフェイン依存症になってもいい。
もしくはより高度な瞑想法をトレーニングして、徹底的にドーパミンジャンキーを目指してもいい。
仮に、本書を最後まで読んで、「偽ものだろうが何だろうが、自分はタバコを吸いたい。
これが自分の生き方だ」というならば、私は決して止めません。
あなたが自分の責任の下で選択した人生ならば、他人の権利を侵害しない限りにおいて、責任ある個人の選択として尊重したいと思います(もちろん推奨はしませんが)。
事実を正しく認識して、自分で自分の生き方を選択する。
それが自由ということであり、人間らしい生き方です。
本書では、タバコという社会的に影響が強い特定の束縛要因について取り上げていますが、禁煙することを通じてみなさんに伝えたかったことは「自由に生きるための方法論」です。
本書を読んで、ひとりでも多くの方が自由を手にしてくれればと願っています。
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