第2章Dr.苫米地式・禁煙術
私も昔は偽タバコを吸っていた 私の禁煙体験
本章では、身体的依存、精神的依存状態から脱して、偽タバコをやめる方法をお教えします。
その前に、せっかくですので、私の禁煙(偽タバコの、という意味で)体験をお話ししましょう。
私自身、20代のころはタバコを吸っていました。
禁煙をしたのは27~28歳のころ。
当時、カーネギーメロン大学の大学院に留学していました。
そのころからアメリカの大学は館内禁煙で、喫煙者は屋外の喫煙所でタバコを吸わなければなりませんでした(最近になって、大学の敷地内すべてが禁煙になったそうです)。
私はだいたい1時間に1本ぐらいのペースで吸いたくなり、喫煙所に行っていました。
研究室のある高いビルを1階まで下りて、フロアを通り抜けて、外へ出る。
すると、出口のすぐそばに水が入ったバケツが置かれた喫煙スペースがあるわけです。
このあたりは日本と状況が似ているかもしれません。
本気でタバコをやめようと思ったのは、冬のある日のことです。
カーネギーメロン大学はアメリカ東部ペンシルベニア州のピッツバーグにあり、冬になると日中の最高気温がマイナス5度、夜はさらに気温が下がりマイナス20度ぐらいになりました。
研究の仕事はどうしても夜遅くなり、深夜2~3時まで研究室に残っていることは日常茶飯事でした。
夜中の1時、2時ごろ、タバコが吸いたくなると、まず何をするかといえば防寒用のダウンジャケットを着込むのです。
マイナス20度の屋外に出て行くわけですから、防寒は必須です。
そして研究室の同僚に「タバコを吸ってくる。
15分で帰らなかったら探しに来てくれ」と冗談半分、本気半分の伝言を残して、喫煙所に向かいます。
喫煙所には、私と同じように深夜にタバコを吸いたくなった喫煙者が、防寒具を着込み、入れ替わり立ち替わりやってきます。
おもしろいことに、喫煙所にやってくるのは、みんな日本人ばかりなのです。
当時のカーネギーメロン大学には日本人は5~10人ぐらいしか在籍していなかったはずですが、その数少ない日本人が寄り集まっているのが喫煙所だったのです。
冬のある日、自分でもタバコを吸いながら、目の前の状況を眺めていました。
大学内で数少ない日本人が、ダウンジャケットを着て極寒の喫煙所に集まり、みんなで身体を小さく丸めて寂しそうにタバコを吸っている。
そして、私自身もその一員だったわけです。
そんな自分の姿がみじめでバカらしくなってきて、ふと「もうタバコはやめよう」と決意したのです。
いったん決意すれば、禁煙は簡単でした。
当時から私は催眠の方法を学んでいたので、タバコを吸ったら頭が痛くなったり、気分が悪くなったりする暗示を自分にかけたのです。
自己催眠です。
その自己催眠の効果はてきめんで、頭が痛くなるのが嫌だから、すぐにタバコをやめることができました。
ところが、問題がひとつだけありました。
あまりにも暗示が強く効きすぎたために、他人が吸っている姿を見たり、煙を吸い込んだりするだけで頭が痛くなってしまったのです。
「しまった! やりすぎた」と催眠の効果を弱めたおかげで、人のタバコに影響されることはなくなりましたが、それほど催眠の効果は絶大なのです。
以来、タバコは1本も吸っていません。
ただ、その代わりにだいぶたってから葉巻に出合い、シガースモーカーに転向してしまったわけですが。
私が禁煙したときの自己催眠の方法は専門的な催眠の技術が必要なので、本書でそのまま教えることは難しいのですが、次項から誰でも簡単にできる禁煙法をお教えしたいと思います。
禁煙法●その1 フレームの中断
もっとも初歩的な禁煙法は「フレーム中断」です。
タバコをやめられない人の中には、惰性や習慣でつい吸ってしまっている人も多いのではないでしょうか。
朝起きたら1本、ご飯を食べたら1本、仕事をはじめる前に1本、仕事がひと段落したら1本……というように。
「○○をする→タバコを吸う」このような一連の行動の枠組を「フレーム」といいます。
フレームとは、もともとコンピュータ(人工知能)の情報処理の概念で、ある一定のタスクを処理するための枠組のことです。
人の行動も、無意識の行動は必ずフレームになっています。
たとえば、「飲食店で食事をする」というフレームのタスクを処理するためには、「店に入ります」→「席に座ります」→「オーダーをします」→「料理を食べます」→「支払いをします」→「店を出ます」という一定の行動パターンがあります(飲食店でも、店舗の形態によって多少異なりますが)。
「飲食店で食事をする」という行動が日常化している私たちは、以上の一連の行動をフレームとして認識して、「次は何にしよう?」といちいち考えることなく、フレーム内の行動を無意識に行うことができます。
私たちの生活のあらゆる行動は、こうしたフレームが無数に集まって形成されているのです。
フレーム内の一連の行動は、ほとんどの場合、無意識に行っています。
そのため、いったんあるフレームを選び、動きだしてしまうと、そのフレームが完結するまではフレームに支配されて、途中で行動を止めることは困難です。
しかし、フレームを意識化して、フレームに介入することで、中断させることもできます。
同じことが、喫煙習慣についても当てはまります。
タバコの喫煙が習慣化している人の場合、フレームは以下のようになっているはずです。
「○○をする」→「タバコを吸いたくなる」→「タバコを取り出して、箱を開ける」→「ライターでタバコに火をつける」→「タバコを吸う」この一連の行動のどこかに介入することが、フレームの中断です。
タバコ喫煙歴がそれほど長くなく、まだ身体的依存状態がそれほど強くなっていない人は、この「フレームの中断」で喫煙の習慣を断ち切り、タバコをやめることができます(ただし、タバコの喫煙習慣の場合、フレームが形成されている要因として身体的依存が関わっている可能性が高く、身体的依存が関わってくると「フレームの中断」だけでは禁煙することは困難です。
身体的依存を脱する方法は後ほどご説明します)。
もっとも初歩的なフレームの中断方法は、タバコを持ち歩かないことです。
たとえば、ご飯を食べ終わって、「さあ、一服」と思ってスーツのポケットをまさぐると、タバコがない。
ここでフレームが中断されます。
すると、意外に吸わなくなるものです。
フレームの中断には、別の方法もあります。
それは、火をつけた瞬間に「私はタバコを吸わない」という意識が顕在化するようにあらかじめ仕掛けておく方法です。
「火をつける」というフレーム内の行動によって、「タバコを吸わない」という意識を顕在化させることで、無意識の一連の行動であるフレームを中断できるのです。
このとき「火をつける」という行為は「トリガー」、「タバコを吸わない」という意識は「アンカー」になります。
アンカーとは脳が記憶している何らかの意識状態で、トリガーはその意識状態を引き出す記号のような情報です。
アンカーとトリガーを強制的に作って、「タバコを吸わない」という意識を自由に引っ張り出せるようにするわけです。
アンカー、トリガーの設定の方法は次の通りです。
まず、ライターの火をつけて、火を見ながら、「私はタバコを吸いません」「タバコをやめることでどんどん健康になります」などの言葉を唱えます。
これを何度か繰り返すうちに、ライターの火と自分の意識状態が結びつき、やがて火をつけた瞬間に「タバコを吸わない」という意識が立ち上がってくるようになります。
すると、ライターで火をつけた瞬間にフレームの中断が起こり、「やっぱりタバコはやめておこう」と考えるようになるのです。
禁煙法●その2 フレームの組み替え
前項の「アンカー」、「トリガー」と喫煙習慣の関係について、もうひとつお話ししておきたいことがあります。
喫煙習慣がある人の中には、「タバコを吸う」という行為によって、何らかの意識状態(アンカー)を引っ張り出している人もいます。
つまり、「タバコを吸う」行為がトリガーになっているということです。
例えば、毎朝会社に出社したら、真っ先に喫煙所に行き、一服してから仕事をはじめる人は、「タバコを吸う」ことで「いまから仕事をするぞ」という意識状態(アンカー)を引き出していることになります。
ほかにも、緊張をほぐすためにタバコを吸う人アンカー→「リラックスしている意識状態」トリガー→「タバコを吸う」仕事などに集中するときにタバコを吸う人アンカー→「仕事に集中している意識状態」トリガー→「タバコを吸う」となります。
理想的な自己イメージを上げるために、あらかじめ特定の行動をすることを「アンカリングのアファメーション」と呼びます。
アファメーションとは、言葉などを使って理想的な自己イメージを作りあげる方法です。
喫煙習慣の場合、「タバコを吸う」という行為が、理想的な精神状態を作るための“儀式”のようになっています。
日頃から喫煙によってアファメーションをしている人は、緊張しているとき、何かに集中しなければならないとき、ついタバコを吸ってしまします。
ただし、アンカリングのアファメーションは、タバコ以外の方法でも簡単にできます。
要はタバコに取って代わる儀式を作ってあげればいいのです。
チョコレートを食べることでも、コーヒーを飲むことでも、音楽を聴くことでも、儀式の内容は何でもいい。
ライターに火をつけるだけでも、トリガーになります。
何らかの儀式的な行動(トリガー)と自分が引き出したい理想の意識状態(アンカー)を結びつければいいのです。
たとえば、出社してタバコを一服しないと仕事をする気になれないのであれば、しばらくの間、出社したらコーヒーを飲む習慣を持ったらどうでしょう? カフェインには覚醒作用があるし、コーヒーを飲むことが「仕事をするぞ」というアンカーを引き出すためのトリガーとなれば、いつしか仕事前のタバコをやめられるはずです。
禁煙法●その3 身体的依存をずらす ドーパミン不足をタバコ以外で解消する
喫煙歴が短かったり、タバコを吸う頻度がそれほど頻繁ではない人ならば、フレームを中断したり、組み替えたりすることで、喫煙習慣をやめることができます。
しかし、1日に何十本もタバコを吸う人や長期間にわたる喫煙歴がある人は、身体的依存状態に陥っている可能性が高く、もう一歩踏み込んだ方法が必要となります。
なぜなら、強い身体的依存状態にあるということは、単な習慣・惰性の問題ではなく、脳内のドーパミンが深く関わっているからです。
あなたが「タバコを吸いたい!」と強く感じるのは(そして、我慢できずに吸ってしまうのは)、脳がニコチンを欲しているからです。
では、なぜ脳がニコチンを欲しがるのかといえば、ドーパミンが深く関係していることは、前章で解説をしました。
タバコをやめたくてもやめられない人のほとんどは、ドーパミンのプライミング作用によって、タバコを吸ってしまっています。
前章でも説明をしましたが、プライミングとは先行する刺激が後続する刺激に影響を与え、特定の行動が促進または抑制されることです。
脳は報酬系を働かせて十分な量のドーパミンを分泌するために、特定のきっかけがあるとドーパミンをだして、運動を促進させます。
喫煙行動の場合、きっかけとなるのは、タバコを見たり、火をつけたり、などでしょうか。
タバコを見ると喫煙者の脳はドーパミンを出し、プライミングを起こします。
そうなってしまうと、喫煙行動は止まらなくなってしまうのです。
ドーパミンによって行動をコントロールされることは、食欲や性欲と同じことです。
先にドーパミンが流れて、食事や性交渉など個の生命・種の存続を維持させるための行動が促進されます。
実際に行動することで食欲や性欲が満たされると、今度はドーパミンが脳内の報酬系を流れて快の感情を強く感じて、さらにドーパミンの抑制物質としてセロトニンが分泌されることで深いリラックスや幸福感を感じます。
そして、このドーパミン・セロトニン体験の記憶が、次のプライミングをより強くするのです。
ドーパミンのプライミング作用があるからこそ、人はおいしそうな食事を前にすると食欲が抑えられないし、異性の裸を見たら性欲を止められないのです。
個体や種を存続させるため、生物はそのように進化してきたのです。
タバコ(ニコチン)も同じように脳内のドーパミン分泌に関わっているので、プライミングの影響を受けます。
脳がドーパミン不足になっていると、常に脳は「ニコチンが欲しい」状態となり、タバコを目の前にしたらプライミングが起こり、一気に行動(喫煙)が促進されてしまうのです。
前項の「フレームの中断」でお話ししたように「タバコを見ない」ことは、プライミングが起こることを未然に防ぎ、禁煙に効果的です。
ただし、前章で解説したように「ニコチンを摂取する→ドーパミンを分泌」というフレームに慣れてしまっている脳は、ニコチンがないとドーパミンを分泌しません。
つまり、タバコを見ないことでプライミングが起こらない代わりに、ひどいドーパミン不足の状態、イライラや欝に悩まされることになります。
ドーパミン不足の状態が続くと、結局それを解消するためにタバコを買いに走ってしまうわけです。
タバコを買って、プライミングがはじまったら、もう止めることはでいません。
確実に吸ってしまうでしょう。
ですから、身体的依存症が強くなっており、脳が自然な状態でドーパミンを出せなくなっている人は、ドーパミン不足に対して何らかの方法で対策を講じなければ、スムーズに禁煙することはできません。
身体的依存から脱却するポイントは、脳が欲しているのは「タバコやニコチン」ではなく、「ドーパミン」であるとい
うことです。
あなたの意識レベルでは「タバコが吸いたい」「ニコチンを摂取したい」と思っているかもしれませんが、脳のレベルでは「ドーパミンが欲しい」と思っているのです。
ドーパミンが欲しいから、脳は「タバコを吸いたい」「ニコチンを摂取したい」という指令を発するわけです。
つまり、タバコやニコチン以外の方法で大量のドーパミンを分泌させることができれば、脳は満足して、「タバコを吸いたい」という命令も出さなくなるということです。
ドーパミンの出し方はいろいろあります。
理想は、外界からの刺激を与えずに脳自体の自然な働きで出すことが、ニコチン依存の状態になっているとそれはできません。
そのため、外界から何らかの刺激を与えて、脳内でドーパミンが出るように働きかける必要があります。
言うなれば、タバコ(ニコチン)依存をほかのものの依存にすり替えることで、禁煙するということです。
たとえば、以下のような方法があります。
●糖分[飴やチョコレートなど]を摂取する。
●カフェイン[コーヒーや紅茶など]を摂取する。
●アルコールを摂取する。
●運動する。
●ほかのドラッグ[植物起源で、合法なものに限る]を使用する。
これらの行動をとることで、脳内でドーパミンが分泌され、ドーパミンが大量に出るとそれを抑制するためにセロトニンも出てくるから、身体は満足します。
どの方法に関しても、たくさん摂取すると、タバコと同じように依存状態になります。
ただし、依存すること自体に問題があるわけではなく、依存に伴って健康被害や金銭被害などが起こることが問題であることは第1章で述べました。
タバコ以外の手段でドーパミン経路を作るとき、その方法によって「どのような依存状態になるか?」「どのようなリスクが発生するか?」についてはしっかりと理解して、そのうえで身体敵依存をずらすようにしなければなりません。
身体的依存をずらすことで想定されるリスクが、十分にコントロール可能で、かつ自分や他人に深刻な被害を与えるものでなければ、タバコを吸い続けて肺がんになるよりもましなので、禁煙法としては非常に効果的であるといえます。
ここでは、ドーパミン経路に作用する物質について、ひとつひとつ検討していきましょう。
チョコレートなどの糖分チョコレートなどの糖分を摂取すると、脳の神経細胞の報酬系が活性化して、かなりのドーパミンが分泌されます。
食後は気持ちがリラックスしたり、精神的に安定して、ストレスが解消されます。
これらは明らかにドーパミン・セロトニンの作用です。
しかし、依存性もかなり強いことが分かっています。
ラットを使った実験で、空腹のラットが糖分を摂取すると、かなりの量のドーパミンが分泌されることが確認されています。
しかも、その化学反応は、コカインやモルヒネ、ニコチンなどを摂取した時の化学反応と非常に似ていて、依存性もかなり強烈です。
ただ、その依存性は空腹時に限るようで、満腹
のときには強い反応を示さなかったそうです。
糖分の中でも特にチョコレートについては、あまりにも依存性が強く、もし今の時代に発見されていたらドラッグ指定されて規制がかかるほどです。
チョコレートの依存性の原因はテオブロミンという物質です。
チョコレートやココアの苦味成分で、自然界ではほぼカカオのみに含まれます。
テオブロミンは、カフェインと似た構造を持つ物質で、大脳皮質を刺激して、集中力、記憶力、思考力を高める効果のほか、自律神経を調節して疲れを取ったり、気持ちを落ち着かせる効果があると言われています。
チョコレート依存症になっている人からチョコレートを奪うと、情緒不安定になったり、欝になったりします。
まさにドーパミン不足の症状です。
チョコレートには発がん性の物質は含まれていないので、一定量を摂取し続けても、タバコのように肺がんになったりすることはありません。
また、チョコレートのテオブロミンの含有量は、人間にとっては害になることはありません(テオブロミンの代謝速度が遅い犬などの動物は、チョコレートを食べるとチョコレート中毒を起こして、消化不良、過度の興奮、心拍数の低下などの症状を起こし、最悪の場合は死に至る危険もあります)。
リスクはかなり低いといえますが、食べ過ぎると血圧が上がったり、肥満になったりする危険はあるので、食べる量を適度に調整する必要はあります。
カフェインコーヒーなどに含まれるカフェインも報酬系に作用して、脳内でドーパミンを分泌させます。
また、カフェインは交感神経を刺激するため、覚醒作用があります。
もしタバコを吸わないと眠たくなってしまう人は、コーヒーを飲めば目が覚めます。
長期にわたって大量のカフェインを摂取し続けると、カフェイン中毒と呼ばれる症状になります。
カフェイン中毒になると、身体的には胃痛、吐き気、嘔吐、心拍数の増加、動悸、血流増大など消化器系、循環器系に影響があります。
また精神的には不安感や焦燥感に襲われたり、落ち着きがなくなったり、感覚過敏になったりします。
しかしニコチンと違って、依存性は弱く、1日数杯であれば身体への影響はほとんどありません。
強い身体依存、精神依存、耐性などは形成されず、カフェインが体内で分解・代謝されれば症状は改善します。
アルコールアルコールも脳内のドーパミン経路を強烈に活性化させます。
また、ほどほどに飲めば、血行を促進して、気分を高揚させたりします。
しかし、アルコールはリスクが非常に大きいため、摂取する際には注意が必要です。
私たちの日常生活に当たり前のものとしてあるアルコール飲料ですが、飲み方次第ではのちほどお話するマリファナなどのドラッグ以上にハイリスクなものとなります。
まず、酔っ払って脳が麻痺した状態になると、社会的に適切な判断、行動ができなくなり、事故や犯罪を起こす危険性が高まります。
健康への被害も甚大です。
過度な飲酒は肝臓の機能を損ないます。
また、脳障害を引き起こし、障害が進行すると呼吸困難に陥って死亡します。
依存性も強く、アルコール依存症(アルコール中毒)に陥ってしまうと、飲酒への強烈な欲求を持つようになり、精神のコントロールができなくなります。
身体的にも耐性が形成されやすく、同じような酩酊感を得るためにどんどん酒量が
増大していきます。
運動ドーパミンは運動を促す神経伝達物質であるため、運動をすることでもドーパミンは大量に分泌されるようになります。
ドーパミンは運動時の緊張状態を作り、交感神経優位の状態となります。
また、ドーパミンはアドレナリンやノルアドレナリンの前駆体としての役割もあります。
アドレナリンは「闘争か逃走か」(fightorflight)のホルモンと呼ばれるように、動物が獲物を捕食するときや敵から身を守るときに必要なストレスを全身の器官に引き起こす働きがある興奮物質です。
ノルアドレナリンも同じく興奮物質で、不安や恐怖、覚醒や集中を引き起こします。
さらに負荷のキツイ運動をすると、神経伝達物質のひとつであり、「脳内麻薬」とも称されるベータエンドルフィンが分泌されます。
ベータエンドルフィンが分泌されると、痛みや苦しみが和らぎ、長距離ランナーのランナーズハイのような「苦しいはずなのに気持ちがいい」感覚になります。
運動することでこうした身体に興奮や緊張をもたらす物質が大量に分泌され、そしてそれらを抑制するためにセロトニンも大量に分泌されます。
すると、副交感神経優位のリラックス状態となり、幸せの感情や心地よい感情に包まれます。
つまり、運動をすることで、「ドーパミン→セロトニン」経路だけではなく、「アドレナリン→セロトニン」経路や「ベータエンドルフィン→セロトニン」経路も活性化して、脳内で十分なドーパミン・セロトニンが分泌されることになります。
運動にはたいして依存性はありません。
過度にやりすぎることで怪我や身体のゆがみの原因になったりはしますが、負荷を上手にコントロールすればいいでしょう。
ちなみに余談ですが、身体を痛めることで「ベータエンドルフィン→セロトニン」が分泌されて快感を感じることは、リストカッターなど自傷癖のある人にも共通することです。
彼らはセロトニンジャンキーになっており、快感を感じるために自傷行為を繰り返しているのです。
快感(セロトニン)が欲しくて自分の身体を痛めている(傷つけている)という意味では、リストカッターもタバコ喫煙者も同じことです。
自称行為はともすれば生命を危険にさらすことなので、当然タバコの代替行為としてもおすすめできません。
ほかのドラッグ[植物起源で、合法なものに限る]マリファナや大麻などのドラッグも、脳のドーパミン経路を活性化させて、大量にドーパミンを分泌させます。
ドラッグに関しては、日本では法律によって規制されているものがほとんどなので、タバコの代替品としては現実的ではありません。
ただし、海外に目を向ければ、マリファナをはじめとしたソフトドラッグに対する規制は国によってまちまちなので、参考までにお話しします。
たとえばマリファナ(大麻)は、ヨーロッパの多くの国では少量に限り個人の使用・所持が認められており、違法性はあるものの使用・所持が発覚しても厳しい罰則は行わないとするケースが目立ちます。
実際、マリファナは強烈な身体的依存を引き起こさず、物質そのものには、身体への害はありません。
では、何が問題かといえば、マリファナを吸引すると強い変性意識状態(トリップ状態)が作られてしまうことです。
トリップ状態のまま街を出歩いたり、車を運転したりすれば、事故を起こす危険が高まります。
また、過度に摂取するとバッドトリップを起こし、意識障害や精神障害を起こす危険性もあります。
アメリカやヨーロッパ諸国の場合、マリファナ、のリスクを管理できる文化的な。
社会的に容認されているのです成されているため、飲酒運転による事故やアルコール中毒の危険がありながら。
アルコール飲料が日本社会で容認、リスクをマネージメ。
トできればアメリカの一部の州やヨーロッパの一部の国では、マリファナを鬱病の薬として医師が処方することを認めているケースもあります。
欝はドーパミン不足、セロトニン不足が原因なので、欝の症状の改善にマリファナは効果的なのです。
アメリカでは医療大麻法という法律も制定されています。
日本で大麻やマリファナが強く禁止されているのは、社会や個人としてリスクを管理する背景がないからです。
いわゆる「ドラッグカルチャー」が成熟していない国で、面白半分、興味半分でドラッグをやると事故の危険が高まります。
実際2001年に日本人の俳優が合法ドラッグ(このときはマリファナではなく、マジックマッシュルームというドラッグ)を摂取してバッドトリップを起こし、入院騒ぎになる事件がありました。
社会や個人としてドラッグへの正しい接し方を知らないがゆえに起こった典型的な事件といえるでしょう(マジックマッシュルームは事件の翌年に麻薬原料植物に指定され、非合法化されました)。
身体的リスクの大きさから言えば、マリファナとアルコールは大差はありません。
強い依存性や脳障害の危険性を考えれば、アルコールのほうが危険なくらいです。
しかし、日本にはマリファナなどのソフトドラッグでトリップした人に対してどう対処してリスクを軽減させるか、そのための知識や技術を社会も個人も十分に持っていません。
そのためソフトドラッグが蔓延した場合、さまざまなトラブルを引き起こす可能性があります。
ゆえに日本ではソフトドラッグが厳しく禁止されているのです。
ちなみに、たとえ合法ドラッグでも、人工の合成薬物は絶対に避けるべきです。
前章でも人工ニコチンの危険性についてお話ししましたが、合成薬物は受容体を破壊する危険があります。
受容体が破壊されれば、慢性的なドーパミン不足の症状に悩まされ、強烈な依存症に陥り、人生を破滅へと導くことにもなりかねません。
もしドラッグを使ってドーパミン不足を解消しようとするならば、合法なもので、かつ植物由来の天然のものを選ぶようにしてください。
以上、ドーパミン依存を解消するため、いくつかタバコの代替品を考えてきましたが、依存性の問題、摂取することで発生するリスクの問題などを考慮すると、●チョコレートなどの糖分●カフェイン●運動あたりが適当なのではないかという結論になります。
また、前章でお話ししたように、偽タバコの強烈な身体的依存の原因は天然ニコチン以外の物質である可能性もあります。
なぜなら、天然ニコチンが大量に含まれている葉巻には、偽タバコほどの強い依存性がないからです。
ですから、偽タバコの依存性をずらすには、葉巻も効果的です。
第1章の「葉巻のメリット・デメリット」で解説したように、葉巻には脳内で大量のドーパミンを分泌させる作用がありますが、依存性がほとんどありません。
金銭的負担が
大きかったり、血圧上昇などの健康上のデメリットもたしかにありますが、依存性が極めて低いため、自分の意志で喫煙本数を調整してリスクを最小限に抑えることは十分にできます。
禁煙法●その4 精神的依存は「止観」で解決
依存状態には、ここまでお話ししてきたような脳内のドーパミン分泌に関連した身体的依存のほかに、精神的依存があります。
たとえば、イライラした気持ちを落ち着かせたり、焦燥感や不安感をやわらげるためにタバコを吸うという人は多いかと思います。
タバコを吸うきっかけとなったイライラや焦燥感、不安感の原因のひとつは、ここまで述べてきたようにドーパミン不足が挙げられます。
ドーパミン不足による身体的依存については、タバコ以外の方法でドーパミンが分泌されるように脳に働きかければ問題は解決されます。
また、もうひとつの別の側面として、仕事やプライベートの出来事がきっかけで情緒不安定となり、それを解消するためにタバコを吸ってしまうこともあるかと思います。
たとえば、仕事の納期が迫っているにも関わらず、予想通りに進んでいないときなどは、焦燥感や不安感を強く感じて、タバコを吸ってしまう人も多いのではないでしょうか。
この場合、喫煙の直接的な原因は、ドーパミン不足というよりも、自分や自分の周囲の状況です。
つまり、精神的にタバコに依存してしまっているのです。
このような精神的依存の場合、そもそもなぜ情緒的に不安定になっているのか、その原因を探り、情緒不安定になった根元の問題を解決すれば、タバコを吸う理由もなくなり、禁煙できるようになります。
不安や焦燥など自分の情動を客観的に見ることを「止観」といいます。
止観とは『摩訶止観』『天台小止観』などの中国天台宗の本に書かれている方法論で、仏教の瞑想法のひとつです。
詳しく説明しようとすれば本が1冊書けてしまいますので、ここでは最低限「止観とは、煩悩を“止”めて“観”ること」だと覚えておいてください。
煩悩は、我欲や私利私欲と言い換えることもできます。
煩悩を止めるとは、煩悩を制御することを意味します。
強い煩悩に支配されていると、心にさまざまな欲や情動が起こり、物事を正しく見ることができません。
ですから、いちど煩悩を止めて、そのうえで自分のことや自分がおかれている状況をひとつ高い視点から観るのです。
たとえば、あなたが何かの仕事で追い込まれているとしましょう。
きっと強いストレスや不安を感じているはずです。
しかも、ストレスを感じていたり、イライラしていると、自分のことや周りの状況を客観的に観ることができず、生産性は落ちて作業は進まず、さらに状況は悪化していきます。
そして状況が悪化することで、さらにストレスは大きくなり、生産性も落ちていきます。
完全なネガティブスパイラルです。
こんな状況に陥れば、タバコを吸って少しでもリラックスしたくなる気持ちが起こっても不思議ではありません。
しかし、こんなときこそタバコに依存せず、止観をするのです。
まずは深呼吸をして、心と身体をリラックスさせます。
緊張状態を解きリラックスすれば、自然とIQが上がり、状況を客観的に観察することができるようになります。
止観をすることができれば、「不安や焦りを感じたり、イライラしたからといって、目の前の問題が解決するわけではない」「不安や焦りを感じていることで、かえって生産性が落ちて、納期に間に合わなくなる」「まずは落ち着いて冷静になって、やるべきことをひとつひとつ処理していくことが、納期を守るための唯一の方法である」「あれこれ思い悩むのは、実際に納期を過ぎてから考えればいいことで、いまは目の前の仕事を一生懸命にやればいいのだ」
ということが意識できるようになり、いま自分の悩まされている不安や焦りが無意味なことに思えてきて、実際に気持ちを落ち着かせることができます。
すると、不安や焦りを解消するためにタバコを吸う必要もなくなり、禁煙ができるというわけです。
精神的依存の方が、身体的依存よりも解決するのは簡単です。
身体的依存は物理的な問題なので、現実に起こっている物理現象に働きかけて解決しなければなりません。
脳がドーパミン不足を訴えているのに、「タバコは気合でやめられる」「強い精神力があれば大丈夫だ」と精神論で禁煙しようとするのは、空腹の子どもに「その空腹は気のせいだ」「精神力で空腹は忘れられる」と諭すのと同じことで、何の解決にもなりません。
物理の問題には物理的手法で働きかけていくことが必要です。
一方精神的依存は、意識を上手にコントロールすることができれば、簡単に解決できます。
その意識のコントロール法のひとつが「止観」なのです。
タバコを吸うきっかけ(精神的引き金)となっている不安や焦りなどの情動の原因を徹底的に考えて意識化すれば、情動をコントロールして禁煙することができます。
禁煙法●その5 自己催眠1 マイナスの自己催眠
精神的依存を解消するためにもうひとつの方法が「自己催眠」です。
本章の冒頭でお話ししたように、私自身も自己催眠によってタバコをやめました。
私の場合はかなり強い自己催眠をかけたのですぐにやめることができましたが、催眠の知識も技術もない一般の方にとっては私と同じ方法はちょっと高度なワザになってしまうので、ここでは初歩的な自己催眠の技術をお教えします。
自己催眠には大きく分けて「プラスの自己催眠」と「マイナスの自己催眠」があります。
まずは「マイナスの自己催眠」をお教えします。
マイナスの自己催眠は、一般的な禁煙セラピー本などに書かれている方法と似ています。
タバコの害をリアルに思い描くことで、タバコに対するネガティブなイメージを脳に強く刻み込み、タバコに拒絶感を抱くようにして禁煙する方法です。
自己催眠をするときのポイントは「臨場感」です。
臨場感とは「実際にその場に身をおいているような感じ」のことです。
私たちが身のまわりの世界にリアリティを感じているのは、身のまわりの世界に脳が臨場感を感じているからです。
脳が臨場感を感じるのは、物理空間だけではありません。
たとえば映画を見ているとき、心拍数が上がってドキドキしたり、手に汗をかいたり、感動して涙を流したりすることは、現実ではない映画の世界(情報空間)に強い臨場感を感じている証拠です。
同じように、タバコの被害を受けて苦しんでいる自分の未来をどれだけ臨場感を持ってイメージできるかによって、マイナスの自己催眠の効果は大きく変わります。
臨場感があればあるほど、そのイメージはあなたにとってリアルなものとなり、リアルであればあるほど、心と身体が拒絶反応を示して、タバコを吸いたくなくなります。
では、具体的な方法に入りましょう。
1●逆腹式呼吸をしてリラックス状態を作り、催眠に入りやすい状態にする。
逆腹式呼吸とは、息を吸うときにおなかをへこませ、息を吐くときにおなかをふくらませる呼吸法です。
息を吐き出すとき、意識をおなかにむけて筋肉を緩めていくことがコツです。
そうやって筋肉を弛暖させれば、徐々に全身の筋肉も緩み、リラックスできます。
2●肺がんに冒された真っ黒な肺の写真など、タバコ被害を受けたネガティブな写真を見る。
3●ネガティブなイメージが自分の身にも起こっているかのように臨場感を持ってイメージする。
臨場感を強めるには、体感を使う方法が効果的です。
たとえば、激しい咳や胸痛による不快感や痛み、食欲不振による空腹感などの自分の症状の体感。
また、自分が病気に
なることで家族が悲しそうな表情をしたり、不安げな声をかけてくるイメージなどを使います。
4●「肺が真っ黒になる」→「やせ細った身体で、病院のベッドに横たわっている」→「必死の治療もむなしく、死んでしまう」→「火葬場で焼かれ、自分の骨を家族が運んでいる」とタバコ被害のイメージをどんどん広げていく。
時間と空間を超えてイメージを広げていってください。
イメージを広げるとき、3で強めた臨場感を維持することがポイントです。
5●それぞれのイメージについても、体感を使って臨場感を強める。
臨場感をどんどん強めていけば、本当に自分がタバコによって死んでしまったかのような恐ろしい感覚を味わうはずです。
なぜなら、臨場感が強ければ強いほど、脳はそのイメージに対してリアリティを感じるからです。
6●毎日1~5を繰り返す。
このネガティブな自己催眠を繰り返しているうちに、やがてタバコを見るだけで嫌悪感、不快感を抱くようになり、タバコを吸いたい気持ちがなくなるはずです。
ちなみに、このマイナスの自己催眠の方法は、インド密教の煩悩を絶つ瞑想法を私が独自にアレンジしたものです。
インド密教の瞑想では、たとえば性欲という煩悩を立つために、異性をみたら、その人が段々年をとって、しわしわになって、最後は死んで、死体になって(昔は火葬ではないので)、土の中でうじがわいて、腐っていく姿を、できるだけ克明にイメージします。
そうやって煩悩を克服するのです。
同じようにタバコのネガティブなイメージを臨場感を持って想像することで、そのネガティブなイメージがリアリティを持ち、脳が「タバコはやめたほうがいい」という命令を発するようになるのです。
禁煙法●その6 自己催眠2 プラスの自己催眠
「プラスの自己催眠」は、マイナスの自己催眠の真逆で、タバコをやめた未来しか実現できないポジティブなことをイメージします。
たとえば、「健康な身体になって、スポーツや趣味を楽しんでいる未来」「病気に悩まされることなく長生きしている未来」「タバコをやめた分のお金で、クルマや家を買っている未来」などでしょうか。
また、自分のことだけではなく、あなたがタバコをやめることで起こり得る社会的な変化をイメージしてもよいでしょう。
たとえば、いま1日1箱吸っている人が完全に禁煙したとします。
1箱420円とすると、1ヶ月で1万2600円。
1年で約15万円、10年で約150万円のお金が浮くわけです。
そのお金を、インドの貧困に苦しむ人々に寄付したら、どうなるでしょう。
インドの貧困層の月収はおよそ2000ルピー、日本円だと300~400円ぐらいです。
300~400円あれば、餓死しないという生存のギリギリのレベルではなく、ひとりの人間が1ヶ月最低限の生活を送れるのです。
あなたがタバコを1日やめるだけで、インドではひとりの人が1ヶ月生活できるわけです。
1ヶ月やめれば約30人の1ヶ月分の生活を保証してあげることができ、1年やめれば400人近くの人々を救うことができる。
そう考えると、あなたの禁煙が世界のために役立っていると感じませんか?プラスの自己催眠の手段は次のとおりです。
1●逆腹式呼吸をしてリラックス状態を作り、催眠に入り易い状態にする。
逆腹式呼吸の方法は「マイナス自己催眠」と同じです。
息を吸うときにおなかをへこませ、息を吐くときにおなかをふくらませて、身体の筋肉を緩めるようにしてください。
2●タバコをやめることで実現する理想的な未来をイメージする。
未来をイメージするとき、過去や現在にとらわれてはいけません。
過去や現在の延長線上の未来ではなく、現状の外側にある未来をイメージすることがポイントです。
具体的にいえば、あなた自身が「こんな未来、起こるはずがない」と思うような未来が理想です(「現状の外側にある未来」については『とてつもない未来を引き寄せる予見力』(徳間書店)で詳しく書いています)。
たとえば、「あなたが1年間禁煙して、その結果余ったお金を世界の貧しい国に寄付することで、多くの人々が救われる」という未来は、あなたにとってはうまく想像ができない、実現不可能な未来だと感じるかもしれません。
でも、それでいいのです。
なぜなら、現状とはかけ離れた未来に強い臨場感を持ったときこそ、現状を劇的に変える推進力になるからです。
3●未来のイメージの臨場感を、体感を使って強める。
未来をイメージできたら、次にその未来に対する臨場感を強めます。
臨場感を強めるポイントは「体感を強く想起しながら、ディテールまで細かくイメージすること」です。
たとえば、先ほどの「あなたが1年禁煙して、その結果余ったお金を世界の貧しい国に寄付することで、多くの人々が救われる」という未来だとしたら、●寄付したことが話題になり、マスコミの取材を受ける。
はじめての取材で緊張して、背筋に冷や汗が流れる。
●寄付した国を訪れて、その国の風景を見たり、空気を肌で感じる。
●あなたの寄付によって生活を救われた人々が、あなたを取り囲む。
そして、笑顔で話しかけてくれ、握手を求められる。
●人々があなたにお礼がしたいと、食事に招待してくれて、その国の伝統料理をいただく。
など、あなたが望むようにディテールをイメージします。
このとき「背筋の冷たさ」「空気を肌で感じる」(触覚)、「風景を見る」(視覚)、「笑顔で話しかけられる」(聴覚)、「お礼の食事をいただく」(味覚)など五感と結びつけてイメージすれば、より臨場感が高まります。
4●毎日1~3日を繰り返す。
ポイントはやはり臨場感です。
理想的な未来を強い臨場感を持ってイメージできれば、その未来はリアリティを持つようになり、あなたにとってのコンフォート・ゾーンになります。
コンフォート・ゾーンとは、意識の中にある居心地のいい場所のことです。
コンフォート・ゾーンにいるとリラックスできて、安心もできるので、人の脳は無意識にコンフォート・ゾーンを維持しようと働きます。
コンフォート・ゾーンを維持しようとする傾向が自然に働くことを、ホメオスタシス(恒常性維持機能)と呼びます。
未来の側がコンフォート・ソーンになれば、ホメオスタシスの機能によって、あなたの脳はその未来を維持(実現)するために活性化します。
現状と未来の間に格差があれば、その差を埋めるためのモチベーションが高まり、未来を実現するためのさまざまなアクショ
ンを起こすこともできます。
イメージした未来を実現するために真っ先にやらなければならないこと。
それは「タバコをすぐにやめること」です。
コンフォート・ゾーンを維持するため、脳は無意識にタバコから遠ざかり、タバコをやめようとします。
そこには身体的苦痛もありませんし、努力の必要もありません。
なぜなら、ホメオスタシスは人間に備わった自然な機能なので、勝手に働いてくれるのです。
先ほどお教えしたマイナスの自己催眠は、効果は強烈なのですが、身体に嫌悪感や不快感を与えることになります。
このプラスの自己催眠は、そうしたネガティブな身体的影響がなく、気持ちよくタバコをやめられるので、個人的にはこちらの方法をおすすめします。
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