組織図を作る時の考え方について解説します。
なかなか組織化出来ないのは設計図を描かずにいきなり組織を作ろうとするからです。
現状からの積み上げ思考では組織作りに時間がかかります。
それは、「出来るようになったら」次のステップへ進むからです。
「本来のあるべき姿と現状の差」が見えるとその差異を埋めるために頑張る方がスピーディーです。
あるべき姿を描いてから優先順位を決めて空白部分を描いていく。
そのためにも設計図が重要です。

人・モノ・金の経営三資源をどのように機能させるのかを組織図で表します。
中小企業では黄色の現場の部分をいかに効率よく機能させるかが重要です。
社長は黄色い部分を部下に任せ、白い部分=考える部分を担う。
そのためにも黄色部分のマニュアル化が重要です。
黄色い部分のマニュアルを作り、部下が出来るように教育するのが組織化を目指す社長の最初の仕事です。
私の師匠の長谷川先生は、「どのような組織が最適か?」との問いに対して、「経営者が経営しやすい組織が良い組織だ。
」と答えています。
第2章1節. 経営と現場組織全体としてPDCAサイクルを回します。
経営が決定する。
現場が実行する。
現場が検証・改善する。
その結果を経営が検証する。
大きなPDCAサイクルを回すために組織は経営と現場に分かれます。
管理職が不在の会社の場合は全て社長が意思決定を行う事になりますが今後組織化を考える上で知っておきたい事です。
組織と意思決定の関連性社長と社員数名の時代は社長が意思決定+動く+検証+改善。
社員は動く。
社長と社員10名~の時代は社長が意思決定。
社員は動く+検証+改善。
社長が検証。
社長と社員10名~管理職ありの時代は、社長が意思決定。
管理職は部門意思決定+動く+検証+改善。
社員は動く+検証+改善。
社長と役員+管理職と組織の成長に応じて意思決定・実行・検証の場が移ります。
しかし、変わらないのは組織全体でPDCAを回す事です。
組織が機能しないのは、PDCAを同じ人(社長だけ)が回しているからです。
30人を超える規模になってきたら、社長は決定と検証が仕事になります。
社長が忙しく働き過ぎているのは実行に重きを置いているからではありませんか?第2章2節. 機能別組織図の作り方(実践編)これまで組織図の作り方の考え方について解説しました。
以下では、実践編として貴社への落とし込み方を具体的に解説します。
第2章2節.1・提供する:開発と提供(製造・サービス)私が中小企業に一番期待しているのが「開発」です。
真にイノベーションを起こし世の中を変えて欲しいです。
私は事業再生コンサルタントを行っていたので、中小企業には、人・モノ・金の資源が乏しいのは重々承知しています。
それでも新商品開発を行って欲しいのです。
目先を変えて誤魔化し補助金や助成金でお金を貰う。
そんな小手先の商売は止めて欲しいです。
お客様にとって良い物、世の中を変えるものを作り出して欲しいです。
そのためには「うんと」勉強しなくてはいけません。
が、それが出来るのが中小企業だと思います。
大企業が過去の「モデルチェンジ」で茶を濁している間に「アイデア」と「スピード」で大企業をぎゃふんと言わしてください。
一方、過剰品質で大企業と競うのはやめましょう。
中小企業の「おもてなし」「ホスピタリティ」は素晴らしいのですが、それらは全てコストです。
マスコミなどで取り上げられれば良いでしょう。
しかし、、毎回同じ労力をかけて同じ値段で過剰サービスに陥っている事例を多く見かけます。
単純労働はどんどんAI(人工知能)にシフトします。
師匠の長谷川先生は「AIが進化しても経営者の勘」には勝てない。
経営者は勘を磨きなさい。
と仰っていました。
プラウドフット代表の長谷川社長とお会いした時に「これからは大抵の仕事はAIに置き換わる。
一方で手足を動かし「感覚」を伝える原始的な仕事は誰もやらない。
原始的な仕事を知的にやる事がコンサルティング会社の生き残る道だ。
」と仰っていました。
AIと戦う事なく人間に出来る、原始的、感覚的な仕事を磨く事がこれから益々重要となります。
第2章2節.2・売る:マーケティングと営業
認識から購入までの心理変化5段階と営業活動及びツールサミュエル・ローランド・ホールがRetail Advertising and Sellingにて紹介したAIDMA理論を日本の中小企業の現場に合わせたのが当社考案の心理変化に応じた営業ステップです。
焼き鳥屋が煙を外に出して、香ばしい香りで人を誘うのは人間の嗅覚に訴えるからです。
テレビコマーシャルに綺麗なお姉さんが出るのはオッサンの男性性に訴えるからです。
太っている人がダイエット食品を買うのは、ビフォーアフターのPOPや写真などの広告を見て自分もそうなりたいと思うからです。
人間に心理変化を引き起こし購入させるまでのステップを理解し、組み立てる事で売上を向上させることが可能となります。
大企業などでは、マーケティングと営業を分けている場合が多くあります。
営業については販売会社や代理店などにさせるケースも多くあります。
中小企業では販売会社を除いてマーケティングと営業を一貫して自社で行います。
社長や経営幹部は自社のマーケティングを徹底的に考える。
その上で営業活動は「マニュアル化」して「誰にでも」出来るように落とし込みます。
マーケティングと営業の違いマーケティングと営業の言葉の違いについて再定義します。
マーケティングとは市場と自社の商品・サービスを適合させていくことです。
「Market+ing」と理解すると理解しやすいです。
上記の心理ステップではお客様が当社商品・サービスを認識し、関心を持ち欲しくなるまでの3ステップに該当します。
営業とは見込顧客と自社の商品・サービスと合致させる事です。
見込顧客の潜在的な悩みや欲求を解決できる商品・サービスを顕在化させて決断させる事です。
上記の各ステップを中小企業では自社内で完結させる事が望まれます。
だからこそ商品開発とマーケティングは経営が考えなければなりません。
第2章2節.3・人を支える:人事と労務経営3資源の中で、人に関する項目です。
2017年現在ではもっとも重要なテーマです。
「良い人が来ない」どころか、「人が来ない」から仕事はあっても潰れる状況になっています。
どのように採用・育成するのかを考える事が人事の仕事です。
採用した人材の労働時間管理や環境整備は労務管理として行います。
「中小企業だからそんなに大げさに考えなくても良いのではないか」と言う方もいます。
「だから、中小企業どまりなんですよ。
毎年30万人以上の人口が減少している日本。
日経新聞で特集されていた記事「大廃業時代の足音:中小「後継未定」127万社」は現実です。
人を採用するためのマーケティングが必要です。
そのためには、自社が何を行っているのか?何を目指しているのか?計画的な情報発信が必要となります。
これまでのように学校を回って担当者との関係を築いて… では遅すぎます。
「出来の良い子」は自分の頭で就職先を探すようになります。
ただでさえ中小企業の採用は難しい状況下で益々差が広がるでしょう。
また、労務管理=仕事の成果と支払う給料も一律ではなくなります。
自社の考え方と合う人材と個別契約となるでしょう。
短時間正社員の雇用も当たり前となるでしょう。
政治と財界がもたもたして追いつかない状況となりそうですね。
外資に優秀な人材をもっていかれて日本は本当に空洞化してしまう危機感を持っています。
第2章2節.4・お金を支える:財務と経理財務の視点はとても重要ですが中小企業では何をどう考えれば良いか分かる人はほとんどいません。
中小企業経営者がPL(損益計算書)は読めても、BS(貸借対照表)が苦手な人が多いためでしょう。
財務はまさにBS(貸借対照表)活動です。
どこでお金を調達し、どのように活かすかが財務の仕事です。
経理の仕事は、売上からかかった経費を記録をする事が主な仕事。
間違いなく記録する事が最重要です。
しかし、黒字倒産という言葉があるように損益計算書だけを見ていても会社の存続は出来ません。
社長が財務視点を勉強する事で生き残る会社を作る事が出来るようになります。
また、税務会計と管理会計の考え方の違いについても押さえておきたいポイントです。
日本の中小企業の会計はほとんどが税金の計算のための税務会計です。
税理士さんは税金の金額を算出する事が仕事です。
社長は利益を出す事が仕事です。
利益を出すためには管理会計の考え方が必要です。
各部門に予算を割り当てる。
目標と実績の乖離をなくすために活動する。
管理会計の考え方を全社に導入する事で利益を出せる体質に変わります。
最近読んだ本でとても参考になる考え方をご紹介します。
投資に関する意思決定(投資の決定)と、その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)と、そして運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策) が財務の仕事~ざっくりわかるファイナンス:石野雄一(著)より引用。
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