01活用されるマニュアルにする
3つのチェックポイントマニュアルを見直したとしても、活用されなければ意味がないわけですが、「活用される」マニュアルにするには、次の3つの原則が欠かせません。
皆さんが利用している業務マニュアルを見直す緊急度はどれくらいか気付くためにも一度チェックしてみましょう。
□現在のマニュアルは当初想定した目的や活用シーンに合っているか
マニュアルを見直すにあたり、「なぜマニュアルを作成するのか」、あらためて目的を明確にすることが重要です。
外部審査がありマニュアルが形の上で必要だった、といった活用の目的が不明確なまま、とりあえずマニュアルを作成することも少なくありません。
何のために、誰が、いつ、どうやって使うのかを明確にする必要があります。
ただ誰にでもわかりやすいマニュアルというのは難しく、使い手の活用シーンを想定し、利用者を限定していくことでマニュアルの活用度が向上していきます。
「誰にでもわかりやすい」を目指すと、結局、誰にも中途半端でわかりにくいマニュアルになってしまいます。
□わかりにくくないか、探しにくくないか、更新しにくくないか
「何が書いているかわからない」「マニュアルがあったんですか?」「更新の仕方がわからない」といった言葉を聞いたことはないでしょうか。
マニュアルで重要なことは、利用者によって解釈が異なることをなくし、しっかりと頭に入るように、構成とフォーマットの統一、用語の統一、ビジュアル化などの工夫をすることです。
困ったらすぐに探せるように、利用者にわかりやすい業務の体系化や内容構成の工夫が重要です。
業務内容が変更された際は、柔軟に内容を更新できる工夫も必要です。
□理解・活用してもらうための「仕掛け」を怠っていないか
マニュアルは必要なとき、使いたい人が勝手に見るだろうと思っていませんか。
日々の業務の中でマニュアルを活用できるシーンはたくさんあります。
業務変更時、前のマニュアルとの相違点の明示、業務量調査を行うときの業務棚卸、業務改善のミーティング、仕事全体の流れをつかむ、など積極的にマニュアルの露出頻度を増やす「仕掛け」をし、「廃れさせず」「お役立ち感」を演出することが重要です。
02マニュアル見直しの3つの方向性
実際に使いこなされるマニュアルにしていくにあたっては、見直すべき方向性は3つあり、どれが欠けてもいけません。
①内容構成を補完する取り組み
業務マニュアルを構成する主な内容は業務手順、業務要領(コツ)、例外処理とチェックリストです。業務要領と例外処理とチェックリストが抜けがちになるので注意が必要です。
②理解しやすさと探しやすさ向上の取り組み
使用者がわかりやすく、探しやすいマニュアルにするために、表現上の体裁やインデックスを整えていく必要があります。
③更新を容易にする取り組み更新される
マニュアルにするためには、使用者が更新しやすくし、作成したマニュアルが放置されないように更新タイミングを明確化する必要があります。
以降から、マニュアルの見直しの11のステップを紹介していきます。

ステップ1業務手順の有無を確認する
マニュアルには「会社が手本・模範として最もよいと定めた業務の手順(標準手順)」を記載すべきです。「最もよい」とは、最善の手順を追求することではありません。
たとえば、業務品質を追求するならば、検査を何度も行い、不良品を出さないような取り組みをするはずです。しかし、検査を繰り返すと検査コストが高くなり、商品の価格アップにつながってしまいます。
業務手順を定めるときには、業務品質と効率(コスト)とのバランスを取ることが必要となります。最終的にはその会社の考え方にもとづいて判断することが重要です。
つまり、「最もよい」業務手順とは、「コストと品質のバランスがとれていて、会社が現時点で最もよいと判断した手順」ということになります。
売上拡大に伴う業務量の増加、品質基準の変化など、会社の状況は変化しているはずです。
前任者から引き継いだときから業務手順が変わっていない、など、見直された形跡がない場合は「現時点では最もよい手順とはいえない」可能性があります。
※更新日を入力するように対策をする
業務品質、効率、個人情報保護、業務上の安全などを踏まえ、業務手順を見直してください。

ステップ2業務手順を作成・改訂する
業務手順の見直しは、次の4つのポイントをチェックします。
①業務の範囲が変わっていないか
見直すマニュアルの対象業務の範囲を再度確認します。一部の業務が他部門へ移管されるケースがあります。他部門との境目を明確にし対象の業務範囲を明らかにしていきます。
②インプットとアウトプットが明確になっているか
対象業務のインプットとアウトプットが明確になっているかを確認します。
その業務を行うために必要なインプットとは何か、その業務を行うことで何がアウトプットされるのか、具体的な表現で整理します。
※開始・発生要因をマニュアルに記載する。
業務のインプットとアウトプットが明確になれば、対象業務は何をする業務なのか、おのずとはっきりします。
③実施すべき項目がインプットからアウトプットへとつながっているか
インプットからアウトプットへ変換するために、やるべきすべての作業項目を抽出できているかを確認します。
製造職場であれば安全面での視点、事務職場であれば個人情報保護の視点や不正を起こさせない牽制の視点などを十分に考慮します。
品質を確保するためとはいえ、工程間に何度も検査を入れ、検査項目や検査箇所が重複していることがあります。
あくまでも最低限必要な作業項目を抽出することが重要です。
④最も効率的と考えられる業務の流れになっているか(手順の見直し)
効率を重視し、改善案を検討する気持ちで、業務手順を見直すことが重要です。
たとえば、手順を入れ替えることで、「動きが最も少なくなるようにする」とか、使用していないシステム入力項目を画面上から排除し、「操作画面が最小限になるようにする」という視点です。
順序づけができれば、これが新たな標準手順になります。

ステップ3業務要領の有無を確認する
業務手順を見直して、業務の流れが最新状態になっても、よりよい業務遂行はできません。そのためには新たな手順に沿った、業務要領(コツ)を加筆・修正することが必要です。
コンサルティング先の企業のマニュアルを見せてもらうと、業務手順の解説部分は充実しているのですが、業務要領が書かれていないマニュアルが驚くほどあります。
手順をビジュアルに表現し、完成したら終わりにする傾向があります。
ミスを発生させないため、効率的に行うため、よりよいサービスを実現するため、情報流出を起こさないためにどのような場面で、どんなことに留意しながら業務を行ったらよいのかということを知り、実務でも実践できるようにしなければなりません。
実務担当者が実務を行っている際に留意しなければならないことが業務要領であり、業務をうまく行うためのコツなのです。
業務要領は、「業務をうまく行うためのコツ」であり、「組織としてのノウハウ」なのです。ですから、マニュアルに業務要領をしっかりとまとめることが非常に重要なことだと認識しましょう。

ステップ4業務要領を作成・改訂する
業務要領は洗い出し方を工夫する必要があり、次の3つの方法で整理します。
①ベテラン担当者と一般的な担当者の違いを比較研究する
同じ業務を行っている実務担当者がいる場合には、複数の実務担当者に対象の業務を順番に行ってもらい、それぞれの担当者のやり方の違いを見つけて、違いの理由を確認していくのが有効です。
ベテラン担当者と一般的な担当者では、2倍以上の効率差があることも珍しくありません。
業務手順や方法を分析、比較し、具体的にどの作業で効率に違いが発生しているのかを明らかにします。
製造現場や事務作業であれば、時間分析や動作分析を行うことが有効です。動作や作業時間に違いがある実施事項の差が、業務要領(コツ)になります。
ただし、業務要領は実際に差が出る作業にあるのではなく、前段階に行っている確認や判断の部分に隠されていることがあるので、次に紹介する方法と合わせて実施することが必要です。
②ベテラン担当者に確認する
実際に対象とする業務を行っているベテランの実務担当者に確認する方法です。
しかし、「業務要領を教えてほしい」と言われても、実務担当者にとっては日常的に行っている業務なので、うまく回答できないことが多いようです。
業務要領を訊き出すには、業務を実際に行ってもらい、それを観測しながら、気になる点を「なぜ、そのようにやっているのか」と訊くなどの工夫が必要です。
そして、比較研究した結果を活用すると、インタビューしやすくなります。実務担当者にとっては無意識で行っていることでも、非常に大切な業務要領が引き出せる可能性が高まります。
③管轄部門に確認する
品質保証、CS、ISO対応、SOX法対応、個人情報保護、法務など専門的に全社展開を行っている部門、担当者がいる場合には作成中のマニュアルをそれぞれの専門的な視点でチェックしてもらうとよいでしょう。
たとえば、「お金を扱う業務では不正を発生させないために第三者の目でチェックが入るようにしなければならない」とか、「顧客の個人情報を含むデータベースの管理は会社の認定を受けた人しか行わない」など専門的な視点でマニュアルに漏れがないかを確認してもらいましょう。
ステップ5例外処理を作成・改訂する
例外処理とは、「対象業務をある程度できる人でも留意しなければならない、特別な対応が求められる処理」「標準手順、標準ルールをまとめたマニュアルには記載されていない特別な対応が求められる業務処理」をいいます。
業務を行なう担当者にとっては「当たり前でなく標準的でもないと感じる業務処理」のことです。
一般的な顧客対応を考えた際、重要な顧客であるからこそ特別対応をしているので、従業員も「ミスは決して許されない」と自覚しています。
しかしながら、オフィス業務の場合にはさまざまなパターンがあるのでどれが例外処理なのかを区分するのは難しいものです。
また過去に例外処理だったものが、通常パターンに変わっている場合もあります。通常パターンの業務になったものは、標準マニュアルとして整備し直していきます。
例外処理を見直しするときは、例外処理を作成する手順と同じやり方で行います。
まず、対象となる業務手順をまとめたものや関連した規則などを再度確認しておきます。
その上で業務に詳しい人、ある程度の経験を持つ人を集めて、「特別な処理が必要なパターンは何か」を議論する場をセッティングします。
議論を通じて「意識をして取り組まないとミスを犯してしまう危険性のある特別な処理」をすべて洗い出すようにします。
特別な処理が必要な顧客、サービス、契約、時期、がないかという視点で業務をチェックしていきます。
ベテランにとっては例外的な処理も当たり前になっているので、経験の浅い人がそれを聞き出すように議論を進めるとよいでしょう。
実務を行っている人が、「これは例外的な処理が必要なパターンだ」と気付くようなマニュアルにすることが重要です。
※製造工程表みたいなフローを記載する?例外処理も書きやすい
このため気付きにつながる例外処理の名称を付けるとよいでしょう。
内容については「なぜ、そのような例外が発生したのか」「対象や期間はどうなのか」「どのような対応をするのか」という項目をまとめます。
標準的な作業ができる人を前提としますので、それほど詳しく内容を書く必要はなく、できれば1ページに収まるようにします。
重要なのは、標準処理と比較して留意点がすぐに伝わるようにまとめることです。
一度の議論ではすべての例外処理を洗い出すことは難しいので、日常業務を通じて、「こんなパターン処理があった」などと、特別だと思われる処理を行い、気付いた時に関係者と協議したうえで例外処理対応の解説書に追加していくことも必要となります。
ステップ6チェックリストを作成する
チェックリストの目的は、「うっかり忘れ」を防ぎ、確実にマニュアル通りに実施させるためのものです。
マニュアルに書かれている内容を「徹底させる」ためのツールであり、マニュアルの補完的な位置付けとなります。したがって、マニュアルを改訂すると、チェックリストも改訂しなければなりません。
見直しの観点は次の通りです。
- チェックリストはマニュアルをもとに、実施すべき項目が適切な順序で示されているか
- 項目を実施したら、実施済みチェックができるようになっているか
- 作業者がチェックしやすいように、ミスなく、簡便に行えるものになっているか
- 管理者や指導する立場の人が、指導対象者の実務の実施状況を評価できるようなチェックリストを整備しているか。
また、チェックリストを活用した定期的なマネジメントの仕組みがあるかマニュアルには何も記入されていないチェックリストと記入例を掲載しておき、未記入チェックリストをコピーして実務の中で使用します。

ステップ7理解しやすさの向上を図る
わかりやすいマニュアルにするためのキーワードは、「見る気にさせるマニュアルづくり」です。
ポイントは、「マニュアルの見た目の印象をよくして、見る気にさせること」「短時間で正しく理解できるようにすること」です。
①マニュアルの構成とフォーマットが統一されているか
業務別に手順と留意点が説明され、その後に作成する帳票の形式説明が書かれているというように構成が統一されていると書かれている内容が想定できます。
②使用する用語が統一されているか(用語も更新されているか)
同じ帳票をいろいろな人が別の名前で呼んでいるケースは少なくありません。マニュアル作成時には帳票の呼び名をはじめ、システム名などの用語の統一を図りましょう。
※用語集を編集する
③読み手が見やすいようにビジュアル面で配慮して作成されているか
できれば文章を読まずに理解できるようにする工夫が重要です。絵、図、表を効果的に取り入れ、伝えるべきことがひと目で理解できるように工夫しましょう。

ステップ8探しやすさの向上を図る
マニュアルの量が増えてくると、探す手間がかかるようになります。
マニュアルがどこに保管されているか、目的のページはどこか、知りたい情報がどこに書かれているかがわからなければ、利用したい人も諦めてマニュアルを見ることがなくなります。
探せるマニュアルに見直すためには、知りたい情報を探しやすくするためには、活用する人にとって、どのあたりにあるのかが推測できるように、一定の法則を持たせることが重要です。
①業務の体系化ができているか
業務の体系化ができていなければ、業務の一覧表を作成し、マニュアルのファイル名やマニュアルの目次を更新すべきです。
業務の体系的な整理とは、ある部門で行っている業務はどのようなものがあり、それぞれの業務の範囲はどこからどこまでをいうのかを明確にしておくということです。
この業務の一覧表をしっかりと作成しておけば、一覧表からどの業務のマニュアルがどこにあるかが推測できるようになります。
すでに業務の一覧表があれば、マニュアルに合わせて一覧表も更新し、最新状態にしておく必要があります。
※目次をそれぞれのiPadに入れておく。
②マニュアル内の構成とフォーマットは統一されているか
前項でも説明したように、業務ごとに解説するものの構成が統一されていなければわかりにくくなるだけでなく、探しにくくなります。
誰が見てもわかりやすく整理されていると、誰でもが探しやすくなることにつながります。業務ごとに解説する項目を統一し、フォーマットも同じもので作成するようにしましょう。
③マニュアルの全体構成とファイルの保管場所の構成表をつくる
マニュアルの全体構成(業務分掌)とファイルの保管場所がリンクしていると、誰でも探せ、アクセスすることができます。
またマニュアルごとにどのような項目が解説されているのかを示す構成表を作成し、どのような業務の解説が、どこに書かれているか、項目の順番はどのようになっているのかなどが一見してわかるようにします。
項目別に記載されているページを示せば、それが「目次」になります。最初は手間に感じるかもしれませんが、一度作成すれば更新するだけなので、後で楽になります。
ステップ9更新しやすさの向上を図る
マニュアルの更新は定期的、あるいは都度行わなければなりませんが、更新作業そのものに多くの手間がかかってしまうと、また使われないマニュアルに逆戻りしてしまいます。
マニュアルを簡単に更新できるようにするためには、作成者だけでなく、実務を行っている人でも気軽に更新できるような配慮が重要となってきます。
①統一された標準マニュアル
フォーマットは整備されているかこれまでに説明してきた、業務目的、インプット/アウトプット、業務手順、業務要領などが備わったフォーマットを整備することが重要です。
フォーマットを統一しておくことでマニュアルの作成者でなくても、どこに何を書くべきかを判断しやすくなり、更新しやすくなります。
②必要以上に凝りすぎて、芸術作品のようになっていないか
あまりにもビジュアルを追求しすぎてしまうと、ビジュアル化が得意でない人が更新しにくくなります。今後の更新の可能性を考慮して、あまり凝りすぎないことも大切です。
③更新は紙ではなく、データで管理しているか
紙をベースとしたマニュアルでの内容更新は、赤ペンで修正をする程度しかできず、写真などの変更がしにくくなります。
印刷物としてアウトプットするのはよいのですが、更新はデータで行います。
更新しやすいマニュアルは、データで管理し、データ内容、保存場所が誰でもわかる状態にしておく必要があります。
④誰でも使えるソフトで作成しているか
マニュアル作成者以外の人でもマニュアルを更新できるようにするためには、多くの人が使えるソフト(Word、Excel、PowerPoint)でマニュアルを作成しておくことが重要です。
⑤ページ振りを工夫しているか
作成したマニュアルに1から通しでページ振りをしてしまうと、ページの追加・削除が発生した時、以降すべてのページの修正が必要になります。
ファイルごと、業務ごとに区分できるように、たとえば「人事─3─2─4」といったページ振りをすると、ページの追加や削除の影響を受ける範囲を最小限に抑えることができます。
ステップ10更新タイミングを明確化する
マニュアルを作成・見直しするときには作成・見直しの担当者が作成状況を管理してくれます。
しかし、いったんマニュアルが完成するとそれぞれの部門でマニュアルを管理していかなければならないのが一般的です。
残念ながら、マニュアル更新のタイミングが明確になっている企業は少なく、新しい業務が増えてもマニュアルは作成しないままで、業務が変わってもマニュアルが更新されないことがしばしばあります。
大切なことは、いつ更新をしなければならないのかを知っておくことと、会社・部門の年次業務として組み込み、活用度の評価とともにマニュアルのあり方や活用方法を見直すことが重要です。
①業務のやり方を見直すべきときに更新する
業務のやり方が変わる時や新しい業務が増える時はマニュアルを更新していくことが必要です。
具体的には次のようなタイミングです。
- a.製品・サービスの変更:新製品・新サービスの投入、一部変更、廃止
- b.業務で使用する設備の更新:生産現場の場合は生産設備や治工具などの更新、事務系の場合は業務システム、帳票などの更新
- c.外部要求の変化:顧客からの要望への対応、関連法令などの変更による対応、外部監査での指摘事項対応
- d.内部要求の変化:社内方針の変更、関連部門からの要求への対応
- e.業務改善:部門内での業務改善
②マニュアルの更新の必要性に気付いたとき
業務のやり方は変化しなくても、次のタイミングでマニュアルを更新しなければなりません。
- a.マニュアル上の間違いに気付いたとき:業務手順や業務要領などの記載内容に誤りがあったとき、更新されていないことに気付いたとき
- b.マニュアルに加えるべきことに気付いたとき:もっとうまくやるためのコツ、例外処理などの追加が必要だと気付いたとき
③定期的なマニュアル維持管理サイクル
年1回、部門ごとでマニュアルの活用度と活用の問題点と対策を振り返る場を設けることが重要です。
当初設定した目的に応じたマニュアル活用ができているか、維持管理するためのマネジメントサイクルの仕組み化と運用が必要です。
ステップ11更新担当者を選定する
直面しがたい事実ですが、マニュアルを進んで更新しようとする人は、めったにいません。だからこそ、組織的に活用状況の振り返りの場と更新体制、ルールを決めておくことが必要となります。
活用状況の振り返りでは、想定した目的を果たすツールになっているかどうかを確認します。
マニュアル更新のための体制としては、課または係といった部門ごとに1名のマニュアル管理責任者を選定するとともに、業務別の更新担当者を決めておきます。
このマニュアル更新担当者には、その業務に詳しい人を選定します。
マニュアル更新ルールには大きく「随時更新」と「定期更新」の2つがあります。
①随時更新:業務のやり方が変わったときや更新の必要性に気付いたときに随時更新していくことです。随時更新の基本は、更新担当者が確実にマニュアルを更新し、マニュアル管理責任者に報告します。更新を忘れた場合は、更新担当者の責任です。
他の人が更新担当者より先に気付いた場合には更新担当者と管理責任者にそのことを伝え、マニュアルが確実に更新されるようにします。管理責任者はマニュアルが更新されたかをフォローすることが必要です。
※毎日更新
②定期更新:1年または2年といったタイミングで定期的にマニュアルの内容を総点検し、最新の内容になるように更新します。
随時更新で確実にマニュアルが更新されることが理想ですが、実際にはモレが生じます。それを補うのが定期更新のねらいです。
定期更新はマニュアル管理責任者が活動の統括的な立場となって、各業務の更新担当者にマニュアル内容の総点検と更新をしてもらうことになります。
随時更新で、マニュアルの更新の必要性に気付くためには、半期に一度は部門のメンバー全員でマニュアルを活用しながら業務のやり方を詳細に確認し、同時にもっとよいやり方はないのか議論する時間を設ける手があります。
※1ヶ月に一回更新
その議論の場ではマニュアルとは違ったやり方をしている人を見つけ、その人のやり方がよいやり方なのかを議論します。
その人のやり方がマニュアルに書かれているやり方よりもよいものでなければ、その人のやり方を直していきます。
このほか、実務を行っていて「これはみんなで共有したほうがよい」と感じる場面があります。いわゆる成功体験、失敗体験などです。
このようなことを感じた場合には、すべてマニュアルに反映するようなルールをつくることも必要でしょう。
コメント