12うまく話そうとするから話せなくなるのだ
◆一番大切なのは、思いやスタンス
話し方において、あなたにお伝えしておきたいことがあります。「うまく話せるスキル」は、一般の会話においては、必須条件ではありません。
流暢に淀みなく話せるようにならなければ、と思っている人が多いようですが、一番大事なのは、あなたの思いやスタンスです。
「何を伝えたいか」「どういう意識で相手と接しているか」――こうした内面は、必ず会話にもにじみ出ます。
それをわかった上で、自分自身がどういう言葉を選択するか。そこが、人の心に響く本当の話し上手になれるかどうかの分かれ道です。
論語に、「巧言令色鮮し仁。剛毅木訥仁に近し」(口先だけうまく顔つきだけよくする者に真の仁者はいない。真の人格者はむしろ口が重く愛想がない)
という言葉がありますが、たとえ流暢にしゃべることができなくても、訥々としていても、気持ちを込めて話したほうが、相手の心に響くということは往々にしてあります。
例えば、滑舌もよく、流暢に話すことができる人がいたとしても、そこに思いがなければ、その人の話し方に心動かされることは少ないでしょう。
一方、ときおり言い淀みながらも、本当に伝えたいことについて熱心に語っている人の話は、胸を打つものです。みなさんにも、まったく同じことが言えると思うのです。
◆「力み」を捨てる
流暢に話すことが苦手な人は、「うまく話そう」と思わなくてもいいのです。
逆にあなたの美しい内面が、余計な焦りによって、悪い印象に変わってしまったら、これほどもったいない話はありません。
話すことが苦手なら苦手と、開き直ってもいい。流暢に言葉が出てこなくても、焦らなくていい。じっくり言葉を選びながら、ゆっくり話せばいい。そう思って相手と向き合えば、通じるべきものは必ず通じます。
言葉はコミュニケーションのツールなのですから、言葉を通じて思いが伝わることが最も重要です。
そう考えれば、たとえ流暢でなく、言葉数が少なかろうと、ゆっくりじっくり話し、真意を相手の心に届けることができる人を、本当の話し上手と呼んでいいのではないでしょうか。
【100%好かれる話し方のコツ11】じっくり言葉を選びながら、自分のペースで話す
13苦手な人に、自分から話しかけるのはやめなさい
◆沈黙は悪いことではない
人と一緒にエレベーターに乗った時に、沈黙になるのが気まずい。そんな悩みを聞いて、びっくりしたことがあります。話すことがないのなら、話さなければいいのです。これくらい軽く割り切っていいと私は思います。
なのにそれができないのは、あなたの心の根っこに、「沈黙はダメ」という思い込みがあるからかもしれません。仲のいい人となら、エレベーターの中でふと沈黙が訪れても、「気まずい」とはならないでしょう。
なのに「エレベーターの中の沈黙が嫌」というのは、紐解いてみれば、「話したくない人とも話さなくてはいけない」という思い込みがあるからではないでしょうか?しかし、相手はどういう人かわかりません。
人それぞれ個性があり、中にはあなたの個性と波長が合わない人がいるかもしれません。そこを無理に話しかけようとするほうが無謀です。沈黙はダメなこと。その呪縛から、一刻も早く解き放たれましょう。
そもそもエレベーターは公共の場所ですから、無理に話しかけるくらいなら、降りたその先のことを考えながら過ごしましょう。
もしくは、「こんにちは」と笑顔で挨拶して、あとは1人で勝手にニコニコしていればいいのではないでしょうか。笑顔も1つの会話ですから。
◆話しやすい人との時間を意識して増やす
話し方の講座をしていると、「会話の難しい人と距離をうまく詰めるために」学んでいる人が多いことに驚きます。しかし、運動でも共通して言えることですが、いきなり有段者の真似をしても技術は上達しませんよね。
何が言いたいかと申しますと、会話の難しい人との距離を無理に詰めなくていいということです。もっと言えば、今の時点で会話が難しい人とは、話さなくてもいいのです。できる限りスルー。
これはあなたが思うほど悪いことではありません。まずは、自分の話しやすい人とだけ話すことで会話力を磨いていく。
そのためには、あなたが話しやすい人との時間を増やしていくということが一番の近道なのです。
ゲームでも映画でもそうですが、いきなり〈ラスボス〉を倒すことはできません。
まずはあなたが話しやすい人、質問しやすい人、あなたの話に共感してくれる人を相手に、小さな成功を積み重ねていくことから始めていけばいいのです。
【100%好かれる話し方のコツ12】自分が話しやすい人とだけ話すことで、会話力を磨いていく
14ほめ方にもコツがある
◆なんでもほめればいいというわけではない
人をほめる。このことの大切さを感じている人は少なくないでしょう。
話し方教室などでも、「とにかく相手をほめましょう」ということを伝えない教室はないくらい、ほめ方というのは大きなテーマです。
たしかに人をほめることは、会話においてとても大切なことです。しかし、人はその奥にある、言葉を発する人の気持ちを感じ取るセンサーも持っています。
普段人をほめたことのない人が、話し方教室に行った途端、「お、今日も笑顔がステキだね」などとほめても、相手に「突然何?何の魂胆があるの?」と勘ぐられてしまうのがオチです。
ほめることは大切なことですが、やたらとほめても、必ずしもうまくいくとは限りません。
あくまで大切なのは、相手が何を大切にし、どこをほめられると嬉しいのか?ここをしっかりと観察し、心からほめることにあります。
◆ここぞという時に使うと効果的な「やっぱり」
ここでは初対面ではなく、いつも共に時間を過ごしている人をほめる時に大切な魔法のキーワードと言い方をお伝えします。あなたに絶対に習慣化してほしいキーワード。それは、「やっぱり」です。
「やっぱり、やると思ってた」「やっぱり、美味しい」「やっぱり」には、ものすごいエネルギーがあります。「やっぱり」をつけなくても、普段一緒にいる人からほめられることは嬉しいもの。
そこに「やっぱり」がつくことで、相手は「えっ、普段からそう思ってくれてたの?」とあらためて嬉しい気持ちが湧き起こります。
「やっぱり」この言葉には、「普段から思っていたけど」というアンダーメッセージが含まれているのです。
◆「ボソッとつぶやく」に秘められたすごい威力
さて、次はほめ方です。面と向かってほめられるのは嬉しいものですが、日本人は面と向かってほめられることがあまり得意ではありません。
ほめられたら謙遜。この文化が知らず知らずのうちに染み込んでいるのです。ではどうすればいいのか?それは、「独り言でつぶやくこと」です。
以前、私の経営する飲食店でこんなことがありました。私たちの店では、年に何度か大きなイベントを企画しています。ある年、イベントが終わった後の懇親会で、参加者の財布からお金が抜き取られる事件が起こりました。
個人の財布は個人管理といってしまえばそれまでですが、懇親会後、私をはじめ、イベントを企画していたスタッフたちは警察に呼ばれ、事情聴取されました。
そのお店にはたまたま防犯カメラがついていたので、犯人は特定できたのですが、事情聴取の後、私たちが店に帰ったのは翌日の夜中。
私をはじめ、スタッフたちはぐったりしていました。
「何でこんなことが起きたんだろう。来年、この企画をやるかどうかもういっぺん考え直そう」そんな暗い話題になり、私たちはテーブルに突っ伏していました。そんな時、店で一番若い女性社員が何も言わず、みんなにお茶を出してくれ、ボソッとこう言ったのです。
「ここまでしなくてもいいのに。やっぱりうちのお兄ちゃんたちが一番かっこいいなあ……」独り言のようにつぶやいて厨房に戻りました。
ガバッ。全員がそのひと言で頭をあげ、目を合わせました。いっときの沈黙。
その後、誰ともなく、「あいつ……。嬉しいこと言ってくれるじゃねえか」「だね。なんか元気出た」「来年もがんばろうか」「そうですね、来年はもっといいものにしましょう」「そうだね、防犯をしっかりすればいいし」男は単純です。
彼女の「やっぱり」のひと言に、そこにいた全員が息を吹き返しました。「やっぱりここ(奥さんや恋人)が一番落ち着くわ」「やっぱりすごいなあ」いかがでしょうか。
面と向かって言われるのではなく、目を合わせずに独り言のように、ボソッとつぶやかれる。想像しただけでも、嬉しさがこみ上げてきませんか?みなさんもタイミングの合う時に、ぜひ使ってみてください。
なお、このテクニックには想像以上の威力がありますので、くれぐれも悪用禁止でお願いします(笑)。
【100%好かれる話し方のコツ13】ここぞという時に「やっぱり」と「独り言」を使う
15「正しい話」より「好かれる話」をしよう
◆自分の話したいことではなく、相手が求める話をする
皮肉な話ですが、「うまく話そう」と思えば思うほど、相手に「もう会わなくていいかな」と思われるきっかけを作ってしまうものです。押したら引かれる。これは、人間関係の基本的な力学です。
「うまく話そう」という姿勢が透けて見えると、多くの場合、相手は「自分に取り入ってメリットを得ようとしている」と受け取り、気持ちが離れてしまうのです。
「お役に立ちたい」という気持ちで話すと、それは自然と相手にも伝わり、相手もあなたの言葉に真摯に耳を傾け始めます。常に心がけておくべきことは、「自分の話したいことではなく、相手の求めている話をする」ということなのです。
◆「正しい話」ではなく「好かれる話」をする
一見、決まりや正論で動いているように見える世の中のほとんどは、実は感情に基づいて動いています。簡単に言うと、ビジネスも、友人関係も、コミュニティも、「好き嫌い」がすべてなのです。
私たちは子どもの頃、親や学校の先生から、「好き嫌いで人を判断してはいけません」と言われました。
しかし、本音の部分では、親や学校の先生たちも好き嫌いで動いているのが現実です。
そういう意味では、日常のささいな会話においても、「自分が話したいこと」ではなく「相手の求めている話」をする。
「正しい話」ではなく「好かれる話」をする。それが「また会いたい」と思われる人になる一番のキーポイントとなります。
◆売り込むのではなく、相手に役立つ情報を届ける
ビジネスも同じです。
例えばあなたが営業マンだとした場合、同じ商品でも、お客様に好感を持たれなければ、お客様はあなたから商品を買おうとは思いません。
最終的にものをいうのは、人として好かれるかどうかなのです。自分が売りたいものについて一方的に話してしまうと、どんなに素晴らしい商品でも売れません。
そうではなく、「お役に立ちたい」という気持ちを持って話すと、もれなく相手の要望に応える話、好かれる話ということになります。
例えば、すぐに自分の仕事に結びつかなくても、「前に、こういうことで困っているっておっしゃっていましたよね。実はこんな情報がありまして……」と、相手にとって耳寄りな話をする。
一見、非効率に思えても、相手優先で「好かれる話」をする人こそが、ゆくゆくは大きなチャンスをつかむのです。ここを察し、相手にとって必要で喜ばれる話をできる人が、最終的には大きな利益を手にするのです。
【100%好かれる話し方のコツ14】「相手に好かれる話」「相手にメリットのある話」をする
16名刺を受け取ったら、すぐにしまってはいけない
◆「肩書き」の前に「相手の名前」を覚える
初対面で名刺を交換した時、最初にどこを見るか――。それによって、会話の弾み方やあなたの印象は変わります。多くの人が、その人の会社の名前や肩書きに目を止めがちです。
しかし、最初に覚えてほしいのは、相手の会社でも肩書きでもなく、相手の名前です。名前を起点にすると、初対面であっても会話が弾みやすいのです。
名前というものは、その人が生まれてからずっと共に生きてきたものです。また、名前には、その人のご両親の思いが詰まっています。
ビジネスネームだとしても、その人自身が考え抜いてつけたもの。思いが詰まっている点では変わりありません。名刺とは、そんな大切な所有物を、一瞬で共有させてもらえる素晴らしいツールなのです。
◆相手の名前を繰り返し言うことで、頭にインプットする
まず大切なことは、初対面で名刺を受け取ったら、すぐにしまわないこと。しまうとしても、相手の名前と字面をすべてインプットし、名前を起点に会話を広げてからにしましょう。
そしてもう1つ、うまくいく人は、初対面で名前を聞くと、すぐに相手の名前を呼び始めます。
例えば、こんな感じです。
「はじめまして。〇〇株式会社の田中と申します」「はじめまして、〇〇(あなたの名前)と申します。田中さん、この会社の商品はよく使わせていただいています」これはプライベートでも同じです。
例えばこんな感じです。
「はじめまして。野村千恵子と申します」「よろしくお願いします。〇〇です。野村さんは普段お仲間さんからはなんて呼ばれているのですか?」「よく『ちーさん』と呼ばれています」「仲良くなりたいので、私も『ちーさん』と呼ばせてもらってもいいですか?」
このやりとりでは、自分が相手と仲良くしたいこと、そして仲間になりたいことをさらりと宣言しています。「初対面でそこまで相手の懐に入るのはちょっと……」と思われる方は、「野村さん」から始めてもかまいません。
つまり、ここで重要なことは、「名前を知ったら、すぐに名前で相手を呼び始めること」「できる限り相手の名前から会話を始めること」の2つです。
◆名前を覚える人は愛される
コミュニケーションの上手な人は、相手の名前を話の中にちりばめながら、相手との絶妙な距離感を作ることに長けています。何度もお伝えしてきましたが、人は誰もが自分を一番大切に思っています。
その大切な自分の名前を頻繁に呼ばれると、自分自身が受け入れられた感じが伝わり、安心感や親近感を抱きやすいのです。
「名前から会話を広げる」「名前を頻繁に呼ぶ」相手の名前にフォーカスするのは、相手の存在そのものにフォーカスするのと同じことなのです。
いきなり面白い話や込み入った話などしなくても、相手の名前にフォーカスして話すだけで、初対面の相手とも一気に心理的距離を縮めることができます。
初対面で好印象を残した後は、2回目以降会った時に第一声で相手の名前を呼べば、あなたの好感度は飛躍的に上がります。
【100%好かれる話し方のコツ15】相手の名前を覚えてすぐに呼び始める
17「あなた」を多用して、自分のファンを作る
◆「あなた」を多用すると、なぜファンが増えるのか?
さっそくですが、人と会話する時に覚えておくととても役に立つことがあります。それは、「あなた」を多用することです。この言葉を使えば使うほど、人に好かれるのです。
なぜなのでしょうか?答えは簡単。誰もが心の底では自分のことが大好きだからです。そして話の中で、自分を話の主役にしてくれる人のことは、誰もが好きになるからです。
◆「あなた」は、相手を話の主役にする言葉
例えば、プラス言葉にも自分軸と相手軸のものがあって「楽しい」「幸せ」という言葉は、あくまで自分軸の言葉。「お前が楽しいからって、何だって言うんだよ」聞いている人の中には、こう思う人もいるでしょう。
しかしこれが相手軸のプラストークなら、相手を幸せな気分にすることができます。
「あなたと会うと安心するよ」「いつも気持ちのいい対応をありがとうね。あなたのそんなところが好き」「あなたみたいになりたいって、みんな言ってるよ」これらはすべて、自分軸の話し方のようでいて、相手が主役の話し方になっています。
こうした相手軸の話し方をする人を、不愉快に思う人はいません。あなたの言葉の中に、「あなた」が多いか「僕は(私は)」が多いかを日頃から注意してみてください。好かれる人は、トークに「あなた」が多いことに気がつくと思いますよ。
【100%好かれる話し方のコツ16】「あなた」を多用して、相手を会話の主役にする
18人を巻き込む話し方――「説得」するより「勝手に楽しむ」
◆人は勝手に楽しんでいる人に「巻き込まれたくなる」
社内やコミュニティ内でやりたいことがある時、周囲を巻き込もうという熱意が出すぎると、逆に人が集まらないという事態になることがあります。
これもセールストークと同様、アツい気持ちはあっても、自分優先で無理やり人を説得しにかかろうとすると、相手の気持ちは引いてしまいます。
そうはいっても、周りを説得しなければ、誰も協力してくれない。そんな風に思うかもしれません。でも実際には、説得するよりも、もっと効果的に人を巻き込める方法があります。
以前、こんな動画を見たことがあります。
人がたくさんいる広場で、突然、1人の男が音楽に合わせて踊り出します。
その男性を、怪訝な目で見つめる人たち。
見て見ぬ振りをして、足早に広場を後にする人もたくさんいます。
ところが、しばらくすると別の人が踊り始めます。
その後も1人、また1人と踊る人が増えていき、最終的に広場は、野外ダンスフロアさながらという状況になったのです。
最初は1人でも、楽しくしていると、自然と巻き込まれる人が増えていき、やがてそれは大きなムーブメントになる。
この動画には、「楽しそうな人には巻き込まれたくなる」という人間心理が、明確に現れています。
人を説得しにかかるのは、無理やりダンスに引き込もうとするようなもの。
そうではなく、こちらが勝手に楽しんで踊っていると自ら飛び込んでくる人がやってくる、そういう状況を作ればいいのです。
◆巻き込まれた人はあなたの「最強の協力者」になる
この方式だと、説得するという労力を使わなくていい上に、巻き込まれてくれる人たちの意欲も高くなります。
なぜなら、人は無理やり説得されて参加するよりも、「いいな」「楽しそうだな」と自ら参加したほうが、意欲高く取り組めるからです。
周囲の協力が必要なことでも、まずは自分がワクワクすること。すると、必ず「何か手伝おうか?」と言い出してくれる人が現れるでしょう。彼らこそ、自ら巻き込まれてくれた「最強の協力者」というわけです。
【100%好かれる話し方のコツ17】自分自身が楽しむことで、周囲を巻き込む
19相手との共通点は「食べ物」「出身地」「ペット」で探そう
◆自然と会話が始まる鉄板ネタ
人間、誰しも何かしらの趣味嗜好があり、それを誰かと共有したいという気持ちを持っています。
初対面でも、たまたま互いの共通点が見つかると盛り上がり、一気に打ち解けるのは、まさにそうした心理が作用した結果です。
この「たまたま」を意図的に起こすことができれば、よく知らない相手と話す時にも、「何を話したらいいのか」「場が持たない」という恐れを半減させることができます。
一般的には、政治や宗教、氏素性などはナイーブな話題であり、避けたほうがいいとされています。
個人の主義主張や、家柄などの出自に関わるものは、ともすれば論争に発展したり、傷つけ合ったりする恐れがあるからです。
では、どんな話題を持ち出すと、誰も傷つけることなく話が盛り上がるのでしょうか?「食べ物」「出身地」「ペット」この3つです。
◆明るく話せて、広がりやすい「食べ物ネタ」
食べることは人間の三大欲求の1つであり、万人に共通する生活習慣です。同じ欲求でも、睡眠欲や性欲と違って、「食べ物」は話が広がりやすく、かつ明るく話せる話題です。
例えば立食パーティで、相手がお皿に取っているものに注目し、そこから食べ物の話題に入ると、すんなり話を広げることができます。
「(立食パーティで、ローストビーフをたくさん取っている人に)おお……ローストビーフ美味しそうですね。お肉がお好きなんですか?」「はい、お肉大好きなんです」「私も好きです!例えば焼肉店で、どこかおすすめのお店ってありますか?」「ありますよ。私はそこの焼肉店に出会ってから、他に行かなくなりました」「さぞ美味しいんでしょうね。良かったら、教えていただいていいですか?」「もちろんです。お店の名前は……」
個人差はあるとは思いますが、ヒット率が高いのは、男性ならラーメン、カレー、肉料理、女性ならパスタ、スイーツなどです。
同じ料理でもどんな系統が好きか、おすすめの店はどこか……などなど、簡単に話を発展させることができます。
◆「出身地ネタ」で、意外な共通点を見つける
次の「出身地ネタ」は、同郷となれば地元ネタで盛り上がります。また、たとえ同郷でなくても、慌てて話題を変える必要はありません。
相手の出身地の名物などを尋ねるのもアリですし、もし自分がその土地に行ったことがあるのなら、その経験が、相手の出身地ネタを引き出す糸口にもなります。
必ずしも同郷でなくとも、地元ネタは共通項になりうるのです。
例えば、第2章16で紹介した「名刺」を起点に話を振ると、自然と出身地の話題に入れるでしょう。
「『古賀』さんって、たしか福岡に多い苗字ですよね。福岡ご出身なんですか?」「わあ、よくご存知ですね!そうなんです。福岡県柳川市です」「あ、柳川ですか!私、一度行ったことがあります。北原白秋の生家とか鰻のせいろ蒸しとか柳川の川下りとか、名物がいっぱいありますよね」「そうですね。意外と観光地なんで、夏休みとかはどこも人だらけですよ」「私が行った時はあまり人がいなくて、川下りしたり、けっこうのんびりしちゃいました。行った理由は学生時代の友人に会いに行ったんです。今、柳川の〇〇商店の跡を継いでいるんです」「え!?〇〇さん、私知り合いです。中学校が一緒なんです」「ほんとですか!元気ですか?」「先日同窓会があって会いましたよ」「わー、世の中狭いですね。とてもご縁を感じます」「私もです」
人は意外な場所でつながっているものです。こうしてご縁が深まり、つながりが広がっていくパターンは少なくありません。
◆日本人の7割が興味を持つ「ペットネタ」
3つめはペットです。
一説では日本の約3世帯に1世帯がペットを飼っているとされ、実際、ある保険会社が500人を対象に行った調査でも、「ペットを飼っている」と答えた人は30パーセント強もいました。
さらに別の調査ではペットは飼っていないけれど動物が好き、いずれ飼いたいと思っている人を合わせると、なんと70%にも上ります。
つまり、ペットネタは、とてもヒット率が高いのです。
もしあなたがペットオーナーならば、「最近、うちの犬が……」という具合に水を向けてみてもいいでしょう。
相手もペットオーナーだったり、動物好きだったりすれば、しばらくペットネタで盛り上がり、一気に親近感が生まれるはずです。
「先日いただいたお名刺で、上原さんのフェイスブックを見ていたら、トイプードル飼ってらっしゃるんですか?じつは私も飼ってるんです!何歳ですか?」「うちの子は3歳です。佐口さんところのワンちゃんは何歳ですか?」「まだ飼ったばかりで3ヵ月なんですが、この子が本当に可愛いんですよ。すぐに帰りたくなるので、夜の会食が減って、生活習慣が変わっちゃいました♪」「本当に可愛いですよね」「上原さんはペットオーナーの先輩なのでお聞きしたいんですが、トイプードルのサークルとかってありますか?」「ありますよ。うちの子も入ってるんで、よかったら今度ご紹介しましょうか?」「わあ、ぜひぜひ!」
このように、食べ物、出身地、ペットは鉄板ネタと言えますが、その他、互いの共通点を見つける際に役立つツールにフェイスブックがあります。
インスタグラムやツイッターに比べ、フェイスブックは実名登録が多いため、手軽に相手を発見しやすい利点があります。
実際、私も知り合ったばかりの人をフェイスブックで検索して、好きな本や映画など共通点を見つけることがよくあります。
また、相手のほうからも共通点を探してもらいやすくするという意味では、自分のフェイスブックページの情報を充実させておくことは大切です。
スムーズに相手との共通点を見つけて、良き人間関係の構築を目指しましょう。
【100%好かれる話し方のコツ18】鉄板ネタ3種を積極的に活用して、相手との共通点を探る
20人は「笑わせてくれる人」より「一緒に笑ってくれる人」が好き
◆大好きなあの人と話す時、つい力んでしまうあなたへ
「あこがれのあの人と話せる!嬉しい」「この人ともっと仲良くなりたい」「次回、お会いしてぜひ色々話を聞かせてほしい」そう思った瞬間に力が入ってしまい、思っていることの半分も話せなかった……あるいは、どうでもいいことばかり話してしまって、肝心なことをお伝えできなかった……。
そんな経験はありませんか?私もリラックスしている相手の時は、それほど力まず話ができ、ナチュラルないい関係を築けます。
しかし、自分の中で特別だと思っている相手には、つい力が入りすぎて、必要以上に話しすぎてしまいます。
そんな時は、頭の中にあった拡張話法など、どこかに飛んでしまっていて後悔しながら家路についたという経験が、何度もありました。
そこであなたには私のような失敗がないように、魔法のキーワードを2つご紹介します。
◆女性にかけると効果てきめんのキラーワード2つ
(ビジネス関係の場合)「あははは。それは面白いですね!それでどうなったんですか♪?」(友人や恋人などの場合)「あははは。うける。もっと聞かせてよ」の2つです。
ビジネスパートナー、友人関係や恋人、夫婦……。
あなたにも色んな人間関係があると思いますが、どんなつながりにおいても、この2つの言葉はまさに万能で効果てきめん、会話がどんどん広がっていきます。
ですので、今すぐにでも近くにいる大切な人に試してほしい、そしてその効果を実感してほしい。
心からそう思います。
ところで、なぜこの言葉がそれほど大切な人に有効なのでしょうか?それは、三原則の1つ、「人は誰もが自分のことをわかってくれる人を好きになる」を満たす言葉になっているからです。
人は、特に楽しい時、嬉しい時、その感動や喜びを周りの人に伝えたくなります。
その時にこのひと言をかけられることによって、「あっ、この人は私と一緒に喜んでくれる人なんだな」と、自分の感動をさらに倍増させていくのです。
「人は、笑わせてくれる人よりも、一緒に笑ってくれる人を好きになる」このことを理解しておくと、自分がたくさんしゃべらなくても、流暢に話ができなくても、相手に気に入られようと無理にいい話をしなくても自然に好かれます。
そして、この2つは特に男性に覚えておいてほしいキーワードです。
なぜなら、女性は男性以上に共感してもらうことに喜びを感じるからです(もちろん個人差はあります)。
例えば、奥さん、パートナー、恋人に対して、もしあなたに話しすぎの感があるようなら、ぜひこのキーワードを使ってみてください。
併せてその時、表情、身振り手振り、〈「!」「♪」×10〉をつけると信じられないほどのパワーを発揮します。
ぜひ一度お試しください。
【100%好かれる話し方のコツ19】大切な人と一緒に笑うと、距離感は一気に縮まる
21一生使える自己紹介の作り方
◆自己紹介の悩みは、1回の作成で一生解決
初対面や会合にはつきものの自己紹介。
時間にすれば、せいぜい1~3分程度のものですが、これが苦手という声も、よく耳にします。
その多くが「何を話していいのかわからない」という悩みですが、とはいえ、社会に出ると、多かれ少なかれ何らかの場面で、自己紹介を求められます。
そのためにも、自己紹介は前もってきちんと準備しておくことです。
これからお話しするのは、最初こそ少し手間はかかりますが、いったん実践してしまえば、ずっと使える自己紹介の準備法です。
年月が過ぎたり、仕事が変わるなどが起こっても、微調整を加えるだけで長い間使える優れものです。
◆心に響く自己紹介の作り方、3つのステップ
手順は、①自分史を書く、②プロフィールをまとめる、③キーワードを絞り込む、の3つです。
①自分史を書く自身の誕生から現在に至るまでの歴史を、「箇条書き」で書き出す。
②プロフィールをまとめる出身地、出身校など余分な情報を省きながら、自分史を簡略に「文章」でまとめる(出身地や出身校を伝えることが有意義な場合は入れてかまいません)。
③キーワードを絞り込む「なぜ今の仕事をしているのか?」「今の自分は、どんな喜びや、やりがいを感じているのか?」などを考えながらプロフィールから、今の自分を表すキーワードを導く。
自己紹介の時に言葉が詰まってしまうのも、ダラダラ長くなってしまうのも、とどのつまり、自分で自分のことをわかっていないこと、そして「今の自分をズバリ表現する言葉」を見つけていないことが原因です。
まず自分史からプロフィールをまとめ、そこからキーワードを絞り込む。
すると、単なる「略歴」ではない、自分の「思い」が乗った素晴らしい自己紹介文ができます。
人の心に一番、響くのは、あなたの「思い」の部分なのです。
◆「感謝」を入れた自己紹介で、人の心を動かす
もし、大勢が集まる場で自己紹介するのなら、もう1つ、覚えておくととても得するポイントがあります。
それは主催の方への「感謝」、そしてそこに集まった方へ「お会いできて嬉しいです」という「感謝」をつけ加えることです。
どのような集まりにも、必ず、中心になって動いている主催者がいます。
また、どのような集まりでも、誰かしらのツテがあってあなたは参加しているはずです(主催者と誘ってくれた人が同一人物の場合もあるでしょう)。
彼らの存在がなければ、今、あなたはここに立っていません。
ご縁のありがたみを思えば、感謝の言葉が出てくるのは当然ともいえます。
ここは多くの人が、自己紹介に一生懸命になるあまり、見落としがちです。
だからこそ、大勢の人の前で自己紹介する際には、必ず感謝の言葉を入れる。
これで、いっそう人の心に響く、素敵な自己紹介になります。
「初めまして。鈴木太郎と申します。まずは今日のこのような素晴らしい会を主催してくださった佐藤幸子さん、ありがとうございます。私は現在、すばるブックスという書店でビジネス書フロアを担当しています。世の中には素晴らしい本がたくさんありますが、本当に自分が必要とする本と出会っている人は、実は少ないのかもしれない。そんな思いがあって、本を作る出版社から、本と人をつなぐ書店へと転職しました。毎月、たくさんの本が入荷される中で、『人生を変える本と出会う場を作る』ことが私の使命です。よろしくお願いいたします」
【100%好かれる話し方のコツ20】自己紹介は、「経歴」よりも「思い」を込めると相手の心に響く
22最強のネタ帳「しくじりリスト」を作る
◆「しくじり」こそ最強のネタ
人は色んなことで悩んだり、くじけたりする生き物です。
そんな時は思わずうまくいっている人を羨んだり、自分の失敗にいつまでもクヨクヨしてしまいがちになります。
例えばそういう人を目にした時、あるいは楽しくコミュニケーションを取りたいなという相手に出会った時、必ず使えるネタがあります。それは、「失敗談」です。
人生で成功し続けている人は、ほとんどいません。
多くの人が、何らかの形で失敗し、悔しい思いをしてきています。
そこで、誰もが持っている失敗話を集めて、ネタにしてしまえばいいのです。
そのためには、「マイしくじりリスト」を作成することです。
過去にさかのぼって、恥ずかしくなることや、昔の失敗話を思い出してリスト化しましょう。
◆私のしくじりネタ「僕の家には外国人が住んでいます!」
これは私の鉄板ネタですが、私が小学校1年の頃の話です。周りの友達が「自分の家のお父さん、お母さんがどれだけすごいか」について話し始めました。
私も何か言いたくて、思わず「僕の家には外国人が住んでいる!」と嘘をついてしまいました。すると、「すげー!」「外国人がいるって、英語話せるの?」となって、引っ込みがつかなくなってしまいました。
結局「どこかに行った」などと逃げ回るハメになったのですが、その話をうやむやにするまで結構大変な思いをしたように思います。
今思い返すと、「なぜ、あんな嘘を言ったんだろう???」と自分のことながら笑ってしまいます。
◆失敗談が、相手を安心させる一番の処方箋
「運動会で思いっきり走ったらビリだった」「友達に『あの子を絶対におとす!あの子は絶対に俺のことが好きに違いない』と宣言して告白したら思いっきりフラれた」「周りの目を意識しながらハイヒールで颯爽と歩いていたら、ヒールが折れてこけた」振り返れば、ネタはたくさん出てくるはずです。
もちろんこれは遠い昔のことでなくても大丈夫です。おそらく色んなことを思い出していくうちに、最近あった笑える失敗もたくさん出てくるはずです。
そして、このリストを作る習慣を身につけることによって、ここから先、あなたが何かで失敗したとしても、「あ、これもリストに追加しよう」と、前向きに意味づけすることができるようになります。
いずれにせよ、失敗談というものは、人の共感を生み出すものです。
恥ずかしい過去をカミングアウトすることは、決してあなたの評価を下げることにはなりません。
そこをさらけ出して笑いに変えることができるあなたに、人は大きな安心感を覚えます。念のためつけ加えておきますが、あまり晒したくないことまで晒して話しましょう、ということではありません。あくまであなたの中で笑える程度の失敗談を、ぜひ思い出してリスト化してくださいね。
【100%好かれる話し方のコツ21】しくじりリストを作って、失敗談をタイミングよく話す
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