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第10章 賢く運を引き寄せるためにできること

目次

第10章賢く運を引き寄せるためにできること

私は運の大切さをよく知っている。そして自分が努力するほど、運に恵まれると思っている──ダン&マッカーシー社長F・L・エマーソン

セレンディピティは人生に喜びや驚き、生きがいや輝きに満ちた魔法のような瞬間をもたらす。人生という旅路、充実した成功に満ちた日々を送るために欠かせない要素だ。

生きる情熱を取り戻し、予想外の事態を脅威から喜びの源泉へと転換する力になる。

良い人生が良い日々の積み重ねであるならば、セレンディピティはそうした日々を喜びや生きがいで満たしてくれるものだ。

本書は格差の広がる時代に、人生をより良く生きるための希望と戦略を示そうとしている。

どうすれば自らの力でスマートラックを生み出すことができるのか、誰もが共感できる物語を提供している。

運に恵まれ、他の人々にも幸運をもたらす環境を生み出せるのは、リチャード・ブランソン、J・K・ローリング、オプラ・ウィンフリー、ミシェル・オバマ、ビル・ゲイツ、スティーブ・ジョブズのような人だけではない。

誰もがそれぞれのやり方で、同じことができる。ツキが人生において大きな役割を果たすのは事実だ。

だが自ら運命を切り開き、自分や他の人のために「スマートラック」を頻繁に引き寄せ、より良い結果につなげられるような環境を生み出す方法はたくさんある。

飛行機に乗り遅れるたびに、新たな機会が生まれる。それは恋愛のチャンス、投資家と出会うチャンス、あるいは友人と出会うチャンスかもしれない。

それはあなたが隣に座っている人に話しかけるかどうかで決まる。

成功をもたらすのは運かスキルのどちらかだ、という昔ながらの発想はそろそろ捨てたほうがいい。むしろ主体的に、賢く運を引き寄せるためのマインドセットを身につけ、環境を整えるための努力をするべきだ。

セレンディピティ・マインドセットとは要するに、世界をどのような枠組みで見るかの問題だ。

自分の核となるモチベーションを持ち、点と点を発見して結びつけ、機会に変え、(可能であれば)それを加速し、増幅させていくことが重要だ。

そして誰もが心のなかに持っているバイアスへの警戒を怠らないことだ(本書も例外ではない。私はできるかぎり自分のバイアスを排除するよう努めたが、後知恵バイアスや生存者バイアスがあちこちに影響しているはずだ。そして本書に登場するエピソードの伝え方は、20年後にはまるで違ったものになるだろう)。

今日のような不確実な時代には、多くの人が拠りどころとしてドグマ(固定的な信条)に頼ろうとする。

それに対し、本書は別の生き方を示す。

人生で何が起ころうとも柔軟に対処するためのセレンディピティ・マインドセットと、それと対になるセレンディピティ・フィールドを生み出すのだ。

それは豊かな人間関係や生きがいや帰属意識を人生の中心に据えることを意味する。あなたはこれまでそんなふうに世の中を見たことがなかったかもしれない。

そうだとしたら、この新たな枠組みがさまざまな重要な問いと向き合うきっかけになればと思う。それに答えることが、あなたやまわりの人がより幸せで充実した、成功に満ちた人生を送るのに役立ってほしい。

これはゴールではなくプロセスであり、静的なソリューションではなく、ダイナミックなスキルである。そして筋肉と同じようにこのスキルは適切なトレーニングを積むことで向上し、日常の一部になるだろう。

あなたが直感的にこのような生き方をしてきたのなら、本書は戦略を多少修正したり、これまでの生き方を振り返り、理解を深める機会になるだろう。

本書が自らの生き方を肯定する追加的材料になればと思う。

周囲に納得してもらえるように、「リニアなストーリー」を後づけで考えていたのだとしたら、特にそうだ。

本書を通じて自らの生き方を前向きな言葉で語れるようになってほしい。

またセレンディピティを育むのは主体的な行為であり、コントロールの放棄ではなく、コントロールできているという錯覚を排除する唯一の方法であることを示したい。

ただ完璧主義者のジレンマには注意が必要だ。何かを目指して努力しすぎると、かえって実現できないこともある。愛や幸せと同じように、セレンディピティも求めすぎると手に入らない。そうではなく、いつでも対応できるような準備を整えることが大切だ。

「セレンディピティを逃すのではないか」という不安にとりつかれてはいけない。

あなたの心構えが正しく、備えと意欲があり、予想外の事態にオープンであれば、ありとあらゆるセレンディピティ(真実の愛を含めて)が起こる確率は高くなる。

そうなれば魔法に「不意打ち」を食らうことなく、進んで受け入れることができるだろう。

当然のことだが、セレンディピティを事前に予測したり、計画したりすることはできない。

それができたら、そもそもセレンディピティではないのだから。

それでも自分の身に予期せぬ出来事が起こる頻度を高め、そこからより良い成果を得られるようにすることはできる。

肝心な場にただ居合わせるのではなく、どのように居合わせるかが大切なのだ。

あなたがスポーツジムに行ったら、運命の人(になり得た人)がいたとしよう。

でもあなたが何日もシャワーを浴びていなかった、あるいは虫の居所が悪かったら、万全の状態でジムに行ったときより相手と結ばれる確率ははるかに低くなる。

そしてハッピーエンドを望むなら、それは物語をどこで終わらせるか、どの(誰の)視点で見るか、そのときどんな気持ちであるかによって変わることを頭に入れておいたほうがいい。

そうすれば恋人同士が結局別れてしまっても、2人の関係は「成功した」と言えるかもしれない。

組織にとっては「集団的セレンディピティ・マインドセット」、あるいはそれをさらに発展させた「ダイナミック・ケーパビリティ★1」を獲得することがきわめて重要だ。

社内外のさまざまなコンピタンスを統合、構築、再構成することを通じて、予想外の発見が生まれ、大きく発展するような環境を実現する能力だ。

人々が明日何を欲しがるのか、何を必要とするのかはわからない。

おそらく本人たちにもわかっていないだろう。

ヘンリー・フォードは自動車時代の黎明期に、「人々に何が欲しいかと尋ねていたら、もっと速い馬という答えが返ってきただろう」と語っている。

だがフォードが馬の代わりに自動車を提供したところ、誰もが飛びついた。

組織に必要なのは、未来を予測するのは不可能であること、そしてセレンディピティが起こる環境を生み出せる人を大切にしたほうが良いという認識だ。

社会問題や環境問題はとりわけ複雑な要因が絡み合っており、政策的介入の結果を予測するのも困難なことが多い。

それはすでにわかっていること、あるいはわかっているとされていることだけでなく、わかっていないことも考慮して政策を立案しなければならないということだ。

「こうすべきだ」という規範的思考に縛られず、社会的オポチュニティ・スペースにもっと意識を向けるべきだ。

それにはセレンディピティ・マインドセットを科学的に理解し、その訓練に投資することだ。

個人には自らの状況を変革する力がある、という主張は、「必要なのはシステムの変革だ」という批判を招くことが多い。

だが真相は違う。

システムが変わるとき、たいていその背後には意外な分野で活躍する個人の存在がある。

政府にあらゆる問題を解決してもらおうというのは、受動的マインドセットに他ならない。

システムとして解決すべき問題があること、ささやかな変革によって真の問題を解決できるふりをすべきではないことをわきまえたうえで、どんな環境で生まれ育ったとしても、自分はあらゆる面で恵まれているのだという思いを持って生きていくことはとても大切だ。

21世紀において構造的レジリエンス、社会的流動性、イノベーションを強化していくというのは、緻密に計画を立てることではない。

最適な方法は、自分自身や周囲の人々が何が起ころうともそこからベストの結果を引き出せるような環境を生み出すことだ。

セレンディピティは人間の可能性を解き放つための強力なメカニズムになる。

シーメンスCEOのジョー・ケーザーは、リーダーズ・オン・パーパスのチームにこう語った。

「未来は不確実だ。

変化は相当速いので、適応力のあるマインドセットを培う必要がある。

この適応力こそが変化を主体的に生み出すのに欠かせない要素なのだ」。

もちろんセレンディピティを育むことが万能薬となるわけではない。

構造的ダイナミクス、とりわけ権力構造の影響は強く、それはセレンディピティ・マイン

ドセットやセレンディピティ・フィールドをうまく醸成し、その成果を享受しやすい組織とそうではない組織の違いを生む。

生まれる環境によって富、教育、スキルへのアクセスには偏りがある。

貧困のような複雑な構造問題はこれからもなかなか克服されないだろう。

しかしどのような社会階層、文化的コンテクストに属する人にとっても、セレンディピティを育むことは「運命」の呪縛から逃れ、成功に向けて自ら幸運を生み出す有効な手段となる。

教育機関にとって(そしてもちろん親にとっても)、子供たちがセレンディピティ・マインドセットを身につけ、セレンディピティ・フィールドを生み出せるようサポートすることは、次の世代に不確実な世界を乗り切っていける力を育むうえでカギとなる。

人間とロボットを分けるのは、このようなマインドセットとスキルセットだろう。

もはや単に知識を教えるだけでは不十分で、ロボットとは違う「生き方」を学ぶことが重要になる。

もちろん、私がすべての答えを持ち合わせているわけではない。

セレンディピティはよく話題にのぼるものの、ほとんど検証されてこなかった。

研究はまだ始まったばかりで、多種多様な学問分野に散らばっている。

私は可能なかぎりそうした知見を統合し、まだエビデンスが少ない分野については類推的思考を試みた。

因果関係の主張はあまり含めておらず、これからさらに実験を重ねる必要もある。

セレンディピティについて学ぶべきことはまだ多く、本書にもさまざまな課題はある。

10年前に同じテーマで執筆していたら、あるいは今から10年後に書くとしたら、このテーマに対する私の理解はおそらく大きく違ったものになるだろう。

その時点の関心や気持ちを反映して、自分自身の物語の解釈も違っているはずだ。

生存者バイアスの影響を受けていることは間違いない(確証バイアスなど、他にもさまざまなバイアスが影響している可能性はある★2)。

だがこれが現時点のベストであり、これからも学習とみなさんとの共創を続けていければと考えている。

本書が長い旅路、願わくは新たなムーブメントの始まりになればと願っている。

みなさん自身のセレンディピティの旅路に貢献できれば嬉しい。

私にとって本書の執筆は、自分自身の考え方や(少なくない数の)バイアスを問い直し、成功とは何かを改めて考え、これまで当たり前と思っていたことを見直す良いきっかけとなった。

今後の探究テーマとして考えられるのは、セレンディピティを育むのに欠かせない感情的、身体的、心理的「ファンダメンタルズ(基礎条件)」はあるのか、特定分野のセレンディピティに特化して育むことは可能なのか、そしてセレンディピティ・マインドセットはどこまで有効なのか、もっとコントロール可能な学習や発見の方法によってどの程度補完する必要があるのか、といったことだ。

本書は「合理的楽観主義」に依拠している。

そこにはどれだけ冷笑的な批判にさらされても、前向きな気持ちを失わないでほしいという願いも込められている。

「真の現実主義者になるためには、楽観主義者として出発する必要がある」というヴィクトール・フランクルの洞察は、ゲーテの思想に触発されたものだ。

ゲーテは、私たちが目の前の相手の姿ではなく、相手がなり得る最高の姿を予想して接すると、実際にそうなる手助けができると考えた。

本書がみなさんにとって、自分自身を、友人たちとの関係を、そして組織を、なり得る最高の姿に近づけていく一助となれば幸いだ。

特定のゴールや「最高の自分像」に向かって進むのではなく、さまざまな「なり得る自分」を試してほしい。

この旅路の指針となる枠組みを使って、自分にどんな可能性があるのか探究してほしい。

この世界の大部分は、社会として成り立っている。

私たちが既存の仕組みや考え方に疑問を持ち始めれば、自分にとっても他の人たちにとっても、まったく新しい世界が拓けるだろう。

もしかすると、健全な「良識的な利己心」に基づく新たな資本主義を生み出すムーブメントの一翼を担うことができるかもしれない。

生まれながらに幸運に恵まれた人たちが、恵まれなかった人たちのためにオポチュニティ・スペースを生み出す社会だ。

あらゆる人が運命を甘受するのではなく、主体的に自らのスマートラックを生み出せるように。

これは私の純粋な第6感、セレンディピティによるひらめきである。

すべての答えを持ち合わせていなくても構わない。

セレンディピティ・マインドセットがあれば、将来を切り拓いていけるはずだ。

人生の目標とは、「セレンディピティに対して常に前向きであること」かもしれない。

★1BuschandBarkema,2019;DeRondetal.,2011.★2自らの既存の信念を裏づける情報を選好し、探し、またそれに合うように情報を解釈し、思い出す傾向を指す(Plous,1993)。

私は定性的研究の品質基準にのっとり、確証バイアスをできるだけ抑えるよう努めた。

以下などを参照。

Flick,2009.

用語集

単なる運私たち自身の行動ではなく、まったくの偶然によってもたらされた成功あるいは失敗。

セレンディピティの複利効果セレンディピティが積み重なるたびに、直前のものより強力になっていくプロセス。

FOMSセレンディピティを逸する恐怖。

FearOfMissingSerendipityの略。

ハブ・アンバサダー各拠点の代表者。

JOMOチャンスを逃す喜び。

JoyOfMissingOutの略。

ラテラル・アカウンタビリティ自分自身と仲間に対する説明責任。

オポチュニティ・スペースつながる可能性を秘めた多くの点が集まる場所。

セレンディピターセレンディピティを育む人。

セレンディピティ・フィールド多種多様なバイソシエーション(点と点のつながり)の可能性と、それを活用する能力がともに存在するオポチュニティ・スペース。

セレンディピティ・マインドセット自分自身と周囲の人々の人生により多くの好ましい偶然を起こすための人生哲学であると同時に、習得可能な方法論とスキルセット。

スマートラック自ら行動することで生み出す幸運。

「能動的」幸運。

社会資本社会的関係がもたらす恩恵(リソース、感情的サポートなど)。

つながりの強さ特定の関係の感情的強度、時間、返報性の組み合わせで決まる。

友達同士の関係は「強いつながり」である一方、偶然知り合った相手との関係は「弱いつながり」だ。

ゼンブラニティ予想どおりの不幸で不運な発見をする能力。

セレンディピティの対義語。

謝辞

本書は知的刺激あふれる数々の論文と、自らの経験や知見を惜しみなく語ってくれた魅力的な方々のおかげで誕生した。

ここ15年の私の人生が詰まった作品であり、執筆には私が心から大切に思う人たちが協力してくれた。

謝辞は簡潔に、と編集者から言われているが、愛情とサポートと忍耐によって支えてくれた方々にこの場を借りて感謝をお伝えしたい。

どれだけ言葉を尽くしても、彼らが私に寄せてくれた厚意と信頼に報いることはできないが、これが第一歩となればと思う。

両親のウラとライナー、そしてマルテ・ブッシュは私の人生の拠りどころであり、為せば成るという自信を与え、意識的に幸福な人生を送るための素地を整えてくれた。

祖母のレニは本書の出版前に亡くなったが、レジリエンスや人生で何が起ころうともそこから最良のものを引き出す生き方のロールモデルだった。

グレース・グールドのおかげで私は困難な時期を乗り越え、再び自分を信じられるようになった。

私を励まし、笑顔にし、本当に自分が好きなことに集中すべきだと思い出させてくれたことには感謝してもしきれない。

ソフィー・ジョンソンは私の人生で最もつらい時期に寄り添ってくれた。

感情的支えとなってくれたことに心から感謝している。

ゲイル・リバックは本書の執筆プロセスを通じて誠実な案内人、刺激的な話し相手、相談相手となってくれた。

その知恵、励まし、的を射たアドバイスに言葉にできないほど感謝している。

エージェントのゴードン・ワイズとクリスティン・ダールは数々の困難を乗り越えてくれた。

出版社のペンギンライフ(エミリー・ロバートソンとマリアンヌ・タテポ)とリバーヘッド(ジェイク・モリッシー)の担当者は、私のアイデアを読みやすい本にするためにすばらしい編集能力を発揮してくれた。

宣伝担当のジュリア・マーデイとシャイリン・タベラがそれを日の当たる場所へと押し出してくれた。

NYUのセンター・フォー・グローバル・アフェアーズと、LSEのマーシャル・インスティテュートの同僚たちは、これ以上望むべくもない知的刺激に満ちたホームグラウンドを与えてくれた。

ハリー・バーケマ、ソール・エストリン、スーザン・ヒルをはじめとする共同研究者は、科学を社会への有意義なインパクトへと結びつける喜びを教えてくれた。

「リーダーズ・オン・パーパス」の仲間、とりわけクリスタ・ジョリ、タチアナ・カザコバ、リース・シャープ、マヤ・ブラーマン、ニコル・ベルスリーは常に活力を与えてくれた。

ステファン・チェンバース、マイケル・ヘイスティングス、ゲリー・ジョージ、スティーブン・デスーザ、マイケル・メイヤーニック、そしてサンドボックスの共同創設者たちは、ここ数年私にとってインスピレーションの源泉となってきた。

フィル・ケイとファビアン・フォートミュラーからは、人と人とのかかわりに影響を及ぼす人種その他の暗黙のバイアスなど、構造的ダイナミクスについて多くの気づきと示唆を得た。

カロライン・クレンザー、トゥッカ・トイボネン、パオロ・リグット、カリン・キング、ノア・ガフニ、タチアナ・カザコバ、マシュー・グライムズ、ジム・デ・ワイルド、マーロン・パーカー、スティーブン・デスーザ、ティム・ワイス、アリアとナクソン・ミムラン夫妻、ヴィレム・ブシュラー、クリストフ・ゼクラー、クリストファー・アンカーセン、エドワード・ゴールドベルクは初期の草稿に目を通すのに貴重な時間(そしておそらく神経)を費やしてくれた。

彼らの的確なフィードバックとアドバイスにはどれほど感謝しても足りないくらいだ。

サイモン・ワトキンスとシェーン・リッチモンドは、私がアイデアと内容を整理するのに手を貸してくれた。

ブラッド・ジョリはセレンディピティを生み出すうえで芸術が果たす役割について、私の目を開かせてくれた。

典型的なセレンディピターであるジェシカ・カーソンは、私の思考やアイデアを映す鏡となってくれた。

サンドボックス・ネットワーク、ネクサス・サミット、世界経済フォーラム(WEF)、ザ・パフォーマンス・シアター、メイクセンス・シアター、ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ、グローバル・シェイパーズの各コミュニティからは、常に多くを学んできた。

サイモン・エンゲルケと、セレンディピティによる出会いを促進するプラットフォーム「セレディ・ドットオルグ」のおかげで、すばらしい人々との出会いに恵まれた。

アリス・ワン、アレクサ・ライト、ジル・ジャーゲンセン、ケルシー・ボイニング、マイケル・ユンガはデータの収集と分析に力を発揮してくれた。

そして最後に、自らの考えや経験を共有してくれたすばらしい方々への感謝の気持ちも伝えたい。

全員から聞いた内容を本書に盛り込むことはできなかったが、数々の魅力的なエピソードは他の機会に紹介していければと思う。

本書では多種多様な方々が語ってくれたアイデア、考え、洞察を融合させている。

できるかぎり誠実にそのすべてを伝えようと努力したが、魅力を十分伝えきれなかったアイデアもあるだろう。

本書を対話のきっかけとして、今後もこのテーマを掘り下げていきたい。

ここに挙げた以外にも親しい友人として支えてくれた方はたくさんいる。

また別の機会に感謝の気持ちを伝えていきたい。

私が懸命に生きる意味を模索し続けた結果生まれたのが本書だ。

これまですばらしい人やアイデアとの出会いに恵まれてきたのは言うまでもないが、そうした多くの点がこうして一貫性のある物語にまとまったのは偶然ではない。

それを可能にしたのはセレンディピティだ。

この旅路にかかわってくださったみなさんに、心からお礼を申し上げる。

参考文献

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