脳を最高に活かせる人の朝時間茂木健一郎
はじめに 朝時間の過ごし方を振り返ったとき、幸せだった幼少期の思い出が、今でも鮮やかによみがえってきます。
その頃、私が熱中していたのが蝶の採集です。
「どんな蝶と出逢えるのか?」と想像するだけでワクワク・ドキドキして、次の日の朝が待ち通しくてたまりませんでした。
「早起きがつらい」と思ったことなど、一度もありません。
そして早朝、原っぱや森林の清々しい空気のなかで、お目当ての蝶が現れるのをジッと待ち続けます。
しばらくすると……花の蜜を吸いに来た蝶たちが、色とりどりの花のうえを舞い始めます。
逃げられないように私はそろりそろりと近づき、ネットを振って蝶たちをとらえていく──。
このようにして採取し、標本にした蝶は、まさに私の“宝物”。
特に、希少な蝶にめぐり逢えたときの快感は、天にも昇る気持ちになりました。
たくさんの種類の蝶が標本に加わり、それらの模様や色、生態などを調べることが、私の日課となっていたのです。
これが私の「朝活」の原点でした。
思春期を迎える頃に、私は蝶を標本にすることに心を痛め、大好きだった蝶の採集を止めました。
ただ、学生の頃の朝時間は、英語の原書にトライする貴重な時間となりました。
私の朝活は継続していたわけです。
何かと慌ただしい現在でも、朝イチバン、目覚めると同時に原稿の執筆に取り掛かったり、情報収集をしたり、 SNSを活用して自分の考えを発信したりしています。
どんな朝時間の使い方をすれば、脳を最高に活かせるのか──。
本書では、この点に脳科学の知見から踏み込んでいきますが、その前提として、「朝時間を楽しもう」というマインドを失わないで欲しいと思います。
朝の貴重な時間をワクワクすることに使う。
以前からずっとやりたくて、手をつけていなかったことにチャレンジしてみる。
仕事から離れてクリエイティビティ豊かな過ごし方をしてみる……。
こんな朝時間を過ごせたら最高です。
私にとって、蝶の採集に明け暮れた幼少期の朝時間がまさにそうでした。
年齢を重ねたこれからも、新しい発見、新たな感動と出逢えるような朝時間を過ごしたいと考えています。
脳の凄いところは、好奇心を失わずに挑戦すれば、何歳になっても新しい神経回路が強化されていく点です。
脳の限界は誰にもわかりません。
想像をはるかに超える可能性を、あなたの脳は秘めているのです。
自分の脳に自信を持ってください。
そして、自分が成し遂げたいこと、やりたいことを無限に想像してみましょう。
脳の可能性を自ら狭い枠のなかに閉じ込めてしまうのは、とてももったいないことです。
ただし、真面目な人に多いのですが「朝の貴重な時間を 1秒もムダにしてはいけない」などと自分を追い込まないように! 過度なプレッシャーは禁物です。
それが結果的に、脳に強いストレスを掛けてしまうと、脳が持っている本来の力を制御したり、パフォーマンスの低下につながってしまいます。
朝、起きたばかりの脳が素晴らしいのは、前日までの記憶が整理され、フレッシュな状態にあるという点です。
同じ作業をするにしても、昼や夜の疲れた脳と比べれば、はるかに高いパフォーマンスを発揮します。
だからこそ、脳が喜ぶことをどんどん実行して、好スタートを切りたい──スタートダッシュが上手く決まれば、日中、午後にも余裕ができて、トータルのパフォーマンスもアップするでしょう。
さらに、脳は心の状態とも密接にかかわっています。
脳が自分の置かれている現状をポジティブな状態に評価し、前向きな気持ちを継続させれば、一人ひとりが幸せを強く実感できるようになるのです。
素晴らしいことだとは思いませんか! 毎朝、脳をポジティブな状態に保ち、心理面でも好スタートを切ってください。
それが心豊かな 1日を過ごす秘訣となります。
「朝起きると、どんな 1日が始まるのだろうとワクワクする」──。
私自身、脳科学の最終的な目的は、人の幸せに寄与することだと思っています。
本書を通じて、脳を最高に活かす朝時間の使い方を学び、充実した毎日をスタートさせてください。
脳を最高に活かせる人の朝時間
【目次】はじめに
第 1講 朝こそ脳が喜ぶことをやりなさい
1 脳の活動を邪魔する「とらわれ」という“障害物” 2 「目覚めから 3時間」は脳活のゴールデンタイム 3 効果減?朝食のとりすぎは「脳の回転」がダウン 4 快適な朝に変貌する『快感報酬システム』 5 1日の好スタートの秘訣は「早起き」にアリ 6 瞬時に社会とつながる!『朝イチ SNS』活動 7 「快楽」という“ご褒美”を毎朝用意!
第 1講朝こそ脳が喜ぶことをやりなさい
1 脳の活動を邪魔する「とらわれ」という“障害物”「何か新しいことに積極的にチャレンジしたい!」「仕事の効率を今以上にもっとアップさせたい」 頭のなかで思ってはいるものの、いざ行動に移すとなると躊躇したり、途中で投げ出してしまった苦い経験──誰にでも一度や二度はあるはずです。
じつは、こうした背景には、脳のメカニズムが密接に関係していることをご存じでしょうか。
人間の脳というのは、「失敗してしまうかもしれない」「自分にはできるわけがない」などといった消極的な思考に陥ると、途端に発想や行動にブレーキを掛けてしまう“悪いクセ”があります。
これが心理学用語で『ネガティブ・バイアス(否定的偏向)』と呼ばれるものです。
例えば、「明日、大事なプレゼンがあるのに資料がまだできていない」「このプロジェクトを失敗すると上司に怒られてしまう」などと、焦燥感や不安感に襲われたときに、人間はどうしてもマイナスなことに思考が偏りがちです。
そして、連動するように発想や行動もストップしてしまいます。
つまり、ネガティブな思考が脳の活動を邪魔することで、その後の発想や行動も伴わなくなるのです。
このようなときに逃げ出してしまうか、勇敢に立ち向かって危機的状況を乗り越えようとするか──いずれの道を選択するかによって、脳を強化できるか否かが問われると言っても過言ではありません。
私たちがネガティブ・バイアスに陥る典型例の 1つに『ブルー・マンデー』と呼ばれる事象があります。
皆さんのなかにも、こんな経験があるはずです。
休日が終わり、 1週間の始まりの「月曜日」の朝を迎えると、とても憂鬱な気分になってくる。
会社への出勤はもちろん、仕事や勉強などに対しても、どうもやる気が起きない。
いっそ月曜日なんて来なければ……いいのに──。
私からすれば、「また新しい 1週間が始まる」「今週はどんな出来事が待っているのだろう」と、ワクワク・ドキドキしますが、日々の仕事や勉強に忙しい人たちにとっては、心がモヤモヤして、とても前向きな気分にはなれないようです。
このようにネガティブ・バイアスは、朝から好スタートを切るためには、どうしても取り除かなければならない“障害物”とも言えます。
では、朝の脳の活動を邪魔する障害物をいかにして取り除くべきなのでしょうか。
その最善手となるのが、目覚めてから家を出るまでの「朝時間」に、脳が大喜びする習慣を身につけることです。
2 「目覚めから 3時間」は脳活のゴールデンタイム テレビやラジオなどで、視聴率が最も高くなりやすい時間帯を『ゴールデンタイム』と呼んでいます。
人間の脳にも、ゴールデンタイムは存在するのです。
その時間帯とは、脳の働きが効率よく、最も活発に働く「朝目覚めてからの 3時間」だと言われています。
ビジネスで成功を収めている人、幸せな人生を送っている人の多くは、この脳のゴールデンタイムを上手く活用しています。
つまり、脳の状態が最高に良い時間帯の過ごし方次第で、仕事も人生も劇的に変わっていくのです。
ただし、「 3時間」というのは 1つの目安であって、必ずしも明確な時間が決まっているわけではありません。
厳密に言うと、「誰にも邪魔されない時間 =家を出るまでの時間 =ゴールデンタイム」 と捉えてください。
言い換えるならば、「社会に接続するまでの時間」です。
ここで朝イチバンの脳の状態に触れておきましょう。
私たちが普段起きて生活しながら、目や耳を通じて外部から入ってきた 1日の情報は、いったん『海馬』という場所に集まります。
そして、一時的に「短期記憶」として脳に保管されます。
その後、この海馬を経て、大脳皮質にある側頭葉の『側頭連合野』へと運び込まれるのですが、この段階では、記憶は単に蓄積されている状態です。
それが、睡眠中にきれいに整理されることで「長期記憶」へと変わります。
このように朝イチバンの脳の状態は、入手した記憶が一度リセットされ、新たな情報を受け入れる準備もできているので、朝目覚めてからの 3時間は、何か新しいことを始めるうえでは最適な時間帯だと言えるわけです。
また、朝イチバンの脳の状態は、「前日の疲労やストレスがきれいに“クリーニング”された状態にある」とも言えます。
ゆえに、朝の脳に良い刺激を与えることで、フレッシュな気持ちで仕事や勉強に打ち込めるのです。
結果、 1日の効率を何倍もアップさせることも可能になります。

3 効果減?朝食のとりすぎは「脳の回転」がダウン 前述しましたが、朝イチバンの脳は、昨晩までに入手した記憶が一度リセットされ、新たな情報の受け入れ態勢が完了している状態です。
つまり、やる気に満ち溢れ、 1日のなかで最も生産性が高い脳の時間帯を上手く活用すれば、朝からハイパフォーマンスな脳をつくることができます。
今まで自分ができていないこと、やりたいことに挑戦することも可能になります。
今までの状態がゼロベースだとすれば、「 0 → 1」へと自己成長を遂げることができるのです。
ところで、「朝飯前」という言葉を聞いたことがあると思います。
読んで字の如く、「朝食をとる前」という意味ですが、この言葉は朝時間を有効に活用するうえで、重要なキーワードになってきます。
人間の脳は、食事をすると満腹中枢が満たされることで、パフォーマンスも著しく低下します。
脳のゴールデンタイムである朝時間に「今日の朝食はいつもより少し食べすぎた」では、朝イチバンからトップスピードに入ることも叶わないでしょう。
とはいえ、「朝食をとるな」と言っているわけではありません。
朝食は脳にも身体にも良いことです。
ただ、朝時間に新しいこと、やりたいことに取り組むうえでは、脳のパフォーマンスが低下しない朝食前に行うほうが良いと忠告したいのです。
私も、講演・講義の前やテレビの収録前などは、なるべく食事をしないように心掛けています。
脳のパフォーマンスが低下している状態では、自分の考えも思う存分に述べられないからです。
それでは参加者や視聴者にも大変申し訳なく思います。
これがすべての人に当てはまるかどうかはわかりません。
ですが、私が知り得る限りでは、大多数の人が空腹時のほうが「脳の回転が速くなる」「緊張感や集中力が格段にアップする」と言っているのも事実です。
4 快適な朝に変貌する『快感報酬システム』 ある調査によると、日本人はツイッターで「疲れた」というワードを 3秒に 1回つぶやいていることがわかりました。
同様に「眠い」というワードも 3秒に 1回つぶやかれていたそうです。
何事にも頑張り屋さんの日本人は、日々“お疲れモード”であることを如実に表した調査結果でした。
「たくさん働いて、たくさん稼げば、生活が豊かになる」──そうかもしれません。
ですが、過度の長時間労働は生活の質そのものを落としてしまう危険もあります。
最たる理由として、心身ともにかなりのストレスを感じるからです。
脳への影響力もしかり。
ただ、懸命に働かなければ生活できないのも事実ですが……。
では、そのような状況下でも、脳の状態が最高に良い朝時間を有効に活用し、 1日のパフォーマンスを上げるために推奨したい習慣をお話ししましょう。
結論から述べれば、「脳に快感を与える」習慣を積極的に取り入れることです。
その 1つが、「常に好奇心を持つこと」だと言えるでしょう。
人は何かに興味を抱いたり、真新しいモノや出来事に好奇心を持つことで、気持ちがワクワク・ドキドキしてきます。
このときに、脳内の神経伝達物質の 1つである『ドーパミン』が分泌されます。
ドーパミンは、快感を生み出す脳内物質で、この分泌量が多ければ多いほど、私たちは大きな快感や喜びを感じるのです。
何かを達成したとき、新しい情報・知識が得られたときにも、ドーパミンが分泌されることは脳科学でも実証されています。
さらに、ドーパミンが分泌されると、思考や判断を司る『前頭前野』と、記憶をストックする『海馬』、運動をコントロールする『運動野』も活性化することがわかっています。
快感や喜びを感じることで、脳全体の働きが良くなるわけです。
「朝時間が有効に使えるようになってから、仕事の効率が格段にアップした」「朝時間学習のおかげで、難関資格に合格することができた」 このようなプラスの充実感や達成感を脳に与えることで、脳はどんどん強化されていきます。
これを脳による『快感報酬システム』と呼んでいます。
一方、次のような感情を抱いている場合はどうなるのでしょうか。
「どうせ、頑張ったところで結果は同じ」「僕の頭では、到底受かりっこない!」 充実感や達成感を得ようとしていないわけですから、ドーパミンも分泌されておらず、これでは何をやっても楽しくありませんし、上手くもいきません。
脳も快感を得ることができないでしょう。
私たちは、得意・不得意で物事を判断しがちです。
また、それらを考えるときに必ず「才能」という言葉を掲げ、その有無を問います。
しかし、脳科学的に言えば、生まれながらにして得意・不得意な脳はありません。
勝手に皆さんが思い込んでいるだけなのです。
社会心理学者のシルヴァン・トムキンスは、以下のように論じています。
「思考と記憶において好奇心が果たす役割はあまりに多岐に渡っている。
興味を持つことなく何かを得るという能力は存在しない」と(『頭のいい人が「脳のため」に毎日していること』トッド・カシュダン著/茂木健一郎訳:三笠書房刊)。
皆さん、子どもの頃を思い出してください。
見るモノ、触るモノ、すべてのモノやあらゆる出来事に対して、興味津々で、好奇心を持っていたと思います。
ところが、年齢を重ねるにつれて社会のルールや常識にがんじがらめに縛られることで、子どもの頃に抱いた無限の好奇心の大切さを忘れてしまっている人が多いのです。
私は仕事柄、様々な分野で成功を収めた人たちに出逢う機会がありますが、彼らが共通して持ち得ているのが、「好奇心を持つことが成功の始まり」という考えです。
朝時間は、まさに好奇心を呼び起こす最適な時間帯です。
新しい挑戦や自分にとって不足していることに真正面から取り組み、快感報酬システムによるドーパミンをどんどん分泌させていきましょう。
1つ、また 1つと快感や喜びを感じていくことで、劇的に人間力が磨かれ、人生もより豊かなものになっていきます。
5 1日の好スタートの秘訣は「早起き」にアリ いくら頭のなかで脳のゴールデンタイムを有効に活用する重要性を理解していても、朝時間を確保するための具体的な行動が伴わなければ実現には至りません。
その具体的な行動とは、やはり早起きでしょう。
とはいえ、夜遅くまで仕事をしている人からすれば、早起きなんて苦痛以外の何ものでもありません。
いくら頑張って早起きしても、ボケーッとした頭の状態では、せっかく確保した朝時間が意味をなさないムダな時間になってしまいます。
それどころか寝不足のためにお昼頃からパワーダウンし、結果、仕事の効率も下がってしまう。
そしてまた今夜も遅くまで残業……。
これでは、なんのための早起きなのかわかりません。
当然、無理をして仕方がなく行っているのですから長続きもしないでしょう。
今までやっていない何か新しい取り組みを始めるのであれば、明確なテーマを持つことが肝要です。
早起きもしかり。
せっかく早起きして確保した朝時間なのに、やるべきテーマ(目標や目的)が定まっていない状態では、やる気も起きません。
朝からハイパフォーマンスの脳をつくるうえでは、まず朝時間のテーマを明確にしてください。
さらに、そのテーマと具体的な行動を結びつけ、「習慣化」させることも大事なポイントになってきます。
つまり、朝起きたときに「何をやろうか」と漠然と考えるよりも、“自動的”にやることを決めておいて、それを習慣化してしまうわけです。
私の場合、朝は家を出る 2時間前に起きます。
起床後、すぐにパソコンを立ち上げ、「朝の連続ツイート」とメールのチェック、それが終わったら新聞を取りに行きます。
そして、新聞を読みながら朝食を食べ、コーヒーを飲んで、いったんリラックスタイムに……。
その後、 iPadを片手にひっそりとトイレにこもって、英語の本を読んだり、ニュースサイトをチェック。
原稿の執筆に入るのは、それが終わったあとです。
実質的な仕事をひと通りこなしたあとは、シャワーを浴びて家を出ます。
外出直前にシャワーを浴びる理由は、単純に私のヘアスタイルが天然パーマなので、寝グセだと勘違いされないために習慣づけているからです。
私の場合は、起床後の 2時間に行うことを「朝の日課 =自動的にやる」と習慣づけることで、朝イチバンから脳をトップスピードに持っていきます。
こうすることで、どんなに忙しい日でも 1日の仕事や勉強が驚くほどスムーズに進むのです。
6 瞬時に社会とつながる!『朝イチ SNS』活動 電子媒体の普及に伴い、朝時間を活用してソーシャルメディアを駆使した人脈づくりやソーシャル・ネットワーキング・サービス(以下: SNS)のメンテナンスを行っている人が、ここ数年の間に急激に増えています。
私も、その一人です。
朝起きて、最初にやることはツイッターでの「朝の連続ツイート」──。
前述しましたが、これは朝の日課の 1つとして習慣づけていることです。
ツイッターを通じて、多くの人から反響をもらえることで朝の達成感も得ています。
さらに「朝の連続ツイート」は、私の仕事にも大きな恩恵をもたらせてくれます。
例えば、ツイートを見た人から仕事の依頼が来たり、様々なコミュニケーションが広がることで新たな出逢いにつながるケースも多々あるのです。
よく「どうして茂木さんは、朝からこんなにスピーディに、クオリティの高い文章を書けるのですか?」と聞かれます。
私自身は特段意識したこともなく、その場その場で思いついたこと、感じたことをありのままにツイートしているだけなのですが……。
強いて言うならば、脳が最も“冴えている”時間に、誰の邪魔も受けず、自分のペースで楽しみながら行っているからでしょうか。
朝時間に SNS活動を行うメリットの 1つは、『ノマドワーク』に代表されるように、場所を選ばず、いつでも自分の好きな空間でできることが挙げられます。
自宅はもちろん、通勤や通学の電車やバスのなか、会社や学校の近くにあるカフェやファミレス、ファストフード店などでもできるのです。
ひと昔前は、朝起きて最初に行うことと言えば、新聞を読んだり、テレビでニュースを見たり、ラジオを聞いたりすることが主流でした。
しかし現代では、時代とともに朝イチバンに行うことも様変わりしています。
ツイッターやフェイスブックで新鮮な情報を収集したり、グーグル +などを通じてコミュニティを広げる活動も活発化しているようです。
こうした朝時間を通じて行う SNS活動は、脳に良い刺激を与えるうえでも効果的ですし、新たな人脈を広げることでコミュニケーション能力のアップにもつながる要素としても非常に有効だと思います。
7 「快楽」という“ご褒美”を毎朝用意! いつも勉強もしないで遊んでばかりいる子どもが、親戚のお兄ちゃんから楽しく勉強する方法を教えてもらい、実践して学校のテストで良い点数を取ってきたら、きっと親はその結果に驚きながらも手を叩いて大喜びするはずです。
もしかしたら、我が子の頑張りにご褒美を与えるかもしれません。
大好きなお菓子だったり、欲しがっていたゲームだったり……。
ご褒美に喜びを感じた子どもは、今まで以上に勉強に打ち込むことでしょう。
このようなやり方が子どもの教育に良いか悪いかの話は別として、脳も「快楽」という名のご褒美を得ることが大好きです。
うれしい、おいしい、楽しい、面白いなどと感じると、脳の活動は俄然フレキシブルになります。
朝時間における脳も同様です。
早起きは朝時間を確保するうえで絶対条件──ですが、夜遅くまで仕事をしている人にとっては「少しでも長く寝ていたい」のが本音だと思います。
そもそも朝が苦手な人には、早起きは苦痛そのもの。
私自身は、子どもの頃から早起きをしてきたので、大人になった時分もそれが当たり前の習慣になっており、特段難儀だと感じたことはありません。
他方、今まで早起きの習慣がなかった人が、いきなり「明日から」と決意しても、生活習慣として根づいていない状態では、途中で挫折するのは火を見るより明らかです。
何か効果的な方法はないのでしょうか。
前述した例では、今まで勉強をしなかった子どもが、勉強の楽しさを知り、テストで良い成果を出したことで、親からご褒美をもらいました。
それにより、子どもは勉強への意欲がわいたのですが……苦手な早起きを克服するうえでも、この方法は有効だと言えます。
つまり、ちょっとした自分(脳)へのご褒美を早起きの“対価”として用意することで、新しい取り組みへのモチベーションアップにつながります。
また、楽しみながら続けることで、当たり前の習慣として根づかせることも可能になるでしょう。
私の場合は、チョコレートやヤクルトだったり、コーヒーだったりするのですが、このようなご褒美を自分自身に用意して与えることは、脳内の『ポジティブ・オフセット』が起動するきっかけにもなります。
イギリスの経済誌『エコノミスト』の東京支社イベントに招待されたときに、参加者と話をする機会がありました。
参加者は早朝からミーティングを都内のホテルで行うのですが、時差もあれば、生活習慣や文化も異なる日本で早起きは苦痛だろうと思い、尋ねてみると……「ホテルのおいしい朝食が楽しみなのだ」と思わぬ答えが返ってきたのです。
彼らにとって早起きの先に待つおいしい対価(ご褒美)が、モチベーションアップにつながり、素晴らしいアイデアを生み出す“源泉”にもなっていたわけです。
朝時間に何か新しいこと、今まで苦手にしていたことに取り組む場合、それを続けるためのご褒美を用意してください。
特別なものである必要はなく、ちょっとした食べ物や飲み物でもかまいません。
脳が快楽を得て、「もっと頑張ろう!」と前向きになるものを、毎朝与えてみてください。
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