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第1章求人誌に広告を出さなくても応募は来る!採用費ゼロを実現する驚きの手法

目次

「どうせ応募は来ないよな」的あきらめ感で店頭に貼り紙出していませんか?店頭の貼り紙だって反響出ますから!

アルバイトがまったく採用できない。ずっと休まずに自分がシフトを埋めてきたけれど、さすがにもう限界。仕方ないから求人広告を出してみるか。でも掲載料高いんだよなぁ……。

採用支援の仕事をしていると、こんな状況に追い込まれている店長やマネージャーの悲鳴と嘆きの声が聞こえてきます。そんな現場の店長さんたちに、まず聞いてみたいのが「店頭に募集の貼り紙を出していますか?」ということです。貼り紙の力を侮ってはいけません。

我々、ツナグ働き方研究所の調査では、2人に1人が応募する前に職場を下見しているというデータがあります。ここ数年のブラックバイト報道の影響もあって、最近の応募者は自分が働くかもしれない職場の環境について、非常に神経質になっています。

だから、求人サイトや求人誌で候補を見つけたとしても、その情報だけで応募するのは不安で、実際にその店舗を訪れ、細かく偵察しているのです。いってみれば、店頭こそが最大の求人メディア。

結局、店舗を訪れ応募するかどうかを決めるのだから、そこに募集の貼り紙があり、安心できる職場環境だと確認できれば、応募につながる可能性は高まります。現に、ある大手コンビニチェーンでは、店頭貼り紙を重要な求人媒体として位置づけ、本部主導で各店舗に配付しています。

ここまで読んで、「いやいや、当然貼り紙は出してるよ。でも、それを見て働きたいといってくる子なんてほとんどいないよ」という人も多いのではないでしょうか。もし店頭貼り紙からの応募がないとしたら……、原因は2つ考えられます。

1つは、そもそも時給などの募集条件が近隣の店舗より劣っているから。これを確認するのは簡単。求人サイトなり求人誌なり、世に出まわっている求人媒体で、近隣の募集広告をチェックしてみてください。

給与の相場や勤務時間帯を簡単に調べることができます。そして、もう1つが、貼り紙の表現がイケてないという問題。実際、店頭の募集貼り紙のほとんどは、無味乾燥な条件の羅列。

店長さんが何も考えずにサクッとつくったであろう雑な貼り紙では、興味を持ってもらうのは難しいでしょう。そんなときに頼りになるのが、「ぽけじょぶ」という求人サイト。

なんと、さまざまな店頭貼り紙の写真そのものが掲載されているのです。そのなかから「これだ!」と思った表現を、そのまま参考にすればいいのです。

たとえば、都内に十数店舗を展開する居酒屋チェーンの店長Gさん。彼のお店では、募集条件を羅列しただけの貼り紙をトイレに貼るのが常態化していました。ところが、ある日「ぽけじょぶ」の存在を知り、検索してみてビックリ。

個性的な貼り紙がいろいろ出ていたのです。なかでも目を引いたのが「店長の〇〇です。忙しすぎて寝てません。助けてください!」という赤裸々なコピー。

「こういうのもアリかも」と、マネしてみたところ、3名の大学生が応募してきました。採用した学生に聞くと「店長の正直な人柄を感じたから」とのこと。

「貼り紙をバカにしない」「情報を得て参考にする」「条件だけでなく熱を持って伝える」。これだけで「貼り紙」は立派な求人メディアとして蘇ります。

神事例1スタッフTシャツも募集媒体に!胸には時給1000円の文字

店内に募集の貼り紙を出す際、どこに掲出するのかは大きなポイントです。

目立つ場所に貼らないと意味がありません。王道は店頭。入店していない人にもアピールできます。次に多いのがトイレではないでしょうか。

用を足している間のふとした瞬間、しかも閉ざされた空間は、情報を届けるのに適した場所といえるかもしれません。そんななか、なんとスタッフのユニフォームTシャツを利用している居酒屋さんを発見。

写真をご覧ください。なるほど、これは否が応でも目立ちます。会話が弾み、応募につながるきっかけにもなりそうです。

新聞の購読数が減ったといわれる昨今ですが……各家庭のポストに直接届ける作戦はアリ!

無味乾燥な条件羅列型の貼り紙をバージョンアップさせることに成功したとしましょう。その貼り紙は、求職者のハートに届く出来栄えに達しているはずです。だとしたら、店頭に貼っておくだけではもったいないですよね。

貼り紙をそのまま再活用する手段として、パッと思いつくものの1つが、新聞の折り込みチラシ広告です。スーパーの特売広告だったり、ご近所のカーディーラーの広告だったり、週末の新聞にバサッと入っているアレです。求人専門の折り込み媒体も存在します。

「アイデム」や「ユメックス」といったブランドが有名ですが、日本各地にはご当地に根差した新聞折り込み媒体がたくさん存在していて、その数はなんと200を超えます。一方で昨今は新聞購読数が減少しているという事実もあります。

日本における新聞の発行部数は1997年の5377万部をピークに減少に転じ、2017年では約4213万部。この20年で1000万部以上も減っています。

たしかに、都市部では新聞をとらない世帯が増えていたり、若年層がネットニュースに移行したりと、折り込み配布装置としての新聞の影響力は、相対的に低下しているといって間違いないでしょう。

だからといってあきらめる必要はありません。新聞購読数は減っても、各家庭のポストの数が減ったわけではありません。新聞の力を借りて届けるのではなく、自分たちの手で直接届ければいいのです。

首都圏郊外の、あるファミレス店では、アルバイトの応募者数を増やすために、求人広告チラシを直接各家庭のポストに配布する作戦に出ました。

店舗周辺のエリアを分割し、今いるスタッフに割り当てて、ポストに届けようというキャンペーンを店長の発案で仕掛けたのです。

もちろん時給を払い、しかもたくさん配布したスタッフには、インセンティブも支給しました。時給を払うとはいえ、そんなことに協力してもらえるのかと、最初は半信半疑だった店長ですが、これが意外と盛り上がったのです。

人手不足の悩みに直面していたのは、店長だけではなく、ほかでもない店舗スタッフの面々だったからです。休みたくてもシフトに入らざるを得ない状況の彼らとしては、このチャンスに採用ができれば、自分自身をラクにできるという思いもあります。

また、店舗全体のイベント的な仕掛けにしたことも功を奏しました。結果として、近隣に住む人たちからの応募が集まり採用に成功したのです。

時給やインセンティブ、イベント的に盛り上げるための飾りつけの費用など、多少のコストはかかったものの、新聞に折り込みチラシを入れるコストを考えればお釣りがくる額です。また、何より店舗全体の一体感が生まれたことを、店長は喜んでいました。

このように、近隣の各家庭に直接ポスティングする方法は、意外な効果を発揮します。情報がきちんと届けば、それなりに応募は集まるのです。「募集している」という情報を、求職者に「きちんと届ける」ことに、ぜひ注力してみてください。

神事例2販促チラシに求人チラシを足してみた!

東京都世田谷区にある宅配すしのフランチャイズ店。宅配サービス業界では、メニューチラシを近隣家庭にポスティングするのは常識です。

あるとき、スタッフの1人が「メニューのチラシを配るのなら、求人チラシも一緒に配ればいいのに……」と、ポロリと発言。「たしかに!」そのひと言にビビッときた店長は、「販促+求人」のダブルポスティングを実行。学生ばかりの応募だったのが、主婦からの応募が倍になりました。目からウロコのエピソードです。

面接で「いいな」と思ったのに内定辞退……。

でもあきらめない!後日、サラリと電話すると、意外と採用できるんです!このご時世、募集を出しても出しても、応募はなかなか集まりません。そのうえ、せっかく応募があっても面接のドタキャンが多発。面接までたどり着く応募者は希少です。

そんな状況で、やっと会えた応募者が、礼儀正しくて会話もハキハキとして好印象だったら……。即採用!ですよね。ここまでの苦労がやっと報われた気持ちになることでしょう。ところが、これで一件落着とはいかないのが今の採用環境。

やっと決まってホッとひと息ついたのも束の間、内定を辞退されることも当然あるわけです。内定を出してから勤務開始まで間が空いてしまったり、面接で応募者のハートをしっかりつかみきれていなかったり……。

いくつかの要因によって、内定者の〝ここで働きたい〟という熱は簡単に冷めていきます。面接の際に役立つ神ワザは、後述させていただきますが、いずれにしてもやっとめぐりあった期待の新人(候補)が、職場にやってこないというのはショックな事態でしょう。

しかし、ここからが神採用のポイント。ひと言でいえば、採用する側があきらめなければいいのです。そもそも〝ここで働きたい〟という熱が簡単に冷めてしまうのはなぜか。

アルバイトを探している求職者の仕事や職場への意識は、「ここがいい!」ではなく、「ここでもいいかな……」というのが実態だからです。

我々、ツナグ働き方研究所の調査によると、面接をキャンセルした理由として圧倒的に多いのが「より興味がある他社で採用が決まったから」「その企業・店舗に興味がなくなったから」です。

面接のドタキャンが後を絶たないのは、アルバイト求職者のもともとの動機の弱さがベースにあるのです。また、入社後の離職率は、半年以内で50%を超えるという調査データがあります。

よく新卒社員が3年で3割も辞めてしまうという報道を耳にしますが、アルバイトの離職率はその比ではありません。この離職傾向も、彼らの「ここがいい!」ではなく「ここでもいいかな……」という意識と大きく関係しているわけです。

こう聞いて、肩を落とす必要はありません。逆にいえば、あなたのお店の採用を辞退して、ほかにいってしまった内定者が、その職場で充実した日々を送っているとはかぎらないとも考えられるわけです。

まわりくどくなってしまいましたが〝あきらめなければいい〟というのは、※内定を辞退した人に対して、一定期間が経ったあとに再アプローチをしてみましょう、という提案なのです。

入社したものの、その職場で悶々としている場合には、こちらからのアプローチが「救いの声」に聞こえる可能性が十分にあるわけです。

ここで留意すべきポイントが2つあります。1つめはアプローチのタイミング。あまりに期間が短いのも考えもの。1カ月経ったあたりが狙い目です。

もう1つは、アプローチする際の言い方です。あからさまにスカウトするのではなく、あくまでもさりげなく「どう、頑張ってる?」くらいの会話からはじめることをおすすめします。

※個人情報保護の観点から、面接時に事後連絡の可否を確認しておきましょう。

神事例3めげずに辞退者に電話をかけた、イタリア料理店のハッピーエンド

じつは、この神ワザは、ある採用コンサルタントの講演で聞いたものです。

その際、「もはや採用も恋愛と同じような域に達しているなぁ」と思いながらメモをとっていたのを記憶しています。その講演から間もなく、「これは使えるかも!」という状況に直面しました。

私がよく利用させてもらうカジュアルなイタリアンレストランで、オーナーシェフが残念そうに、接客スタッフとして内定を出したフリーターに逃げられたという話をしていたのです。私はさっそく、この神ワザの話をしてみました。

最初は「今さら連絡するのってどうかな」と腰が引け気味だったオーナーでしたが、前述した求職者意識を説明していくうちに、その気になったようでした。

後日訪れた際、結果を確認すると、なんと翌週からそのフリーターが勤務する予定とのこと。条件のいいほかのビストロで働きはじめたものの、頑固なシェフと気が合わずに悩んでいたようなのです。まさに教科書どおりのエピソードで、すごく記憶に残っています。

来店客は、当然ながらファンであることが多い「いいな」と思ったお客様を思いきってスカウトする!

お店で接客をしているとき、お客様を見て、「こんな子がウチで働いてくれればなぁ……」と思った経験を持つ店長さんは少なくないはず。

とくに、比較的接客時間の長いアパレル店や居酒屋などは、接客中にお客様のキャラクターがうっすらとわかってきます。

お客様側なのにもかかわらず、スタッフに対して謙虚な姿勢で接してくれたり、オーダー時のコミュニケーションがテキパキしていたりすると、冒頭のような思いが脳裏をよぎるわけです。

そんなときは、思いきってスカウトしてみましょう。いきなりお店のスタッフから「ウチで働きませんか?」といわれたら、お客様はビックリするはずです。

しかし、路上での怪しげなスカウトとはわけが違います。現に、某大手ハンバーガーチェーンは、来店客をアルバイトとしてスカウトする試みを実施しています。

まず、店員が候補となりそうなお客様に声をかけて会話し、脈がありそうな場合は、レジで商品を渡す際に「お仕事紹介パンフレット」を渡しているのです。また、裏に時給などが書かれた「募集カード」をトレイに置くというようなケースもあるとのこと。

当初は店舗単位で行われていたようですが、スカウトによる募集活動に着目した本部が、全店舗統一の正式な採用活動と位置づけ、戦略的にサポートをはじめました。

店長だけでなく、アルバイトスタッフが声がけするケースもあるようで、4月など新生活がスタートする節目の時期には、とくに有効な募集手段になっているとのこと。

スカウトにおけるいちばんのポイントは、「一緒に働きたいと思えるかどうか?」という点に尽きます。そういった意味で、スカウトが機能しやすいのがアパレル店です。

アパレル業界は、働く人のファッションセンスが重視されます。また、そのブランドと、働く人との相性も重要な決め手になります。

店頭で「この子、ウチのブランドの服が似合いそう!こんな子がウチの服を着て店頭に立ってくれたらなぁ……」と感じさせるようなお客様は、かなりの数いるのではないでしょうか。

そもそも、お店に買い物に来ているということは、そのお客様自身がお店のファンである可能性が高いわけです。そう考えると、オファーを受けてくれる可能性は、けっして低くないのではないでしょうか。

実際に、スカウトからアパレル店に入社したKさんのエピソードを紹介しましょう。Kさんは、休日にフラっと立ち寄ったアパレル店で、店長からスカウトされました。

じつはKさんには、高校卒業後大好きだったアパレルブランドに応募したが、最終面接で落ちてしまい、とりあえずOLになったという経緯がありました。

彼女にしてみればビッグチャンス。Kさんいわく、「そのブランドが大好きだったし、もともと憧れの職業だったし、声をかけてもらえることなんてこの先ないと思い、会社の上司に気持ちを伝え1カ月後に退職しました」とのこと。

なんと彼女は、仕事を辞めてまでスカウトに応じたのです。実際にこういうことがあるのです。チャレンジしても損はありませんよね。

神事例4往復6時間かけてアウトレット店のバイトに通う女子大生

アパレル業界におけるスカウトの神ワザはほかにもあります。

親子で御殿場のアウトレットモールに買い物にいった女子大生Rさんは、某ファッションブランドのお店のレジで、店長から、あるカードを手渡されました。

そのカードは上図のようなスカウト専用の名刺。このカードの存在自体が、このブランドがスカウトという手法を戦略的に活用していることを物語っています。

Rさんは現在、授業に支障のない範囲で、御殿場まで往復6時間かけて通っています。スカウトは距離のハンデさえ乗り越える力を持っているのです。

卒業時に、自動的に後釜を連れてきてもらう!先輩がバトンを渡す学生ルート採用を確立せよ

私が住んでいるエリアには複数の大学キャンパスがあるため、近隣の店舗では大学生のアルバイトが数多く働いています。

私は仕事柄、アルバイトスタッフに、学生かフリーターかを聞く習性が身についてしまっているのですが、商店街にあるいきつけの居酒屋では、N大学の陸上部員が、駅前の中華料理店では、S大学のテニスサークル部員がアルバイトをしています。

私は彼らと話をするうち1つの共通点に気がつきました。それは、彼ら全員が部活やサークルの先輩の卒業時に紹介されて、そのお店でアルバイトをはじめていたことです。

大学生アルバイトが卒業するときに〝自動的に後釜を連れてきてくれる〟というのは、理想的な採用手法ですよね。このルートで採用することができれば、大学がなくならないかぎり、採用コストがゼロですみます。

しかも、バトンを渡す後輩を先輩自身が選ぶので、外れ人材をつかまされるリスクが低くなります。思い起こせば、私自身もそうでした。私は大学時代を京都で過ごしたのですが、よく先輩からアルバイトを紹介されていました。

しかも半強制的な感じで……。京都という街は大学の数が多いうえ、山に囲まれた閉鎖的な地形であることも手伝い、当時はアルバイトの調達を身内で完結できてしまうエリアでした。

私が今住んでいるエリアにしても、京都にしても、大学キャンパスが集積しているという点で共通しています。こういった条件が整っていることが、大学生アルバイトのルート採用につながりやすいのはいうまでもありません。

とはいえ、それ以外のエリアのお店もあきらめる必要はありません。近隣に大学キャンパスがあるロケーションでなくても、歴代、一子相伝の大学生バイトルートが確立されている職場はいたるところに存在します。

立地ではなく、学生が後輩を紹介したくなる気持ちこそが重要なのです。そのエッセンスをすくいとることができれば、夢の大学生ルート採用が実現できるのです。

では、そのエッセンスとは何か。それは、大学生が働きやすい、あるいは働きたくなる職場環境づくりに尽きます。大学生が働きやすい職場環境づくりで最も重要なのが「シフトの柔軟性」です。

授業や部活の合間を縫ってシフトに入る大学生にとって、時間の柔軟性は必須でしょう。そのためにも、できるだけ多くの学生を確保しておくことをおすすめします。

当たり前ですが、頭数が多いほどシフトに穴があかないからです。また、学生同士が、シフトを埋め合うことを推奨する空気感をつくってあげることも効果的でしょう。

そして、意外と効き目があるのが「まかないの充実」です。これは、飲食店にしかできませんが、お金に余裕がなく食べ盛りの世代にとって、「まかない」はアルバイトをするうえでけっこう重要な要素。

まかないについては、後ほど詳述しますが、某どんぶりチェーンでは、750円の豪華天丼を200円で食べることができますし、某餃子チェーンでは、4時間以上のシフトに入ると、好きなメニューを無料で食べられるルールがあります。

これは、体育会系の学生などを確保するのに、うってつけの制度といえます。

事例5ある焼鳥店が毎年行う、大学生の「芋づる採用」ある焼鳥店の店長は、この大学生ルートを「芋づる採用」と呼んで積極的に活用しています。

このお店は、20席くらいの、いわゆる〝小箱〟といわれる規模です。店長にスタッフの構成を聞いたところ、厨房を含め社員が2人。レギュラーで入っているフリーターが2人。

この4人が中核メンバーとして、お店の運営を担っているそうです。しかし実際の店舗オペレーションの主役は大学生アルバイト。

15名ほどの大学生がいて、彼らがシフトを組んで働いているとのことでした。店長は、「大学生のバイトくんたちが卒業するときに、必ず後輩を連れてきてくれるんです。

彼らとは、マメに飲みに連れていったりして仲良くしています。関係性がないとさすがに紹介してもらえないでしょ。紹介したいなって思う環境をつくるのに必死です(笑)」と、話してくれました。

苦心はしていますが、おかげでここ数年アルバイト募集の求人広告を出したことがないとのこと。このお店は、東京の都心にあるのですが、近くに大学があるわけではありません。店長の思惑と努力が、「芋づる採用」を完成させたのです。

今や応募者の50%が面接前に職場を下見する時代店舗をキレイにするだけで、間違いなく採用力アップ!

ブラックバイトに関連するニュースが、たびたびメディアで取り上げられるようになったこともあり、求職者はアルバイト選びをより慎重に行うようになってきています。

そんななか、求職者の多くは、求人情報や会社のホームページに書いてある「表向きの情報」だけでなく、悪い情報がないかも含めて、客観的で率直な事実を知りたいと思っています。

前述した「2人に1人が応募前に職場を下見している」というデータからもわかるとおり、求職者の多くは、アルバイト選びの際に口コミ情報などを収集するだけに留まらず、自分の目で職場の〝リアル〟を確認しているのです。

繰り返しになりますが、今や「職場こそが最大の求人メディア」なのです。では、求職者は職場を下見する際、何をチェックしているのでしょうか。

もちろん、仕事内容や忙しさなどさまざまな点をチェックしているのですが、多くの求職者が最も気にするのが、一緒に働くことになる「人」についてです。

なかでも、最も影響力を持つ店長に関しては容赦ないチェックの目が向けられています。

以前、ある求職者にインタビューしたときも、店長が「高圧的で怖そうじゃないか」「チャラチャラしていないか」「責任者なのにイヤイヤ働いていたり、やる気が見られない人ではないか」「客に見られていないところで、乱暴な言葉を使っていないか」などなど……、非常に細かく観察していると教えてくれました。

店長や現場責任者は、求職者から「常に見られている」という意識を持ち、いつ、誰が下見に来ても「働いてみたい」と思われる魅力的な職場づくりを目指していく必要があります。

とはいえ、こういった本質的な職場改善には時間がかかります。それに取り組むことはとても大切ですが、まずは即効性の高い改善からはじめるのも手です。いちばん手っ取り早いのが、職場の見た目に関する改善です。

職場磨きの第一歩は、文字どおり店舗をキレイにすることからはじまります。たとえば、飲食店の場合、テーブルやイスなどのクリンリネスはもちろん、お客様が帰ったあとの〝下げ〟の状況なども気になるポイント。

ランチタイムの忙しさを物語るかのように、食べ終わった食器が店内のいたるところに放置されている光景を目にすることがありますが、アレはいただけません。

また、確実にチェックされているのがトイレです。自分の働くお店のトイレが汚いのって、生理的にイヤですよね。逆に、おしぼりやブレスケアなどが置いてあったりすると、その気遣いにグッとくるわけです。

そういった意味でも、トイレはお店のキャラが出やすい空間です。衛生状態を保つのは当然として、そこからプラスアルファの工夫は、求職者に確実に届いています。ぜひ、トイレ磨きを頑張ってください。

神事例6トイレで、暖簾分けした後輩の店を紹介しまくる

居酒屋の人情に惚れる私の地元にある人気の居酒屋のエピソードです。

このお店は個人経営なのですが、スタッフが続々と暖簾分けで独立していきます。なぜ、常連でもない私にそんなことがわかるのか?答えはお店のトイレにあります。トイレの壁一面に、自分が鍛えた後輩たちが出したお店の情報がずらりと並んでいるのです。

たとえば、「スタッフのあっくんが独立!肉バルをOPEN!F駅から徒歩5分。うちの名物〝ジャンボ唐揚げ〟も洋風にアレンジして登場!」といった内容。トイレは、販促告知の場として使われることがあります。店主の知り合いのお店の名刺が置かれていることもよくありますよね。

しかし、弟子のお店をここまで全力で紹介している店は稀です。「弟子が辞めた」と嘆くのではなく、彼らの独立を応援してあげたいという、大将の情の深さにジーンときます。

ジーンとくるのは私だけではないようで、「ここで修業させてほしい」という声が絶えないとのこと。「名は体を表す」、「トイレは店を表す」です。

接客力がハンパない!雰囲気が家族的でいい!「職場力」が高いお店は、親からオファーが来ることも

「職場は下見されている。だから職場磨きが重要」とお伝えしましたが、職場をチェックしているのは、アルバイトを探している本人だけではありません。

なんと高校生や大学生の子どもを持つ親が、「我が子のバイト先という観点でチェックしている」というケースも多々あるようです。

就活に親が口を出す時代だといわれる昨今ですが、バイト先にも親が口を出す時代なのですね。一時期過熱したブラックバイト報道は、働いている本人だけでなく、その保護者にもショックを与えました。

試験期間中にシフトの配慮がなされず、学業に差し支える長時間労働を強いられたケースはもちろん、ひどいものになると賃金未払い、罰金請求、パワハラ、セクハラまで……。

世間を知らない学生につけこみ、劣悪な働かせ方をする職場の実態が続々と明るみに出ました。「ウチの子は大丈夫なのか?」と心配になるのも当然です。

以前、取材で出会ったCさんは、「ひとり息子が塾講師のアルバイトに没頭したせいで留年してしまった」と、苦い経験を告白してくれました。

塾の講師は、勤務時間以外に授業の準備をしなくてはならず、講義を持つと休めないなど、ブラック要素の強いバイトと指摘されることもしばしば。

Cさんは、「最初は塾講師を頑張っているのね、と好意的に受け取っていましたが、自宅でサービス残業をして大学の勉学が疎かになっていたんでしょうね。結局留年しちゃって。私が状況を知っていれば止められたんですけど……」と悔しがっていました。

やや過保護な感じもしますが、子どものバイト先をチェックする親御さんは少なくありません。

一方で、「アルバイトで社会経験を積ませたい」という親御さんもいます。ゆとり教育の反作用もあるのでしょうか、我が子を鍛えたいという欲求が強まっているのかもしれません。たしかにアルバイトは「働くことの楽しさ・やりがい」や「お金を稼ぐことの大変さ」といった就業観を学ぶいい機会です。

また、「なんでこんなことで怒られなくてはならないのだろう」と感じる理不尽な体験も、人生修行としていい経験になるでしょう。

新宿一帯にお店を持つある居酒屋チェーンでは、お客様からの「ウチの息子をこの店で働かせてほしい」という申し出が絶えません。

実際にお店にいってみましたが、スタッフ全員が礼儀に厳しくて、きびきびとした接客が気持ちのいいお店でした。店長に話を聞いたところ、「親御さんの紹介は多いですね。

もちろん採用するかどうかは面接して決めますが、おかげで採用にお金をかけたことはありません」と、胸を張って答えてくれました。この居酒屋チェーンは、採用のために接客サービスを磨いたわけではありません。

しかし、きちんとしたスタッフ教育と家族感のある職場づくりが、親世代の琴線に触れたことで、結果として働き手が集まってくるという図式を確立しています。

一朝一夕にできる神ワザではありませんが、本業を頑張ることが採用にもつながるという教訓として、どうしても紹介しておきたい事例でした。

神事例7接客日本一店長の店には、「ウチの息子を働かせてほしい」が殺到

お客様から「ウチの子を働かせてほしい」と頼まれるお店は、ほかにもあります。

今や、日本を代表する飲食店接客コンテストとなった「S1サーバーグランプリ」で、約700名のサーバーのなかから見事グランプリに輝いた店長のFさんに取材させていただいたときのこと。

「おかげさまで、アルバイトは全部で11人いて、人手が足りないということはないですね。

学生が主なので、先日も就職が決まると同時にバイトリーダー的なポジションのスタッフが2名辞めていきましたが、その分、また紹介で入ってきてくれたり、お客様が『ウチの息子を働かせてほしい』といってくださったり」と、F店長はやや照れながらも誇らしげに語ってくれました。

卓越した接客力に触れることで、この職場が子どもの修業の場として最適だと思う世の父親は、けっこう多いようです。

実際、敬語を含めた正しい日本語の使い方や、さまざまな年齢の人々とのコミュニケーションのとり方など、接客から社会人基礎力を学ぶことは多いですから。

職場のページをつくって、「♯アルバイト募集」とハッシュタグをつけるだけツイッターを採用に利用しない手はありません!

私たちの生活にとってSNSは、もはやなくてはならないメディアです。そこまでの影響力を獲得しているメディアを、採用に利用しない手はありませんよね。

今、日本でよく利用されている代表的なSNSといえば「フェイスブック」「ツイッター」「LINE」「インスタグラム」が四天王でしょう。

そのなかでもアルバイト採用に効力を発揮するのが「ツイッター」。国内の月間アクティブユーザー数は4500万人。若年層をターゲットにしたプロモーション施策にはぜひ活用していきたいSNSだといわれています。

ツイッターのいちばんの特長は発信力の強さ。さまざまなトピックスやニュースがリアルタイムに流れてくるニュースメディアにも近い存在です。

だからこそ求人募集に適しているのです。じつは、すでにツイッターには35万件を超える求人案件が投稿されています。

ちょっと覗いてみるだけでも、ラーメン店、韓国料理店、ロンドンパブ、フラワーショップ……、さまざまな業態の募集があります。

もしあなたのお店が採用にツイッターを活用していないのなら、ぜひ挑戦してみてください。では、どうやって募集を出せばいいのか。基本的には通常の投稿と同じです。

❶「お店」や「職場」のアカウントを登録する

❷画像や紹介文、URLリンクなどを入れてページを整える

❸ハッシュタグに「スタッフ募集」「アルバイト募集」といった言葉をつける

❹アルバイトを募集している旨をつぶやく

❺応募者とやりとりする

もちろん投稿する内容には、「勤務時間」「時給」「簡単な仕事内容」など、基本的な募集条件を記す必要がありますが、通常のつぶやきとの違いは、ハッシュタグに募集関連のキーワードを入れることだけです。

応募のつぶやきが返ってきたら、やりとりをして面接へと進んでいけばいいのです。

最後に、ツイッターにかぎらず、SNS採用での留意点について触れておきます。

❶すべてのつぶやきが求人になるので、こまめにアップする

❷スマホの通知でツイッターをONにする

❸自動返信ツールなどを使ってツイートしない

❹応募者のタイムラインをチェックする

❺面接でのやりとりは、SNS内で完結させる

❶❷❹は、リアルタイムレスポンスが重要であるという観点から。そして、意外とやりがちなのが❸。応募者が1対多でコミュニケーションをとられていることに気づいたら、確実にシラけます。❺も同じような温度感の問題。

ツイッターユーザーはツイッターが好きなのです。ほかのSNSやメールに移行した時点で、せっかくの応募者の熱は冷めてしまうのです。

神事例8お店のアカウントをつくったら、すぐにお店のファンが応募してきた!

東京郊外にある、美味しいと評判のカレー屋さん。

募集の貼り紙を店頭に出していたものの、ほかに方法はないかと周囲に聞いてみたところ、「ツイッターで募集してみれば?」と複数のお客様からすすめられました。

この店のオーナーは、日ごろからツイッターを使っていたものの、募集手段として使う発想はありませんでした。さっそく募集用のアカウントをつくって、スタッフ募集をつぶやいてみました。

ハッシュタグはベタに「♯アルバイト募集」。すると、すぐに反応が返ってきたのです。働きたいとレスをしたのは、この店のカレーが大好きだった大学生のS君。

お店のファンということもあり、ツイッター上で話が弾んで面接に。そして即採用。ツイッターでの募集だと、こうした手軽なやりとりがベースになるので、通常のプロセスに比べ、応募者が物怖じしなくてすむのかもしれません。

そのほうが人となりもわかって、採用後、辞めにくくなる効果も期待できます。S君は現在も元気に働いているそうです。

SNS映えする写真は、採用にも効果あり!インスタグラム活用のススメ

「インスタ映え」という言葉を聞いたことのない人はいないでしょう。ご存じのとおり「インスタ映え」とは、インスタグラムで見栄えのする写真やモノのことです。

食べ物や景色の写真を撮るのに、「いい光」や「いい角度」を探し求めて、何枚も撮影したことがあるという人も少なくないはずです。

以前、インタビューした女子大生のOさんは、「自分はそんなに投稿しないんですけど、インスタに食べ物を上げるのが好きな友人がいるので、なんとなく気を遣っちゃいがちで。ついインスタ映えしそうなお店を選びがちです」と語っていました。それだけではありません。

「その子のために、自分が食べたいメニューより、インスタ映えしそうなメニューを率先して選ぶようになっちゃいました」というくらい、インスタ映えを意識して行動しているのです。

Oさんの行動はけっして特殊ではありません。世の中全体が「インスタ映え」を意識し、オシャレなモノや場所に人が集まりやすくなっているのです。

そんなニーズに応えるため、街には、ピンク一色のカフェや、天使の羽がペイントされた壁、ど派手なスイーツなど、わかりやすく「インスタ映え」するアイテムがあふれています。

この前訪れた居酒屋も、インスタ映えを大いに意識していました。とにかく〝メガ〟なメニューが目白押しなのです。

1リットルのメガハイボールなどは、ほかのお店でも目にしたことがありましたが、キャベツがタワーのように盛られたド迫力のメガサラダにはビックリ。

思わず店員さんに聞いてみると「キャベツ1玉、丸ごと使ってますからね。この迫力をお客様が写真に撮って投稿してくれれば、お店の販促につながりますから。もう採算度外視ですよ(笑)」とのこと。

そして、インスタグラムにはアルバイト生活に関する投稿も見られます。

たとえば「ウチのまかない、メガ盛りのさらにメガ盛りでハンパない!」「バイト先のカフェではじめて黒板のメニューを書かせてもらいました!」「書店バイトでポップデビュー!」など……。

こういった投稿は、アルバイトを通じて「リア充」生活をアピールしたいという自己表現の発露です。見栄えをベースとした「自己表現ツール」としての特徴こそが、インスタグラムをここまでのブームに導いた大きな要因の1つです。

アルバイトスタッフの自己アピール投稿は、その職場を魅力的にアピールする効果にもつながるでしょう。これは採用ブランド力に直結します。

実際、お店の女子大生スタッフの投稿に「♯アルバイト募集」というハッシュタグをつけてもらっただけで、同年代の女子大生が採用できたという例もあります。

お店がかっこいい、制服がオシャレ、イケてるスタッフがいる……、といった特徴は、採用のアドバンテージになりますし、「メガ盛り」や「まかない」がアピールポイントになることも実証されています。

自分の職場にインスタ映えするアイテムがあれば、それを採用に生かさない手はありません。

神事例9イケてる写真投稿の合間に募集を差し込み応募獲得!

インスタグラム採用で、職場の魅力を伝えるためのポイントは、もちろん〝映える写真〟です。

ある居酒屋のインスタグラムから応募したHさん。「このお店の雰囲気好きだなぁ」と思いながら、お店の投稿(メニュー写真や、仲よさげなスタッフの写真)をながめていたら、ある日スタッフ募集の投稿を発見。

すぐに「働きたい」とコメントを返したとのこと。このお店のように、〝映える写真〟を投稿しながら、その合間に募集情報を挟んで投稿するのがコツです。なお、募集時のビジュアルは、通常の求人チラシでOKです。

スタッフの離職にビクビクしなくなる!退職者がカムバックする「アルムナイ制度」とは?

「アルムナイ制度」という言葉を聞いたことがありますか。「アルムナイ(alumni)」とは、卒業生とか同窓生といった意味の英語です。

これを会社に置き換えると、「退職者」ということになるのです。つまり、アルムナイ制度とは、退職者と企業がつながりを持つという制度です。

そのつながりによって、退職者が戻ってきてくれることになったら……。思いがけず即戦力人材が採用できたということになりますよね。こう考えると、アルムナイ制度は、いってみれば「退職者のタレントプール」。

タレントプールとは、優秀な人材を候補者として溜めておき、コミュニケーションをとり続けることで採用に結びつけるリクルーティング手法です。

優秀な人材とあらゆる角度から関係を継続しておくことで、ミスマッチの少ない採用が可能になると、最近話題になっています。やむを得ない事情で退職するスタッフは、これまでの経験値から考えると、その職場にとって優秀な人材といえます。

彼らのカムバックは店長にとって非常にありがたいはず。退職者と個人的にSNSなどでつながっているという従業員は少なくありません。辞めたあとも飲みにいったり、遊んだり……。これもひとつのアルムナイです。

とはいえ、それが制度化されていない場合、退職者のほうから「もう一度働きたい」「復帰させてください」とアプローチするのは、相当ハードルが高いはずです。

だからこそ、こういった「私」のアルムナイを、会社や職場として制度化する「公」のアルムナイ制度が重要なのです。

こう聞くと、難しそうに思えますが、退職した人とコミュニケーションがとれる状況を用意し、継続的にメールを送るだけでも十分です。

まずは、退職者にアルムナイ制度があることをしっかりと告知しましょう。これで「私はまた戻ってくることができるんだ」ということを退職者が認識できます。

そして、本人の許可を得たうえで、定期的にメールやDMなどで情報発信する旨を伝えましょう。メールは月1回でもかまいません。

職場の状況や現スタッフの声などを届け、そのうえで、可能であれば相互にコミュニケーションをとれるようにしておきましょう。退職者に、いつどのタイミングで復帰できる状況が訪れるかわかりません。

退職者側からも気軽にコミュニケーションがとれる環境が用意されていれば、気軽に復帰の意思を伝えることができます。また、アルムナイ制度は、店長や現場管理職の精神衛生上も、ありがたい仕組みです。

ただでさえ人が足りない現場では、スタッフに辞められたら現場がまわらなくなるので、離職に過敏になりがち。辞めても戻ってきてくれる可能性があると思えば、必要以上にビクビクすることもなくなります。

「すいません。また戻ってきちゃいました」と、照れながら復帰したスタッフを、拍手で迎え入れる仲間たち。素敵な光景じゃないですか。

アルムナイというカムバックマッチングは、雇う側にとっても働く側にとってもハッピーな制度です。活用しない手はありません。

神事例10スープストックトーキョーの「バーチャル社員」制度

「世の中の体温をあげる」という経営理念を掲げるスープストックトーキョー。

その理念を実現するためにはスタッフの体温を上げる(=従業員満足度を上げる)ことが必要だと、さまざまな社内制度を展開しています。その1つが「バーチャル社員」制度。

退職者でも従業員と同じ割引が使えたり、社内報を閲覧できたり、試食会に参加できたりするオリジナルの会員制度で、このつながりから復帰するスタッフも多いとのこと。

まさに「アルムナイ制度」の好例です。同社の取締役人材開発部部長の江澤身和さんはこう語ります。

「社員でもアルバイトでも、退職希望者とは面談します。大切なのは、その人の人生にちゃんと寄り添って相談に乗れているかどうか。退職して新たな世界を知るほうがプラスになると感じたら、むしろ卒業に向けて背中を押すこともあります」

この制度は、「戻ってきて」というメッセージを全面に出しているわけではなく、月に1回送る情報のなかに、採用情報がそっと添えられているくらいだといいます。そんな自然なコミュニケーションだからこそ、戻ってきたくなるのかもしれません。

コラム 地方での募集なら地元生活情報誌!ご当地ラジオや農協の有線放送も!

東名阪などの都市部以外の地域では、求人専門媒体がさほど発達していません。そんな地方で頼りになるのが、ご当地で発行される総合型の生活情報誌でしょう。

発行されるのを毎号心待ちにされているほど住民に親しまれている情報誌もあるくらいで、その地域での影響力は想像を大きく超えます。

その筆頭が「ハッピーメディア」という媒体。岐阜に本社をかまえる株式会社中広が発行する、地域密着型の総合生活情報誌です。

正式には「ハッピーメディア®『地域みっちゃく生活情報誌®』」という名称ですが、この名前は表紙に登場しません。なぜなら、地域によって誌名が変わるからです。

たとえば、飛騨高山エリアで発行する版の誌名は「SARUBOBO」。これは飛騨高山でつくられる「さるぼぼ」というサルの赤ちゃんの人形からとったものです。

また、滋賀県彦根市で発行されている誌名は「KonkiClub」。これは、国宝彦根城を地元の人々が「金亀城」と呼ぶことに由来しているそうです。

その土地にちなんだ誌名を冠するこだわりが、ご当地読者からの共感を獲得している1つのポイントです。発行エリアは32都道府県に及び、媒体数149誌、発行部数は936万9240部とのこと(2018年12月末)。カバーエリア、部数、発行版数等のスケール感は明らかに日本最大級。

ちなみに紙の求人誌として圧倒的な存在感を誇る「タウンワーク」(リクルートジョブズ発行)ですら108版ですから、比較するといかにすごいかがわかるでしょう。しかも、「ハッピーメディア」は、たんにたくさん発行されているだけではありません。

発行エリアを細かく分割し、そのエリア内の90%以上の世帯に配布しているとのこと。要するに、そのエリアのほとんどの人に届けられているわけです。現に、こういう事例があります。

岐阜の高山エリアで、日本を代表する某ファッション大手チェーンが、スタッフをまったく採用できずに困っていました。「タウンワーク」が発行されていないこともあって、頼る求人媒体がなかったのです。そこで、この「ハッピーメディア」を使って募集をかけたところ、14人もの応募が来たとのこと。

地域のほぼすべての人に届くからこその反響。「ハッピーメディア」が地域に根差している証です。また、地方の求人で有効なのは、紙媒体だけではありません。

テレビ・ラジオといったご当地に根差したマス媒体を使う手もあります。地方のテレビ・ラジオCMの特長はなんといっても、圧倒的に広告費が安いこと。

以前、福井に出張した際、ホテルのテレビで、地元のパチンコ屋さんのアルバイト募集CMが流れていました。画面の動かない静止画でしたので、製作費も非常に安くすんでいたはずです。

テレビもさることながら、地元マスメディアの代表格がAMラジオやミニFM局。都心部に比べてインターネット化が進んでおらず、アナログな媒体の存在感がいまだに大きい地方では、かなり影響力があります。

その証拠に、地方では早朝や深夜帯に、タクシードライバーの求人広告CMが流れています。たしかにラジオは運転しながら聞くことが多いので相性がいいのでしょう。また、地元スーパーのパート募集も流れていたりします。

さらにユニークな事例を発見しました。それは、農協の有線放送です。福岡にあるJAの有線放送で、飲食店のパート募集の告知が流れていたという情報を入手したのです。もちろんきちんと結果も出ており、そのオンエアを聞いていた兼業農家の主婦を採用できたとのこと。

農協が管轄している地方集落(1000〜2000世帯規模)を対象に、さまざまな告知を行っている有線放送にも、広告枠が存在するのです。

地元のお店や事業主からの依頼があれば、CMを制作し、流してくれるとのこと。特売などの情報が中心ではあるものの、もちろん求人募集もできます。しかも単価2000円程度。

それにしても「農協の有線放送を使ってみるか!」という発想の逞しさもすごい。こういう視点が、神採用につながるのです。ご当地で店舗を運営している場合は、地元マス媒体の影響力についてある程度の相場感があるでしょう。

しかし、全国に店舗を展開するメガチェーン本部の採用責任者は、大都市圏に住んでいることが多く、地方のマス媒体を採用活動に使うという発想にはたどり着かないのではないでしょうか。

採用環境を全国一律で考えるのではなく、ご当地にアジャストした視点で捉える。固定観念を捨て、フラットな視点で考える。「なんでも利用してやろう」というスタンスを意識する。そうすれば、自ずと活路は見えてくるのです。

やむにやまれず有料の求人広告を出す。しかし、出しても出しても人が採れない。仕方なく時給を上げる……。こうした負のスパイラルによって、アルバイトの募集時給は高騰を続けています。

ある求人媒体の調査によると、2019年1月の全国平均時給は1051円。もはや4ケタの時給が当たり前の時代になってしまいました。

しかし、「時給上げ」も限界に近づいています。むしろ時給以外でアピールできるポイントはないか。応募してもらいやすくなる工夫はないか。

そもそも求人広告に書いてある内容はちゃんと伝わっているのか……。本章では、時給を上げなくても採用できる求人広告づくりのテクニックを、教えます

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