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第1章ハイクラス感は結果を生む

はじめにはじめまして。吉田正美と申します。この書籍を手に取ってくださり、まことにありがとうございます。私の肩書きは、コミュニケーション・コンシェルジュです。コミュニケーション・コンシェルジュとは、コミュニケーションの案内人を意味する私の造語です。「VIPのエスコート」として、社長就任式典や「党の決起大会」のような政経セミナーの司会、橋本龍太郎元首相や国内外の官僚、シンガポールのリー・クワンユー元首相など、VIPと呼ばれる方々にお供してまいりました。ご一緒させていただいた人数は、20年で800名以上にのぼります。脳裏に焼きついているエピソードを思い出すたびに、エグゼクティブと呼ばれる方や、世界で活躍するハイクラスの方々に、どれほど支えと気づきをいただいたのだろうかと痛感します。「ハイクラスの人」という言葉を聞いて、あなたはどんな人を思い浮かべますか?自分とは縁遠い存在で、メディアで活躍している別世界の人と思っていらっしゃらないでしょうか。しかしながら、生まれながらにその資質が備わった方など存在しません。私は、彼らと接する中で、共通項があることに気づきました。専門分野に特化した豊富な知識はさることながら、自然と人の心に残る気配りができることです。彼らはいつまでも心の中の住人となり、「またお会いしたい」と願う存在になるのです。彼らにはそのように、自然と周囲をファンにしてしまう力があるのです。私は仕事で彼らと接する中で、ハイクラスの人と一目置かれる方の、そうした気配りや立ち居ふるまいが周囲を巻き込み、リードしていく姿を数多く見てきました。私がこの仕事について間もない頃、緊張のあまり原稿を読むだけで精一杯で、誰かをエスコートするどころか、逆に気遣われてしまう、などということもありました。名刺を交わしたばかりのような私にも、分け隔てなく接してくださるのだと心を揺さぶられたことを、今でも忘れられません。彼らの人の心をつかむ言葉の使い方やふるまい方が、多くの人に自然と影響を与え、より良い方向にリードしていく姿を目にしてきたのです。彼らもまた、お手本とする方から学び、心を磨いてこられたからこそでしょう。また彼らは、人の夢を叶える力、夢をつかむ道筋をさりげなく教え、人を全力で応援する優しさもあわせ持っています。人は生涯にどれだけのものを得ることができるのかではなく、知識や知恵、経験をどれだけ人に与えられるのかで、人生の価値が決まります。品格やたたずまいのような目に見えないものも、習慣として一つずつ意識することで、自分のものにすることができます。ハイクラスの人の習慣を、まずはできることから取り入れてみませんか。ハイクラスの人に近づくと、あなたの人生がこんな風に変わります。・なぜか、自分の意見が通りやすくなる。・周りの人が、自然と従ってくれるようになる。・レストランやホテルで、良いサービスが受けられる。・仕事でも、プライベートでも存在感を発揮できる。・結果として、モテる可能性は無限大です。仕事でも、プライベートでも、人の心に大きな存在感を残せる人間になりませんか?仏教の言葉に、「初発心時便成正覚」という言葉があります。この言葉は、「さあ、やろう!」と決心した瞬間に、すでに成し遂げているという意味だそうです。この本では、私が20年間で数多く見てきたハイクラスの人々の努力、そして習慣を、ご紹介します。各章で綴る45の習慣を、48時間以内に一つでも実践し、まずは21日間続けることから、習慣化しましょう。最後まで伴走させていただけたら幸いです。コミュニケーション・コンシェルジュ吉田正美

「ぜひとも、あなたに」とお願いされるハイクラスな人の気配りの習慣目次はじめに第1章ハイクラス感は結果を生む01「ビストロ・ポジション」で優雅な姿勢に02相手を大切にするからこそ、自分も大切にされる03凡事徹底こそが、あなたを選ばれる存在にする04口コミならぬ人コミで、自分の評価は周りに伝わる第2章声と姿勢で、選ばれる053つのスマイルを使い分ける06自分をも鼓舞する表情で、スピーチにパワーを07「あいうえお」を制して、声に艶と説得力を出す08デコルテを広げて、オーラだけでも一流になる09スーツに「リュックもどき」とくるぶしソックスはNG10別れ際こそ、心を込める第3章最高の気づかい11苦手な女性にこそ、レディファースト12「手伝えることはない?」の一言がファンを増やす13人脈は財産。恩送りを忘れない14思いがけないサプライズで、相手を感動させる15自分の声を届けやすい状況に、相手を導く16ひざ掛け、夜景、相手の好み──下調べでツボをつかむ17肩書きなしでも勝負できるかが、品格を試す18距離を縮めるには、素を見せる19餅は餅屋。一度任せたら、相手にゆだねる20もてなすお金、もてなされるお金の違いを知る第4章ファンが増える会話術21「スミマセン」を「恐れ入ります」に言い換えよう22「イエス・バット」から「マジック・イフ」で未来は変わる23ビジネスの話の前に、プライベートの話で共感を得る24以心伝心に頼らない25相手との共感点を、相手の秘書並みの気持ちで調べる26人を惹きつける会話のヒントは落語にある第5章差をつける行動力27専門分野を決め、常に最先端を学ぶ28レスポンスの速さを、相手へのサプライズにする29恥は成長の証30自分の中にある龍を鍛えて、育てよう31チャンスは人からしか来ない32ビジネスの根幹は人。自己投資を怠らない33つまらない場面でも、小さな「Good」と「New」を探す第6章最強の自己管理術34最短距離のパフォーマンスを意識する35怒りのクセを知って、落ち着きある紳士に36すきま時間の瞑想を、習慣にする37「忙しい」は禁句。必要とされることに感謝しよう38自分をごまかさない。「嫌われる勇気」を持つ

39できないことを悩まない40未来志向で、理想を追求する第7章いざ、実践4121日間で誰でもハイクラスになれる42アウトプットなしにインプットはできない43親の鎧から、自由になる44ジャケットの着こなし一つにも、マナーはある45ハイクラスになることで、周囲も変わるおわりに

「あの人は、他の人と少し違うな。一体、何をしている人だろう?」ハイクラスの人は、その他大勢の中に埋もれないオーラを発しています。そういうオーラは、凛とした姿勢からかもし出されます。あなたは、猫背でうつむき加減の立ち姿をしていないでしょうか。猫背では、覇気のない人と思われてしまいます。鏡の前に立って、前からだけではなく、横からの姿、後ろ姿もきちんと確認してみましょう。他人からどう見られているかが分かります。正しい姿勢のためには、「ビストロ・ポジション」を覚えましょう。狭いレストランのテーブルの間をすり抜けるように、背を伸ばしてウエストをきゅっと締める、ウェイターの姿を真似ればいいのです。おへそと背中を同時にへこませて、ウエストを細くするイメージです。優雅に見られるために姿勢が大切なのは、女性でも同じことです。顔の美しさだけではなく、トータルで見てエレガントでいましょう。皇室の方を思い浮かべてみましょう。そこだけ温かい光がさしていて、「お近づきになりたい」と思えるような、「実際にお話ししたら、どんな言葉をかけて下さるのだろう」と興味をひく雰囲気をお持ちです。まずは姿勢を変えるだけで、初対面であっても、「一目置く存在」に近づけるのです。もちろん、後から「こう思っていたのに、実はそうではなかった」と思われてしまうこともあるでしょう。そういうことのないように、ハイクラスの気分になって姿勢を正し、一段高いクラス感をまといましょう。新幹線のグリーン車に乗ると、素敵な人を多く見かけます。移動中の短い時間であっても、やはり自分の時間や身を置く環境を大事にしている方が多いからでしょう。私も時々はそういう場所に身を置くようにしています。自分のお金で素敵なホテルに泊まって、格調高い雰囲気を味わうことは、とても大切だからです。私のセミナーでも、そういった時間を持つことを勧めています。自らすすんでホテルやレストランなどのおもてなしを受け、今まで行ったことのないような、ラグジュアリーな場所に身を置きましょう。いざというときに、慌てることのない、大人の対応が身につきます。また、人にご馳走してもらうのではなく、まずは身銭を切って、大切な方をもてなしましょう。私の場合、感謝の気持ちを込めて、これまでお世話になった方を食事にご招待しています。大きなエネルギーをしっかりと循環させると、そんな行為にふさわしい自分になる方法がたくさん見えてくると思うのです。たとえば、ラグジュアリーな場所へは、ジーパンやボロボロの古い洋服では行きませんよね。ふさわしい場所に赴くことで、自然と自分の服装もランクアップさせることができるのです。女優、男優になりきって、非日常を楽しむことで、物怖じしないふるまい方も、備えることができます。ハイクラスの人は、ホテルや豪華なラウンジでも、堂々とふるまうことができます。何度も経験を重ね、すでに血肉となっているからこそでしょう。その自信からオーラが出てくるのではないでしょうか。私はそれを「キラキラビーム」と呼んでいます。そのキラキラビームに、人は撃ち抜かれて好感を持ち、自然と従ってしまうのだと。ふだんは乗らない新幹線のグリーン車に乗ってみる。ラグジュアリーなホテルに泊まってみたり、憧れだったレストランで食事をしたりと、そこに身を置く自分を楽しんでみる。そういった行動で、フォーマルな場での自分の行動も、客観的に見られるようになるかもしれません。そのときには、あなたもハイクラスのオーラをまとっているはずです。

ハイクラスの人は、相手を大切にするからこそ、自分も大切にされることを知っています。ホテルやレストランでサービスを受けたときに、自然に「ありがとう」と言える人は素敵です。相手を大切にしているからこそ、その相乗効果で自分も大切にしてもらえるのです。反対に、お店の方に向かって、上から目線で言葉を放ったり、横柄な態度で命令している人を見かけることもあります。もしデートをしている相手が、サービスをしてくれている人に向かってきつく叱責していたら、嫌になりませんか?そんな場面を見たら、相手からは「結婚したら、私もこのように扱われるのかしら」と思われてしまいます。どこでそのような態度を見られているかは分かりません。知らない間に、「あの人は、弱い立場の人に対して横柄な態度をとる人だ」とジャッジされることもあるでしょう。これまで出会ってきたハイクラスの方々は、決してそういう態度をとられません。たとえば、私が司会という立場であっても、向こうから気にかけてくださいます。本来なら先にご挨拶に行かなくてはいけないのに、向こうから来てくださるのです。こちらが緊張しているのを察して、優しく声をかけてくれるのです。これまでの経験から言うと、残念ながら上から目線で接してくる人は、担当の秘書も同じタイプの人が多いです。私が司会をするときには、祝宴のスタート前に、来賓の方にスピーチの順番の確認に伺います。そのとき私は、椅子に座っている来賓の方と目線を合わせるためにひざを床につけて話すのですが、ハイクラスの人はすぐに「いや、立ってもらっていいよ」と一声かけてくださいます。細かいことですが、よく周りを見ておられ、その祝宴がスムーズに進むことを大事に考えてくださいます。ときには、スピーチの順番に文句を言う方もいます。その場にいる方々の中で、「どうして自分が、あの人より後なんだ?」という思いもあるでしょう。気持ちは分からなくはないのですが、主催者側がスピーチの順番を決めているので、主催者が「この順番でお願いします」と言われたら、なかなか変更はできません。自分のことだけで頭がいっぱいになっていて、スムーズに宴席が進むようには考えていないのだと感じてしまいます。ハイクラスの人は、ささいなアクシデントに声を荒立てることはありません。どんな状況であってもその場を楽しむことのできる天才です。自分の気持ちを、自在に律することができるのです。つまり感情をコントロールすることに長け、ネガティブを楽しみに変換することが得意なのです。文句を言うことや、ネガティブな行動をとることは、自分の株を下げる行為でもあるからです。彼らはどれだけ地位がある方でも「来てやっている」ではなく、「呼んでいただいている」という感謝の意識を持っています。その気持ちが周囲に伝わるのです。だからこそ、どんな場所に行っても、もてなされるのではないでしょうか。

「ハイクラスの人」と一目置かれる方々は、周囲から選ばれる人です。日常的に「あなたでないと困る」「ぜひ、あなたに来ていただきたい」と言われ、声をかけられています。選ばれる存在になる最大のキーワードは「心地良さ」です。一緒にいて気持ちが自然と優しくなれ、自分も頑張ろうと思えて目標が生まれる。そんな気持ちになれることです。もう一つ、欠かせないのは、凡事徹底している、ということ。難しいことですが、毎日同じことをきちんと積み重ねられるというのは、それだけで素晴らしいことです。たとえば、お金や保険の専門家であるファイナンシャルプランナーは、全国に数多くいますが、同じ職業の人の中から、「あなたでないとダメです」と思ってもらう人にはどんな特徴があるのでしょうか。専門知識の中から、お客様に合った情報をどれだけ提供できるのか。また、損得のみにとらわれず、お客様の心にどれだけ寄り添えるのかが、ポイントです。・こまめに気持ちのこもった手紙を出す・契約者の誕生日を忘れない・「何かお困りごとはないですか?」と足を運ぶなど、契約後も感謝の気持ちを忘れずに、ささやかでも、相手のために動くことができ、常に相手のことを気にかけることが大切です。「二人三脚で一緒に問題と向き合ってくれる人」と、相手に思ってもらえれば最高でしょう。その積み重ねが信頼となり、相手の心をつかんで離さなくなって、「あなたでないと困る」となるのです。これは恋愛でも同じかもしれませんね。恋愛は究極の「他の人ではダメ」の形です。「恋は盲目」という漠然としたものではなく、なぜその人でなければいけないのか、理由があるはずです。きっとそれぞれが、自分の中の基準や、しっかりとした裏付けを持っているのではないでしょうか。人は「大事にされている」と感じると、そこに「心地良さ」を覚えます。恋愛でも仕事でも、人間関係において、変わることはないでしょう。ハイクラスの人は、出会った人に「私って特別なのかしら」と相手に思わせる何かを持っています。だからみんなが夢中になってしまうのです。それは、仕事も同じこと。一人一人を分け隔てなく大切にすることで、「大好き」と思われることが、「ファンづくり」につながっているのです。相手によって態度を変えることは、決してありません。だから、自然とみんなが好きになってしまうのです。NGなのは、相手によって態度や言葉を変える人です。実際に身近にいませんか?顔は笑っていても、心では何を考えているのか分からない人。口では「ありがとうございました」と言っていても、すぐに振り返って「はぁ……」とため息をついているような態度では、いずれ見透かされてしまいます。人は他人のことをよく見ています。どうせなら、「あの人、自分のことしか考えていないな」と思われるより、「あの人は、人を大事にする人だな」と思われる方がいいですよね。ハイクラスの人は、常に人を大事にすることをすべてにおいて徹底しています。

幸せなことに出会うと、他の人にも話したくなりますよね。美味しいレストランを知ったら、友達に「あのレストラン、ぜひ行ってみて」と伝えたくなるし、素敵なショップを見つけたら、「あのお店、良かったよ」と紹介したくなります。いわゆる口コミですね。それは、人であっても同じです。素晴らしいと感じた方に出会えると、「あの人はいつも全力で、とてもいい人だよ。ぜひ会ってみて」と、周囲に話したくなります。知らない間に、多くの人に紹介されていて、誰に聞いても「あの人は素敵よね」と評価が上がっているのがハイクラスの人なのです。ただ、良い評判を聞いていても、「自分にとっては、そうでもなかった」という場合もあります。それは、紹介した人、紹介された人のどちらが悪いのではなく、食べ物や映画と同じように、単に嗜好や価値観の違いなので仕方のないことです。「口コミ」ならぬ「人コミ」を呼ぶには、自分自身のイメージと客観的に見られるイメージとの差を生まないよう、心がけることです。ブランディングとは、一目で専門性が伝わるように自分をブランド化すること。ブランディングがしっかりできている人は、ご本人が登場するだけで、周囲の人たちが先にその空気を作ってくれます。たとえば、フィギュアスケーターの浅田真央さんが登場したら、見ている人は「さあ、美しい滑りをみよう」と思って見る体勢に入ります。登場する前からお客様のハートをつかめているのですから、素晴らしいですよね。そういう意味では、SNSやテレビなどのメディアに登場している人の方が、より周知してもらいやすいかもしれません。ときに、メディアで見るイメージと実際に会ったときの〝ギャップ〟があることも。セミナーや講演でハイクラスの人にお会いすると、良い意味でのいわゆる〝ギャップ萌え〟で嬉しい気持ちになることも度々あります。ハイクラスの人は、本人が普通にしている言動やふるまいで、世間の評価が自然と上がっています。浅田真央さんも、表裏がなく常に平常心で発言されているので、そこに計算がないと感じさせるのです。そこがまた、人の心をつかむのでしょう。もちろん、多くのハイクラスの人は、ブランディングに関してプロの意見を聞くなど努力をしています。自分の見せ方を常に考えているので、外見、服装、立ち居ふるまい、言葉がけ……ハイクラスの人にとってはすべてがプレゼンです。地位のある方ほど、専門家にゆだねていることに尊敬します。いつまでも勉強をやめない、進化を止めないのがハイクラスなのです。

笑顔には、大きく分けて3つの種類があることをご存じですか?ハーフスマイル、スモールスマイル、ビッグスマイル、この3つがあります。スモールスマイルは、口を閉じて歯を見せずに笑うこと。誰かとすれ違うときなどに、「あなたに気づいていますよ」というサインです。上司や目上の方とすれ違うときなどは、一旦立ち止まって、このスモールスマイルで会釈しましょう。相手の方も立ち止まってくださったときは、「おはようございます」「お疲れさまです」などと、声を出して挨拶するべきですが、どなたかとお話しされているときなどは、下手にお話を割ってはいけません。ただ「気づいています」というサインを送るだけで十分です。ハーフスマイルは、歯が少し見える笑い方です。人は歯が見えると「笑っている」と認識するそうです。一般的にいう「笑顔」ですね。ビッグスマイルは、「がははっ」と歯が8本見えるような笑い方です。本当はプライベートな笑い方で、「あははははっ」という豪快な笑いなのですが、ハイクラスの人は、あえてこの豪快な笑い方をよくされます。イベントや講演などで、登場される瞬間からビッグスマイルの方も多いです。スマイルは、「私はみなさんを受け入れていますよ」というサイン。そして「私のことも受け入れてね」というプレゼンです。いつでも最高の笑顔ができるように、日ごろから口角を上げて形状記憶!自分から先に、笑顔で相手にエネルギーを与える努力をしてみましょう。よく、町中で知らない人に道を聞かれる人がいませんか?あれは、初対面の人からも、「あの人なら親切に教えてくれそう」とジャッジされているからです。わざわざ強面の人に道を聞こうとは思いませんよね。通りすがりの人からも、表情はしっかり見られているのです。だからこそ、一瞬一瞬が大事です。人は楽しそうにしている人に寄っていくもの。笑顔でいないと損だと思いませんか?口角を上げることを習慣にするには、しっかり鏡を見ること。毎日鏡を見て、その瞬間に口角を上げることを癖づけしていきましょう。人には食べるときの噛み癖や、肩の左右どちらにかばんをかけるなどの癖があります。ふだん使ってない方の筋肉はどうしても下がってしまいます。左右でどちらかの口角が上がりにくくなっていないか、チェックしてみましょう。鏡を見ながら、口を閉じて左右に口角を上げ、どちらの口角が上がりにくいかを見極めます。上がりにくい方を意識して上げるように練習しましょう。百貨店の研修では、割りばしを口に挟んで笑顔の練習をするところもあります。表情筋には多数の筋肉があります。しかしながら、ほとんどの人は3割程度しか鍛えられていません。その中の一つに口輪筋がありますが、それをほとんど動かしていなければ、発声練習をしたときに筋肉痛になります。無表情の人は表情筋が動いていないので、老け顔になります。笑顔一つで場の空気が温かくなります。表情豊かな人の方が一緒にいて楽しいし、受け入れてもらっているという安心感があります。笑顔も先手必勝ですね。私が多くのハイクラスを人のアテンドしてきた中で、最高のビッグスマイルを見せていただいたのが、代議士の故・冬柴鐡三氏です。冬柴氏は、安倍・福田政権で国土交通大臣を務めてこられた方です。私はパーティーでの司会をお受けし、秘書の方と打ち合わせをしたのですが、まず、そこでの心配りや裏方を大事になさる心に感動しました。「あなたが司会で光栄です。なぜなら笑っていなくても笑顔に見えるエビス顔ですから。もう、パーティは成功しましたね」笑顔でそう言って神戸の老舗のお菓子をくださいました。本来、手土産を用意するのは私のはずです。裏方を大切にするささやかな気遣いを教わりました。当日のパーティーは、やはり想像通り!冬柴氏は顔全体を笑顔にし、ビッグスマイルで登場されました。頼もしさと包容力のある笑顔に見とれてしまい、その場にいたスタッフ全員に安心感も与えてくださいました。その笑顔で、私も緊張感をかき消すことができ、全力でお応えしようと心が動かされました。相手が好意を示して接してくださると、自分も何か役に立ちたいと思える気持ちを「好意の返報性」と言います。まさにそういう気持ちでした。司会の位置からは会場を俯瞰して見ることができますが、冬柴氏はいつも裏表なく、パーティーの参加者に対しても、分け隔てなく接しておられたことを覚えています。豪快な「ワハハハ」というビッグスマイルで、そのエネルギーを分けていただき、政治家であること以上に、一人の人として人間力の高い方と感じました。目に関する言葉は数多くあります。「目が笑っていない人はウソつきだ」「目は心の窓」「目は口ほどにものを言う」など。口角は上がっていても目が笑っていないと、とても怖いですね。冬柴氏は、そんなに笑顔で疲れないかな?と思うくらいでしたが、終始笑顔が鉄板のスタイルだから、お元気なのでしょう。公の場では、やはりいつも笑顔を心がけたいという、お手本となる方でした。

セミナーや講演、パーティーでの挨拶。人前で話す機会は、肩書きがつくほど多くなります。ハイクラスの人は、スピーチを声や表情も含めた全体をとりまくライブだと考え、「話すこと」に対してかなりの努力をしています。日本人は、スピーカーとして見ると表情が硬く、ボディランゲージが苦手な方が多いようです。無表情だと、顔が老化していくのをご存じですか?しかめっ面ばかりしていると、その表情は顔に自然と記憶されてしまいます。外見がとても素敵でも、無表情だとそれだけで周囲は近寄りがたく感じてしまいます。これまで私が話を聞いてきた中で、とくに表情が素敵だなと心を奪われたのは、自由民主党の石破茂氏です。石破氏は、圧倒的に表情が豊かで、顔を見ただけで話のニュアンスが分かる方です。ボディランゲージもしっかりなさっていて、日本人ではなく欧米の方がプレゼンをしているのか、と感じるほどです。日本では、表現力を学校で勉強しないですし、話す・聴くというトレーニングもほとんどしていません。日本人が思い切り気持ちを身ぶりで表現すると、残念ながらその場から浮いてしまいがちですが、そこを石破氏は、「自分が楽しまなければ」、そして「お客様に楽しんでいただこう」と、自分をも鼓舞する明るい表情が出せるのです。会場の広さや人数にかかわらず、スピーチでそういう表現ができることは、やはり聴く人の心をつかみます。たくさんの人に向かって話すスピーカーとしても、一対一で話す場合も、やはり表情と動きは大切です。迫力で説得力が増しますし、オーディエンスも引き込まれます。一対一の場合は、自分を受け入れてもらって、聞いてもらえていると思えば、相手は安心感を持ちます。私が多くのハイクラスの人のスピーチを拝見していて、他の方々と圧倒的に違うと感じるのは、「間の取り方」です。ハイクラスの人は、間を制しています。セミナーなどでいつも話すのですが、「間」が抜けると、文字通り間抜けになります。間とは呼吸であり、ボディランゲージです。日々ライブをしているような感覚で、徹底的に自分自身の話し方を客観視されているのではないでしょうか。きっと、自分のスピーチを録音したり、ビデオで撮影して、後から見て研究しているのでしょう。ハイクラスの人は、最強のナルシストです。ナルシストとは、自分をしっかり受容していること。自分自身がブレずに強さがあるからこそ、凛としていて、周囲の人たちに思いやりを持てるのでしょう。自分が強くなければ、人に優しくはできません。ハイクラスの人は、そんな訓練も惜しみません。

「声」と一言でいっても、様々な声がありますね。高い声、低い声、金切り声、アニメ声、渋い声、甘い声、あたたかい声、冷たい声など……。聞いていて「残念な声」もあると思いませんか?学校の授業では、「話す、伝える、表現する」ための具体的な方法まで教えてはくれません。ですから、最初はできなくて当然ですが、営業職の方や、人前で話す仕事につかれている方は、常にこの「話す、伝える、表現する」方法を意識しています。身だしなみを整えることはもちろん、声を磨く努力もしているのです。印象の38%は声で決まると言われています。実際にあったことですが、ある研修の講師の声が、頭の上から出ているようなアニメ声でした。参加者も声が気になって、研修の内容に意識がいかない様子です。実はアニメ声も、きちんとボイストレーニングを受ければ治ります。舌の使い方と口の開き方を鍛えれば、変わるのです。「声は遺伝だから」と言われる方もいますが、そうではありません。舌の長さが原因になっていることはありますが、自分が意識することで、どんどん変わります。アニメ声に限らず、自分の声にコンプレックスを持っている人は多いのですが、声を磨くことで、声も表現力も大きく変えることができます。私がセミナーや研修などで、まず伝えていることは、口を大きく開けることです。簡単なことなので、誰でもできそうだと思いませんか?日本語は口をあまり開けなくても、相手に届けられる言葉です。だからこそ、まずは口を大きく開けて話してみましょう。話し下手の人でも、言葉を噛みにくくなります。口角も上がります。頬のお肉も取れて顔の輪郭もシャープになり、良いことばかりです。まずは、目の前に鏡を置いて、笑顔の練習です。顔が笑わなければ、声も笑いません。ホテルマンもコールセンターのスタッフも、前に鏡を置いて顔を見て、笑顔で話す練習をしています。笑顔で話すと声のトーンも上がるので、爽やかな印象を残すことができます。腹式呼吸も大切ですね。赤ちゃんがいつまでも泣けるのは、腹式呼吸だからです。腹式呼吸は胃腸の働きを活発にします。体が燃えて痩せやすくなるというメリットもあります。声を磨くことによって、持久力がつきます。最初は口を大きく開けて笑顔で話すと、筋肉が疲れるかもしれません。続けることで、声の体力や持久力が上がると自分も楽ですし、話す相手にもペースを合わせることができます。声を磨くためには、母音、「あいうえお」を制することです。「あいうえお」がすべての言葉の基本で、口の開け方が大切です。「あ」の口は、縦に指3本が入るくらいに開けます。「い」は、口角を痛いくらいに上げます。ちなみに「い」で口を閉じると、スマイルになります。「う」は、タコのように口をとがらせます。「え」は、「い」の口から人差し指1本を入れる感じで。「お」は、「う」の口から親指1本が入る大きさを基本にしましょう。これを「あ・え・い・う・え・お・あ・お」と、鏡を見ながら何度も発音して習慣にしましょう。たとえば、1回目は「あいうえお」と言えても目が怖くなっているかもしれません。今度は、口角を上げてみましょう。次は、表情豊かに。そうして徐々にハードルを上げていきます。それができたら、か行、さ行と続けて、五十音でやっていきます。声を磨くには、早口言葉も有効です。「おあやや、ははおやに、おあやまりなさい」このフレーズ、聞いたことはありませんか?これは発声の本によく出てくるのですが、私はいつもこれで発声練習をしていますし、生徒さんにもしてもらっています。他には、「パラ・ピリ・プル・ペレ・ポロ」の、破裂音での舌の使い方も効果的ですね。こういう早口言葉の練習は、私にとっても「あいうえお」を制する言葉です。「あいうえお」を制するということは、「かきくけこ」に続くすべての子音を制するということ。そうでなければ、しっかりと滑舌良く聞こえません。この「あいうえお」を制したパーフェクトなスピーカーと出会えたのが、2016年11月に大阪で開かれた中山五輪男氏のフォーラムでした。中山五輪男氏は、当時ソフトバンクのパーソナルロボット、「ペッパー」や米IBMの人工知能システム「ワトソン」などの首席エヴァンジェリスト(伝道師)を務められ、現在は富士通常務理事、グローバルマーケティング首席エヴァンジェリストでいらっしゃいます。人工知能がテーマの講演の司会をしたのですが、お会いする前の印象は、フォーラムの宣伝ポスターで拝見した、笑顔の爽やかさと清潔感でした。実際にお話しされると、聞き惚れるような声でした。年間300回以上の講演をされていることもあり、相手にしっかり言いたいことを伝えていたのです。説得力を増す声の出し方で、「あいうえお」がはっきりしていること。滑舌の良さも抜群で、エネルギーを感じました。そして声だけではなく、抑揚、アイコ

ンタクト、間の取り方、立ち居ふるまいが、とにかくエレガント。聴衆と対話しながら進行するその姿に、司会の仕事を忘れて魅了されました。講演のあとの質疑応答では、参加者の学生や子ども達も分かるよう、専門用語は使わずに、簡単な言葉を使ってパネルディスカッションをされていました。聴衆の立場に立ってプレゼンすることへの想像力も、何より素晴らしいと思います。声を磨くということは、聴衆をひきつける大きな要素だということも再確認しました。

私が司会として大きなステージに立つ中で、常に指摘されたのは、姿勢です。どんなシーンにおいても、一番大切なのが姿勢なのです。姿勢については、先に述べたことに加えて、もう一つポイントがあります。とくに座ったままプレゼンを行う場合には、上半身に注目が集まります。そんなときに手っ取り早く姿勢を良く見せるには、デコルテを広げることです。簡単に言うと胸を張ること。まずは、デコルテを広げることを、習慣にしてください。デコルテの由来はファッション用語。フランス語で首から胸元まで、襟ぐりが深い服装を示します。私は、オーラを出すことも、デコルテを広げることからだと伝えています。姿勢とは、「姿」に「勢い」と書きます。あなたの姿には、勢いがありますか?ハイクラスの人にはなぜ、猫背の人はいないのでしょうか?それは常に見られている意識があるからでしょう。モデルは、意識して短いスカートをはいて人の視線を感じることで、足に贅肉がつかない努力をするそうです。ハイクラスの人の姿勢の良さも、通じるものがありますね。デコルテを広げることは、自己プロデュースの一つと言ってもいいでしょう。君島十和子さんがJALのキャンペーンガールだった頃、私は司会を担当しました。彼女のまばゆいばかりのオーラに、眼を奪われた記憶があります。控え室でも凛とした姿勢。もちろんデコルテはしっかり開かれ、鎖骨も均等でした。つまり、体幹にブレがなく首が長く見えるので、スタイルの良さが際立つのです。顔は化粧で隠せますが、首に年齢が出ると言われます。体の細部の手入れができている方は、自身を愛でることを忘れないのです。現代人はパソコンやスマホを使うので、座り姿勢までもが猫背になりがちです。よくセミナーでもお伝えするのですが、電車に乗ったときに、「今のうちにメールの返事をしておこう」と、スマホを見ませんか?スマホを見る姿勢は首が重くなり、そのため「巻き肩猫背」になる割合が増えています。その姿が、プラス5歳に見えてしまうのです。ハイクラスの人に猫背の人はいません。巻き肩猫背では、どんなプレゼンをしたとしても、勢いは感じられないでしょう。自分の体幹が整っているかどうかは、目を閉じて30秒足踏みをすることで、チェックできます。目を開けたときに、体が元の位置より前に行っている人は、重心が前に傾いているということ。後ろにいる人は、重心が後ろに傾いています。前後だけでなく、左右に揺れる人も中にはいます。自分自身がどこに重心を置いて歩いているかが分かりますね。自分の姿勢のゆがみが分かったら、しっかり意識しましょう。体幹がしっかりしていると体のバランスが整い、姿勢も良くなります。

初めてのクライアントとの打ち合わせや面接。自分をプレゼンするにあたって、見た目の清潔さは大事です。人がまず好感を持つのは、爽やかな清潔感です。「自分プレゼン」は清潔感から始まります。まずは、相手に不快感を与えないこと。クールビズでネクタイをしない風潮になりましたが、その分、白いシャツに汚れやシワがあると余計に目立ちます。毎日パリッとアイロンをかけましょう。名刺交換の際には、爪もよく見られているもの。伸びた爪に垢や汚れがたまっていることのないよう、気をつけましょう。男性でも、お金を出して爪を磨く方もいるくらいです。女性はとくに清潔感に敏感。生理的に「嫌だ」と感じられてしまったら、どれだけ立派な人であろうと、お金持ちであろうと、肩書きがあろうと、関係ありません。私は面接や婚活の指導をすることが多いのですが、面接もお見合いと同じで、入った瞬間の印象が大事だと伝えています。まずは、選ばれる人材になることが大切です。見た目の清潔感を意識し、さらにTPOに合った服装を身につけることを心がけましょう。よく見かけるのが、スーツ姿に3ウェイ仕様の「リュックもどき」を背負っている人です。毎日「リュックもどき」を背負っていては、スーツの肩のラインをつぶしてしまいます。床にじかに置いているのか、カバンの四隅がめくれ、取っ手がほつれていることも。このような清潔感のない服装は、ハイクラスの人にふさわしくありません。最初にお金をかけるべきは、「靴」と「ベルト」です。ホテルマンはまず、ゲストの靴をチェックします。また、くるぶしソックスで肌が見えていたり、スポーツウォッチをしている方も見かけます。いずれもスーツにはNG。心は少年でも、立ち姿は紳士でいましょう。靴、ベルト、バッグの色をそろえると、お洒落感が出ます。まずは、お手本にしたい人の身だしなみとおしゃれのコーディネイトをチェックすることを心がけてください。ちなみに、スーツの着こなしが上手だな、と思うのは小泉進次郎氏。自分に似合うカラーを知っていると、私の友人のカラーコーディネーターが話していました。麻生太郎氏も、紳士のお洒落マスターですね。また、テレビ番組での司会者としての服装にも注目してみてください。番組の顔でありながら、ゲストを引き立たせるという脇役のスタンス。この二つの役割を演出する配慮が、スーツの選び方に現れています。加藤浩次氏に象徴されるように、お笑い芸人から司会者に格上げされた芸能人の方は、どんなイメージを作るために、どんなスーツの着こなしでいるのかに着目すると、また違う視点でのテレビの楽しみ方が増えますね。

大切な商談であっても、別れ際で、つい気を抜いてしまうことはありませんか。実は、相手を出迎えるときよりも、別れ際の方がジャッジされますし、印象に残るものなのです。「出迎え三歩、見送り七歩」という先人たちのことわざがあります。お客様をお迎えするときは、三歩前に進み出る。お見送りするときはさらに進み出て、見えなくなるまで見送るという意味です。それほどお見送りの方が大切で、雑にしてはいけません。お客様がお帰りになったと油断したときには、本音が出がちです。きびすを返すような姿や、表情に疲労感が出てしまったら、お客様が振り返って表情を見たとき、それまでの態度とのギャップの激しさに落胆してしまいます。別れ際にふっと、その人の素が見えたとき、信頼度を下げ、評価が落ちてしまうのです。最後まで気を抜いてはいけません。お見送りも、おもてなしをしたときと同じように心を込めましょう。おもてなしの達人と言えば、裏千家の前家元の千玄室氏です。裏千家シンガポール支部設立式典で司会を担当した際、閉会のあとご多用の中を、私が立ち去るまでまるで昔から知っていたかのごとく、奥様とご一緒に笑顔でずっと手を振り見送ってくださりました。私がお見送りする立場なのに大切に遇していただき、頭が下がる思いでした。優美なふるまいのために注意したいのは「ながら動作」。ながら動作は粗雑に見えてしまいます。「ストップザモーション」とは、所作の一つ一つを心を込めて丁寧に、動作を止めて敬意を払うことです。顔だけでなく体まできちんと相手に向け、誰に向けてのお辞儀かをしっかりと伝えることを意識しましょう。ゆったりとした気分でもてなしたいものです。おもてなしは「1対1」で、ホスピタリティは「1対多数」と言われています。ホスピタリティとは、ホテルやレストランで受けるサービスと言えば分かりやすいでしょうか。ホテルマンやウェイトレスが、お客様に対してするサービスのことです。ホスピタリティの上が、おもてなしです。人は丁寧にもてなされると、大事にされていると感じます。ハイクラスの人は、別れ際の時間まで、決して気を抜くことなく相手をもてなします。だからこそ、相手からは「また会いたい」と思われるのです。見送り方ひとつで、誰でもハイクラスの人になれます。あなたも、その日に出会った人を最後まで見送る習慣を身につけてください。それが、「また会いたい」と思われることにつながります。ただただ、相手の喜ぶ顔を見たいという気持ちで帰り際まで接することができると、相手は本当に満足して「あなたでないと困る」と思ってくれます。ビジネスも一種の恋愛みたいなものです。その日に出会った人を、心をこめて見送りましょう。「あなたに会えて良かった」と思ってもらえる余韻が、ハイクラスへの階段につながっていきます。

なんとなく話しかけづらい、職場の苦手な女性。会話より簡単に、彼女たちに味方になってもらう方法があります。それは、レディファースト。さりげない行動は、どんな女性のハートもわしづかみにします。誰かに親切にされると、ポイントが上がりませんか?女性はいくつになってもレディとして扱われることが嬉しいもの。意中の女性だけではなく、たまには苦手な女性こそ、エスコートしてあげましょう。一瞬の行動で、人の態度は変わるもの。苦手なおつぼねさんや取引先の女性のあなたへの対応も変わるはずです。「レディファースト」というと、真面目な日本の男性は、つい気負ってしまうのでしょうか。たとえば、さり気なくドアを開けて女性を先に行かせてあげる。コートを脱ぎ着するときには、後ろからコートを持ったり、着せてあげたりする。車のドアを開ける。「そんなことできない!」と思われるかもしれませんが、それができる男性とできない男性とでは、大きく差がつくと思いませんか?女性は「おざなりにされていない」「大切な人として接してもらっている」と感じると、その人を忘れられなくなります。私も、仕事でご一緒したハイクラスの方が、さりげなく大きな荷物を持って下さったことを未だに覚えています。なぜハイクラスの人はそのように自然と動けてしまうのでしょうか。ご両親の教育や父親からの母親へのふるまい、外国で自然に学んだという方もいます。女性が喜ぶ顔を見ると嬉しいという方もいるでしょう。女性に対してだけではなく、お歳を召した方に対しても同じです。私が同席したハイクラスの方は、立場上ご自身が「上座」に通されたとしても、景色が良い席の方にさり気なく同席者をエスコートされます。自然に下座に座られて、「いいんですよ。ぜひこの景色をご馳走に」と笑顔でおっしゃいます。そんな風に言われると、お食事も、もっと美味しくなりますね。相手に対し、どんな景色が見えると喜んでいただけるかということを常に考えているのです。ふとした仕草で優しさを伝え、苦手な女性もあなたのファンにしてしまいましょう。その方が、仕事のコミュニケーションも、ずっとうまくいくはずです!あくまでもさり気なさがポイントです。最初はぎこちなくても、女性としては気持ちが嬉しいものなのです。

芸能界の大物は、常に目の前にいる人が何に困っているのかに目を向け、お手伝いしたいという気持ちから、自然と人々をエスコートされています。大切なのは、相手を尊重しながら声をかけて、動いていること。人助けに喜びを感じる人は、目の前にいる人の困りごとのお手伝いを、習慣にできる人です。私の知る、困りごとのお手伝いをどんな人にもさりげなくやってのける方は、笑福亭鶴瓶さんです。少し意外でしたか?実は、私が高校時代に月に一度のテレビ番組に出演していたご縁です。私は、鶴瓶さんが担任を務める『9年9組つるべ学級』の生徒役でした。生徒役は、高校生、大学生、社会人と幅広い年齢層。ちょうどその頃、私は進路について悩んでいました。すると、鶴瓶さんから我が家に、突然の電話。電話を取った母が、「どっきりカメラ」と勘違いしてハテナマークを浮かべていたのを思い出します。「鶴瓶さんからお電話って!声は似ていますが嘘ですよね。そうに違いない。どっきりカメラですね?」「いえ、ほんまもんの鶴瓶です」「何か手伝えることはないか?」と優しく言っていただきました。そして、10年後に司会でお世話になっていたホテルの入り口で偶然の再会。「何か困ったことないか?」と、あの頃のままなのです。その後、マネージャーの方と一緒にお茶を飲み、連絡先をいただきました。いつまで経っても変わらず師でいてくださるお気持ちがありがたいです。では、目の前の人の困りごとをお手伝いすることを習慣にするには、どうしたら良いでしょうか。難しく考えることはないと思うのです。電車で席をゆずる。重い荷物を持っている人がいれば、持ってさしあげる。そういう小さいところから実践してみましょう。習慣にする第一歩は、小さな親切の積み重ね。ハイクラスの人は、人に喜んでもらえる笑顔が、自分のパワーの源になることを知っているのです。結局、心に余裕がないと、他人のことを助けてあげることはできません。小さなことに目を向けることこそ、心に余裕を持つことなのだと思うのです。

「恩送り」という言葉で、私が常に思い出すハイクラスの人の方を紹介させてください。人脈を築くことが得意な、クローバー出版会長の小川泰史氏です。小川氏は、「本が売れない著者を救いたい」という思いから、マーケティングの会社を経営されています。かつて、大手自動車会社のセールスマンだった小川氏は人をとても大切にされていて、いつも惜しみなく人と人とをつないでいます。小川氏と初めて出会ったのは、私が通っていたある講座のハロウィンパーティーでした。パーティーに出席したいと思ってメッセージをお送りしたら、司会をしてほしいと頼まれました。「司会をすると、目立つことができて、たくさんの人とつながることができるよ」と応援してくださったのです。そんな機会をいただくことが嬉しくて、今でも覚えています。その後も周年パーティーの司会をしたのですが、小川氏は、「この方は、こういう素敵なエピソードがありますよ」と、マイクを持って来賓の方々が喜ぶフレーズを瞬時に考えて、ご紹介されました。小川氏は、肩書きや実績にかかわらず、平等に人をパーティーに招き、紹介しています。業界のトップクラスの方々が驚くほどたくさん参加されていましたが、出席者160名全員のプロフィールが書かれたものを受付で全員に渡し、「ご自身がつながりたいと思う人と、どんどん会話をしてください」と促されていました。私自身は司会もしていますし、自分からは積極的に挨拶に行けないタイプです。それでもご縁をいただいたときは、必ず小川氏に、〝ほうれんそう〟(報告・連絡・相談)をしています。すると小川氏は、私がその会に行ったときに浮かないように「この方はこういう人だよ」と、様々な前情報もくださいます。とても思いやりがあり、出し惜しみをしない、スケールの大きい方だと感じます。人は何かを「してもらいたい」という意識を持っている人が多いですが、してもらったことはつい忘れてしまうもの。ハイクラスの人は、「自分は誰かに成長させてもらった」という意識が常にあるので、恩送りは習慣の一つです。誰かに親切をするのは当たり前のことなので、「何かをしたこと」は、いちいち覚えていないのも、彼らの特徴です。「先日は◯◯で、お世話になりました」とお礼を申し上げても、それに対して、「え、そうだったかな?」と言われることも。ある程度の年齢になると、大学教授などの育成指導という立場に変わっていかれる方も多いです。ご自分の立場を守ることに意識を持ち続けるのではなく、これまでの恩を次世代につないでいかれるのです。恩送りを忘れないということは、常に感謝の気持ちを持っているということではないでしょうか。人脈は財産。一瞬で築けるものではなく、ご縁をどんどんつないで、いつの間に築かれていくものです。交流会などの特別な場所ではなくても、相手に必要な人を思いついたら、彼らはその場で連絡を取ることもあります。ハイクラスの人は、自分がどのように他人に貢献できるかを考え、人脈だけでなく、知恵や情報も惜しげもなく周囲に提供します。あらゆる分野を網羅されている方は、周りの方々から「タウンページ」と呼ばれていました。ご本人も、「困ったときに自分を思い出してもらえることが嬉しい」とにっこり。「東京からいらっしゃるお客さまには、地元の名物がある大衆割烹がいい」「離婚裁判に強い弁護士さんは知ってる?」「商工会議所の方を紹介してみようか」「マーケティングの本を読んでみたらどう?」「節税の記事見つけたよ、こういう情報探してるって言ってたよね」「おせっかいだけど、参考までに」など、挙げればキリがないほど。ご自分が先に与えることを幸せと感じているのです。

私にとって、忘れられないサプライズの思い出があります。何年も前に、私の母が心筋梗塞を患い、ほとんど植物人間の状態で入院していたときのことです。母はタレントの上沼恵美子さんのことが大好きで、私は耳のそばにラジカセを置いてラジオの音声を聞かせていました。ある日、母の元にCDが届き、聞いてみると、「ひろみさん(母の名前)、お寿司が好きなんだよね。体調が良くなったら一緒に食べに行こうね」と、上沼恵美子さんの声が。同じくして、病院に「上沼恵美子より」と書かれた大きな蘭が届き、病院中が大騒ぎになりました。母の耳元でそのテープを聞かせると、「うん、うん」と笑顔に。感動のサプライズでした。後からお聞きしたことですが、昔に母の世話になった方が関西テレビのプロデューサーをされていて、母が上沼恵美子さんのファンだということを思い出し、ご本人に頼んでくださったのだそうです。ご自身の番組の終了後に、わざわざ音声を録ってくださり、プレゼントとして送ってくださいました。とてもご多用な方なのに、一ファンのためにお時間をくださったことに、今でもとても感謝しています。母は上沼恵美子さんに生きる力をいただき、他の誰かの言葉では反応しなくても、上沼恵美子さんの声には最期まで反応していました。たくさんのファンに愛されている方は、誰も知らないところで、今日も誰かを感動させているのです。ビジネスでもプライベートでも、相手にも自分にも幸せなシチュエーションを考え、それがスムーズに運ぶように、常に段取りを考え、行動しているのです。たとえば、ご家族にプレゼントをするときにも必ず事前リサーチ。奥さまにプレゼントするときには、何を贈ったら喜ぶか、下調べをなさっています。ある食品会社の社長から、「今度妻の誕生日があって、恥ずかしいんだけど、何をもらったら嬉しいか教えてくれる?」と聞かれたときのことです。「奥さまの好みは分かりませんが、私だったらこういうのが好きです」とお答えすると、「あ、それいいね。どうもありがとう!」と喜んで下さいました。奥さまは、すごく幸せだろうなと感じると同時に、家族にも優しい方なんだなと心が温まりました。私にもサプライズしていただいたことも。何気ない会話の中で、「何月生まれの何座?」と聞かれてお答えしたら、誕生日にお花が届いたことがありました。誕生日を祝ってもらえるのは、誰にとっても嬉しいもの。周りの人の誕生日に、缶コーヒーを差し入れるなど、ちょっとしたサプライズを仕掛けてみるのもいいですね。そうした小さなことを、案外人は覚えているものです。

私が仕事で出会った、忘れられない方がいます。それは、元F1レーサーの中嶋悟氏です。神戸市にあるANAクラウンプラザホテルの野外スペースで、レースのスポンサーであるセイコーエプソンのイベントが開催されたときのことです。その頃の私は、数百人規模での大きなステージでの司会は初めてで、かなり緊張していました。中嶋氏はまず来場者に挨拶されたあと、「後ろの方が見えにくいので、一歩ずつ前に、みなさんご協力をお願いします」と、来場者のみなさんがステージを見やすい視線になるように促されたのです。ベテランの今になって分かることですが、本来司会者である私が会場のみなさんに呼びかけてからスタートすべきことでした。主役であるゲストの方に「この司会者、気が利かないな」と思われても当然なのですが、中嶋氏は私の頭をポンと軽くたたいて「大丈夫だよ」のサインをしてくださったのです。「もう、このステージはお預けしよう」という気持ちになりました。駆け出しだった私をこれだけ守ってくださったのは、中島悟氏だけです。甘えさせてもらったことは、プロとして未熟ですが、大船に乗った気持ちで司会を務めることができました。司会の私との対談のときも、「何が聞きたいの?」という感じで、ファンのみなさんが聞きたい内容を、優しくリードして話してくださったことを覚えています。司会の仕事としては恥ずかしいくらい上手くいかなかった私に、終わってからも「ありがとう」という言葉をいただきました。スムーズに事が運ぶように、「見通す力、段取り力、そして機転を利かせる」のはとても大事なこと。それは、ファンの方に喜んでいただきたいという気持ちからきています。中嶋氏は、ファンが喜ぶためのサプライズを仕掛ける天才だなと感じました。自分の持ち場や役割を超え、相手への思いやりでリードしながら、足りないところを補うというやり方。司会者である私やスタッフ、ファンの方々に対する、すべてのふるまいや行動に感動するばかりでした。

ある士業向けの研修に、担当講師の方がキャバクラ嬢のような服装で現れたことがあります。参加者の方々の驚きを隠せない表情が印象的でした。講師という立場上、TPOに合わせたファッションはあると思うのです。場所とお会いする方々に合わせたファッションを考え、リサーチすることは、社会人としても大切なことです。服装だけでなく、お店を選択する場合でもTPOをわきまえるということは、大切なことです。ハイクラスの人は、様々なシーン、TPOに合わせて、上手にお店選びをしています。ちょっと気の張る場所でのパーティーに行く場合は、礼服ではなくてタキシードで決められていると、周りからの視線も集まりますし、とても素敵です。メガネや傘、ハンカチさえぬかりなく、日常用とパーティー用を使い分けている方もいるほどです。あるお座敷での会食のときに、担当の仲居さんが「ひざ掛けを準備しておくようにお聞きしていますので」と、用意してくださっていたことがありました。そういった気遣いは、とても嬉しいものです。また、食材のアレルギーについて先に聞いてくださる方は、お客様もレストランのことも大事になさっているなと感じます。そのお店にどれだけ常連で来られているかも分かりますし、その方の品格も感じます。お店を大事にされていて、お店に「今日はよろしく」と手土産を渡されたところを見たときには、ハイクラスに生きる人の素晴らしさを垣間見た気がしました。それだけで、お店の待遇が全然違ったりするものです。年齢層に合わせたお店選びや部屋のタイプ選びも大切なところです。年齢層の高い方がいらっしゃるときに、カジュアルなイタリアンという選択肢はありませんよね。お店選びは、相手と良い関係を築き、仕事を成功させるための重要なポイントです。たくさんの情報をストックし、場にあったお店を選べるようにしておきましょう。周りにいる、ハイクラスの人にお店を紹介してもらうのも手です。ハイクラスの方々を見ていて思うのは、時代の潮流や流行だけに左右されずに、老舗と呼ばれるお店に身銭を切って行かれていることです。自分はこの店は行かないな、と思っても、どこがなぜ人気があるのか、どういう人が集まっているのか、食材は何を使っているのかなど、知識の引き出しを増やすためにリサーチに行くのです。だからこそ、食の話題にも困らないのですね。とくにデートの場合、「安いから」「美味しいから」だけで選ばないのもポイント。そこは女性目線でものごとを考えると、上手くいきます。女性はお料理の味もさることながら、見栄えの美しさも大事にします。デザートの豊富さや、お料理の凝ったアレンジを目で見て楽しめることが喜ばれます。今の時代だと「インスタ映え」という言葉が流行るくらいですから、写真に撮っても美しいお料理やデザートは、人気があります。お世話になっているボイストレーナーの秋竹朋子氏と食事をしたときに、デザートが乗ったプレートに「正美さん、大好き」と書かれていて、その思いやりとサプライズにとても感動したことがあります。以前、料亭の仲居さんが、「店は奥さんを一番大切にする」とおっしゃっていました。奥さんがダメだと言えば、ご主人は来ませんが、「あのお店にまた行きたいわ」と奥さんに言われたら、ご主人は必ず行くからだそうです。まずは、お店の好みを女性に聞いてみることですね。ハイクラスの人はホテルやレストランの個室を効果的に使います。個室は相手を大事にしている印象を与えることができます。大事な話をされることが多いですし、その配慮も相手に伝わるのではないでしょうか。ホテルやレストランのサービスが、きちんとしているかどうかも大切です。お店の選択肢をたくさん持つことは、自分の武器になります。フレンチならこのお店、和食ならここが良いなど、仕事のすきま時間に楽しみながらリサーチしてみましょう。デートや接待、家族と過ごす時間がより充実したものになるでしょう。接待をしてもらう側の場合は、まずは商談の前に、食の話をすると、場の空気が和やかになります。「いつできたお店ですか?」「このお料理はどんな食材を使われていますか」などと質問すると、相手と会話が弾むきっかけになります。リサーチ力をつけることで、自然とTPOに合ったお店選びや洋服選びができるようになります。ぜひいろいろなものに対してアンテナを張ってください。

ハイクラスの人は、「日々是好日」という言葉をよく使われます。もしその日が雨であっても、「ゴルフ場が助かるよね」「農家にとっては恵みの雨だね」などと、今日一日が最良の日になるように、すべてプラスに変換されます。一日を良くするも悪くするも自分次第、そういう意識があるからこそ、出会った人に分け隔てなく全力で付き合えるのです。「明日は明日の風が吹く」という言葉がありますが、未来にも過去にもとらわれず、「今日一日」を大切にするのです。食事が口に合わなくても、「薬だ」と召し上がることもあります。今日出会った人に、快適に過ごしてもらえるような気遣いを必ずされるのです。それは自分の上司だから、お客様だから、ということだけではなくて、部下や家族に対しても同じことです。人は、肩書きの記号をなくしたときに、どこまで付き合えるのでしょうか。とくに男性はサラリーマン社会の方が多く、肩書きナシの付き合いは難しいのではないでしょうか。同じメーカーの車に乗っていたとしても、ほんの少しのランクの違いを気にするのも男性です。競争社会を生きている男性の、生まれ持ったものなのかもしれません。肩書き、ポジションを外されると人格否定と感じる男性も少なからずいらっしゃいます。肩書きに関係なく人と付き合うためには、「人の肩書きを見ない」習慣を持ちましょう。人と分け隔てなく接することのできる人は、「品格」が違います。品格は隠せません。付け焼き刃では作れないものです。社会的地位にかかわらず、自分で日々、様々なことを意識することで、人は変わります。品格と言えば、「男の品格」をかもし出されていた、直木賞作家で放送作家の故・藤本義一氏の姿を思い出します。「男は肩書きなしで勝負しなさい」と講演会でお話しされ、男の美学を熱く語られました。いささか毒舌な部分もあった講演会でしたが、凛としたブレない姿勢は圧巻でした。すべての語彙に説得力があり、断定的に言い切っておられたので、より説得力が増したのでしょう。ハイクラスの人は、ご自身のことをハイクラスの人とは思っていません。それは、他人が決めることだからです。彼らは、肩書きを気にしません。だからこそ、誰とでも全力で付き合い、肩書きにとらわれることはないのです。肩書きよりも「人」が先であることが大切ですね。

どこを切り取ってもパーフェクトなのに、実は話すととても友好的。私にとって印象深い方は、立命館小学校の副校長だった荒木貴之先生です。荒木先生は、東京都庁の教育委員会や立命館小学校の副校長、河合塾の主席研究員などを経験され、現在は武蔵野大学附属千代田高等学院校長をされています。父兄から「プリンス」と呼ばれるほど、とてもエレガントな先生でした。説明会で先生がお出ましになると、お母さま方から「キャー!」と歓声があがるほど。ふるまいがエレガントで、貴公子的な存在です。姿を拝見しているだけだと、近寄りがたい先生と思っていましたが、お話をさせていただくと、とてもフレンドリー。子供たちを安心してお任せできるという信頼感も持てましたし、寄り添って子供たちのことを考えてくださる先生だと感じました。荒木先生は、ロボットを子供たちに身近に感じさせたいという思いから、レゴと提携して、二足歩行のロボットを1年生から簡単にプログラミングさせる授業を導入されていました。現代の理科離れから子供たちを守るというプロジェクトです。入試説明会やオープンスクールでロボットのデモンストレーションを見ると、男の子はロボットに釘付け、母親たちは先生に釘付けです。もちろん、他にも様々なメソッドがありましたが、荒木先生は立っているだけで、学校の人気に大きな影響力を生み出したのではないかと思います。おかげで子供たちは理科が大好きになりました。創造性や、机上の勉強だけでなくクリエイティブな視点を、荒木先生に養われたと思います。華々しい経歴であるにもかかわらず、ご自身の肩書きを決してひけらかすことをされない、尊敬できる先生です。誰に対しても自らフレンドリーに接しておられますし、素の自分を出されますから、子供にも大人にも好かれ、周囲から慕われる存在となるのです。今は私の子供たちも卒業しましたが、環境が変わってもずっと温かく見守っていただいています。

浪速のロッキーと呼ばれた赤井英和氏、井岡弘樹氏、山口圭司氏、高山勝成氏などを輩出した、名門グリーンツダジムの会長就任披露パーティで司会をしたときのエピソードです。会長に就任された本石氏は、サポートしていた小松氏が不慮の事故で亡くなった時から、「小松の夢、一緒に世界チャンピオンをつくる」とジムを運営して来られました。本石氏はゆったりとした雰囲気、距離感をつかむのがとてもお上手な方です。パーティーの打ち合わせでは「僕は司会のことは分からないので、すべてお任せしますから、何をしてもいいですよ」とおっしゃってくださいました。「お任せします」とボールを投げてくださったおかげで司会に集中でき、のびのびと良いパフォーマンスにシフトすることができました。パーティーは上手くいって盛り上がり、本石氏にもお客様にも大変喜んでいただき、氏の器の大きさを感じました。相手の仕事の領域を大切にすること、個の役割を尊重することは、とても重要なことです。たとえば私の司会の仕事で言えば、距離感を大切にして、一緒に伴走してくださる方の存在は、本当にありがたいものです。ハイクラスの人は、たとえ自分が主役であっても、司会者にテンポを合わせてくださいます。だからこそ、こちらもそれにお応えしようとハイパフォーマンスな司会ができるのです。きっと、会社でも、部下や取引先のテンポをつかむことで、それぞれの得意分野を引き出しているのでしょう。人を信用せず、距離感を大切にすることができない人は、人を自分の思いどおりに支配しようとします。それでは、結果的にうまくいきません。ハイクラスの方が、緊張感を上手くほぐせるのは、人との距離を大切にしているから、一緒にいて居心地の良さを感じさせてくださるのです。距離感が良好だと、ゆったりと時間が流れるような穏やかさを保つことができます。反対に距離感が分からないと、相手を尊重することができず、自分のことを中心に考えて行動してしまいます。距離感を大切にすることは、相手から信頼されることにもつながるのです。

ハイクラスの人が習慣にしていることは、気持ち良くお金を払うことです。彼らはもてなす機会も、もてなされる機会も多いもの。ご自身がもてなす側のときは、相手に支払いのシーンは決して見せません。それがもてなす側のスマートさだからです。とくに会食のときなどは、お店選びから、お料理やコースの金額が分からないようにするなど、徹底されます。講演会のあとスタッフとの会食で「トイレに行きますね」とさりげなくお支払いを済ませていたのは元阪急ブレーブスの監督の故・上田利治さんです。「女に財布を見せるな」とおっしゃっていましたが、昭和の粋な男性のイメージが鮮明に焼き付いています。支払い方ひとつにもセンスを感じます。また、ハイクラスの方は、もてなされるときに、お礼として何か小さなプレゼントを用意するなど、喜びの気持ちを大きく表現されます。たとえば女性が喜ぶ小物であったり、ちょっとしたお菓子であったり。決して相手の負担にならない、金銭的にも負担だと感じさせないもの。それが彼らの心配りであり、思いやりです。もらった側はそんな心遣いを忘れません。日本人はリアクションが苦手です。喜んでいるつもりでも相手に伝わらないと、もったいないですよね。何かプレゼントしたときに「物喜び」ができる人には、また喜んで欲しいと思われ、プレゼントが自然に集まります。皆さんは、いただいたプレゼントをその場で開いていますか?「ありがとう」という普通のリアクションでは、贈り主は「好みでない品物だったのか?」などと余計な心配をしてしまうかもしれません。金額にかかわらず、誰かをもてなすことにお金を使いましょう。そして、もてなされるときには、精一杯嬉しさを表現し、思いやりを持つことが、新たな人との出会いを呼ぶのです。

日本語の「スミマセン」はとても便利で、謝るときも、お礼を言うときにも使われます。しかし、より丁寧な気持ちを相手に伝えるために、「スミマセン」ではなくて、「お願いします」や「恐れ入ります」に変換しましょう。たとえばホテルなどでも、ホテルマンに対して「恐れ入ります」や「お願いします」と声かけをすると、サービスする側も人格を尊重されている感じがするのではないでしょうか。敬意を込めた心地よい言葉を投げかけることで、相手もスムーズに心からサービスしようという気持ちになってくれます。ハイクラスの人は誰に対しても、とにかくフラット。新米だから、お偉いさんだから、ということを抜きにして人と接するのです。彼らはプロに敬意を払い、伝えることを習慣にしています。「恐れ入ります」は、「あなたには、かないません」という意味なので、「あなたはプロだからお任せします」と言っていることと同じです。サービスをしてくれるホテルマンが新入社員であっても、「ワインのお勧めはありますか?」と聞くのは、年齢にかかわらず、相手を信頼しているからです。誰に対しても敬意を払うことで、自分も大切にしてもらえるのです。ワインのことに限らず、仮に知っていることがあっても、「知っている」という態度を取らず、話を聞きます。パナソニックの創業者である松下幸之助氏は、かつて近所の子供たちに「ねえ、おじさん、これ知ってる?」と聞かれると、「知らない。おじさんに教えてくれる?」と、相手が誰であろうと常に教えてもらう姿勢があったそうです。ご自身がスムーズに学び、進んでいくためにも、誰に対しても敬意を払っているということなのでしょう。レストランで、お食事が一皿サーブされるごとに「ありがとう」と丁寧に声をかけている方を見ると、ご家族はとてもハッピーだろうなと感じます。逆にウェイターやウェイトレスさんに大きな態度を取られたり、「上の人間を出せ」と話しているのを見かけると、きっと一事が万事、肩書きなどで他人を見る人なんだろうなと感じ、奥さまはご苦労されているんじゃないか、などと勘ぐってしまいます。なぜ、そんな違いが生まれるのでしょうか。私がハイクラスの方々を見ていて感じるのは、「感謝」と「先に敬意を与える」ことを習慣にされていることです。お掃除の方にも丁寧に声をかけられ、綺麗に使うことができる感謝を相手に伝えているのです。肩書きのある方ほど、「実るほど首を垂れる稲穂かな」を実践されていると感じます。人は勝手に他人をイメージ化します。たとえばお寺の住職なら、きっとお酒は飲まず、品行方正に過ごしているのだろうとか、良い説法を聞かせてもらえるものだというイメージを、人は勝手に持っています。社会的地位の高い方は、きっと忙しく、ともすると気難しがり屋で怖そうなイメージがあります。だからこそ、相手から先に敬意を払われたと感じた人は、意外性を感じ、より相手に報いたいという気持ちがうまれるのです。「ハイクラスの人」は一日にして成らず。お手本にする方をとことんモデリングし、公の場で演じることから始めてみましょう。人は、自分自身をイメージ通りに演じていくことで、それが自分になっていくのです。一足飛びにできるようになるのは難しくても、「スミマセン」の言葉を「お願いします」や「恐れ入ります」に変換するところから始めてみてください。

部下や顧客にいつも明るい未来を見せる。そして、イメージできる言葉で励ます。この二つはハイクラスの人の大切な共通項です。何に対しても果敢にチャレンジする彼らにアドバイスを求めると、必ず「あなたにならできるよ」と後押しをしてくださいます。他にも、「だったら、こうしてみたら?」という方法論を教えてくださったり、「もしこれができたら、こんな未来ができるよ」という『マジック・イフ』のアドバイスをくださることも。誰に対してもフラットに人脈を紹介してくださったり、逆に「できることはない?」と聞いてくださることもあります。相手の言葉を決して否定せず、明るい未来を見せることで、モチベーションを上げるのです。注意をした方がいいのは、「それをしてどうなるの?」とか、「でも・だって・どうせ」という〝魔のDフレーズ〟の言葉を会話の中によく使ってしまう人。「それは無理じゃない?」と言われると、自分がしたいと思っている夢も、「ああ、やっぱり無理なのか」「見ちゃいけない夢なのかな」とあきらめそうになったり、ひいては人格まで否定された気持ちになってしまいませんか?結局「やっぱり無理だった」という状況になってしまうことさえあります。ハイクラスの人は、多くの経験から不可能を可能にする強靭なメンタリティを手に入れているのです。「これはできません」とできない理由を考えることよりも、できる方法を探す考え方にシフトしています。フォーカスする気持ちがあるからこそ、何でも可能になるのでしょう。そのチャレンジ精神が小さい成功の積み重ねになるのではないでしょうか。いきなりのジャンプではなく、きちんと成功のステップを重ねることで、「さぁ、次へ進もう!」と前向きに行動されているのだと思います。皆さんは植松電機の代表取締役、植松努氏をご存じでしょうか?北海道の「下町ロケット」こと植松電機は、本業の電磁石の製造の傍ら、最先端のロケット開発に挑戦し続けている企業です。たった20人の町工場でありながら国内外の研究者の拠点となるなど、常識を超える企業です。植松氏は、TEDという世界的講演会において「思いは招く」のテーマで講演され、今やユーチューブの再生回数が260万回以上を突破した、プレゼンの名手です。私の就職支援のセミナーでは必ずご覧いただき、皆さんから勇気と感動をもらえたと喜んでいただける映像です。ぜひ、大切な方と一緒に、植松氏の映像をご覧ください。植松氏は「できない理由を探すのではなく、できる理由を考えることが大切。それだけで世界が良くなる。『どうせ無理』は簡単に人の可能性や自信を奪ってしまう言葉です。『だったらこうしてみたら?』、この言葉で夢は叶う」と話されています。昨年、植松氏の司会を担当する幸運な機会をいただいたときのことです。植松氏は、北海道から大阪の会場に、作業服でリュックを背負った姿でお越しになりました。重そうなリュックの中身をたずねると、本番で視聴覚機器のトラブルがあってはいけないと、パソコンとプロジェクターが入っていたのには驚きました。プロ意識の高さ、そしてチャーミングな人となりに、ますますファンになりました。植松氏は、常日頃から「こんなことをしてみたい」と夢や希望をご自身が周りに話していらっしゃるので、新しい知恵や人脈がどんどん広がるのです。自分一人だけで夢を温めていても、得策は見当たりません。夢を周りに語ることはとても大事ですが、〝魔のDフレーズ〟の言葉を口にする人に話してしまうと、実現できなくなってしまいます。植松氏のロケット開発が言葉の力を証明したように、できる方法を探すことを習慣にしましょう。

ビジネスモードのオフィシャルなシーンでは、凛とした出で立ち。そんな人物に関心を抱くのは、少年のような可愛らしさが垣間見えるときではないでしょうか。いわゆる〝ギャップ萌え〟をしてしまうときこそ、人となりをうかがい知ることができます。ハイクラスの人は、仕事柄、頼りがいがあって、非の打ちどころがなく、近寄りがたいという存在感をかもし出していることが多いです。ところがプレゼン後の懇親会で、「こんな失敗が毎日の連続で、サザエさんみたいなんですよ」などと言われると、遠い存在で何だか近寄りがたいなと思っていた方でも、「なーんだ、同じ人間なんだ」と親近感を覚えます。私たちはプライベートとビジネスのギャップが大きい人のファンになることもありますよね。たとえば、フォーラムなどで講演やプレゼンをしていらっしゃる間はオフィシャルモード、その後の懇親会で同席させていただくと、プライベートの雰囲気。さき程のオフィシャルモードの来場者の前でプレゼンをしていらっしゃった姿と、プライベートでは全然違うなという印象を受けます。本当はこんなに近い存在なんだと、ここでもギャップを感じることが多いのです。こちらが緊張しているのを分かっているからこそ、ご自身からフランクに話しかけてくださり、緊張をほぐしてくださいます。そんな屈託のない笑顔に癒されることがあり、とても感動します。残念なのは真逆のふるまい。いつもテンパッて、「頑張っている」アピール。確認しようと声をかけようとすると「今、忙しい」という感じのオーラを出されていると、近寄りにくくて遠慮してしまいます。しかし、ハイクラスの人は、「いつでもオッケーですよ」という懐の深さを感じさせます。こちらも何か確認したいことがあるときは、タイミングを見計らった上で、「今、よろしいですか?」とお声がけしますが、「うん、いつでもいいよ!」というお返事が返ってくると驚きます。「聞きたいことは、何でも聞いて」というオープンな姿勢の方が多いと感じます。正に、リアルにそう言っていただいたのは、一昨年のフォーラムの司会を担当したときのことです。その日のゲストは、マツコ・デラックスのアンドロイド「マツコロイド」を開発し、CNNの「世界を変える8人の天才」に選ばれた大阪大学教授の石黒浩さんでした。懇親会では、皆さんが名刺を持ち、石黒さんのそばに列をなしてお待ちでした。講演の後でもお疲れの表情は一切見せず、石黒さんの趣味であるオートバイやファッションのお話を聞かせていただきました。そんな余裕を感じさせるのは、やはり相手とのコミュニケーションを大切にされているからだと思うのです。プライベートな話題を盛り込んで、相手に共感してもらう。どこかに共通項を見つける。「私は特別な人間ではない」という意識づけをするために、自らプライベートな話題を出しながら、相手の緊張をほぐされているのだと感じました。ビジネスの場であっても、仕事の話ばかりをしないところが、より素晴らしいのではないでしょうか。人は、意外性に弱いもの。たとえば、休日明けに会う相手には、休日の楽しみ方を話すなど、自身で共通項を探し出して話題にする方が、ハイクラスの人には多い気がします。「木戸に立てかけし衣食住」という言葉があります。「木」は(気候)、「戸」は(道楽)、「に」は(ニュース)。「た」は旅、「て」(天気)、「か」(家族)、「け」(健康)、「し」(仕事)、といったように、話題を引き出す頭文字です。共通項のボールを投げて、まずは共感を得てからビジネスの話をしてみましょう。雑談の中から相手の思考や、好きなもの、喜ぶことも分かるかもしれません。

色眼鏡を通して、「この人ならば、すべて説明しなくても大丈夫」と偏った判断をしてしまい、伝えたつもりが伝わっていなかった。そんな経験はありませんか。日本には「以心伝心」という美しい文化があります。ただ、すべてのコミュニケーションがそのように上手くいくかというと、必ずしもそうではありません。「分かってくれているだろうから」と、身近な人になるほど、言葉に手を抜いてしまいます。自分の常識は相手の非常識。思い込みは伝わらないのです。以心伝心に頼らず、聞き手が絵でイメージできるほどに具体的な言葉でボールを投げると、より良いコミュニケーションを確立できるのではないでしょうか。たとえ伝わらなかったとしても、相手が悪い、伝えたつもりなのに違うとイライラしないことです。コミュニケーションでは、双方向で同じ気持ちになれるように、多様なボールを投げ続けて、共感できるようにします。聞き手が起こしたアクションが、あなたのコミュニケーションの結果です。誤解が生じないように、根気よくボールを投げ続けることが大事です。伝わるように伝える努力をするのです。たとえ話が得意な方の話は分かりやすいですよね。芸能人でたとえ話が見事な方は、明石家さんまさんです。ゲストが一般人でも芸能人でも容赦なく、その人のお顔のたとえを見事に言い切ります。「アダムスファミリーのお母さんみたいやな」「その頭、ガイコツに海苔貼って来たんか?」さんまさんのたとえが秀逸すぎて、言われた方も大笑い。色眼鏡と言いましたが、育った環境、性別、価値観、そして地域性の違いもとても大きいと感じます。たとえば、お年寄りは時間の流れが違います。何か頼みごとをするときは、理由などを長々と伝えても伝わりません。「何時に、どこそこにお願いします」というような、端的なキーワードの方が伝わりやすいです。難しいことを常にわかりやすくロジカルに、シンプルに伝えるチャンピオンは、やはり池上彰さんです。未知の話題でも引き込まれるのは、相手の知識レベルに合った言葉選びがあるからこそなのでしょう。ハイクラスの人はそれが常にできていて、相手によって伝え方を変えています。「普通は分かるだろう」と思っていたとしても、あなたの普通と相手の普通は違います。その大きな差が、日本と欧米の違いだと言われています。マルチに活躍される方は、講演やプレゼンなどで専門用語が出ると、「分かるかな?これは、こういう意味だよ」と、一つ一つ確認を取ってくださいます。もちろん私なりに調べていきますが、専門的なことは落とし込みができないこともあります。それに対して質問をしても、分かるまで根気よく教えてくださるので、こちらの熱量も高まります。人に伝えることに手を抜かないのは、きっと経験から来ているのでしょう。惜しまず伝え続けることは、それほど大切なことなのです。時間がかかるかもしれないけれども、その惜しまない時間があるからこそ、結果的にはそのほうが事が速く進むのです。

誰かとお会いする約束をしたなら、できるだけ事前準備をする習慣を身につけておきましょう。出会う前に相手の経歴、趣味や好きなものから、自分の趣味や嗜好との共通点を見つけ、最初のコミュニケーションの糸口になることを調べておきます。そうすると、相手に「自分のことを理解して、打ち合わせの場に臨んでくれた」と感じて、喜んでくれ、最初の取り掛かりがとても早くなります。以前、私のフェイスブックのプロフィールを見てくださっていた方が、「吉田さんの子どもさんはフェンシングをされているんですね」と話してこられ、驚いたことがありました。こちらの方が下調べや準備をしておかなければいけないのに、ハイクラスの人はそれ以上に、会う人を大切にして、どんな人かを調べてくださっているのです。きっと多くの方のリサーチをなさっているのでしょう。家族構成や仕事の背景までリサーチしてくださっていることに驚いたことが、何度もあります。彼らは、私たちが考える以上に多くの方々と会われていますから、もしかすると秘書がリサーチをされているのかもしれません。ボスのことを把握されていればこそ、人を喜ばせる準備をしっかりされているのでしょう。初対面に限らず、共通点や相手が大切にしていること、相手のポリシーなどを知っておくことも大事にされています。そうすると地雷を踏まないですみますし、知らない間に相手を傷つけることのないよう、繊細な部分にも、とても気を遣われているのです。「司会者として、困ることがあれば、先に教えてください」と聞いてくださった方もいました。その方は夜回り先生として功績を残していらっしゃる教育評論家の水谷修氏です。「話すとプロとすぐにわかりました。信頼しています」。水谷氏のその一言で安心すると同時に期待にお応えしようと気持ちが高まりました。私は会社の竣工披露などの、お祝い事のイベント司会が多いのですが、来賓のお客様が楽しんでいただくのに、「余興は何がいいですか?」などと会長自らが尋ねてこられることがあります。それは、来ていただいた方に楽しんで帰っていただこうという気遣いなのです。「もう少しくだけた感じでいくのでしたら、事前にノリの良い方とお伝えした方がいいですか?」などと、会長自ら聞いてくださったのです。「時間が余ったら、この方にインタビューに行ってもらっても構いません」と、そういう仕込みまでしっかりされていました。同志として対応してくださったことに、頭が下がります。

あなたの周りに、どんな場所でもユーモアを忘れない、素敵な人はいませんか。そこに頭の良さ、回転の良さを感じますよね。司会で何度かご一緒した板東英二さんは、コメントの返しが実にウイットに富み、聴衆を退屈させない方です。ダブル司会は息が合わないと上手く進みません。私がアシスタント的な立ち位置でと控えていると、「大いに目立ってください」と返答しやすいユーモアを交えて質問攻めに遭いました。嫌味のない言葉の選び方は、まるでアメリカのコミックショーをご一緒に体験できたような、私にとって忘れられない貴重な経験でした。話の中にユーモアを取り入れることで、聴衆との距離がグッと近くなります。初めは椅子の背にもたれている聴衆の方々も、スピーカーがユーモアをもって話されていると、次第に姿勢が前のめりになっていくものです。講演はライブですから、なお、話し手の情熱が伝わるのかもしれません。話し上手な人はどこでユーモアある話し方を学んでいるのでしょう?実は、ハイクラスの方々には、落語をよく聞くという方が非常に多いです。落語は同じ演目でも演者によって味わいが違ってくるので、非言語コミュニケーションや、表情、緩急のつけ方、間などを勉強するために、移動中の時間を使って聞いていらっしゃるそうです。「そのユーモアはどこから出てくるのですか?」とハイクラスの方にお聞きすると、「落語のオチ」を使ったり、「自分の失敗体験をユーモアに変えたりしてお届けしています」と答えが返ってきます。だからこそ、人を巻き込む力があるのだと感じます。学術的なお話のときや昼一番の講演は、「寝かすものか」という感じで、眠そうにしている聴衆の方がいらっしゃったら、魅きつけるためにユーモアをもって話されます。ユーモアの引き出しをたくさん持つために、落語を聞いてみましょう。ユーモアの引き出しが多いと、自身の大きな武器になります。ユーモアも一日にして成らず。常にアンテナを張っているからこそできることですね。

「学ぶ姿勢」のお話で印象深いのは、池上彰氏の講演で聞いたエピソードです。池上氏のお父さまが病床につかれたときに、息子である池上氏に「広辞苑を買ってきてくれ」と言われたそうです。年齢を重ね、病床にいてもなお、語彙力を増やしたり、「?」をつぶしたりと、いくつになってもずっと学び続けられているのです。私はその姿勢に感動しました。常に学びを止めないのは、学ぶことを休むと進化が止まることをご存じだからでしょう。いくつになっても知的好奇心を失うことなく、学ぶ姿勢を崩さない習慣を身につけたいものです。ハイクラスの方々も、自分の専門分野に特化して、こだわりの職人のように常に知識を追求しています。たとえば、「行政書士ならこの人」、「事故に強い弁護士ならこの人」、「二代目専門のビジネスコンサルタントならこの人」などと言われるように、この分野では誰にも負けない、という強みを見つけてみませんか。その分野のプロフェッショナルは、前を走る者として寝る間も惜しんで人一倍努力をされています。その分野に関して、人から「もう、いいんじゃないの?」と思われても、何十年と研究した結果、ノーベル賞に結びつくこともあるのです。研究の分野は、あきらめたくなるような苦労の連続だと思いますが、何があってもめげずに、ずっと特化して研究していらっしゃるからこそ、花が開くのでしょう。「その分野のプロ」は、これと決めたら納得いくまで追求されます。経験だけでは推し測れない、データに基づいた分析をしながら、前に進む姿勢を貫いているのです。学ぶ姿勢を崩さないというのは、難しいことかもしれません。赤ちゃんは何事にも興味があって、舌で確かめたり、手で触って確かめてみたりしますね。冒頭の池上氏のお父様のように、知識欲旺盛な方は童心のように学ばれます。「これ何だろう?」という「?」を常に意識し、クリアすることを快感に思っています。自分が納得するまで解釈できないとダメと考え、人に上手に伝えられると思えるほどに、学ばないと気がすまないのでしょう。人に伝えることは、一番難しいことですし、咀嚼してからでなければできません。浅く広くではなく、深く広く世界を見渡すために、妥協を許さない学び方をされ、誇りを持って勉強するのが、ハイクラスの人なのです。

ハイクラスの人は、メールの返信の速さも群を抜いています。レスポンスが遅くなる場合は、丁寧に「後でしっかり読み込んでからお返事しますね」という経過報告を必ずくださいます。決して相手をぞんざいに扱いません。これは私の憶測ですが、エグゼクティブは日々多忙で時間がないからこそ、メールに素早く対応して、常に仕事を溜めないことを心がけていらっしゃるのではないでしょうか。「今、この瞬間」を大事にしながら、仕事をスピーディーに進めているのです。何より意思決定が早く、メールも簡潔で、無駄に長い文章ではありません。ここにも思いやりがうかがえます。後回しにしない習慣を身につけておられるのでしょう。ハイクラスの人のレスポンスの速さは、嬉しいサプライズでもあります。ぐっと心をつかまれますし、すぐにお返事をいただければ、本番までに時間の猶予ができるということ。やり取りの中で内容の精度も上げることができます。本番に備えて、良い形にしていくためにレスポンスを速くしているのです。相手とのやり取りを優先させることで、相手を大切にしている気持ちを伝えることもできるのです。第6章でもご登場いただく仲野孝明氏は、今回の執筆にあたり原稿の確認をお願いしたところ、翌日には加筆・修正をいただきました。ご自身も大著を執筆なさったご経験から、私の文章が見違えるほどになり、大変助けていただきました。仕事を進めていく中で、信頼を得ることは何よりも大事なことです。その中の一つが、やり取りのスピーディーさや丁寧さではないでしょうか。信頼を失くしてしまうことのないように、どんな連絡に対してもレスポンスの速さを心がけること。忙しいと後回しになりがちですが、忙しい人もそうでない人も、一日の時間は平等です。そのことを忘れず、レスポンスの速さを習慣にしたいものです。

男性も女性も、とくに40歳を過ぎると様々な経験値が増してくるので、人前で恥をかくことを頑なに拒否される方が多いと感じます。恥は成長の証。「恥をかいちゃった!」と、恥を笑いに変える、切り替えのメンタルが見事だなと思ったエピソードがあります。昨年、フェンシングのオリンピック銀メダリストである太田雄貴氏の講演会に参加する機会がありました。日本にフェンシングというスポーツの知名度を高め、多大な貢献をされた方です。演題は「夢を叶えるために」。講演の中で、2020年の東京オリンピック招致のためのプレゼンに参加された話をしてくださいました。プレゼンをするときの原稿は、丸暗記され、IOCのメンバーと積極的にコミュニケーションを図ったそうです。太田氏は31歳でフェンシング協会の会長と、国際フェンシング連盟の理事になられました。理事についた理由は、日本人の理事がいないところで、日本人に不利なルールが決められる可能性が、少なからずあるからだそうです。実際にそんな場面になったときに「日本人に不利なルールだから、メダルが獲れないのは仕方ないよね」とは思いたくないため、僕はあえて理事になりました、と言われていました。「とにかく、まずはやってみる。恥をかいても一瞬のことだし、潔さというのも必要である」というお話もされていました。太田氏はオリンピックで負けたときに、あるコーチについた人がどんどんメダルを獲っていくのを目の当たりにして、「僕はもっとメダルが獲りたい、僕を犬にしてください(何でもします)」とそのコーチに頼み込んだのだそうです。若くしてメダルを獲っていたので、プライドが邪魔したけれども、それよりも自分の成長を賭けたのです。太田氏は実際にそのコーチについて、北京オリンピックで銀メダルを取られました。31歳という短い経験値の中で、そこでへこたれずに、どんどん恥をかきながら、前に前に進んでいく行動力の素晴らしさに私は感動しました。太田氏の「手段が目的に変わると、人の進化は止まる」という言葉が心に残っています。オリンピックでメダルを獲ることが目的に変わってしまうと、人としての進化が止まってしまう。メダルを獲ることがゴールではなくて、その先に見える精神の発達や後輩の人材育成、そしてフェンシングをもっと世の中の人に知ってほしいという気持ちにつなげていきたい、と話していました。太田氏は、お父様にフェンシングを勧められたのだそうです。高校時代にフェンシングをされていたお父様と、土日に練習をするのが楽しみで、褒めてもらいたかったと話されていました。では、何を習慣にすれば失敗を恐れなくなるのでしょうか?『聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥』という言葉もありますが、人間いくつになっても知らないことはまだまだあります。つい、知ったかぶりしようとしてしまうものですが、人に頭を下げながら「教えてください」と教えを乞うのは、実は相手をリードをし、イニシアティブを取っているのです。まだまだ成長できると信じ、自分自身の限界を突破して、その先に行くという覚悟を決めることが大切なのではないでしょうか。恥を笑いに変えてしまう精神でトライしてみると、大きな道が開ける。やった後悔よりもやらなかった後悔の方が大きいと言います。たとえ失敗したとしても、いずれ大きく変わるためのチャンスです。

ハイクラスの人は仕事の上で、一人で多くのジャッジをしなければいけない立場にいます。たとえば人材や経営方針について、最終の決定権はトップにゆだねられます。また、何かしらトラブルがあったとしても、最善を尽くすために、あらゆる判断が求められます。彼らを見ていて驚くのは、まず何があっても人のせいにしないこと。自分の決めたことに覚悟を持っていることです。大きな壁が立ちはだかったり、大きな問題が起こったりしても、時期が悪かったとか、あいつが失敗したからだという言葉は、決して口にはされません。これが解決したら次はどうなっているのだろうかと、逆に変化を楽しんでいるのです。男前だと感じます。ピンチをチャンスに変えることの例として、ブータンに伝わる龍の話があります。ブータン王国は、国民の幸福度が世界一高いことで有名です。これは2011年に東日本大震災で被災した福島県の小学校を、国王が訪問された際のお話です。「皆さんは龍を見たことがありますか?龍は何を食べて大きくなるのかを知っていますか?経験を食べて生きています。私たち一人ひとりの中に人格という名の龍が住んでいます。その龍は年を取り、経験を食べるほど強く大きくなっていきます。人は、経験を糧にして、強くなることができます。そして何より大切なことは、自分の龍を鍛えて、きちんとコントロールすることです」変化が訪れたときには、内省するチャンスと捉えることを、国王は生徒たちに伝えたのです。失敗を変化と捉えることを楽しめたら、人生は好転します。変化を楽しむところまで習慣にすることは時間がかかるかもしれませんが、自分の中の龍を鍛えることで、困難を乗り越えることが、きっと苦にならなくなるはずです。ハイクラスの人は、自身の確固たるビジョンや目標を掲げているからこそ、変化を楽しむ余裕が生まれるのでしょう。これを乗り越えたら大きな進歩が待っているとか、手応えがあるなどと、見通しをもって行動しているのです。ピンチのときこそ、自分自身が心の在り方を変革する時期と内省されるところが、ハイクラスの人の特徴です。彼らは、変わるべき時期と感じたらアクセルを踏むので、どんどん成長していくのでしょう。フラットな人生よりも、ジェットコースターのような人生を望み、波に乗るためには何が必要なのか、そういうことを楽しんで考えるのです。そうなるためには決して平坦な道ではなかったでしょうが、ハイクラスの人は自分を信じていらっしゃるのです。何が来ても、何が起こっても大丈夫だと。

「チャンスの神様」という言葉を聞いたことはありますか。物すごいスピードで走り抜ける上に前髪しか生えていない神様です。髪をつかみそこねたら最後、チャンスをうっかり逃してしまうのです。いつチャンスが目の前に現れても、そのチャンスの波に乗れるよう準備しましょう。ハイクラスの人々は、常に用意周到。人脈や情報を目先の損得勘定で行動するのではなく、出会う情報と人脈を常に大切にし、チャンスの波に乗れる準備をしています。周りから得た知恵を、「良い話だな」で終わらせず、すぐに実践することで、ご自分の宝にしているのです。「それ、何?教えてくれる?」「こういう人はいない?」と素直に聞ける人、自ら情報を取りに行ける人は、ハイクラスの人になれます。自分の知識だけではいずれ行き詰まってしまいます。あるイベントで司会をさせていただいたときに、外国人力士で初優勝した高見山大五郎氏から、屈託のない可愛い笑顔で「こんなお店、知らない?」と聞かれました。聞いてもらえたことが嬉しくて、頑張ってお店を探しました。ちゃんこ鍋、焼肉とお相撲さんのお口に合うようにリサーチしたのを覚えています。「アサーティブ・コミュニケーション」という言葉があります。誰かに何かを頼むことがあるときは、「これをしてね」ではなく、「こうしてもらっていい?」と依頼すると、人は動いてくれる。そんな話があります。ハイクラスの方は、地方に行ったら美味しいお店などは地元の人に聞いた方が抜かりがないということを、知っているのです。結局、人に聞くことが、最も時間を無駄にしなくてもすむのです。人に教えてもらうことで、知らなかった良いお店を教えてもらったり、人脈をつないでもらったりもできるからです。他にも、ハイクラスの人からは様々なことを聞かれます。「こういうときのマナーはどうしたらいいの?」「これは、どうやって書くの?」「招待状の、返事の言葉はこれでいい?」「覚えるから、書き方を教えてくれる?」などと、必死に聞いてくださる姿勢を何より嬉しく感じます。私よりもっと人脈がある方でも「誰か、こういう人知らない?」と聞いてくださいます。ご自身でどんどん聞いて、会いたいと思った人には会いに行かれるのです。「はい、あなたのおっしゃるとおりです」という〝右にならえ〟の方が物事は円滑に回る場合もありますが、彼らは違います。自ら、「こんな情報はないですか?」「こういう人を紹介していただけませんか?」と待ちの姿勢をとりません。ハイクラスの人になるには、得た情報をそのまま放置せず、すぐに行動して血肉にすることです。情報と人脈で仕事をする地図ができるので、ビジネスもプライベートも回っていくのでしょう。いつでもチャンスの波に乗れるように準備しておくためには、何を習慣にしておけば良いのでしょうか。まず、「チャンスは人からしか来ない」ことを自覚しておくことが大切です。自分の目の前の人をいつも大切にしていますか?ビジネスにつながるかどうかは関係なく、一人の人として尊重しているでしょうか。面白いことに、仕事につながるかもと考えて参加した異業種交流会などでは何も生まれず、「え、この人から仕事の依頼?」と驚くようなつながりから仕事が来ることがありますね。常に自己を研鑽して、目の前の人を大切にし、チャンスが来たときに、すぐに「できます」と、チャンスの波に乗れる状態にしておくことが大事なのです。私の場合は、少しハードルが高く感じる仕事が来ると、背伸びして「できます」とお返事して、猛ダッシュで走ります。自分のことは分からないけれども、人から「こういう風にしたらいいんじゃない?」と言っていただけたら、それを素直に聞いて知恵をいただく。自分の努力もあるけれど、情報と人脈で何とかなるものです。人脈は多いから良い、というものではありません。そこからの取捨選択をどのようにしていくかが大切です。何百人に会っていても、結局自分とご縁のある人しか残っていきません。

私の中で、自己投資を怠らないハイクラスの人といえば、オリックス生命保険株式会社のプロフィットマネジメント本部長である、小林健氏です。小林氏は、会社全体の経営を俯瞰する重要な仕事を任されています。出会ったきっかけは、大阪支社長時代に知人たちとの食事会でご一緒したことです。以前私は、東京での一大イベントである、カリスマボイストレーナーの秋竹朋子氏とのコラボセミナーにお誘いしました。小林氏はその当時、社内で営業推進部門を担当していらっしゃり、部下の方々を連れて来てくださったのです。部下の方々に、「これからは、ヒューマンスキルが大事だから、よく見ておくように」と言われていたのが印象に残っています。ヒューマンスキルとは、文章や会話でのコミュニケーションに加え、対立する意見の調整をしたり、部下のモチベーションを上げるなど、様々なところで役立つ能力のことです。その後、生命保険代理店の方向けのセミナー講師養成研修の一つに、ヒューマンスキルを入れてくださったのです。小林氏から、「これまでの研修で何かが足りないと思っていたが、それはヒューマンスキルだ。保険はどこの保険会社に加入しても同じだから、要はお客様に好きになってもらうことが一番大事。結局は人なんだ」と言っていただきました。社内からは「なぜ、ヒューマンスキルなのか?」と聞かれたり、すぐに結果が出るものではないので、社内稟議はなかなか通らなかったそうです。それでも、ヒューマンスキルの必要性を熱心に説いて回り、社内稟議を通してくださいました。現在ではこのセミナーは各拠点で開催されており、小林氏は今は社長の近くで、生き生きと出世を遂げています。ハイクラスの人は「学び」と「見た目」を常に意識し、投資されています。良いと思ったセミナーなどには自費で参加し、人の価値観に触れることを大切に考えるのです。さらに、外見も、人からどう見られているかを意識し、常により良くする努力を怠りません。私が、知人のカラーコーディネーターにカラー診断を受けているところをフェイスブックで投稿したときのこと。すぐに小林氏から、「カラーコーディネートの先生を紹介してください」とお話がありました。職位に合った自分に似合うカラーを知っておくことも大事だと思ってのことでした。私はカラーのプロではありませんが、「いつも自分をプレゼンすることが大事」だと思ってます。自分が周囲にどのように見られたいのかを意識することが大切だからです。凛として見られたいのか、優しく見られたいのか。あるいはツヤがあるように見られたいのか、方向性を定めましょう。研修でも、動きの早い受講生からは「カラーの先生を紹介してください」と依頼がありました。そういう方は、やはり実績を上げています。あるファイナンシャルプランナーの男性に聞いた話では、お客様の性別に合わせて、シャツの色を変えると話していました。ライフプランの設計書を奥様にご提案する時には、親近感を演出するために、穏やかな顔映りがする暖色系のシャツを。ご主人様との契約の際には、凛とした寒色系のコーディネートで真面目さを演出するそうです。雑誌に書かれていたので実践したところ、契約数が驚くほど増えたと話していました。学びはいつからでもスタートできます。知識、見た目、あなたが必要だと感じたもの、興味のあるものから手をつけてみてはいかがでしょうか。自己投資に妥協はありません。あなたの職位が上がったら、それ相応の投資が必要です。ハイクラスの人も、常に次のステージに行くために自己投資を続けています。「自己投資」=「自分の成長」だと知っていらっしゃるからですね。自分を高めるためにも、他人の視点を取り入れてみましょう。

アメリカの教育学者、ピーター・クライン氏が起こした教育改革のための実験があります。荒れた学校に通う、親からネグレクトを受けたり、貧困な環境で育っている生徒たちに、24時間以内に起こった3つの良いこと(Good)、それから3つの気づき(New)を話してもらう、という試みです。最初は自己承認がされていない子供たちに全く響かず、「先生(ピーター)は何を言ってるんだ?」と、教室はしらけていました。けれども、毎日それを続けることによって、教室に変化が起きたのです。ある日、「ジョンがね、おばあさんの手を引いて横断歩道を渡っていたよ」と話す生徒が現れ、「じゃあ、僕も」「私もあるよ」と少しずつ広がっていきました。その結果、生徒たちに自信がつき、学力が上がり、人にも優しくなれて、承認欲求が満たされていったのです。ゲーム感覚でプラス思考を取り入れている学校も多いそうです。日常生活が当たり前になると感謝をすることが減り、人は足ることを知らなくなってしまいます。小さな幸せ探しを積極的にしてみてください。ハイクラスの人は、この「Good&New」を取り入れることを習慣にしています。良いところを探す、新しい気づきを毎日探す。「ここは少し嫌だな」と思うことがあっても、何か気づきはないかと探すのです。たとえ「この場所は嫌だな」と思ったところでも、どうせ同じ時間を過ごすなら楽しい方がいいですよね。そこに綺麗な女性がいるとか、面白いと感じる場所を見つけるとか、どんなことでも楽しい時間に変えることが大切です。まずは、小さな「Good」を見つけることから始めましょう。嫌な気持ちのままで終わらせるのは、もったいないと思いませんか。嫌な場面に出会ったとしても、しらけるような態度をされたり、そんな言葉を発するのはNG。「Good&New」を探して、捉え方を切り替えることを習慣にしましょう。逆に「Bad&Old」、悪くて古い話をすると、場がしらけてしまいます。今日も一日、無事に健康で過ごせたことは、一つの「Good」です。日々の雑事に追われる中での健康のありがたみは、病気をしなければ分からないものです。それを書き出したり人に話したりすることで、当たり前のことに感謝できる、そんな習慣になるのではないでしょうか。それを続けることで、日々の雑事の中からも楽しみを探す天才になれるのだと思います。

アップルの共同設立者である故・スティーブ・ジョブズ氏は、黒いタートルネックにジーンズ、というコーディネートを毎日着用していました。毎朝、服装に迷う時間を徹底的に省いたのです。ちなみにこのタートルネックは「イッセイ・ミヤケ」のオーダーメイドで、膨大な数を定期的に注文していたそうです。ハイクラスの人は、タイムマネジメントが完璧で、無駄な時間を持ちません。事前準備がぬかりなく、すべてが雑ではないのです。丁寧にヒアリングをし、ご自身からも情報を提供してくれるので、打ち合わせも一度ですみ、無駄が省けます。本番のパフォーマンスのために、何をどう進めることが大切なのかを事前にシミュレーションして臨んでいるのです。ハイクラスの人がよく口にするのは、「時間は平等だ」ということです。時間だけは、すべての人間に平等に分け与えられたもの。まずは優先順位を正確に定義し、何倍もの集中力で、打ち合わせの生産性を上げるということに意識を向けているのです。行動パターンも会話もシンプルで、すべてにおいて無駄がありません。たとえば5人で打ち合わせをする場合は、5人分の時間を拘束することになります。ジョブズ氏は打ち合わせの人数を最小限にし、議論に集中するためにプレゼンツールを禁止するなど、合理性を高めました。タスクが多い分、後ろの予定に影響しないよう工夫されたのでしょう。私の経験では、忙しい方ほど打ち合わせの最中にも、「この後のご予定は?」と聞いてくださることが多く、自分の時間も大切にしながら、相手の時間にも気を遣ってくださっていることが分かりました。また、相手に情報を伝えるときに必要なことは、一番伝えたいことをシンプルに伝えるということです。人に何か伝えたいときや、聞いてほしいことがあるときは、「話の出口」を意識することが大事です。そのスキルをお持ちだったのが、元プロ野球選手で解説者、評論家の江夏豊氏でした。控え室に打ち合わせにお伺いした際に、野球に詳しくない私の表情を読み取っておられたのでしょう。江夏氏は、さすが解説者だけあります。情景が浮かぶような結論から話してくださり、「結論→内容→結論」と、内容を結論でサンドイッチすることで、わかりやすく教えてくださいました。先にあげたジョブズ氏など、ハイクラスの人は、禅の教えを大事にしていらっしゃる方が多いです。所作でも無駄を省くことで美しく見えるところは、禅の教えが生きているからかもしれません。最短距離のパフォーマンスを意識すると、少しずつ無駄を省いていけるでしょう。

今話題になっている「アンガーマネジメント」という言葉を聞いたことはありませんか?アンガーマネジメントとは、「怒りを俯瞰して、自分の怒りを処理する術を知る」ことです。つまり、こころの生産性がいかに大切かに、多くのハイクラスの人が注目しているのです。まずは自分が怒りやすいポイントや傾向を知ることで、自分を俯瞰することができます。あなたは、自分自身の怒りのポイントや傾向を知っていますか?たとえば、飲食店で並んだり、人との待ち合わせで待たされたり……。上から目線でモノを言われたりすると、つい人は腹を立ててしまうもの。それらが実際に起こったときに、「今、こういうことで怒っている」と自身の姿を認めることで、客観的に自分を見つめることができます。自己客観性の高い人は、怒りを深呼吸で逃したり、怒りから目をそらすことが得意です。腹が立ったことを、無理に思い返して自分を傷つけたりせず、上手く怒りを逃して、気持ちをコントロールしているのです。それらを身につけることができれば、いつもフラットな、健康的な感情でいることができます。時々、テレビなどで野次を受けている政治家を見たことがありませんか?その野次に対抗している人、うまく流している人など、様々な対応が見て取れると思います。たとえば、小池百合子氏は野次を受けてもニコッと笑顔で返されたりと、毅然とした対応をされています。見ている側は「動揺されているだろうな」と思えても、上手くかわされますね。アンガーマネジメントは自分のためだけに使うのではなく、自分に関わる人の怒りのポイントを見抜くときにも使うことができます。「この人は、これをされると嫌なんだな」という部分を理解し、大切な人の気持ちの地雷を踏まないようにする術も学んでいるということです。PRイベントなどで、ハイクラスの人が来賓として登壇される場合、会場が野外で誰からでも見られる状況では、ときに野次が飛ぶこともあります。秘書がピリピリしていても、ご本人は「そうですね、ありがとうございます」と上手くかわしています。ストレスフルな状況にあっても、その場で自分をしっかり分析し、深呼吸。すぐに反応せず、間を置いて自分を落ち着かせてから、お話をされます。実は、怒りのピークは長くて6秒といわれています。怒りに固執しなければ、無駄に悲しまなくてすみます。怒りを瞬時に受け流せるかどうかが、ハイクラスの人になれるか、なれないかの分かれ道ともいえるのです。実際にそうなるまでには時間がかかるかもしれませんが、アンガーマネジメントは誰でも身につけることができるものです。まずは自分自身を客観的に見て、どんなときに腹が立つのかを知っておくことが大切です。怒りのクセ、怒りのポイントを知っておき、対処法をわきまえることで、とっさのときの対応力はケタ違いに上がります。とっさのときにどのような対応をするかは、案外人が見ています。どんなときもスマートな対応ができるように、習慣にしたいですね。

「瞑想」と言うと、自分には関係ない話だと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、グーグルやヤフー、米国海軍も研修プログラムに「瞑想」を取り入れています。「瞑想」の効用は、世界から注目されているのです。以前、京都市にある妙心寺の退蔵院を訪れたときに、松山大耕副住職のお話を聞く機会がありました。松山氏は、東京大学大学院を修了した後、妙心寺を継ぎ、日本の禅宗を代表して前ローマ教皇に謁見。日本の若手宗教家を代表してダライ・ラマ14世と会談し、ダボス会議にも出席するなど、世界の宗教家やリーダーと交流されてきました。ハイクラスの人々は日頃から、巨額の事業や決裁の判断を強いられます。「いつも心がフラットでないと重要な判断ができないから、周囲に流されてはいけない。そのために、瞑想でしっかり自分と向き合っている」と松山氏が話されていたのが印象的でした。忙中閑ありで、忙しい中にもそういう時間を取って、瞑想をされ、自分を無にすることを大事にされているそうです。ハイクラスの方には瞑想をされている方がとても多いのに驚きます。とくに朝は、無になる時間を取っていると伺います。意識的に自分に向き合い、呼吸や自律神経を整えることはとても大事なことです。忙しいと息が浅くなり、頭が酸欠状態になってしまいます。気づいたときに一息つくことを意識しながら、オンとオフをきっちり切り替えていきましょう。呼吸を整えると心も整います。まずは、息を吐くことを意識することが大切です。私も緊張する本番前には、息を何度も大きく吐き、呼吸を整えます。すると心拍数も落ち着き、安定した呼吸で本番に臨めます。毎日、朝晩に一度はゆっくり目を閉じ、呼吸に意識を向けてはいかがでしょうか。

ハイクラスの人々は、「必要とされることは、ありがたい」が口癖です。「お時間は大丈夫ですか?」と伺っても、「意外とヒマなんですよ、いつでも声をかけてくださいね」と言われることも多々あります。「忙しい」という言葉は、なぜか聞くことがありません。「忙しい」という字は、心を亡くす、と書きます。そして「忘れる」という字も心を亡くします。彼らは言霊を意識していて、「忙しい」という言葉を使うと自分も心を亡くすし、相手も心を亡くすという考えなのでしょう。残念ながら、「忙しい」という言葉を多用される方は、〝忙しいアピール〟が必要なことだと勘違いされているのかもしれませんね。本当に忙しい人ほど、「忙しい」という言葉を使われません。いつも「わたし、忙しくって」と言っている人は、単に自分を認めてほしいのではないでしょうか。どんなに大変な状況でも、決して「忙しい」とは言わない、私の尊敬する人がいます。関西では有名な老舗〝おんちうどん〟の、恩地食品株式会社の相談役、恩地未通子氏です。私の中では、第二の母のように慕っている方です。私は地元の商工会議所の女性会でお世話になっているのですが、恩地氏は昔から多くの方々のお世話役をされています。会社の相談役以外にも、こども食堂などの奉仕団体に食品を寄付なさり、みんなのお姉さん的存在で、常に多くの方の相談に乗っておられます。恩地氏は絶対に他人のことを否定されません。いたらないところがあったとしても、いつでも「大丈夫よ」と微笑んでくれます。以前、女性同士のグループで、反りが合わない相手を前にすると、すぐに表情や言葉に出してしまう方がいらっしゃいました。そんな時にも穏やかに事が運ぶよう、即座に相手をフォローするのです。「あの人は、悪い人ではないですよ。思っているほどややこしい人ではないですから大丈夫ですよ」恩地さんの一言で、私の心は和みました。ご多用な人ほどゆったりとした貫禄や落ち着きをかもし出しているので、多くの出会いがあるのでしょう。恩地氏は、持ち前の温かさと優しさで、ひと目で誰もをファンにしてしまう魅力がある方です。彼女の行くところに、みんながついていってしまいます。どこに行っても周りに気を遣い、声をかけられるその姿を女性として尊敬すると同時に、私が人として目指す存在でもあります。

ビジネスでもプライベートでも、人は成長することで価値観が変わります。価値観が変わると、人間関係も変わります。ハイクラスの人は自分の価値観を相手に押し付けることはありません。周りを変えるのではなく、人間関係を変えるのです。自分の成長のために、これまでの人間関係を卒業し、新たなステップへ向かうのです。そういうときには、暗黙の了解で静かにその人間関係を卒業されます。ハイクラスの人々は、人に好かれようと好かれまいと、人の顔色はうかがいません。個性が強すぎるというのではなく、嫌われる勇気を持っているのです。芸能人でいうと、坂上忍さんは嫌われる勇気のある方ですね。なぜなら自分をごまかして生きていくことは、彼の哲学には合わないからだと思うのです。坂上忍さんはかつて、良い人になろうとチャレンジして疲れたそうです。心身ともに健やかにいるためには、偽らずブレない自分を認めることが大事と考えたのです。嫌われる勇気を持って自己主張をすることで、八方美人を卒業し、結果的に、人気と信頼を得たのです。結婚よりも離婚の方が勇気が必要なように、人間関係は始めたときよりも、卒業するときの方が大変で、潔さも必要です。たとえ結果的に悪く言われたとしても、「そういうことが耳に入るのは、人に気にかけてもらっているということ。それよりも無視されることのほうが、存在感がなくなっているということだ」と、彼らは笑うのです。「言われてなんぼ」。そこに行くまでには、きっと葛藤があったと思うのですが、そんなことは微塵も表に出しません。みんなに良い人と思われたいのが世の常かもしれませんが、そうすると違う自分を演じることにもなる。彼らはそれを良しとはしないのです。仕事で成功する人は、たくさんの人との出会いがありますし、その中で思ってもみない人との出会いもあることでしょう。直感とまではいかなくても、受け入れるべき相手かそうではない相手かを、しっかりと見ています。たとえ悪口を言われても、自分は決して誰かの悪口を言うことはありません。「無言の行」ができるハイクラスの人は、本当にすごいのです。どちらかが悪いわけではなく、ただ価値観が違うだけだと考えることを、彼らの姿を見て教わりました。人は誰しもわざわざ嫌われたいとは考えません。嫌われる勇気を持つ習慣を身につけることは、もしかすると難しいかもしれません。しかし、自分自身の成長の過程で起こる〝価値観の違い〟だと思えれば、無駄に傷ついたり焦ったりすることはないのです。

人は、自分のことを認めてほしい生き物。その「認めてほしい」という気持ちが大きくなればなるほどつい空回りをし、「なぜ自分の努力が認められないのだろう」とクヨクヨしてしまいがちです。悩みがあるとなおさらです。オリンピックで活躍するアスリートは、悩みも自分自身の〝成長の糧〟だと考えて、悩みに引きずられることなく、ただただ目の前のやるべきことに邁進しています。アスリートは、一瞬で結果を出すために大きな舞台ではいつもハイパフォーマンスを強いられます。サッカーでシュートが決まらない、スケートでジャンプの着地を失敗した……。私たちが想像する以上に、緊張で胸が張り裂ける思いなのではないでしょうか?ピンチの時に思い出したいのが、フィギュアスケートのプリンス、羽生結弦さんの「受け流す力」です。東日本大震災の悲しみを払拭するため、大会直前の練習中のこと。中国のハン・ヤン選手と衝突し、足首の捻挫と頭からの流血に、場は騒然となりました。それでも試合前には、ハン・ヤン選手と握手。ケガへの不安や、パフォーマンスへの影響など、負の気持ちを受け流しながら挑む勇姿は、世界中に希望を与えてくれたことでしょう。〝負の気持ち〟は連鎖するもの。自分を励ましながら信頼し、成長へとつなげられれば良いのです。たとえゆっくりでも、自分のペースで登っていけばいいのですね。無言でやるべきことを全力でやると道は開けると、次への機動力に変えていけるのがハイクラスの人です。彼らは悩んでいる時間を無駄だと考え、「できない」とは言わず、「じゃあ、どうしたらいいのか?」と考えるのです。自分の前に悩みが現れたら、「悩む時間を短くしてみよう」、「できることを考えてみよう」とプラスに考える習慣を身につけてみてはいかがでしょうか。そうすることで、いつの間にか悩みは、あなたの次のステージへのチケットになっているかもしれません。

過去の出来事に対して、「こうしておけば良かった」と「たられば」を言っても仕方のないことです。ハイクラスの人は過去のことは振り返らずに、ほんの少しずつでも前に進むことを考え、未来にベクトルを置いているのです。未来の自分を創造したり発見したりするために、たとえばマラソンに挑戦もします。ハイクラスの人は、いつも新しいことをワクワクしながら創造する天才です。想像力に長けていて、未来志向であり、常に理想を追求しておられます。私は以前、日本ドリームボード財団の「夢の講演会」で司会をしたことがあります。講演テーマは「どうすれば夢を叶えられるか?」というお話でした。主催の仲野孝明氏は、20年以上前から、ドリームボードと名付けたボードに夢をコラージュしたものを作られていて、どんどん夢を叶えられてきた究極のドリームボーダーです。姿勢治療家でもある仲野氏は、大正15年から代々続いている治療家の4代目として三重県四日市市の仲野整體に生まれました。ご実家の仕事をされる中、多くの方が体を痛めることは、「人間本来の体の使い方を知らないこと」が本当の原因であるという現場での確信から、東京青山に開業されました。〝正しい姿勢があればなんでもできる〟と、自ら泳げないところから、半年でトライアスロンを完走。11ヶ月で226キロアイアンマン鉄人レースを完走し、その2年後には、世界一過酷なマラソンと言われている7日間257キロのサハラ砂漠マラソン、また昨年は標高3000メートルのアタカマ砂漠250キロレースでも日本人2位で完走されました。お話の中で印象的だったのが、「姿勢が変わると人生が変わる」と何度も言われていたことです。ちなみに良い姿勢の極意は、背伸びをすることだそうです。会場にいる皆と一緒に背伸びをしましたが、簡単な背伸びだけで姿勢が整いました。夢や理想も背伸びをして、勢いがつくと、夢に一歩も二歩も近づける。そんなお話に会場のみなさんがワクワクした顔をされていて、司会をしていた私も笑顔になったことを覚えています。仲野氏の進化はとどまるところを知りません。「次は何?」と思うくらいに、挑戦されています。「また成功されたんだ!」とこちらが驚くほど、次から次へとチャレンジなさいます。次は何にチャレンジされるのかと、今では私のほうがワクワクしています。大人も子どもも夢を持って叶えてほしい。そんな気持ちで、ドリームボードを広められています。理想を追求するハイクラスの人は、常に成長されています。そして、その理想や夢を叶えられます。あなたはどんな夢や理想を追いかけますか?

日頃から自分のお手本になる人を持つことは、大事なことです。大切なのは、お手本となる方を観察するだけでなく、自ら真似をしてみること。話し方、振る舞い、服装、ビジネスの手法など、観察するところはたくさんあるはずです。まずは型をしっかり守って、それから自分流にアレンジして、自分のものにしてみましょう。すなわち、「守破離」ですね。まずは一つのことでいいので、徹底的に真似ることから始めてください。「真似る」は、「学ぶ」の語源とも言われています。真似ているときは、本来の自分ではないので、もしかすると「居心地が悪いな」「自分らしくないな」と感じるかもしれません。しかし、それを習慣化することで、いつしか自然なふるまいになり、素敵な言葉の言い回しも自分のものになっていきます。習慣化することで、居心地の悪さや気恥ずかしさがなくなっていくのです。「守破離」を習慣化できた人が、ハイクラスの人なのです。まずは身近な人で素敵だな、と感じる人の真似を始めてみましょう。何事も習慣化するには、21日間続けることが必要だと言われています。行動心理学で実証された「インキュベートの法則」では、まずは21日間続けると、潜在意識が顕在意識に進化し、習慣になることが証明されています。観察する人を決めて、何か一つ「真似をする部分」を決めて、やってみてください。言葉もふるまいも、自然にできるようになるまでの期間だと思えば、短く感じませんか?たとえば、「姿勢を正そう、美しく立とう」と決めたらば、21日間、徹底して美しい姿勢をしてみてください。21日後には、その姿勢はあなたのものになっているはずです。最初は「気づき」で構いません。お手本としたい人の素敵だなと感じるところに気付く。そこからハイクラスへの道は始まっているのです。

セミナーや講演に行ってやる気が起きても、一週間すれば内容を忘れてしまう。そういうことはもったいないですし、消化不良で終わってしまいます。アウトプットしてこそインプットがあるのです。できればその日中に、セミナーの内容や読んだ本のことを、人に伝えるという習慣をつけましょう。今はブログやフェイスブックなどのSNSもありますし、アウトプットする場は昔に比べてたくさんあります。情報にしても、知識にしても、「知っている」と「できる」は違います。とくに男性は、マナーのことを「知っている」だけで留まることが多いですが、男性こそ学んでいただきたいのです。英単語をせっせと覚えても、話す練習をしないと、英語は話せるようにはならないのと同じように、マナーも知っているだけでは、相手に伝わりません。ハイクラスの人は、知識が豊富ですが、その理由は「実践されているから」の一言に尽きます。「知る→やってみる→習得する」。この方程式を守れば、誰のどんな知識であっても、自分のものにすることができます。知ったかぶりをしたり、情報過多の頭でっかちになってしまっている人は、自分に自信がなく、情報だけで格好をつけようとしてしまうのです。このエグゼクティブの方程式を覚えて、ぜひ実践しましょう。

セミナー講師をしていると、「自分に自信がない」と言う多くの方に出会います。そんな自分を変えて、「ハイクラスの人になりたい」と思っている人もたくさんいます。自信がないのであれば、いっそのこと違う自分を演じて、「自我を開放」してみましょう。簡単なのは、服装から始めることです。私がコミュニケーションのセミナーをしたときの話です。終始うつむき気味で自信のなさそうな30代の男性が、ぽつんと座っていました。彼はいつも母親の言う通りの人生を歩んできました。それが近道であり安全だからと感じていたそうです。恥をかくことを頑なに拒否するかのように、拳を握りしめたままの自己紹介でした。「母がいつもジュースはダメだと言います。お茶かお水しか飲んだことがないので、虫歯はありません。母が、自分は工場勤務に向いていると言うので、転々と工場勤務しかしたことがありません。毎日洋服をコーディネートしてくれるのも母です」あまりにも堂々と話すので、他の参加者は驚きを隠せませんでした。「自分の人生は自分で選択できるのですよ。お母様の決めた道は安全かもしれないけれども、あなたの人生はあなたが主役なのです。たくさんの長所を活かして、まだ知らない分野にチャレンジできる選択肢もありますよ。それに、若いからもう少し顔映りの良い色の方が、より男前に見えるからもったいないな」私がそう話すと、彼は居心地が悪くなったのか、退出してしまいました。その後2時間ほど過ぎた頃に何もなかったかのように席に着き、最後まで受講してくれました。自分を懸命に立て直していたそうです。後日、朗報を聞かせてくれました。勇気を出して営業職にチャレンジしてみると、就職が決まったというのです。そして、別人のように服装が若々しくなっていました。初めて自分でショップの方にお任せしたそうです。表情も声も、見違えるほど変わっていました。さて、「演じる」という部分で言えば、女性のほうがお上手ですね。女性は常に、母、妻、嫁、PTA役員など役割がたくさんあるからです。母業も仕事も、全部大事な自分の要素です。女性は様々な顔を持つことを日頃から受け入れ、賢明に演じています。セミナーでも、女性は自分に必要とあらば一人でも参加されます。男性は一人で飛び込んでアグレッシブに行動している方は少ないですね。「誰かが行くんだったら行こうかな」と、様子見をしている方が多いです。ファッションでも、胸ポケットにチーフを入れると、「誰かに何か言われたらどうしよう」と思うのは男性。いつもとは違う服装をして、「誰か何か言ってくれるかな?」と期待するのが女性です。「自我を開放」というと大げさに感じるかもしれませんが、「違う自分」を楽しんでいただきたいのです。男性でも女性でも、髪を切ってほめられたり、その日の服装をほめられると嬉しいですよね?昨日とは違う変化を認めてもらえたのですから。違う自分を演じて、変化を楽しみましょう。

どんなに素敵な人でも、一緒に食事をしているときに、ぺちゃくちゃと音をたてながら食べていると、それだけで「もう二度と一緒に食事はしたくない」と思われることがあります。もちろん、マナーが大切であることは、食事のときだけのことではありません。ちょっとしたことでも、相手にとって「マナーが悪い」と感じることがあれば、たとえ尊敬に値する人であっても、「二度と会いたくない」「できれば避けて通りたい人」になってしまう可能性もあります。だからこそ、ぜひ本物のマナーに触れましょう。マナー講座などというと、恥をかくのではという不安もあり、頑なに拒否される方もいらっしゃいますが、「知らないことは体感しよう」とフラットに思うことは、ハイクラスへの近道です。ホテルのレストランなどで、気軽にフレンチを楽しみながら受けられるマナー講座も開かれています。まずは、デートや結婚式用にフレンチ、会食用に和食のマナーの二つをおさえましょう。他に服装のマナーとして、ジャケットのボタンのマナーについて、考えたことはありますか?昼休みだからとボタンを全開にして、ネクタイをぶらぶらさせているのは、だらしない印象を与えます。反対に、ぴっちりと、ジャケットの下のボタンまで留めている方もよく見かけます。一番下のボタンは「飾りボタン」。留めないのが、正式なスーツスタイルのルールです。シワになるので座るときはボタンを外していても、立つときに片手でサッとはめると、それだけでワンランク上に見えますね。そういう細かい気づかいもマナーですし、自分を律することができる、という印象を与えることができます。スーツを仕立てる際や、デパートに行った折に、正しい着こなしを詳しい店員さんに尋ねてみましょう。スーツの着こなし入門の本なども売られています。一緒にいて恥ずかしいと思われるか、あるいは羨ましいと思われるかは、ほんの少しの差だったりするのです。毎日のことだからこそ、着こなしで差をつけたいものです。

ハイクラスの人になれたら、何が良いのでしょうか。まず、あなたの価値が認められます。周りの人が自分の声に耳を傾けてくれ、意見が通りやすくなります。さらに、副業も認められる昨今、自分の好きなことが、新たな仕事につながるかもしれません。今までと違う自分を演出できたからこそ、出会う人が変わり、信頼を勝ち取ることができます。ときに人生のステージまでもを、華麗に変えてしまうのです。ハイクラスの人は、「できないかもしれない」というマイナス発言は決してされません。松岡修造さんのように、「できる、必ずできる」と、自分の可能性を信じて果敢に人生を楽しみながら駒を進めていくのです。また、心が強いので、彼らは人に優しく接し、物事を俯瞰して、考えています。ボランティアに奉仕されている方もいらっしゃり、その精神を素晴らしいと感じます。それは、自分自身も多くの人に育てられたから、という恩恵のエネルギーから来ているのでしょう。自分のためにだけではなく、周囲の人のために「ハイクラスの人になろう」と決めたときから、人生が変わり始め、好転していくのではないでしょうか。「木を見て森を見ず」ではなく、森全体を俯瞰できて、きめ細かい気づかいができる人。美しく歳を重ねることができる人。自分磨きに余念がなく、常に進化を心がけていらっしゃるからこそ、30代よりも40代、40代よりも50代を、外見と内面の両方で優雅に生きることができるのです。歳を重ねていても、少年や少女のような可愛らしさを持ち合わせていたり、知的好奇心を忘れない姿に、年齢は関係ないのだということを感じます。人生は、いつでも好転させることができます。あなたの中に、「この人のようになりたい」と思えたときがチャンス。あなたの人生が変わるときです。さあ、あなたはいつ「ハイクラスの人になる」と決めますか?

おわりに最後までお読みいただきありがとうございました。習慣化したいと思っていただける事例は、いくつありましたか?もしかすると、あなたの身近な人にも同じようなエピソードがあったかもしれません。ハイクラスの人と呼ばれる方々は、〝ゆとり〟を大切にされています。だからこそ、人にも寛容でいることができるのだと思います。多忙な毎日を全力疾走されているように見えますが、実は〝忙中の閑〟も必要だと口を揃えておっしゃいます。ビジネスモードでは緊張を楽しみ、プライベートでは心を緩める。つまり、気持ちの切り替えの達人と言っても過言ではないでしょう。気持ちの切り替えの達人は、気配りの達人でもあり、笑顔でパフォーマンスをされる達人でもあります。私は就職支援の場で、大学生をはじめ就活生の面接を700名近く指導してきました。常に、「面接はお見合いと同じです。あなたと一緒に仕事がしたいかどうかは、ドアを開けた瞬間から決まります」と、お伝えしています。それは立ち居ふるまいであり、笑顔でもあります。就活の場ではなくても、これから出会う人が、あなたにとって運命の人になるかもしれません。印象をほんの少し変えるだけでも、周囲のあなたへの評価は、驚くほど変わるのです。そのために、一番大切にしていただきたいことは、相手目線で気配りができること。その法則を意識すると、今まで行ったことのない場所への招待状も決して怖くはありません。私の母は57歳という若さで旅立ちましたが、「吉兆へお誘いいただいても、物怖じなくふるまえて、立ち飲みでも楽しめる粋な人になりなさい」と常に話していました。それは、歳を重ねた今だからこそ理解できます。見たことのない景色、憧れていた場所、会いたかった人と出会えるチャンスを、今まで知らず知らずに逃していたかもしれません。もともと私は、小学校高学年まで吃音で赤面症、そのために国語の音読が苦手で、国語のある日は休むという半登校拒否児童でした。自信のかけらすらなかった私が、担任の一言で、まるで憑き物が落ちたように積極的になれたのです。「あなたは笑顔が良いから、自信を持って音読しなさい。あなたのことを笑った人を、先生が怒ってあげましょう」という言葉でした。人生が好転した担任との出会い。当時のまま変わらずネガティブだったとしたら、世界を代表するハイクラスの人と仕事でご一緒させていただく機会もなかったはずです。出会う人、出会う書籍、映画や音楽など、心を揺さぶる出会いは多々あります。この本を執筆するにあたり、おこがましい話で恐縮ですが、私が体験したエピソードの習慣を意識していただくことで、未知なる可能性の引き出しが開花する誰かの一助になれば、こんなに嬉しいことはありません。人生は一度きり。それならば、出会った人の心に残る、「ぜひとも、あなたに」とお願いされる人生にしてくださることを切に願います。最後になりましたが、この本を世に送り出すという私史上の最高な機会をいただきました、KKベストセラーズ取締役書籍営業本部長の吉富達也様、編集の濱下かな子様、私の長年の夢を叶えてくださったクローバー出版会長の小川泰史様、執筆のご指導を歩幅を合わせてお付き合いいただいた、エクセルライティング代表の戸田美紀様、各章にてエピソードのご紹介の可否の問い合わせに、寛大なお心でお許しをいただきましたハイクラスのみなさまに、心から感謝申し上げます。また、私が学んだ「トップ1%セミナー講師養成講座」の主宰で、「あなたならできるよ」と背中を押してくださり、ご縁を紡いでくださった株式会社セミナーエリート代表取締役社長の坂田公太郎様と、セミナー集客コンサルタントの佐々妙美様、この場を借りてお礼を申し上げます。そして、いつも励ましてくれた大好きな仲間達、セミナーや司会の機会をいただいている企業様、フェイスブックやブログでエールを惜しみなくくださる大切なお友達と、「大人になっても夢を叶えるって素敵だから、ママの挑戦を全力で応援する!」と、エネルギーを注いでくれた家族に、最大の「ありがとう」を。この本と出会ってくださったみなさまの輝かしい人生を心より願い、ペンを置くことにいたします。いつか、どこかでお目にかかることができる日を楽しみにいたしております。コミュニケーション・コンシェルジュ吉田正美

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