はじめに仕事が終わるのは、いつも夜遅い時間。
サボっているわけでは全然なく、一生懸命に働いているのだけれど、気がつくと時間が足りなくなっている。
仕事に追われてばかりで、周りに評価されることもない。
上司には残業しないように言われているが、定時に終わることなんて、めったにない。
「頑張らなきゃいけない」とぼんやり思いはするけれど、だからといってモチベーションを高める余裕もないし、バリバリのキャリアを目指しているわけでもない。
それに、家に帰ったら好きなことをしたい……。
私も、かつてはそんな社会人生活を送っていました。
夜遅くまで仕事が終わらない最大の理由は、能力が低いのではなく、もっと簡単なやり方を見つけていないからです。
いつも仕事に追われているのは、やる気がないからではなく、リソース(時間・集中力・エネルギー)が限られているからです。
「ハンマーしか持っていなければすべてが釘のように見える※1」という英語のことわざがあります。
※1このことわざは、「欲求5段階説」で有名なアメリカの心理学者アブラハム・ハロルド・マズローの著書『ThePsychologyofScience』で言及のある内容がもとになっているとされています。
限られた手段しか持たなかったり、固定概念や過去の成功体験などに固執したりすると、すべてをそれ(ハンマー)で解決しようとして、問題の本質を捉えられなくなることを言い表わした言葉です。
目の前の仕事をただこなすことが目的になってしまうと、本来目指すべきことが達成できなくなります。
手段を目的化し、結論ありきで行動することを「確証バイアス」と呼びます。
あらかじめ決めつけた結果に向けて行動をすることが目的となってしまう現象です。
いつまでも仕事に追い回されることを無意識のうちに「よし」としてしまい、本来の目標から離れて仕事をこなすことが目的となり、作業充実感を持ってしまうのです。
そうして気づいたら、残業続き……。
こうした〝残業沼〟から抜け出し、「最小の努力で現状から脱出できる方法」があります。
それはトップ5%社員(以下、5%社員)が実践している時間術です。
この時間術は一般的な95%社員(以下、95%社員)でも実践可能です。
5%社員の時間術を真似した2・2万人のうち、89%の人が「より短い時間でより成果を残すことができた」と答えています。
私はマイクロソフトに勤めていましたが、業務効率アップと学び方改革を支援する会社、株式会社クロスリバーを創業するために退社。
それから800社以上の企業・団体の生産性向上を支援し、のべ17万人のビジネスパーソンの業務効率アップを支援してきました。
クロスリバーのメンバーは、私も含めて、週休3日でこうした支援を提供しています。
我々自身が時短の実践者なのです。
我々がそうして支援している企業・団体の中で突出した成果を出している人を見つけ、各社の経営陣の協力を得て、人事評価のトップ5%の社員の言動を分析しました。
トップ5%社員の共通点と、そのほか95%社員との差異についてまとめたのが既刊『AI分析でわかったトップ5%社員の習慣』(ディスカヴァー)です。
思いのほか好評で14回を超える増刷を重ね、国外での出版も実現しました(2022年4月現在)。
続けて、コロナ禍でも成果を出し続けるリーダーの行動習慣についてまとめた『AI分析でわかったトップ5%リーダーの習慣』(ディスカヴァー)を2021年に出版し、発売2週間で3万部を超える売れ行きで、こちらもベストセラーとなりました。
しかし私は、発行部数では満足しません。
これらの本を著した目的は、一人でも多くの人を正しい方向へ動かすことだからです。
今回も繰り返して伝えます。
本書の目的は、「知ること」ではなく「できること」です。
今回は「時間術」をテーマに、『トップ5%社員の習慣』『トップ5%リーダーの習慣』よりさらに再現性が高く実践的な内容にフォーカスし、行動ハードルを低くする工夫をしました。
大成功を目指すのではなく、ちょっとだけ行動を変えてみてください。
そうすれば、ちょっとの頑張りで現状から逃げられます。
実際にやってみて「意外とよかった!」という感覚を味わってください。
そのときこそ意識が大きく変わった瞬間です。
意識が変わるのを待っていたら、5年、いや10年かかります。
行動をまず変えていきましょう。
そうすれば、自ずと意識が変わります。
意識が変われば、不要な作業をやめ、重要なことに注力できるようになり、成果が上がります。
成果が上がれば、社内でも社外でも自分で選択する範囲を広げて働くことができるようになります。
一人でも多くの読者の方が現状から抜け出して、働くことが苦痛でなくなることを強く願っています。
2022年5月越川慎司
AI分析でわかったトップ5%社員の時間術目次はじめに第1章なぜ、24時間があっという間なのか?95%社員のうち94%が「時間がない」と感じている95%社員のうち74%が「働き方改革=残業削減」に反対している95%社員のうち67%が「残業が多いのは上司のせいだ」と感じている95%社員のうち53%が「効果より効率を上げよう」と考えている95%社員のうち45%が「努力で何とかなる」と思っている第2章よかれと思ってやってしまう逆効果の時間術「しっかり管理すればしっかり成果が出る」と信じている「仕事効率は才能で決まる」と思っている「重要そうな情報を集めたほうがいい」と思っている「とりあえずショートカットキー」と思っている「自分の経験と知識で考えよう」と思っている[Column]5%社員は英語を勉強しない第3章95%の人が知らない5%社員の意外な時間術ランチをとらない積極的に「ため息」をつく「ローリスク・ローリターン」を積み重ねる情報収集の時間は一日5分以内作業途中でも一度手を止める時間の余裕は、気持ちの余裕からつくる「情報」は「洞察」に変えないと人を動かせないメンバーを巻き込んで早く作業を終わらせるやる気が削がれることは仕事から排除する机の上に飲み物を置かない贅沢キーボードで時短する「ちょっと外出」で生産性を上げる[Column]5%社員がカバンと靴に投資する理由第4章残業沼から抜け出す「ちょいスイッチABC」95%社員と5%社員は何が違うのか?トップ5%社員の6つの特異点トップ5%社員の時間術を「ちょいスイッチABC」で再現するちょいスイッチA(Accept)過去の浪費を受け入れるちょいスイッチB(Build)行動を早め、継続する仕組みをつくるちょいスイッチC(Concentrate&Continue)集中して継続する
第5章残業沼から抜け出す「ちょいスイッチABC」を実践!ちょいスイッチA「過去の浪費を受け入れる」を実践作業時間と思考時間を分けるアウトプットを先にする時間の使い方を計画ではなく企画する成功確率アップより失敗確率ダウンを目指すちょいスイッチB「行動を早め、継続する仕組みをつくる」を実践すぐに作業できる状態を整える「やめること」を決めるやめる基準の「チェックポイント」をつくるメモのすごい効能を日常に定着させるちょいスイッチC「集中して継続する」を実践丁寧で遅い仕事をしない「悩む・心配する時間」を減らす投資対効果を考えて、せっかちにならない自己否定は「妄想」であることを知る[Column]5%社員はなぜ野球よりラグビーが好きなのか第6章明日から定時で帰る「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング個人編時間管理金曜日に「大きな仕事」を2つ書き出す45分単位で仕事をこなす報酬を声に出して言う「承認」される仕組みをつくる自制心コントロールアナログ時計で逆算思考を促す行動目標と締め切りを周囲3人に宣言する週に1回トイレ掃除をする集中力アップヘッドホンを活用する通知設定を変える作業効率アップ文字を手書きする音声入力をマスターする自動校正を活用するインプット散歩しながら本を聴く倍速再生機能を活用するアウトプット「間」で場の空気を変える
3秒ジェスチャー3選第7章チームで時短する「ちょいスイッチABC」を押すトレーニング組織編最強の巻き込み力「フット・イン・ザ・ドア」で依頼する自走するチームが実践する5つのルール会議時短3アクション誤解を避ける意思伝達承認サンドイッチ作戦上手に断る3つのテクニック相づち&共感コメント7選相手のメリットを事前に5分考えるプロジェクト推進1チーム5人で活動する刺激し合う仕組みをつくる導き役のコーチを配置するあとがき
95%社員のうち94%が「時間がない」と感じているなぜ、残業をしても成果が出ないのか?なぜ、5%社員は残業せずに成果を出しているのか?本章では、双方へのアンケートから、その違いを明らかにします。
労働基準法では、原則一日8時間・週40時間を超える労働を従業員にさせてはいけないと定められています。
それ以上の労働は、時間外労働として扱われ、会社は従業員に対して割増賃金を支払う必要があります。
この時間外労働がいわゆる残業です。
95%社員の94%は「時間がない」と回答していますが、その真意は「労働基準法で規定された労働時間では足りない」という意味ではありませんでした。
「いくら残業してもやるべき仕事が終わらない」といった感覚的な時間不足を訴えていました。
残業をしても次の仕事がまた降ってきて残業が繰り返されるという感覚です。
本書では、この状態を「残業沼」と名づけることにします。
つまり、「残業沼」に苦しむ社員が94%もいるのです。
一方、「時間がない」と答える5%社員は、37%でした。
この比率は95%社員の半分以下です。
5%社員は、「時間は有限である」と心得ています。
そのうえで「より短い時間でより大きな成果を上げる(=MorewithLess)」の考え方を持っているので、働く時間には制限があることを受け入れています。
この考えを前提として、ほかの人よりも成果を残すことに執着しているのです。
また5%社員は、新しい挑戦に興味があり、多くの挑戦をしようとします。
しかし、ただ単に新たなものに飛びつくのではなく、まず「やめるべきタスク」を決めてから、新しいことに飛びつきます。
有限な時間を使って何かを始めるときは、何かをやめるべきだと理解しているからです。
一方、95%社員は、与えられた仕事をこなすことで頭がいっぱいになり、「何かをやめる」という選択肢を持たないことが多い傾向にあります。
次々と降ってくる仕事を受け続けるだけでは、時間が足りなくなって当然です。
ちなみに、95%社員が「時間がない」と感じるのは水曜日と木曜日、5%社員が「時間がない」と感じるのは金曜日と月曜日でした。
土日休みの人が相対的に多いため、それぞれの特徴としては、「週の半ばに時間が足りないと感じる95%社員」と「休みの前後に時間が足りないと感じる5%社員」と言うことができます。
なぜこのような違いが発生するのか?5%社員と95%社員へのヒアリングだけではわかりませんでしたが、AIによるビデオ解析(EmotionAPI)で、その発生原因にたどり着くことができました。
定点観測した動画を見る際、5%社員と95%社員それぞれの表情にフォーカスして、AIによるビデオ解析で、感情を8つに分類しました。
すると、5%社員が「時間がない」と発言するときは、ポジティブな感情を表す傾向がありました。
一方、95%社員が「時間がない」と発言するときは、悲壮感を漂わせ、ときには憤りなどネガティブな感情を表す傾向がありました。
この分析の結果を受けて、5%社員に再度ヒアリングを実施。
「時間が足りないことをプラスに捉えますか?」と質問しました。
すると、なんと53%、半分以上の5%社員が「時間が足りないことをポジティブに捉える」と答えました。
その理由は、「やりたいことがたくさんあるのは、いいことだ」「やるべき仕事が多いのは周りから認められている証拠だ」など、自己肯定感が強い発言が続きました。
有限の時間をポジティブに捉えて、自己肯定感を高めながら仕事をするのか。
不平不満を抱えながら、時間に追われる状況をただやり過ごしていくのか。
時間に対するこの捉え方の違いで、行動と結果が変わってくるのは当然でしょう。
95%社員のうち74%が「働き方改革=残業削減」に反対している働き方改革関連法案が施行され、長時間労働にストップがかかりました。
残業時間の上限を超えると罰則が科せられるので、各企業の人事部は残業削減に躍起となりました。
しかし、仕事が終わっていないのに帰宅するわけにもいきません。
やるべきことを終えないままでは、成果が出ないからです。
残業削減を目標とした働き方改革に賛成か否か、95%社員の方に匿名のアンケートをとりました。
すると、回答者の74%が残業削減を目指した働き方改革に反対でした。
意外にも、その傾向は20代に顕著で、20代では77%が「反対」と回答しました。
その理由を調べたところ、「残業代がほしいから」と答えた人はわずか12%。
よく問題視される「収入を少しでも上げるために残業している人」は、予想よりも少なかったのです。
多数派の答えとしては、「そもそも仕事が終わらないから」でした。
仕事が終わらないのに早く帰れと言われるのは理不尽だと考える人が多いようです。
そして最も多かった回答は、「自分のスキルを磨くため」でした。
成長しないと、より大きなプロジェクトや責任ある職務につけないと感じているようです。
また、「一生同じ会社で働く」といった、会社への忠誠心が薄らいでいて、「社内でも社外でも通用するためにスキルを磨きたい」と考えている人が、予想をはるかに上回る73%もいることがわかりました。
今回の一連の調査で、働き方改革の影響で残業抑制に走ることは、社員の士気を下げることがわかりました。
もちろん長時間労働は是正すべきですが、仕事が終わらないのに帰宅するわけにはいきません。
また、強制的に残業抑制をされたら、スキルアップに充てる時間もなくなるという危機感を抱いているビジネスパーソンが想定以上に多くいました。
労働時間を強引に削減するのではなく、不要な作業はやめて、新たに生み出された時間をスキルアップや、プライベートの時間に充てることが有効だともわかりました。
「働き方改革」と言われて7年以上経ちます(2022年現在)が、真にやるべきは、未来に必要なスキルを今のうちに身につける「学び方改革」なのではないでしょうか。
95%社員のうち67%が「残業が多いのは上司のせいだ」と感じているTwitter上には、上司への愚痴が溢れかえっています。
「残業が多くなる原因となっているのは誰だと思いますか?」という質問に対して、95%社員の67%が「上司」と回答しました。
ストレス発散のために匿名で不平不満を言うのはありだと思います。
しかし、それが生産性アップにつながるかというと、そうではありません。
生産性が極めて高い5%社員は、自分でコントロールできるエリアにエネルギーを投じます。
そのため、コントロールできない上司への愚痴を言うことは「エネルギーの無駄」と感じています。
一方、管理職は、テレワークでの「目の前にいないメンバーの管理」や、パワハラ法への対応として、メンバーに対して過度に気づかいをしています。
既刊『トップ5%リーダーの習慣』でも書いた通り、上司も部下も気をつかい合っているような状態では、生産性が著しく低下します。
時短の観点からも過度な気づかいはよくありません。
気づかいをし合う人間関係では、巻込力が発揮できず、業務処理能力が落ちることがわかっています。
意外なことに、5%社員の中には、人見知りの人が多くいます。
しかし5%社員は、気づかいをしすぎると生産性が低くなると心得ているので、「より多くの人と共通点を持とう」というマインドセットを持っていました。
オンライン会議の冒頭での雑談を欠かさなかったり、廊下でメンバーとすれ違ったときには大きな声で挨拶したり、気さくに声をかけたりして、関係を築きます。
そして、5%社員の関係構築は、チーム内に留まりません。
他部門の人とランチをしたり、他部門の定例会議にオブザーバーとして参加したりもしていました。
また、5%社員が話すときに口角を2センチほど上げていたり、うなずきや相づちの回数を増やしたりしているのは、「相手の緊張感をほぐすため」だとヒアリングでわかりました。
そうして普段からのカジュアルなコミュニケーションで、仕事を依頼するネットワークをコツコツと積み上げているのです。
たしかに、気軽に話せる人が増えれば、仕事を依頼するときの行動ハードルも下がります。
こうした行動が、偶然の出会いを必然にして、困ったときに頼れる人を増やす、5%社員の人脈構築術なのです。
95%社員のうち53%が「効果より効率を上げよう」と考えている「仕事を進めるうえで効果と効率のどちらを優先させますか?」という質問に対して、95%社員の53%が「効率を重視する」と回答しました。
つまり、半分以上が仕事を効率的にこなすことを目指しているのです。
たしかに、働き方改革の影響で「早く仕事を終わらせなくてはいけない!」というプレッシャーが高まっています。
また、夜遅くまで働いて苦労していることをアピールしても評価されないので、残業時間を少なくして仕事をこなすことに価値を見出している人が増えています。
しかし、極端なことを言えば、効率だけを目指すのは本末転倒です。
やらなくてもいい仕事を効率的にこなしても、成果につながらないからです。
また、重要度の高い仕事にあまりエネルギーを注がず、軽くこなしてばっかりいると、本来の目的が達成されず、成果から遠のきます。
5%社員は「効率」という言葉に疑問を呈しており、「何でもかんでも短い時間でやればいいわけではない」と発言していました。
完璧な効率主義者かと思ったら、「効果優先主義」だったのです。
「効率を重視する」と答えた5%社員は、なんと21%しかいませんでした。
その理由について尋ねたところ、最も多い発言が「目的」「達成」「無駄」でした。
AI分析(テキストマイニング)によると、「目的」と「達成」の出現度はほぼ同じで、「無駄」の前には否定の言葉がつくパターンが多くありました。
つまり、「仕事の目的が明確であり、その仕事に達成すべき目的がなかったら、効率重視で仕事に取り組んでも無駄だ」という回答が最も多かったのです。
たとえば、早く登ることだけを考えて、頂上を見定めずに山道へと駆け出しても山頂に着くことはできません。
5%社員はこうしたことを、効率ばかりを重視することのリスクとして感じているようです。
5%社員は初動が早く、業務遂行能力も高いのですが、最初のステップである「明確な目標を持つこと」を重視すると同時に、「明確な目標がないこと」への危険性を深く理解しています。
最短距離の仕事術を実践するのはあくまでも成果を出すためのプロセスであって、目的とは考えません。
5%社員のその考えは、個人的な活動にも反映されています。
たとえば、仕事術の本を読むときは、それが自分の成果につながらないものなら、読み飛ばしていました。
効率を高めることは、「手段」だと考えるのが5%社員です。
仕事効率を高めることを目的にしてしまうと、達成すべき目標を見失ってしまい、効率が高いのにいつまでも頂上に着かないという悪循環に陥ってしまいます。
95%社員のうち45%が「努力で何とかなる」と思っている努力は美徳とされ、努力しないで何かを成し遂げる人はずるい、と考えるビジネスパーソンがいまだに多くいます。
17万人のビジネスパーソンを対象にしたアンケートでは、「努力が報われない」「努力をしていない人がいる」などの回答が数多くありました。
頑張っているのに評価されない、という思いを抱え、自社の人事評価制度に賛同しない社員が4割以上いました。
長期トレンドとして成果主義が続いており、また欧米企業が採用するジョブ型評価も徐々に浸透しつつあります。
「プロセスよりも結果」「能力よりも成果」が評価される企業環境では、「努力」が過去よりも評価されにくくなっているのは事実です。
目標に向かってひたむきに努力することは正しいことですし、目標達成していないのに努力しないのは言語道断です。
しかし、努力もプロセスの一部。
厳しい見方をすれば、間違った努力は、マイナス評価になってしかるべきです。
成果が出ていないとプロセスの努力をアピールする95%社員が多いのも事実です。
3・2万人の95%社員に仕事が行き詰まったときの打開策についてアンケートをとったところ、約半分の人が「自身の努力」と回答しました。
高度経済成長期には、何度も徹夜して、その努力をアピールすれば、それが会社への忠誠心につながり、また周囲の同僚から同情され、相対的に評価を得られることもあったでしょう。
しかし今は、限られた時間の中でスマートに成果を出す人が評価されるので、努力アピールは、成果が出ていないことを意味します。
また、「うまくいかなかったら努力で解決する」という根性や体力に委ねる働き方ができるのは、若いうちだけです。
時間と同じで、若さも有限であり、努力や体力を解決手段にするのは、継続が困難です。
私自身、スキルが乏しいときに睡眠時間を削り、体力で何とか仕事を終えようと努力した頃がありましたが、精神疾患を患う結果になってしまいました。
「努力は一見ポジティブな行動に見えるが、美化されすぎているのではないか」と、5%社員が発言していたことに強い衝撃を受けました。
頑張って努力で乗りきったとしても、「これがずっと続く」と思うと、耐えられないと感じたり、心身が限界に達してしまったりするのです。
逆を考えれば、努力しなくても仕事がこなせればいいわけです。
第4章で紹介する5%社員の時間術の「ちょいスイッチB」(こちら参照)は、これに当たります。
体力がなくても、努力する気持ちになれなくても、仕事が勝手に終わる仕組み化や、自動化を確立させることが大切なのです。
努力で何とか解決しようと考えると、一見手間に思える仕組み化や自動化になかなか手をつけられません。
ぜひ本書をきっかけに、体力勝負の働き方を卒業し、最小の努力で仕事が終わる仕組み化を完成させてください。
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