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第1章 顔を見れば、すべてがわかる

河出新書人は顔を見れば99%わかるフランス発・相貌心理学入門佐藤ブゾン貴子河出書房新社

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はじめに顔をベースにして、コミュニケーションや人間関係のつくり方、自分の人生を思いどおりにもっていく方法を科学的に語っていく──。

これが、私が本書でお伝えしたいことです。

これからお話ししていくポイントをまとめると、以下のようになります。

・顔には、内面(性格や思考傾向など)のすべてが表れている・顔ほど、その人の本質を正確に教えてくれる情報はほかにない・顔を見れば、その人の内面を把握できる・自分の顔にも、思考や行動、コミュニケーションの傾向が出ている・相手と自分の性格や思考を踏まえたコミュニケーションをしていけば、人間関係がうまくいくコミュニケーションや自己実現においては、これまでにない考え方を提示しているので、やや異色とも言える内容を扱っています。

あなたが聞いたことも見たこともないような話が出てくるかもしれません。

顔には、あなたが思っている以上の情報が表出しています。

内面のすべてが表れているのです。

この本は、「相貌心理学」というフランス発祥のメソッドをベースにしてお話ししています。

実際にフランスでは、ビジネスや教育の現場で採用されている心理学です。

相貌心理学という言葉を初めて聞く人も多いでしょうが、しぐさや表情ではなく、あくまでも顔そのものを分析するもの。

日本では知られていなかった、相手および自分自身を理解するアプローチです。

その方法は、これからの時代の必須スキルとなると言っても、過言ではありません。

すべての人に適用できる学問二十一世紀に入って、グローバル化はますます加速しています。

訪日外国人観光客も三千万人を突破して、国内の至るところが海外から訪れる人であふれるようになりました。

なかには日本人が知らないような地域にまで足を運ぶ熱心な外国人もいます。

そうした外国人とコミュニケーションをするときにも役に立つのが、相貌心理学です。

相貌心理学はフランス発祥ではありますが、全世界に通用する学問です。

その顔分析は、フランス人も日本人もそのほかの国・地域の人にも適用できます。

万国共通なだけに、地球上のすべての人とのコミュニケーションに役立てることができます。

いい悪いは別にして、日本人はこれまで「あ・うん」の呼吸によるコミュニケーションを長らく行ってきました。

オフィスでも学校でも家庭でも丁々発止のやりとりをして意思の疎通を図るのではなく、「言わなくてもわかるだろう」と、お互いに相手の気持ちを察しながらのコミュニケーションをしてきました。

それを別の言葉で言うと、「忖度」になります。

オブラートに包まずに言葉でお互いの気持ちを直接伝え合うと、ケンカや言い争いにエスカレートしがちなので、人間関係を円満に収めるための知恵として「あ・うん」の呼吸は重宝されています。

極めてアナログ的手法ですが、今でもその傾向は残っています。

カドを立てず、円満に収めることが大前提。

実際に信頼関係のある者同士では、余計なストレスを生むことがないので、それはそれでいいコミュニケーションとも言えます。

「あ・うん」の呼吸は通じない現在はグローバル化が進み、日本人は海外に進出し、反対にさまざまな国・地域から多くの人が日本にやって来るようになっています。

この流れは止めることができません。

外国の人たちがいくら日本および日本人に好意的であっても、「あ・うん」の呼吸は通用しません。

だからと言って、英語をはじめとする「外国語だけを身につければいい」ということとも違います。

日本語以外の異なる言語を習得すれば、より多くの人と会話することはできますが、意思の疎通が図れたり理解できるようになったりするのかと言えば、それはまた少し別の話です。

言語も文化も価値観も違う、初対面の人とコミュニケーションをしなければならない──。

これからの日本では誰にでも起こり得ることであり、避けられないことです。

十一年の時をフランスで過ごした私ですが、語学力だけでは埋められない価値観の差を感じたのが正直なところです。

文化背景や生活様式がまったく異なる異文化コミュニケーションにおいて、語学力だけで短時間で心のつながりを育むのには難しさがあります。

履歴書以上に正確な情報「顔は履歴書」よくこのような言い方をされることがありますが、相貌心理学の見地からしても、十分にうなずけることです。

顔は、変わります。

一年前と今とで、まるっきり同じということはあり得ません。

加齢によるものは別として、その人が置かれた環境の影響によって、器官・部位が微妙に変化しています。

内面の変化は、必ず顔のどこかに表れるものです。

以前より目尻が下がっていれば、「この人は人の言うことに耳を傾けるようになったな」と判断できるし、正面から見て耳が見えるようになっていれば、「この人は独立心が旺盛になったな」と見て間違いありません。

顔の変化が表すのは、その人の内面の成長や後退。

変わっていくがゆえに、顔は履歴書たり得ます。

履歴書は多少盛ることはできますが、顔は一切のごまかしが効きません。

本人の内面を噓偽りなく映し出すので、顔ほど、その人の本質を正確に教えてくれる情報はほかにありません。

その意味では、履歴書以上に正確な本人の情報です。

仕事・プライベートを問わず、あなたの人生において、フランス発の相貌心理学は大活躍してくれるはずです。

顔は、コミュニケーションの基本。

顔は、人間関係の要。

顔は、自己実現のバロメーター。

顔に表れた情報を活用するとしないとでは、天と地ほどの差が開くと言っても過言ではないのです。

本書を読んで内容を実践された人は、その効果に驚かれると思います。

それでは、早速始めましょう。

目次はじめにすべての人に適用できる学問/「あ・うん」の呼吸は通じない/履歴書以上に正確な情報第1章顔を見れば、すべてがわかる持って生まれた顔で人生が決まるわけではない/顔にはその人のすべての情報が表れる/顔はコミュニケーションの基本/相貌心理学とは何か/相貌心理学を知るメリット/人を見極めるメガネを持つ/相貌心理学をビジネスで活用する/肉づきに張りがあり、こめかみがまっすぐな人はリーダータイプ?/人材のミスマッチを防ぐ/日本人に合ったコミュニケーション方法/占いでも観相学でもない/これからの時代に必要不可欠な学問

第2章99%正確な顔の分析法

久しぶりに会った人の顔が思い出せない理由/環境で顔は変わる/顔が変われば、人生が変わる!/顔には、変わる部分と変わらない部分がある/顔には三つの見方がある/器官・部位には、その人のコミュニケーションスタイルが表れる/目尻が下がりすぎている人は、人の意見に流されやすい/目がパッチリ開いている人は、好奇心旺盛/こめかみが大きくへこんでいる人は、思考の堂々巡りをする/鼻の穴が見えない人は、秘密主義/鼻筋の傾斜がある人は、言いたいことを的確に伝える/耳が正面から見える人は、独立心旺盛/肉づきが豊かな人は寛容、薄い人は神経質/肉づきに張りがある人は、問題解決力が高い/唇が薄い人は、冷淡になりやすい/口角が上がっている人は、ポジティブ/額がまっすぐな人は、とても頑固/額がぷっくりしている人は、時間をかけてものごとに取り組む/あごが前に出ている人は、野心を実現させやすい/頰骨が張っている人は、愛情深い/寒暖差で顔は変わる/外部刺激が顔の変化をもたらす/整形しただけでは人生は変わらない/器官・部位に表れる特徴を統合する

第3章顔は三つのゾーンに分けられる

三つのゾーンとは?/知的優位か、感情優位か、利益優位か/ゼロから1を生み出す「思考ゾーン」/自分の気持ちを大切にする「感情ゾーン」/数字を追うのが大好きな「活動ゾーン」/クレーム対応でやるべきこと、やってはいけないこと/ゾーンによって適性・適職が変わる/ゾーン別恋愛アプローチ法/自分のゾーンを知る

第4章相性の善し悪しはこうして決まる

同じゾーン同士は相性がいい/思考ゾーンと感情ゾーンはすれ違いが多い/表現を変えるだけで共感が生まれる/思考ゾーンと活動ゾーンは最悪で最強の組み合わせ/相手にないものを補っていく/感情ゾーンと活動ゾーンはお互いに関心がない/接点を見つける努力をする

第5章もっと自分と相手を深く理解する輪郭はエネルギー量を表す/ナポレオンは孤独が苦手、織田信長は孤独が好き/パワハラになりやすい上司、部下を孤立させやすい上司/持久力のある人とない人の違い/起業家に多いコンソントレ、浪費家に多いレアジッサン/人間の顔は左右対称ではない/顔の右側は現在、左側は過去を象徴する/非対称は自分の隠れた意識を表出する/非対称がある人の性格・行動を見るポイント

第6章分析であの人の本質がここまでわかる!顔分析を武器にする/妥協を許さない理想主義者……スティーブ・ジョブズ【思考ゾーン】/有言実行の完璧主義者……羽生結弦【感情ゾーン】/満足することを知らない貪欲な現実主義者……ココ・シャネル【活動ゾーン】/二つのポイントを押さえる/最後まで水と油だったチャールズ皇太子とダイアナ元妃/ウィリアム王子を献身的に支えるキャサリン妃/二人だけの世界観を構築するヘンリー王子とメーガン妃/好き嫌いがはっきりしているエリザベス女王/異なるゾーンの組み合わせでもうまくいく/エリザベス女王はヘンリー王子のよき理解者/相手の顔の変化を読み取ってコミュニケーションする/自分の弱みを相手の強みで補ってもらうおわりに巻末資料1~6

第1章|顔を見れば、すべてがわかる

持って生まれた顔で人生が決まるわけではない相手の顔を見て、コミュニケーションやアプローチをする──。

こう言うと、「結局、美人やイケメンが得をするんでしょ?」と思う人も多いかもしれません。

それについては、最初から否定しておきます。

まったく同じことを話しているのに、相手が美人やイケメンだとついOKしたり許したりしてしまう……。

このように美形な人が得をすることは、世の中に絶対に「ない」とは言いません。

生まれつき美形であれば、アドバンテージにつながることが少なからずあるでしょう。

それでも、この人たちが人生でいつも順風満帆であるとか大成功を収めているとか幸せに暮らしているのかと言うと、必ずしもそうとは言えないのではないでしょうか。

人には言えない苦労や悩みもあったりします。

きちんと現実を見ると、美人やイケメンではない人でも、ビジネスで大成功を収めていたり、幸せに満ちあふれた生活を送ったりする人はたくさんいます。

そちらのほうが多いとさえ言えます。

ビジネスで成功することや幸せな人生を送ることと、顔の美醜、整っているか整っていないかは、まったく関係ありません。

「バチェラー・ジャパン」に出てくるようなイケメンのお金持ちは、富裕階級の中でもごくごくわずかです。

美人やイケメンだからお金持ちになる、あるいはビジネスで成功するのではなく、お金持ちになった、ビジネスで成功した人の中に、美人やイケメンがいたというだけにすぎません。

「持って生まれたものだから、顔は変えられない……」残念ながら、そんなふうに思っている人は大変多いようです。

好むと好まざるとにかかわらず、顔は常に変わります。

十年前の顔と今の顔は、同じではありません。

若いころに美人やイケメンだった人が、加齢によって昔の面影がすっかり消えて別人のようになっていることもよくあることです。

反対に、若いころはパッとしなかった人が、加齢とともに味わい深いダンディーな人になったり、凜とした素敵なご婦人になったりすることもあります。

本書では、顔についてさまざまなことを論じていきますが、成功や幸せに顔の美醜が関係しないことは、重ねて申し上げておきます。

顔がいいから、成功するとかうまくいくという話ではないのです。

持って生まれた顔によって、成功とか幸せが決まるのではない──。

そのことだけは強調しておきます。

顔にはその人のすべての情報が表れるさて、私たちの顔。

顔には、その人の持っているほぼすべてが表れています。

ちなみに、顔からは次のような情報を読み取ることができます。

・体力量・コミュニケーション欲求量・実行力・想像力・共感力・思考の速度・環境や他者に対する寛容性や順応性・感情や考えを伝える力・感受性・自己制御力・野心や独立心・モチベーションすべての人の顔には、こういった情報がはっきり示されています。

それは、あなたの顔も私の顔も同じ。

その顔に表れている情報を理解し上手に活用することで、コミュニケーションや人間関係がうまくいくようになる、あるいは自己実現を図ることを、本書は目的としています。

顔はコミュニケーションの基本なぜ顔なのでしょうか。

それは、顔が人間の内面(感情)の変化を敏感に映し出す鏡だからです。

たとえば、あなたの左右の顔が以前に比べて心なしか歪んでいるなと感じたならば、それは「過去と現在に何らかのギャップが生まれている」という心のサインの表れ。

相貌心理学では、そのように分析します。

目、鼻、口などの顔の器官や部位は外部に露出しています。

ベールで覆ったりしなければ、どんな状態になっているのかを、きちんと把握できます。

自分の顔の器官・部位でさえも、鏡を使えばその状態を認識できます。

露出しているがゆえに、その人の「現在」の状態を把握しやすいのが、顔です。

医師は、患者が診察に来たときに、まず顔を見ます。

そこには、認知機能や生命維持に欠かせない目、鼻、耳、口といった器官が集中しています。

その人の健康状態を読み取れるから、医師は顔を見るようにしているのです。

それ以外にも「楽しい」あるいは「不安」といった精神状態などの重要な情報が、顔にははっきりと示されています。

多くの人が思っている以上に、顔から得られる情報は、膨大です。

そこから何を読み取るかによって、相手や自分自身の現在の状態を把握することができます。

ちなみに、日本語には「顔」に関する慣用句がたくさんあります。

顔色をうかがう顔が売れる顔が立つ顔が広い顔が潰れる顔から火が出る顔向けできない顔を出す顔に泥を塗る合わせる顔がない

汗顔の至り何食わぬ顔知らぬ顔の半兵衛仏の顔も三度まで……こう見ていくと、どれもコミュニケーションや感情・内面についての記述になっていることがわかります。

コミュニケーションをするときは、まず相手の顔を見て何かを判断したり対応したりする……。

日本人にとって、それはごく普通にしていたことでした。

顔はやはりコミュニケーションの基本、人間関係の要です。

もっとも、ただ顔を見ているだけで、相手のことを理解できるわけではありません。

顔のどこをどう見ていくのか。

そこから何を読み取って、どう活かしていくのか。

そのことがわからなければ、いいコミュニケーションもできないし、いい人間関係を築くこともできません。

それを網羅するのが、「相貌心理学(モルフォプシコロジー)」です。

「相貌心理学」を正確に理解し実際に活用していくと、相手の99%を把握することができます。

「人を見抜く」と言い換えてもいいでしょう。

相貌心理学とは何か相貌心理学は、一九三七年、フランスの精神科医でもあり臨床学者でもあったルイ・コルマンによって、顔と精神(内面)、顔と性格の相互関係を研究対象としてつくり上げられた学問です。

顔を客観データとして分析し、人間性、性格、パーソナリティーを見立てていきます。

コルマンの著書『相貌心理学序説』は、フランスで最も権威ある出版局「フランス大学出版局」から半世紀にわたり出版されています。

日本では一般には知られていませんが、フランスでは心理学の一分野として広く知られており、教育分野、またビジネス分野においても多方面で活用されています。

実際にどのようなメソッドとして活用されているのかについては、相貌心理学者と企業との間で守秘義務の取り決めがあるため、企業名などの詳細はここではお伝えすることができませんが、お客様とのコミュニケーション、人材育成、もしくは適材適所の人材配置といったマネジメントに応用されています。

教育分野においては、ファッションや美容などのイメージをコーチングする学校のカリキュラムの中などで相貌心理学の顔分析の応用が使われています。

一般の家庭でも子どもとのコミュニケーションをうまくとるために使われています。

フランスでは有名な雑誌や新聞で特集されることもあるので、道を歩く人に聞いても、「ああ、知っているよ」と答えるくらいポピュラーな学問なのです。

ヨーロッパにおいても、イタリアやスペインといったフランスの近隣国では、相貌心理学が少しずつ広まりつつあります。

コルマンは論文以外に、自分の学術研究成果を三十数冊の本で発表し、それが今日の相貌心理学の理論の基になっています。

彼自身は臨床心理学者でもあり、実証、ケース・スタディを提唱していたので、自分のメソッドをつくるに当たって数多くの分析・実証を繰り返すことで精度を高めていきました。

現在に至り、一億人以上にも上る顔分析データの集約をもって理論を体系化し続けているという意味では、まさに「生きた学問」と言え、相貌心理学のプロフェッサーによる顔分析の精度は、99%の正確性を誇ると言われています。

フランスでは学問としても人気で、精神科の医師やカウンセラー、ファッション関係者などが相貌心理学者の資格を取得しています。

美容関係、エステティシャンなど美に関する職業の方の受講が多いのも特徴です。

相貌心理学を学んだ美容師が、相貌心理学と美容を融合させた新しい分野をつくったというケースもあります。

ちなみに、相貌心理学者は現時点で世界に約千二百人います。

その中でもプロフェッサーは世界に十五人。

日本人では、僭越ながら私だけです。

相貌心理学を知るメリット相貌心理学を学ぶと、どんないいことがあるのでしょうか。

大まかに言うと、二つあります。

一つ目に、自分自身を知る。

自分自身のことは理解しているようで、案外、理解していないものです。

特に仕事に追われたり日々の生活に忙殺されたりしていると、自分が本当は何をやりたいのか、どんなことが向いているのかを探ろうとする余裕もなくなります。

とにかく目の前のことを一生懸命にやって結果を出すのに精いっぱい。

その一生懸命にやっていることは、本当にあなたが求めているものなのでしょうか。

自分がどんなことをやりたいのか。

あるいは、どんなことで自分の才能が開花するのか……。

才能の開花が望める分野は、その人が持っている力を最大限に発揮させます。

当然ながら、その分野を選んでしっかり努力していけば、成功を収めることができ、本当の意味で自分を満たすことができます。

この満足感を得るには、自分自身を把握する必要があります。

それもなるべく客観的に。

それを教えてくれるのが、相貌心理学です。

自分を知ることで、人間関係、仕事の範囲、活動領域が広がって、行動半径も拡大していきます。

仕事もプライベートも充実して、人生がより豊かになることは、間違いありません。

二つ目に、他人を知る。

あなた自身、これまでさまざまな人に出会ってきたでしょうが、そのすべての人を真に理解できたでしょうか。

そんな人物眼が鋭い人は、めったにいるものではありません。

相貌心理学を身につければ、誰もがしっかりした人物眼を持ちコミュニケーションにおける寛容さや相手に対するやさしさを育むことができます。

自分固有の見方で相手を見てしまい、特に第一印象で「この人、嫌い」と思ったら、以後も相手への理解を示すことなく常に隔たりや壁をつくってしまう人は多いようです。

その負の感情は、相手にも必ず伝わります。

相手からも「あの人、なんか感じが悪い」と思われてしまい、結果的に損をすることになります。

これまでは自分が過去に培ってきた経験や価値観で相手を判断して、それで終わっていた人も、相貌心理学を学ぶことによって、「あ、この人第一印象ではちょっと苦手なタイプだけど、こういういいところがある。

そこに着目すれば、私ともうまくいくかもしれない」と見方が変わっていきます。

相手の特性を活かすような関係性をつくることで、人間関係も良好になります。

相手を理解することは、相手を活かすこと。

それは、相手のためのみならず、自分のためにもなります。

他人を知ることで、これまでよりも多くの人とのコミュニケーションに躊躇なく踏み出せるようになります。

新しい人とのつながりができれば、そこからまたさらなる人間関係が発展して、行動半径が拡大していきます。

自分自身を知る。

他人を知る。

大きく挙げれば、この二つが、相貌心理学を学ぶメリットになります。

人を見極めるメガネを持つ相貌心理学は、人の本質を顔で理解するメガネです。

このメガネを持つ人と、そうでない人とでは、コミュニケーションにおいてもビジネスや恋愛、家族関係においても、天と地ほどの差が開いてしまうと言っても、過言ではありません。

自分も含めて、人間をその本質的なところから理解できるようになりますし、どうすればいい結果を導き出すことができるのかも考えられるようになります。

コミュニケーションのあり方や人間関係の距離感、仕事のやり方などのあらゆる面において、最適な行動をとれるようになります。

相手の性格をしっかり理解し、それを踏まえて適切なアプローチをすることで、どんな人ともうまく関係を築くことができます。

人間関係で相手が想定外の行動をすると、「あんな人だとは思わなかった!」と腹を立てたりしますが、相貌心理学というメガネを持つと、そういうこととも無縁になります。

相手の傾向を理解していますから、「こんなことを言いがちだな」「こんな行動をしてしまうよね」と納得することが多く、がっかりしたりイライラしたりすることがなくなります。

むしろ「この顔のタイプはこういう特徴があるから、こんなことを言うんだな」と、相手の行動を深く理解できるようになり、やさしく包み込むように接するこ

とができます。

相手とうまく関係を築けるので、自分自身も穏やかでいられます。

顔は、生まれつき変わらないものではありません。

人間は社会的動物でもあるので、外部の刺激によっても顔はつくられていきます。

うれしい出来事、楽しい刺激をいっぱい受信していれば、幸せあふれる顔が構築されていきますし、ネガティブな刺激を多く受ければそのように構築されていきます。

特に感受性の象徴でもある顔の肉づきのバランスが変わることで、与える印象もまた必然的に変わります。

意識しているかいないかにかかわらず、顔にはその人のすべてが表れます。

自分の顔がどうなっているのか。

またどのように自分の顔が見られているのか。

それは、自分自身が責任を持って理解していかなければならないことです。

相貌心理学をビジネスで活用する相貌心理学がビジネスで有効活用できる事例をご説明します。

まずはマンツーマン・コンサルティング。

設定した目標に対して、きちんと管理し適切な行動ができているかどうか、スタッフやビジネスパートナーと適正な人間関係が築けているかなどを、依頼者の顔の変化を見ながら、マンツーマンでコンサルティングをしていきます。

フランスでは、エグゼクティブが相貌心理学者にマンツーマンのコンサルティングを希望するケースもあります。

あるいは、産業医や医療カウンセラーに代わるメンタルコンサルティング。

新しく入ってくる社員のAさんがどちらかと言うと心の病気に陥りやすい傾向があるならば、それを顔に表れた情報から察知し事前に対策を講じて防ぐことも可能です。

ほかには、人材アセスメント。

適性の見極めや人材配置などは、すでにフランスで活用されている分野でもあります。

採用面接という場で応募してきた人が本質的にどういうタイプかを見抜くのはベテランの面接官でも難しいものですが、相貌心理学を知っていれば、それも容易にできます。

たとえば、次の四人が応募して来たとします。

今回の採用で、「リーダータイプ」を求めているとしたら、A、B、C、Dの中からぴったりの人材を選ばなければなりません。

ちなみに、あなたが面接官だとすれば、四人のうち誰を選ぶでしょうか。

直感でもいいですから、顔だけでリーダータイプを一人選んでみましょう。

肉づきに張りがあり、こめかみがまっすぐな人はリーダータイプ?先に正解を言うと、リーダータイプはCです。

それ以外は、Aが言われたことを忠実に実行するタイプ、Bが人を押しのけてでも前に出ていくタイプ、Dが縁の下の力持ちタイプです。

なぜこの四人について前述のように判断できるのでしょうか。

それは顔に表れた情報を相貌心理学で読み取っていったからです。

A、B、C、Dそれぞれについては、次のように分析できます。

A=言われたことを忠実に実行するタイプ肉づきはあっても張りがなく、目尻はとても下がっていることから、言われたことを忠実に実行していくタイプだとわかります。

目は大きく、横から見るとどちらかと言えば飛び出しているがゆえに、選択の欲求も少ないことを示しています。

唇は若干開き気味で、自己制御力が弱いこと、あご先はとんがり気味で、横から見ると引っ込んでいるので野心がないこともわかります。

B=人を押しのけてでも前に出ていくタイプ横から見て傾斜の強い額は、思考の速度や判断は速いが、他人への配慮に欠けていることを示します。

あご先が過度に突出しているので野心を実現する力もあります。

正面から見て耳が見えるので、独立心が旺盛。

また頰骨が張っているので、社会的欲求、愛情欲求が強いこと、それを人に強要するのをいとわないことがわかります。

C=リーダータイプ直感したことを理論立てて考えられることが、横から見た額上部の丸みや眉上の凹凸からわかります。

自分の考えを他者に勢いよく伝えられる能力は、鼻筋の傾斜が示しています。

想像したことや理想を理論的・現実的思考に落とし込む力を持っていることは、こめかみのまっすぐさが示していますし、張りのある肉づきからはモチベーションが高いことがわかります。

唇は引き締まり閉じられているので、自己制御力があると言えます。

D=縁の下の力持ちタイプ全体的な肉づきの豊かさと適度な張り、唇の肉づきのふくよかさから、コミュニケーションにおける順応性、寛容性が高いことや、相手に対する気配りが得意であることがわかります。

目尻の下がりは、他者の話をじっくり聞ける度量の大きさを示します。

あご先がどっしりとしていることから野心があることはうかがえるものの、横から見て過度に突出していないことからほどよく自己制御できることがわかります。

人材のミスマッチを防ぐリーダータイプの人材が欲しいのに、言われたことを忠実に実行するAか縁の下の力持ちであるDを採用してしまったら、人材のミスマッチ。

採用したほうは「もっとやってくれると思っていたのに……」とがっかりし、採用されたほうは「こんなことは向いていないのに……」とストレスを感じ、お互いに不幸なことになります。

あるいは参謀タイプが欲しいのに、人を押しのけてでも前に出ていくBやリーダータイプのCを採用しても、同じようなミスマッチが起こります。

どんなに面接をたくさんしても、その人の本質を見抜くことは難しく、履歴書に素晴らしい実績が書かれていても、その人が本当にその能力を発揮できるかは現場に出てみないとわからないものです。

採用には、このようなリスクがつきまといます。

そのリスクヘッジをしてくれるのが、相貌心理学です。

履歴書にはないその人固有の情報が、顔には表れています。

それを分析できれば、「この人はリーダー(言われたことを忠実に実行する/人を押しのけてでも前に出ていく/縁の下の力持ち)タイプ」だと見抜くことは可能です。

人材のミスマッチも限りなく減らしていけることでしょう。

営業部門の人材を募集しているのに、事務の得意な人を採用してしまっては、お互いに不幸なことになります。

社交性に長けている人、他者とのコミュニケーションが得意な人が、やはり営業には向いています。

もし四人の中で採用するとしたら、相手の立場になってものごとを考えられるDになるでしょう。

反対に、動き回って周りの人たちとのコミュニケーションをとるのが得意なタイプが事務職専門のチームに入ると、ストレスがたまってしまいます。

営業向きの人を顔立ちから見極めて配置できれば、ミスマッチはなくなります。

同じく四人の中で事務職を採用するとしたら、言われたことを忠実に実行するAでしょうか。

面接という短時間でも、顔を見るだけでその人の持つ本質がわかります。

ビジネスでの人材配置という視点で考えた場合でも、「顔の部位がこうなっているから、この人はこういう人だ」と一義的に判断するのではなく、会社に必要な人材はこういうタイプだから、それに合うのはこういう顔のタイプだ」と見ていくほうが、ミスマッチは起こりません。

それぞれの人間の特性を活かすことこそ、重要です。

相貌心理学を用いれば、適材適所の人材配置が可能になります。

日本人に合ったコミュニケーション方法相貌心理学は、その人の「いい悪い」を判断するための学問ではありません。

その人を理解するための学問です。

人はどうしてもものごとを「いい悪い」で判断しがちです。

それは、ものごとだけでなく人に対しても同様です。

なぜかと言えば、人間は肉体的にも精神的にも、本能として自分を守るための自己防衛が働くからです。

その判断の主体は常に自分であり、当然それは主観的になります。

相貌心理学は「顔」に表れたさまざまな「表出」を客観的に読み取って言語化する学問です。

そこに「いい悪い」の判断はありません。

ちなみに、表出とは相貌心理学では生体内部に起こっていることが顔の表面に特徴として表れることを指します。

まずは相手の顔をしっかり見ること。

それは、アイコンタクトではありません。

顔を見れば、そこには基本的な性格や行動スタイルなど相手に関するさまざまな傾向が反映されています。

「この人はこういうタイプ」だとわかれば、人種・国籍を問わず相手に合わせたコミュニケーションをすることが可能になります。

すると相手も自分のことをわかってもらえるという安心感を持ち、コミュニケーションに寛容性が生まれます。

どういうタイプなのかを理解したうえで、相手に合わせて対応していくコミュニケーション方法は、外国人がよくやる丁々発止のやりとりをすることに慣れていない日本人にとって、ぴったりではないでしょうか。

控えめでおとなしい日本人に合った、コミュニケーション方法の一つとして、とても有効なツールとなるでしょう。

私が相貌心理学を勧める理由は、そこにもあります。

大切なことは、その結果を「いい悪い」で判断するのではなく、どう理解するか。

判断と理解はまったく異なるものなのです。

加えて言うと、顔は常に変化するもの。

顔は内面を映し出す鏡で、その人の感じ方が変われば、顔も変わっていくというのが相貌心理学の根底にある定義です。

ですので、顔の変化を読み取るということは、本人さえも気がついていない内面の変化への理解と言えるのです。

この理解は、もちろん、自己分析にも使うことができます。

顔の変化を通じてモチベーションや心の動向を知ることで、日常生活における体調管理のように心の自己管理として使うことができますし、新たな人生を切り開く大きな決断や選択をする際に活かすこともできます。

占いでも観相学でもない相貌心理学は、占いとは違って「学問」です。

実は、私のところにも「これからどうなるのでしょうか?」と、自身の未来を鑑定してもらおうとする人がよく訪ねてきます。

占いと勘違いしている人が多いのも事実です。

占いではないので、私にはその人の未来はわかりません。

ただし、これだけは伝えます。

「未来は自分で築くものです。

もし夢があるのなら、お顔立ちからその夢に近づくためのプロセスは提案できますが、何年後にその夢がかなうかは、占いではないのでわかりません」こう言うと、「占ってもらおう」と期待に胸を弾ませて来ている人は、がっかりするようです。

「あ、見てくれないんだ……」とあきらめたのか納得したのかは不明ですが、足早に去っていきます。

相貌心理学は、あくまでも自分自身や他者を理解するための学問です。

占いとは違うので、「いい/悪い」「かなう/かなわない」という判断をするためのものではありません。

また、観相学とも異なります。

観相学では顔のある部分を抽出して、その一点からその人を判断していきます。

相貌心理学では、「部分は全体の一部」としてとらえ、点と点をきっちりつなげていって、全体を統合して「こういう性格だ」と考えていきます。

あくまでも一人ひとり異なるオーダーメイドの分析です。

私が調べた限りでは、観相学はどうしても部分的な表出を理解しようとしているように見えます。

そこが、相貌心理学との大きな違いです。

その点については、第6章の総合分析をお読みになれば、おわかりいただけると思います。

これからの時代に必要不可欠な学問テクノロジーの進化により、これからの時代、リモートワークやテレワークが一般化することは間違いありません。

あるいは遠隔医療の普及も待ったなしです。

こうした分野でも相貌心理学を活用できます。

これらのシステムでは、離れた相手とパソコンやスマホの画面を通じて、コミュニケーションをしていきます。

言葉のやりとりはできますが、対面ではないので、相手の息遣いや細かい表情を見ることが難しくなり、威勢のいい人のアイデアが通ったり口下手の人が不利益を被ったりすることも、リアルの場以上に起こるかもしれません。

意見の集約や意思決定、病状把握に時間がかかってしまうことも「ない」わけではないでしょう。

ここで重要視すべきなのが、顔。

面識がない人や初めての患者さんとコミュニケーションしなければならないときでも、顔はハッキリ見えます。

相手のことをあまり知らなくても、画面に映る相手の顔を見てそこに表れている情報を分析していけば、「この人は本音を言わない人だな」「選択の欲求が強いな」「環境への順応性が高いな」と判断できます。

対面はもちろん、離れた場所でのコミュニケーションにも大いに活用できることになります。

時代や技術の変化が、相貌心理学普及の有用性を示唆してくれています。

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