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思いの種を蒔き、行動を刈り獲り 行動の種を蒔き、習慣を刈り獲り青木仁志 習慣の種を蒔いて、成功を刈り獲る
はじめに 未来を知る者は、その未来を創り出す者自身である 人生は有限です。だからこそ一度かぎりの人生を充実させ、有意義にかつ楽しく過ごしたいと誰もが願っています。この願いは、「成功したい」という欲求であり、人間の本能とも言えるものです。成功とは目的を遂げること。すなわち成就・達成です。 真の目標達成とはどのような状態でしょうか? たとえば、豊かな財産を築くことに固執して事業で大きく成功したとしても、多くの人々を傷つけたり、心を許せる友もなく、貧しい心の持ち主であったらどうでしょう。 真の目標達成とは、物心両面の幸せを実現することであり、経済的にも精神的にも豊かであるということです。ビジネスで成功する力があれば経済的に豊かになれます。同時に、自分を価値ある存在だと感じ、多くの人々を喜ばせるために何かを成し遂げようと思えれば、精神的に豊かであるということです。 仕事に対して前向きに取り組み、困難にぶつかったときは支えになってくれる仲間に恵まれ、責任感をもって遂行した仕事からは相応の報酬が得られる。さらにはいつもその仕事が周りから感謝されている。自分が社会の役に立っていると実感できる。これは理想論でしょうか。 どんな国でもどんな分野でもこれらを体現している成功者・超一流と言われる人たちは存在します。彼らは強く求めている。そして、どうすればそれに辿り着けるのかがわかっている。成功する人、すなわち目標を達成できる人とできない人の一番の違いは、願望です。強く求めているかどうかの差で、特別な才能や能力ではないのです。 では、目標を達成するために、彼らは何をしているのでしょうか? 求めるものに対し、進んで代償を先払いしています。願望が強いので、目先の快楽よりも真の願望に突き動かされている。自分の中にある理想のイメージを鮮明に描いているので、それに向かって、まっすぐ思考を管理し、行動を管理することによって、出来事を変化させていくことができるのです。 思考の管理 ↓ 行動の管理 ↓ 出来事の変化 願望が強ければ強いほど、それを求める思考も強くなる。人は願望から逃れられない。どんなに固い意思をもっていても、願望が意思より強くその人を動機付けます。そうして思考の中に留めていたものが行動によって現象化するのです。 この思考を現実化するエネルギーは誰にでも内在しています。そしてこの力を最大限に発揮できるようにすることが、まさに達成力の開発です。 社会に出るまでのあいだに、この願望を明確にするトレーニングを受けている人がどれほどいるでしょうか? ほとんどの人が願望を明確にできないまま、曖昧な思考のままで人生を終えてしまうのです。 ところが、その前に必要なものがあります。それは、「わたしはできる」という自分自身への信頼感です。自分を信じる力。つまり自信がないと、「わたしなら乗り越えられる」「必ず達成できる」という強い気持ちは生まれません。願望が明確であっても、達成をあきらめ、「自分には無理だったんだ」という言い訳を作ってしまいます。あなたが自らの願望を成就しようと思ったら、まず、自分で自分の価値を認める。自分を愛する自己愛が必要です。 本書では、3つのことをお伝えします。思考を現実化させるための「思考法」「原理原則」「行動技術」です。目標を達成するためには、自らの専門分野で卓越した技術を身につけることは必須ですが、それを使いこなす器を鍛えなければ技術も陳腐化してしまいます。これら3つすべてをおさえることで、真の達成力を手にすることができます。 わたしたち人間は、育った環境から自分なりの尺度で物事を判断・解釈する価値のフィルターをもっています。これが、達成を阻害するメンタル・ブロック(精神的な壁)を内面に作り上げます。 成功している人には、共通点があります。それは先に述べたとおり、自分自身に対して、「わたしはできる」という信念をもっていることです。このような強い信念をもつためには、まず価値観を明確にし、人生の土台を確立する必要があります。本書では、 ①人生の土台となる価値観をまず固める ②そのうえに構築するビジョンや将来のあるべき姿を明確にする ③目的を遂げるための目標を設定する ④目標を達成するための計画を立てる ⑤最終的に日々の実践に落とし込み、行動管理をする という目標達成のプロセスを順次わかりやすくご紹介しています。これは、「アチーブメントピラミッド」というセルフイメージの確立を核とした自己開発の具体的な概念です。わたしが 30年以上、人材育成に取り組んできた基礎となる考え方です。 人間に与えられた最大の道具は思考。その道具の使い道を決めるのは、その人自身です。思考は価値あるものに使われるべきです。変われない人は深層心理で自分に蓋をしています。繰り返しますが、まずは自分自身を愛する。これが目標を達成するための第一歩です。セルフイメージを確立し、目標を設定し、日常レベルにまで自動的に反映できるよう、この本には多用なワークを盛り込んでいます。時間はかかるかもしれませんが、読み飛ばさずに取り組んでみてください。達成力も最後は実践によってのみ高まります。 ぜひ、自分自身を愛してください。そして、真の目標達成の考え方を掴むことで、なりたい自分になるための自己変革の道をめざしましょう。
目標達成の技術 目次
はじめに第 1章 目標達成の扉戦略的に目標を達成するということ誰もが「願望の世界」をもっている3つの原則アチーブメントピラミッド思考の壁達成と未達成を分ける決定要因グランドルール学習効果を高める方法自分を知る5つの質問成功の5つの条件成功の定義成功のタイプと失敗のタイプ
第 2章 真の目標設定
目的と目標は違う人生の目的を考えるあなたが望んでいる生活は?あなたはどんな仕事がしたいのか?時間軸で目標を細分化する目標を設定する
第 3章 目標達成の障害
パラダイムシフトの重要性よいものを知ると価値観が変わる達成を鮮明にイメージする「学び、真似ろ、追い越せ」を加速する成功の障害成功のサイクル・失敗のサイクル
第 4章 目標達成の原理原則
成功原則 1.あらゆる事柄に目標を設定し、計画的に生きる(優先順位を守る) 2.セルフコントロール能力の習得 3.成功者としての自己概念を形成する 4.心の法則を使う 5.パワーパートナーの協力を得る能力 6.専門能力を開発し、真のプロフェッショナルになる 7.過去志向型から未来志向型への変革 8.一生学び続ける 9.健康管理を徹底し、エネルギッシュに生きる 10.実践主義に徹する日常生活・業務の水路化現象アチーブメントバランスの概念
第 5章 達成計画の立案
目標達成には綿密な計画が不可欠良い計画の 10項目能力は努力の蓄積挫けそうになったときは?今日やるべきことをメモする仕事上手は段取り上手見直し時間を作る誰にでも平等に与えられている時間を有効に使うタイムマネジメントのアイデア日常生活上のアイデア
ちょっとした時間も有効に使う工夫を
第 6章 信念の力
現実を肯定するところからすべてが始まる他人を正しく評価する認めることの大切さ顕在化できる能力だけが評価できるどんな非現実的な行動も、自分にとっては最善である自分の願望はつねに口にする実現のきっかけ信念は実績に比例する態度は現実を決定するプラスのイメージでセルフコントロールする自分の可能性を信じる楽天的な視点を忘れない困難を予測する習慣を身につける前向きの姿勢をもっていれば、ストレスも溜まらないスランプは成長の促進剤勝ち癖をつける
終 章 自分自身との契約
自分自身との契約書終わりに記入例
第 1章 目標達成の扉
戦略的に目標を達成するということ 目標達成のステップを理解する前に、まずは「目的」と「目標」の〝違いと関連性〟を正しく認識しなければなりません。 人生の目的とは、「わたしは、なんのために生きるのか?」という自己の存在理由であり、生きる意味です。目的が土台にあって、それを実現するために目標を設定するのです。 わたしが 21年続けている戦略的目標達成プログラム『頂点への道』講座は、その名のとおり目標達成の技術を教える研修ですが、戦略をもって達成する道のりは、自分が生きる目的を考え、導き出すこと、あるいは鮮明に確認することから始まります。 目標というのは、目的を遂げるために現実可能な到達しうる通過点。当然、目標が達成できなければ、目的を遂げることはできません。ですから、最終的に、目的は目標として、さらに優先順位にしたがった日々の行動管理へとブレイクダウンされていくことになります。 ただ行動するだけなら誰でもできます。しかし、無目的無目標だと、どんなに一生懸命であっても成果を実感しづらいものです。していることの成果ではありません。生きていく上での自己実現感です。 真の目標達成技術とは、成功からの逆算と、土台に則った一貫性のある生き方をするということなのです。つまり、目的・目標志向型の人生へと脱皮することです。いつ死んでも悔いがないよう人生の目的から逆算して行動する。思考を現実化する技術を体得するとも言えます。 だから「心の作用」をよく理解し、行動が起こる仕組み、モチベーション(意欲的な動機付け)の働きを知っておく必要があります。 そこで、米国の大学・大学院で心理学やカウンセリングの教科書として用いられている『 Current Psychotherapies by Corsini(第 5版)』にも取り上げられている「選択理論心理学」[ www. choicetheorist. com/ ct_ history. html]を『頂点への道』講座のベースに盛り込みました。人間の行動心理のメカニズムがわかれば、より効果的に目標達成に向けたセルフコントロール(自己管理)ができるようになります。対人関係スキルも高まります。 ここからしばらく選択理論心理学の説明に入らせていただきます。 これまで、人の行動は、外部の刺激に対する反応であるという「外的コントロール理論」が主流を占めていました。一方、選択理論心理学は、「人の行動は外部の刺激による反応ではなく、自らの選択である」と主張しています。 たとえば、携帯電話が鳴ると、ほとんどの人は迷うことなく電話に出ます。この行為を「携帯電話が鳴ったから取った」とするのが外的コントロール理論です。選択理論心理学では、受話器を取るという行為は、「その人が選択した」となります。どんなに鳴り続いていても、忙しくて手が放せないようなときは電話に出ない場合もあります。また、無言電話などのいたずらが続けば、またかと思って出ないこともあります。つまり、携帯電話が鳴っても出ないという行為を選択する人はたくさんいるわけです。 私たちは、人、状況、もの、さまざまな情報の刺激を受けています。それらは視覚、聴覚、嗅覚、味覚、触覚の五感という感覚のシステムを経由し、「知識のフィルターと価値のフィルター」(知覚のシステム)を通して現実世界を脳に伝達しています。脳には生まれてから現在まで知覚したあらゆる情報が入っていますが、その時点で思い出せるごくわずかな情報だけしか使えません。また、私たちが経験したことは、〝知覚のシステム〟を経由したときに、自分にとって好ましく肯定的な情報、苦痛や不快感を伴う否定的な情報、そのどちらでもない中立的な情報とに大別され、細かく整理・選別されます。この選別を元に、どんな行動をするか選択がなされるのです。 たとえば子どもができてから、虐待などの事件に関心が一層増すようになったという方がいます。テレビで幼児虐待のニュースを目にするたびに胸を痛めているというのです。しかし、この人に子どもがいないときでも、マスコミが取り上げたたくさんの事件があったに違いありません。ただ、関心が薄く脳に入ってこなかっただけなのです。自分に子どもができてから、関連情報が五感を経由して鮮明かつ優先的に脳に入ってくるようになったのです。 つまり、〝知覚のシステム〟を経由して、その人にとって関心のある情報が、選別されて脳に入ってきているということです。さらに、選別されて入ってきた情報に対し、どんな行動を取るのかを選択します。このときの対応法を決定する基盤となるもの、つまり動機付けの源となっているのが「基本的欲求」です。 行動は、「思考」「行為」「感情」「生理反応」の4つの要素から成り立っています。車に例えれば、前輪が「思考・行為」そして後輪が「感情・生理反応」となります。さらに、車のエンジンは基本的欲求、ハンドルは願望を表します。「こうありたい」「これをしたい」という方向に人間は動くのです。成し遂げたい目標がはっきりしていればいるほど、そちらに向かって早いスピードで動きます。 走り出したら、途中で願望が違うものに向いてハンドルを切って曲がろうとすることもあります。曲がるときにハンドルと共に動くのは前輪の「行為」と「思考」だけです。後輪は前輪の動きについてきます。すなわち「行為」と「思考」は、自分でコントロールすることができ、「感情」や「生理反応」は制御しにくいものです。「行為」と「思考」がよい方向へ向かうようにハンドルを切れば、人生もよくなりますが、効果的に進むためには「エンジン =基本的欲求」の働きを理解しておくことが必要です。 基本的欲求とは、脳細胞にある遺伝子に組み込まれたもので、次の5つがあります。5つの基本的欲求 ①生存の欲求 ②愛・所属の欲求 ③力の欲求 ④自由の欲求 ⑤楽しみの欲求 ①生存の欲求 生存の欲求とは、健康や身の安全、飲食、睡眠、生殖など、生きていく上で必要なすべての欲求 ②愛・所属の欲求 愛・所属の欲求とは、家族、友人、会社などに所属し、愛し愛される人間関係を保ちたいという欲求 ③力の欲求 力の欲求とは、自己実現したい、達成したい、人の役に立ちたい、自分の価値を高め、認められたいという欲求
④自由の欲求 自由の欲求とは、誰にも何にも束縛されず、自分の考えや感情のままに自由に行動し、物事を選び、決断したいという欲求 ⑤楽しみの欲求 楽しみの欲求とは、義務感に囚われることなく、自ら主体的に喜んで何かをおこないたいという欲求 これら基本的欲求は、私たち人間が生まれながらに持っているもの。ただ、人それぞれ欲求の強さや満たし方は異なります。基本的欲求が満たされていれば、人は幸せを感じ、心が安定しています。そして、この基本的欲求を満たしてくれる事柄が、私たちの心の中にイメージとして存在しているのです。
誰もが「願望の世界」をもっている「願望の世界」とは、五感を通して脳に取り込まれたさまざまな情報から、それまでの体験と照らし合わせ、感覚的に心地の良い、あるいは、自分にとって価値があると思うものを選別した結果として築かれるイメージの世界です。これを「上質世界」と言います。上質世界に仕事があれば仕事に、家族があれば家族のために時間を割くようになります。 願望は、「人」「もの」「理想」「価値観」「信条」などから構成されています。たとえば、ごはんよりパンが好きで、 3食パンでも満足するという人は、パンが願望に入っています。「おいしいパン屋があります」と言われると、「行こう」という行動を選択します。 さらに、 A店のパンがおいしかったという情報が願望に入っていると、パンを食べたいと思うと A店が連想されるのです。私たち人間は、この願望の世界に蓄積・形成されたものを求めて行動するのです。 生まれてからいままでに、基本的欲求を満たしてきた情報は、すべて願望の世界に蓄えられています。それは他人、あるいは外部からコントロールできるものではありません。人は、知覚した現実世界と、求めているものを無意識に天秤にかけています。そして、瞬時にさまざまな要素を考慮して、自分の欲求を満たす方向へ行動を選択していきます。 たとえば、甘党の人が喫茶店に入ってレモネードを頼んだとします。飲んでみると、自分好みの(上質世界に貼ってある)レモネードと違って酸っぱい味がしました。当然、砂糖を入れようとします。まだ好みの甘さでないと感じれば、また入れて、好みの甘さになると欲求が満たされたことになります。この一連の行為が、願望にあるものを求めて行動するということです。すなわち、人が内側(上質世界)から動機付けられて行動するメカニズムです。 上質世界には、まだ経験していない情報であっても意識的に取り込むことができます。想像力を駆使して、自分のなりたい姿、将来像を心に思い浮かべ、鮮明にイメージしてください。それが、あなたの願望の世界に貼りつけられれば、自然とその方向へ行動をとるようになります。 わたしはセールスマンとして働く以前から、自己啓発に関する書物をたくさん読んでいたので、本棚は関連本でいっぱいになっていました。とくに大きな影響を受けたのは、当時産能大出版部から出ていたナポレオン・ヒルの『成功哲学』です。 21歳のときにこの本と出会いましたが、「富を築いた何百人ものインタビューの中で、彼らに達成させる力を与えた要因は、成功を意識することにあった」というものがあります。 つまり、「成功を意識する」とは、「上質世界に、自分が成功したときのイメージを取り込みなさい」ということだったのです。すると、上質世界に取り込まれたイメージがその人の動機付けとなって、成功できる行動を自ら選択するようになっていくのです。 3つの原則 選択理論心理学を基盤としたカウンセリングのひとつである「リアリティ・セラピー」には3つの原則があります[『セルフ・コントロール』(ロバート・ E・ウォボルディング著、柿谷正期訳、サイマル出版会、 1992年)]。これは、願望を現実的な行動で達成し、満たしていく評価の手助けとなるものです。しっかりおさえておいてください。 ①人は自分の行動に責任がある。社会、遺伝、過去のせいではない どのような出来事や結果も、そのとき自分が最善と思い、自分自身で選択した行動の結果です。仕事がうまくいかないのは、うまくいかない行為を選択した自分の責任であって、それを会社や上司の責任にしても何も解決しません。また、自分が恵まれていないと思っていても、家庭環境のせいではありません。 自分の身に起こることを、外側の世界に責任転嫁しているうちは達成できません。自分の行動には自分で責任をもつ。そして、何があっても「自分で選択したことなのだ」と肝に銘じる。自立と自己責任は、達成するための大原則です。 ②人は変わることができ、より効果的な人生を送ることができる どんな人でも、願望の世界に本物を取り込むよう鋭意努力していくことで、それまでの生き方をよい方向へ変えることができます。何事も本物を知ることで、人生は向上していきます。いま、どんな状況であろうとも、自分の努力でこれからの人生は変わります。 ③人はひとつの目的をもっている。すなわち、陶芸家が粘土をこねるように、自分の環境を操作して自分の求めているイメージ写真に近づけようとする 自分の願望の世界に、あなたは何を取り込んでいるかをいつも考えてください。自分の願望の世界にあるものが、自分の未来を創り上げていきます。願望の世界に本物を取り込み、健全な目標、目的を擦り込んでおいてください。 何か嫌なことがあるとお酒に逃げたり、苦労せずに儲けようとして賭けごとに走ったりしてしまう人は、アルコールやギャンブルを願望の世界に取り込んでいます。 願望の世界に取り込んだ目標は、つねにステップアップさせる 人は自分の理想像を願望の世界に取り込むことで、その理想像に近づく行動をするようになります。たとえば大きな家を手に入れた自分であったり、会社を興して社会に貢献している自分だったりします。月収 100万円をめざすといった具体的な目標でもかまいません。すでに実現したものとして取り込むことがポイントです。 願望の世界にはいつも新しい理想像を取り込む 意欲的に独立したプロセールスパーソンがいました。彼は年収 2000万円を目標としてわずかな期間で目標を達成できました。誰の目にも驚異的な記録でしたが、その段階で満足してしまい、新たな目標を設定することを怠ってしまいました。 ここで彼の成長は止まってしまい、これまでコンスタントに月 10件の成約があったものが、徐々に減って年収もたちまち激減してしまいました。 しかし、彼には理由がわかりません。理解できないまま、やがて独立したことを悔やむようになっていきました。 彼の場合、最初の目標を達成した段階で、お金ではなく 1ヵ月に何件契約をお預かりするという記録を目標にしてみるなど、別の目標を願望の世界に取り込む必要があったのです。願望の世界にあるものを変えていくことは、人生を効果的にコントロールしていくための重要なポイントです。 アチーブメントピラミッド
さて、目標達成の話に戻ります。自己を確固たるものとして戦略的に目標を達成する。この概念を示したものが前述したアチーブメントピラミッドです。 ピラミッドの土台には「人生理念」があります。これはブレない自分の軸です。企業には企業理念があるのと同じように、人生理念はあらゆる物事を判断し、選択する羅針盤になります。自分の最も大切にする価値観を明確にすることで、広大な世界、有限な人生の中で戦略的に自分を活かすことができるのです。 この土台の上に「人生ビジョン」を積み上げます。しっかりとした人生の価値観・哲学・信条・理念に支えられることによって、揺るぎない将来のあるべき姿が浮かび上がってきます。次いで、人生ビジョンを実現するための長期、中期、短期と期限を切った目標を設定していきます。 要約すると、まず生きる目的を明確にする。それを遂げていく鮮明な将来のイメージがあり、それを数値化した目標に落とし込むのです。「こうしたい」「ああなりたい」と漠然とした考えは誰もが抱いています。しかし、頭で考えていることを紙に書き込めるくらい具体的にしなければ実現できません。
目標を達成するための最重要スキルは目標設定であり、目標なくして達成もありえない。どんなに壮大な夢を思い描いているだけでも、反対に漠然とした考えでやみくもに行動していても、目標を明確に設定しなければ、達成に効果的な思考の使い方をしているとは言えません。戦略的に目標が設定できたら、優先順位をつける基準も明確になります。各々の説明はのちほど詳述しますが、これが達成するために「戦略的目標設定」と「プライオリティマネジメント」を知っておくことが不可欠な理由です。 ところで、あなたはどうやって自転車の乗り方をおぼえましたか? 大半の人から、「自然と身体でおぼえた」という答えが聞こえてきそうです。目標達成も同じです。技術というものはすべからく、頭だけではなく、体得するものなのでしょう。『頂点への道』講座も 3年間かけて 6度同じ研修を再受講してもらうフォローアップのシステムを設けています。そのあいだ無料でコンサルタントがフォローします。 アチーブメントピラミッドの概念を頭で理解するのは難しくありません。ただし、理念から一貫性をもって日々実践し続けるというのは一朝一夕にはできないことです。『頂点への道』講座で 3日間かけてプログラムを消化し、 6回再受講していただくのは、体得のトレーニングプログラムだからです。 目標達成は実践の積み重ねからもたらされるものです。つまり、「よい習慣を形成すること」が体得の指標となります。毎日の実生活に、目標を達成するために効果的な行動を、どういう順序で、どう落とし込んだらいいのか。講座では、プライオリティマネジメントに加えて「タイムマネジメント」をお伝えし、目標達成のためのオリジナル手帳をお渡ししています。行動管理のノウハウは、本書の後半で詳しくご紹介していきますが、具体的なノウハウとツールも提供して、
目標を達成するために優先度の高い項目を日々実行する習慣形成をサポートしています。 思考の壁 ある日、 2人の受講生の方に質問をしてみました。仮に Aさんと Bさんとしておきます。青木 「セミナーを受けてみていかがでしたか? 効果はありましたか?」 Aさん「あまり効果がなかったですね」青木 「そうですか。 Bさんはいかがでしたか?」 Bさん「もちろん、効果がありました。目標も達成できましたし、心から感謝しています」青木 「そうですか。それはよかったですね」 それぞれに違った答えが返ってきます。そこで、さらに尋ねました。青木 「 Aさんはどういった目的でこの講座に参加されましたか?」 Aさん「えっ、何かひとつでもふたつでも参考になることがあればいいなと……」 一方、 Bさんの答えはこうでした。 Bさん「今期の営業目標を達成し、収入を上げる方法を見つけるために参加しました」青木 「ところで Aさん、何か参考になったことはありましたか?」 Aさん「はい、もちろん参考になりました」青木 「 Aさん、あなたは求めているものをすでに手に入れていますね」 良い悪いではありません。ただ、曖昧な思考からは曖昧な結果しか生まれないことを知ってほしいのです。 Aさんは「何か参考になるものがあれば」と思っていたので、参考になるものを見つけていきました。 Bさんは同じ情報から営業目標を達成するための方法を持ち帰っていきました。 80パーセント以上の人は、曖昧な願望、曖昧な目的のまま日々を過ごしています。あらゆる達成は、その人の心の内面から起こるのです。 目標達成する人は、同じ行動をしているようでも、つねに自分の目的、目標に直結したものだけを選び取っているものです。逆説的に言えば、あなたが求めていないものは、決して手に入れることはできない。 人の成功と失敗を分ける要因のひとつは、思考の壁です。思考には強い弱いがあります。目標を遂げられる人には、何がなんでもという信念の強さがあります。 セールスマン時代のわたしは、朝から晩まで働いていました。成績の悪い同僚ほど「青木、そこまでして頑張る意味があるのか?」と尋ねてきました。 甲子園をめざす高校球児を夜中に起こしに行って「あなたの夢はなんですか?」と聞いてみてください。きっと「はい、わたしの夢は甲子園で優勝することです!」と答えるでしょう。ここで「はい、簿記 2級を取ることです!」と宣言したら、優勝はできないはずです。 あなたが求めたものしか手に入らないというのは自然の摂理です。種蒔き収穫の法則とも言います。良い種を蒔けば良い実がなり、悪い種を蒔けば悪い実がなる。 1年、 2年では表面化しなくとも、 3年、 5年、 10年、 20年と長い歳月をかけてその人の内側にあるものは必ず現象化していきます。 かけがえのない一度きりの人生。曖昧な思考のまま流されて生きるのか。明確な目的を土台に求めるものを掴み取るのか。どんなにすぐれた知識やノウハウを仕入れても、すべてはあなたの思考しだいです。 人は、なぜ求めることができないか? それには原因があります。それは、低い自己イメージです。すなわち自分にはできないという思い込みです。 達成型人材の資質があるとすれば、それはよくなりたいという向上心でしょう。成功者は 100パーセント目的・目標志向型です。信念があると言い換えてもいいでしょう。 信念があると言っても、真の達成には大義名分が必要です。大義がある人は、ミッションのエネルギーで行動するので恐れがありません。達成による報酬は、自分の器によって決まります。 あなたは、どのような目的、目標をもっていますか? あなたの存在理由をどう明示していますか? この問いに対する答えを、読み進めるなかでぜひ発見してください。明確になったら、きっと時間の使い方と意思決定が変わるでしょう。 達成と未達成を分ける決定要因 10代でフルコミッションセールスの世界に入り、「売れる人と売れない人の違いは何か?」というひとつの問いから、「人の成功と失敗を分ける要因」がわたしの人生のテーマになりました。そして、 32歳のときにアチーブメントを創業し、人材教育のコンサルティングに入ったのです。この仕事を 30年続けてきましたが、人はなかなか変わらないと実感しています。なぜなら、脳が苦痛より自分にとって心地よいものを自然と選ぶからです。誰だって楽なほうがいいわけですから、自分が変わるより周りを変えようとします。会社の愚痴を言い続けて、転職する人があとを絶たないのがいい例でしょう。 ただ、同じ環境で優績者とほかの人との違いを分析してみたときに、トップセールスほど売ることが願望に入っているとわかりました。むしろそれがなければ、トップセールスになりえません。彼らは売るために、つまり目標を達成するためには、どんなことも肯定的に受け入れるマインドをもっていました。 わたしたちは、それぞれが知覚した世界に生きています。あなたが考えていることがあなたの世界。知覚のシステムは全員異なります。その違いを認めないと、人間関係のさまざまなトラブルが起こります。自分と他人とは違う。一切、ほかの人を変えようとしてはならない。正しさを押し付けると関係が壊れます。解釈が人生を左右した例をご紹介しましょう。 生まれながらにして片手の不自由な少年、ジム・アボットは、野球が大好きで幼いとき友人にこう言いました。「僕はきっと大リーガーになるんだ」 すると、みんなに笑われました。「きみは片手が不自由じゃないか。野球は両手でやるものだよ」 アボット少年は、「片手だって投げられるし、その球を打たれなければいいんだ」と周囲からなんと言われようと、絶対に自分の夢をあきらめようとしなかったのです。 あるとき周りから障碍者と言われたことを母親に尋ねました。
「僕は障碍者なの?」 すると、母親はこう答えました。「あなたが障碍者だと思ったときに、あなたは障碍者になるのよ。あなたはほかの人とは違う個性的な身体なのよ」 片手が不自由なことは、まぎれもない事実。それを彼の母親は個性だと受け止め、伝えていました。 アボットは、その後、野球選手としてはじめて米国一のアマチュア選手に贈られる「ジェームズ・ E・サリバン賞」を受賞、ソウルオリンピックで金メダル投手となったあと、ドラフト 1巡目でメジャーリーグのカリフォルニア・エンゼルスに指名され、見事にメジャーリーガーになりました。 また、こんな話もあります。 ある町に、大酒飲みの父親を持った双子の兄弟がいました。お酒ばかり飲んでいて、仕事をしない父親をもった子どもたちは、 1人は禁酒家になり、優秀な弁護士になりました。もう 1人は父親と同じように大酒飲みになったのです。 あるインタビュアーが 2人に聞きました。「なぜ、あなたはこういう生き方をしたのですか?」 2人は机を力いっぱい叩いて同じことを言いました。「あの親をもって、これ以上の生き方ができますか?」 これらの例からわかるように、現実をどう解釈していくかによって、人生の選択が左右されることはたくさんあります。 今日から周りのせいにするより、自分が学ぶようにしましょう。人間関係においては、苦痛を与えても、本人が自己評価をして変わらなければ、たとえば子どもが大きくなると親の脅しも説教も効果がなくなり、断絶、非行、家出など問題行動を起こします。幸せになるためには、正しさを押し付けるのではなく、愛を土台にした人生を歩みましょう。 意思決定のスキルを高めると考えてください。能力開発の重要なポイントは、思考と行動を一致させる技術を学ぶことだと述べました。 たとえば、健康であり続けるためには、飽食より節制したほうがいいに決まっています。もし、 100歳まで生きると決めれば意思決定が変わります。意思決定スキルを高めるとは、すなわち願望実現に効果的な行動を取るということです。 8割の人が、快適感情に身を任せています。セールスではアポ取りは苦痛です。ただし、どんな理由を述べようと、アポを取ろうとしないのは言い訳に過ぎません。フルコミッションだと生活がかかっているので、それが顕著にわかります。 わたしには、成功の要素は全くありませんでしたが、求めていたことだけは確かです。貧乏でつらい思いもたくさんしてきましたが、いじけなかった。よくなりたいと思っていました。唯一あったのは、目の前のことに集中したことです。暗示をかけて、トップセールスになる前にトップセールスだと思い込みました。そうして、なって当たり前だと思って行動する。 脳は、成功ナビゲーションシステムです。コンピューターに置き換えるとビル 3階建て分にもなると言われています。毎朝目的・目標を考えましょう。それが変わるための最大の約束事です。成功ナビを働かせるためには、どんなセットアップをするかです。つまり、自分が何を求めているのか、自分にとって大切なものは何かということです。
次のあみだくじを見てみてください。確実に当たりくじを引く方法があります。それは、自分で最初に達成をデザインすること、そして、そこから逆算して行動することです。 ほとんどの人は考えていない。なぜなら深く考えなくても生きていけるからです。現実には、社長になりたい人も課長になりたい人もいる。自分が働く会社も、自分がどうなりたいかを考えて決める必要があります。 家族と社員を守ろうと思ったら、毎年人間ドッグを受けるのはわたしにとって当たり前です。そのおかげで、ガンは早期発見しかありません。無計画は失敗を計画しているのと同じです。 なぜ願望を実現することができないのでしょうか? それも前述した低い自己イメージが関係しています。自分を信じる力が弱いのです。幸福は誰でも手に入るもの。しかし、精神論や神頼みでなんでも解決しようとしているだけでは決して経済的に豊かにはなれません。
豊かさは価値の提供によって実現します。トップセールスになるためにはトップセールスのスキルが必要で、変われる人はスキルを身につけるから豊かになれるのです。変われる人は、すべてを肯定し、乗り越えることで成長していきます。同じ環境でも言い訳をせず、ベストを尽くします。 これは、先ほどの自分中心とは違う意味で、自分に焦点が当たっている状態です。すなわち、自分の解釈と事実を一致させることに長けているので、求めるものと行動がつねに一致した状態を創り出せる。これとは反対の例が、環境に目を向けて、求めるものが手に入らないという人です。周りの要因に左右されて、自分で変えられると思っていない。 毎日自分の求めるものと行動を合わせて 1日を生きていけば、必ず誰でも成功することができます。日々の目標達成の積み重ねが人生の結果を決めます。ですから、目標とは何が何でも達成しなければならないものです。すると、その経験をのちのちにもずっと活かすことができるようになります。 毎朝目標を見ていないのは、心からその目標を求めていないからです。本田宗一郎氏は、理想のエンジンを紙に書いて、部下が何度できないと言っても、できると言い続けて自転車用補助エンジンを完成させました。毎日 20回は口に出すようにしましょう。自分の言葉でプランを立て、言語化するとパターンになります。 グランドルール 目標達成するために、心に留めておいてもらいたいルールがあります。グランドルールです。自然界の原理原則に逆らえばうまくいかないように、いくら方法がわかってもグランドルールに則っていなければ達成はおぼつきません。本書で得たノウハウを最大限活用するためにきちんとおさえておいてください。これからそれぞれについて説明していきます。 グランドルール ① 能力開発の 5段階 成功は自分から始まり、ほかの人々への貢献で完結します。そのためには、成長が不可欠ですが、能力開発には次の 5段階があります。レベル 1 :知識──知っただけで知ったつもりになって満足しない
レベル 2 :理解──わからないことをわからないままにしないレベル 3、 4:実践・習得──できないことをできないままにしないで、できるようになるまでおこなうレベル 5 :貢献──自分ができるようになったら、自分だけのものにせず周りの人に分かち合うレベル 1:知識──知っただけで知ったつもりになって満足しない どんなに有益な情報も、たんに知識として仕入れただけでは役に立ちません。実践してはじめて成果が得られます。そのように認識してもらいたいのです。 たとえば、早起きや規則正しい食生活が健康にいいと誰しも認識しています。そう思いながら、毎日夜更かしして、偏った栄養の摂り方を続けていたら絶対に健康にはなれません。立派な考えやアイデアをもっている人はたくさん世の中にいます。それを行動に移さないかぎり何も知らないのと大差はありません。 確かに多くのことを知ることは大切な自己啓発です。しかし、人生を変革しようと思えば、冒頭で述べた「思考の管理 →行動の管理 →出来事の変化」の順番になります。情報があることは大前提。知るだけでなく、知ったことをさらに深く探求し、自分の血肉と化すことを「知る」というくらい基準を高くしてください。レベル 2:理解──わからないことをわからないままにしない 人間は独りでは生きていけません。会社の上司、同僚、学生時代の友人、家族、パートナーなど、たくさんの人との出会い、支えがあります。まさに人生は、多くの出会いによって成り立っている。 これを踏まえると、人間関係を円滑にかつ信頼のおけるものにするためのコミュニケーションスキルは、人生に欠かすことのできない技術だと言えるでしょう。お互いが心地よいコミュニケーションを図ることができれば、よりよい人間関係を築き、それが人生の充実感にもつながります。 対人関係においては人間性や態度も大切ですが、まずは言語です。何も外国人とのコミュニケーションだけを指しているのではありません。言葉の定義がわからなければ、いくら相手の話を聞いても理解できません。もしくは解釈や前提が違っていたら、会話は全く成り立たなくなります。会話を理解できないとは、相手を理解できないことであり、話を聞いていないのと同じです。あなたは相手との共通理解をどれだけ大切にしていますか? 自分 1人でわかっていること、うまくできることには限りがあります。「聞くは一時の恥、聞かぬは一生の恥」わからないこと、理解し難いことは、どんどん聞きましょう。 あるいは、わからないことは調べる習慣をもつことです。未知のものに興味をもって相手に尋ねなければ無知な自分が続くだけです。年齢をへて価値観が固まってくると、経験・年齢・自尊心などが邪魔をして、なかなか素直に質問ができないもの。そこで会話中にメモを取り、わからない言葉があったらその場ですぐに辞書を引いて確認することです。レベル 3、 4:実践・習得──できないことをできないままにしないで、できるようになるまでおこなう 次章で実際に目標を設定していただきますが、早起きをする、マラソンをする、日記をつけるなど、新たに何かを始めようとするとき、それが小さなことであればあるほど、「明日から頑張ればいいや」という安直で怠惰な考えに支配されてしまいがちです。 最初は続いても、途中で挫折してしまう。いわゆる三日坊主が、変われないほとんどのパターンです。ノウハウは、自然とできるようになるまで続けてください。本書の内容を習慣化するまで実践したとき、あなたは達成に大きく近づいているはずです。レベル 5:貢献──自分ができるようになったら、自分だけのものにせず周りの人に分かち合う 真の成功者とそうでない人との差は、自分が得たものを分かち合えるかどうかにあります。技術も知識も、人と分かち合うことによって磨かれ、洗練され、普遍の技術として使いこなせるようになっていくものです。レベル 4までは自己を愛すること。自己完成論理で行き着くことができます。しかし、ここからは「 FOR YOU」の精神で、自分が体験し、知り、学び、いいと思ったことをできるかぎり多くの人に伝えましょう。「自分はいいと思ったし、勉強になったが、こんなことを話したらどう思われるかな」「ほかの人に教えて、自分より能力を発揮されたら困る」といった心では、人間的な成長の限界がきます。いいものはどんどん周りの人たちにも教えてあげる。奉仕の論理で行動する気持ちを忘れないでください。 以上が、能力開発の 5段階です。これを図式化すると、次ページのように分けられます。 第 1段階の「知る」、第 2段階の「分かる」は、本を読んだり、各種セミナーや講演会に参加したりして、知識を得て理解したレベルです。 第 3段階の「行う」、第 4段階の「出来る」は、知識として得たことを実践していくための技術を習得していく段階です。 能力開発の 5段階の図における左側の「知識」「技術」「人格」はそれぞれの実践レベルです。第 5段階の「分かち合う」は、知識と技術を総合して、人にも貢献していける「人格のレベル」での実践になります。 知識のレベルから技術のレベルへと移行するとき、ひとつの大きな壁が立ちはだかります。これを「習慣の壁」と呼んでいます。 たとえば、毎朝 6時に起きて、その時間を勉強に当てることが、どんなに効率的かわかったとします。しかし、実際に早起きするのは容易ではありません。新たな習慣形成が必要になるわけです。 ただ、毎日 6時に起きていればそれがいつのまにか当たり前の起床時間になって、勉強の時間も確保できるでしょう。歯磨きのように、習慣になってしまえば、「出来る」段階へ移行しますが、ここでまた壁にぶつかります。「自我の壁」です。早起きして勉強することの有用性を身をもって感じていても、いざ、それを誰かに勧めようとしたとき、「真面目すぎと思われたら嫌だな」「その程度のことしかやっていないのかとバカにされないかな」など、他人にどう思われるかが気になります。もしここで自己完結してしまったら、それ以上の成長はありません。
本書を読まれているあなたには、ぜひとも「人格のレベル」にまで達していただきたいと思います。「知識」「技術」「人格」が三位一体となってはじめて、多くの人から信頼され、真の達成を成し遂げられる人物になれます。 グランドルール ② 代価と報酬の原理 目先の快感を優先する人は、現状維持で変われません。達成するために、自分をもっと高めたい、学びたいと思ったら、専門分野の本を読んだり、各種セミナーや講演会に参加したり、通信教育などを受けてみるのもいいでしょう。趣味の分野を楽しむのも自己開発に役立ちます。求めるものに対しては正当な代価の先払いをしましょう。何を代償として支払うと一番早くかつ確実に手に入るのかを考えるのです。 忙しい人ほど多趣味というのは、そこから得るものが多いからでしょう。鋭気を養ったり、ストレスの発散には、自分が好きなことをするのが最適ですが、単なる楽しみのためだけでなく、つねに好奇心と探求心をもって長く続けることが肝要。 自己投資を惜しんではいけません。代価を払わずして報酬は得られないからです。人間の「思考 =土地」と考えたときに、土地が悪ければ、どんなに良い種を蒔いてもうまく育たないでしょう。向上心をもち、積極的な思考をもっていなければ、チャンスが巡ってきてもモノにすることができないでしょう。積極的に自分の未来に対して先払いをしていきましょう。 その意味では、苦しいことを楽しめるようになることが成功の秘訣かもしれません。期待を心にイメージしましょう。 以上のことを踏まえて、成功者とはどういう存在なのかを整理しましょう。 まず、必要な「知識(ナレッジ)」の部分は、「5つの基本的欲求」に沿った「健康」「心理学(人間学)」「職業」「お金」「趣味・教養」の分野です。 さらに次の7つの「技術(スキル)」を体得しています。・プライオリティマネジメントスキル(優先順位):優先順位を守る。目標に向かって最優先テーマを実行する・コミュニケーションスキル(意思の疎通):相手を理解し、自分の考えを相手に伝えることができる・ヒューマンリレーションスキル(人間関係):どんな人とも仲良くなっていける能力を開発する
・タイムマネジメントスキル(時間管理):時間の有効活用と目的目標に向かって、効果的に行動を選択することができる・ネゴシエーションスキル(交渉力):交渉力を駆使し、目的目標達成のために、ほかの人を最大限に活用し、自分の目標を達成する・ディシジョンメイキングスキル(意思決定):願望実現に対して、効果的な意思決定ができる・マネジメントスキル(管理能力):ほかの人々の協力を得て、組織的に目標を達成することができる 最後に「観点(マインド)」が正しくなければなりません。成功と失敗を分ける決定要因は思考(物の見方・考え方)の質であると言えるでしょう。 これは、物事を肯定的に捉えるか(可能思考)か、否定的に捉えるか(不可能思考)かということです。成功者とは最も身近な人から信頼され、尊敬される人物のことです。自分は活かされている、多くの人に支えられている。だからこそ、彼らに対してできる精一杯のことをする。そういう心が芽生えたとき、必ずあなたに力を貸してくれる人が現れます。自分だけでは実現できないことも人の力を借りることで可能になります。自己愛から隣人愛への移行。この「知識(ナレッジ)」「技術(スキル)」「観点(マインド)」の3つを兼ね揃える人こそが、真の達成を成し遂げられると言えます。 ただし、目的を達成するには段階があることを理解することも大切です。 種蒔き収穫の法則です。学習の段階、リーダーシップ形成の段階、挑戦の段階、富の形成の段階、社会還元の段階。何か新しい物事を始めるには、再度学習の段階になることもあります。自分がいまどのステージにいるのかを見極め、追求していかなければ、分散して次の段階に上がれません。 達成は実践によってのみ実現します。知識を得たら、日常生活での習慣形成という訓練を重ねて、実行のレベルを高めましょう。知行合一、言行一致。本物か偽物かは、その人がしていることでわかります。 グランドルールをおさえ、「知識」「技術」「観点」を磨いてください。成就・達成は毎日の習慣形成にあります。正しいステップを理解し、真の達成、自己実現を手に入れましょう。
学習効果を高める方法
『頂点への道』講座では、 3年で 6回の再受講があると述べましたが、これは 90日を人生の縮図としているからです。学んだことを 90日間実践すると自分のパターンが見えてきます。そこで改めて思考(求めるもの)と行動(していること)を一致させる方法を学び、また 90日間取り組む。 3年で目標達成スキルを体得したら卒業です。 習得には遅れがあり、ある日突然腑に落ちたり、できるようになるものです。そこでセルフカウンセリングしながら、目的・目標に向かって、日々の行動を一致させているか毎日確認します。 思考を管理する最良の方法は、目標設定です。目的から逆算した目標を設定してしまえば、日々達成するだけで将来自分のやりたいこと・姿に自然と近づいていきます。 達成は、毎日の生き方の中にあるものです。毎日最善を尽くして終える。自分が気分よく働けなければ、人のサポートはできません。前述した人格のレベルでの実践です。自分の願望に正直に、大切なものを大切に生きましょう。 自分のコントロールできるものだけに焦点を当てるのです。学業ができないと学校に行きたくなくなります。すると学業ができない友達と仲良くなって、さらに登校しなくなる。これと同じことがセールスの世界でも起きます。セールスができない人ほど売れないセールスと付き合う。 日々、達成感を味わいましょう。いま結果の出ていない人も仕事を好きになる仕事の仕方をしましょう。すなわち、原理原則の周りを自分が回る。海・山に逆らう人はいないのと同じです。 変わるとは、頭で知るものではなく、目標達成の習慣を身につけることです。遺伝子を満たす生き方をするのが達成の原則です。 自分を知る5つの質問 達成するには、まず現在地が見えていなければなりません。達成の過程とは、その人の理想と現実のギャップを埋めること。そこで簡単な5つの質問を示しました。いまの自分を知るために答えていただきたいと思います。 自分の内面を深く理解できている人は、意外と少ない。達成するためには、達成者のメンタリティといまのメンタリティとのギャップを埋めなければなりませ
ん。5つの質問で、いまの自分がどんな心の状態であるかを見つめてみましょう。
成功の5つの条件 自分の心の状態を客観的に理解したら、次に真の目標達成をするために成功の5つの条件をご紹介しましょう。成功者の行動だけを真似ても達成できません。心の状態、身体の状態、人間関係などバランスをもって正しく歩まねばならないのです。 成功の5つの条件 1.恐れ、怒り、罪悪感から解放された自由な心をもっている 2.健康で活力にみなぎっている 3.人間関係の悩みから解放され、すばらしい人的ネットワークを構築している 4.人生のライフデザインの元に経済的基盤を作り上げている 5.人生理念に基づき一貫性をもって生きている 1.恐れ、怒り、罪悪感から解放された自由な心をもっている どんなにお金をもっていても、地位や名声があっても、恐れ、怒り、罪悪感など、マイナスの感情に縛られ、心に安らぎのない人がいます。また、「あの人だけは許せない」など深い恨みをもっている人もいます。過去の出来事が心に影を作ってしまっている状態です。 大切なのは、事実と解釈の違いを知ること。あなたは、コップに水が半分入っているのを「もう半分しかない」と捉えますか? 「まだ半分もある」と捉えますか? いずれにしても水が半分入っているという事実に変わりはありません。それをどう受け止めるか、どんな解釈をするかが現実に影響を与えます。だとすれば、自分が求めている人生に対して、役に立たない解釈は一切しないほうが賢明でしょう。騙された経験から「もう人を信用しない」のか、「だからこそ、自分は誠実に生きよう」とするのか。解釈の仕方は自分で選択できます。 その最たるは、パナソニックの創業者であり、経営の神様と言われる松下幸之助氏でしょう。成功の要因について後年こう語っています。「貧乏で、無学で、そして病弱だったからこそ成功した」と。 周知のように、父親の商売がうまくいかず、小学校 4年生で中退し、 9歳で丁稚奉公に出されましたが、天寿を全うされるときには、日本一のお金持ちであり、世界有数のグローバルカンパニーを築き上げました。事業家としての成功に学歴や家柄など関係ないということの生き証人でした。「貧しいからこそお金を大切にしよう」と思い、「無学だから、学のある人の話をよく聞こう」と努力し、「病弱だから、事業部制にしてどんどん人に任せよう」と英断し、ことごとく前向きな解釈をして偉大な成功者になったのです。 ウイリアム・グラッサー博士は、自己イメージと心の健康は密接な関係があると述べています。自己否定していると良い人生に入れないのです。すべてに感謝する。すなわち、すべてを肯定するとは、自己イメージを向上させることです。 ある 2組の夫婦がいました。 1組目は、夫が仕事熱心で社会的地位も高く、近所の評判もいい家庭でした。しかし、家族の時間がなかなか取れず、妻が始終文句を言っていて、遂には離婚に至ってしまいました。 もう 1組の夫婦は、「いつも家族のために働いてくれてありがとう」と感謝する妻でした。この夫婦は、生涯、円満な家庭を築いていくでしょう。この違いはなんでしょうか? 人には知覚の窓というものがあります。・自分にも他人にも知覚できる世界・自分には知覚できるが、他人には知覚できない世界・自分には知覚できないが、他人には知覚できる世界・自分にも他人にも知覚できない世界 これら4つの世界で現実を捉えていくのです。 1組目の妻は自分中心に物事を考えていたのでしょう。自分はこんなに家族のことを思っているのに、夫は理解してくれない。だから不平不満が絶えなかった。 一方、 2組目の妻は、夫の知覚を理解しようと目的を一致させ、お互いに貢献できるよう主体的に行動していたからすれ違いが生じなかった。
結婚においても健全な自己イメージをもっている相手を配偶者として選んだほうが幸せな生活が送れるのです。自己イメージが低いと不愉快な比較をしてしまいます。 比較からは良いものが生まれません。良いものがあると不満、悪いものを見たら現状維持となります。 受ける愛には不自由で不満が芽生えます。与える愛は自由で感謝が生まれます。主体的であることです。わたしが憧れの社長の元で働かせていただいていたとき、最初はうまくやっていけるか自信がありませんでしたが、自分には何もなかったので尽くすしかありませんでした。ほかのメンバーは朝早くからおこなわれるミーティングに不満を言っていましたが、朝早くにも夜遅くにも感謝し、車を洗い、靴を磨き、彼女かと思われるくらい、ゴマをするのではなく、上司を素直に尊敬して尽くしました。その解釈力が人生を切り開いたのだと思います。 ほとんどの人は頭の中で考えているだけで、何もしていません。ある経営者から相談を受けたときの話です。「自分はほんとうにダメな人間だ。どう思いますか?」と聞かれたので、わたしは、「ダメなんでしょうね」と素直に返答しました。すると、「それはないよ」と言ってくるのです。思わず「社長は、誰かにフォローしてもらいたくて自分を卑下する発言をしているのではありませんか?」と聞き返してしまいました。「わたしの人生はわたしに責任がある」変えられないものに囚われず、自分の人生の舵を自分で取るために肝に銘じておいてください。 誰だって自分が悪かったと認めたくありません。うまくいかないことがあって怒りの感情が生まれると、誰かのせいにしたい生き物です。愛の裏返しが憎しみ。なぜなら自分の存在意義がかかっているから。 あなたは日々、新しい自分に出会っています。あなたがどう生きるかはあなたが選択できます。憎しみを抱く相手を心から赦してほんとうに幸せになれるのは、赦した人です。相手は相手でしかない。人それぞれで、一切比較しない。記憶を引きずると赦せません。人は不完全。どこが足りないではなく、どうしたら力を合わせてできるかを考えましょう。 自分のためだったらとあきらめてしまう人もいるかもしれません。でも、ほかの人のためだったらあきらめきれないことがあります。だからこそ、土台に愛を置いてほしいのです。 2.健康で活力にみなぎっている どんなに財をなしても、地位や名声を得ようとも、身体を壊してしまっては元も子もありません。健康こそ溌剌とし、活力に溢れた毎日を送る大前提です。 これは、日々の摂生によって構築していくものです。次に健康管理の7つのポイントを明示します。自分がどれだけ実践できているかチェックしてみてください。暴飲暴食、規律の乱れた生活は、健康を損ない、エネルギーも蓄積されません。規則正しい生活、栄養バランスの取れた食事、適度な運動を心がけて、人生を楽しく充実させる基盤をしっかり作りましょう。・健康管理の7つのポイント □適正な睡眠時間 □喫煙をしない □適性体重を維持する □過度の飲酒をしない □定期的に発汗できるスポーツをする □朝食を毎日食べる
□間食をしない 客観性に乏しいと不摂生になりがちです。自分が捉えている現実ではなく、原則中心の生活を送ることです。 3.人間関係の悩みから解放され、すばらしい人的ネットワークを構築している アメリカの統計によると、「わたしは今現在、幸せな結婚生活を送っている」と答えた人は、 100人のうちわずか 5パーセント。「まあ、こんなもんでしょ」という人は 10パーセント、残りは「もう 1回やり直したい」と答えたというのです。 こうなってしまった理由は、夫婦として愛を育てていく「時」をお互いが持たなかったからでしょう。また、相手を変えようという気持ちがあったのではないでしょうか。 愛を人生の中心に置いている人と、お金やそれ以外のことを中心に置いている人とでは、周りに起こる現象が違ってきます。 相手への尊重がなく、相手を変えようという心は、人間関係では最も慎むべきことです。人の心を支配しようとするも同然だからです。幸せな夫婦関係が築けないのは当然でしょう。ありのままの相手を受け入れ、寛容であること。人格そのものを愛するのが真実の愛です。 ウイリアム・グラッサー博士は次のように述べています。「誰かが真にわたしに関心を持ち、わたしのことを気遣っている。思ってくれている。そして、わたしもその人に関心を持ち、その人を気遣い、その人のことを思っているといった親密な関係。誰かがわたしを愛している、また、わたしもその人を愛しているという確信。こうした関係の成立と確信が関わり合いの内実である」 愛とは、愛する対象者の望みを叶えてあげることです。相手の立場に立ち、相手に喜んでもらえる生き方を大切に、家族に感謝して日々を過ごしましょう。 選択理論心理学では、「人間関係構築の原則」と「人間関係破壊の原則」を定義しています。 人の行動は外部の刺激による反応ではなく、自らの選択であるというのが選択理論心理学ですから、内的コントロール理論とも呼ばれます。そこから導き出された「人間関係構築の原則」が、思いやりを示す7つの習慣です。一方、人の行動、感情は外部の人や環境から刺激に対して反応するという外的コントロール理論に立脚している従来の心理学では、7つの致命的習慣のようなアプローチで関わろうとします。 求めているものと現実のギャップの中で7つの致命的な習慣を使いたくなるときがくるかもしれません。たとえば、子どもが宿題もやらずにテレビを見て夜更かししている。宿題をやらなければ、良い子になれないという思い込みから致命的習慣を使いがちですが、人はコントロールできないので、選択理論的なアプローチに変えましょう。テレビを見る時間をルールとして決めておく。すると、子どもも納得感をもてます。
土台に敷いているものが違うのです。「人間関係破壊の原則」の根底にあるものは力です。相手は自分にとっての競争、競合であって勝ち負けの世界です。淘汰を続けていけば、やがて分離や破壊に至ります。 一方、「人間関係構築の原則」は土台に愛があります。どうしたら協力できるのか、協調できるかを重視しますから、双方勝利、 Win‐ Winの関係が結べて共に成功、反映していけるのです。愛とは愛する対象者が到達しうる最高の祝福に至ることを願い、そこに至った時にそれを喜ぶ心を言います。愛とは他人の可能性の追求に誠意を傾けることです。人は変えられないと思いましょう。愛は耐えることでもあります。一切、批判をしなければ、最初は怠惰に振る舞う人もいるかもしれませんが、最終的には自己評価で必ず改善される。ガミガミ言うと、他者に評価されているので、外へ外へと逃げていきます。 どんなときでもこの目的から外れないでください。家族も含めて周りの人々と幸せになるために、どういう表現の仕方をするかを究めることも、達成の重要なポイントです。
4.人生のライフデザインの元に経済的基盤を作り上げている 目的を達成するには、種蒔き収穫の法則に則った5つの段階があると述べてきました。学習の段階、リーダーシップ形成の段階、挑戦の段階、富の形成の段階、社会還元の段階です。 それぞれのステージに応じた経済的基盤の確立は必須です。資産を築くためには 4段階あると言われています。投資をして能力開発をする →稼ぐ →蓄える →増やす。この善循環で富める者ますます富むのです。 世界の億万長者に「なぜあなたは成功したのですか?」と質問すると、次の5つの理由に集約されたそうです[『なぜ、この人たちは金持ちになったのか──億万長者が教える成功の秘訣──』(トマス・ J・スタンリー、広瀬順弘訳、日本経済新聞社、 2001年)]。 ①誠実(正直)であったから ②自制心(自己鍛錬)があったから ③社会性に富んでいたから ④パートナーに恵まれたから ⑤勤勉であったから 成功者は、自分ほど人に尽くす人はいない、自分をうまく使うことができれば必ず繁栄するという確信をもっています。 目標が変わるとやらなければならないこと( MUST)が変わります。では MUSTができるようになるためには、どうしたらよいのでしょうか? それが能力開発なのです。稼ぐとは、価値を提供すること。相手の望みを叶えられるスキルを身につけるのが達成の第一歩です。
また、目的をもったとき、あるいは何かチャンスが巡ってきたとき、実現するためには相応のお金が必要です。普段から貯金をする習慣を身につけておきましょう。「備えあれば憂いなし」は有事の際だけではなく、先行投資をして機会を掴むための準備でもあります。 欲望に流されるままに浪費したり、必要以上の贅沢をしていたら、いつまでたってもお金は貯まりません。年収の 2倍 ~ 3倍の貯蓄があれば、最低でも経済的な不安からは解放されるでしょう。 5.人生理念に基づき一貫性をもって生きている 人生理念は、価値観、信条などと述べました。そこには価値ある目的を置くべきです。価値ある目的とは、自分のためだけではなく、人々の役に立つものでもあるということ。自分の理念が、人々や社会への奉仕となっているか、時折、再確認することをお勧めします。「こうなりたい!」と、価値ある目的と理想に生きることは、生きがいをもち、ハリのある人生につながります。なぜなら、目的意識をもった行動は、どんなに小さな達成でも充実感と自己実現感をもたらし、「生きていてよかった」という心からの感動と「自分はできるんだ」という肯定的な解釈を生み出します。「いつも良いことが起こるような気がして仕方がない」という精神状態で生きられれば、積極的に人生を生きることができます。過去に起こった出来事も、すべからくいい思い出として捉え直せるでしょうし、あのおかげでいまの自分がいると感謝の気持ちをもてるようにもなるのです。 ただし、理想と夢想の違いをしっかりと理解しておかなければなりません。 セールスはどんなに知識があっても、想いが強くても、アポイントを取らなければ実績は上がりません。実行がすべて。理想とは、現実的に実践に生きることです。形而下の世界。成否は実行の質に左右されます。反対に夢想とは非現実的で実践のない世界です。形而上だから成否は思いの質だけです。 人は皆、自分という会社の経営者です。いかに自社の市場価値を高めていくかという経営者の視点をもちましょう。 以上の5つの条件を満たしていく生き方が、真の目標達成を成し遂げるための条件です。
成功の定義 ここで、成功を深く掘り下げてみましょう。ビジネスでの成功や蓄財が、思うがままであれば、それに越したことはありません。しかし、誰かを犠牲にしたり、行き着いた先に胸襟を開けるような友がいなければ、それは理想的な達成の仕方、成功の状態とは言えないでしょう。 真の成功の先には、自分はもちろん、周りの人々も幸せな気持ちになっています。成功とは具体的にどんな状態を指すのか? わたしは次のように定義しています。 成功とは、社会正義に反することなく、他の人々の基本的欲求充足の手助けをしながら、自己の定めた目的・目標を自らの意思で達成していく道程のことである。 誠実も思いやりも愛も概念ではありません。行動で示されるものです。どれだけ周りの人を成功させているか、助けているかが問われます。「選択理論心理学」では、行動の判断基準として3つの Rを提唱しています。 1.正しさ = Right 社会正義に反する生き方に成功は存在しません。人は誰でも正しさの基準をもって生きていますが、それが狂っていたら、真の成功や幸せは望めません。 たとえば、癒着や賄賂などは、いかなる理由があろうと決して正当化されません。私利私欲だけに走ることは、その時点ですでにモラルハザード(倫理の落とし穴)に陥っています。「自分さえよければ……」という考えを人生から排除すべきです。 2.責任 = Responsibility 自分の行動に責任をもち、自分の欲求を満たすときに、他人の欲求充足の妨げをしない。自分を肯定するために他者否定したり、周りに責任をなすりつけるのでは
のではなく、現実を直視し、すべて自分の責任によって行動することを念頭に置いた生きざまを貫くこと。 3.現実 = Reality 非現実的な行動をしているかぎり求めているものは手に入りません。ダイエットをしてやせたいと言いつつ、毎日甘いケーキを食べている人がいます。質の悪い仕事をしていながら、報酬だけは高く望む人もいます。つまり、自分では代償を払わずに報酬を得たいと考えている人です。 金の卵とその卵を生むガチョウの物語がありますが、現実の世界では自分が金の卵を生むガチョウになる以外、成功する方法はありません。誰でも現実と理想とのギャップに悩み、現実と願望が一致しないことに苦しみます。現実と非現実を冷徹に見極め、願望と現実を一致させるように日々自らを向上させる以外に逃れるすべはありません。報酬は自分の提供するサービスの質に対して与えられる祝福です。「与えてから与えられる」これが現実の世界、自然界のルールなのです。 物心共に豊かな人生を実現したければ、どれだけ多くの人を豊かにできたかを指標にしてみてください。あらゆる商品、あらゆるサービスは、人々の必要を満たすためのものであり、より多くの人々の必要を満たすことは何かをつねに考えましょう。そして、そのために何ができるのかを考えてみましょう。 成功とは、探し求めた目標の満足いく達成である──ノア・ウェブスター 目標は、あくまでも懸命に探し求めたものであることが不可欠です。気分で定められたようなものではなく、「どんな自分になりたいのか」「ほんとうにしたいことは何か」じっくり考え、目的の延長線上に目標があるかをつねに考えましょう。 ロバート・シュラーの言葉を借りれば「成功とは、自己の可能性の限界に到達すること」です。失敗への恐れから、人は自分に甘い目標を設定しがちです。とはいえ、現実離れした高すぎる目標を設定することも好ましいとは言えません。いまの力量をよく見極め、現実の延長線上に目標を設定しましょう。たとえば、ビジネス英語をマスターすると決めたら、単語を 1万語はおぼえる、文法の参考書を 1冊解けるようにするなど、習得するまでにたくさんの要素がありますが、一度に取り組めるのはひとつずつです。小さな目標を段階的に達成していくことが、大きな目標の達成につながります。 そうして目標達成へ到達するためのプロセスを踏んでいく作業は、コインの裏表の関係にあります。プロセスが悪いと達成できたとしても、永続的な繁栄は望めません。家族をないがしろにして仕事に没頭していれば、ビジネスの目標は達成できるでしょうが、そのような状況が長引けば家庭は壊れていきます。達成とは、 1日 1日の生き方そのものです。「時間がない」「忙しい」と大切な人との時間をなおざりにしていませんか? ただ暇だからと、ダラダラ時間を潰したり、付き合いの飲み会に参加したり、無駄に浪費をしていませんか? 毎日ベストを尽くし、満足した 1日を過ごしましょう。 目標達成へ向かう道はふたつあります。専門性を追求してプロフェッショナルとなるか、組織者となるか。 専門職(プロフェッショナル)は、医師、弁護士、会計士、プロスポーツ選手、教授、プロのコンサルタントなど個人として特別な技能を持ち合わせている人です。 一方、組織者(マネジャー)は、経営者など人・物・金を組織し、付加価値を生み出すことによって経済的繁栄を創り出せる人です。 自分を見極め、どう価値を高めていくのかを戦略的に考えましょう。 成功のタイプと失敗のタイプ 成功タイプと失敗タイプを、次の 4タイプに分類しました。・成功タイプ:熱意があり、周りの人々とも協調し、貢献の精神で目的・目標に対する強いこだわりをもっています。勝ち勝ちを追求し、真の豊かさを得ます。・貧乏な自己満足タイプ:お人好しで、自分を犠牲にして相手を勝たせてしまう負け勝ちのタイプです。成果よりもその場の気分に流される傾向があります。・孤独な物持ちタイプ:達成への熱意はあるが、自己中心的で、競争心が強く、成果は出しているが、真の人間関係は築けないタイプです。「人に負けない」ことが価値観として根付いていますから、勝ち負けで覇道を突き進むと言えるでしょう。・失敗タイプ:熱意も責任感も薄く、競争心だけが強い人です。他人や環境のせいにして貶める負け負けの振る舞いをします。 あなたはどのタイプでしょうか? 印をつけてみてください。さらにそれを 4分割してどこに当てはまるか考えてみましょう。 競争は自分のための自己実現、共生・共創は人のための自己実現をめざします。負け勝ちの人は、精神論に走りがちなので経済的に豊かにはなれません。ただ、自分の意味、期待、両親の愛がわかると勝ち勝ちへと移行できます。勝ち負けは、達成へのこだわりがありますから、一時的にトップになるなど出世しますが、いつかは落ちるときがきます。勝ち勝ちが経営者には必要です。創業 10年以内に 9割の会社が潰れる現実は、この事実を物語っています。 後継者育成とは自分を超える人材を育てること。全社員を勝ち勝ちに入れるのが人材育成です。愛を行動で完結する。社員を物心共に豊かにする。毎朝、目的・目標を確認させて、会社と自分の未来を重ね合わせてもらうのです。
自社の目的を一緒に担いで歩むのが経営。小金が貯まったら経営者だけ悠々自適に海外生活を満喫して実務をしないのではなく、社員・顧客と共に生きることが幸せと思えなければ、まだまだ経営者として能力開発が必要です。 真の成功は、自分自身の成功と他の人々への貢献がひとつになるところにあります。 事業家であれば納税、プロスポーツ選手であれば観客を楽しませること、セールスパーソンであれば商品の普及などです。 なぜ、あなたは成功しなければならないのでしょう。その理由を5つ書き出してみてください。
いかがでしょう? これらをすべて集約すると「愛」という言葉になりませんか?
「愛」とは自己愛と隣人愛のことです。このワークでいままでお世話になった人の名前がなかったら、自己中心的なエネルギーで達成をめざしているということです。組織者にはなれません。 さまざまな偉人を研究した結果、ある共通点がありました。彼らは、まったき愛の人になろうとした。偉人は思想が大きいのです。自分の命を投げ打ってでもほかの人のためにというくらい人々への貢献意識が強い。目的が人を育てるのです。「人のために」と生きている人にはパワーがあります。真のリーダーは弱い人のために存在する。小成は大成の敵。小さな成功を手に入れた瞬間が一番危ないのです。弱い人の切り捨てではなく、愛を土台にしたときに信念は突き抜けます。 成功したとき、あなたはどんな人物になっていますか? 自己完成論理だけで勝ち負けの人生を送っていますか? それとも他者への貢献を追求していますか? 達成をめざすときに、準備しておくべき最も大切なことは「理想の自己イメージ」を確立することです。自分の将来に対して、周りに貢献できるような明確なイメージを心の中にもちましょう。
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