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第四章 貿易の商慣習

目次

第四章 貿易の商慣習

  • 1.貿易の商慣習はなぜ生まれたのか?
  • 2.貿易の商慣習とは?
  • (1)貿易商談は「オファー」と「ビッド」の繰り返しで進行、アクセプト(受諾)で契約成立!
  • (2)多くの貿易実務書での解説、「オファー」、「カウンターオファー」
  • 3.オファー・ビッド
  • (1)サブコンオファー・サブコンビッド
  • (2)ファームオファー・ファームビッド
  • (3)先売りご免(OfferSubjecttoPriorSale)のオファー
  • 4.オファー・ビッドの方法
  • (1)面談や電話でのオファー・ビッド
  • (2)オファーシートのメール添付・ファックス・郵送
  • 5.貿易の商慣習の規範性

第四章 貿易の商慣習

世界の貿易業者は、「契約条件を詰めるための確立された商談方法」にのっとって商談をしています。

貿易特有の「商談のスタイル」が世界的に共通化したもの、それが「貿易の商慣習」です。

これも、インコタームズと並んで、重要な貿易のツールです。

貿易の商慣習を知らなければ、まともに商談もできませんし、商談相手として認められないこともしばしば起きます。

「貿易の商慣習」は、貿易人としての常識です。

1.貿易の商慣習はなぜ生まれたのか?国内商売の商談は、通常、売主と買主が会って話をすることも、電話で商談することも、それほど費用をかけないで行うことができます。

しかし、国際間での商談では、売主と買主は遠隔地にいる人同士です。

会って話をするには、遠距離の移動が必要ですし、国際電話は、今でこそインターネット電話の普及で、安価なコストで通話できるようになっていますが、ひと昔前までは、コストの高い通信手段でした。

今や、、、、。

、。

、。

、、、。

このような背景で、商談相手に対して「この取引条件で受諾するかしないか」の二者択一を、常に迫る「貿易の商慣習」が生まれたことは、必然だったと言えるでしょう。

2.貿易の商慣習とは?「貿易の商慣習」とは、主に「契約条件を詰めるための商談のスタイル」を指しています。

「貿易の商慣習」では、売主が自分の売りたいと考える、品名、規格、数量、単価、梱包、船積時期、決済などの主な取引条件を、一括条件(OnePackage)で、買主に提示することをオファー(Offer)と言います。

「一括条件(OnePackage)で」と言うことは、例えば「オファーされた値段は問題ないが数量は受諾できない」というように、オファー条件の中の一部だけを受諾したり、一部だけを受諾しなかったりすることは認められません。

買主の選択枝は、提示された条件全部を、受諾するか、拒絶するか、あるいは買主が自分の買いたいと考える、品名、規格、数量、単価、梱包、船積時期、決済などの主な取引条件を、一括条件(OnePackage)で、売主にビッド(Bid)を提示するかです。

「貿易の商慣習」では、売主が自分の売りたいと考える、価格、単価、数量、包装、船積時期、決済条件などの取引条件を、一括条件(OnePackage)で、買主に提示することをオファー(Offer)と言い、逆に、買主が自分の買いたいと考える、価格、単価、数量、包装、船積時期、決済条件などの取引条件を、一括条件(OnePackage)で、売主に提示することをビッド(Bid)と言います。

(1)貿易商談は「オファー」と「ビッド」の繰り返しで進行、アクセプト(受諾)で契約成立!オファーとは、日本語で言えば「売り申込み」、ビッドは「買い申込み」ですが、貿易の第一線で、「売り申込み」や「買い申込み」と日本語で言う人は皆無です。

貿易の現場では、「オファー」、「ビッド」と言っています。

なお、「オファー」は「オファー価格」という意味で使われることがあります。

この場合、「オファー」は「値段」という狭義の意味になります。

貿易では、売主が買主に対して「これを売りたいのだけど……」と意思表示をする「売り引き合い」(SellingInquiry)か、買主が売主に対して「それを買いたいのだけど……」と意思表示をする「買い引き合い」(BuyingInquiry)を端緒に、具体的な商談が始まります。

商談のスタイルは、売主が提示するオファー、または買主が提示するビッドに対して、提示を受けた側が提示内容に受諾できない部分があれば、相手方に対してカウンター(反対提示)をします。

商談は、オファーとビッドの繰り返しで進展していきますが、いずれかの時点で、提示を受けた側が「アクセプト」(ACCEPT:受諾)の回答をすれば(正確には、アクセプトの回答が提示した側に到着すれば)、その時点で「契約成立」となります。

売主と買主は、成立した契約条件のとおりに契約書を作成して、双方はそれに署名しなければならない、これが、「貿易の商慣習」です。

(商談の進行)

(2)多くの貿易実務書での解説、「オファー」、「カウンターオファー」貿易の第一線で仕事をした経験のない貿易の専門家が書いた貿易実務書では、最初の「申込み」は「オファー」と言うが、相手からの「反対申込み」は「カウンターオファー」、それに続く「反対申込み」もすべて「カウンターオファー」と称すると、解説しています。

確かに、「国際物品売買契約に関わる国際連合条約」(通称、ウィーン売買条約、UnitedNationsConventiononContractsfortheInternationalSaleofGoods:CISG)」では、「オファー」と「カウンターオファー」の言葉が使われています。

しかし、この「ウィーン売買条約」では最優先に適用されるのは、「合意した慣習および当事者間で確立した慣行」(第9条第1項)で、合意した慣習や当事者間で確立した慣行は、ウィーン売買条約の規定より優先して適用されるのです。

そして、貿易の第一線で確立している「貿易の商慣習」では、売主が買主に呈示する「オファー」に対して、買主が売主に呈示するのは「ビッド」です。

その後も、オファーとビッドの繰り返しで商談が進行します。

ウィーン売買条約や多くの貿易実務書が言うような「オファー」→「カウンターオファー」→「カウンターオファー」→「カウンターオファー」で、商談が進行するのではありません。

貿易の第一線での商談は、「オファー」→「ビッド」→「オファー」→「ビッド」で進行しています。

ところで、オファー・ビッドには、次に説明するように、「サブコン付き」のオファー・ビッドと「ファーム」のオファー・ビッドの二種類があります。

3.オファー・ビッド(1)サブコンオファー・サブコンビッドサブコン付きオファーとは、「当方の最終確認条件付き(subjecttoourfinalconfirmation)」の条件をつけた売主が買主に呈示するオファーのことです。

サブコン付きビッドは、当方の最終確認条件付き(subjecttoourfinalconfirmation)」の条件をつけた買主が売主に呈示するビッドです。

「当方の」とは、オファーなりビッドを提示した側ですから、「貴方が、私の提示した条件をアクセプト(ACCEPT:受諾)しても、私がそれを最終的に確認(finalconfirmation)しなければ、契約は成立しない」という付帯条件付きでのオファーなりビッドだということです。

①出した側が持つ契約成立・不成立のオプションサブコンオファーやサブコンビッドを出して、相手がすんなりそれをアクセプトした場合、それを提示した側が、「契約を確認します」(Confirmedthe、Contra「t)逆とに伝えて契約することもできますし」ご免なさい! 契約は確認できま」せ(んSorry,、IcannotconfirmtheContract)。

初めて商談する相手であったり、初めて取引したりする商品であったりする場合、相手の値ごろ感が分からないものです。

このような時に、商談の最初の段階で、相手の値ごろ感を探るために、サブコンオファー、サブコンビッドを提示します。

サブコンでのオファーやビッドで、相手方の反応を見て「行けそうだ!」という感触を得た段階で、ファームでのオファーやビッドに切り替えて、真剣勝負の商談に移ります。

通常は、サブコンでのオファーやビッドの段階では、売主・買主ともに「まだまだ商談が本格化する前のジャブ段階だ」と理解しているのが普通なので、サブコン条件付きのオファーやビッドをアクセプトすることは、ほとんどないと思われます。

が、安すぎる値段でオファーしてしまったり、高すぎる値段でビッドしたりした時は、「当方の最終確認条件付き(subjecttoourfinalconfirmation)」の条件をつけておけば、提示した側は、相手がアクセプトしても、契約不成立とすることができますから、救われることになります。

②展示会や商談会に参加する際の価格表(PriceList)サブコンでのオファーは、展示会出展や海外バイヤーとの商談会に参加する時に用意する「価格表」(PriceList)に、脚注の一つとして「上記価格は、サブコンのオファー価格です」(Alltheabovementionedpricesaresubjecttoourfinalconfirmation.)と記載しておくことも行われています。

「価格表」に書かれている価格を有効期限なしのファームオファーだと誤解されないために、サブコン条件付きであることを明示しておきます。

(2)ファームオファー・ファームビッドサブコンでのオファーやビッドは、相手がアクセプトしても、それを提示した側が「確認」しない限り契約は成立しないのですが、これに対して、「ファームオファー」(FirmOffer:確定売り申し込み)と「ファームビッド」(FirmBid:確定買い申し込み)というオファー・ビッドの種類があります。

ファームでのオファーやビッドでは、相手がアクセプトの回答をして、その回答が、提示した側に届いた時点で、契約が成立します。

(貿易商談のスタイル)

取引が成立したら、双方は、成立した契約条件のとおりに契約書を作成し、それに署名しなければなりません。

①ファームオファー・ビッドでの有効期限ファームオファーもファームビッドも、いったん相手方に提示すると、相手が同意しない限り、取り消しできません。

しかも、相手がアクセプトすれば取引が成立しますから、通常は有効期限(Expiration、Date)を明示して。

有効期限をつけないで、ファームオファーやファームビッドを出すと、経済情勢に急激な大変動が起きた際、窮地に陥ることがあります。

1973年8月に起きた第一次オイルショックの時には、多くの商社が、有効期限をつけないで海外側にファームオファーしていたため、海外側が軒並み受諾してきて、赤字取引を余儀なくされたケースが頻発しました。

これを機に、日本の貿易業界では、ファームオファーやファームビッドには、必ず有効期限をつける習慣が定着しました。

有効期限は、20XX年X月X日のX時XX分(日本時間)のように、特定の国(地域)の標準時間を基準に何時までなのかを明示します。

有効期限を明示したファームオファーやファームビッドに対して、相手方から有効期限内にアクセプトする旨の回答が、提示した側に到着すれば、その時点で契約が成立します。

契約の成立は、回答が発出された時点でなく、到着した時点です。

厳密に言うと、アクセプトの回答がメールで行われた場合、オファー・ビッドを提示した本人がそのメールを見た時点ではなく、メールボックスにそのメールが届いた時点が契約成立の時点です。

郵送であれば、オファー・ビッドを提示した本人が所属する会社の郵便受けにアクセプトを伝える郵便物が入った時に契約成立となります。

②ファームオファー・ファームビッドの発効と取り消しファームオファーやファームビッドを出した後、値段表示のゼロが一つ足りなかったり、多すぎたりといった間違いに気づいたら、どうすれば良いでしょうか?ファームオファーやファームビッドは、相手方にそれが届いた時に発効します。

発効前であれば、ファームオファーやファームビッドを出したこと自体を取り消すことができます。

例えば、メールで相手方にオファーした直後に、オファー内容に誤りを発見したとしましょう。

すぐ相手方に電話をして、「メール届いていますか?」と聞き、「いいや! 届いてないです」と言う返事であれば、「ご免! オファーをメールで出したのだけど、間違っていたので取り消します」と伝えれば、オファーは取り消すことができます。

しかし、「メール届いていますか?」と電話して聞いた時に、「今、届きました!」と言われれば、オファーは発効済みです、それを一方的に撤回することはできません。

撤回するには相手の同意が必要で、相手が同意しなければ撤回できないのです。

ちなみに、まだ発効していないオファー・ビッドの場合は、「取り消し」という言葉を使いますが、すでに発効したオファー・ビッドは、「撤回」という言葉を使います。

このように、間違った内容でのオファー・ビッドが、相手に到着し(発効して)、相手がアクセプトすれば、契約成立となります。

救済されるのは、相手が許してくれる場合だけです。

貿易の世界でも、囲碁や将棋の世界と同じく、勝負が始まってしまえば、「待った」や「もとい」は許されないのです。

③有効期限のないファームオファー・ファームビッドの撤回すでにご説明したとおり、ファームオファー・ファームビッドは、まだ有効期限内であれば、提示した側が一方的に撤回することは許されません。

それでは、有効期限をつけないで、ファームオファー・ファームビッドした場合はどうでしょうか? この場合は、相手方がアクセプトの回答を発する前に、オファー・ビッドを出した側が撤回することを相手に伝えれば、ファームでの

オファー・ビッドであっても撤回することができます。

逆に、有効期限をつけないで、ファームでオファーやビッドをしてしまい、その後も撤回しなければ、有効であり続けてしまいます。

アメリカでは、「アメリカ統一商法典」(UniformCommercialCode:、UCC)が、ファームオファー・ファームビッド。

撤回不能期間は中国や東南アジア諸国との取引では、日本と同じく、ファームのオファー・ビッドは、有効期限の長短に関わらず、有効期間中は取り消すことができません。

有効期間が示されていないファームのオファーやビッドは、相手方がアクセプトの回答を出す前であれば撤回可能です。

換言すれば、有効期間が明示されていないファームオファー・ファームビッドは、提示した側が撤回するまで有効であり続けます。

撤回しなければ、未来永劫に有効なオファー・ビッドになってしまいます。

ファームオファーやファームビッドを出す時は、必ず有効期限をつけるようにしましょう。

④ファームオファー・ファームビッドの失効通常、売主が出したファームオファーに対して、買主がいずれかの条件をアクセプトできない場合、ファームビッドを提示して相手に返します。

買主のファームビッドも、売主がどれかの項目を受けられない場合、買主にファームオファーを返します。

一括条件として提示したファームオファーに対して、例えば「値段を10ドル下げて欲しい」のように、一部条件の変更を買主側が要請したとします。

それは単なる「値下げ要請」ではなく、その要請をした時点で、売主が出した元のオファーは失効し、買手が「価格だけ元のオファーより10ドル値下げ、その他は元のオファーと同じ」でビッドしたことになります。

オファーやビッドの有効期限内に、相手方がビッドやオファーを返せば、元のオファーやビッドはその時点で失効します。

ですから、売主がファームオファーを出し、買主がそれに対してファームビッドを返し、売主がさらにそれに対して、今度は値上げしてファームオファーを出した場合、買主が「今度のオファーはアクセプトできないけれど、最初のオファーをアクセプトします」ということは、成立しないのです。

また、有効期限をつけたファームのオファー・ビッドは、有効期限が過ぎれば当然のことですが失効します。

有効期限が過ぎた後に、アクセプトするという回答が来ても、あくまでも「到着ベース」ですから、契約は成立しません。

この場合、契約を成立させたいのであれば、期限切れ後に来たオファー・ビッドは、新規のものとみなし、それをアセクプトして契約を成立させることになります。

貿易の商慣習では、会話形式の商談であっても、「一括条件としての提示」という考え方で考える必要があるのです。

(3)先売りご免(OfferSubjecttoPriorSale)のオファー供給可能な商品の数量が15トンあって、その全量をある海外バイヤーにファームオファーしたと仮定します。

売主は、そのオファーの有効期限が切れるか、当該バイヤーがビッドしてくるまでは、他の業者にオファーできません。

15トンしかない玉(ギョク:商品のこと)を、同時に二社に15トンずつファームオファーすれば、ダブルオファーとなり、一社には、玉の裏付けがないのにファームオファーしていることになってしまいます。

このようなダブルオファーは厳禁です。

玉の裏付けのないファームオファーは、ファームではないからです。

空オファーしないで、早く売りたいのであれば、先売りご免(OfferSubjecttoPriorSale)でオファーする手があります。

これであれば、「先に売れてしまったらご免なさい」という条件付きのオファーですから、二社といわず、何社にオファーしても構いません。

しかし、現実のビジネスの世界では、この「先売りご免」のオファーを使っているケースを目にするのは稀です。

やはり、バナナのたたき売りのような一人対多数の「先売りご免」では、情に欠けると感じる人が多いからかもしれません。

それよりも、「興味があればビッドして欲しい」と関係各社に連絡して、ビッドしてもらう方が穏当でしょう。

4.オファー・ビッドの方法オファーやビッドの方法は、商品により、業界により、実にさまざまです。

面談、電話、Eメール、オファーシートをファックスしたり、郵送したりする方法で、オファーやビッドが行われています。

(1)面談や電話でのオファー・ビッド面談して商談する場合、口頭でのオファー・ビッドのやりとりとなります。

オファーシートかビッドシートを相手方に提示して商談することもあります。

面談や電話で口頭によるオファーやビッドをする場合、言い間違いや聞き間違いを防ぐために、オファー・ビッドの内容を相手方に必ずメモしてもらい、そのメモを復唱してもらうことによって、正しく伝わったかどうかを確認します。

「伝達」、「メモ」、「復唱・確認」は、口頭商談での必須の手順です。

定期先物市場で相場が刻々と変わるような商品の場合、オファー・ビッドの有効期限は、長くても1~2日程度、商品によっては、数時間もあります。

こうした商品の商談は、国際電話を使って口頭でオファー・ビッドするのが普通です。

面談や電話でオファー・ビッドをした場合、後刻、オファー・ビッドの内容を確認するためのEメールを出しておきます。

(2)オファーシートのメール添付・ファックス・郵送価格が短期間に大きく動くことのない商品の場合は、オファーシートと呼ばれる書面を作って、郵送するか、ファックスで送達するか、あるいはEメールに添付してオファーします。

書面でオファーシートを作る場合、会社のレターヘッド用紙(ヘッダー・フッターにロゴ・社名・住所などを記した用紙)を使って、オファーの主要条件を明確に簡潔に記載します。

機械設備などのビジネスでは、詳細な規格が必要となるため、分厚い規格書が添付されます。

参考までに、「オファーでよく使う英語」と「オファーシートの例」を掲げておきます。

(オファーで良く使う英語)

(オファーシートの例)

5.貿易の商慣習の規範性随分前の話になりますが、某大手総合商社が、インターネット通販で、198,000円のパソコンを、ゼロが一つ少ない19,800円で表示し間違えたことがあります。

この情報は、またたくまに拡散して、気づいた時には、100台を超える注文が来ていたのです。

日本の民法の規定では、「錯誤無効」として、注文を無効とすることはできたのですが、この会社は、発注者に対して、19,800円で販売し、2億円以上の損失を蒙りました。

これは、この会社が、貿易商社であったことと無縁ではありません。

実際にちょうど同じ頃、別の会社がやはりインターネット通販で、価格表示を間違えてしまって、注文が殺到した出来事がありました。

この会社は、「錯誤無効」を理由に、注文を無効扱いにしました。

この企業は、貿易業界との接点はありませんでした。

会社が消費者にオファーしたのに対して、消費者がアクセプトしてきた以上、契約が成立したと考えるのは、貿易業界では常識の範囲内です。

貿易企業は、契約が成立した以上、何としてでも契約を守るのだという、強固な契約観念を持っていることを、この二つの出来事で窺い知ることができました。

「貿易の商慣習」は、世界中の貿易業者が遵守している、強固な規範性に裏打ちされたものです。

貿易では、国内取引よりもはるかに厳しい契約遵守観念、商道徳や倫理観が求められます。

貿易に新規に参入してくるすべての人が、強固な規範観念を持っているとは限りません。

オファー・ビッドのやりとりをした結果、契約が成立しても、次の日になると、「昨日はファームオファーをアクセプトしたけど、やっぱりアクセプトは取り消す!」とか、「まだ契約書にサインしてないから、契約はまだ成立していない!」などと言う人が現れるかもしれません。

このような場合、「貿易の商慣習」をとくと説明したうえで、「この商慣習に従わないのであれば、知っている限りの同業他社に、御社のプアなパーフォーマンスを伝えて、注意喚起をしておきます」と通告することです。

たいていの企業は、自らの言動を恥じて姿勢を正すはずです。

もちろん、そのようなことを言い出す相手は、次回以降、取引対象から外すのは言うまでもありません。

 

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