想像力を正しく使う方法はいくらでもありますが、最善の方法の一つは目的志向となることです。高パフォーマンスの人たちは、自分で目標を設定し、自分でモチベーションとインスピレーションを見つけます。
自分が何を達成したいのかがわかれば、それを肯定し、視覚化し、刷り込むことを学び、目標に向かって進むことができます。
ダイアンと私が九人の子どもを養っていたころ、私たちは間違って貧しさの誓いを立てていました。
ダイアンは子どもたちの世話をするために外で働くのをやめる必要があると感じ、私は高校で教師とコーチの仕事を続けていました。
わが家の車はぽんこつで、毎年、「新しい」車に換えなければなりませんでした。「新しい車が必要だ」といつも言っていたものです。
ただし、一万ドルの車の話をしていたわけではありません。五千ドルでもありません。五ルに近いあたりだったでしょう。
「新しい車が必要だ」と私たちが言うとき、それは新しいぽんこつ車を意味しました。新車をまず考えて、やはり中古でがまんしようと考えたわけではありません。
ぴかぴかの新車が頭に思い浮かぶことはありませんでした。私たちはその後、何台か新車を購入してきました。
つまり可能性は私たちの中にあったわけです。しかし、当時の私たちには野心や日標というものがありませんでした。
内面の力が欠けていると、広い視野でものを考えることができません。内に秘めた本当の可能性に見合うような大きな夢を持つことができません。
大きな夢を持つには、つねに自分を向上させる必要に向き合わなければなりません。できると信じていないことについて考えることを自分に許してはいけません。自尊心に欠けていると、夢を制限してしまいます。
早い段階で大きな夢を持たないと、五〇歳になって目覚めたときに、自分にこう言うことになるでしょう。
「なんてことだ。運送会社を経営することだってできたのに。一生トラックを運転して終わる必要などなかったのだ」。しかし、あなたはもう遅すぎると思い、あきらめて現状を受け入れてしまいます。
★目的志向の三つの側面
目的志向とは、目的論的なプロセスを使って前進し、なりたい自分になるということです。私たちはイメージと言葉を使って考えます。
そして、そのイメージと言葉が感情を呼び起こします。つまりこれは、イメージと言葉と感情の三次元の世界なのです。
〉一.イメージ
あなたはどんな将来図を望むでしょうか?標的と新しいイメージを持てば、五感すべてがそのイメージに標準を合わせることができます目標を定めると、頭の中のイメージや環境が変化します。
頭の中で思い描く収入レベルや社会的地位といったことです。すべての意味ある永続的変化は、内から始まり外に広がります。すべてはあなたの想像の中で始まるのです。
今の自分の状況が気に入らなければ、異なる将来を想像してください。新しいイメージを思い描くと、古いものを不快に感じるようになります。日標が鮮明に視覚化されているほど、最初に強い刷り込みが行われます。
〉二.言葉
自分の将来にこだわりを持つのなら、自分に対しても他人に対しても、何を考え話すかに注意しなければなりません。言葉の選択によって、アファメーションになるか無駄話になるかが決まります。
セルフトーク
頭の中には毎時間のように新しい思考が生まれます。これらの思考はあなたのセルフトークの一部です。
したがって、ある意味であなたはつねに目標設定をしていることになります。自分にどう語りかけるかの選択によって、物事がどうあるべきかを決めているのです。
将来のあなたが指針とする基準の量と質を設定しているということです。自分と話すときには、つねに現状の世界がどうなっているかを自分自身に告げています。
認識し経験したことを解釈し、思考を通して頭の中にイメージをつくり上げます。その中には自己イメージも含まれます。自分自身の思考と言葉で、自分のための環境と限界と基準をつくり出しています。
学び、成長し、達成するための秘訣は、想像力とセルフトークを正しく使い、短期的な目標と将来のイベントに意識を集中することです。新しいことを考えると、現状のいくつかの側面が気に入らなくなってきます。
古き良き時代への郷愁を引きずっているときにも、現状に不満を持つかもしれませんが、この不満は進歩にはつながりません。それは過去への後退です。
玄関先や公園のベンチに座って、昔はいかによかったかについて話している老人たちは、今の時代を不愉快に思います。
彼らは前に進みたいのではなく、後戻りしたいのです。過去の問題と現在のトラブルをセルフトークの中で描写し続けると、その分だけネガティブな現実を築いてしまいます。
感覚器官がたしかにひどい状況だと判断し、先へ進む意欲を弱めます。すると、あなたは現状から逃れられず、行き詰まることになります。
自ら現状のままを望むのでないかぎり、状況がどんなに悪いかを自分に語りかけることはやめましよう。
誰かがあなたの望むことを実行し、誰かがあなたの望むものを持っているのを見ると、すぐに一私にもできると思う」と考えるようになります。
それが、「私にはできるとわかっている」に変わり、やがては「やってやろう」と自分に言い間かせています。
最初にビジネスを立ち上げたとき、私は「収入を三倍にしなければならない」と思っていました。当時は月一三〇〇ドルの稼ぎだったと思います。月二六〇〇ドルの収入がある人を探すのは困難でした。
友人は誰一人として、それほど稼いではいませんでした。最初のセルフトークは、「おいおい、そんなの話にならないよ」でした。
パブリックトーク
私が自分の収入目標を笑っていただけでなく、そのことを周囲の人に話すと、彼らも笑いました。それはもっと悪いことです。私がフツトボールのコーチだったころに尊敬していた人たちも、私のことを笑いました。そして、彼らは私がどんなにばかな男か、みんなに告げ回っていたのです。
「こいつはいったい何者だ?大学のヘツドコーチでさえない。大学教授でもない」私は彼らと話すのをやめました。自分の将来のビジョンについて人と話をするのをやめました。返ってくる反応が否定的なものばかりだったからです。
否定的なフィードバックは自分からのものだけで十分でした。人からまでもらう必要はありません。自分の夢を共有する相手は、慎重に選ばなければなりません。
そもそも、あなたの成長を望んでいない人もいます。あなたが現在の地位を離れることを望まない人もいます。そのため、彼らは言うでしょう。
「何のためにそんなことをするんだ? われわれは今だって十分楽しんでいるじゃないか。このままでいればいいだろう?」。
目標を共有する相手は注意深く選んでください。パブリックトークは、セルフトークと同じくらいスマートでなければなりません。
▼三.感情
目標設定における感情的な要素は過小評価される傾向があります。知的レベルだけで目標設定や意思決定をすると、感情レベルの強い情熱を失ってしまいます。目標、とくに困難な目標は、喜びと達成感を喚起すべきです。
目標に知的レベルだけでアプローチすると、その達成に十分な関心を払わなくなります。目的意識と情熱が伴っていないからです。
「なぜそれを望むのか?」と自分に問いかけてください。そして、目的意識を深め、使命感を高め、感情の力と情熱を呼び起こしてください。
頭の中のビジョンや理想、目標、あるいは将来を、今の現実より強力でリアルにしたいと思うなら、感情の力を使うことが必要です。
あなたはおそらく、「何」(ビジョン)を描写するのに時間をかけすぎ、「なぜ」と自分に語りかけることにほとんど時間をかけていません。
あなたはやる気を引き起こす「なぜ」を見つけなければなりません。「なぜ」は情熱の源だからです。目標の達成に向けて感情や情熱を注ぎ込めば、もう何もあなたを止めることはできません。
あなたはそれをやり遂げます。
しかし、知的レベルだけで決断しているとしたら、熱意を十分に注ぐことはありません。物事は間違った方向に行くでしょう。それは、強いビジョンと目的と情熱を持って目標を設定していないからです。自分にこう語りかけてください。
「何を望む?なぜ望む?どんな目的のために?」自分を変えたいと思い、その方法をわかっていたとしても、その目標に情熱を注がなければ大きく変わることはできません。何かを望んでも、情熱がなければそれは実現しません。
物事がどうあるべきか、頭の中の現実を変えるためには、変化を夢に見て、視覚化し、それについて考え、話し、計画し、感情を伴うイメージにしなければなりません。
★目的志向の八つの原則
次の八つの原則が、あなたの人生を目的志向にするのに役立つはずです。
〉原則一.行動を起こす前に心の準備を整える
個人としての変化と成長のための準備は、新しい状況、新しい環境、新しい行動に、あらかじめ自分をなじませるプロセスと言えます。変化は頭の中での想像に始まり、そのあとで現実世界に広がります。
最初に自分がどんな人間であるべきかについての頭の中のイメージを変えないと、なじみのある自分に戻ってしまいます。
たとえば、先に自己イメージを変えることなく、体重を減らすことを自分に課したとしましょう。一〇キロ太りすぎという自己イメージを維持するかぎりは、それが信念となってあなたをその状態にとどめます。
一時的には体重が減るかもしれませんが、意識的なコントロールを手放すと、自動的に現在支配的なイメージに、つまり、そうあるべき状態に戻っていきます。
これはレシピを見て料理をつくるときとよく似ています。料理の本のレシピのページを開いたとき、あなたは何を目にしますか?材料です。
しかし、心の目では何を見ているでしょう? その料理の最終形である、焼かれたケーキのはずです。変化のためのレシピとは、意図的にあなたの脳内システムの秩序を乱すことです。頭の中に不協和を生み出し、そこにあるイメージを変えるためのエネルギーと意欲を引き出すのです。
自分の理想を定めたら、もうそれがそこに存在するかのように一人称現在形で語り、イメージを視覚化して定着させてください。
たとえば、通常は五百ドルまでしか借金をしないのに、突然、五千ドルの請求書が届いたとしましょうcあなたは、「これは問題だ。いつもより多く借金がある」と考えます。それがあなたの創造的エネルギーと意欲を高めます。
無駄遣いをやめ、貯金を始め、副業を探し、二つのイメージが重なり合うようにするために必要なことは何でもするでしよう。
コンフオートゾーンを離れる前に、アファメーションと視覚化のプロセスを使って「自分がどこに属するべきか」についての内なるイメージを更新しておけば、実際にそこに行ったときに緊張を感じることはありません。
たとえば、子どもが幼稚園に行き始めるときには、数日前ではなく、数ヵ月前からそのことについて話し、心の準備をさせておきます。
幼稚園という環境を鮮明にイメージすることで、子どもはすでにそこに自分がいるかのように感じます。家にとどめておくことさえむずかしくなるでしょう。
事前に幼稚園を視覚化し、「楽しいことがいっぱい」と刷り込みをしておくと、子どもは気持ちよく順応することができます。
適切なプロセスに従って目標設定したときには、「これはすでに経験している。この目標は私のものだ」と感じることができます。
あなたはもっと良い父親、母親、息子、娘になるために、意識的に準備することができます。もっと大胆なリーダーになるために意識的に準備することができます。
優れた記憶力を手にするために意識的に準備することができます。経済的に安泰になるように意識的に準備することができます。自分の望むことすべてをするために意識的に準備することができます。
なぜ最初に心の準備をするのでしょう? なぜすぐに行動に移らないのでしょう? 行動重視の人は、新しい将来を想像したとたん、すぐにでもそれに向かって行動を起こしたくなります。
すぐに「どうやって」を思いつこうとします。「そうだ、この方法でできる」と。しかし、即座に行動を起こしてしまうと、悪いことが三つあります。
- (一)感情的要素を制限してしまう。
- (二)最初か二番目に浮かんだアイディアに縛りつけられる。
- (三)ほかの人たちがチームやプロジェクトに参加する機会を排除してしまう。
さらに、すぐに行動に移れば、古い自己イメージと心構えのまま、新しい状況の中に身を置くおそれがあります。あなたは自分のコンフオートゾーンから遠く離れた場所にいます。
一度は新しい状況に見合った振る舞いができたとしても、すぐに古い自分へ、古いコンフオートゾーンヘと戻ってしまうでしょう。
物事がそうあるべき状態について、頭の中のイメージをまだ変えていないからです。
POINT
すべての意味ある永続的変化は、内から始まり外へ広がる
▼原則二.イメージの中の現実を変える
テレビCMは、何百万ドルもの予算をかけて視聴者が古いものに強い不満を感じるようなイメージを生み出し、新しいものを買わせようとします。
たとえば車のCMなら、カメラがハンドルの後ろに回り込み、エレガントなその新車を実際に運転しているところをあなたに想像させます。
そのイメージが何度も繰り返されると、あなたの潜在意識は、車を運転しているふりをしているだけなのか、実際に運転しているのか、区別がつかなくなります。
あなたは頭の中で一〇〇回はその車を運転することになります。そしてすぐに、一新しい現実のイメージができ上がるでしょう。″私にぴったりの″車という新しいイメージです。
新しい現実のイメージ(エレガントな新車)と、古い現実のイメージ(去年のモデル)を比べることで、脳内システムの秩序は乱され、古いイメージに不満を持ちます。
もう新しい車しか、あなたを満足させられません。そして、その新しい車を手に入れる方法を見つけ出します。あなたはこう言ってそれを正当化することでしよう。
「どうせ来年は新しいタイヤに交換する必要があったんだ。それにかかる費用と、この新しい車の燃費のよさ、それに次の買い替えで下取りに出したときの価値を考えれば、元がとれるはずだ。いや、買わないほうがばかだ!」
目標を設定するのは、頭の中に自分バージョンのCMを制作するようなものです。意図的に秩序を乱し、問題解決や目標達成に必要な創造的エネルギーを生み出すのです。
しかし、新しいイメージを潜在意識に刷り込むには、それを現在のイメージよりもリアルでカ強いものにする必要があります。
″古い車″ではもうがまんできないと思うほど、強いビジョンを持つのです。強さが足りないと、現在支配的なイメージに逆戻りすることになります。向上心が成長への欲求を生み出します。
日標がなければ欲求は生まれません。最初に欲求を生み出すことが成長につながります。内的イメージの構成を新しくすると、感覚がこう訴えるかもしれません。
「ああ、これは嘘だ。おまえはそこにあると言うが、そこにはない。それは成されたと言うが、成されてはいない」と。これで、あなたは自分のコンフォートゾーンの外に出たことになります。
今度は、「間違った場所にいるぞ!」と感覚が訴えてきます。そこで、あなたは現在の環境が新しい環境に見えるように修正していきます。
内的イメージが先に変化し、それがエネルギーと意欲と創造性を生み出し、問題解決に向かわせます。
目的志向は意図的に問題を引き起こし、意図的に秩序を乱して混乱を招き、あるいは脳内システムを一時的に狂わせることによって、新しい、より秩序だった環境を求めさせるのです。
新しいイメージを視覚化すると、古いイメージに不満を覚えます。不満がないところに、成長はありません。
住む家、健康状態、現在の収入、あるいは人からの扱われ方に対して、どうすれば不満を持つようになるでしょう? 目的志向になることによってです。
そして、その不満が自然に仕事を完成させるための意欲と創造性を喚起します。人は誰でも、つねに頭の中に秩序を保とうとします。
五感はつねにこう問いかけます。「私はどこにいる? 私はどんなだろう? これは私にどう見えるだろう? どんな味わいだろう? どんな臭いだろう? どう聞こえるだろう?」。
物事がどうあるべきかについてのあなたの考えが現状と一致しないとき、二つのイメージが対立します。不調和を感じると、脳内システムはその混乱を正そうとします。適切に設定された目標は、創造性を刺激します。
つまり、あなたの仕事は、日標を設定し、「何」と「なぜ」の刷り込みを行うことで、現状を混乱させることになります。
イメージが強化されて″既成事実″になるためには、何度も繰り返されることが必要です。明確さと強い思いと繰り返しによって、頭の中のイメージが変わり、物事がそうあるべき新しい感覚が生まれます。
▼原則三.目標の設定は、「そこまで」ではなく「その次には」を考える
目標は一度設定したらそれで終わりというものではなく、継続的なプロセスでなければなりません。いったん目標を達成すると、モチベーションが下がり、安心して成長が止まります。
たとえば、想定したパフォーマンスのレベルに達したとたん、もっといい仕事を得よう、もっとお金を稼ごうという意欲が消えてしまいます。
緊張を和らげるのに十分なだけのことをし、それ以上を望まなくなります。これで十分だと感じると、脳内システムは停止します。
内と外のイメージが一致すると、さらなる向上や達成へのモチベーションが失われます。解決すべきイメージの対立があってこそ、私たちは無限の創造性、意欲、エネルギー、能力を発揮するのです。
多くの人が一週間の仕事をやり抜くことを目標に設定してしまいます。
そして、土曜日に目が覚めて何をするかといえば、 一日中家でごろごろするだけですc椅子から立ち上がつて、テレビのチャンネルを変えることさえしません。
「サンドイツチを持ぅてきてくれ。疲れて動きたくないんだ。どうしてだろう。きっと働きすぎなんだ」。
彼らの目標は、週末までがんばることで、がんばったあとの週末をどう過ごすかではありませんでした。
ある人が歯科医院の開業を目標として設定し、必死に働いてその日標を実現したとしましょう。しかし、その人はすぐに医院を開めてしまいました。それは、彼の目標が歯科医院を開くことで、それをどう経営し、成長させるかではなかったからです。
以前に、東海岸の大手航空機メーカーでコーチングの仕事をしたことがあります。
その会社では、退職する役員に対する退職手当として、前年度の報酬の九〇%を月割にして渡していました。
私が「それでは相当なコストになりますね」と言うと、「いいえ。平均して十六カ月支払うだけですみますから」という答えでした。
あなたが退職することを目標に設定し、その先の新しい目標を考えなければ、退職後すぐに死んでしまうかもしれません。
同じタイプの職につく必要はありませんが、「退職したらもう何もしたくない」ではなく、新しい目標は必要です。
アラバマ大学の伝説のフットボールコーチ、ベア・ブライアントを覚えていますか? 彼は退職して一カ月もしないうちに死亡しました。
その長いコーチ人生の最後まで、彼は無限のエネルギーと気力を持ち続けたことで知られていました。
しかし、フットボールのほかには何も持っていなかったのです。あなたや私にも、同じことが起こる可能性があります。
それを防ぐには、ダイナミックな新しい目標を持ち、創造的不協和に耐え、その目標とともにより高い次元の幸福と成功を目指さなければなりません。
もしあなたの目標がただ「そこに到達する」ことだけなら、いったんそこに達してしまうと、それ以上のパフォーマンスは望めないでしょう。
たとえば、オリンピックに出場することを目標にしている選手やチームは、実際に出場を果たしたときには、そこに至るまでに見せたような力を本番で発揮することはめったにありません。
設定した日標に到達すると、そこでやる気が止まってしまいます。その先も動き続けるためには、日標に到達する前に、さらに先の目標を設定しなければなりません。その目標に近づいたら、また設定をし直します。自分を生き続けさせるには、ゴール到達まで待っていてはいけません。
前進するための目標、イメージ、ビジョン、アファメーションはつねに必要です。日標を達したと思ったとき、エネルギーは停止してしまいます。成長への渇望をストップさせてしまいます。
会社の副社長になることが目標だったとすれば、実際に副社長になったときには、次の十年間の会社の成長プロセスを阻害する存在になってしまうでしよう。
高校に入学してから、大学合格を目指して必死に勉強してきた高校生は、せっかく合格した大学を二、三ヵ月で退学してしまうケースが少なくありません。
なぜでしょう? それは彼らの目標がただ合格することで、卒業することではなかったからです。
そして、卒業することを目標にし、職に就くことを目標にしなかった大学生は、卒業後も一年くらい家でぶらぶらしているかもしれません。
就職を目標にしている人はどうでしょう? 彼らは職を得るために、きちんとした服装をして、明るく行動します。
しかし、いざ採用が決まると、その会社は彼らを働かせることができません。彼らの目標は何だったでしょう?就職することです。
その後は「やり遂げた。これでリラックスできる」でしかないのです。もはやあなたの目標は、日標に到達することではありません。
緊張を取り除くことが目標になってしまっています。緊張と不安は食い違いや対立から生じます。現状を乱すことで、問題を解決するためのエネルギーが生まれます。
問題を引き起こすことで、エネルギーだけではなくアイディアも得られます。
創造的潜在意識は対立を解消するために、最も支配的な力強いイメージの方向へとあなたを導きます。
もしあなたがポジティブな結果を思い描くだけでなく、その結果に喜びと興奮も期待するなら、それはピリピリしたネガティブな緊張ではなく、冒険心からくる緊張になるでしよう。
▼原則四.普通ではないことを普通にする
こんなことを言う人もいます。
「クリスマスが年に一度でよかった。一年中いい人間でいるのは大変だと思わないか?」。
それがあなたのイメージなら、答えは「そう、たしかに大変だろう。それは途方もないことだ」です。
今度は、自分がたぐいまれなる慈悲の心に満ちた人間だと想像してください。
セルフトークを使って、「私はとても慈悲深い人間だ。毎日、自分自身を人に分け与えることに喜びを感じる」という考えを頭の中で繰り返してください。その考えが潜在意識に刷り込まれると、あなたは一年中慈悲深い人間であろうと努力します。
アファメーション、視覚化、日標設定は、普通ではないことを普通のことにします。
以前ならとんでもないと思っていたすべての特別な出来事、すべての興奮高まる旅や冒険的なライフスタイルをイメージし、その経験を潜在意識に取り込むことで、それらが普通のことになります。
潜在意識に刷り込まれることで、それがあなたの慣れ親しむものになるのです。
数年前、私たち夫婦は結婚記念日を祝うために、九月二日に大きなパーティーを開くことを決めました。それまでの結婚記念日にも、楽しい余興を盛り込んだすてきなパーティーを開いていました。いつも何人かの知人を招いていましたが、今回はまだ何も決めていません。
最初はただ、「九月三日に大きなパーティーを開こう」と決めただけでした。「どんなパーティーがいいだろう?」とダイアンにたずねると、「わからないわ。やりたいことを思いつくままに全部挙げてみましょう」と言うので、「オーケー、そうしよう」と私も同意しました。
結局、パーティーには一五〇〇人が集まり、二日がかりの盛大な家族イベントになりました。十八のビール樽を運び込み、テントや馬や屋根つきワゴンを用意し、ラバ乗りやマスケット銃の射的を楽しみ、ワイン、ローストポーク、チリ、ポップコーン屋台など食べ物も盛りだくさん。
カントリー歌手や地元の歌手も呼びました。しかしすべては、最初の「パーティーを開こうと思う」から始まったのです。
私たちは計画し、肯定し、視覚化し、それが最後には、結婚記念日のお祝いとしては並はずれて盛大なパーティーヘとつながりました。
しかし、そのイメージを繰り返しアファメーションで確認し視覚化するうちに、その並はずれたパーティーが私たちにとってあたりまえのものになっていたのです。
目標設定をするときには、普通ではないこともリアルなイメージにすると、それがあなたにとっては普通のことになります。これはただの希望的観測ではありません。内なる現実のイメージを変えるのです。
▼原則五.機会を逃さず、自分に逃げ道を与えない
目標を設定するのは避けたほうがいいと考える人もいます。そうすれば、日標とともにやってくるリスクや責任を避けられるからです。彼らが目標設定を避けたがる気持ちは、友人が善意から発する次のような言葉でさらに強まります。
「背伸びはしないほうがいい。能力以上のことに手を伸ばさないほうがいい。傷つき、失望するだけだ」こうした人たちが目標設定を避けるのは、緊張やストレスや不安に耐えられないからです。
どうしても目標を定めなければならないときは、さほど現状と変わらないすぐ手の届きそうな目標にするため、創造的不協和の痛みを感じることはありません。
目標を設定してそれを達成できないと、神経がピリピリし、吐き気に襲われ、眠れなくなり、人と顔を合わせることができなくなります。
そして、「こんなふうに感じたくない」と思います。いいでしょう、それなら何の目標も立てる必要はありません。
いったん目標を定めたら、それを達成してください。一度目では無理でも、次には達成してください。目標設定や決断にしりごみをする人たちがいます。
彼らは選択肢の多さに圧倒されています。「どれが最善の方法かわからない。あまりに選択肢が多すぎる」潜在意識のレベルで、彼らはこう自分に問いかけています。
「この決断をしたら、自分は頭がおかしいと感じるんじゃないだろうか? 間違った決断だったらどうしよう? 目標を達成できなかったら? ひどい気分になるだろう」と。
自分のために何かの変化を起こそうと思ったら、たとえ間違っていても決断をすることは避けられないと認めてください。
もし間違っていたら傷つくでしよう。
しかし、間違いを犯してもかまわないのです。ただ自分に「今回は私らしくなかった」と言い聞かせ、先に進めばよいのです。それが自分を向上させる方法です。
目標を設定することで自分に制限を課したくないという人もいます。彼らは目標を設定することは、制限を押しつけることだと考えます。彼らは可能なかぎり能力を発揮したいと思っているのに、日標を定めません。
あなたが何かをする決断― ‐新しい仕事につく、新しいコートを買う、古い洗濯機を売る― を下したときには、あとになってから、「賢い選択だっただろうか」と不安になったと思います。
何かを買ったのなら、「これを買ったのは正しかっただろうか? 正しい決断だっただろうか?」と考えます。
あなたはこれまで新しい車を買いに行ったことがありますか? どの車が欲しいかを決め、代金を支払い、書類にサインをし――その車が自分のものになったとたん、「こんな車を買うなんて、ばかだったんじやないだろうか?間違った決断だっただろうか?」と自分に問いかけたはずです。
私たちは誰もが同じ問いかけをしています。結婚式にはなぜ新郎新婦それぞれの介添人がいると思いますか? 結婚前の不協和を解消するためです。
「本当に結婚していいのかしら」と花嫁が不安になるとき、介添人が「もちろんよ。すてきな結婚生活になるわ」と安心させるのです。
なぜ披露宴は結婚式の″あと″に行われると思いますか? みんなが新郎新婦のところにやってきて、「おめでとう。すてきなカップルになってね」と言うためです。
すると本人たちの潜在意識は、「神様、私は幸せです」と大声で叫ぶのです。自分の目標をポジティブに肯定することでセルフトークをコントロールし、正しいコースを進むことを学んでください。
そのためには、批判や痛みに耐える強さが必要です。自分自身に目標達成のために全力をつくすと言い聞かせなければなりません。
「結婚するのはやめよう。うまくいかない場合を考えて、一緒に暮らすだけにしよう」と言うカップルがいます。
彼らはちよつとした不協和を感じただけで別れてしまい、「結婚していなくてよかった」と言います。
実際に結婚を選ぶと、全力で結婚生活を維持しようとします。簡単な〃出口″はないからです。不協和を感じたときには、目標をあきらめる代わりに混乱を正そうと努力するでしょう。
目標を設定するときに大事なのはまさにこれです。出口はありません。裏口もありません。
POINT
私たちは自分が考えるものに向かい、自分が考える人物になる
▼原則六。自分の価値にふさわしいものを選ぶ
創造性を引き出すには、何が自分にとって〃ふさわしい″のか、そのイメージをつねに更新する必要があります。
いつも成績Cの生徒があるテストでAをとって自分でびっくりすると、もう一度Aをとるのはむずかしくなるかもしれません。
「こんなにいい成績をとるなんて、自分らしくない」と考えるからです。潜在意識がその″間違い″を正そうとします。「次の二回で落第点でも、まだCはもらえる」と自分を説得するかもしれません。
なぜでしょう? 自分に期待しているのは、「僕はCの生徒で、Aの生徒じやない。いつもAをとるなんて期待しないで欲しい。そんなの、できっこない」ということだからです。
自分が期待する以上のモチベーションを保つことはほぼ不可能です。しかし、自分への期待度を上げれば、能力レベルもあげることができます。自分をどう見るか、そのイメージを変えましょう。そうすれば達成できることも自動的に変わります。
自分が期待する以上の能力を発揮することはめったにないので、期待値を上げなければなりません。解決が必要な問題が生じたときに、エネルギーが生まれます。
なぜ理想の世界で考え行動すべきなのか、なぜこれまでいた場所ではなく、自分が理想とする場所から物事を評価すべきなのかがわかりますか?
「ずいぶん遠くまで来たものだ。どれだけのことを成し遂げたことか。今がこれまでで最高の状態だ。これ以上のものを得るために必死に働く理由がわからない」と考えると、意欲は失われます。
設定した目標に到達すると、原動力とエネルギーを失ってしまいます。
自分の家や庭を見回して、「私は何を当然と考えるようになっただろう?」と自分に問いかけてみてください。そして、目標を設定します。そうしないと、成長と変化へのパワーを失ってしまいます。
目標設定とは、将来、自分がどんな状態に慣れ親しむかを意図的に決めるということです。
そして、その基準を頭の中にたたき込みます。すると、必要なものが見えるようになるばかりか、それを得るための行動を起こすようになります。
新しいイメージを視覚化すると、古いイメージに不満を覚えるようになります。新しいイメージを視覚化しないと、外からの突然の変化に押しつぶされてしまうかもしれません。
ですから、自分が改善したいところを見つめ、新しい現実のイメージを視覚化してください。たとえば、雑誌で新しいキツチンの写真を見たとしましょう。
そのあとで自分のキッチンで料理をしていると、あなたは現実のイメージを変え始めます。新しいイメージを視覚化するうちに、古いイメージが不満に思えてきます。
壁のペンキが汚れ、カウンターに傷があり、フローリングが擦れ、食器洗浄機がうまく動かないことに気づきます。
すぐにあなたはこう言うでしょう。
「これを直さないかぎり、こんなひどいキッチンで料理なんてできないわ。外に食べに行きましよう」しかし、それは三週間前には問題なかったのです。というより、あなたにとっては、まったく気にならなかったのです。
独身の人が誰かと結婚した自分を想像すると、 一緒に暮らすことが待ちきれなくなってきます。しかし、すでに誰かと一緒に暮らしている人が、離れ離れになるところを想像すると、たがいの欠点が目につくようになります。
実際には前からあった欠点です。今まではそれを受け入れていたのです。受け入れて一緒に暮らしていたのです。視覚化によって二人を結びつけることもあれば、引き離すこともあります。
▼原則七.目標に向かって成長する
今の自分には大きすぎると思うような目標を立てることから始めましよう。そして、それを現状のほうに引き寄せるのではなく、その目標に向かって自分を成長させていきます。
自分には大きすぎる目標だなどと、なぜわかるでしょう? 私たちは″現実的に″考えるように教えられてきました。
教師やカウンセラー、あるいは学校に行く以外に仕事を持ったことのない人たちから″現実主義″の概念を教えられました。
そして、彼らは私たちに何ができるかをまで教えようとしています。″現実的に″なることについて話し、「今の能力に見合った目標に引き下げたらどうだい?」と私たちを説得します。
そのために、あなたは自分の目標に限界を定めることになります。物事がそうあるべき状態について、限定されたイメージしか持てないからです。
大きな目標を掲げることから始めて、それに向かって成長しましよう。目標に圧倒されないくらい、今よりずっと大きな自分になるのです。
圧倒されるというのは、最初から自分の目標に怖じ気づくということです。圧倒されるのはかまわないと思いますが、そのまま圧倒されたままでいてはいけません。
問題をうまく処理する方法は、学んで身につけることができます。目標はどれだけ大きければよいのでしょうか?自分ならできると信じられないものを求めてはいけません。
たとえば、あなたは通常、昼食代にどれだけかけますか?ニドル五〇セント? では、それにゼロを一つ付け加えて二五ドルのランチにしましよう。
何を食べますか? あるいは、あなたは靴にはどれだけのお金を使いますか? 上ハ○ドル? では、それにゼロを一つ付け加えて六〇〇ドルの靴を買ってください。
あなたは何を見るのが好きですか? 演劇を見るのにいくらお金を払いますか? 五〇ドル? ゼロを加えて五百ドルにしましょう。
五〇〇ドルを払って何を見ますか? 車にはいくらお金をかけられますか? 五〇〇〇ドルの車なら気がとがめなくても、五万ドルの車となると平常心ではいられないですか?現在の予算にゼロを一つ付け加えて、どれだけ自分が背伸びしていると感じるでしよう? 実際にそうした場合を想像して、頭の中のイメージを広げてください。
もちろん、その結果に責任を持たなければならないと思えば、実際に行動を起こすのはむずかしいでしよう。あなたのビジョンは結果に影響を与えるでしょうか? もちろん与えます。あなたが自分に課す限界が、あなたの向かう場所とどのように成長するかに影響を与えます。
したがつて、自分を早急に判断することも他人と比較することもなく、五百ドルを使う夜を想像してみることには価値があると思います。
人のものをむやみに欲しがっても何の役にも立ちません。それは健全な緊張や不協和とはいえず、嫉妬を生むだけです。
ですから、夫や妻に向かって、「近所の人がみんな持っている」と言ったり、子どもに向かって、「どうしてお兄ちやんやお姉ちゃんのようにできないの?」と言ったりするのはやめましょう。
あなたの抱負や夢の大きさを制限するものは何でしょう? 夢が重要なのだとしたら、もし適切にイメージを視覚化することが重要なのだとしたら、なぜ自分が偉大なことを成し遂げる姿を想像するだけではいけないのでしょう?それは、「自分にはできる」と自分で信じていないことを望んでも意味がないからです。
実際に、あなたはそれについて考えてさえいません。自分に潜在能力があったとしても、それがわかりません。あなたには、汗を流して働き成長するための欲求が必要なのです。
〉原則八.リソースについて心配しない
目標を設定するときは、物事に優先順位をつけます。自分にとって何が重要かを定義します。
そのときまで、目標の達成を手助けしてくれるリソース(資源)や情報は、たとえ目の前にあったとしても、今までは不必要とみなしていたので視界に入ってきませんでした。
目標を設定することで、それが見えるようになります。「私たちにお金はある?」「ない。でも見つけよう」「必要な人材は?」「ない。でも見つけよう」抱負、目標、夢を、現在手に入るものに基づいて制限するのはやめましょう。
必要なものはすぐ近くにあるのに、気づいていないだけかもしれません。そのときまでは重要なものではなかったからです。
しかし、それが重要だとあなたが宣言したとたんに、突然、それが目に見えるようになります。
あなたはラッキーだと思います。偶然だと思います。本当はそうではありません。
目標を設定すると、必要なものを認識するようになるのです。私はよく、どうしたら達成できるか何の考えもないままに目標を設定することがありました。
必要なものは持っていませんでした。″非現実的な″期待を持つことは、私に大きな自信を与えました。
私は非現実的だと人から思われることが多かったのですが、それは今も変わっていないと思います。
あなたは今、こう思っているかもしれません。
「でも、私にはスキルも、知識も、お金もない。目指す場所へ行く方法がわからない」。その気持ちはわかります。
それでも、物やお金や手段については、あまり心配しないでください。
正しく目標設定し、現状に健康的な不満を抱けば、日標を達成するための道は開けます。「何」と「なぜ」に投資すると、「どのように」が見つかります。
あなたは必要なものを見つけるか。あるいは、向こうからあなたを見つけるでしょう。いつたいどこからそれがやってきたのか、わからないことだってあるかもしれません。
あなたが第一になすべき仕事は、問題を生み出すことです。現状のままで自分を終わらせたくはないはずです。
あなたは理想を語らなければなりません。自分が望む理想的な物事のあり方について考えるのです。手段についてはわかっている必要はありません。それはやがて見つかるはずです。
本を読み、学校に行き、人と出会い、自分を向上させ、お金を貯めていくうちに、必ず見つかります。スタートする時点で「どのように」を知っている必要はないのです。目標を設定すれば、それがわかります。
たとえば、冷蔵庫を買うことにしたとしましょう。はつきりとそれを目標に定めたとたんに、新聞をくまなく調べて売りに出されている冷蔵庫を見つけるでしょう。おそらく、その商品の広告は毎週新聞に掲載されていたはずです。
しかし、必要としないかぎり、解決策は見えてこないのです。
POINT
必要が生じてはじめて認識できる。
目標設定は必要を産むことにほかならない。神学の世界では、これを信仰と呼びます。それは証拠がなくても信じられる気持ちです。
多くの人が信仰を持たないのは、信仰を築くために証拠を必要とするからです。
彼らは、「私に見せてみろ、証明してみろ。そうすれば目標を設定しよう」と言っています。それも一つの方法ですが、目標を定めさえすれば、認識することができます。
それが信仰の実践です。目標が先にあり、認識があとからついてくるのです。望む結果が特定されるほど認知能力は活性化します。
詳細に想像するほど目標達成につながる鍵を探すのがたやすくなります。
潜在意識が鍵を― 新しいビジネスにつながる鍵を― ‐探してくれるのです。あるいは駐車する場所まで見つけてくるかもしれません。
どこに車を駐車したいのかを明らかにし、強い意思を持ってそれを自分の頭にプログラムすると、五感すべてが駐車場所の手掛かりを探し始めます。
あなたの潜在意識は駐車場所だけを探しているのではありません。
ニブロック先の車の中にいる人の頭部まで探しています。あなたは手掛かりを求めて探索を開始します。その頭は、車がもうすぐ移動するということを示唆するからです。
あなたは赤色灯が点滅しているのを目にします。それは駐車場ではなく、手掛かりです。向かってくる車の排気ガスが見えます。
それは駐車場ではなく、手掛かりです。次には車に近づく人の姿を見つけます。それは駐車場所ではなく、手掛かりです。あなたの潜在意識が手掛かりを探しているのです。
しかし、自分より大きい目標の達成に向かって成長するために脳内システムを起動させるには、自分の探しているものを明確にしなければなりません。
周囲の人が「どこで資金を見つけるつもりだ? どこでビジネスを見つけるつもりだ?どこで人材を見つけるつもりだ?」とたずねてきたら、「どこかで」とだけ答えましよう。
これは魔法でも運でもありません。人間の脳の働き方がわかっているということです。
生理学と心理学を結びつけ、人の脳がどう機能するかを知り、その知識を使って、自分の環境、自分自身、自分の家族、自分の仕事を改善しようとしているということです。
私が自分の牧場でロデオ大会の催しを始めたとき、シアトルにいるスタッフに企画を任せました。最初、彼らはブラーマン種の牡牛、ヵウボーイ、ロープ持ち、その他必要なものをどこで見つけたらよいのか、まったくわかりませんでした。
しかし、一度電話をかけ始めると、ロデオカウボーイも牡牛も、あらゆるところにいることがわかりました。そんなにたくさんいることを知らなかっただけなのです。最初は、一人のカウボーイも知りませんでした。
その後、私が「オーストラリアにビジネスを広げる」と言ったときの反応は、「オーケー、たいしたことじゃない。
シアトルでロデオ用のプラーマン牡牛を見つけられるなら、オーストラリアでビジネスを見つけることだって絶対にできるよ」というものでした。
そう、愉快なことで練習するのもいいでしょう。ごみ拾い競争に参加するときには、いくつか、ばかげた物をリストに含めておきます。
しかし、そうすると、それが目に入ってきます。つまり、日標を設定すれば、道は開けるのです。
たとえば、ちょっと時間をとって、あなたの腕時計の絵を描いてみてください。文字盤の細かい部分まで描きます。実際に時計を見ないで、記憶だけをもとに描いてください。
覚えているかぎり細かく描写できたと思ったら、誰かに描いた絵と時計を見せて、どれくらい正確に描けていたかチェツクしてもらいます。
一日に何度も時計を見ているはずなのに、なぜ細かい部分の多くを思い出せなかったのでしょう? それは、詳細部分はいつもは重要ではないからです。
重要なのは時間です。詳細部分の描写は知っている必要はないので、記憶に残りません。必要な資金、人材、情報を見つけることも、時計の詳細部分と同じかもしれません。
目の前にあるかもしれないのに、そこにあることに気づかないのです。これまで何度、夢や目標を定めて、「でも、どこでそれを見つけるんだ?」「わからない。
やはり目標を変えたほうがよさそうだ」というセルフトークをしてきたことでしょう。目標設定と同時に、「どうやって」「どこで」「いつ」を考えるのはやめましょう。これには時間差が必要です。
自分をまずその環境に置いて、それから手掛かりを探してください。手掛かりは必ずあります。ただ、必要とされるまで、あなたにはそれが見えません。
さて、今度は、最後に時計を見たとき何時だったかを正確に書いてください。書いたら、時計を見てください。
何時だったか覚えていなかったのはなぜでしょう?それは、最後に時計を見たときに、あなたは時計の詳細部分を確認していたからです。
そのときに重要な情報だけが記憶に残ります。目標に到達するために必要な情報はそこにあったとしても、日標を設定するまでは見えません。
ひとたび目標を定めると、情報が次々と流れ込んできます。情報はあらゆるところに現れます。目標を定めれば、それが見えます。
しかし、自分が必要だと認識しないものを見ることはありません。子どもたち、生徒、従業員、チームのメンバーに、情報とリソースの見つけ上手になることを教えましょう。
明確な目標を設定し、望む結果を詳細にイメージするよう促します。そうすれば、自分の探しているものを知ることができます。
あなたが毎朝、「今日は何を探そう?」と思えば、必要なものを見つける認知能力が大幅に高まります。それまでは見えなかったものが、日に飛び込んできます。
人間の知覚能力にはもともと限界がありますが、特定の目標設定をしないと、さらにそれを制限することになります。
目的志向に欠けると認知力が閉ざされます。目的志向を持つことが、あなたを動かし続けます。あなたは自分の望むものを追いかける人になります。
現在必要なリソースがあるかどうかで判断しません。自分の探すものはどこかに必ずあり、日標を設定すればそれが見えてくることがわかっているからです。
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