□習慣にすればなんでもできる!
成功できる人と成功できない人。世の中にはこの二つのグループにくっきり分かれています。いったいどこがどう違うのでしょうか?今まで少なくとも三万人の経営者に会ってきました。
ビジネスパーソンならもっともっとたくさんの人たちと話をしてきました。勉強もさせてもらいました。自分なりにどこがどう違うかを分析してみたことがあります。
もちろん、たったひと言で言えるほど単純ではありません。
しかしあえてたった一つこれだけは違う、ということをシンプルに表現すると、次のひと言に尽きると思います。
「成功できる人はいい習慣を持っているのに対して、成功できない人は悪い習慣を持っている」成功できる人は「これはいい!」と思えばそれを習慣にします。
成功できない人は「これはいい!」と思うこともスルーし、以前の悪い習慣から脱皮しないのです。
では、なぜ成功できる人は「これはいい!」というものを習慣化できるのでしょうか?それは頭が柔軟だからです。
いや、それだけではありません。
「これを習慣化したら絶対にいい方向に向かうし得をする」という計算ができているのです。そして、すぐに行動に移すパワーを持っています。整理すると、成功する人は三つの習慣があるのです。
- (1)頭が柔軟で、いいことはなんでも取り入れようとします
- (2)どちらが得でどちらが損かすぐに判断できます
- (3)いいことはすぐに行動に移します
成功できない人は最後の「行動に移す習慣」だけが欠落しているのです。早い話が「わかっちゃいるけれど止められない」ということです。これを医学的には「生理機能分裂」と言います。
頭で理解したことが行動に移せず、まして習慣にならない。これでは成功はおぼつかない、と思います。もしこれで成功できたらそのほうがおかしいのです。
□朝型と夜型の違いは体内時計にあった!
なぜ早起きはパワーの源泉なのでしょうか?生理学的に言えば、ホルモンとの関係なのです。人間の体内時計を安定させているホルモンには次の二つがあります。
(1)アドレナリン(副腎髄質から分泌されている)
(2)コルチコイド(副腎皮質から分泌されている)
「アドレナリンが足りないぞ!」とは、部下に発破をかける上司がよく使っています。アドレナリンは元気の素です。
トラブルやアクシデントなど困難な問題に立ち向かう時に緊張し、自然と分泌され、勇気を鼓舞し、思いもかけない潜在能力を発揮します。
「火事場の馬鹿力」とはこのアドレナリンのことです。
一方、コルチロイドとはアドレナリンを全身の細胞組織に隈無く行き渡らせようとする機能をもっています。
ところで、アドレナリンとコルチロイドのホルモンは夜明けとともに少しずつ分泌され、午前七時前後にピークを迎えます。
午前零時~午前三時頃までの分泌量は午前七時前後のピーク時と比較するとの三分の一しかありません。
ということは、もっとも困難な仕事は午前七時に取り組めばいいのです。
もし、この時間の都合がつかなければ、セカンドベストは午前十一時前後あるいは午後三時前後です。このリズムは原始から数百万年も続いてきました。人類の体内リズムとして築かれたものです。
□人間は朝型としてプログラミングされている!
結論を言うと、人間は朝型としてつくられています。午前七時がピークということは朝型が圧倒的に有利だ、ということの証左です。原始時代から朝早く狩りをしたり魚を捕ったり、農業をしてきた歴史と重なっています。
「ボクは夜型だけど?」というのは、組み込まれたリズムを無視した生活パターンを繰り返して後天的につくられたものなのです。
本来、人間は朝型リズムがプログラミングされているのです。
ピークが午前七時ならば、ベストの生活パターンは午前五時前後に起床して、心身ともにアイドリングさせて、準備をととのえておくことです。
午前五時に起床するには、逆算すれば、前夜の午後十時~十二時にはベッドに入ることが理想的な生活パターンかもしれません。
数百万年もの人類史の中、体内にプログラミングされたリズムから言える二つ目のことは、心身を活性化させるホルモンの分泌が少ないからこそ穏やかで深い睡眠が得られるという生理です。
もし毎晩、アドレナリンとコルチロイドが盛んに分泌されたらどうなるでしょうか?興奮して寝られません。最近、不眠症とか睡眠障害に悩んでいる人が少なくありません。
ポイントはこの二つのホルモンの分泌状態の改善あるいはバランスにあるのではないか、と思います。
□「長く眠ればいい」とは限らない!
日本人の平均起床時間は六時三十七分です。十年前は六時二十七分、二十年前は六時十七分でしたから、毎年一分ずつ起床時間が遅くなっているのかもしれません。
たった一分間ではありません。全国平均ですからものすごい減少だ、と思います。結論から言えば、現代人は寝る時間の平均時間も一分ずつ遅くなっています。
つまり、「一億総夜型人間化現象」に陥っているのです。
原因はご推測の通り、ネットや深夜テレビの隆盛、深夜営業、二四時間営業のコンビニやファミレスなどが当たり前の時代になっているからです。
夜型が増えたおかげで二四時間営業店が増えたのか、二四時間営業が増えたので夜型になったのか、どちらが原因でどちらが結果なのかは釈然としていません。
おそらく両方ともに進んだ結果でしょう。ここで留意すべきことは睡眠時間に関する錯覚と誤解です。
「一日八時間寝ないとダメ。それ以下では頭が働かないし体に悪い」と、この手の睡眠八時間死守説に洗脳されている人が多いのです。
「どうりで今日は何をやってもダメだったわけだ。昨日五時間しか寝てないからなあ」これは間違いです。八時間睡眠できなかったせいではありません。
百年前、ロシアの科学者にマリア・マナセーナという医学博士がいました。長時間、眠らないといったい体内でどんなことが起こるか調べたのです。まず彼女は動物実験を行いました。
十頭の子犬を眠らないよう起こし続けると、四~五日のうちにみな死んでしまいました。
彼女の実験に続いて、多くの医学者、科学者が同じような調査研究をしましたが、子犬だけではなく、成犬やネズミも同様の結果が得られました。
動物の身体を調べると脳以外の場所には変化は見つからなかったのです。脳には二千億とも言われる「ニューロン=神経細胞」があり情報処理機能を果たしています。このニューロンが睡眠障害によって傷つけられていたのです。
これは極端なケースであって一週間に一度や二度の三時間睡眠などたいしたことではありません。「八時間寝てないからダメだ」というのはたんなる思いこみ、自己暗示に過ぎないのです。
□だれでもできる!朝型改造プログラム
もちろん、朝型も習慣のなせるわざです。ところが朝型になれない人もいるのです。「夜の仕事だから無理だ」と言う人もいます。これはしかたありません。
警備員やホスト、ホステスといった水商売あるいはタクシーの運転手さんなどは、夜が稼ぎ時だから無理もありません。
しかしそうではないのに朝型になれない、と踏ん張っている人が少なくありません。
「早起きは苦手でね」「寒い時なんか温かい布団の中が最高。早起きしていったいなにが得なんだ?」いったん起きたのに、「あと五分だけ」と目覚まし時計を止めてしまう人もいます。
実はこれは生理学的にも身体に悪影響を与えてしまうのです。身体がぼうっとしてしまうのです。一度かけたエンジンをすぐに切ってしまうことに似ています。
「あと三分だけこのままに」「もう一分だけ」「あと十秒頼むよ」と踏ん切りが悪い。
「春眠暁を覚えず」と言いますが、一年中、暁を覚えない(覚えたくない)人がたくさんいるのです。
それが証拠に通勤電車で寝ている人はたくさんいます。どうせ起きるならさわやかに起きる。嫌々起きるのは精神衛生上よくありません。
□自分を追い込む!
わたしは結婚するまで独身寮に住んでいましたが、毎朝四キロのジョギングが日課でした。雨が降っても飛び出していましたからランナーズハイだったのだ、と思います。
目覚まし代わりは中島みゆきさんの『悪女』でした。当時は五時半起床でしたから、この時間になると自動演奏がスタートします。
この音楽が終わるまでに着替えます。何に?ジョギングウエアにです。当時はこれでしっかり起きられたのです。
「面倒くさい」という言葉が口癖になったらもうオヤジ、オバサンです。こうなると朝型には切り替えられません。
「こんなに早起きするの面倒くさい」「ジョギングなんて面倒くさい」では朝型にはなれません。絶対に逃げられない環境に自分を置く「ショック療法」が効くようです。
重要な仕事、キーパーソンとの面談、出張の飛行機や新幹線の予約など、無理やり朝いちばんの時間に入れてしまうのです。これは逃げられません。這ってでも行かねばなりません。
「どうしてこんなに早い時間にしたんだろう?」と後悔しますが、完全に目ざめてしまえば、早く起きてよかった、となります。
□エンジョイする部分を見つける!
愛犬を散歩に連れて行く、恋人との早朝デートなど、早起きのモチベーションはいろいろある、と思います。
わたしはオフィス近くのスポーツクラブに朝から通って風呂代わりに使っていました(夏はランチを抜いて通っていました)。これは楽しみで早朝出勤していました。
とにかく、「朝が楽しみだ!」と思える方法を自分なりに考えてみて欲しいのです。
□家族のためと割り切る!
「低血圧で朝が弱い」と言い訳しても、実際に血圧を計ってみると正常です。不機嫌なまま起きてしまうと、本人はともかく家族に悪影響を与えてしまうのも事実です。
ブスっとした顔で「おはよう」と言ってもだれも返事などしません。早起きとは仕事のためというより、その日、家庭でいちばん最初にするアクションです。
忙しい人はもしかすると一日で朝時間しかコミュニケーションチャンスがないかもしれません。義兄(弁護士)は多忙で深夜三時頃までクライアントの相談にのっています。
判断力が低下するまで仕事を続けているようです。場所はクラブしか空いていません。ですから、ほとんど午前様に近いのですが、朝七時になるといったん起きて家族とともに食事をとるのです。
子どもたちとのコミュニケーションを重視しているからです。そして彼らが学校に出かけるともう少し寝るという「二度寝」の常習犯です。確信犯と言ってもいいでしょう。
□出勤まで最短距離をとる!
起床時間を少しでも長くしたければ、逆に、起きてからダラダラせず、あっという間に出勤できる方法を考えましょう。
独身ならば、シャワーも洗面、トイレも自分の勝手気ままですが、家族が何人か集まっていると朝から競争です。
それを避けるためには時間差攻撃。とくに彼らより早起きするしかありません。問題は起きてからです。いったいどんな段取りにすればスムーズに家を出られるでしょうか。
(1)起床と同時にシャワーを浴びる
寝起きでボサボサの髪の毛も簡単にセットできます。わたしは歯磨きや髭剃りも風呂に浸かりながらしています。顔を洗うプロセスをカットできます。
身体がポカポカしていますから、冬でもエアコンが不要です。シャワーも段取りがあるのてす。髪を洗ってから身体を洗い、その時、つけた泡でひげを剃る。最後に洗い流せば最短時間で完了します。
(2)髭剃りは電気剃刀がいい
風呂もシャワーも使わない場合は電気剃刀のほうが便利です。たまに電車内で髭をあたっている人を見かけますがこれは止めておきましょう。化粧も通勤電車内では止めておきましょう。たんなる怠け者としか思えません。
(3)ニュースはタブレットかケータイでOK!
「」。
、。
(4)スーツ一式は一週間分決めておく
ビジネスパーソンのユニフォームはスーツです。
クリーニング後に上等のハンガーにスーツとシャツ、ハンカチ、靴下、ネクタイ、ベルトをまとめておきます。
形状記憶ワイシャツ等も格好の商品です。
(5)玄関には小物入れを置く
玄関には小物入れ用に五段ボックスを用意します。
ハンカチのスペア(常にハンカチを三枚以上持ち歩いています)や時計、鍵、財布、定期などを入れておきます。すでに鞄にすべて入れている場合はそれでOKです。
(6)朝食は全部用意できてからとる
自宅で朝食をとる人も少なくなりましたが、一人者の場合は会社の近くのコンビニやファストフードのほうが時間的には有利かもしれません。
おわりに――朝9時までに勉強を終わらせよう
仕事スキルのマターから活用法、自己啓発に資格取得と、朝を使った仕事法について述べてみた。朝時間は脳のパワーが最大になります。午後よりもポジティブ・パワーははるかに強いのです。やる気も維持できるし頭も冴える。何より前向きに考えられる。
夢や将来に向けた自己研鑽をするなら、まさに最適でしょう。ならば、勉強も早朝に済ませてしまえばいいのです。「チリも積もれば山となる」というよりも「習い性にする」ためです。習慣は第二の性格をつくるのです。
(1)朝のマネジメント・プランニング
毎朝、今日一日どんな段取りで仕事を進めるか、イメージプランニングをしよう。
(2)朝のコンセントレーション朝に集中する。
意識をかき集める。そして仕事にぶつける。あっという間に終わるはずです。
(3)朝の判断深夜のメールは遠慮しよう。
朝にもう一度チェックしてからメールしよう。同時に、朝の脳は高速回転しているから、判断業務はまず早朝にすべし。午後のクタクタ脳でやってはいけない。
(4)どうせやるなら朝会議
夕刻から始めたらエンドレスになる。さっさと終わらせるには朝9時までに終わらせること。9時からお客さんが来る、セールスに行かなくちゃとなれば、さっさと終わる。邪魔するヤツも出てこない。
(5)朝のパワー・ブレックファースト
人脈は夜ではなく朝つくる。健全でポジティブな人脈ができる。
(6)朝のパワー・リーディング
早朝読書会をわたしは主宰しているのですが、同時に「中島孝志の聴く!通勤快読(http://www.keymannet.co.jp/)」も運営しています。
やればやるほど赤字というボランティア活動ですが、毎朝15分ほど、「これは!」という本を1冊取り上げて、それを口火にインテリジェンス情報を吹き込んでいるのです。
忙しい人はテキストでも読めばいい。しかし、スマホやiPadにダウンロードして電車の中で聴いている人が圧倒的です。ただの読書案内ではありません。
いま起きている世の中の動きを見据えながら旬のベストセラーや隠れたいい本を解説しています。著者が知らないこと、気づいていないことも敷衍しているから情報密度は濃い。
こういう情報を朝一番にチェックするようでなければ、一流のビジネスパーソンにはなれないのです。
中島孝志
【著者紹介】中島孝志(なかじま・たかし)東京生まれ。
早大政経学部政治学科、南カルフォルニア大学大学院修了。PHP研究所、東洋経済新報社を経て独立。経営コンサルタント、経済評論家、ジャーナリスト、作家出版プロデューサー、大学・ビジネススクール講師。
「キーマンネットワーク定例会」のほか、「原理原則研究会in東京」「原理原則研究会in大阪」「原理原則研究会in博多」「原理原則研究会in名古屋」「原理原則研究会in神の国出雲」「原理原則研究会in札幌」「中島孝志の日曜読書倶楽部」「松下幸之助経営研究会」いずれも毎月開催。
講演・セミナーは銀行、メーカー、外資系企業等で高い評価を得ている。
全国紙をはじめ専門誌、永田町メディア、金融経済有料ネット、大手企業の社内報から宗教団体機関誌などの連載を20年以上続ける。
著訳書は240冊超。政財界をはじめとした要人プロデュースは延べ500人超。読書は年間3000冊ペース。落語と大衆演劇、そしてシャンソンの熱烈なファン。
毎日音声&文字で配信!ビジネスで使えるインテリジェンス情報サイト「中島孝志の聴く!通勤快読」が超人気!■中島孝志のキーマンネットワークhttp://www.keymannet.co.jp/■中島孝志の聴く!通勤快読http://www.keymannet.co.jp/listen/
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