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第二章 マインドのしくみ

目次

マインドってなんだろう?

社長にとって「マインドを制するものは、ビジネスを制す」と言えるくらい重要なものです。

では、いったいマインドとはなんでしょう?先ほど、『意識レベルの限界。それは、今の自分の限界であり、「変容」のタイミング。そのためにマインドセットを行う』とお話ししましたが、そもそもマインドとはなんでしょうか? 辞書では「精神」とか「こころ」と訳されます。

ビジネスにおいては、向き合う姿勢や態度、意識、モチベーション、使命感と位置づけられるようです。

どのような定義でもいいのですが、皆さんが知るべき重要なことはマインドがどんな機能を持っているのか? ということなのです。

マインドが持っている機能。それは状況や結果の捉え方を決定づけるという機能です。つまり、その人が持っているマインドによって物事の「捉え方」が異なってくるのです。

今月は赤字…という状況(事実)を「やばい…倒産するかも」と捉えたのはマインドのせい。「問題点を洗い出そう!」と捉えたのはマインドのおかげ。

部下が思うように動いてくれない…という状況(事実)を「部下から信頼されてない…」と捉えたのはマインドがさせたこと。

「伝え方を変えればいいんだ」と捉えたのはマインドが犯人。このように、そのマインドは「捉え方」に大きな影響を与えます。ここが重要です。もう一度言っておきます。

まず、マインドは事実に対する捉え方を変える、と覚えておいてください。さて、捉え方が変わると、何が変わるのでしょうか?

捉え方が変わると結果が変わる

よく「思考」が変われば結果が変わる、って聞きますよね。

例えば…「ピンチはチャンスと思え!」とか。確かにそうかもしれません。でもですよ…そうだとしたら、ピンチでもチャンスって思えば、みんなが成功するはずです。

また、世には「成功法則」なるものが数多くあります。成功法則を学ぶとは、思考を変えたり、行動を変える、ということですよね。

そして、書店に行けば、成功する方法はいくらでも手に入る。それを読んで思考を変えればみんな成功する…はずです。でも、実際は思考や行動を変えて、成功する人もいれば、そうでない人もいる。

なぜでしょう?まず「思考が変われば結果が変わる」という人の考え人は、「人のメカニズム」というものをどのように考えているかというと…。

事実 →思考 →行動 →結果、とみているのです。つまり、事実に対して思考し、思考に対して行動し、行動に対して結果が生まれる、と考えているのです。しかし実際は違うのです。事実 →思考 →行動 →結果というプロセスの中に重大なものが抜けているのです。それが「捉え方」です。

人のメカニズムとしては、事実 →捉え方 →思考 →行動 →結果、となっているのです。人は、事実を事実として捉えることができません。人は事実を自分のマインドに従って捉えるというしくみがあるのです。

そしてその捉え方に対して思考をしています。

ですから、先ほど紹介したように、今月は赤字という会社(事実)が二社あったとしても、「赤字」という事実をどう捉えるかは、持っているマインドによって異なります。

その結果、「やばい、倒産するかも…どうしよう」と思考する人と、「うん? 今月は、何が起こったのかな?」と思考する人が生まれてくるのです。

つまり「事実から」思考が生まれるのではなく「事実の捉え方」から「思考」を生み出しているのです。

そして、「思考」が行動に影響を与えるのは皆さんが知っての通りです。

ですから「行動を変えれば現実が変わる」とか「思考を変えれば現実が変わる」と耳にしますが、本当は「事実の捉え方」が変わらない限り現実は変わらないのです。

そして、その捉え方を決定づけているのがマインド。つまり、マインドが現実を創り出しているのです。誤解しないでください。

行動や思考を変えると結果が変わることもある。それは私もそう思います。

しかし、行動、思考を変えても越えられない壁にぶち当たった時は、マインドを変えないと乗り越えられないのです。マインドの重要性をなんとなく感じてきましたでしょうか?

マインドのメカニズム

では、マインドがどんなもので構成されているのか、マインドのメカニズムについてお話ししていきます。

マインドは、三つの要素から成り立っています。

三つの要素から成り立つマインド

一 ロール(役割)『あなたの役割は何ですか?』と聞かれたら何と答えますか?「社長です」「社員のリーダーです」と答えるかもしれません。

プライベートでは「父です」「夫です」と答えるかもしれません。この問いかけに対する答えが、あなたが無意識に「設定している」役割です。

つまりロールとは、会社や家など「社会」における自分に対する肩書きです。ロールは、自分の能力や可能性を発揮する領域を設定するという機能があります。

「社会」での自分のロール。このロールという領域の中において、私達は自分の能力や可能性を発揮しようとします。

二 バリュー(価値観)価値観とはその人が「大切にしているもの」。

大切にしているもの、と言っても車とかお金など物質的なものではありません。その人が世の中を捉える時に、何に価値を置いて世界を観ているかということです。映画『スター・ウォーズ』を観て「壮大な冒険物語だな」と思った人は「冒険心」に価値を置いています。

「人は困難を乗り越えて成長するんだな ~」と思ったら「成長」に価値を感じながらその映画を観ています。つまり私達は、今見ている現実(世界)を捉える時に、それぞれが「固有の何か」に価値を置いて現実を観ているのです。

それがバリュー(価値観)です。そしてバリューは、行動を起こす際のやる気(士気)の程度を決定します。自分の行動がバリューに沿っていれば、スムーズに行うことができます。

バリューに沿っていない行動をする時は、しなければならない、という「やらされ感」で動き動きます。

三 ビリーフ(信念)

信念とは、その人がそうである、と信じているもの。私達は、経験や出来事に対して意味付けをします。その解釈が重なっていくうちにたくさんのビリーフを作り上げていきます。

「営業とは自分を売り込むことだ」「お客様は神様だ」「お金はパワーだ」など。それがどのようなものであれ、ビリーフは、その人にとっての事実となります。そして、ビリーフについて一番重要なこと。

それは…ビリーフは、自分の行動を加速させたり、禁止する機能を果たすという点です。

「机の上をきれいにしなくても仕事は進む」というビリーフを持っている人は、頭では「整理した方がいい」と思っても身体はなかなか動きません。

ビリーフが、無意識に行動を止めているからです。

逆に、「机の上がスッキリしていると仕事はサクサク進む」というビリーフを持っている人であれば、難なく机の上を整理できます。

マインドは「ロール」「バリュー」「ビリーフ」。

この三つがグラデーションのように重なり合って形成されています。

そして、特徴的なことは、この三つの機能は、無意識に設定し、無意識に作動している、ということです。そして、三つの機能が、事実に対する捉え方を無意識に決定づけていくのです。

マインドがなんであるか、どんな機能があるか、少しわかってきましたか?

マインドがどのように影響を与えているか?

私達はマインドを知らないうちに設定しています。つまり、誰しもマインドを持っているのです。

自分の経験の中から、誰かから聞いたことから、人から受けた刺激から、無意識にマインドを設定しています。そして、そのマインドによって現状を創り出しているのです。そのマインドがあったからこそ、今のあなた、今の結果があるのです。

では、今の状況が、マインドからどのように影響を受けて創られたのか? をある社長の事例を交えながらみてみましょう。

IT系企業の A社長さんの事例です。A社長は、起業して三年で一億円の売り上げを作りました。A社長さんはどんなマインドを持っていたのでしょうか?

  • ■ロール(役割): IT関連の社長。プログラム開発する人。クライアントのシステムをスムーズに動かすという役割を担っている。
  • ■バリュー(価値観):研鑽/自立/工夫
  • ■ビリーフ(信念):プロとは自己犠牲を払わなければ成功しない。代償を払わないと結果が出ない。私は優秀である。

A社長はこのようなマインドを無意識に持っていました。この A社長のマインドは、結果(実績)にどのように機能したのでしょうか?

マインドはどのように機能したのか?

A社長のロールは…『私は I T関連の社長。そしてプログラマー。プログラム開発をすることでクライアントのシステムをスムーズに動かす人』。ロールの機能は、自分の能力や可能性を発揮する領域を設定することでしたね。

ということは、彼は自分の能力や可能性を「 I T業界」そして「プログラム開発」ということで発揮する、という設定をしていました。

次にバリュー。彼のバリューは、研鑽/自立/工夫でした。バリューは、行動を起こす際のやる気(士気)の程度を決定する、でしたね。

彼にとって、プログラミングの腕を向上させることは、研鑽/自立/工夫というコア・バリューに沿っていたことでした。

だからこそ、彼は、技術を身につけることに対してスムーズかつ積極的に行うことができました。彼のバリューは、彼のプログラミングの技術を圧倒的に向上させました。

最後にビリーフ。

『プロとは自己犠牲を払わなければ成功しない。代償を払わないと結果が出ない。結果が出ていない人は、サボっている。私は結果が出ているのでサボっていない』というビリーフを持っていました。

ビリーフは、自分の行動を加速させたり禁止したりする機能を果たす、でした。したがって A社長のビリーフは、仕事を進めていく上で苦しい時、しんどい時によく役に立ちました。

つまり、苦しい時でも「プロは代償を払わなければ成功を収められない。だからこれは成功に必要なことなんだ」とこのビリーフのおかげで常に自分を奮い立たせることができました。

その結果、苦しい時でも彼は、行動を止めることはありませんでした。このマインドは彼の目標のためによく機能しました。彼の行動は素早く、そして力強いものでした。

結果として、年商一億円の売り上げをつくり、そして地元でこの分野ではナンバー 1の企業となりました。このように彼が無意識で持っていたマインドは彼を成功へ導いたのです。

その一方で、『自己犠牲を払わなければ成功しない。代償を払わないと結果が出ない』というビリーフを持っていた彼は、成功と共に身体の辛さを感じていました。しかし、この辛さは成功には必要なことだから、と納得していました。

マインドが機能しなくなった!?

起業時の目標にしていた売り上げ一億円を達成した A社長の次の目標は売り上げ三億円です。A社長は次の目標達成のためにいろんな取り組みを行います。

しかし、どうしても上手くいきません。どういうわけか力が入らないのです。それは、当然のことでした。

「プロとは自己犠牲をしなければ成功しない」というビリーフを持っている彼にとって、目標が大きくなればなるほど、彼の代償が大きくなるので、さらに辛くなることを無意識が知っているのです。

したがって彼の行動は加速することはありません。それどころか、やればやるほど、しんどさを感じます。そして、彼のもう一つのビリーフが彼の辛さに拍車をかけます。

「結果が出ていない人はサボっている」というビリーフを持っている彼にとって「自分は結果が出てきていない。つまり自分はサボっている」と認識し、自分を責めます。

そして、「自分は優秀なのに…なぜ? 私が、次のステージに行けないのはおかしい!」と。

A社長は、今まで無意識に持っていたマインドのおかげで「ここまでこれた」。このマインドがあったからこそ今の成功を収めた。

そして次に向かうためのサインとして、マインドが機能する限界にたどり着いたのです。そのことに気づけなかったのです。

そして、彼がすべきことは、ただ一つ。意図的にマインドセットすることだったのです。

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