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第二章マニュアルこそが会社を大きく成長させる!

本当に使えるマニュアルとは?マニュアルが会社の成長基盤を作るこの章では、正しいマニュアルを作り、導入することで、会社や業務がどれだけ変わるかについて説明していきます。

第一章でも説明しましたが、マニュアルとは「目的に応じた行動が明示され、求められる結果を誰もが再現できる」ためのルールであり、ツールです。

仕事のうえで「マニュアルがない」ということは、「ルールがない」ということになります。

ルールがないと、人は自分のやり方で仕事をします。

そのやり方は、その人の経験や勘から生まれます。

これがいわゆる「暗黙知」です。

暗黙知はそれぞれの個人の中に蓄積されていきますが、主観的な知識なので、それをほかの人と共有することは簡単ではありません。

しかし、集団で仕事をする以上、個人が持つ暗黙知に依存していては、仕事は成り立ちません。

そこにはルール=基準があるべきです。

そこで、主観的な知識(=暗黙知)を客観的な知識(=形式知)に置き換える必要があります。

つまり、暗黙知を可視化し、形式知化したものがマニュアルなのです。

マニュアルにはこれだけの効果があります。

①工夫を共有できる②正確な習得と検証ができる③業務のよりどころになる④ムリ・ムラ・ムダに気づき、改善効果がある⑤思い込みに気づく⑥現場力が鍛えられる⑦経営の思想や期待を共有できるその結果、コストも大幅に削減されます。

さらに、社員の質がボトムアップされることは、成果に直結します。

マニュアルを導入することで、会社が成長していくための成長基盤ができあがるわけです。

しかし実際のところは、「もう基本は身についているから大丈夫」「マニュアルは知っているけど、違う手順の方が、早く仕上がるよ」などと、マニュアルを脇に置く感覚が、結構心の中にあるんじゃないでしょうか。

僕自身は、マニュアルを読むのが好きなほうでしたが、それが会社を成長させるものだとは思っていませんでした。

しかし、そんな僕がやらかした“失敗”と“苦手”にしていたことがきっかけで、2・1のマニュアルは生まれたのです。

“すごい”マニュアルとの出会い僕が“失敗”して“苦手”になったもの。

それは部下マネジメントです。

実は初めて部下を持ったときに、自分の都合だけで行動したことで部下が離反し、僕を批判するメールが全社員に送られたという事件がありました。

これは、新卒で入社したシステム会社での出来事です。

当時の僕は、「なんで部下は自分と同じようにできないんだ?」「仕事ができない人間には任せられない」

「一番仕事ができるのは自分なんだから、自分でやるほうが効率がいい」と思い、部下には雑務ばかり振っていたんです。

確かに、そんなことじゃ部下も怒りますよね。

この事件があって、自分にはマネジメントはムリだ、と完全に苦手意識を持ったんです。

その後、リクルートに転職した僕は、初めて営業の世界に足を踏み入れました。

もともと人と話をするのは好きでしたし、自分のやり方で契約まで運ぶことができるうえ、自身の働きぶりは契約成立件数として目に見えるわけですから、やりがいがあるのはもちろん、営業の仕事自体とても面白い。

気がつけば営業成績はトップになり、社内のMVP賞も受賞しました。

その一方で、前職での失敗が頭にあったので、人をまとめるような役回りからは逃げ回っていました。

そして、さらなるステップアップを目指して、次の転職先に選んだのがプルデンシャル生命保険でした。

入社後、噂にも聞いていた、充実したマニュアルに出会いました。

この会社には、経営理念に始まり、生命保険の詳細、見込み客の考え方、商談プロセスごとの解説、クロージングの方法、契約後のフォローなどについて事細かに書かれた、営業だけで20冊にも及ぶ業務マニュアルがありました。

それらを読めば、これから携わる業務のことが手に取るようにわかるわけですから、研修中はマニュアルを読むのがとても楽しくて、早く現場に出て学んだことを試したいと、もうワクワクしっぱなしでした。

そして、晴れて営業の現場に出た僕は、マニュアルで身につけたトークやスキルをフル活用。

ここでも順調に契約数を伸ばし、数年後には業界の上位1%の保険営業マンに送られる「MDRT」という称号を獲得するまでに至りました。

そんなある日、僕は上司に「話がある」と呼ばれました。

「営業所長をやってくれないか」そう言われたのです。

営業所長になれば、当然部下ができます。

つまり、マネジメントをすることになるわけです。

最初の会社での、あの“失敗”以来、遠ざけていた唯一の苦手業務――。

しかも、今度部下になるのは、みんな優秀なプルデンシャルの営業マンです。

言い方は悪いですが、自分と同じように我が強くて、独自の道を行くような人間だらけです。

なので、最初は断りました。

「自分には無理です」と。

その一方で、マネジメントについて、「どこかでリベンジしたい」という気持ちはずっと持っていました。

負けっぱなしのままではいたくなかった。

上司から熱烈なオファーを受けつづけたこともあり、一念発起して営業所長を引き受けることにしました。

売れない部下が売れるようになった秘策とは?そうはいっても、マネジメントには苦手意識しかありません。

しかし、不安を払拭してくれたのが、今度もまたマニュアルでした。

この会社には、僕が読み込んだ営業マニュアルだけでなく、マネジメント用のマニュアルも整備されています。

そのマニュアルに沿って営業マンを育成していけば、経営理念から営業プロセスまで、彼らに均一で具体的な教育を施すことができるわけです。

そこで、部下たちにはまず、営業マニュアルを徹底的に読み込ませました。

そして、早朝のロールプレイングから深夜のフィードバックまでとことん付き合い、自分のお客様に頼み込んで、部下に見込み客の紹介をしてもらったりもしました。

そんなふうに、考えられる限りのことをやって、部下たちを手取り足取りサポートしたんです。

でも、部下たちの売上げは上がりませんでした。

ある意味、僕は自分を殺して徹底的に彼らを助けていたのに、まったく売れないんです。

彼らがサボっているわけではないのは知っていました。

時には、部下がお客様と商談しているカフェにこっそり行って、すぐそばで様子をうかがったりしましたが、みんなマニュアルのとおりにきちんと話を進めています。

でも、ちょっとずつ何かが違う……。

彼らの商談を聞いていると、「そのトークはまだ早いだろう」とか、「お客様が何も言っていないのに、なんで次に行っちゃってるの?」とか、「クロージングのときの声が小さすぎるよ」などと、僕だったらそうはしないと思うことをやってるんです。

僕と同じマニュアルを読んで、そのとおりにやっているのに、なぜ僕は売れて、部下は売れないのか……?そこで試しに、各マニュアルの内容について、自分がその文章をどう解釈したか、実際にどう実行したか、ということを、マニュアルの行間を埋めるように全部書き出しました。

「僕の真似をさせてみたらどうだろう」と思い至ったわけです。

たとえば、「お客様から信頼を得るためには、レスポンスを早くしましょう」という内容があったとします。

「レスポンスを早く」というのは、具体的にどのくらいの早さを指すのか。

お客様からメールをいただいたら即レスするとか、きちんとメールを書いている時間がなければ、「のちほど詳細をご連絡します」という旨だけでも返信するとか、遅くとも1時間以内には連絡を入れる、といった具合に、自分がとっていた行動を事細かに書いていったんです。

それをもとにして、部下にも同じようにやらせたところ、ようやく売れるようになりました。

このことで、同じマニュアルを見ていても、人によって理解度や再現度に差が出るということを知りました。

僕の中では当たり前と思っていたことも、部下たちにとってはそうじゃなかったんです。

マニュアルには確かに行動指針や業務の手順が書いてあります。

でも、理念ややり方だけでは、全員が同じようにはできません。

その理念とやり方の間をつなぐことを言語化し、可視化することが大切で、マニュアルにはそこまで書いてあるべきだということに気づいたわけです。

“マニュアル人間”に負けた!実は営業所長になる前にも、マニュアルそのものの存在価値を強烈に感じた経験がありました。

自分の中で“マニュアル人間”だと思っていたヤツに負けた、これもまた苦い思い出です。

自分で言うのもなんですが、僕は物事の理解が早いほうだと思っています。

概要をつかむのが早くて、たとえばマニュアルを読んでもすぐ内容が理解できるし、研修の課題なんかも人より早く終わる。

そして、現場に出ても初速が早いんです。

いきなりガーンと結果を出します。

営業をやっていた時代には、実際、誰よりも売りました。

そうやって、3年ほどトップを走っていたら、僕の1年後に入ってきた後輩に追いつかれたタイミングがあったんです。

その後輩は、僕の目から見たらまあ平均値というか、特に突出したところもない男でした。

ひとつのことを言ったら、ひとつのことしかできないみたいな。

愚直とでも言ったらいいでしょうか。

彼はとても真面目で、必ず毎朝ロールプレイングしてから出ていって、帰ってきたら毎晩復習する。

そして、とにかくマニュアルを読み込んで、わからないことは上司に聞いて、ひたすらマニュアルどおりに営業するんです。

まさに、“マニュアル人間”です。

保険のお客様は当然個人だけじゃなく、法人もありますが、法人のほうが難易度が高い分、売上げもいいので、僕は個人はそこそこに、さっさとそっちのほうにシフトしていきました。

でも、彼はずーっと個人のお客様だけを相手にしていた。

そして、あるとき、彼が僕の成績を追い越しました。

個人相手の営業だけをやっていた彼が、個人と法人の両方を売っていた僕の数字を抜いたんです。

彼がしてきたのは、マニュアルどおりの営業だけ。

新人がやっていることと一緒です。

それなのに、すごい数字を出した。

僕は“マニュアル人間”に負けた――。

なんでそうなったのか。

僕は考えました。

そして、気がついたんです。

マニュアルのおかげなんだと。

 

僕も当然マニュアルは読んでいましたが、一通りの基本は頭に入れたものの、しっかり染み込むほどではなかった。

そして、わかった気になって、そこに自分のオリジナルのやり方を入れたりするんですが、そのやり方だと後で振り返れないんですよね。

その時々の状況に左右されてしまうので、あのときは何が悪くて、前回と今回で何が違っていたのか、ということがわからない。

答え合わせができないんですよ。

でも、マニュアルで基本をたたき込んで、それに対して毎回フィードバックを受けてきた後輩は、どのケースのときにはどのパターン、ということが明確にわかっていて、それぞれのシチュエーションに応じた対応ができる。

つまり、「型」が身についているんです。

第一章でも説明しましたが、型は何年もいろいろな人がやってきて見つけた、「これが一番うまくいく」という方法です。

“王道パターン”です。

だから、それを真似するのが一番の近道だし、最良の方法なんです。

でも、型が身についていないうちに、過去の成功体験や自分のエゴなんかにとらわれて、それを優先してしまうと、迷って、悩んで、行き詰まってしまう。

結果として、愚直にひたすら王道パターンのやり方を続けた後輩に、“素人”のアレンジを加えた僕は負けてしまったわけです。

このときに改めて、僕はマニュアルのすごさと大切さを思い知りました。

そして、この経験から、のちにマニュアルが「守破離」の「守」を実現するツールであると思い至るわけです。

そして“マニュアル屋”の道へこれまで僕が在籍していたどの会社にも言えるのは、しっかりした研修制度とマニュアルが整備されていたということです。

特に3社目のプルデンシャルは、一営業マンに20冊に及ぶマニュアルを配布し、そのマニュアルで徹底的に教育する会社でした。

ずっとそうした環境に身を置いていたので、僕の中では「会社にマニュアルがあるのは当たり前」で、「マニュアルで仕事を学ぶのは当たり前」という認識ができあがっていました。

でも、プルデンシャルで法人営業をしているうちに、その環境が当たり前ではないことに気づきました。

僕のお客様には中小企業の経営者の方も多くいましたが、その方たちから、「社員教育が大変なんだ」「人材の雇用が難しくてね」「離職率を減らしたいんだよ」「業務を効率化させたいんだけど」「おたくの会社ではどうやってるの?」という悩みや質問をよく受けたんです。

そのたびに、自社ではマニュアルを活用しているということを、僕自身の経験を交えてお伝えしていました。

みなさん興味を持って話を聞いてくれるんですが、決まってこんな反応が返ってきます。

「うちでは社員を自社で教育するノウハウがない」「マニュアルを作る時間も、人材も、ノウハウもない」要するに、マニュアルが整備されている会社がとても少ないんです。

考えてみれば当たり前の話で、特に中小企業のオーナー社長は、たとえば自社の商品を作ったり、商品を売ることにかけてはプロですが、雇用や社員教育といった自分の専門分野外のことについては“素人”ですよね。

しかも、創業間もない頃なら、まずは売上げを上げることに全勢力を投入します。

社長の目は社内よりも社外に向きますから、余計にそうした面が手薄になりがちです。

これは中小企業に限ったことではなく、東証一部に上場しているような大企業でも同じです。

適切なマニュアルがあれば、スピーディーに経営側が意図した水準の人材を育成できるし、効率的に業務が進められるのに……。

これは、世の中にもっとマニュアルの大切さを広めるべきではないのか――?そうした思いが、僕の中に芽生えてきました。

そんな頃、僕の思いを強くするきっかけがありました。

マニュアル作成会社との出会いです。

その会社は、社長の広い人脈のおかげで、広告やPRをいっさいやっていないにも関わらず、クライアントは名だたる大企業ばかり、というすごいところでした。

でも、社長は当時63歳、在籍している社員の平均年齢は50歳オーバーということで、会社を引き継ぐあてがないというんです。

マニュアル作成のニーズはあるのに、マニュアル技術の跡継ぎがいない!その状況を知った僕は、迷わず「僕がやります」と手を挙げました。

いつか起業することが人生の目標でしたし、何よりマニュアルの重要性や必要性については、身をもって経験しています。

その後、半年間その会社で学び、マニュアル整備代行とマニュアルによるマネジメント支援のサービスを立ち上げました。

言ってみれば、僕の性格、夢、目標、僕が学んできたこと、見聞きしてきたこと、経験してきたこと、それぞれの点と点がすべてガチンとつながったのがマニュアル整備支援サービスだったわけです。

 

マニュアルが会社と業務を大きく変える!マニュアルは教育ツールそのもの!では、実際にマニュアルを会社に導入すると、どんな効果があるか、お話ししていきましょう。

まずは「業務の標準化」です。

マニュアルがない現場では、業務は個人の判断、個人の裁量に頼った運用になります。

これでは、仕事をする人によって業務のクオリティに差が出てしまい、リソースのムリ・ムラ・ムダにつながります。

マニュアルを導入することで、属人的なやり方を統一し、業務のクオリティを均一化することができます。

このあたりについては第一章でも触れていますので、改めて多くは語りません。

さらに、マニュアルは、教育ツールそのものです。

実際に、教育を目的にマニュアルが作られるケースがとても多いんです。

教育をなおざりにすると、どんどんその人にしかわからないノウハウが増え、その人にしかできない仕事が増えていきます。

ノウハウを個人に残してしまっては、属人性が高まるばかりです。

マニュアルは型であり、基本です。

会社や業務の基準が詰まっています。

基本・基礎を教えるための教科書として、ボトムアップの手段として、マニュアルは最適なツールなのです。

また、マニュアルがあることで、教える側のスキルや知識に左右されることがなく、教える内容に個人差がなくなるので、“ブレない”教育ができます。

マニュアルによって、どこがわからないのか、どこをフォローしてあげればいいのかが明確になるので、学ぶ側も理解に個人差がなくなります。

そして、仕事の流れが最初から把握できるので、「どうしたらいいかわからない」という不安や悩みがなくなり、結果として離職率の低下にもつながります。

これは、実際にマニュアルを導入していただいたクライアントの実績からも明らかです。

ところが、中小企業で、教育を大切にしてマニュアルを整備しているところはまだまだ少ない。

教育にマニュアルは絶対にあるべきなんです!ただし、教育にマニュアルを使う場合は、使い方も重要です。

新人等に仕事を教えるときには、必ずマニュアルを教材にして指導(トレーニング)を行います。

教育の担当者が誰になっても、マニュアルを使うというやり方を変えてはいけません。

そして、たとえばマニュアルが100ページあったら、書かれている内容全部をそのとおりにさせます。

「ここは、この部分のやり方だけでいいから」などと言って、どこかを省いたりしてはダメです。

本来、マニュアルには不要な内容なんてありません。

やるべきことだから、マニュアルに書いてあるんです。

だから、100ページあるマニュアルなら、100ページ全部を実践する。

そうやって、型を徹底的に身につけさせることが大切です。

基本の型に立ち戻るから進化できるプルデンシャル時代に、何千万も稼ぐトップ営業を何人も見てきましたが、彼らに共通しているのは、営業の基本・基礎が、早く正確にできることです。

たとえば、お客様に初めてお会いしたときの挨拶からして違います。

新人なんか足下にも及ばないほど、明瞭明快。

出してくる書類にも、ミスはひとつもない。

マニュアルに書かれている基礎中の基礎がすべて身についているんです。

気持ちが悪いほど完璧です。

彼らは、型=基本が確実に身につき、しっかりした土台ができあがっているからこそ、センスや応用が生きてくる、ということを体現していました。

営業のみならず、人は仕事に慣れてくると、勝手に基本を曲げてしまい、気がつけば基本から離れたことをやるようになります。

そして、そのせいでスランプに陥ってしまう。

世の常です。

僕がかつて“マニュアル人間”の後輩に負けたときも、やはり自分のやり方、アレンジを加えてしまったからでした。

型=基本を身につけ、常にその基本・基礎を確認し、初心に戻ることは、どれほどキャリアを積んでもやらなければならないことです。

プルデンシャルのトップ営業たちも、機会があるごとに必ずマニュアルを読んでいます。

どんなにベテランでも、です。

彼らに聞くと、マニュアルを読むたびに、前に読んだときと感覚が変わると言います。

同じようにやってきたつもりでも、いつの間にか基本のとらえ方が変わってしまっていることに気づくそうです。

なんかうまく売れちゃうから、気がついたら言葉とかやり方を省略していた。

でも、マニュアルを見ると、やっぱり必要な言葉だし、省いちゃいけない手順だと気づく。

「しまった、変わっちゃってたよ、自分」と。

そうやって、トップ営業は常に自分の営業スタイルを振り返っています。

教育用に用意されたマニュアルですが、そこに書かれているのは“王道ルール”である営業ノウハウです。

営業の型=基本です。

ムダなことはひとつもなく、省略できることは何もない。

ベテランやキャリアの営業も必ず戻ってくるマニュアル。

そんなマニュアルで教育をする価値、おわかりいただけますよね。

引き継ぎがうまくいかない?それはマニュアルがないからだ!社員が異動したり、休職や退職するにあたって、後任の誰かに業務を引き継ぐ。

会社なら必ず訪れるシーンですね。

よく、異動や休職・退職する本人が引き継ぎの資料を作るケースがありますが、たいていはあまり精度の高いものには仕上がりません。

だって自分はもういなくなるわけですから、そこまで気を遣って作ることはしない。

「わからないことがあったら連絡してね」と言い残していく人もいますが、実際に連絡が来たら、正直迷惑ですよね(笑)。

マニュアルは、この「引き継ぎ」の場面でも威力を発揮します。

引き継ぎは教えることに等しいですよね。

前述の「教育」と同じ考えです。

ポイントは、異動や退職が決まってから、改めて引き継ぎマニュアルを作り始めるのではなく、日常的に使うマニュアルとして整備しておくこと。

たとえばそれが営業マニュアルなら、取引先のリストも常に更新して最新の情報を保っていれば、急に引き継ぎすることになってもスムーズです。

特に業務関係のマニュアルは内容の肉づけもしやすいので、一度整備すれば、その後の運用はそれほど大変ではありません。

ちなみに、お勧めしたいのは、新しい業務を始めるときに、マニュアルも一緒に作ること。

そうすれば、業務を終えた時点でマニュアルもできあがるからです。

そして、次にその業務にあたる人は、前任者に教えてもらうのではなく、そのマニュアルを見ながら取りかかる。

内容が違っていたり、手順を変える必要があれば修正する、という運用をしていけば、慌てて引き継ぎマニュアルを作ることはありません。

つまり、常に使っているマニュアル=引き継ぎマニュアルになる環境を整えておけばいいんです。

また、引き継ぎに対応できるマニュアルが整備されているということは、「リスク対策」にもつながります。

会社でその人だけしかやっていない業務があるとします。

 

全部を任せていて、ほかの人には、普段その人がその業務をどうやってこなしているのかわからない。

ある日、突然その人が来なくなったらどうしますか?人が会社に来なくなるのは、何も会社を辞めるときだけじゃありません。

病気や事故、あるいは休暇でどこかに行っていたら災害か何かがあって、交通手段が途絶えて戻ってくることができない、なんてこともあり得ます。

そうなったら大変です。

業務が止まります。

もっとコワいことも考えられます。

たとえば経理担当者が横領していたとか、集金業務の担当者が集金した現金を着服した、なんてニュースもよくありますよね。

これも、その人だけにしか業務の中身がわからない状態になっていることが大きな要因です。

業務を担当者一人に任せてしまったがために、属人的になり、ブラックボックス化して、いざというときに対応できずに慌ててしまう。

そんな状況に陥るリスクを回避するためにもマニュアルは役に立ちます。

事業承継のお供にもマニュアルを!マニュアルは事業承継者の武器にもなります。

僕はプルデンシャル時代に、相続・事業承継という分野で生命保険の提案を行っていました。

相続・事業承継の対策は、跡継ぎに今の資産をできるだけ多く残すためにどうしたらいいかということを、親子二世代、もしくは三世代で話し合います。

前職でそんなことをしていたため、今でも親の会社を継ぐ息子さん、娘さん、つまり二代目、三代目社長さんたちと食事をすることが多いんですが、彼らから聞く話は社内での苦労話がとても多い。

そうした苦労をしている事業承継者というのは、そもそも責任感が強く、学びにも積極的だし、やる気があって優秀で、先代のやり方を今の時代に合うように変えていこう、もっとよくしていこう、と考える方ばかりです。

みなさん、引き継いだ会社の売上げ向上(新規事業の立案など)や業務改善(人員・業務の効率化、コストカットなど)を断行していらっしゃいます。

でも、痛みを伴う改革も含まれるわけで、既存の社員や役員の受けはよくないことが多い。

「孤軍奮闘とは、彼らのような方々にふさわしい言葉だな」と思いながら、僕は業務改善という切り口で、マニュアル整備の話をよくします。

マニュアルを整備するといろんなことが見えるんです。

マニュアルを作るために、業務内容の洗い出しをすれば、課題となっている業務がハッキリします。

また、実際にマニュアルを作る中で、現場からノウハウのヒアリングをすれば、業務の全容が見えて、結果的に非効率な業務や人材の配置ミスに気づくことができます。

また、組織としての教育システムの成熟度も見えてきます。

マニュアルにはこんなに効果があるんですが、事業承継者の方々は、業務改善の意識が非常に高い割に、業務改善に直結する「マニュアル整備」という手法をご存じないことが多いんですよね。

ぜひ、マニュアルを事業承継のお供にしていただきたいと思います。

必ず役に立つ、心強い味方になりますよ。

中小企業やベンチャー企業こそマニュアルを持つべし!事業承継者に限らず、世の中にはまだまだ、マニュアルの真価を知らない経営者がたくさんいます。

マニュアル整備は必ず会社にプラスになります。

マニュアル整備は、理論と手法を用いて、徹底してやれば、必ず業務改善がなされます。

実際、私がマニュアル整備について説明した後では、「マニュアル整備なんてダメ、やらないよ」なんて反対意見をもらったことはありません。

「でも、うちは会社の規模が小さいから、マニュアルを導入する必要はないかな」「うちはベンチャーなんで、変化が激しくてマニュアル化はできないですよ」中小企業やベンチャー企業の経営者からは、そんな言葉を聞くことがよくあります。

でも、マニュアルに会社の規模や業務内容は関係ありません。

大企業にはマニュアルがあるもの、と思っている人も多いようですが、実はそんなことはないんです。

たとえば、ビジネスモデルが尖っていたり、珍しかったり、あるいは営業が強かったりすると、売上げが一気に伸びる会社があります。

そうやって勢いに乗って大きくなるのはいいんですが、組織が大きくなったからマニュアルでも作ろうかと思っても、人が多くなればなるほどマニュアル化は大変になります。

社長や会長の鶴の一声で、トップダウンで社員に言うことを聞かせられる、というワンマン会社ならいいですが、そうでなければ、要は“脳みそ”がたくさんできてしまって、その状態で標準化して足並みを揃える、というのはキツイものです。

だから、売上げはすごいけど、会社の内情はバラバラで非効率、という大企業も少なくありません。

「会社が小さいからマニュアルはいらない」ではなく、「会社が小さいうちにマニュアルを整備しておくべき」なんです。

それに、今はなかなか優秀な人材が集まらない時代です。

そして、優秀な人材ほど辞めていってしまいます。

これは大企業でさえ悩んでいる現象ですから、中小企業やベンチャー企業ならなおさらです。

いい人材を採りたい。

優れた人材を開発したい。

そう考えるなら、やっぱり役に立つのがマニュアルです。

マニュアルには、人を育てる、動かす仕組み、勝てる法則を浸透させる機能があります。

言ってみれば、マニュアルは教科書・引継書・役割定義書・基準書のすべてを兼ね備えた存在です。

適切なマニュアルがあれば、新人教育で仕事の型を身につけさせることができます。

マニュアルどおりに動くことで、普通の人材に優れた仕事をしてもらうことができます。

そして、その人は早期に戦力化します。

また、そのように「人材育成が整った会社」というイメージは人を惹きつけ、採用にもつながるようになります。

中小企業やベンチャー企業こそ、採用や人材育成につなげるためにも、マニュアル整備が効果を発揮します。

マニュアルはいつ作る?今でしょ!実際に、2・1でマニュアル整備の支援をお手伝いするクライアントは、社員が20~50名の規模の会社がもっとも多いです。

「会社の規模を拡大していくために、マニュアルの必要性を感じている」「仕事が属人的で、スタッフが辞めたときの引き継ぎが大変」

経営者のみなさんは、そんな理由から相談にみえます。

そして、マニュアルの導入を決めて、いざ作成に入ると、たいていこんなふうに嘆かれます。

「なんで会社の規模がもっと小さいうちに作らなかったんだろう……」僕らはマニュアルを会社の成長基盤ととらえています。

マニュアルを導入した瞬間に売上げが上がるわけではありませんが、毎日の筋トレで、いつしか強靱な体が作られるように、マニュアルを日々更新しながらブラッシュアップしていくことで、タフな会社に成長していきます。

反対に、マニュアルを整備せずに成長した会社は、突発的な出来事や危機に対応することができません。

まるで筋肉がないまま体だけが大きくなったようなもので、見た目は大きいですが、弱くて脆いんです。

では、マニュアルを作るベストタイミングはいつでしょう?それは、従業員を1名雇ったときです。

起業時には、だいたいは社長がすべてのことを行っています。

その時点で、社長の仕事をマニュアル化すれば、雇った従業員はそのとおりに仕事をします。

ところが、何も用意をしないまま人を雇った場合、従業員は見よう見まねで仕事をします。

すると、会社には社長のオリジナルルールと従業員のオリジナルルールができてしまいます。

そうやって従業員が増えるたびに、それぞれのオリジナルルールも増えていき、その結果、仕事が属人化して、誰が何の仕事をしているのかが見えなくなってしまうんです。

総菜店を10店舗経営されているクライアントのケースですが、ある店舗が、10時開店のはずなのに、12時になっても開店していなかったということがありました。

それはたまたま一人の従業員が遅刻したことによる事故でしたが、他にも人がいたのに開店できないなんて。

それをきっかけに仕事が可視化されていない問題に気づいた、つまりマニュアルの必要性に気づいたそうです。

今はほとんどの場合、このように問題が顕在化してから携わることが多いんですが、僕らの理想は、従業員を1名雇うタイミングでマニュアルを整備すること。

それが社会の常識になることを目指していきたいと思っています。

ですから、「今はまだ規模が小さい」という会社の経営者さん、今こそマニュアルを整備するチャンスですよ。

 

みんなこんなに成功している!マニュアル導入で課題を解決マニュアルの導入で目に見える改善を!ここからは、実際にマニュアルを導入したことで、課題を解決した成功事例を紹介していきます。

まず、もっともわかりやすい例として、無印良品のケースがあります。

マニュアル導入の成功例としてご存じの方も多いかもしれません。

『無印良品は、仕組みが9割仕事はシンプルにやりなさい』(角川書店)という本があります。

著者は無印良品を運営する良品企画の前会長、松井忠三氏。

赤字38億円から奇跡的なV字回復を実現させた松井氏が、無印良品の「仕組み」やマニュアルを大胆に披露した内容で、2013年に発売されて以来、10万部を超える息の長いベストセラーになっています。

マニュアルに対する認識を変えてくれる良書なので、機会があればぜひ目を通していただきたいと思いますが、とにかくすごいのは、松井氏が取り組んだ、無印の徹底したマニュアルの導入とその効果です。

本の内容について、ここでは詳細は語りませんが、無印の業績が急激に悪化し、社長に就任した松井氏は、店舗ごとにバラバラだった運用をマニュアル化して、徹底した仕組化と改善に取り組みました。

松井氏が取り入れたポイントは、大きく次の4つ。

①省力化(業務を可視化することで簡略化できる業務を洗い出し、改善する)②標準化(業務の基本をマニュアル化し、仕事がうまくいく法則を見つけて標準を共有する)③理念の浸透(「お客様に誠実で、正直であれ」という理念を表すために、見たままの特徴を商品名にするなど、企業理念の精神を実務に反映する)④仕組化(マニュアルの継続的な更新と業務改善までを仕組みとして確立する)このように徹底したマニュアル化や仕組化を断行したことで、2001年に大きく落ち込んだ無印の業績は、2002年を境に再び大きく伸びて、見事なV字回復を実現しました。

無印の事例は確かにすごいものです。

ただし、どこの会社も無印のやり方を真似ればいい、真似なければならない、というわけではありません。

まず無印の事例を紹介したのは、その仕組みをすべて真似しろということではなく、マニュアルを活用したことで会社を成長させたという、その成功例を知っていただきたかったからです。

マニュアルは、それぞれの会社の実情に合わせて作ったものでなければ、ただの“お飾り”です。

その会社の経験や文化が息づいた、いわゆる“血の通ったマニュアル”であるべきなんです。

ここからは、いよいよ僕たち2・1のマニュアルで課題を解決したクライアントの例を紹介していきます。

いずれの事例も、成功のポイントは「ワークフローの重視」「徹底した見える化と標準化」です。

導入成功事例①マニュアル導入で「人事考課」の標準化を実現!まずご紹介するのは「人事考課の悩み」です。

期初に目標を設定し、期末に目標達成度を評価する仕組みを運用している会社も多いのではないでしょうか。

多くの場合、評価者であるマネジャーが部下と面談し、一次評価をつけることになります。

しかし、評価の「甘辛」が出てしまうのはどの会社でも起こり得ること。

マネジャー自身も「この評価で正しいのだろうか?」と迷いがちです。

コールセンター事業を営むA社も、人事評価のバラツキに悩んでいました。

急速な業務の拡大によってマネジャーを増員しましたが、研修などを行う機会がなかったため、「評価の不平等」が発生。

マネジメント業務に不慣れな人も多く、人事面談の品質もバラバラ……という状態でした。

となれば、当然「評価への不満」が発生します。

離職する社員が増えたことで、チームのモチベーションが下がり、サービス品質の低下も見られるようになりました。

そこで、「評価の見える化・標準化ができないだろうか」と2・1に相談をいただきました。

 

「うまく評価ができない」理由のひとつは、「評価できる適切な目標を設定できていない」ことにあります。

面談をしても、部下と何をどう話していいかわからない。

これから始める面談で、何について話し合い、どんな対応をするのか、あらかじめイメージできていなければ、その面談がうまく進まないことは目に見えています。

A社の場合も、まさにそれが問題でした。

そこで、そうしたマネジャーの悩みをひとつずつクリアにしていき、「人事考課のマニュアル」を作成することになりました。

たとえば目標設定の場面だけでも、いくつも気にすべきことがあります。

・自部門の目標をしっかり確認できているか?・部下に目標をどのように振り分けていくか?・「適切な目標」になっているかをチェックするにはどうするか?・目標を上長に承認してもらうためにはどうするか?などこのように、場面ごとに手順やノウハウをすべて書き出したものと、全体のワークフロー、そして、そもそも人事考課の目的を確認できる記述をすべてまとめたものが、この会社の「人事考課マニュアル」となりました。

マニュアルができたことで、マネジャーは余計な悩みを抱えずにすむようになりました。

部下のほうも、マネジャーと合意しながら目標を立てられるようになり、「どうしてこの評価なのか」という不満が出ることはなくなりました。

結果的に、A社ではそれまで24・5%もあった離職率が、5・4%と大幅に改善したのです。

導入成功事例②フロー重視で店舗の「ブランド」統一と価値向上を実現小売店をチェーン展開しているB社は、店舗ごとの成果のバラツキに悩んでいました。

ある店舗はお客様対応がきちんとしていて売上げも高いのに、別の店舗では全然ダメ。

商品説明も店舗ごとにバラバラだったので、「本当に同じブランド?」と思われてしまいかねない状況でした。

ブランドとは、店舗のコンセプトやデザインだけではありません。

お客様への対応やサービスの質といった、社員一人ひとりの行動も、すべてブランドに含まれるものなのです。

 

B社の改善策として、店舗に関わる全業務(販売、事務、店長、スーパーバイザーなど)をマニュアル化することにし、業務内容の洗い出しから始めました。

もちろん一気に全部できたわけではありません。

フェーズをいくつかに分けて、まずは販売のオペレーションマニュアルに着手。

3か月で初版、次の3か月で第2版、次の6か月でさらに更新しながら完成版、というように、段階的に作成を進めます。

マニュアル化のポイントは、まずは「何をどのようにやっているのか」を全部洗い出し、ワークフローを作っていくこと。

「うちには標準の手順が決まっていないから、マニュアルなんて作れないよ」という会社も多いんですが、手順が決まっていないからこそ、何をやっているのか、どのようにやっているのか、誰がやっているのか、どのタイミングでやっているのか、ということを、思いつく限り挙げていくんです。

今やっていることを洗い出して、まず並べてみる。

これがマニュアル化の第一歩です。

B社もまず「初版」を作ることから始めました。

そうすると、「いや、その手順よりこっちのほうが……」と、意見やアイディアが出てくるようになります。

そうして出てきた意見やアイディアを盛り込み、内容を更新して、次の版を作ればいいんです。

それに、洗い出して並べられた内容に対して、ああでもない、こうでもないと議論すること自体が組織内でのノウハウの共有機会にもなるので、一石二鳥の効果があります。

ちなみにB社の場合、第1フェーズが半年たったあたりから、第2フェーズに入りました。

次のフェーズは事務のオペレーションマニュアルと、全体に共通する基本マニュアルの整備です。

事務のオペレーションマニュアルは販売マニュアル同様、更新を繰り返しながら1年ほどかけましたが、基本マニュアルは3か月ほどでまとまりました。

マニュアルによって業務の流れが整理されていくと、ムダな時間も削減できます。

B社では結果的に、店長の残業時間が月48時間減、店舗スタッフの残業時間が平均17%減少しました。

また、商品説明の仕方などが具体的になったことで、自信がなかった若手スタッフもノウハウを身につけられ、その効果によって、店舗の月平均販売量は平均11%の増加となりました。

 

導入成功事例③「社長の仕事」をマニュアルで伝承法人向けの研修事業を手がけているC社は、「研修講師という属人的スキルをどう伝承しようか」と悩んでいました。

同社のトップ講師は社長本人です。

長年の講師実績もあり、クライアントからの信頼も抜群です。

「あの講師に研修をお願いしたい」という指名の仕事も多く、余計に講師が変わったら指名が減り、売上が減少するというリスクが考えられます。

しかし、社長は定年間近。

本人としても、「そろそろ後任に譲りたい」と思っています。

そこで、自分の講師ノウハウをマニュアルで伝承できないかと考えました。

 

すでに研修テキストは用意されており、実際にほかの講師もそのテキストを使って講義をしています。

ただ、社長の講義がひと味違うのは、テキストに書かれていない解説の魅力にありました。

社長は「なんとかその説明部分も伝承したい」と、過去に自分の講義内容を記録して整理したこともあったそうです。

でも、若手講師からしてみると、「なぜこの説明をしているのか」という意図がくみ取れず、結局彼らがその説明をすることはありませんでした。

社長自らが講師を養成しようと試みたこともありましたが、うまく表現しきれず、そのまま立ち消えになってしまったそうです。

そこで、社長のノウハウが詰まった新しい「研修テキスト」を作ることになりました。

まずは既存資料を整理してから、社長に何回もインタビューし、その説明の意図や効果、背景となることを徹底的に聞き出しました。

この作業でだいたい3か月費やしています。

そうやって社長から吸い上げたノウハウを研修テキストに落とし込み、パイロット版として作成。

これを使って、社長が後任講師に向けて講義をしました。

その講義で、後任講師が聞いて理解できなかったところ、意図がつかめなかったところを指摘してもらい、さらにブラッシュアップしてバージョン2を作成。

今度は、それを使って後任講師が部分的に講師としてデビューし、そのフィードバックを反映してバージョン3に進化させました。

パイロット版で後任講師が社長の講義を受けてから、新テキストで講師デビューするまで約1か月。

こうして、ずっとできないままになっていたノウハウ伝承と後任育成が、短期間で可能になりました。

その後のC社の様子ですが、翌年の講義に社長は4割ほどしか登壇せず、「来年は全部任せられるな」と思ったそうです。

また、しっかりしたテキストの存在は、講師に安心感と自信も与えます。

その効果もあって講師数も増え、研修の量・質ともに充実したことで、売上げの安定にもつながりました。

ちょっと変わった社名の由来株式会社2・1僕が2014年5月に設立した会社の名前です。

「ニテンイチ」と読みます。

ちょっと変わった社名だと言われます。

設立登記の際、法務局の担当者に「え、数字だけなの?」と驚かれたくらいです(笑)。

なので、よく社名の由来を聞かれます。

この2・1という数字、実は出生率のことなんです。

僕の前職は生命保険会社の営業マン。

商談の席で、僕は感情論やその場の流れでお客様を説得したりはしませんでした。

保険の約款に出ている言葉や定量的な根拠を示し、話を進めるのが僕のやり方です。

そんな営業マン時代、「唯一、未来を見通せる数字」と言われていたのが出生率でした。

その年の出生人口がわかれば、そこから30年後の日本のあり方がおおかた予想できます。

出生率は少子化や高齢化する将来の社会を表す確かな数字として、僕の営業スタイルにとっては説得のキーになる大事な存在でした。

一方で、生命保険の営業では、個人のお客様を相手にすることも多く、たくさんのご家庭にもお伺いします。

そんな中で、「職場にとどまるために、子どもを諦めざるを得ない」「妊娠すると上司に退職を迫られる」「共働きだが、経済的に子どもを作るのは厳しい」という多くの声を聞き、厳しい現実があることを目の当たりにしました。

日本では少子化、高齢化が叫ばれて久しいのに、実際にはこんなに子どもを産み育てることが難しい社会なんだと思い知らされました。

こんな社会じゃダメだ。

女性が安心して出産・育児ができるような環境を提供したい。

少子化を解決し、女性が生き生きと働ける社会作りに貢献したい。

社会に根深くはびこる問題を解決するような事業を作って、経済に貢献したい。

 

――そんな思いが強くなり、会社を作ることを決意しました。

先進国の場合、さまざまな要因を考慮して、出生率(合計特殊出生率)が2・07を超えないと人口は増えていかないといわれます。

会社を立ち上げた当時の日本の出生率は1・42。

このままでは少子化まっしぐらです。

まずは少子化問題を解消したい。

そのためには出生率を2・07の一歩先へ――。

 

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