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第二章 国際物流の基礎知識

目次

第二章 国際物流の基礎知識

  • 1.物流業者の呼称
  • (1)海貨業者と乙仲
  • (2)NVOCC
  • (3)貿易の現場での呼称
  • (4)フォワーダーの業務
  • 2.国際間を輸送される貨物の種類
  • (1)バラ積み貨物(BulkCargo)
  • (2)コンテナ貨物(ContainerCargo)~LCL貨物とFCL貨物~
  • (3)航空貨物(AirCargo)
  • 3.貨物の種類による物流パターン
  • (1)バラ積み貨物
  • (2)LCL貨物
  • (3)FCL貨物
  • (4)航空貨物
  • 4.物流に関わる重要な書類
  • (1)船荷証券(B/L)
  • (2)船積書類
  • (3)為替手形
  • (4)荷為替手形
  • (5)航空貨物運送状(AWB)

第二章 国際物流の基礎知識

国際物流では、陸上輸送や海上輸送、航空機輸送といった、異なる輸送手段を連続的に利用する「複合一貫輸送」が普及しています。

一方、輸送の大量化と迅速化が格段に進んでいます。

本章では、貿易ビジネスの第一線に立つ営業マンが、知っておくべき国際物流の基礎知識について、解説します。

1.物流業者の呼称「通関業者」、「海貨業者」、「NVOCC」、「混載業者」、「フォワーダー」、「コンソリデーター」、「乙仲」……、貿易に関わる物流業者は、このようにさまざまな呼び方をされていて、混乱しています。

混乱の原因は、もともと、物流を担うそれぞれの業者が行っていた仕事内容が、本来の「業種名」と一致していたのですが、主として行政主導による、物流業界の自由化が進むにつれ、どの「業種名」も、現実に行っている仕事の一部になってしまったことにあります。

つまり、「業種名=業務内容」であったのが、「業種名<業務内容」になったことが、物流業者の呼び方が混乱している原因なのです。

(貿易物流業者の呼称・本来の業務・加盟組織・関連法令等)

貿易実務書では、貿易の物流業者を「海貨業者」と呼ぶことが多いのですが、「海貨業者」とは、「港湾運送事業法」に基づいて認可された「港湾内の荷役(船積み・荷卸・はしけ運送など)を請け負う業者」を指す言葉でした。

この業者は、「日本海運貨物取扱業会」に加盟していることから、「海貨業者」と言われてきました。

しかし、今では「海貨業者」の多くが、本来の「海貨業者」の枠を超え、国内運送手配、通関、倉庫業など貿易、輸送に関わる幅広い業務を行っています。

また、通関代行業者や貿易貨物の輸送手配をする業者の意味で、「乙仲」と呼ぶことがあります。

戦前、戦時立法で施行された海運組合法(1939~1947年)という法律で、「定期船貨物の取次ぎをする仲介業者」を「乙種仲立業」と呼んでいたことが、「乙仲」の言葉の起源です。

この法律では「不定期船貨物の取次ぎをする仲介業者」を「甲種仲立業」、その俗称として「甲仲」と呼びましたが、戦後、この法律がなくなり、今では「甲仲」の言葉は死語になっています。

ただ、「乙仲」の方は、その後も貿易の現場で使われ続けて現在に至っていますが、かつて「定期船貨物の取次ぎをする仲介業者」の意味であったのが、現在では「海上輸送貨物の通関代行業者」あるいは「貿易貨物の輸送手配をする業者」の意味で「乙仲」と呼ばれています。

(2)NVOCC「NVOCC」(エヌヴイオーまたはエヌヴイオーシーシー)とは、「貨物利用運送事業法」に基づく「貨物利用運送事業者」で、自らは運送手段を持っていませんが、実際に運送手段を持っている運送事業者の船舶、航空、鉄道、自動車などを利用して、荷主からの依頼を受けて輸送を手配している業者を指します。

NVOCCとは、「非船舶運航一般輸送人(NONVESSELOPERATINGCOMMONCARRIER:NVOCC)」の略称です。

NVOCCは、NONVESSELOPERATINGCOMMONCARRIER(船舶での運航業務はしていない一般輸送人)であることから、海上輸送に限定された業者であるかのように思われがちです。

しかし、「貨物利用運送事業法」では、「実運送事業者が経営する船舶(外航・内航)、航空(国内・国際)、鉄道、自動車の運送事業を利用して、荷主の貨物を運送するものを指す」と規定しているので、NVOCCは海上輸送に限定したものではありません。

「混載業者」とは、複数の荷主が持つ「少量のコンテナ輸送貨物」(LCL貨物:、。

「ContainerLo」d)コを、集テ荷ナし単て位に仕立てて輸送を手配する事業者を「しま」す。

「NVOCC」で、、、、FCL:。

混載業者(「NVOCC」の業界団体は、(社)国際フレートフォワーダーズ協会(JIFFA)で、同協会のホームページから、業者の住所や電話番号などを調べることができます。

(3)貿易の現場での呼称以上のように、「海貨業者」、「乙仲」、「NVOCC」、「混載業者」と、そのどれをとっても、現在の業務内容を正確に表現できる言葉ではなく、本来の業務を指しているにすぎません。

このような中で、貿易事務書の中でどのように呼ばれているかに関わらず、貿易の営業マンとして肝心なことは、貿易の現場でどう呼ばれているかです。

教科書の中から出てきた言葉は、貿易の現場で使うには違和感があるものです。

現場で使われている言葉を使えば、すんなりと相手に受け入れられます。

貿易の現場では、主たる輸送が海上輸送の場合、「フォワーダー」(Forwarder)または「乙仲」と言っています。

(貿易の現場での一般的な呼称)

フォワーダーとは、輸送業者を意味する言葉ですが、売主にとっては、NVOCC(利用船舶運送事業者)である混載業者や海貨業者に頼めば、貨物の国際輸送を手配してくれることから、混載業者も海貨業者も「フォワーダー」と呼ぶ方がしっくりきます。

海上輸送の場合は、正式には「海上輸送フォワーダー」ですが、海上輸送と航空輸送を区別する必要がない場合は、単に「フォワーダー」で良いでしょう。

また、海上輸送の場合は、昔から使われている「乙仲」でも構いません。

主たる輸送方法が航空機輸送の場合は、幾つかの呼び方がされています。

一つは、「コンソリデーター」(Consolidator)です。

Consolidateとは、混載するという意味ですので、コンソリデーターは、「混載業者」と同義です。

次は、「フォワーダー」です。

「海上輸送フォワーダー」と区別する必要がある場合は、「エアーフォワーダー」または「エアーフレートフォワーダー」(AirFreightForwarder:航空輸送フォワーダー)」と言いますが、その必要がない時は、単に「フォワーダー」で構いません。

商社業界では、航空輸送の場合も、海上輸送の場合と同じ「乙仲」と呼んでいますが、コンソリデーター(エアーフォワーダー)から言わせると、「乙仲」と呼ばれるのは違和感があるようです。

航空輸送の場合は、コンソリデーターまたはフォワーダーと言う方が無難でしょう。

以上のように、さまざまな呼称があるわけですが、簡単に海も空も「フォワーダー」と言うか、あるいは海上輸送の場合は「乙仲」、航空輸送の場合は「コンソリデーター」か「フォワーダー」と覚えておけば良いでしょう。

コンソリデーター(エアーフォワーダー)は、航空機を持っていないNVOCCで、日通航空、近鉄エクスプレス、郵船航空サービスが3大大手です。

航空輸送分野と海上輸送分野では、以前はNVOCCの棲み分けがありましたが、現在では実質的な「自由化」が進み、コンソリデーター・エアーフォワーダーも、海上輸送フォワーダー・乙仲として海上輸送分野に進出しています。

この趨勢から、貿易の現場での呼称は「フォワーダー」に一本化される方向とみて良いでしょう。

(4)フォワーダーの業務一般的にフォワーダーは、次に掲げるような仕事をします。

「契約してからの貿易実務」における重要なインフラ部分を担っていることが分かります。

輸送や通関などを含む幅広い仕事をフォワーダーが手配してくれますので、所謂「貨物の物流」面では、輸出業者が自ら身体を動かして物流に参画する場面は、余り多くありません。

(フォワーダーの主な業務)・国内輸送(トラック・ドレー・鉄道等)・保税蔵置・保管・検査証等の取得・輸出入通関・検数・検量・海上・航空輸送の手配・貨物利用運送(NonVesselOperatingCommonCarrier:NVOCC)・貨物保険手配・検品・検針・その他関連する一切の業務

2.国際間を輸送される貨物の種類国際間を輸送される貨物には、「バラ積み貨物」(BulkCargo)、「コンテナ貨物」(ContainerCargo)、「航空貨物」(AirCargo)の三つがあります。

(貨物の種類と輸送手段)

*LCL:、

*FCL:

(1)バラ積み貨物(BulkCargo)

「バラ積み貨物」の範囲は非常に広く、コンテナに入らないような大型の機械や、バラの状態のまま船倉に流し込んで輸送される穀物、石炭、原糖などは「在来船(ConventionalShip)」で輸送されます。

鉄鉱石や石油は、専用船に積まれて国際間を輸送されます。

袋詰めした肥料を船倉に入れて、「在来船」で運ぶこともあります。

船の大きさによって、ハンディサイズ(2~5万トン)、パナマ運河を通れるパナマックス型(6~8万トン・船幅32.2m以内)、ケープタウン回りとなるケープサイズ(8万トン以上)があります。

(2)コンテナ貨物(ContainerCargo)~LCL貨物とFCL貨物~

文字どおり、貨物をコンテナに積んで輸送される貨物が、「コンテナ貨物」です。

「国際標準化機構」(InternationalOrganizationforStandardization:O)は、非政府系独立組織で、ここが海上コンテナの規格を決めています。

長さにより、主に20フィート(6,058mm)と40フィート(12,192mm)の2種類があります。

幅は8フィート(2,438mm)、高さは8フィート6インチ(2,591mm)ですが、9フィート6インチ(2,896mm)のハイ・キューブ・コンテナ(背高コンテナ)も普及しています。

欧米などでは、45フィートコンテナが普及していますが、日本では道路交通法の規制から、45フィートコンテナを一般道路で見かけることはほとんどありません。

輸送貨物の温度帯により、ドライ(Dry)コンテナ、冷蔵(Chilled)・冷凍(Frozen)コンテナがあります。

温度帯は、必ずしも各社統一ではありませんが、一例をあげると、ドライは10~20℃、冷蔵は5~マイナス5℃、冷凍はマイナス15℃以下で、貨物の種類によって、最も適した温度に設定できるようになっています。

上から出し入れできる「オープントップコンテナ」(OpenTopContainer)、上とサイドが空いた「フラットラックコンテナ」(FlatRackContainer)などもあります。

「コンテナ貨物」には、LCL貨物とFCL貨物があります。

なお、コンテナに貨物を積載することを、「バンニング」(Vanning)あるいは「バン詰め」と言い、逆にコンテナから貨物を下すことを「デバンニング」(Devanning)、「デバン」(Devan)、「バン出し」と言います。

①LCL貨物LCLとは、LessThanContainerLoadの略で、一社の貨物だけでコンテナに積載して輸送するには、輸送コストが高くついてしまう「少量のコンテナ輸送貨物」のことです。

このような「少量のコンテナ輸送貨物」を持つ売主が、単独で一本のコンテナを借り切れば、輸送賃が割高になってしまい、採算に合いません。

そこで、「LCL貨物」を持つ複数の輸出業者から貨物を集荷して、それらを同一の仕向地(最終輸送目的地点のこと)に、同時期に輸送される貨物ごとに、コンテナ単位に仕立てて、輸送手配をする業者があります。

それが「混載業者」です。

混載業者は、船会社からコンテナをまとめて借り受け、それをLCL貨物の荷主に小分けして貸し出します。

大手メーカーから大口で仕入れ、それを消費者に小口販売するのと似ています。

②FCL貨物「FCL貨物」の「FCL」とは、FullContainerLoadの略で、一社の貨物だけで一つのコンテナを利用できるだけの量がある貨物を言います。

(3)航空貨物(AirCargo)

航空機で輸送される貨物は、「航空貨物」または「空輸貨物」と言われます。

航空貨物の輸送には、貨物専用機もありますが、旅客機の貨物室スペースも、商用貨物の輸送に使われます。

航空機への積込は、航空貨物用のコンテナに入れて航空機に積載する方法、硬質アルミ製の板でできたパレットに載せる方法(これをパレッタイズPalletizeと言います)と、バルクのまま航空機に積載する方法の三通りの方法があります。

3.貨物の種類による物流パターン国際物流貨物には、「バラ積み貨物」、「コンテナ貨物」、「航空貨物」の三種類があって、「コンテナ貨物」はさらに、LCL貨物とFCL貨物があることは、すでにご説明しました。

実は、輸出入の際、それらの貨物の種類によって、物流のパターンが異なっています。

船積みや船からの荷下ろし、輸出入の通関手続きなどは、フォワーダーに依頼すればやってくれます。

売主自らが実際に動かなければならない場面は、あまりありません。

ただ、おおよその輸出入の物流の流れだけは、次章で説明する「インコタームズ」を理解するための必須の知識ですから、覚えておきましょう。

(貿易の物流パターン)

(1)バラ積み貨物1960年代にコンテナが普及し始めるまで、通常の貨物船であった「在来船」が主な貨物輸送手段でした。

在来船は、コンテナ輸送と違って、貨物の積み降ろしに多くの人手がかかるうえに、天候次第で積み降ろし作業ができないことがあります。

輸送効率や輸送コストの点で、コンテナの優位性は明らかです。

しかし、現在でも、コンテナ輸送に適さない穀物、肥料、石炭などの貨物を輸送する場合と、船積港や荷揚港にコンテナを積み降ろしする港湾設備がない場合には、在来船による輸送が行われています。

大型の在来船では、水深の関係で船が埠頭に接岸できないことがあります。

その場合、沖合に本船を停泊させておき、平底で幅の広い艀という船に埠頭で貨物を積み、それをタグボートで引っ張ったり押したりして、沖合に停泊している本船の下まで持って行き、本船のクレーンを使って貨物を積み込みます。

「本船」とは、外洋に出て航海する船のことで、艀に相対する言葉です。

在来船に積まれる貨物は、「バラ積み貨物」で、工場や倉庫からトラックなどで、フォワーダーが指定する港にある保税蔵置場に運ばれます。

保税蔵置場では、フォワーダーによる税関への輸出申告、税関による輸出貨物の検査などが行われ、輸出が許可された貨物は、その時点で「内国貨物」から「外国貨物」になります。

その後、港湾内での短距離輸送を意味する「横持ち」をかけて、在来船に積み込みます。

(2)LCL貨物コンテナ専用埠頭でコンテナ専用船が停泊する位置(バース:Berth)に隣接した場所に「コンテナターミナル」が設けられています。

コンテナターミナル内には、コンテナを積み揚げするための大型のガントリークレーン(GantryCrane)が設置されています。

コンテナターミナル内には、輸出入コンテナ貨物の一時保管と荷捌きを行うためのコンテナヤード(ContainerYard:CY)があります。

CYには、破損したコンテナの修理を行う場所もあります。

CYとは、船会社が管理しているスペースで、出入口であるゲートと管理棟などが設けられています。

(港におけるCY・CFS等の配置)

コンテナターミナルに隣接した場所には、LCL貨物を扱う「コンテナフレートステーション」(ContainerFreightStation:CFS)が設けられています。

CFSは、船会社または船会社が指定した港湾運送事業者が所有・運営しています。

LCL貨物は、フォワーダー(混載業者)が指定するCFSまで、売主が手配したトラックなどで運ぶか、あるいはフォワーダーがトラックを手配して、工場や倉庫に取りに来ることもあります。

CFSでは、フォワーダーが各社のLCL貨物ごとに、NACCSを通じて税関に輸出申告をして輸出許可を取得します。

輸出許可が下りたLCL貨物は、フォワーダーの手によってバンニングされ、CFSから船会社のCYを経由して、コンテナ専用船に積み込まれます。

輸入国に到着すると、やはり港湾内にあるCFSまで運ばれ、CFSでデバン(コンテナから荷下ろしすること:Devan)され、それぞれの引取先ごとに輸入通関して、引き取られて行きます。

ただ、LCL貨物の場合、常温で輸送できるドライカーゴ(DryCargo)を扱う混載業者は多いのですが、冷蔵や冷凍のLCL貨物を混載してくれる業者は多くありません。

冷蔵や冷凍の貨物の場合、個々の輸出業者が自力で他社のLCL貨物を集荷して、コンテナに仕立てて輸出しているケースもあります。

また、海外の輸入業者が、日本にあるフォワーダーを指定して日本での貨物の集荷を委託、あるいは子会社を日本に作って、そこが複数の業者の貨物を集荷して、コンテナに仕立てて輸出しているケースもあります。

LCLでは、CFSでの貨物取扱料金として、「CFSチャージ」が課金されます。

(3)FCL貨物FCL貨物は、一社の貨物だけで一つのコンテナを利用できる貨物です。

一社の輸出業者だけで、コンテナを借り切ります。

FullContainerCargoから「フルコン」と言われることもあり、また、CYを通る貨物ですから「CYCargo」あるいは、「FCL貨物」、「FCLCargo」と呼ばれることもあります。

通常は、空のコンテナを工場・倉庫までドレー(コンテナ専用のトレーラーでコンテナを陸上輸送すること:DrayまたはDrage)し、そこで工場(または倉庫)側がバンニングします。

バンニングされたコンテナは、そこでシーリング(密封)され、積出港の港湾内にあるCYまで運びます。

フォワーダーはNACCSを通じて輸出申告をして許可を取り、コンテナはコンテナターミナル内のガントリークレーンを使ってコンテナ専用船に積載されます。

輸入国では、荷揚げされたコンテナは、CYに運ばれ、輸入通関を行ったうえで、輸入側の引取手が指定する場所までドレーします。

コンテナの大きさ(内法寸法)は、通常、20フィートコンテナで、約2.3m(幅)x約6m、(縦)x約2.4m(高さ)、40フィートコンテナで。

約2.3m(幅)x約12m(縦)x約2.4mです、重量の上限は20フィートコンテナで。

約20トンFCLでは、バンプールから工場までコンテナをドレーしてくるドレー料金と、工場から港までコンテナをドレーする料金、つまり往復のドレー料金がかかります。

(4)航空貨物「航空貨物」(AirCargo)は、機械、電化製品の部品・完成品、自動車部品、化学品や生鮮食料品などで、迅速な輸送を必要とする貨物の輸送に使われています。

海上輸送に比べ、航空輸送は相対的に高いので、高単価、高付加価値な商

品の輸送に使われます。

航空貨物は、航空会社の代理店が、エアーフォワーダーとしてNACCSを通じて輸出申告をし、輸出許可が下りると航空会社の上屋のある保税蔵置場に運ばれ、航空会社の手で航空機に積み込まれます。

また、通常、貨物とは呼びませんが、航空機で輸送されるものに、エアークーリエによる小口輸送品があります。

このサービスには、日本郵便のEMS(国際スピード郵便)、ヤマト運輸の国際宅急便などがあり、常温品の他、行く先は限定されていますが、冷蔵・冷凍品も送ることができます。

料金は、宛先国によって異なりますが、基本的に、近距離の国(地域)ほど安く、遠距離の国ほど高くなります。

(小口輸送の業者と種類)

4.物流に関わる重要な書類モノの流れ(物流)に伴って、書類の流れがあります。

ここでは、物流に関わる幾つかの重要な書類について解説します。

(1)船荷証券(B/L)船荷証券(BillofLading:L)は、売主が貨物を運送人(フォワーダーや船会社)に引き渡すと、運送人が発行する書類です。

B/Lの原本は通常フルセットで三通発行されます。

①B/Lの機能B/Lは、船会社と売主との間では、貨物を引き受けた受取証と運送契約書をかね備えています。

売主と買主との間では、売主がB/Lに裏書きすることで、買主に譲渡できる有価証券の機能があります。

この譲渡可能な有価証券としての機能を利用して、B/L上の受荷主(貨物を受け取る人:はConsignee)を買主側の銀行にすると、その銀行はB/Lを担保として、買主に貨物代金を銀行に支払わせることができます。

買主が貨物代金を銀行に支払えば、銀行はB/Lを含む船積書類を買主に引き渡します。

B/Lは、買主と船会社との間では、船会社に対する貨物引渡請求権を明記した権利証券として、輸入地で買主が貨物を引き取るための貨物引換証として機能します。

船会社は、B/Lの持参者に貨物を引き渡さなければなりません。

B/Lは三通のうちの一通を使って貨物を受領すると、他の二通は無効となります。

船会社が何らかの手違いで、B/L持参者でない人に貨物を渡してしまい、その後でB/Lを持った人が貨物の引渡を請求してきた場合、船会社は損害賠償をする責務があります。

B/Lは売主・買主、銀行、船会社のいずれにとっても大事な書類です。

②受取船荷証券と船積船荷証券コンテナ貨物の場合、貨物がコンテナヤード(CY)またはコンテナ・フレート・ステーション(CFS)で運送人に引き渡されると、運送人が貨物を受け取ったことを証明する「受取船荷証券(ReceivedB/L)」が発行されます。

コンテナが船積みされると、船会社は、船積みされたことの文言を「受取船荷証券(ReceivedB/L)」に追記します。

この追記を「OnBoardNotation」(積み込み証明付記)と言います。

この注釈がなされることで、受取船荷証券(ReceivedB/L)は、船積船荷証券(OnBoardB/L)となり、上述「①船荷証券(B/L)」で述べた機能を持つ書類として扱われます。

バラ積み貨物の場合、在来船に船積みされると、船会社は船積船荷証券(ShippedB/L、またはOnBoardB/L)を売主に発給します。

(2)船積書類売主は、船荷証券(B/L)、インボイス、梱包明細書、原産地証明書、重量容積証明書、品質証明書、保険証券、船積通知書のコピーなど、買主が輸入するのに必要な「船積書類」(ShippingDocuments)を取り揃えます。

後述する信用

状(LetterofCredit:、、。

①クリーンB/L船会社または運送人に貨物を引き渡す際、外見上、貨物に損傷が無く、数量に過不足がなければ、クリーンB/L(無故障船荷証券:CleanB/L)が発行されます。

包装が汚れている、あるいは破損していたり、数量が少なかったりすれば、船会社やフォワーダーは、クリーンB/Lでなく、ダーティB/L(:)DirtyB/Lまたは。

ouをB発L行、銀行は。

クリーンB/Lは、正常な貨物が数量の欠減なく、船会社やフォワーダーに引き渡されたことを証明するものです。

ダーティB/Lでは、貨物代金の回収ができないリスクがありますから、売主はクリーンB/Lが発行されるように、荷揃いをする必要があります。

②インボイス通常は、コマーシャルインボイス(商業送り状:e)だけで良いのですが、輸出先国によっては、カスタムズインボイス(税関送り状:e)、コンシュラーインボイス(領事送り状:ConsularInvoice)が必要な国もあります。

実際に輸入する貨物の値段よりも安い価格のインボイス(UnderValueのインボイス)で輸入申告すれば、関税や流通税の一部を脱税できてしまいます。

コンシュラーインボイスとは、売主が作成したインボイスに、輸出国に在住する輸入国の領事が署名したインボイスを、輸入通関に必要なインボイスとすることで、買主が真実でないアンダーバリューのインボイスを使って輸入申告することを、防止しようとするものです。

インボイスは、売主が自社のレターヘッド(ヘッダー・フッターに社名、住所などを記載した用紙)を使って作成します。

(インボイスの種類)

③パッキングリストパッキングリスト(梱包明細書:t)は、売主が自社のレターヘッドを使って作成する「梱包ごとの商品明細書」で、梱包形態、個数、重量(貨物重量:NetWeight、総重量:GrossWeight)、容積、シッピングマーク(荷印)などが記載されます。

運送人、買主、輸入地の税関にとっては、貨物の現物を確認するためのチェックリストです。

インボイスと違って、価格や決済条件などは、通常は記載しません。

④原産地証明書原産国を証明する書類には、日本が締結している経済連携協定(EconomicPartnershipAgreement:EPA)に基づいて作成される証明書と、EPAとは関係なく、買主側の要請で、売主が手配して発給する証明書の二種類があります。

前者のEPAに基づく証明書は、「特定原産地証明書」と「特定原産品申告書」に分かれ、「特定原産地証明書」は、更に「第一種特定原産地証明書」と「第二種特定原産地証明書」に分かれます。

(原産国を証明する文書の種類)

・一般原産地証明書買主から「一般原産地証明書」(CertificateofOrigin:C/O)の発給を求められた場合、売主は、各地に所在している商工会議所に発給を依頼します。

ただし、日本が経済連携協定(EconomicPartnershipAgreement:EPA)を締結しているシンガポール向けの輸出に関しては、各地に所在している商工会議所が「原産地証明書」を発給します。

・特定原産地証明書日本が締結しているEPAに基づいて、優遇関税で輸入するための証明書が、「特定原産地証明書」(CertificateofOrigin:C/O)です。

特定原産地証明書は、ASEANおよびメキシコ、マレーシア、チリ、タイ、インドネシア、ブルネイ、フィリピン、ベトナム、インド、モンゴル向け輸出の場合、日本商工会議所が、売主の求めに応じて、「第一種特定原産地証明書」を発給します。

スイス、ペルー、メキシコ向けの輸出では、経済産業大臣が認定した「認定売主」が、自ら特定原産地証明書(これを「第二種特定原産地証明書」と言う)を作成することができます。

「認定売主」になるには、経済産業大臣の認定が必要で、認定条件の一つとして、日本商工会議所が「第一種特定原産地証明書」を個別に8回以上発給した実績が必要です。

オーストラリアとの経済連携協定では、「日本商工会議所による第一種特定原産地証明書」または「売主・生産者・買主のいずれかによる自己申告」または「売主・生産者・買主のいずれかによる自己証明」のいずれかを選択できます。

・完全自己証明制度環太平洋パートナーシップ協定(TransPacificPartnershipAgreement)と日欧経済連携協定(JapanEUEconomicPartnershipAgreement)では、売主、生産者または買主が、自ら証明書を作成できる、「完全自己証明制度」が導入されています。

これら二つの協定の下での原産地証明書は、「原産地証明文書」(OriginCertificationDocument)」と呼ばれますが、日本の国内法令上は「特定原産品申告書」と称しています。

⑤品質証明書買主は、往々にして第三者の分析機関が発行する品質証明書(CertificateofQuality)を要求してきます。

しかし、第三者の分析機関に頼むとかなり費用がかかります。

日本企業の場合、海外企業からの信頼度が一般的に高いことから、ほとんどの場合、売主が作成する品質証明書を受け入れています。

どうしても、第三者の分析機関が発行する証明書を求められた場合は、証明書発行に関わる費用を負担するように相手方に要求すれば、ほとんどの場合、売主が発行する品

質証明書で構わないと、同意してくるでしょう。

⑥船積通知コピー本船の出港日が確定した段階で、売主はメールかファックスで、「船積通知」(ShippingA)を買主に送ります。

船積通知には、契約番号、商品名、数量、船会社名、船名、出港予定日(EstimatedTimeofDeparture:D)、船積港、入港予定日(EstimatedTimeofArrival:A)、荷卸港、シッピングマーク、コンテナ番号などの情報を記載します。

これらの情報は、フォワーダーや船会社から入手します。

船積通知を出さなかったために、輸入側で実損が生じれば、損害賠償を求められることがあります。

⑦その他輸出品目と輸出先の国(地域)によっては、放射線物質検査証明書や衛生証明書などが必要で、その場合、これらの証明書も船積書類の中に含まれます。

(3)為替手形為替手形(BillofExchange)とは、後述する逆為替の決済方式であるL/C決済、D/P・D/A決済の際、銀行所定の為替手形の様式に、売主が必要事項を記載して作成するもので、銀行に対して、買主からの輸出代金取立を依頼するための書類です。

2枚1組になっています。

日本で発行する場合、額面10万円未満は印紙税非課税、10万円以上は一律200円の印紙を第1券のみに貼って消印をします。

第1券が使われると、第2券は無効になります。

「為替手形」は、銀行ごとに定型フォーマットがあって、売主はそれに必要事項を書き込んで作成します。

(為替手形の例)

(4)荷為替手形荷為替手形(DocumentaryBill)とは、上記(3)の為替手形に、(2)の船積書類を添付したものです。

為替手形に船積書類が添付された荷為替手形が、輸出地の銀行から輸入地の銀行に送付され、買主が取立手形に対して決済したり、手形引受(支払人が手形に引き受けの文言を記載、署名をして支払義務があることを確認すること)をしたりすると、輸入地の銀行は船積書類を買主に渡します。

買主は、受領した船積書類の中のB/Lと交換に、到着した貨物を船会社から引き取ることができます。

(5)航空貨物運送状(AWB)海上輸送では、船積みが完了すると、船会社が船荷証券(B/L)を発行しますが、航空貨物の場合、航空会社は、航空貨物運送状(AirWaybill:B)を売主に発行します。

①AWBの機能AWBは、航空会社が貨物を引き受けたことを証する「貨物受領証」と、航空会社と荷主との間の「運送契約書」としての機能があります。

B/Lと違って、荷卸地で、買主が航空会社に貨物の引渡請求することができる貨物引換証の機能はありませんし、裏書きすることで流通する有価証券でもありません。

AWBでは、受荷主が指定されます。

受荷主は、航空会社や航空貨物代理店に対して、自らが受荷主であることを証明すれば、貨物の引き取りができます。

運送状原本を航空会社などに呈示する必要はありません。

②AWBの仮想担保価値AWBは、有価証券でなく譲渡もできませんから、担保にはなりませんが、AWB記載の受荷主を、仕向地の銀行にすれば、貨物は銀行の占有下に置かれるため、受荷主は銀行に代金決済をしないと、貨物を受け取ることができません。

受荷主を輸入地の銀行にすることで、銀行は貨物を仮想担保にすることができるのです。

このことによって、航空貨物の取引では、AWBを第三者間の取引で利用することが可能になっています。

 

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