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第一話「良い運気」を引き寄せるただ一つの条件

では、そもそも「運気」とは何か。あなたは、「運気」とは、どのようなものだと思われているだろうか。最初に、そのイメージを明確にしておきたい。

第一に、「直観」が閃くということ。

例えば、じゃんけんやルーレットなどの勝負ごとにおいて、グー・チョキ・パーのどれを出すか、赤黒のどちらに賭けるか、どの数字に賭けるかという「直観」が当たるということは、「良い運気」の一つの表れであろう。

これは、言葉を換えれば、「勘」が閃くということや、「第六感」が働くということでもある。

第二に、「予感」が当たるということ。

人生や仕事における何かの大切な選択を前に、「この後、こうなるのではないか」「こちらの道を歩んだ方が良いのではないか」との予感が心に浮かび、それに従うと、その選択が正しい選択になっているということも、「良い運気」の一つの表れであろう。

この「予感」については、逆に、「嫌な予感」がして、ある行動を避け、何かの厄災を避けたとき、これは、「悪い運気」を避けたということであろう。

この「予感」については、日本では、「虫の知らせ」という言葉も使われる。

第三に、「好機」を掴むということ。

例えば、サッカーなどにおいて、ゴール前の混戦で、タイミング良く自分の前にボールが転がってきて、シュートを決めるなど、偶然が支配する状況で「好機」(チャンス)を掴むということも、「良い運気」の表れである。

これを、英語で「Right Time Right Place」という言い方をすることもあるが、「必要なとき」に「必要な場所」にいるということも、「良い運気」の表れである。

第四に、「シンクロニシティ」が起こるということ。

「シンクロニシティ」(synchronicity)とは、人生において「不思議な偶然の一致」が起こることであるが、良いタイミングで、このシンクロニシティが起こることも、「良い運気」の表れである。

例えば、「こうした情報が欲しい」と思っていると、たまたま手にした雑誌の偶然開いたページに、その情報が載っているといったことも人生において起こるが、これも「良い運気」の表れであると言える。

第五に、「コンステレーション」を感じるということ。

「コンステレーション」(constellation)とは、「星座」という意味の英語であるが、我々が夜空を見上げるとき、そこに見える星々は、それぞれ、全く関係のない星である。

しかし、我々は、それらの星々の配置に「意味」を感じ、「物語」を感じ、オリオン座や蠍座といった形で、それを「星座」として呼ぶ。

同様に、「コンステレーション」を感じるとは、人生で起こる、一見、無関係な出来事や出会いに、何かの「意味」や「物語」を感じ、その意味や物語に従って選択や行動をすると、良い方向に導かれることであり、これも「良い運気」の表れである。

この「コンステレーション」については、この説明では、まだ分かりにくいかと思うので、具体的な例で説明しよう。

例えば、ある日の朝、何気なく見たテレビ番組で、高齢社会の深刻な問題が語られていたが、それが、なぜか心に残る。

そして、通勤のために向かった駅前では、環境NPOの人々がチラシを配っていたが、その生き生きとした表情に何かを感じる。

さらに、電車の中吊り広告を見ていると、「人生百年時代」に関する雑誌の見出しが目に飛び込んでくる。

ところが、そうした朝の出来事の後、出社すると、人事部から呼び出しがあり、不本意なことに早期退職を勧められる。

落胆した思いの中、相談に乗ってもらおうと大学時代の友人に声をかけ、一緒に飲んだところ、彼が考えている「高齢者介護事業」のソーシャルビジネスに共同経営者として参加しないかとの誘いを受ける。

帰宅し、その一日を振り返っていると、ふと、朝の高齢者問題のテレビ番組、駅前のNPOの姿、人生百年時代の記事、友人の共同事業への誘いが結びつき、それらの一見、無関係な出来事が、実は、何かの「意味」を持っているように感じ、友人の誘いが何かの「導き」のように思えてくる。

そうしたことが「コンステレーション」を感じるということの意味である。

もとより、細やかに論じれは、これら以外にも「運気」の表れ方は色々な形があるが、本書においては、この「直観」「予感」「好機」「シンクロニシティ」「コンステレーション」などの形で現れる「運気」を中心として論じていこう。

目次

人生の成功者が必ず使う「意外な言葉」

では、なぜ、「運気」というものが大切なのか。

改めて言うまでもなく、我々個人の人生や生活において、「幸運」な出来事や出会いを引き寄せる「運気」というものは、誰にとっても大切なものであろう。

しかし、それ以上に、多くの人々の人生を預かる政治家や経営者、リーダーや監督にとって、また、多くの人々の期待を集めるアスリートやプロフェッショナル、競技者や勝負師にとって、「運」が強いことは、究極の資質、究極の力量と言って良いほど、大切なものである。

実際、政治家や経営者、リーダーや監督の「運の強さ」は、ときに、自らが率いる国家や企業、組織やチームの命運を分けるものであり、多くの人々の人生に多大な影響を与えてしまう。

このことを考えるとき、筆者の脳裏に浮かぶのは、かつて銀行系シンクタンクの役員を務めていたときに仕えたK会長のことである。

このK会長は、ある都市銀行の頭取を務められた方であり、世界的な賞「BankeroftheYear」を受賞された名経営者であるが、若き日に太平洋戦争に従軍し、水兵として乗船していた巡洋艦が撃沈され、多くの仲間が波間に沈んでいったとき、奇跡的に味方の船に救助されたという強運の持ち主である。

当時、筆者は、しばしばこのK会長の部屋を訪れて話を伺い、直々の薫陶を受けていたが、あるとき、K会長に、かねて興味があった問いを投げかけさせて頂いた。

それは、「銀行の頭取を務められていたとき、経営不振に陥った取引先の再建のために、銀行幹部を派遣されることが何度もあったと思いますが、そのときの人材を選ぶ基準は何だったのでしょうか?」という問いであった。

筆者は、内心、この問いに対する答えは、おそらく「財務に明るい人間だよ」や「人心掌握ができる人間だよ」といったものであろうと想像していたが、この質問に対して、このK会長は、煙草を燻らせながら淡々と、しかし、一言、明確に言い切った。

「それは、決まっているよ。運の強い奴だよ!」

このK会長の言葉が、いまも心に残っているが、そのとき筆者の心に浮かんだ次の問いは、「では、その人物の運が強いか否かは、どのようにして分かるのでしょうか?」というものであった。

残念ながら、その問いを伺うことはできなかったが、それから四半世紀余りの歳月を重ね、筆者自身が経営の世界を歩み、いまは、その答えが分かる。

それは、次の答えである。

自らの人生で、大きな「運気」の分かれ目を体験した人間は、他者の「運気」の強さも、敏感に感じ取ることができる。

おそらく、それが一つの答えであろう。K会長は、戦争中、あの巡洋艦撃沈という「運気」の分かれ目で生き残った。それゆえ、経営幹部の「運気」を感じ取ることもできたのであろう。

一方、アスリートやプロフェッショナル、競技者や勝負師は、本来、その「技術」や「能力」によって結果を出していく人間であるが、一流の世界においては、「技術」や「能力」を超え、やはり「運の強さ」が極めて重要な条件になっていく。

例えば、プロ野球の世界の伝説的な打者、長嶋茂雄は、「記録よりも、記憶に残る男」と評された。

実際、打率やホームラン数では長嶋よりも好成績を残している打者は数多くいるが、彼ほど「チャンスに強い」打者はいなかったと言われる。

彼は、まさに正念場において「強い運気」を引き寄せる打者だったのであろう。

また、プロサッカーの世界で活躍している本田圭佑は、ここ一番の大勝負でゴールを決めることのできる選手であるが、本人も、常に「持っている!」と述べている。それは、言うまでも無く、「自分は、極めて強い運を持っている」という意味に他ならない。

このように、政治家や経営者、アスリートやプロフェッショナルは「運気」の強さが究極の条件であるが、総じて、人生の「成功者」と呼ばれる人々は、例外なく「運が強い」。

そのことを教えてくれる興味深いエピソードがある。

ある研究者が、世の中で「成功者」と呼ばれる人々の自叙伝や回想録を調べたのである。

その対象となったのは、政治家や経営者、学者や研究者、芸術家や音楽家、アスリートやプロフェッショナルなど、様々な分野で、文字通り「功成り名遂げた人々」であるが、これらの人々が、その人生を回顧する自叙伝や回想録において、いったい、どのような言葉を最も多く使っているかを調べたのである。

事前の予想では、こうした「成功者」は誰もが、「努力をして」や「粘り強く」、「才能を磨き」や「信念を持って」といった言葉を使うと思われたのだが、実際にこの調査を行ってみると、自叙伝や回想録で最も多く使われていたのは、「偶然」「たまたま」「ふとしたことで」「折よく」「幸運なことに」といった「運の良さ」を語る言葉であった。

このように、世の中で「成功者」と呼ばれる人々は、分野を問わず、職業を問わず、人生と仕事の様々な場面で、無意識に「運気」を感じ、「良い運気」を引き寄せ、その好機を掴む力を持っていたのである。

古今東西で語られる「良い運気」を引き寄せるただ一つの条件しかし、こう述べてくると、あなたの心の中には、当然のことながら、一つの問いが浮かんでいるだろう。

では、どうすれば、その「良い運気」と呼ばれるものを引き寄せることができるのか。

その問いである。

実は、この「運気」というものについて語った書籍や文献は、古今東西、無数にあるが、どれも共通に、人生において「良い運気」を引き寄せるために必ず理解しておかなければならない一つの法則を語っている。

それは、我々の「心の状態」が、その心と共鳴するものを「引き寄せる」という法則である。

これは、昔から、欧米などで「引き寄せの法則」(Law of Attraction)として語られてきたものであるが、日本においても、昔から、「類は友を呼ぶ」「類をもって集まる」という諺が語られ、仏教においても、目の前にある世界は、自分の心が現れたものに他ならないということを意味する「三界唯心所現」という言葉が語られている。

従って、「良い運気」を引き寄せるためには、究極、ただ一つのこと、「ポジティブな想念」を持つことが求められる。

すなわち、「ポジティブな想念」=「良い想念」を持つと、「ポジティブな出来事」=「良い出来事」や「良い出会い」を引き寄せ、「良い運気」を引き寄せるのである。

もとより、こう述べても、そうしたことが起こる理由を、現在の科学は説明できないのであるが、多くの人々が体験的に「引き寄せ」と呼ぶべきものを実感しているがゆえに、この「引き寄せの法則」を信じているのであろう。

では、「ポジティブな想念」を持つには、どうすれば良いのか。

そのことを深い次元で語るのが本書の目的であるが、そのことを語る前に、あなたが心に抱かれる根本的な疑問に答えておこう。

そもそも、なぜ、「ポジティブな想念」が「良い運気」を引き寄せるのか。なぜ、我々の「心の世界」では、「引き寄せ」という現象が起こるのか。

そのことを理解するためには、まず、我々の「心の世界」を深く理解しておく必要がある。特に、「心の深層の世界」の不思議な働きを理解しておく必要がある。次の第二話で、そのことを述べよう。

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