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第一七章 発言に影響力がある権威者

目次

★オズの魔法使い

『オズの魔法使い』のストーリーを覚えていますか? 竜巻に見舞われたドロシーは家ごとはるか遠くに吹き飛ばされ、おかしな靴を履いた魔女の上に落っこちてしまいました。

途方にくれたドロシーはその靴を履いたのですが、そのことが魔女の妹を怒らせてしまい、結局、町を追い出されることになります。

でもドロシーは、どうやって町から出たらいいのかがわかりません。すると良い魔女のグリンダがこう言いました。

「カンザスに戻る唯一の方法は、偉大なオズの魔法使いに会うこと。彼ならその方法を知っています。あらゆるパワーを持っていて、最も影響力が大きい人なのだから」そこでドロシーは、偉大なオズの魔法使いに会うために旅に出ます。

なぜなら、彼にはすばらしいパワーがあるから。道中で、心のない人、勇気のない人、そして脳みそのない人に遭遇しました。

でもいつも前向きなドロシーはあらゆる困難を切り抜け、やっと魔法使いの元にたどり着きました。魔法使いは偽者だったので、カーテンの後ろに隠れていました。

ところが、ドロシーと仲間たちは魔法使いを心から信頼していたので、状況は一変してしまいます。

魔法使いが勇気のないライオンに「何が欲しいのだ?」とたずねると、ライオンは「すべてのものが怖いのです」と答えました。

「私にはそのわけがわかる。勇敢な人はみな勲章を持っているのに、お前にはそれがないからだ。私に与えられた権限により、偉大なオズの魔法使いが、おまえに勲章を授けよう。さあ、これで勇気が出ただろう」

うやうやしく勲章を授けてライオンにたった一度のアファメーションを与えただけで、魔法使いはライオンの思考体系を変えてしまったのです。

実は勇気を持っていたのに気づかなかっただけのライオンは、自分には勇気があることを確信しました。脳みそのないカカシの頭の中は、わらでいっぱいでした。そのため、自分は間抜けで物事を考えることができないと信じていました。

魔法使いはこう言いました。

「私にはそのわけがわかる。賢い人はみな賞状を持っているのに、おまえにはそれがないからだ。おまえに必要なのは賞状だけだ。

私に与えられた権限により、偉大なオズの魔法使いが、ドロシーとトトにしてあげた優れた行いの証としておまえに賞状を授けよう。さあ、これで頭に脳みそが入ったから、賢く行動しなさい」。

多くの人がカカシと同じような考えを持っているはずです。

「自分には卒業証書も学位もない。自分は何もできない」いいえ、できるのです。ブリキの本こりには心がありません。そこで魔法使いはこう言いました。

「私にはおまえの問題がわかる」魔法使いは木こりに懐中時計を与え、心の音が聞こえるようにしました。

「さあ、これでおまえには心がある。心から行動しなさい」ドロシーとトト、プリキの本こり、勇気のないライオン、脳みそのないカカシの一行は、ポジティブな魔法使いに出会い、勇気と心と知恵をもらいました。

長い人生のあいだに出会うその道の専門家、コーチや教師、雇用主の中には、あなたから勇気や知恵を奪おうとする人がいます。

彼らは、肌の色、人種、性別、あるいは適性のせいで不可能なことがあると説明するでしょう。そして多くの人が、その言葉にだまされてしまいます。

『オズの魔法使い』のストーリーは、自分自身やほかの人にポジティブなアファメーションを与えることの大切さを説いています。

こういった通過儀礼、アファメーションや誓約は、自分や周囲の行動を大きく変えることができるのです。

★権威者と通過儀礼

あなたが称賛し尊敬する人、その言葉があなたの考えや行動に影響を及ぼす人は、誰でも「発言に影響力のある権威者」になりえます。

それは、あなたの両親、上司、監督、配偶者、あるいは面識のない人かもしれません。あるいは、人間でない可能性もあります。

「『ファーマーズ。アルマナック』(*農作業用の年間暦。アメリカやカナダでは快適なカントリーライフを過ごすためのバイブル的な存在の本)に書いてあった」「百科事典で読んだ」「星占いに書いてあった」などなど。

通過儀礼とは、状況を変える一種の儀式のようなもので、「発言に影響力のある権威者」が執り行います。

たとえば結婚式では、牧師、神父、ラビ、あるいは裁判官が、その役割を果たします。まず、自分は独身だと認識し、独身者として行動する二人が登場します。

牧師や神父がこう言います。

「この男性(または女性)を夫(または妻)としますか?」。宣誓書の前で、女性(または男性)は「はい」と誓います。

「私に与えられた権限により、ここにあなた方が夫妻であることを宣言します」と牧師や神父が言うと、二人は自分たちが結婚したことを確信します。

実にシンプルなことだと思いませんか? 登場したときは独身で、「権威者」が二人は結婚したと宣言するだけで、夫婦として行動を始めるのです。

結婚生活がうまくいかないときは、これとは違った通過儀礼が執り行われます。今度は裁判官が「私に与えられた権限により、ここに婚姻を解消することを宣言します」と言います。すると、今度はまた独身として行動を始めるのです。

すごいことだと思いませんか?「発言に影響力のある権威者」が一度きりのアファメーションを行うだけで、物事が決まつてしまうのです。

彼らの言葉によって信念が変わり、行動も変わります。自分が独身かそれとも既婚なのかを信じていれば、意識して考える必要などありません。

ただ自分が信じた人物として行動すればよいのです。軍はこのことをよく理解しています。たとえば、あなたが兵士だったとしましょう。自分のことを勇敢だとは思っていません。

厳しい訓練に耐え抜いたあなたは、軍の上層部が見守る中、威風堂々とセレモニーに参列します。彼らは兵士に勲章を与え、あなたは勇敢だと宣言します。

すると突然、あなたは自分が勇敢だと〃感じる″のです。今まではそうは思っていなかったのに、その瞬間から勇敢になれるのです。

そしてどうなるでしようか?あなたは勇敢に行動できる兵士となってその場を離れます。

「上層部が勇敢だと言ってくれたのだから、きっとそうにちがいない」卒業式も同じです。

外科医になるために七年間勉強してきた学生は、「研修医」と呼ばれます。卒業式を迎えるまでは、(ほぼどの州でも)違法であるため手術を執刀することはできません。

もちろんあなたも研修医の手術なんて受けたくはないでしょう。

「とんでもない。学位がないんだからまだ医者とは呼べない」そして翌日の卒業式。研修医たちは帽子とガウンを身に着けて、威風堂々と絨毯の上を舞台まで歩きます。壇上には、式服を着て房のついた帽子をかぶった医学部長がいます。

「権威者」である医学部長が、「私に与えられた権限により、あなたに医師としての学位を授けます」と宣言すると、手術ができるようになるのです。

今ならあなたも彼らの手術を受けてもいいと思うでしよう。あなたは彼らを信じているからです。

彼らが学位をもらった瞬間に「それなら間違いなく医者だ」と思うのです。昨日までは執刀できなかったのに、今日はできる。

いったい何が変わったというのでしょヽつ7・″信念″が変わっただけです。

「権威者」がアファメーションを与えて通過儀礼を行うだけで、人生が変わってしまうほどの影響力があるのです。

言葉だけで―もちろん、誰の言葉にでも影響力があるのではありません。あなたが信じている人の日から出た言葉でなければなりません。

また、状況や言葉に隠された真意も重要です。たとえば、二人がバーではじめて出会ったとします。

ほんの少し会話をして、男性が「愛してるよ」と言い、女性も「私も愛してるわ」と言うのを聞いて、バーテンダーが「ここにあなた方を夫婦と宣言します」と言っても― ‐効力を発することはありません。

同じ言葉でも、バーテンダーは権威者ではなく、状況も真意も前述のものとは異なります。あなたの人生において、信念がいかに重要か、そして「権威者」がいかに影響力を持つかがわかったと思います。

ところが実際には、その人にはパワーなどないのです。その人にパワーを与えているのは″あなた自身″なのです。

「権威者」にパワーがある理由の一つとして、私たちは誰かの賛同、承認、許可を求めるように条件づけされているということが挙げられます。

そのため、本当は自分にできるとわかっているのに、誰かが許可してくれたり肯定してくれたりするのを待ってしまうのです。

「フットボールチームからの手紙だよ。これで君も正式なメンバーだね」「ありがとうございます。二年間プレーしてきたけれど、この手紙をもらうまで、自分が正式なメンバーかどうかわからなかったんです」とか、「パイロットの免許証だ。これで君も正式なパイロットだね」「ありがとうございます。まだ六十時間しかフライトしていなかったので、この免許証をいただくまでは自分がパイロットかどうかわからなかったんです」ということになるのです。

★自滅的な考えをやめる

もちろん、「無免許で飛行機を操縦しろ」とか「自分のためにならない法を破れ」と言っているのではありません。

私が言いたいのは、自分自身の考えや行動についてほかの人に過度の干渉を許すと、自分自身の人生に対する責任を放棄することになる、ということなのです。

誰かがあなたに「よし、これで君はもう大丈夫だ」と言い、あなたは「私が?ありがとうございます。そう言われるまでわかりませんでした」と答えるとします。

でもあなたはわかっていたはずです。それを信じることができなかっただけなのです。

これは尋ノラセボ効果」に似ています。

薬そのものには何の効能もなく、「この薬はよく効きますよ」という医者のアファメーションに効能があるのです。

この″信念″が病気を治します。一方で、信念は病気を引き起こすこともあります。

つまり、自分自身に何を告げるか、あるいはほかの人があなたに何を告げるかによって結果が異なるのです。

ときには、ネガティブなプラセボ効果をもたらす人に出会い、気分が害されることもあるでしょう。

「嫌な感じがするよね?」「そんなの無理だ」「君にはその仕事はできない」「時間の無駄だよ」と言う人がいるかもしれません。こういう言葉には用心が必要です。

なぜなら、ポジティブなプラセボとネガティブなプラセボ、幸せな考えと憂鬱な考え、健全な信念と有害な信念を、潜在意識は区別できないからです。

あなたが幸せだろうが憂鬱だろうが、あるいは健康だろうが病気だろうが、潜在意識には関係ありません。潜在意識はあなた自身が告げることを受け入れるだけです。

ほかの人から一度きりのアファメーションを与えられるだけで、行動が劇的に変わることもあります。

「君はトラブルメーカーだ」「お姉さんにそっくりで、なんだかぱっとしないね」「君には才能がないから医者にはなれないだろう」「アスリートになるには不器用すぎる」。

かつて、あなたが信頼している人から、こういった宣告を受けたことはありませんか?優れたリーダーというのは、他人にポジティブなアファメーションを与えることに長けています。

以前、アメリカのエリート兵士を訓練するフォートブラッグ陸軍基地に行ったことがあります。

将軍一人とヘリコプターのパイロットニ人、そして迷彩服を着たボディーガードニ人が、空港で私を出迎えてくれました。

バーナード・レフキ将軍が、「あなたを基地までご案内いたします」と言いました。私は彼の肩に星の勲章があるのに気づきました。彼は陸軍准将だったのです。

「申し訳ありませんが、ボディーガードニ人も一緒です。私はKGBに狙われているので」そのとき私はこう思いました。一いったい、私はこの人と何をするというのだろう?」ヘリコプターに乗ると、将軍が言いました。

「ここではとても重要な訓練を行っているので、私は捕らえられるかもしれないのです」そして、敵が彼に関心を持つ理由を説明してくれました。彼は五つの銀勲章と四つの青銅星章を受けていました。

陸軍士官学校を卒業し、ベトナム戦争に四回従軍し、ロシア語、中国語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語を話すことができます。

外交関係の博士号とロシア語の修士号を取得し、米州防衛委員会の委員長を務めていました。その晩の将校クラブでの夕食のとき、将軍と私が会話に夢中になっていると、ニツク・ロー大佐がそばを通りかかりました。

将軍は手を伸ばして大佐の腕をつかみ、彼のことを私に紹介してくれました。

「この男は、私が知るかぎり世界で最も勇敢な男です。捕虜として北ベトナムで五年も独房に監禁されて、五年目の年に脱出しました。この基地では、いかに勇敢さを保つか、いかに生き残るかを教えてくれています」

そして、大佐の腕を離しました。将軍は私を利用して、自分がどれほど大佐を称賛しているか、どれほど勇敢だと思っているかを大佐に伝えました。

大佐の肩に腕を回して直接伝えたりすることはできません。

そこで、私に話しかけるようにして、実は大佐に話しかけていたのです。私が二十四時間滞在しているあいだ、彼はこういったことを何度も繰り返しました。

彼は、二人称を使ったアファメーションの達人だったのです。

しかも決してお世辞ではなく、つねにその人物の真に称賛すべきところを語っていました。私たちが車に乗り込んでその場を離れようとしたとき、 一人の若い将校がこちらに向かって敬礼しました。

将軍はとっさに足でドアを押さえ、その将校を指さしてこう言いました。

「この男はいつか、アメリカで最も優秀な特殊部隊将校になりますよ。その理由をお話ししましょう」。

そして、その将校についての説明を終えると、ドアを開めました。将校は誇らしげに、もう一度敬礼しました。なぜ彼は将軍を信用したのでしょうか? それは、将校の言葉は真実だ、と誰もが思っているからです。

こんなふうにして二人称によるアファメーションの形をとりながら、実は将軍は、自分が「発言に影響力のある権威者」――ほかの人にポジティブな信念を植えつける達人― であることを示していたのです。

人は自己イメージを自分で制御するということを知っていた彼は、つねにその基準を引き上げていたのでした。あなたも、良い行いをしている人を見つけて同じことができます。直接本人に伝えてもいいし、他人に伝えることでその価値を肯定してもいいでしょう。

たとえば、あなたが品質プログラムの責任者だとしたら、チーム内の基準を上げなければなりません。

そうしないと、その品質は形だけの一時的なものになってしまうでしょう。あなたがいなくなったら、チームはすぐに音のやり方に戻ってしまいます。

部下を認め、その成長を助けることで、部下の持つ内なる基準を変える必要があるのです。

他者の潜在能力を引き出すサポートをするには、こういった言葉の大きな力を利用する方法を身につける必要があります。

ただし、これには注意が必要です。

他人の価値を低く評価したり、けなしたり、ネガティブに批判すると、あなたは「ネガティブな魔法使い」になってしまう恐れもあるのです。

ネガティブの魔法使いの制約から逃れなければなりません。

あなたも、あなたの子どもも、部下たちも、「君には心がない、勇気がない、脳みそがない、適性がない、この仕事には向かない」と告げるネガティブの魔法使いに遭遇するでしょう。

当てにならない上司、何も教えてくれない教師、不機嫌な祖父母、イライラしたリトルリーグのコーチの言葉を受け入れると、それが現実だと思ってしまいます。

つまり、権限を認めた人に対してあまりに多くを依存し、信頼を与えすぎているのです。こういったネガティブの魔法使いがあなたの潜在能力をいかに制限しているか、その時点では気づきません。

彼らから、不適切だとか才能がないとか言われ、それを信じると、行動を思いとどまってしまいます。自分が持つ強い信念によって、自分のすばらしい能力や可能性を制限してしまうのです。

★人の能力を認め、力を与える

若いころ、私は大きくなったら高校のフットボールのコーチになりたいと思っていました。これは私の目標でもありました。教えることは好きではなかったのですが、コーチになるには教師にならなければなりません。

こんな教師に会ったことはありますか? 私がフットボールの指導に取り組んでいるあいだ、生徒たちに黙って映画でも見てもらっていれば、万事オーケーでした。

教師になって一年目の最後の日、廊下を歩いていると、ベヴ・ウッドワードという女子生徒が私を待っていましたQ彼女はいきなりこう言いました。

「タイス先生、ずっとお話ししたいと思っていたことがあります― ‐あなたは、私の生涯で最悪の先生です」私は怒ることもできませんでした。なにしろ真実だったのですから。

自分が何を教えているかなど、ちっとも気にしていませんでした。

そのときは彼女の言葉を気にも留めなかったのですが、数日後、「このままじゃいけない」と思い、こう誓いました。

「二度とこんなことは言わせない。生徒にとって最高の先生になろう」その誓いを達成させる方法の一つとして、生徒や選手の価値や能力をポジティブに評価しようとしました。

今でもそう努めています。たとえば、孫のティファニーにはこんなふうに接しています。ティファニーが私の家やオフィスに来ると、私は大げさにこう言います。

「ティファニーのお出ましだ!」そして「おじいちゃんを見ると、ティファニーはいっつも笑ってくれるんだ」と言うのです― ‐彼女が笑ってくれることを期待しながら。

彼女が笑顔を見せてくれると「ほうら、笑ってるだろう」と言います。でもほかの人はこの秘密がわからないので、「なんてハッピーな子なんでしょう」と思います。

次にティファニーが来るときも「ティファニーのお出ましだ! おじいちゃんを見ると、ティファニーはいっつも笑ってくれるんだよ」と言い、腕を広げて笑いかけます。

すると彼女も笑顔を返してくれます。

すぐにほかの人たちは、「ティファニーはみんなに笑顔をふりまいてくれる」「彼女は天性のハッピーな子だね」「彼女は素直で明るい性格の子だね」と言うようになります。

すると、誰もが彼女はハッピーだと期待します。

周囲の人をいつも前向きに、建設的に肯定して、その人の優れた点に目を向け、本人にも優れた点に注目できるようにサポートすると、どうなるでしょうか? ポジティブなアファメーションを何度も繰り返してみてください。

その人に会うたびに、違った言葉で良いところを表現してみましょう。その人の価値や能力をいつも認めてあげるのです。あなたが職場や家庭のリーダー的存在だったら、周囲の人はあなたの言葉によって目を見張るほどに成長するでしよう。

優れた将軍、コーチ、教師、経営者、親は、こんなふうに行動しているのです。穏やかな人だとか、人に道を示してくれるとか、そういう意味ではありません。

あなたにこうあってはしいという確固たる期待を持つとともに、あなたやあなたの行動に対して建設的でポジティブな考えを持ち、それを支援してくれるのです。

★信頼を得る

レフキ将軍がロー大佐に対して影響力を持っていた理由は、レフキ将軍が高い信頼を得ていたからです。私にも「あなたは、私が今まで会った中でいちばん勇敢な人です」と言うことはできたでしょう。でも、同じ言葉なのに何の影響力もありません。なぜなら、ロー大佐は私には信頼を寄せていないからです。

大佐はレフキ将軍のことを大いに信頼していたため、将軍が「この男は勇敢だ」と言えば、それは真実になるのです。

自分を信用してくれている人に対して、目的や大義や何かの活動における彼らの貢献を認めてあげると、ポジティブな影響を与える可能性が大いに高まります。

あなたはその火をつけることができるのです。あなたは相手に影響を及ぼすことができるのです。

自分にはそれができる、するべきだ、という気持ちになってきましたか?多くの親が、「子どもたちに何をしてあげられるだろう」と悩みます。

多くの経営者が、変化を求めています。これらの原則は人生のどの分野にもあてはまります。人生のあらゆる場面を好転させることができるはずです。

周囲の人を成長させたかったら、周囲の人の目に信頼できる人物として映らなければなりません。信頼を高めるための努力を欠かしてはいけません。信頼を得ることができたら、大きな影響力を持って周囲の人を動かすことができるのです。信頼性というのは、実現力の一つです。

つまり、あなたの行動に周囲を巻き込む努力が必要です。

彼らは、なぜあなたの期待に応えなければならないのか、つねに納得できる理由がないとついてきてくれません。彼らは「なぜあなたの言うとおりに行動しなければならないのですか?」と聞くでしょう。あなたが信用できるかどうかを知りたがるのです。

「なぜあなたの話に耳を傾けなければならないのですか?」相手は、あなたに次の三つの要素を求めています。

★信頼を高める三つの要素

・類似性

相手がまず考えるのは、「自分とどこが似ているか?」ということです。何らかの共通点を見つけると、相手は信用してくれます。これはとても重要なことです。「前にも似たような経験をしてきたのだろうか?」

・適性

「前にも同様のことをした経験があったとしたら、それをうまくやり遂げただろうか?」。その分野の専門家でなくても、同じようなタイプの人間をうまく指導したり監督したりした経験があるとわかれば、信頼が得られます。専門家を育てた経験があれば、自分が専門家である必要はありません。

たとえば、アンジエロ。ダンディはボクシングのヘビー級チャンピオン、モハメッド・アリのトレーナーでしたが、彼自身は誰のことも倒せませんでした。

では、どうやって世界チヤンピオンを育てたのでしょうか? なぜボクサーは彼のもとに行きたがるのでしょう? それは、彼はアリのような優れたボクサーを指導したからであり、人の最善の部分を引き出す能力があったからです。そのため、彼は高い信頼を得ることができました。

・知識

自分の発言をよく理解していると、信頼を得ることができます。あなたには十分な知識があるでしようか?これら二つの要素――類似性、適性、知識――をすべて兼ね備えれば、人に影響を及ぼし、優れたリーダーになることができます。周囲の人は、あなたの言葉どおりに行動するでしょう。

地域社会でも家庭でも職場でも、あなたが変化を起こしたいと思う分野で信頼を得られるように、つねに努力しましょう。周囲から信頼できる存在にならなければなりません。そしてその目的は、周囲から称賛されたいからではなく、相手に効果的に行動してほしいからでなくてはなりません。

★グループの目標を定める

組織のメンバーというのは、オーケストラのメンバーに似ています。オーケストラでは、楽団員はそれぞれ違う楽器を演奏します。

あなたが指揮者だとしましょう。あなたはオーケストラの演奏レベルを上げなければなりません。全員の演奏レベルが上がったと認めるだけではうまく行きません。

しかし、すべての楽団員の目を新しい目標に向けさせ、楽団員がそれに同意したら、あとは個人の演奏レベルを上げるように指導するだけでいいのです。

優秀なオーケストラをつくるには、オーボエやバイオリンの奏者は各自の演奏レベルを向上させなければなりません。

そして、一人ひとりの演奏は、オーケストラ全体のパフォーマンスとうまく調和していなければなりません。そのため、指揮者であるあなたは、グループの目標を率先して設定する必要があります。

その際、日標設定の基本原則をグループにあてはめて、全員が自分についてきてくれるようにすることが大切です。

▼一.全体像を描く

自分の組織を、ひとまとまりの存在として考えるようにしましょう。

一つの部門の目標しか設定しないと、 一つの目標を執拗に追い、すべてのエネルギーや創造力を一つの方向や部門に向けることになるため、周囲は欲求不満がたまってしまいます。

そこで、企業経営者になったつもりで組織全体の構成要素に目を向けてみます。

成功している企業のモデルを探し、「どのような組織体系なのか? 製造部門とマーケティング部門はどうやって協力しているのか? 顧客や業者とどのようにして良好な関係を維持しているのか? 成長できる環境をどうやって創造しているのか?」と考えてみましよう。

一つの部門で目標を設定して、それに向かってひたすら進んでも、それ以外のことがみなバラバラになってしまうかもしれません。

バランスよく目標設定するには、自分の役割とほかの人たちの役割を真剣に考える必要があります。

何が組織を構成しているのでしょうか? 現在はどのような状況にあるのでしょうか? 理想的な姿とは? 自分たちが望んでいる方法とは? どうしたら成長することができるでしようか?〉

二.パズルを順番に埋めていく

チームに次のような質問をしてみましよう。

「私たちにはどのような責務があるかフ・組織の活性化を図るには何が欠かせないか?」責務がなければ、組織はバラバラになってしまうでしょう。優先順位も大切です。すべての案件をいっぺんに進めることなどできません。

十五の目標を同時に進めることはできるかもしれませんが、 一つの部門に目標が十五個となると、それは無理な話です。

バランスを図りつつ、どの目標を選ぶかを判断します。何がいちばん重要かをじっくり考え、順番を決めましょう。

日標を定めたら、残りの部分については脇に置いておくか、後回しにしましよう。

〉三.周囲の人を効果的に関与させる

何をするべきか伝えるだけでは、その目標は「しなければならないこと」でしかありません。これでは、個々の構成員に自分も目標達成にかかわっているという意識が生まれません。

「みんな、いいかい。これが目標だ。じゃあ、さっさと進もう!」とただ知らせるのではなく、達成したい目標やビジョンの重要性を伝えなければなりません。目標というのは、〃さっさと″進めるものではありません。

次のように自分に問いかけてみてください。「これまでの要素に新しい要素をどうやって組み込んだらいいだろうか? 組織を成長させるには、この目標を達成することの大切さをどうやって示したらいいだろうか? みんなが同じ動機を持っているとはかぎらない。

組織の全員の団結が必要であることを、どうしたらわかってもらえるだろうか? グループの目標を達成できたら、全員にメリットがあって、全員が成功できるということを、どうしたら理解してもらえるだろうか?」

▼四.建設的なイメージをつくる

避けたい事柄を伝えて不安を与えることで、部下のやる気を促そうとするケースが少なくありません。

たとえば、競争の激化や損失の可能性など、起こりうるよくない事柄を伝えてしまうことがあると思います。それよりも、何を手に入れたいのかをポジティブに話し合いましょう。

物事というのは、自分が考える方向に進むものです。競争について考えると、競争に巻き込まれるでしょう。市場のシェアを失うことについて考えると、その方向に進んでしまいます。好ましくない事柄に注目するのではなく、グループとして成し遂げたいことをリストにしましょう。

▼五.責任を共有する

リーダーは、ただ座って「なぜ誰もこれに対処しようとしないんだ?」と言うだけではいけません。なぜなら、組織では、本当は部下に説明責任を持たせてやる気を促さなければならないときに、トップがあらゆる責任を負って舵をとろうとするからです。

あなたと友人が、あまりよく知らない地域でのパーティーに呼ばれたとしましょう。友人が運転して、行き方を示した地図を見ていますが、あなたは助手席に座っているだけ。多少手間取ったものの、何とか目的地に着きます。

楽しいパーティーも終わり、帰る時間になると、友人がこう言いました。

「もう少しここにいたいから、先に運転して帰っていいよ。僕はあとで誰かに乗せてもらうから来るときは友人が運転したのですが、あなたは鍵を受け取り、あやふやなまま家路へと向かいます。

翌朝、友人に聞かれました。

「夕べは無事に帰れたかい?」あなたは間違いなくこう答えるでしょう。

「おかげさまで道に迷ったよ。だってパーティー会場がどこだったのかさえわからなかったんだから」「でも、君はずっと助手席にいたじやないか」「そうだよ。でも、帰りも君が運転してくれると思っていたから、道なんて気にしてなかったんだよ」

責任を放棄した時点で、あなたは周囲に注意が行き届かなくなってしまうのです。

▼六。時間の制約を避ける

目標を定めるときには、時間の制約や締め切りを設けることが多いと思います。もちろん、締め切りが必要なケースもあります。

でも、現在のリソースや現在のノウハウ、あるいは現在の技術だけを根拠にして締め切りを決めたとしたら、どうなるでしょうか。

きっと、予算やスケジュールにとらわれて十分な成果が得られないでしょう。

あるいは、二年間のプロジェクトでも、日標を設定するときにリソースのことがわかっていれば、六カ月で終わらせられたかもしれません。

時間の制約があると、もっと早く終わらせられる可能性を否定してしまいます。できるかぎり時間の制約を自ら課さないようにしましよう。

もちろん、手順や順序を決めなければなりませんが、多くの管理職が締め切りを定めて部下のモチベーションを高めようとしています。

ところが時間の制約を定めると、その仕事が「しなければ、さもないと」になってしまい、部下は抵抗感を持ってしまいます。

すると、仕事を先送りし、いい加減に処理し、言い訳をします。上司は規律をさらに厳しくして、指揮統制を図ろうとします。ところが、これでは反発を招くだけです。

時間の制約をなくし、職務遂行のプロセスに注目できるようになると、作業にかかる時間は劇的に短縮されるでしよう。

▼七.目標を達成した姿を思い描く

グループの目標を、すでに達成したものと考えて書き表してみましよう。「ビルが完成した」「試合に勝った」「取引を成立させた」「本を書き上げた」「変革に成功した」というように。

個人の目標を立てるときと同じように、日標と現状に食い違いがあると、目標達成に向けた創造力、熱意、切迫感が生まれます。

頭の中で何かの出来事、危機、変化を乗り越えていく自分を思い描くように訓練をすると、緊張感やストレスを感じずに職務を効果的に果たすことができます。

▼八.秘密を重視する

急に目標を発表したり、突然変化を強要して部下を驚かせると、さまざまなストレスが部下に降りかかり、上司に反発するかもしれません。上司は部下に夢を売り、それを視覚化するチャンスを与えなければなりません。

計画の初期の段階では、ともに成長できるパートナーや配偶者に目標を語るだけにとどめておきましよう。

▼九.変化を継続する

いったん目標を達成すると、グループのメンバーは意欲を失い、休止状態になってしまいます。継続的な向上と成長を図るには、日標達成を待っているだけではいけません。

目標達成に近づいたら、それまでの目標を見直し、新たな目標設定を同時に進めていきます。そうすると、グループは新たな目標に向けてやる気を起こすことができます。

もちろん、目標達成を祝うことも重要ですが、そこで立ち止まってはいけません。もっと大きな新しい目標を追い求めることで、グループをつねに活性化させることになります。

▼十.グループの目標を書き出し、刷り込みを行う

組織を真剣に成長させたいと思うなら、次の原則に従って目標を書き出す方法を学びましよう。

・一人称を使う

他人の組織ではなく、自分の組織を変えたいのですから、 一人称複数形(私たち)を使って目標を立て、それを達成しているイメージを膨らませましよう。

・ポジティブであること

自分がやり残したことではなく、自分が目指していることを想像しましよう。ポジティブになるということは、自分が手に入れたい特性を肯定するという意味です。

・現在形を使う

すでにその特性を手に入れたかのように、現在形で目標を立てましょう。なぜなら、日標をすでに達成したという望ましい姿を自分の頭の中に思い描くことができるからです。

・達成志向であること

能力ではなく、達成を重視しましょうЮ「市場シェアで一位になれる」と言ってはいけません。そうなる潜在能力ならすでに持っているからです。その代わりに、今はそうでなくても、「私たちは市場シェアで一位だ」と言いましょう。

まだ達成していない段階で「私たちは〜だ」と言うと、健全な緊張感が生まれます。それを潜在意識に取り込むことで、そのとおりに行動できるのです。

o比較をしない

自分たちとほかの組織を比べないこと。迅速な成長を目指すなら、何をしたいのか、どんなふうに成長したいのか、クオリティを高めるにはどうしたらよいか、ということに集中しましょう。成長を阻害するのはあなたたち自身です。

周囲を見回すと、自分たちより優秀な会社もそうでない会社もあるでしょう。それがどうしたというのでしょう?

・行動を表す言葉を使う

行動を表す言葉を使って、日標やアファメーションを書き表します。動作を表現するのです。「スムーズに、すばやく― 」。静止画像ではなく、動画を思い描キ」幸Fしょう。

・感情を表す

言葉を使う感情が高まれば高まるほど、変化のスピードは速くなります。

「すごくうれしい、とてもハッピーだ、誇らしく思う――」。組織の中に取り入れたい感情を目標の言葉に組み込みましよう。

・目標を正確に表現する

具体的で正確な目標を立てましょう。イメージが明確だと、変化のスピードも速くなります。どんなふうに変化したいのか、正確に表現しましょう。「今年はもっとうまくやろう」などとあいまいに表現しても、どの程度うまくやるのかがわかりません。

自分に逃げ道を与えてはいけません。おおまかではなく、具体的に表現しましょう。そうすることで、より的確なフィードバックが得られ、ビジョンに対する現在位置がわかります。

・バランスを図る

さまざまな領域の目標を立てましょう。個人的な成長、家族の成長、金銭面での成長、精神的な成長、社会的な成長などです。自分が成長したい分野を選びましょう。あなたにはさまざまな潜在能力があるのですから。

・現実的な目標にする

グループがその目標に向かって進んでいるところをイメージできれば、その目標は現実的なものになります。今の時点では資金や人材や情報をどこから得るのかがわからなくても、どうやって進めばいいのかわからなくても、気にする必要はありません。イメージと言葉と感情を使って、自分が望むものを思い描き、潜在意識に刷り込むことが大切です。

指揮者であるあなたは、「こうしよう、ああしよう」と宣言するかもしれませんが、それでは部下に責任感は生まれません。

現在の能力以上に部下の力を発揮させるには、それぞれが目標を現実のものとして感じる方法を見つけなければなりません。

たとえば、組織のトップに対して、自分のリーダーシップ能力を高めるだけでなく、チームのメンバー全員のスキルを伸ばすことを目標にさせることができれば、チームのパフォーマンスは向上するでしょう。

共通のアイディア、使命、日標を、全員が自分の信念体系に取り込み、「これが現実だ」と肯定するのです。

組織の中には全体像を気にしない人もいるかもしれませんが、自分の役割、自分の成長、自分たちの部門については関心を持つはずです。

リーダーは、チームの全体の調整を図る必要があります。

身勝手な人ややる気のない人がいたり、チームメンバーが反発し合ったりしていたら、「調和と協力、愛情の気持ちを忘れずにみんなで働く」ことをアファメーションの言葉として掲げることはできません。

言葉を国にすることはできますが、内容が伴っていません。

その代わりに、「私が調和とチーム努力を生み出す。私の話し方、部下の育て方、信頼の築き方でそれを引き起こす」と宣言する必要があります。

他人の目標をあなたが設定することはできません。チームや家庭内で目標を設定するときには、複数の人が同じ目標を共有する必要があるでしょう。

それでも、アファメーションで使うのは一人称です。「私のリーダーシップのもとで、このチームは― 」のような形で、自分の望むことを表現してください。あなたが「私たち」と宣言しても、私には何の影響も及びません。

それでも、あなたが自分の役割を果たす姿はグループやチームに影響を及ぼすことができます。あなたが示すリーダーシップ、熱意、指示、奨励によって、チームは変化を遂げるでしょう。

チームから何かを引き出したいと思つたら、「私たち」と言うことはできますが、変化を起こしたいと思ったら、「私」と言わなければなりません。

「私たち」と宣言したところで、何も変わらないのです。

チームや家族に自分の考えるアファメーションを押しつけて、「ほら、こうする必要がある」という言い方をすると、相手はすぐに抵抗を示します。

すると「こちらからも、あなたに何が必要か教えてあげますよ」という気持ちになるでしょう。チームや家族は、セルフトークでつねに何かを宣言しています。

リーダーは、彼らのセルフトークに影響を及ぼすことができます。ここで一度考えてみてください。

あなたは建設的でポジティブな方法で人々のやる気を引き出し、あなたの望む方向に人々を導いていますか? 不注意なチームトークを野放しにし、誤った方向に進ませてはいませんか?では、チームの成長と拡大を図るにはどうしたらいいのでしょう? それぞれの人員に自分の将来に責任を持つように働きかけるのです。

 一人ひとりに責任を持たせるため、次のように働きかけてみましよう。

〉一。

目標設定しない人、あるいは目標をアファメーションの形に書き表そうとしない人がいたら、そのアファメーションを紙に書いて、冷蔵庫、寝室、ロツカールーム、会議室などに貼り出しておく。

チームのメンバーは、そこに出入りするたびにアフアメーションを目にするので、徐々にその考えを理解できるようになるでしょう。

▼二.気分が高揚し、ポジティブで建設的になり、チームの目標を後押しするような音楽をかける。

▼三.チームのメンバーに身につけてほしい性質や特徴を明確に描いた論文、本、詩を読み、ほかの人にも推薦する。

▼四。

毎日の作業が終わったら、その進み具合がどうだったかを簡単に話し合う。

「今日は何が楽しかった? 今日いちばんおもしろかったことは,。いちばんわくわくしたのは,。いちばんよかったことは?」。

チームのメンバーに、ポジティブな感情や経験を話してもらい、こう質問しましょう。

「明日は何をする?」。

このようにして、今日の楽しい心温まる感情を、明日への期待に結びつけるのです。高パフォーマンスの人たちは、将来はきっと良いことがあるとつねにポジティブな期待を抱いています。あなたもそれを習慣にしましよう。

▼五.チームのメンバーにこんなふうに言ってもいいでしょう。

「最近、自分の目標をいくつか設定したんだ。どんな結果が望ましいかもわかっている。今年はきっとこんなふうに進むだろう」。

チームのメンバーにも、自分たちが選んだ方法で、明確な目標に強い感情を結びつけて、将来像を描いてもらいましょう。

〉六.食事の時間など、チームのメンバーとともに過ごす時間には、会話の内容と話し方に十分な注意が必要です。あなたは会話を方向づけ、それを将来のイベントに建設的に反映させることができます。「君はきっとこんなふうになれる」と肯定し、チームのメンバーにつねに将来の姿を思い描いてもらいましよう。

▼七.チームのメンバーが成長するべき分野を見極め、その実現を目標にさせる。

メンバーの自尊心を確立させ、その分野で自信が持てるようなスキルを教えましよう。一人ひとりの成長をどのようにサポートできるか、個人向けのアファメーションを作成します。

▽八.チームのメンバーが楽しみに期待できるような、特別な活動やイベントを計画し、近い日程に設定する。

デート、野球、テスト、プレゼンテーションなどの成功が気になったら、きっとその出来事についてアファメーションを作成するはずです。

「どうやって成功させたいのか,。どんなパーティーにしたいのか,。そのイベントでどんなパフォーマンスをしたいのか?」と質問し、望ましい姿を一緒に書き出します。

チームのメンバーにこれらを説明して書き出してもらい、何度も何度も読み返してもらいます。そしてこう言います。「もう少し何か付け加えたらどうかな? もう少し詳しく話してもらえないかな。

忘れないように、これも書き出しておこう」こうすると、チームのメンバーが困難を乗り越えられるようにサポートできます。そして別の課題に次々に進みます。

チームのメンバーがしばらく固定されるようなら、今後起こってほしい出来事を計画する習慣をつけさせることもできます。

それが習慣になったら、「ほかには? もっとほかには何ができる?」と促しましよう。アファメーションが本当に関心のある結果に関係しているときは、その作成には真剣に取り組むはずです。

どんな結果が望ましいか、何を手に入れたいか、チームのメンバーに″買い物リスト″を作成させましょう。個人的なレベルでは、より豊かに生活したい、よりよい仕事に就きたい、人気者になりたい、外見をよくしたい、新しい服が欲しい、新しい車が欲しい、といった買い物リストができるでしょう。

これらのものを手に入れるときと同じように、どうしたらチームの目標を達成できるかを示しましょう。長期の目標を立てているメンバーには、「今週はこうしたらいい」と言ってサポートします。

自然な形で、今のやり方を少しずつ広げていくのです。するとメンバーは、自分で長期の目標を立て、それを肯定し、理解し、自分で達成できるようになっていきます。

あとがき

私にはみなさんのサポートが必要です。私を助けてほしいのではなく、あなたの周囲の人を助けてあげてほしいのです。

私の友人で、平和部隊創設のきっかけとなったアレツク・ディクソンが、 一九九四年に亡くなりました。生前、私の師になってほしいと彼に依頼しました。

すると、「君のレースはきつすぎる。全行程を一人で走ったらきっと死んでしまうよ。リレーだと考えるといい。できるかぎり一生懸命走ったら、あとは次の人にバトンを渡すんだ」と言いました。

私は″バトンを渡す″ためにこの本を書いています。あなたにバトンを渡し、あなたの脚で愛のためにレースを走ってほしいと願っています―― コミュニティ、職場、家族、教会などで活躍してほしいのです。

私だけではすべてのことはできません。もちろんあなただけでもできません。でも、みなさんと私が協力すれば、さまざまなところで始めた小さなことが、やがてどんどん大きくなるでしよう。周囲の人にもバトンを渡してください。

周囲の人から「どうしたらあなたのようになれるのですか?」と聞かれるような人になってください。そして「こうすればいいんです」と答え、多くの人から真似されるような人になってください。

これは私にはむずかしいことでした。なぜなら、私は褒められるのが好きではなかったからです。

「私の過去がどんなだったかを知れば、あなたは私のことなど気にも留めないはずですよ」という気持ちでした。でも周囲の人は私の過去を知りません。目の前の私しか知りません。

そこで私は、周囲の人からの称賛の言葉を受け入れぎるをえなくなりました。あなたも優れたことをしたときに人に褒められることに慣れることが必要になるかもしれません。

以前、元下院議長で少なくとも八人のアメリカ大統領に仕えてきたジム・ライトに質問したことがあります。

「各大統領に共通する際立った資質や特徴を一つ教えていただけませんか?」彼は私にリストを渡して、こう言いました。

「偉大な大統領は、自ら進んで称賛を受け入れる。君も進んで称賛を受け入れられるようになることだ。自分の息子、娘、子どもたち、そして周りの人からの称賛を喜んで受け入れてほしい。君が称賛を必要としているのではなく、周囲がモデルを必要としているんだ」

私はこの″称賛を受け入れる″能力をなかなか伸ばすことができませんでした。

周りの人から「あなたは私の人生を変えてくれました。私を救ってくれました」と言われても、手振り身振りでそれを否定していました。

きっと、相手に恥をかかせていたにちがいありません。そんなつもりはなかったのですが、相手を突き放していました。

想像できますか?「そんなばかなことを考えているなんて。なぜ私のことなんて褒めるんですか? 頭がどうかしているんじゃないですか?」というメッセージを送っていたようなものなのです。

私は自分の態度を変える必要がありました。

湾岸戦争の「砂漠の嵐」作戦の副司令官を務めたキャル・ウォラー中将から、こう言われたことがあります。

「軍で優れた潜在能力を持っている者の中には、自分の成功をじゃまするような愚かな行動をする者がいる。厳しい競争に勝ち抜いて将官になっても、自らチヤンスを壊してしまう」。

彼はさらに続けました。

「突然脚光を浴びたプロの運動選手にも同じことが起こりがちだ。十分なお金をもらうようになると、急にドラッグに走り、成功を無駄にしてしまう」。

潜在能力の高い人が自らの成功をじゃましないように、彼はこのメッセージを多くの人に伝えたいと考えていました。だからこそ、私はあなたにバトンを渡したいのです。

このメッセージを、病院にいる人たちに伝えてほしいのです。虐待された子どもたちのために働いている人に伝えてほしいのです。

いつも仕事を探している人に伝えてほしいのです。スラム街で暮らしている人たちに伝えてほしいのです。リーダーになる可能性を秘めた人に、自分の成功をじゃましてはいけないと理解してほしいのです。

あなたならきっと、ダイアンと私よりもずっと大きなことができるでしよう。少し前、私は二人の人物が遠くを歩いているポスターを見かけました。

そこには、こんな言葉が書かれていました。

「私の後ろを歩かないでください、私はあなたを指導しているのではないのだから。私の前を歩かないでください、私はあなたに従いたいのではないのだからc私の隣を歩いてください。ただ、私の友人になってください」。

私が言いたいことも、これと同じです。私についてきてほしいとは思っていません。もちろん、あなたについていきたいとも思っていません。ダイアンと私は、あなたが影響力を身につけ、私たちとともに歩き、友人になってほしいと願っています。

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