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社長は経営分析数値をどうとらえるべきか

まず現金比率だが、「現金比率=三〇%以上」というのは、早い話が、手形のジャンプを

依頼するに当たって、とりあえず負債額の三〇%以上の現金を持って行けば相手が納得して

くれるだろうという数値である。要するに、流動負債に対して、少なくても常時三〇%以上

の現預金を持っていないと企業経営は安全ではない、ということを示す数値であり、企業の

安全性を見るうえでの重要な指標となる数値なのである。

次に当座比率である。仕入れ先に対し、とりあえず負債額の三〇%の現金を渡し、残りの

支払いを一時待ってもらった。だが、それだけでは相手は納得しない。そこで売掛金などを

回収し、支払うお金が負債額の七〇%以上に達すれば、相手が了承してくれるだろうという

のが、「当座比率=七〇%以上」の意味である。

つまり、流動負債に対し、流動資産から棚卸在庫を引いた残りが、常時七〇%以上ないと

企業経営は安全とはいえない。七〇%以上というのは、そのバロメーターとなる数値である。

では、「流動比率= 一二五%以上」というのは、どういう意味だろうか。

流動比率とは、流動負債で流動資産を割ったものだ。流動資産には当然、棚卸在庫も含ま

れる。この棚卸が往々にしてくせものなのである。要するに、棚卸には評価が伴う。たとえば、

ある会社が不渡手形を発行して倒産しそうになった。在庫品を処分するとなると、世の中は

冷たいもので、いい機会だから叩いて買い取ろうという気持ちが人には起きる。それが普通

であって、かわいそうだから高く買ってやろうなどという人は、まずいない。そうなると在

庫が仮に一億円あっても、いざ処分する時には一億円では売れないのである。在庫は、その

ように評価される。流動資産にはそういう在庫も入っているわけだから、それを流動負債で

割った流動比率は、必ず一〇〇%以上なければならない。できれば一二五%以上が望ましい、

というのが「流動比率= 一二五%以上」の意味である。それ以下では、企業の体質は安全と

はいえない。

以上に述べてきた安全性分析における三つの指標、すなわち現金比率、当座比率、流動比

率が、なぜ大事かお分かりいただけたと思う。

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