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社長に「消費期限」はあるのか?

 日本の社長の現在の平均年齢を知っていますか?  帝国データバンクの調査によると、 2022年の社長の平均年齢は 60・ 4歳で、社長の平均年齢は 32年連続で記録を更新しています。  日本には 400万社以上会社があり、社長の年齢の半分が 60歳以上、 70歳以上だと 4人に 1人、そして 50歳以上は 80%を超えています。  また 2025年には、約 6割の 245万社の社長が 70歳以上となり、そのうち 127万社が後継者が不在というデータも発表されています。  社長を引退する平均年齢が 68歳程度といわれていますので、このまま社長の高齢化が進み、何も手だてがなく廃業することになると、約 650万人の雇用が失われ、 22兆円の GDPも失われるといわれています。  なぜ、このような事態になったかの一つの要因は、社長が自分の「消費期限」を理解していないことです。  僕の取引先の会社に 40年以上の歴史のある建設会社があります。  その会社は県の仕事や大手の仕事を社長が自ら営業してとってきているワンマン会社で、僕は内装関係でお世話になっていました。   10年前は担当の方もお元気で、全国を一緒に飛び回っていましたが、つい最近退職の挨拶にいらっしゃいました。  そこで、その会社の社長はもう 80歳を超え、担当も 70歳を過ぎたと聞きました。また、会社で一番若い社員も 55歳とのことで、社長がいなくなったらもう廃業だと社員が半ば諦めている状況なのだそうです。  同じような状況が日本には多くあるのではないでしょうか。  社長の仕事の一つはエグジットを考えることです。  自分がいなくなった場合に備えて、会社を譲渡できる状態に整えておくことは、一緒に働いている社員のためにも必要不可欠な準備かと思います。  僕が考える社長の消費期限は 10年です。  理由としては、上場企業を観察するとわかりやすいです。  例えば、会社が不動産のビジネスで上場したとしましょう。上場企業は毎年成長することを株主から要求されます。  成長しないと株価が落ち、社長の責任問題にもなりますから社長は必死に会社を成長させようとします。  毎年毎年成長させようと思うほど、不動産ビジネスだけでは難しく、他の新規ビジネスや横展開したビジネスを模索していきます。   10年後には不動産事業だけではなく、より多くの事業を展開して成長しているのが成功パターンです。  僕は上場企業を分析していて 10年間全く同じビジネスをしているだけの企業は一社もないことを知っています。  その意味で、一つのビジネスをある程度の形にする能力は 10年が限界であろうと考えています。  その後は新しい能力を持った人を育てていき、バトンタッチの準備をするのが社長の役目なのではないでしょうか。

サーチファンドの存在  社長の後継者問題は自ら後継者を育てるのが理想ではありますが、なかなかうまくいかないことも多いです。  その場合は M& Aを選択するのですが、最近では M& Aの中でも中小企業の新たな事業継承の戦略として「サーチファンド」が注目されています。  サーチファンドとは、経営者を志す個人が、中小企業を発掘し、出資者の支援を受けて自ら経営に参加することをいいます。  優秀な社長候補と可能性のある中小企業を繫ぐ投資戦略で、海外を中心に拡大しており、日本でも周知されはじめてきています。  最近では、サーチファンドが社長養成学校を設立し、優秀な社長候補に経営ノウハウを学ばせてから中小企業の社長にするという形式も出てきました。  後継者のいない中小企業にとっては、サーチファンドが推薦する社長候補を数人と面談し、ふさわしいと思った人の学費を払い、その後、会社にジョインしてもらい 1年後に後継者となってもらうというなかなか魅力的なプランになっています。  もちろん、会社はサーチファンドに売却しますので創業者利潤も入ります。  中小企業の後継者問題は今後もかなり深刻な問題として日本を騒がせると思います。  読者の皆さんも社長の消費期限をしっかり意識して、いつでもエグジットできる体制をつくることを忘れないようにしましょう。黒字社長のルール ⑧社長の消費期限は 10年間。その後は後進に譲るかエグジットを考える。後継者が自社で育っていない場合は「サーチファンド」も検討の一つ。

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