銀行が気にする数字はどこ? 中小企業の社長の中には、営業売上ばかり気にしている人がいます。 かつて、日本の人口が増え、社会がどんどん成長していたときは、売上が増えれば利益も増えました。「大きいことはいいことだ」の時代です。 しかし、今は違います。今の時代に最も大切なのは、売上よりも利益です。 銀行が決算書や試算表で真っ先に見るのも、その会社の営業利益です。なぜなら、営業利益が出ていない企業は、売り買いで商売が成り立っていないからです。極論を言えば、商売をしている意味がないのです。 そんな企業に対して、銀行はお金を貸したくありません。貸しても返ってくる原資がないからです。銀行は営業利益が出ている企業なら前向きに支援を考えるでしょうが、営業赤字が大きいと腰が引けてしまいます。 また、コロナ禍で支給された補助金は雑収入に当たります。中には、補助金のプラス分で売上が黒字になっている会社もあります。私は、「それで安心しちゃダメだよ。営業利益は赤字でしょ」と釘を刺しています。人件費が上がり続けるからこそ、今日からやっておきたいこと これから労働人口が減って人件費が上がっていくことがわかっています。私は顧問先に「 5年で 3割、人件費が上がるだろう」とお伝えしています。 地域の中でいい人材を確保するには、地域で一番いい給料を出して福利厚生も充実させることが必要です。 私の顧問先の会社は、パートの女性たちに人間ドックを受けさせています。 年配の女性は、子育てやご主人の世話で、自分たちは後回しにしている人が多いものです。健康に不安があっても、自治体の定期検診程度しか受けていない人が多くいます。その会社は、大きな病院の人間ドックを会社全額負担で、無料で行なっています。これが好評で、彼女たちの仕事に対するモチベーションもすっかり上がりました。 コストをかけても、地域で一番いい人材を確保するという考え方が成功した例です。 人間ドックでガンを発見して治療した人は、命の恩人だと言って、一生会社に尽くしますと言ってくれています。会社が人を大切にしていることが大切です。 そのパートの人たちが今では最高の戦力になり、生産性も毎年かなり向上させています。どんどんと利益率が向上しています。会社としても感謝できる人材に育っています。 人件費ばかりでなく、資材費も燃料代も高くなっていきます。きちんと利益率を上げて、儲け(利益)を管理することが重要です。 これができるのは社長だけです。会社全体で粗利益(率)がどうなっているかという意識を浸透させることが大切です。値上げ交渉は、中小企業では社長の大きな仕事です。
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