信頼しても信用するな 中小企業の社長にお会いすると、人のいい方がたくさんいます。よくやってくれる社員を信頼し、一見、とてもいい人間関係を社内で構築されているように感じられます。 しかし、信頼も度を過ぎると脇が甘くなってしまいます。 実際、中小企業における金銭トラブルが頻発しています。あまり一般に知られることはありませんが、確実に増えていると言えます。 その原因は、「信頼しすぎ」です。 人間は弱い生き物です。どんなに真面目な人でも、毎日、大きなお金を扱い、銀行印まで預かる立場になれば、ふと魔がさしても不思議はありません。もちろん、横領をした社員が悪いのですが、その環境をつくってしまった社長にも責任はあります。罪を犯した社員も、被害者かもしれません。金銭トラブルを防止する方法 私は、お金を受け取る人、勘定する人、入金する人を別々にするように、いつもアドバイスしています。ダブルチェック、トリプルチェックすることによって、不愉快なトラブルを避けることができます。 そして、社員に予告なしに社長自ら会社の帳簿上の残高と実際の預金・現金の残高をチェックしてください。この行動が一種の抑止力となって不正防止に役立ちます。不正があれば一致しません。 言い換えれば、「お金を大事にする」ということです。お金の管理をきっちりとできない社長は成功しません。営業部員との距離感 金銭トラブルは、主に経理担当者との間で発生しますが、営業部員を信頼しすぎるのも問題です。「ウチの社員は、一生懸命に営業活動をしてくれる」と、満足気に話す社長がいますが、私は「それ、裏を取っているんですか」と質問します。そして、「時々、自分で得意先に行って確認してみてください」と進言します。 繰り返しますが、人間は弱い生き物です。サボれると思えば、すぐにサボるのが人間です。昼間のコーヒーショップを見てください。どっしりと構えてスマホをいじっている中年男性がたくさんいます。みんなサボっている営業マンです。「いや〜、先生、調べてみたら、信頼していたウチの営業、得意先に行ってなかったんですよ」 悲しいかな、これが実態です。 報告書にはいくらでも架空のことを書けます。でも、実際はパチンコをしていた、喫茶店に入り浸っていた、接待と言って自分だけ飲み食いをしていた。そんなことが当たり前に起こります。社長がほめる効用は絶大 もちろん個人差があるにせよ、中小企業に入ってくる人材は、一流企業で出世を目指す人たちとはレベルが違います。完全に信用すると痛い目に遭います。 信頼はいいですが、信用してはいけない。まずは疑ってかかることが前提と考えてください。 しかし、疑ってばかりでは人間関係が悪くなります。裏をとってみて、よく営業をしているようなら、しっかりと褒めることも大切です。社長に褒められれば、誰だってうれしいものです。それが営業マンのモチベーションになります。 要するに、社員との距離感が大切です。 適度に信頼しながら、いつ裏切られるかわからない、という危機感を持って付き合う。そんな社長の会社は、組織が健全に回ります。
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