辞める理由が労働条件以外の場合に潜むもの「社員が次々に辞めてしまうんです。どうしたらいいでしょうか」という相談を受けることがあります。 社員が辞めるのには、いくつか理由があります。 良くないのは、給料や待遇、労働条件、社内環境に不満がある場合です。すぐに幹部にヒアリングをして、悪い点を改善しなければいけません。 しかし、そうでない場合もあります。 お付き合いをしているある会社は業績も良く、労働条件も立派です。社長はしっかりとビジョンを持っていて、これからもこの会社は良くなっていくだろうなと思える会社です。 それでも社員が辞めていくのです。なぜでしょうか? 理由は、辞める社員のレベルが、会社についていけなかったということです。 私は常々、中小企業に入ってくる人材と大企業に入る人材はレベルが違うとはっきりお伝えしています。学歴も能力も一流の優秀な人材が中小企業に入ることは、まずないと考えたほうがいいでしょう。 会社がうまくいき、年商が 5億円を超えて 10億円に近づくと、会社の内容そのものが変わってきます。 つまり、成長です。 すると、求められる社員の質にも変化が表れてきます。 会社の成長に合わせて古い社員が振り落とされるのは、当然なこと、成長の証と言えます。そして、このタイミングで求人を出せば、ワンランク上の人材が集まってくるに違いありません。 このように蛇が脱皮していくように、社員が入れ替わる。これは自然なことですし、むしろ歓迎すべきことだと考えてください。社長には2つのタイプが存在する 年商 5億円を境に変わるのは、社員だけではありません。実は、社長も「 5億円まで」と「 5億円以上」で求められる資質が異なるのです。 私はさまざまなタイプの社長と仕事をしてきましたが、どんなにワンマンで問題のある社長でも、年商 5億円までは伸ばすことができました。 しかし、 10億円を前にすると、大きな壁が立ちはだかります。 でも、勘違いしないでください。年商 10億円にできない社長が無能と言っているのではありません。ビジネスを立ち上げて、 5億円まで育てるのは立派な能力です。むしろ、ゼロから 5億円にするほうが難しいかもしれません。 中には、ある程度まで成長した会社をさっさと人に譲り、まったく新しい発想で次の起業に取り組む人もいます。私は、そんな社長を「鼻が効く人」「商売のセンスがある人」と表現しています。 逆に、 5億円規模の会社を、バーンとブレークさせるのが得意な人もいます。 こういう社長はいろいろな会社を渡り歩いて、請負人的な仕事をしています。「鼻の効く」社長とは別の才能を持っていると言っていいでしょう。 ゼロを 5億円にする人と、 5億円をバーンと大きくする人。どちらもすばらしい社長です。経営者の引き際 ここまでの話を総合すると、一つの失敗事例が見えてきます。 それは、年商 5億円まで育てた手法にこだわって、ゴリゴリと伸ばそうとする社長です。年商が 5億円を超えたら、これからどうするのか、冷静に考えるときだと思ってください。 会社を売って新しいことを始めるのも、一つの方法です。 業績がいいわけですから、希望の値段で買い取ってくれる人が現れるかもしれません。もちろん、優秀な社長を外部から招いて、現場から退くのも選択肢の一つです。 もし、後継ぎがいるなら、代替わりのタイミングかもしれません。そのときは、うるさく口を出す立場に止まらず、潔く退くのがいいでしょう。 できれば、自分の右腕として会社を支えてきてくれた番頭さんも一緒に辞めてもらい、新社長の人脈で幹部を一新するとスッキリと代替わりができます。 経営者は引き際で評価が大きく違ってきます。いつまでも権力にしがみついているのは、みっともないものです。会社の発展と社員の幸せを考えるべきです。
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