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百間は一見にしかず

セールスマンの報告だけ聞いても、

外部の様子は分からない。

社長が私に語ってくれたのは、次のようなことだった。

「セールスマンの案内でお得意先を回ったが、訪問するところは三流店と

思われるようなところばかりである。次に訪問するところは、立派だろうと

期待していたが、それは全部外れてしまった。車を走らせていると、向こう

に立派なスーパーが見える。そこへ寄るだろうと思っていると素通りである。

次にまた大型店が見えて来たので、今度こそと思っていると、そこへも寄ら

ない。まさか、うちの得意先が、あんな小さなところばかりとは、夢にも思

っていなかった。本当にガッカリした」というのであった。

社長とは、かくも世間知らずである。会社の中にジッと座っていて、セー

ルスマンの報告だけ聞いていても、外部の様子は分からないのである。まさ

に「百間は一見にしかず」なのである。

一倉定の社長学第3巻 「販売戦略・市場戦略」より


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