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生き残る社長は自分を整え、潰れる社長は被害者面をする。

相談を受けることをなりわいにしていると実感します。人というものは自分のことが本当に見えていません。自分のことを大切にできていません。逆の立場になれば、きっと私もそうなのでしょう。  ウチの会員の社長は「会社でこんな問題が起きている」と私に相談をしてくださいます。ご本人は、会社であったり、会社の外の経営環境に問題があると思い込んでいます。  ところが、私のように、一歩ひいたところからものを見られる立場にいると、違う景色が見えてくることがよくあります。「それは、会社に問題があるのではなくて、社長さんご自身の問題です」と。  たとえば、新規事業がうまくいっていない社長は、ホームページへのアクセスが少ないから集客ができていないという具合に、わかりやすい、目につく問題点に注意を奪われてしまいます。  しかし背後には、新規事業に対するエネルギーのかけ方がそもそも足りていないという社長の姿勢に致命的な問題があったりします。さらに元をたどれば、慢心で気持ちが大きくなり、軽はずみで新規事業に手を出してしまったという、社長のマインドの問題が根本原因だったりするわけです。  真の問題は、外部ではなく、自分の内側にあることがほとんどなのかもしれません。  本書では第 2章に「社長が自分を整える」というテーマを置きました。社長を長く続けるために、相当重要なテーマだと考えるためです。  多くの方は、経営戦略や経営ノウハウのようなものに注目するのでしょう。しかし、ロングライフ戦略において、そういったものの重要さは、皆さんが思うほど高くありません。理論やテクニックなんて、ほどほどで十分だと感じています。  それより重要なことは、組織のトップたる社長のあり方です。いかに社長自身が安定しているか、悪い方向に進みそうになる自分を調整できるかが勝負です。  小さな会社の経営は、社長本人さえしっかりしていればどうにかなる、というのは言い過ぎでしょうか。  まず自分を整えておかなければ話になりません。到底、長くは続きません。  かつて「社長はしっかり休むこと」というテーマで動画を配信したことがあります。  その動画に対して「休みたくても休めないんだ!」と経営者と思われる方から長文のコメントが書かれました。私に対する怒りであり、世間に対して自分の辛さを訴えるようなコメントでした。  こんなところに長いコメントを書くくらいならば、早く寝てくださいという気もしないでもないのですが……。  この方のコメントからは「自分はかわいそうな被害者でしょ?」という承認を求めている様子が感じとれました。  気持ちはわからないでもないのですが、被害者になってはいけません。  自分を被害者と設定した時点で、「自分では何もできない無力な人間です」と宣言してしまったようなものです。自分で自分を整えることもできなくなってしまいます。自分を無力な存在だとしてしまったら、何もかもうまくいかなくなります。  状況を変えていくには、まず自分を変えなければいけません。「今の状況を作ったのは自分だ」と受け入れることができて、ようやくスタートラインに立てます。  皆さんは社長です。悲しいかな、会社や上司の文句を言って、他人のせいにばかりしていても給料がもらえるサラリーマンではないのです。  主体性を失えば、流されるしかありません。その先に待っているのは顧客や銀行やスタッフ、さらには社会に言いなりの存在です。露骨に言うと奴隷です。  今の世の中は、ただでさえ、会社と社長にしわ寄せがきやすい構造です。よからぬ方向に流されないために、主体性を欠くわけにはいかないのです。  そんな意味では、社長はもっとわがままになるべきです。いい人を演じようとする社長が増えてしまっていると感じます。 14  生き残る社長は、会社より先に自分を整えようとする

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