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生き残る社長は相手の話に耳を傾け、潰れる社長は自分の話をする。

中国古典の『易経』にまつわるエピソードを、前に紹介しました。  易経は「陽」と「陰」によって世界を表現します。  陽の象徴は天であり、対する陰の象徴は地です。ほかには、昼間は陽で夜が陰、男性は陽で女性が陰とされています。現代の感覚では、男だ、女だと切り分けることに抵抗感があるかもしれませんが、古代にできた書ということで流してください。「これは陽か、陰か」と、自分なりに仕分けしてみるのも面白いものです。  さて、この陽と陰ですが、はたしてどちらが強いと思いますか。  陽は積極的で攻撃的。対する陰は、受け身で防御的。普通に考えると陽のほうが強そうです。短期間の戦いならばまずそうでしょう。  しかし、戦いが長期戦になると、陰のほうが強くなることが起こり得ます。  私の知っている人は、結婚当初、奥さんに対していつも偉そうに威張っていました。「あれをやれ」「これをやれ」と奥さんにいつも命令していました。  ところが何年も経ってこの夫婦に会ってみたら、主導権は奥さんに移っていました。  私が思うに、奥さんは何でも夫の言うことを「はい、はい」と受け入れてあげました。結果、夫の奥さんに対する依存度が高まりました。  また、夫の浮気がバレたことがありましたが、そのときも奥さんは許してあげました。夫は奥さんに対して頭が上がらなくなりました。  こうして年月が過ぎると、関係性が逆転していたのです。  一見弱いように見えて、実は、陰は強いのです。したたかなのです。  たしかに陽にはパワーがありますが、パワーを出し続ければいつか枯れてしまうことでしょう。調子に乗って勢いにまかせれば、道を踏み外すこともあります。  一方の陰には、ものごとを受け入れる器があり、持続力もあります。慎重さだって兼ね備えています。陰が陽を受け入れ続けると、先ほどの夫婦のように、陽を喰ってしまうことすら起きます。  息が長い活躍をしたいのであれば、こんな陰的な要素をとり入れることがポイントになると、易経は教えてくれています。  社長は組織のトップですから、積極的で行動的なタイプの人が多いのは自然なことです。陽と陰ならば、もちろん陽です。そんな陽タイプの人は、あえて陰的な要素をとり込むとうまくいくのです。  陰的な要素をどうやってとり込むか。考えるといろんなアイデアが出てくるでしょう。  ここで私が強くオススメしたいのは「話を聴く側にまわること」です。  社長には、コミュニケーションにおいて、どちらかといえば人の話を聴くより、自分が話すタイプの人が多いことでしょう。そこを聴き手にまわることで利が生まれます。  聴き手でいれば話すネタは枯渇しないし、相手の話から学べることもあります。  さらに相手の好意すら得られてしまうのです。  私は仕事上、クライアントの相談を受ける立場であり、かつては取材で経営者の話を聴く機会もあったので、聴くことの効果を強く体感しています。  実は、会話というものは、話を聴く側が支配するものです。耳を傾けることによって、相手の心をつかみ、心を裸にすることすらできます。当然、深く相手を理解することもできます。  面白い話をする社長と、自分の話をよく聴いてくれる社長がいたとして、長い目で見たときにスタッフなどと良い関係性を維持できるのは、後者の社長でしょう。  聴ける人はよき関係性を築けます。是非とも傾聴にチャレンジしてみてください。  相手を否定せず、自分の意見も言わず、とにかく相手の話を聴いて深いところまで引き出すのです。 37  生き残る社長は、相手の話に耳を傾けることができる

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